JPH09297289A - 光制御デバイスとその動作方法 - Google Patents

光制御デバイスとその動作方法

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JPH09297289A
JPH09297289A JP11377896A JP11377896A JPH09297289A JP H09297289 A JPH09297289 A JP H09297289A JP 11377896 A JP11377896 A JP 11377896A JP 11377896 A JP11377896 A JP 11377896A JP H09297289 A JPH09297289 A JP H09297289A
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control device
conductor
layers
electrode
light control
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JP11377896A
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Osamu Mitomi
修 三冨
Hiroshi Miyazawa
弘 宮沢
Kazuto Noguchi
一人 野口
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/03Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on ceramics or electro-optical crystals, e.g. exhibiting Pockels effect or Kerr effect
    • G02F1/035Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on ceramics or electro-optical crystals, e.g. exhibiting Pockels effect or Kerr effect in an optical waveguide structure
    • G02F1/0356Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on ceramics or electro-optical crystals, e.g. exhibiting Pockels effect or Kerr effect in an optical waveguide structure controlled by a high-frequency electromagnetic wave component in an electric waveguide structure

Abstract

(57)【要約】 【課題】 速度整合・特性インピーダンス整合をとると
ともに、電極の導体損失を大幅に低減することによっ
て、低駆動電圧で高速動作が可能な光制御バイアス構造
と、従来用いられていたDC電圧バイアス用のバイアス
Tを不要とした広帯域動作が可能な光制御デバイスを提
供する。 【解決手段】 少なくとも1本の光導波路を表面近傍に
備えた電気光学効果を有する基板と、前記光導波路近傍
に形成された電極より少なくとも構成され、該電極が中
心導体と接地導体を有する光制御デバイスにおいて、前
記電極の中心導体もしくは接地導体の少なくとも一方を
絶縁層を介して2層以上の多層構造に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数特性が極め
て広帯域かつ低駆動電圧特性を有する光変調器、光スイ
ッチ等の光制御デバイスおよびその動作方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】光通信システムや光応用計測技術におい
ては、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 :L
N)結晶のような電気光学効果を有する強誘電体を利用
して、光変調器や光スイッチあるいは偏波制御器等のよ
うな電気信号によって光の変調、スイッチング、偏波制
御等を行う光制御デバイスが多く用いられている。
【0003】LN結晶を用いた従来の進行波形高速光強
度変調器の構成と、その動作方法例を、図14および図
15を参照して説明する。図14は、コプレーナ線路形
変調電極を用いた光変調器の上面図であり、この図面に
は同時にその駆動回路が示されている。図15は、図1
4のXV−XV´線に沿う断面構成図である。この例では、
電気光学効果を持つzカット−LN基板701にTi熱
拡散によりマッハ−ツェンダ形光導波路702が形成さ
れている。この基板701の上には、変調電極による光
の伝搬損失を抑制するために、厚さtbの、例えば、S
iO2 のような、誘電体よりなるバッファ層(光導波路
のクラッド層)703が形成され、そのバッファ層70
3上にAu,Al等の中心導体704および接地導体7
05から構成されるコプレーナ線路変調電極が形成され
ている。
【0004】従来のこのような変調器においては、通
常、電極の寸法は、中心導体704の幅W=5〜10μ
m、中心導体704と接地導体705との間隔G=10
〜50μm程度に設定される。この場合、インピーダン
ス整合ならびに高効率な変調動作を実現するために、中
心導体704の幅Wは、光導波路702の幅W0 とほぼ
同程度の大きさに設定される。同時に、マイクロ波変調
信号の伝搬速度と光導波路702を伝わる光波速度の整
合化を図るために、電極の厚さtm をギャップGと同程
度に設定する必要があるので、tm が約5〜50μm程
度になる。また、電極の特性インピーダンスZを、マイ
クロ波信号源等の入出力インピーダンスに整合させる必
要がある。そのため、通常は特性インピーダンスZを5
0Ωに近い値に設定する。
【0005】このような従来の変調器において、変調信
号の伝搬速度と光導波路を伝わる光波速度が一致してい
ない場合、変調器の動作帯域は主にこの速度不整合によ
って制限される。マイクロ波変調信号に対する電極の実
行屈折率をnm 、光導波路の実行屈折率をno (波長λ
=1.55μm帯ではno =2.15)とすると、イン
ピーダンス整合がとれている時、光変調の帯域幅Δf1
(エレクトリカル3dB)は、
【0006】
【数1】 Δf1 =1.4c/(π|nm −no |L) (1) の関係で与えられることが知られている。ここで、cは
真空中の光速、Lは変調電極の相互作用長である。変調
器の駆動電圧Vπの大きさは変調電極長Lに反比例する
関係がある。従って、式(1)の関係から、駆動電圧を
大きくすることなく広帯域化を図るためには、Z=50
Ωとし、さらにnm の大きさをno の大きさに近づける
ように、電極厚tm ,バッファ層厚tb の大きさを設定
している。しかし、nm をno の値に近づけた場合、主
に電極の抵抗に起因する導体損失の大きさで帯域幅Δf
2 が制限されるようになり、この場合(nm =no
時)、
【0007】
【数2】 Δf2 (GHz)=40/(αL)2 (2) で与えられる。ここで、αは1GHzにおける減衰定数
(dB/cm)である。
【0008】従って、より低駆動電圧化や広帯域・高速
化を達成するためには、特性インピーダンス整合,マイ
クロ波−光波速度整合とともに、変調電極の導体損失を
小さくすることが極めて重要な課題になる。また、この
導体損失を低減するために、特に中心導体704の厚さ
m を厚く構成することが有効であるが、それに伴って
デバイス製作性に難点が生じる問題がある。
【0009】一方、光変調器を動作させる時、図14に
示すように、マイクロ波信号源706とインピーダンス
整合用の負荷抵抗707とともに、変調器の適当な動作
点を設定するために、バイアスT708を介してDCバ
イアス電源709が接続される。バイアスT708は通
常コンデンサとコイルより構成される。マイクロ波信号
は、このコンデンサを通して供給されるので、その静電
容量や浮遊容量等の大きさによって、変調器の動作周波
数の下限ならびに上限が制約されることになる。このた
めに、10GHzを越える広帯域動作を実現する上で、
バイアスTの性能が変調器動作上大きな問題になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
の問題点を解決するために、速度整合・特性インピーダ
ンス整合をとるとともに、電極の導体損失を大幅に低減
することによって、低駆動電圧で高速動作が可能な光制
御バイアス構造と、従来用いられていたDC電圧バイア
ス用のバイアスTを不要とした広帯域動作が可能な光制
御デバイスおよびその動作方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1の光制御デバイスは、少なくとも
1本の光導波路を表面近傍に備えた電気光学効果を有す
る基板と、前記光導波路近傍に形成された中心導体と接
地導体とからなる電極とによって少なくとも構成された
光制御デバイスにおいて、前記電極の中心導体もしくは
接地導体の少なくとも一方が、少なくとも1層の絶縁層
を介して2層もしくは2層以上の複数の導体層で構成さ
れていることを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項2の光制御デバイス
は、前記請求項1の光制御デバイスにおいて、前記光導
波路の近傍の基板が掘込まれて該基板表面にリッジ形状
が形成されていることを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項3の光制御デバイス
は、前記請求項1または2の光制御デバイスにおいて、
前記電極に供給されるマイクロ波信号波と前記光導波路
を伝搬する光波の伝搬速度が等しくなるように該デバイ
ス構造が設定されていることを特徴とする。
【0014】また、本発明の請求項4の光制御デバイス
は、前記請求項1ないし3のいずれかの光制御デバイス
において、該光制御デバイスがマッハツェンダ形光強度
変調器であることを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項5の光制御デバイス
は、前記請求項1ないし4のいずれかの光制御デバイス
において、前記基板をニオブ酸リチウムから構成したこ
とを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の請求項6の光制御デバイ
スの動作方法は、前記請求項1ないし5のいずれかに記
載の光制御デバイスの動作方法であって、該光制御デバ
イスの中心導体もしくは接地導体の絶縁層を挟んで構成
された異なる導体層に、マイクロ波信号源とDCバイア
ス電源とを別々に接続して、該光制御デバイスを動作さ
せることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態によ
り、さらに詳しく説明する。
【0018】(第1の実施の形態)図1および図2は、
本発明によるz軸(結晶c軸)カット−LN基板とコプ
レーナ線路電極を用いたマッハ−ツェンダ形光強度変調
器の第1の実施の形態を示す図である。図1は、駆動回
路を同時に示した該変調器の上面図であり、図2は、図
1のII−II´線に沿う該変調器の中央断面構成図であ
る。ここで、変調電極は、充分に薄くした(:厚さ
p )ポリイミド,エポキシあるいはSiO2 のような
絶縁層110を介して2層以上の導体で構成されてい
る。厚さtm1のLN基板101側の下部中心導体104
および下部接地導体105と、厚さtm2の上部中心導体
111および上部接地導体112との間には、絶縁層1
10が介装され、この絶縁層110によって、DC的に
は電気的絶縁をとっており、マイクロ波的には絶縁層1
10で形成される下部上部電極間の静電容量Cを介して
電気的結合がとられている。バッファ層103として
は、SiO2 、あるいはポリイミド等のようなLNに対
して誘電率,屈折率が小さい材料が、選ばれる。中心導
体104と接地導体105との間隔G、バッファ層10
3の厚さtb 、絶縁層の厚さtp 、電極の厚さtm1,t
m2の大きさは、特に高周波において光とマイクロ波との
速度整合をとり、特性インピーダンスZを適当な大きさ
(例えば、Z=50Ω)にして、外部回路とのインピー
ダンス整合を図るように構成される。
【0019】ここで、電極形状は、図では矩形を示して
いるが、例えば、中心導体104,111もしくは接地
導体105,112が、台形,逆台形あるいは多層の任
意の形状をとっても同様の効果を有する。絶縁層110
は、印加されるDCバイアス電圧に対して充分な耐圧性
を有する限り、その厚さtp は出来る限り薄くすること
が望ましい。また絶縁層110で形成される静電容量C
が出来る限り大きいことが望ましいので、誘電率の大き
い材料がより適することになる。絶縁層110を挟む下
部・上部電極は、通常の蒸着法、電界メッキ法、機械的
に張り合せる方法、あるいは電気プリント基板製作技術
等の種々の厚膜電極形成技術を用いて、製作できるの
で、必要に応じて充分厚い電極を容易に形成できる。
【0020】マイクロ波信号源106は、下部中心導体
104と上部接地導体112との間に接続され、DCバ
イアス電源109は、上部接地導体112と下部接地導
体105との間に接続される。
【0021】変調器電極のマイクロ波損失の大きさは、
いわゆる表皮効果による導体損失の大きさによって決ま
ることが知られている。このために、通常の電極は、高
周波になる程、その損失が大きくなる傾向を示す。しか
し、本発明による電極構成の場合、高周波になるにした
がって、下部・上部電極間の電気的結合が強くなり、実
効的電極の厚さが、tm1から(tm1+tm2)になるため
に、導体損失の増大を抑制する効果を生ずることにな
る。一方、変調器駆動回路は、図1に示すように、従来
のマイクロ波回路に挿入されていたバイアスTが不要に
なるために、このバイアスTによる周波数特性の制約が
なくなる。一方、図に示した本発明のDCバイアス電源
109ならびに上部下部接地導体間に接続したコンデン
サ、コイルは、DC電源の低周波に対するバイパス回路
の役割を持たせるためのものである。このため、これら
は必要に応じて設定すればよいものであり、マイクロ波
の高速動作上には関わりがない。したがって、本発明に
よって極めて広帯域な動作が可能になる。なお、本発明
による光変調器は、絶縁層110の厚さtp を充分薄く
することによって、絶縁層を除去して電極厚を(tm1
m2)にした変調器と同じ特性を有することになる。
【0022】(第2の実施の形態)図3は、本発明によ
る光変調器の第2の実施の形態を示す図であり、駆動回
路入力部の接続方法を同時に示した該光変調器の断面構
成図である。この場合、光導波路202近傍のLN基板
201の表面をエッチングすることにより、LN基板2
01をリッジ形状化している。この時、電極は、中心導
体204,211のみ絶縁層210が挿入されており、
接地導体205と212は電気的に導通がとられてい
る。変調器駆動回路の接続方法は、図14に示した従来
例と原理は同じであるが、従来のバイアスTは不要であ
る。この場合も、中心導体204および211と、接地
導体205および212との間隔G、バッファ層203
の厚さtb 、リッジ深さtr 、リッジ幅wr 、絶縁層2
10の厚さtp 、電極の厚さtm1,tm2の大きさは、図
1、図2に示した第1の実施の形態と同様に、光とマイ
クロ波との速度整合を図り、特性インピーダンスZが、
例えばZ=50Ωになるように、構成している。
【0023】このような本発明によるリッジ形光変調器
では、図1、図2に示した実施の形態と比較して、電極
厚tm1,tm2一定の下でリッジ深さtr を大きくする
と、特性インピーダンスZは大きく、マイクロ波実効屈
折率nm ,減衰定数αは小さくなる。これは、tr が大
きくなるにつれて、強誘電体のLiNbO3 に代わっ
て、低誘電率のSiO2 や空気に置き換えられているた
めに、実効的な誘電率が低下するためである。また、駆
動電圧・電極長積VπLについては、tr が数μm程度
の大きさで最小になり、さらにtr が大きくなると、微
増する傾向がある。これは、tr が0から例えば3〜4
μm程度の大きさになると、LiNbO3 基板中の光導
波路近傍に電気力線が集中することによって、マイクロ
波電界強度が強まり駆動電圧が低下する効果が、現れる
ためである。しかし、tr がさらに大きくなると、中心
導体と接地導体間の実効的な距離が大きくなる効果が強
まり、電界強度が低下するために、VπLは逆に大きく
なる。
【0024】一方、リッジ深さtr ,電極間隔Gが一定
で、電極幅Wもしくは電極厚tm (=tm1+tm2)を大
きくすると、特性インピーダンスZ,マイクロ波実効屈
折率nm ,減衰定数αは小さくなるが、VπLはほとん
ど変化しない。これは、W,tm が大きくなるにしたが
って、中心導体−接地導体間の静電容量が大きくなる
が、光導波路近傍の電界強度の大きさがほとんど変化し
ないためである。
【0025】図4から図10は、本発明の原理と効果を
説明するための図であり、LN基板を用いた変調器のマ
イクロ波特性を準TEM波近似解析法で計算した例を示
す。
【0026】高速光変調器を実現するには、マイクロ波
と光波の速度整合をとる必要があり、マイクロ波実効屈
折率nm が、光波の等価屈折率no とほぼ等しい大きさ
(波長λ=1.55μm帯ではno =2.15)になる
ように、変調器構造が選ばれる。図4ないし図8は、図
3に示した第2の実施の形態において、絶縁層210を
充分薄く構成し、変調電極の中心導体幅W=16μm一
定に設定した場合、速度整合条件を得るために必要な電
極厚tm (=tm1+tm2)(図4)と、その電極厚tm
における特性インピーダンスZ(図5)、マイクロ波減
衰定数α(1GHzにおける導体損失)(図6)、単位
長さ電極の駆動電圧VπL(図7)、変調器の性能指数
p(図8)のそれぞれのSiO2 バッファ層厚tb に対
する関係を示した。ここで、リッジ深さtr は、tr
3μm一定の場合であり、中心導体−接地導体間隔G
は、90μm,70μm,50μmの3つの場合につい
て示した。光波の波長は1.5μm帯、リッジ幅wr
9μmとしている。また、性能指数pは、
【0027】
【数3】 p=VπL・α (3) で定義したパラメータである。変調器と信号源とのイン
ピーダンス整合がとれている場合、変調器の駆動電圧V
π(V)、エレクトリカル3dB帯域幅Δf(GHz)
は、
【0028】
【数4】 Vπ/Δf1/2 =p/6.4 (4) の関係で与えられる。すなわち、pが小さい電極構造ほ
ど、高性能化(低駆動電圧化,広帯域化)が可能にな
る。
【0029】図5より、tmの大きさを適当な値に設定
して速度整合条件を満たした場合、特性インピーダンス
Zは、Gの大きさにかかわらず、リッジ深さtr とバッ
ファ層厚tb の大きさでほぼ一義的に決まることが分か
る。また、駆動電圧VπLも図7より、Gの大きさには
ほとんど影響を受けず、リッジ深さtr とバッファ層厚
b の大きさでほぼ一義的に決まることが分かる。これ
は、主にLiNbO3基板の誘電率が、結晶のc軸に対
して平行方向と垂直方向で異方性を持つことに起因して
いる。
【0030】図8中の波線は、速度整合条件を満たす電
極厚tm (図4)が、40,60,80μmで一定であ
る点を結んだものである。tm が一定の時、pの大きさ
はバッファ層厚tbの大きさに対する依存性は小さい
が、tm を厚くするほどpパラメータを小さくできるこ
とが分かる。以上のことから、例えば、特性インピーダ
ンスをZ=50Ωにする場合、バッファ層厚tb をtb
=1.0μm程度(リッジ深さtr =3μmの場合)に
設定すればよい。この時、電極間隔Gを大きくする(そ
れに伴って必要な電極厚tm は大きくなる)ほど、pパ
ラメータは小さくなり、低駆動電圧で広帯域な高性能光
変調器を実現できる。なお、図14、15の従来例の変
調器では、例えば、中心導体W=8μm,ギャップG=
20μm程度の場合、性能指数pは5程度の大きさであ
るので、本発明による特性改善効果は極めて大きいこと
が分かる。
【0031】図9および図10は、図3に示した第2の
実施の形態において、絶縁層210をエポキシ樹脂で構
成し、変調器マイクロ波特性インピーダンスZ(図9)
と、マイクロ波信号源に対する変調器駆動電圧VπL特
性(図10)のそれぞれの絶縁層厚さtp 依存性を示
す。ここでは、バッファ層厚tb =1μm,リッジ深さ
r =3μm一定としている。これらの図から、tp
1μm以下にすると、絶縁層のない変調器(tp =0)
とほぼ等しい特性を得られることが分かる。DCバイア
ス電源に対する駆動電圧VπDC・Lは、tp の大きさに
よらず、図10に示すように、tp =0の時の値にな
る。また、tp が厚い場合、その厚さに応じてインピー
ダンス整合,速度整合条件を満たす変調器構造を設計す
ればよいことは、自明である。
【0032】以上の説明では、電極の中心導体幅はW=
16μmの場合を示したが、本発明では、特にリッジ形
変調器の場合、tb ,wr の大きさを固定してWをさら
に大きくしても、電極間隔Gの大きさに関わらずに、中
心導体直下の強誘電体基板リッジ部の電界強度はさほど
変わらないので、VπLの大きさはほとんど変化しな
い。Wを大きくする程、速度整合に必要な電極間隔G,
電極厚tm が大きくなり、電極の断面積が大きくなるの
で、導体損失αは小さくなる(pは小さくなる)。すな
わち、より高性能な光変調器が実現可能になる。したが
って、Wは、W=10μm程度から100μm程度の大
きさの範囲に、設定すれば、本発明の効果を得ることが
できる。また、リッジ幅wr 、リッジ深さtr の大きさ
についても、デバイスの製作性を考慮し、電極寸法・形
状,バッファ層材質・厚さ等のデバイスの構成材料・構
造に合わせて最適な寸法を設定すればよい。
【0033】なお、中心導体−接地導体間隔Gについて
は、Gを大きくするほど、pパラメータが小さくなる。
しかし、必要以上に大きくすると、構造分散によるマイ
クロ波特性への悪影響が出てくる。このために、動作周
波数に応じて、マイクロ波信号の波長より十分小さい寸
法を選ぶことにより、その影響を軽減できるので、G=
10μm〜1000μm程度の大きさを選べばよい。変
調電極の厚さtm (=tm1+tm2)については、tm
大きいほどマイクロ波特性上は望ましいが、製作性を考
慮して、tm はWと同じ大きさ(tm =W)から10倍
(tm =10W)程度の大きさの範囲に設定すればよ
い。バッファ層の厚さtb は、主に特性インピーダンス
の大きさの制約から設計されるが、製作性や変調器の光
挿入損失・安定性を考慮して、tb =0.2μm〜5μ
mになる。LiNbO3 基板のリッジ深さtr について
は、VπL特性の低減効果と、LiNbO3 エッチング
工程の容易さを考慮して、通常1〜10μm程度に設定
される。
【0034】(第3の実施の形態)図11は、本発明に
よる光変調器の第3の実施の形態を示す図であり、駆動
回路の接続方法を合わせて示した該光変調器の断面構成
図である。この場合、接地導体405、412のみ絶縁
層410で分離している。図に示したように、上部中心
導体幅W′を下部中心導体幅Wより広く構成することに
より、W′=Wの場合と比較して、中心導体−接地導体
間の電気的結合を強めることができ、速度整合条件を得
るための全電極厚(tm1+tm2)を比較的薄く構成でき
る特長を有する。また、中心導体に絶縁層を用いていな
いために、絶縁層を全く用いていない変調器とほぼ同等
のマイクロ波特性を有することになる。 (第4の実施の形態)図12は、本発明による光変調器
の第4の実施の形態を示す断面構成図であり、SiO2
やポリイミドあるいはレジスト等の低誘電率の材料51
3で下部電極504、505が埋め込まれて構成されて
いる。この場合、下部電極504、505の表面が平坦
化されているので、下部電極幅の制約を受けずに、上部
電極511、512の幅を任意の大きさに設定できる特
長を有する。
【0035】(第5の実施の形態)図13は、本発明に
よる光変調器の第5の実施の形態を示す断面構成図であ
り、y軸もしくはx軸カット−LN基板601とコプレ
ーナ線路電極を用いたマッハ−ツェンダ形光強度変調器
の一実施形態であり、変調器中央部の断面構成を示して
いる。図中、604は下部中心導体、605は接地導
体、610は絶縁層、611は上部中心導体である。こ
の場合も、前述のz軸カット−LN基板を用いた形態と
同様の原理で、本発明の効果を得ることができる。
【0036】以上では、変調電極としてコプレーナ線路
を用いた場合を示したが、例えば、非対象コプレーナス
トリップ線路,対象コプレーナストリップ線路,マイク
ロストリップ線路等の各種マイクロ波線路を用いても、
同様の効果を得ることができることは、自明である。ま
た、以上では、少なくとも中心導体もしくは接地導体を
一つの絶縁層を介して2層の導体で構成する場合を示し
たが、中心導体もしくは接地導体を複数の絶縁層を介し
て複数層の導体で構成してマイクロ波信号源とDCバイ
アス電源を分離するように接続すれば、本発明の効果を
得ることが出来る。
【0037】また、以上では、下部電極にマイクロ波信
号源を、上部電極にDCバイアス電源を接続した場合を
説明したが、この逆にそれぞれを接続しても同様の原理
で本発明の効果を得ることが出来る。
【0038】さらに、以上では、電気光学効果を有する
基板としてLiNbO3 を、バッファ層としてSiO2
を用いた高速光強度変調器を例として本発明の原理・効
果・実施例を述べたが、この他に、電気光学効果を有す
る基板としてLiTaO3 やPLZT等の強誘電体や半
導体,有機材料等を利用し、バッファ層として例えばA
2 3 やITO,ポリイミド等の誘電体を利用しても
良い。また、光強度変調器以外に光位相変調器,光スイ
ッチ,偏波制御器等のような、電気信号によって光出力
を制御するあらゆる光制御デバイスに、本発明を適用で
きることは自明である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、少な
くとも1本の光導波路を表面近傍に備えた電気光学効果
を有する基板と、前記光導波路近傍に形成された電極よ
り少なくとも構成され、該電極が中心導体と接地導体を
有する光制御デバイスにおいて、前記電極の中心導体も
しくは接地導体の少なくとも一方が絶縁層を介して2層
以上の多層構造で構成されていることを特徴とする。
【0040】また、上記光変調器駆動回路のマイクロ波
信号源とDCバイアス電源が該中心導体もしくは接地導
体の異なる導体層にそれぞれ接続して動作させることを
特徴とする。
【0041】これによって、電極を実効的に厚く構成で
きるので、速度整合・特性インピーダンス整合をとると
ともに、電極の導体損失を大幅に低減することが可能に
なり、低駆動電圧で高速動作が可能な光制御デバイスを
実現できる。また、変調器駆動回路にDC電圧バイアス
用のバイアスTが不要になるために、広帯域な光制御デ
バイス動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、本発
明にかかる光制御デバイスの上面図であり、同時に駆動
回路の接続状態を示している。
【図2】図1のII−II´線に沿う断面構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示すもので、本発
明にかかる光制御デバイスの断面構成図であり、同時に
駆動回路の接続状態を示している。
【図4】本発明の原理と効果を説明するためのグラフで
あり、速度整合条件を得るために必要な電極厚tm (=
m1+tm2)のSiO2 バッファ層厚tb に対する関係
を示すグラフである。
【図5】本発明の原理と効果を説明するためのグラフで
あり、速度整合条件を得るために必要な電極厚tm にお
ける特性インピーダンスZのSiO2 バッファ層厚tb
対する関係を示すグラフである。
【図6】本発明の原理と効果を説明するためのグラフで
あり、速度整合条件を得るために必要な電極厚tm にお
けるマイクロ波減衰定数α(1GHzにおける導体損
失)のSiO2 バッファ層厚tb に対する関係を示すグ
ラフである。
【図7】本発明の原理と効果を説明するためのグラフで
あり、速度整合条件を得るために必要な電極厚tm にお
ける単位長さ電極の駆動電圧VπLのSiO2 バッファ
層厚tb に対する関係を示すグラフである。
【図8】本発明の原理と効果を説明するためのグラフで
あり、速度整合条件を得るために必要な電極厚tm にお
ける変調器の性能指数pのSiO2 バッファ層厚tb
対する関係を示すグラフである。
【図9】本発明の原理と効果を説明するためのグラフで
あり、絶縁層厚tp に対する特性インピーダンスZおよ
び実効屈折率の関係を示すグラフである。
【図10】本発明の原理と効果を説明するためのグラフ
であり、絶縁層厚tp に対する駆動電圧の関係を示すグ
ラフである。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示すもので、本
発明にかかる光制御デバイスの断面構成図であり、同時
に駆動回路の接続状態を示している。
【図12】本発明の第4の実施の形態を示すもので、本
発明にかかる光制御デバイスの断面構成図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態を示すもので、本
発明にかかる光制御デバイスの断面構成図である。
【図14】従来のマッハツェンダ光強度変調器の一例を
示す上面図であり、同時に駆動回路の接続状態を示して
いる。
【図15】図14のXV−XV´線に沿う断面図であ
る。
【符号の説明】
101,201,401,501,601,701 L
iNbO3 基板 102,202,402,502,602,702 T
i熱拡散光導波路 103,203,403,503,703 バッファ層 104,204,404,504,604,704 下
部中心導体 105,205,405,505,605,705 下
部接地導体 106,206,406,706 マイクロ波信号源 107,707 負荷抵抗 708 バイアスT 109,209,409,709 DCバイアス電源 110,210,410,510,610 絶縁層 111,211,411,511,611 上部中心導
体 112,212,412,512 上部接地導体 513 低誘電率材料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の光導波路を表面近傍に
    備えた電気光学効果を有する基板と、前記光導波路近傍
    に形成された中心導体と接地導体とからなる電極とによ
    って少なくとも構成された光制御デバイスにおいて、 前記電極の中心導体もしくは接地導体の少なくとも一方
    が、少なくとも1層の絶縁層を介して2層もしくは2層
    以上の複数の導体層で構成されていることを特徴とする
    光制御デバイス。
  2. 【請求項2】 前記光導波路の近傍の基板が掘込まれて
    該基板表面にリッジ形状が形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の光制御デバイス。
  3. 【請求項3】 前記電極に供給されるマイクロ波信号波
    と前記光導波路を伝搬する光波の伝搬速度が等しくなる
    ように該デバイス構造が設定されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の光制御デバイス。
  4. 【請求項4】 該光制御デバイスがマッハツェンダ形光
    強度変調器であることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の光制御デバイス。
  5. 【請求項5】 前記基板をニオブ酸リチウムから構成し
    たことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    の光制御デバイス。
  6. 【請求項6】 前記請求項1ないし5のいずれかに記載
    の光制御デバイスの動作方法であって、該光制御デバイ
    スの中心導体もしくは接地導体の絶縁層を挟んで構成さ
    れた異なる導体層に、マイクロ波信号源とDCバイアス
    電源とを別々に接続して、該光制御デバイスを動作させ
    ることを特徴とする光制御デバイス動作方法。
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