JPH09297206A - 放物曲線楕円曲線合成反射鏡の設計方法、前記方法により設計された反射鏡および前記反射鏡を使用したホリゾントライト並びに前記ホリゾントライトの照度制御方法 - Google Patents

放物曲線楕円曲線合成反射鏡の設計方法、前記方法により設計された反射鏡および前記反射鏡を使用したホリゾントライト並びに前記ホリゾントライトの照度制御方法

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JPH09297206A
JPH09297206A JP11244496A JP11244496A JPH09297206A JP H09297206 A JPH09297206 A JP H09297206A JP 11244496 A JP11244496 A JP 11244496A JP 11244496 A JP11244496 A JP 11244496A JP H09297206 A JPH09297206 A JP H09297206A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TVスタジオ、劇場等の背景壁面であるホリ
ゾント壁面に基本照明光として均一かつ高照度分布の照
明光を与えるためのホリゾントライトの反射鏡の反射曲
線形状の設計方法と前記方法により設計されたホリゾン
トライト並びに照度制御方法を提供すること。 【解決手段】 主軸Y−Y′を有する放物反射曲線1,
1′と第1楕円反射曲線2と第2楕円反射曲線3または
放物反射曲線よりなり、前記それぞれ異なる反射曲線の
各接続点a、b、cの各接続点における左右微分係数を
同一させ、前記接続点を含む所定区間を連続微分可能に
させるように設計し、異なる反射面の反射曲線の接続点
の連続性と滑らかさを共有させ、主軸を有する放物反射
曲線の焦点f1と第1楕円反射曲線の第1焦点F1を一
致させ、この一致点に光源を配置させると共に、第1楕
円反射面の第2焦点と第2楕円反射面の第2焦点とを同
一光軸上に配置するようにしたホリゾントライトの反射
面の反射曲線形状の設計方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般の建物や構築
物の壁面または道路照明に使用する照明装置、特に劇
場、舞台、映画スタジオ、TVスタジオ、ハイビジョン
撮影用TVスタジオ等の背景壁面を照明するための照明
装置であるホリゾントライトにおいて、その反射曲線形
状の設計方法および前記方法により設計された反射鏡並
びに前記反射鏡を使用したホリゾントライトさらに、照
度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】劇場、舞台、映画スタジオ、TVスタジ
オ等の背景壁面は例えば、高さ5m以上、幅10m以上
あり、通常、高さ10m、幅20mが一般的背景壁面で
ある。ホリゾントライトにより、この壁面を均一に照明
し、この壁面全体に基本照明光を照射して使用する場
合、特にこの背景壁面を「ホリゾント壁面」、ホリゾン
ト壁面を照明する装置を「ホリゾントライト」と定義す
る。
【0003】ホリゾントライトには、ホリゾント壁面か
らの距離が3m以内の天井または照明用バトンに吊設
し、ホリゾント壁面を上方から下方を照射するアッパー
ホリゾントライトと、ホリゾント壁面からの距離が約1
m付近の床またはローホリピット(ロアーホリゾントラ
イトを配置するための、例えば、幅1m、深さ0.4m
の照明用溝)に設置し、ホリゾント壁面を下方から上方
を照射するロアーホリゾントライトとがある。ホリゾン
トライトは、背景壁面全体に均一照度を与える基準照明
光の働きを担っている。しかしながら、天井または床か
ら光をホリゾント壁面に照射する場合、ホリゾント壁面
に近い部分は照射角度が狭く、ホリゾント壁面に遠い部
分は照射角度が広くなり、ホリゾント壁面全体に均一に
光を照射することは非常に困難である。
【0004】さらに、ランプの光は、被照射面の中心部
分が明るく、被照射面の中心から周辺部分になるほど暗
くなる特性があり、さらに光の照度は距離の二乗に反比
例して減衰するという照度に関する逆二乗の法則(E=
1/L2)があるため、遠地点を照明する照射光は、特に
照度を強化しなければならない。さらにまた、ホリゾン
ト壁面の照度は、光の入射角の余弦に比例するという入
射角余弦則(E=E0 Cosθ)がある。さらにまた、
ホリゾント壁面に対して角度θを有する点光源からホリ
ゾント壁面に均一照度を与えるためには、照度換算余弦
三乗則(E=E0 Cos 3θ)を考慮する必要があり、
背景壁面全体を均等な照度で照射することは、極めて困
難な照明技術であると考えられている。
【0005】これらの先行技術として特開平6−338
205号がある。特開平6−338205号に記載され
た第1図を、本願の図16として示す。特開平6−33
8205号には、反射体1の断面曲線形状が、第1部分
Aと、前記第1部分に連なってその上方にある第2部分
Bと、第1部分に連なってその下方にある第3部分Cと
から形成されている。第1部分Aは、ランプ5が配置さ
れる第1焦点2aと、第1焦点の真下方向に位置する第
2焦点2bとを有する第1の楕円形状2のほぼ上半部に
沿った形状をしている。第2部分Bは、第1焦点が上記
第1の楕円形状の第1焦点2aと共通で、第2焦点3b
が第1部分Aの下端近傍にある第2の楕円形状3の一部
に沿った形状をしている。さらに第3部分Cは第1焦点
3bが上記第2の楕円形状の第2焦点と共通で、第2焦
点が上記第1の楕円形状2の第2焦点2bと共通である
第3の楕円形状4の一部に沿った形状をしている。
【0006】これにより、ランプから発散された光のう
ち、反射体の第1部分Aで反射した光は第1の楕円形状
2の第2焦点2bに集光される。また、ランプ5から上
方に発散された光は、反射体の第2部分Bで反射し、第
2の楕円形状3の第2焦点3bに集光し、さらに反射体
の第3部分Cで反射して、第3の楕円形状4の第2焦点
2b、すなわち第1の楕円形状2の第2焦点2bに集光
される。したがって、ランプ5から上方に発散され、反
射体に反射される光も、ランプに遮断されることなく、
集光点である第1の楕円形状2の第2焦点2bに集光さ
れるから、反射体の集光効率が向上するとされている。
【0007】特開平6−338205号は、集光の効率
化に主眼をおいているため、ランプから発散した光のす
べてが、効率よく1点に集光する反射曲線形状を提案し
ている。しかし、異なる反射曲線形状の接続点の連続性
や滑らかさには何ら言及していない。ホリゾント壁面全
体を高い照度分布かつできるだけ均一照度を与えるため
には、異なる反射曲線形状の反射鏡を使用した場合には
特に、異なる反射曲線形状の接続点の連続性や滑らかさ
に充分考慮しなければならない。
【0008】さらに、従来のアッパーホリゾントライト
から放射される光と、従来のロアーホリゾントライトか
ら照射される光とを合成した、ホリゾント壁面の照度分
布には、明るい部分と暗い部分との光の濃淡があり、均
一照度分布が要求される基本背景照明光として不適当で
ある。このようなホリゾント壁面の照明光を背景にした
場合、舞台俳優、キャスター等の顔の表情や輪郭に微妙
な影響を与え、自然な顔の表情ではない虚像が、舞台の
観客またはテレビの視聴者に伝達されることになる。
【0009】ホリゾント壁面の照度の不均一性の現象
が、劇場の観客にもテレビの視聴者にも出演者の真の表
情や輪郭を正確に伝達させず、知覚させない原因であ
る。また、この現象が、劇場、テレビスタジオのライテ
ィングディレクターの演出技術を低下させるため、彼ら
には、極めて不評であった。特に、近年において高品位
TV、ハイビジョンTV等の撮影が急激に増加してお
り、遠地点から広角度の撮影角度で広範囲の被写体を極
微細な映像に撮影する時代の要請に伴い、ホリゾント壁
面に光の濃淡が無く、均一照度分布であることは必須条
件である。
【0010】上記事項を更に図面で詳述する。図17は
従来の反射鏡の配光図である。光源Sに近い反射鏡は、
断面が焦点距離F40mmの放物曲線で形成されており、
光源に遠い反射鏡は断面が直線で形成されている。放物
曲線で反射した光は実線で示され、放物曲線の主軸に平
行に放射している。また、直線の反射面で反射した光は
点線で示され、光が広い範囲に散乱していることが分か
る。このような配光特性の反射鏡を使用したホリゾント
ライトは、ホリゾント壁面に光の濃淡が発生し、壁面照
明には不適である。
【0011】図18は従来の他の反射鏡の配光図であ
る。光源Sに近い反射鏡は、断面が焦点距離F25mmの
放物曲線で形成されており、光源に遠い反射鏡は断面が
焦点距離F5mmの放物曲線で形成され、焦点距離F25
mmの放物曲線の端部と焦点距離F5mmの放物曲線の端部
との接合部分は段差があるのみならず、開口がある。焦
点距離F25mmの放物曲線で反射した光は実線で示さ
れ、焦点距離F5mmの放物曲線で反射した光は点線で示
されている。この反射光の配光特性も、依然として光が
散乱している。このような配光特性の反射鏡を使用した
ホリゾントライトは同様にホリゾント壁面に光の濃淡が
生じ、ホリゾント壁面照明には不適である。
【0012】図19は従来のアッパーホリゾントライト
の照度分布データである。ホリゾント壁面の高さは10
m、ホリゾント壁面とアッパーホリゾントライトとの距
離は2m、灯体の取り付けピッチは1m間隔で9台の各
1,000W の灯体が天井に吊設されている。ホリゾン
ト壁面の高さ9.5mの部分に3,600ルックスの極
めて強い光のピークがあり、ホリゾント壁面の高さ6m
付近から下方は、1,000ルックス以下の照度しかな
い。
【0013】図20は従来のロアーホリゾントライトの
照度分布データである。ホリゾント壁面の高さは10
m、ホリゾント壁面とロアーホリゾントライトとの距離
は0.85m、灯体の取り付けピッチは1m間隔で9台
の500W の灯体が床に配置されている。床からホリゾ
ント壁面の高さ0.5mの部分に4650ルックスの極
めて強い光のピークがあり、ホリゾント壁面の高さ2m
から上方は、1,000ルックス以下の照度しかない。
【0014】図21は従来のアッパーホリゾントライト
と従来のロアーホリゾントライトとを同時に点灯したと
きの合成照度分布データである。アッパーホリゾントラ
イトとロアーホリゾントライトとの個数、照度の測定位
置も図19および図20に示される条件と同一である。
ホリゾント壁面の高さ9.5mの部分に3,600ルッ
クスの極めて強い光のピークがあり、さらに、床から壁
面の高さ0.5mの部分に4,750ルックスの極めて
強い光のピークがある。また、最低照度は、ホリゾント
壁面の高さ3.5mにおいて600ルックスである。ま
た、ホリゾント壁面の高さ2mから6mの範囲は、ほぼ
1,000ルックス以下の照度しかない。
【0015】図19ないし図21に示す照度分布データ
は、9個のアッパーホリゾントライトの中心である5個
目の灯体と、9個のロアーホリゾントライトの中心であ
る5個目の灯体とを結ぶ直線がホリゾント壁面に直接当
たる部分の位置で測定されているため、ホリゾント壁面
の両側端になるほど1,000ルックスより暗くなる。
【0016】図22は、図21の照度分布データをホリ
ゾント壁面の断面から見た光軸を追跡した光軸追跡図で
ある。従来のアッパーホリゾントライトは、放物曲線の
反射曲線に当たった反射光はホリゾント壁面の高さ5.
5m付近の部分を強く照射して、アッパーホリゾントラ
イトの反射面の直線の反射部分に当たった反射光はホリ
ゾント壁面の高さ8mないし10mの部分を強く照射し
ている。従来のロアーホリゾントライトは、放物曲線の
反射面に当たった反射光が、ホリゾント壁面の高さ2m
付近の部分を強く照射し、ロアーホリゾントライトの反
射面の直線の反射部分に当たった反射光は床からホリゾ
ント壁面の高さ1m未満以下を強く照射している。
【0017】したがって、ホリゾント壁面の高さ1m未
満の付近から2mの範囲またはホリゾント壁面の高さ2
mから5.5m付近までの範囲またはホリゾント壁面の
高さ5.5m付近から8.5m付近までの範囲のそれぞ
れの領域には、反射光が照射されていず、ランプからの
直接光しか到達していない。そして、この現象がホリゾ
ント壁面の照度に濃淡が生ずる原因であることが判明し
た。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ランプから放射された
直接光または反射曲線から反射した反射光が、主軸方向
の一部のみを照射するのではなく、照射すべき方向全体
を高い照度分布で、できるだけ均一照度で照射するこ
と;反射光を濃淡なく連続的な照度分布でホリゾント壁
面に均一に照射すること;従来の反射形状を変更して、
ホリゾント壁面上の照度分布を上昇/下降させるように
反射曲線形状等を創作するための設計方法を究明するこ
と;を目的にするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる点に鑑み
為されたもので、反射曲線から放射される光を最大効率
で壁面に照射して、壁面をできるだけ均一照度になるよ
うに、ホリゾントライトの反射面の曲線形状を最適化す
ることにより、従来の欠点を解決することができること
を着想した。究明すべき対象は、ホリゾントライトの反
射面の曲線形状である。
【0020】従来から複数の異なる反射曲線形状が組み
合わされた反射曲線形状として、放物曲線と直線、放物
曲線と放物曲線、楕円と楕円と楕円による複合反射曲線
形状が、本願の先行技術として知られている。さらに、
本願に先立つ同一発明者、同一出願人による特願平8−
15849号には、円弧と放物曲線、放物曲線と放物曲
線と放物曲線、円弧と楕円と直線と放物曲線と直線、放
物曲線と直線、放物曲線と放物曲線による複合反射曲線
形状が記載されている。しかしながら、前記従来の何れ
の反射曲線形状によっても、高い照度分布の均一照度を
ホリゾント壁面に照射することができなかった。
【0021】その理由は、円弧形状の反射曲線は、円弧
の中心に光源を配置させているので、このランプの光が
再び光源に戻り、その戻った光の熱によりランプを劣化
させる。そのためこの円弧形状の反射鏡は、使用するこ
とができない。また、直線形状の反射面は、反射光が平
均して照射されるが、光は距離の二乗に反比例する逆二
乗法則により遠地点が低照度になり、光が散乱してしま
うので、この直線形状の反射鏡を使用することができな
い。円弧と直線との組み合わせを含む反射曲線形状を除
外した反射面の曲線形状は、放物曲線と放物曲線、放物
曲線と放物曲線と放物曲線、楕円曲線と楕円曲線、楕円
曲線と楕円曲線と楕円曲線による反射面の曲線形状であ
る。
【0022】放物曲線と放物曲線とによる反射面の曲線
形状は、やはり逆二乗法則により遠地点が低照度にな
り、さらに放物曲線と放物曲線との接続点が不連続で滑
らかでないことにより、照度分布に濃淡が発生し使用す
ることができない。同様に、楕円曲線と楕円曲線また
は、楕円曲線と楕円曲線と楕円曲線とによる反射面の曲
線形状、放物曲線と放物曲線と放物曲線とによる反射面
の曲線形状は、それぞれの異なる反射形状の接続点が不
連続で滑らかでないことにより、照度分布に濃淡が発生
し、均一照度分布を要求されるホリゾント照明として使
用することができない。
【0023】したがって、本発明は、(1)放物曲線と
楕円曲線とによる組み合わせで、放物曲線と楕円曲線と
の接続点を連続的に滑らかに接続した反射面の曲線形状
を基本として、さらに放物曲線と楕円曲線との反射面の
曲線形状を拡張した反射面形状、例えば、(2)放物曲
線と放物曲線と楕円曲線とによる組み合わせで、放物曲
線と放物曲線との接続点と、放物曲線と楕円曲線との接
続点とをそれぞれ連続的に滑らかに接続した反射面の曲
線形状、(3)放物曲線と楕円曲線と楕円曲線とによる
組み合わせで、放物曲線と楕円曲線との接続点と、楕円
曲線と楕円曲線との接続点とをそれぞれ連続的に滑らか
に接続した反射面の曲線形状、(4)放物曲線と放物曲
線と楕円曲線と楕円曲線とによる組み合わせで、放物曲
線と放物曲線との接続点と、放物曲線と楕円曲線との接
続点と、楕円曲線と楕円曲線との接続点とをそれぞれ連
続的に滑らかに接続した反射面の曲線形状、(5)放物
曲線と放物曲線と楕円曲線と放物曲線とによる組み合わ
せで、放物曲線と放物曲線との接続点と、放物曲線と楕
円曲線との接続点と、楕円曲線と放物曲線との接続点と
をそれぞれ連続的に滑らかに接続した反射面の曲線形状
とを提案することにある。
【0024】特に本発明の重要な特徴点は、(1)異な
る反射面の曲面形状の接続点をそれぞれ連続的に滑らか
に接続することにある。また、(2)放物曲線の焦点に
配置した光源から照射された光が、放物曲線と第1の楕
円曲線との接続点に照射され、この接続点で反射した光
が第1の楕円曲線の第2焦点を通過することにある。ま
た、(3)凹面曲線と、第2の楕円曲線または別の放物
曲線の接続において、凹面曲線の放物曲線と第1の楕円
曲線との接続点から反射した光が、第1の楕円曲線の第
2焦点を通過し、さらに、第2の楕円曲線の第2焦点を
通過し、または別の放物曲線の焦点を通過することにあ
る。このことにより、光源から発した光が反射面の曲線
形状で反射し、均一な照度分布を得ることが可能にな
る。例えば、反射鏡を形成する異なる曲面形状が放物曲
線と楕円曲線とにより形成された反射曲線の場合には、
一般に放物曲線で反射した反射光がホリゾント壁面に照
射されたときに形成される照度は強く、楕円曲線で反射
した反射光がホリゾント壁面に照射されたときに形成さ
れる照度は弱いが、これらの照度の強弱の境界におい
て、光の濃淡がなく連続的に同一変化率の照度で変化す
る照度分布がホリゾント壁面に照射されることが最良で
ある。
【0025】結局、ホリゾント壁面の照度分布の連続
性、同一変化率の照度で変化する照度分布の滑らかさ
は、反射鏡の異なる反射形状の反射曲線の接続点の連続
性、反射鏡の接続点の滑らかな傾斜に依存しているので
ある。従来、このような光学現象を正確に熟知した知識
に基づいて反射鏡を設計することは知られておらず、そ
のような技術文献を見いだすことができなかった。
【0026】すなわち、本発明の放物曲線楕円曲線合成
反射鏡の設計方法は、光軸に対して直角のx軸方向の主
要部分が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂
直なy軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内
側に反射鏡面が形成される反射鏡の設計方法において、
前記y軸方向の凹面曲線が、少なくとも一つの放物曲線
および楕円曲線を複数含み、前記凹面曲線に放物曲線ま
たは楕円曲線のいずれかの曲線を少なくとも一つ付加的
に連続的に接続して単一の合成曲面を形成し、前記凹面
曲線と接続する前記放物曲線または前記楕円曲線との接
続点における接線の左方微分係数と前記接線の右方微分
係数とを等しくし、前記凹面曲線の関数と、前記放物曲
線の関数または前記楕円曲線の関数とのそれぞれの導関
数が、前記接続点を含む所定区間において連続微分可能
である曲線を形成するように設計することを特徴とす
る。
【0027】さらに、本発明の放物曲線楕円曲線合成反
射鏡の設計方法は、光軸に対して直角のx軸方向の主要
部分が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直
なy軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側
に反射鏡面が形成される反射鏡の設計方法において、前
記凹面曲線の放物曲線と楕円曲線との接続点における接
線の左方微分係数と前記接線の右方微分係数とを等しく
し、前記放物曲線の関数と前記楕円曲線の関数とのそれ
ぞれの導関数が、前記接続点を含む所定区間において連
続微分可能である曲線を形成し、前記放物曲線の焦点に
配置した光源からの光が前記凹面曲線の放物曲線と楕円
曲線との接続点に照射されたとき、前記接続点で反射し
た反射光が前記楕円曲線の第2焦点を通過するように設
計することを特徴とする。
【0028】さらに、本発明の放物曲線楕円曲線合成反
射鏡の設計方法は、前記凹面曲線の放物曲線が、主軸を
境界に複数の曲率半径を有し、楕円曲線に接する内側放
物曲線の曲率半径を、楕円曲線に接しない外側放物曲線
の曲率半径よりも小さくまたは等しくすることを特徴と
する。
【0029】さらに、本発明の放物曲線楕円曲線合成反
射鏡の設計方法は、前記凹面曲線の楕円曲線に接続する
前記内側放物曲線の焦点と、前記内側放物曲線に接する
楕円曲線の第1焦点と、を一致させることを特徴とす
る。
【0030】さらに、本発明の放物曲線楕円曲線合成反
射鏡の設計方法は、前記凹面曲線の楕円曲線に接続する
前記内側放物曲線の焦点と、前記内側放物曲線に接する
楕円曲線の第1焦点とを一致させ、前記第1焦点に光源
を配置することを特徴とする。
【0031】さらに、本発明の放物曲線楕円曲線合成反
射鏡の設計方法は、光軸に対して直角のx軸方向の主要
部分が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直
なy軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側
に反射鏡面が形成される反射鏡の設計方法において、前
記y軸方向の凹面曲線が、少なくとも放物曲線および第
1の楕円曲線を含み、前記凹面曲線に第2の楕円曲線を
接続して単一の合成曲面を形成し、前記第1の楕円曲線
と接続する前記第2の楕円曲線との接続点における接線
の左方微分係数と前記接線の右方微分係数とを等しく
し、前記第1の楕円曲線の関数と前記第2の楕円曲線の
関数とのそれぞれの導関数が、前記接続点を含む所定区
間において連続微分可能である曲線を形成するように設
計し、前記第1の楕円曲線の第2焦点と前記第2の楕円
曲線の第2焦点とを同一光軸上に配置させることによ
り、ホリゾント壁面の照度エネルギー分布を制御するこ
とができることを特徴とする。
【0032】さらに、本発明の放物曲線楕円曲線合成反
射鏡の設計方法は、光軸に対して直角のx軸方向の主要
部分が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直
なy軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側
に反射鏡面が形成される反射鏡の設計方法において、前
記y軸方向の凹面曲線が、少なくとも放物曲線および第
1の楕円曲線を含み、前記凹面曲線に別の放物曲線を接
続して単一の合成曲面を形成し、前記第1の楕円曲線と
接続する前記別の放物曲線との接続点における接線の左
方微分係数と前記接線の右方微分係数とを等しくし、前
記第1の楕円曲線の関数と前記別の放物曲線の関数との
それぞれの導関数が、前記接続点を含む所定区間におい
て連続微分可能である曲線を形成するように設計し、前
記第1の楕円曲線の第2焦点と前記別の放物曲線の焦点
とを同一光軸上に配置させることにより、ホリゾント壁
面の照度エネルギー分布を制御することができることを
特徴とする。
【0033】さらに、本発明の放物曲線楕円曲線合成反
射鏡は、前記反射鏡の設計方法により設計し、少なくと
も1の放物曲線と少なくとも第1の楕円曲線とが接続す
る接続点、および少なくとも第1の楕円曲線と第2の楕
円曲線とが接続する接続点、並びに第1の楕円曲線と別
の放物曲線とが接続する接続点、をそれぞれ連続的にか
つ限りなく滑らかに接続することを特徴とする。
【0034】さらに、本発明のホリゾントライトは、前
記放物曲線楕円曲線合成反射鏡と光源とを少なくとも含
むことを特徴とする。
【0035】さらに、本発明のホリゾントライトの照度
制御方法は、光軸に対して直角のx軸方向の主要部分が
実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直なy軸
方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側に反射
鏡面が形成される反射鏡と光源とを含む、少なくとも1
個のアッパーホリゾントライトと少なくとも1個のロア
ーホリゾントライトとを組み合わせ、アッパーホリゾン
トライトの補償点をホリゾント壁面の床から10%ない
し40%の高さに設定させ、ロアーホリゾントライトの
補償点をホリゾント壁面の床から10%ないし40%の
高さに重畳させ、ホリゾントライトの直接光の照度とホ
リゾントライトの反射光の照度との照度差を均一化する
こと、補償点を10%の高さから40%の高さに上昇移
動させることにより、アッパーホリゾントライトの近地
点に形成される最高照度ピークと補償点以上のホリゾン
ト壁面の全体照度エネルギー分布とを増大させ、補償点
以下のホリゾント壁面の全体照度エネルギー分布を減少
させること、補償点を40%の高さから10%の高さに
下降移動させることにより、ロアーホリゾントライトの
近地点に形成される最高照度ピークと補償点以下のホリ
ゾント壁面の全体照度エネルギー分布とを増大させ、補
償点以上のホリゾント壁面の全体照度エネルギー分布を
減少させること、を利用してホリゾント壁面の全体照度
エネルギー分布を選択的に制御することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明の実施例による放物曲線楕円曲線合成
反射鏡の設計方法により作成した放物曲線楕円曲線合成
反射鏡の断面図であり、反射面の曲線形状を示す基本設
計断面図である。前記反射鏡は、放物曲線と楕円曲線で
形成された立体であるが、説明の便宜上、図1に示す反
射曲線の断面図で説明する。図において1は放物曲線、
1′は放物曲線1と曲率半径が異なる他の放物曲線、2
は楕円曲線、3は他の楕円曲線、aは放物曲線1と楕円
曲線2との接続点、a′は楕円曲線2の任意の点、a″
は放物曲線1の任意の点、bは楕円曲線2と楕円曲線3
との接続点、b′は楕円曲線3の任意の点、L1 −L
1 ′は接続点aの接線、L2 −L2 ′は接続点bの接線
である。
【0037】図1において、放物曲線1は、主軸Y−
Y′を座標軸の中心とする放物曲線である。f1は主軸
Y−Y′上にある放物曲線1の焦点である。2は第1焦
点F1と第2焦点F2とを有する楕円曲線であり、放物
曲線1の焦点f1と楕円曲線2の第1焦点F1とを一致
させて、この焦点F1に光源を配置している。楕円曲線
3は本実施例において図示されているが、省略してもよ
い。楕円曲線3を省略した場合は、放物曲線1または
1′と、楕円曲線2とが接続した反射面の曲線形状にな
り、省略しない場合は、放物曲線1または1′と、楕円
曲線2と楕円曲線3がそれぞれ接続した反射面の曲線形
状になる。楕円曲線3は、第1焦点F1と第2焦点F3
とを有する楕円曲線である。
【0038】図1において、点aは放物曲線1と楕円曲
線2の接続点であり、接線L1 −L1 ′が点aに接して
いる。接線L1-L 1′を接平面とすれば、放物曲線1と
点aと接平面L1-L 1′とが為す角度を∠1aL1 また
はθ1 とし、また楕円2と点aと接平面L1-L1 ′とが
為す角度を∠2aL1 ′またはθ2 とする。点bは楕円
曲線2と楕円曲線3の接続点であり、接線L2 −L2
が点bに接している。接線L2-L 2′を接平面とすれ
ば、楕円曲線2と点bと接平面L2-L2′とが為す角度
を∠2bL2 またはθ3 とし、また楕円3と点bと接平
面L2-L2 ′とが為す角度を∠3bL2 ′またはθ4
する。このような形状を有する反射面の曲線形状に光源
から光が放射され、かかる反射面の曲線形状で反射した
光の配光特性は、次のようになる。
【0039】放物曲線1または1′について説明すれ
ば、放物曲線1′は放物曲線1と異なる曲率半径の円弧
にすることにより、反射光の配光特性を変化させること
ができる。この場合、放物曲線1′の曲率半径が放物曲
線1と同じ曲率半径である場合は、放物曲線1′で反射
した光は主軸Y−Y′に平行に照射する。また、放物曲
線1′の曲率半径が放物曲線1より大きい曲率半径であ
る場合は、放物曲線1′で反射した光は主軸Y−Y′に
対して外側に広がる光になって照射する。
【0040】また、放物曲線1′の曲率半径が放物曲線
1より小さい曲率半径である場合は、放物曲線1′で反
射した光は主軸Y−Y′に収束または交差する光になっ
て照射する。放物曲線1は主軸Y−Y′を中心とする放
物曲線であるゆえに、放物曲線1で反射した光は主軸Y
−Y′に平行に照射する。点a″は放物曲線1上にある
ので、点a″で反射した光は主軸Y−Y′に平行に照射
する光α″になる。
【0041】点aは放物曲線1と楕円曲線2との接続点
であり、点aにおいて放物曲線1で反射した光線は、放
物曲線1の主軸Y−Y′に平行に進行し、その光軸上に
ある楕円曲線2の第2焦点F2を通過して進行する。点
aにおいて放物曲線1も楕円曲線2も光源から出発した
光を同一方向に反射させるから、点aで反射した光は主
軸Y−Y′に平行に照射し、楕円曲線2の第2焦点F2
を通過する光αになり、点aにおいて放物曲線1と楕円
曲線2とを連続的に接続できる。点a′は楕円曲線2上
にあり、光源F1を出発し、点a′で反射した光は楕円
曲線2の第2焦点F2を通過する光α′になる。
【0042】点bは楕円曲線2と楕円曲線3との接続点
であり、点bにおいて楕円曲線2と楕円曲線3とも光源
から出発した光を同一方向に反射させる。したがって、
点bで反射した光は、第1焦点F1と第2焦点F2とを
有する楕円曲線2の第2焦点F2を通過する。さらに、
第2焦点F2を通過後、焦点F2を通過する光軸上に楕
円曲線3の第2焦点F3を配置することにより、第1焦
点F1と第2焦点F3とを有する楕円曲線3の第2焦点
F3をも通過する光βになる。したがって、点bにおい
て楕円曲線2と楕円曲線3とが連続的に接続できる。点
b′は楕円曲線3上にあり、光源F1を出発し、点b′
で反射する光は楕円曲線3の第2焦点F3を通過する光
β′になる。
【0043】本発明の技術的思想は、異なる曲面形状の
反射曲線の接続点を連続的に滑らかに接続することによ
り、光源から発した光が反射曲線で反射し、均一な照度
分布を得ることが可能になるという仮説に基づくもので
ある。例えば、反射鏡を形成する異なる曲面形状が放物
曲線と楕円曲線とにより形成された反射面の曲線形状の
場合には、ホリゾント壁面上に直接光により光源に近い
ホリゾント壁面の照度は極めて照度が高く、光源から遠
くなるにつれホリゾント壁面の照度が急激に落ち込む照
度急落下現象の照度分布が形成される。
【0044】この直接光の照度分布に対して放物曲線で
反射したときに形成される照度分布と楕円曲線で反射し
たときに形成される照度分布とがホリゾント壁面に照射
され、直接光の照度分布を補償し、光の濃淡がなく連続
的に同一変化率の照度で変化する照度分布がホリゾント
壁面に形成されるという仮説である。結局、ホリゾント
壁面の照度分布の連続性と同一変化率の照度で変化する
照度分布の滑らかさは、反射鏡の異なる反射形状の接続
点の連続性、反射鏡の接続点の滑らかな勾配に依存して
いる。このことを、以下に詳細に説明する。
【0045】基本的反射曲線形状を、放物曲線と楕円曲
線との組み合わせに決定した根拠について説明する。図
2(a)は、角度θをおいた光源と被照射面との関係を
図示している。図2(a)において、光源から発生した
光のうち、その光に指向性が無く、反射鏡で反射しない
直接光によりホリゾント壁面が照射されるとき、一般的
にはCos3θに比例して被照明面は暗くなる。ホリゾ
ント壁面に対して角度θを有する点光源からホリゾント
壁面に均一照度を与えるためには、照度換算余弦三乗則
(E=E0 Cos3 θ)を考慮する必要があることを前
述したが、ホリゾント壁面の実際の照度は、極座標照度
(E0)を平面配光に換算することにより、表示すること
ができる。以下に入射角余弦則と余弦三乗則の数値を示
す。
【0046】
【表1】
【0047】したがって、ホリゾント壁面の実際の照度
は、極座標照度(E0)よりも、角度θに依存して減少す
る。そのために、ホリゾント壁面上の微小区間では、光
源からの距離が離れるにつれ、および光源とホリゾント
壁面との間の角度θが大きくなるにつれ、減少した照度
になり、この減光したホリゾント壁面の周辺の照度を補
償し、ランプの裏側に射出した光線を無駄なく利用する
ために光源の背後に反射鏡が必要になる。本実施例のホ
リゾントライトのx軸方向の両端部には、y軸方向の曲
面の断面部の一部またはy軸方向の曲面の断面部全体を
遮蔽するように平板または曲面状板を装着し、さらに前
記平板または前記曲面状板の内側反射面に光が反射する
ような表面処理を施すように形成することができる。こ
のように反射表面処理を施した平板または曲面状板によ
り、ホリゾント壁面の水平方向に光を散乱させることが
できる。
【0048】図2(b)は、反射鏡の大きさを図示した
ホリゾントライトの全体寸法図である。図2(a)およ
び図2(b)において反射鏡の反射効率は、被照明面W
に達する直接光を遮ることなく、どれだけ大きな開き角
wで光線を被照明面Wに達するように構成することによ
り決定される。また、反射鏡は高さa、幅bの寸法上の
制約も受ける。そのため、反射鏡はその断面において光
源を取り囲む2次曲面(円、楕円、放物曲線、双曲線)
を基本に、あるいはその2次曲面の一部に平面(直線)
を有する反射曲線形状を採用しざるを得ない。
【0049】図3(a)はホリゾント壁面において光源
から照射される直接光と反射鏡の反射面で反射した反射
光との合成配光図である。図3(a)においてAは、直
接光により照射される領域部分であり、Bは、反射光に
より照射される領域部分である。ホリゾント壁面Wにお
いて、Aの領域は、光源の近地点照度は極端に高く、ま
た光源の遠地点照度は極端に低くなる照度急落下現象を
示している。また、Bの領域は、ホリゾント壁面Wの中
間地点以下の地点を中心に直接光による極端な照度を示
すのではなく、平均した照度の広がりを示している。理
想的には、直接光のホリゾント壁面W上の照度の不均一
さを完全に補完できる特性を有する反射鏡が望ましい。
【0050】図3(b)は、角度θをおいた光源と被照
射面との関係を図示した補償点の説明図てある。図3
(b)において、角度θにより定まるQ点における照度
をP点の照度と等しくするためには、1/Cos3 θ倍
の光エネルギーが必要になり、θ=30゜の場合、Co
3 θ=0.563になり、1/Cos3 θは1.77
6になる。これは、P点の照度をQ点に与えるには、
1.776倍の光エネルギーが必要になることが計算さ
れる。遠地点方向に指向性のある約2倍の光エネルギー
をQ点に与え、広範囲にわたり補完を行うことは実際
上、不可能である。
【0051】そこで、ホリゾント壁面W上において、照
度の補正が有効に作用する地点Sに、反射鏡からの光を
集中させる。図3(a)において、直接光のみにより照
射されるA部分と反射鏡により照射されるB部分との間
の境界があまり目立たないように、つまり、A部分とB
部分との間に大きな照度の落差Cが起こらないように、
この地点Sを選定しなければならない。ホリゾント壁面
において直接光による照度の落差を、反射鏡からの光を
地点Sに集中させることによりホリゾント壁面の照度の
不均一性を補完することができる。したがって、この地
点Sを補償点Sと言い換える。
【0052】補償点Sの位置は、ホリゾント壁面Wの下
部より10%ないし40%の範囲内で決定される。この
範囲決定において、光線の光源からの開き角wが大きす
ぎるとホリゾント壁面Wの外側に光が漏れて、無駄にな
り、図3(a)のA部にも大量に光線が到達し、照度急
落下現象を解消することができず、配光分布に変化が生
じない。それゆえに、開き角wを小さくする必要があ
り、補償点Sを照射する反射鏡の形状は、指向性のある
放物曲線を使用するのが妥当である。
【0053】図4(a)は異なる曲率半径を有する放物
曲線と楕円曲線との概略図であり、図4(a)におい
て、光源は放物曲線の焦点fまたはその焦点付近に配置
される。また、光軸a−a′を境界として焦点距離の異
なる放物曲線Aおよび/または放物曲線Bを連結して用
いることも可能である。
【0054】この場合、放物曲線Aの曲率半径または放
物曲線Bの曲率半径のいずれかを固定して他方の放物曲
線の曲率半径を変化させたとき、放物曲線Aの曲率半径
と放物曲線Bの曲率半径との差は、10mm以内が好まし
い。図4(a)において、この反射鏡の反射曲線全体を
放物曲線のみで形成すると前記寸法的制約による高さ
a、幅bと光源と放物曲線の底との距離の最小条件によ
り、開き角wを充分に確保するのが困難となる。そこで
放物曲線Bの途中から光源を取り囲むように湾曲した曲
線部Cが必要になる。
【0055】曲線部Cに求められる特性は、放物曲線A
または放物曲線Bにより照射されている補償点S周辺に
さらなる光を集中させ、被照明面上部との照度差を少な
くすること、さらに、ある特定部分に光が偏向し、配光
状態が悪化することを避けること、さらに、ホリゾント
壁面Wの外側に光が散光しないようにしながら、補償点
S付近に光線を集中させ、滑らかな連続した照度の変化
をもたらすことにある。
【0056】図4(b)は反射面の曲線形状に対する光
の推移を時系列的に示した説明図である。図4(b)に
示すように時系列的に光源Oから光線が、R0、 R1
2………Rn のようにα方向に順次発生して、反射面
の曲線形状で反射されるとすると、図5(a)に反射面
の曲線形状に対する光の推移方向とホリゾント壁面の光
の移動方向がより詳細に示されている。α方向への光線
の動きは、ホリゾント壁面W上で補償点S付近から出発
するβ方向の光線の動きに対応する。この方向の逆転を
生じさせるためには、反射鏡の反射曲線と被照明面Wと
の間に光線が通過する要となる交点(または交点になる
領域)が存在することが必要であり、この交点は焦点に
なる。したがって、この光学系を実現させるためには曲
線部Cは、2つの焦点を有する2次曲線である楕円を基
本とする形状を選択することが最善となる。
【0057】図5(a)において第1焦点f1 に光源を
配置した場合、曲線部Cが楕円とすれば、光源から発し
た光束db1 は、楕円の反射面で反射して第2焦点f2
を通過した反射光rb1 になる。すなわち、以下のよう
に進行する。 光束 第1焦点 反射面位置 第2焦点 反射光 db1 : f1 → C1 → f2 → rb1 db2 : f1 → C2 → f2 → rb2 db3 : f1 → C3 → f2 → rb3 db4 : f1 → C4 → f2 → rb4 db5 : f1 → C5 → f2 → rb5
【0058】このとき、光束db1 は楕円反射面C1
反射し、光束db2 は、楕円反射面C2 で反射し、光束
db3 は楕円反射面C3 で反射し、光束db4 は、楕円
反射面C4 で反射し、光束db5 は楕円反射面C5 で反
射する。楕円反射曲線上において反射地点の移動方向
は、反射面位置C1 → 反射面位置C2 → 反射面位置
3 → 反射面位置C4 → 反射面位置C5 に移動
し、α方向(上方から下方に進行する)に進行する。ま
た、光束db1 は第2焦点f2 を通過後、反射光rb1
になり、ホリゾント壁面上でそれぞれ反射光rb1
反射光rb 2 →反射光rb 3 → 反射光rb 4
反射光rb 5になり、同様にβ方向(下方から上方に進
行する)に進行する(図5(a)参照)。図5(b)
は、光源からの光束がα方向に進行するにつれて、ホリ
ゾント壁面W上を反射光がβ方向に移動する光の移動方
向を示す、前記した説明図である。
【0059】また、この楕円反射面Cの後に寸法上の制
約の中で曲面Dを配置することも可能である。曲面Dは
楕円反射面または放物反射面Eまたは双曲反射面Fを配
置させることも可能であるが、放物反射面は反射鏡の末
端に近い部分にのみ使用することができる。
【0060】図6は、放物反射面Aと楕円反射面Bとの
基本形に楕円反射面Cを接続したタイプと、基本形に放
物反射面Eを接続したタイプとの反射光の配光特性を説
明した図である。図6(a)は、放物反射面Aと楕円反
射面Bとの基本形である。楕円反射面Bで反射した光
は、楕円の第2焦点を通過した後、下部領域から上部領
域に光が次第に粗になり散乱する。図6(b)は、基本
形に楕円反射面Cを接続したタイプであり、楕円反射面
Bの第2焦点を通過した光束と、楕円反射面Cの第2焦
点を通過した光束とが、重畳して下部領域は光が密にな
り、上部領域に移行するにつれて光が粗になる。図6
(c)は、基本形に放物反射面Eを接続したタイプであ
り、楕円反射面Bの第2焦点を通過した光束と、放物反
射面Eで反射した光束とが一部重畳して下部領域は、比
較的に光は密になり、上部領域は反射光がほとんど照射
されていない。
【0061】前記放物面楕円面合成反射鏡は、前述の技
術思想に基づくコンピュータシミュレーションによる設
計方法により為された。このコンピュータシミュレーシ
ョンの基本的方針を以下に示す。一般に、関数f(x)
のx=aにおける微分係数f′(a)が存在するとき、
f(x)はx=aで微分可能であり、x=aで微分可能
であるならば、x=aで連続であり、さらに関数f
(x)のx=aにおける左微分係数をf′- (a)、右
微分係数をf′+ (a)とするとき、f′(a)が存在
するならば、以下のようになる。 f′- (a)=f′+ (a)
【0062】同様に、関数f(x)のx=bにおける微
分係数f′(b)が存在するとき、f(x)はx=bで
微分可能であり、x=bで微分可能であるならば、x=
bで連続であり、さらに関数f(x)のx=bにおける
左微分係数をf′- (b)、右微分係数をf′+ (b)
とするとき、f′(b)が存在するならば、以下のよう
になる。 f′- (b)=f′+ (b) したがって、上記f′- (a)=f′+ (a)は、図1
に示される勾配θ1 =勾配θ2 と同義になり、また、
f′- (b)=f′+ (b)は、勾配θ3 =勾配θ4
同義になる。
【0063】曲面の連続性について、放物線の式をy=
f(x)とし、楕円の式をy=g(x)とした場合、ス
ネルの法則、本願のそれぞれの各焦点の選び方により図
1の放物線1と楕円2の接続点aにおいて、f(x)の
微分係数とg(x)の微分係数とは、 f′(a)=g′(a) が成立する。これは、放物線で反射する光線と楕円で反
射する光線とが入射光、出射光ともに同一光路を通過す
ることを示している。また、f(x)およびg(x)
は、接続点a近傍で微分可能で連続である。この意味
は、接続点aにおいて、 f(a)=g(a) であり、放物線1と楕円2は接続点aにおいて連続して
いる。
【0064】また、図1の楕円2の楕円の式をy=g
(x)とし、楕円3の式をy=h(x)とした場合、図
1の楕円2と楕円3との接続点bにおいて、g(x)の
微分係数とh(x)の微分係数は、 g′(b)=h′(b) となって成立する。これは、楕円2で反射する光線と楕
円3で反射する光線とが入射光、出射光ともに同一光路
を通過することを示している。また、g(x)およびh
(x)は、接続点bの近傍で微分可能で連続である。こ
の意味は、接続点bにおいて、 g(b)=h(b) であり、楕円2と楕円3とは、接続点bにおいて連続し
ている。
【0065】さらに、f(x)の導関数f′(x)があ
る区間で連続であるとき、f(x)は、この区間で連続
微分であり、連続微分可能な関数の表す曲線は、接線の
傾きが連続的に変化するので、この曲線f(x)は滑ら
かな曲線を描くことになる。同様に、g(x)の導関数
g′(x)がある区間で連続であるとき、g(x)は、
この区間で連続微分であり、連続微分可能な関数の表す
曲線は、接線の傾きが連続的に変化するので、この曲線
g(x)は滑らかな曲線を描くことになる。さらに同様
に、h(x)の導関数h′(x)がある区間で連続であ
るとき、h(x)は、この区間で連続微分であり、連続
微分可能な関数の表す曲線は、接線の傾きが連続的に変
化するので、この曲線h(x)は滑らかな曲線を描くこ
とになる。上記説明は、図1の放物曲線1と楕円曲線2
との接続点aおよび楕円曲線2と楕円曲線3との接続点
bについて説明したが、楕円曲線2と放物曲線Eとの接
続点も楕円曲線2と双曲線Fについても同様である。
【0066】上記の技術的思想に基づいて、以下のコン
ピュータシミュレーションをした。前記コンピュータシ
ミュレーションは、モンテカルロ法による光学設計ソフ
トウエアーを使用した。モンテカルロ法は、擬似乱数を
発生させて確率論的に生ずる事象の解析を模擬したり、
または決定論的な事象において確率的に表現された事象
を解析する乱数の取扱技法である。モンテカルロ法の照
明光学系シミュレーションは、ある面積を有する光源か
らインコヒーレント(非干渉性)光線を発生させ、被照
射面の照度分布を求めることにある。複数の光源からの
光線が合成して、光に強弱が生ずる干渉現象は、ここで
は、考慮されていない。
【0067】この光線が発生する座標S(a,b)を決
定し、乱数による座標Sからの射出角度T(p,q)を
決定し、一本の光線の放射に必要な4つのパラメータが
決定される。このとき、乱数の分布を光源の物理的特性
を反映するように、パラメータ(a,b,p,q)をそ
れぞれ独立に設定することができる。光源面上に光線各
1本の出現確率、あるいは特定方向に進行する確率のコ
ントロールにより、光線の指向性、発散度の不均一性等
を表現することができる。つまり、照明光学系シミュレ
ーションに必要な光線本数を発生させ、被照射面上の微
小区分に到達する光線束が計算され、照度が得られる。
【0068】図7は、上記コンピュータシミュレイショ
ンによりプロットされた光源からの直接光の配光特性で
あり、図3(a)の直接光により照射される領域(A)
の照度分布を示す。
【0069】図8は、放物反射面Aからの反射光であ
り、放物反射面Aの主軸に光が集光しており、図3
(a)の反射鏡により照射される領域(B)の照度分布
を示す。
【0070】図9は、楕円反射面Bからの反射光であ
り、楕円反射面Bの第2焦点を通過後、光束は密から粗
になる。
【0071】図10は、前記コンピュータシミュレーシ
ョンにより演算された各反射曲線の反射光と直接光とそ
れらの合成光との照度分布の照度分析グラフであり、光
の散乱を考慮している。図においてy軸は、watt/mm2
たりの照度エネルギーの光量%、x軸は光源からの距離
であり、x軸の右側は、光源に近く、原点は、光源から
の距離が離れている。各照度のピーク値は、ホリゾント
壁面の高さ8m付近を示している。Y軸は正確な照度分
布に比例して作図されているが、X軸は作図の困難性に
より比例していない。X軸は正確な照度分布に比例して
作図した場合、より幅が広くなり、全体的に裾広がりの
照度グラフになる。しかしながら、X軸の照度の比例関
係を省略しても何ら照度分布の説明に影響されない。
【0072】コンピュータシミュレーションにより演算
された反射曲線形状は、主軸を有する放物曲線(図中記
号:ZR12PP)とこの放物曲線に接続する楕円曲線
(図中記号:ZS3PP)とこの楕円曲線に接続する放
物曲線(図中記号:ZS4PP)と前記楕円曲線(図中
記号:ZS3PP)に接続する楕円曲線(図中記号:Z
S5PP)である。さらに、光源からの直接光(図中記
号:ZR0RPP)と以上の4種類の光を合成した合成
光(図中記号:ZPPALL)とが示されている。
【0073】ZR12PPは、主軸を有する放物曲線の
反射光の照度分布であり、光源からの反射光エネルギー
の27%が放射されており、2つの照度ピークがある。
第1のピークp1は、光源からの距離が近いほど光の散
乱が強く、ピークが発生する。第2のピークは、ホリゾ
ント壁面の10%ないし40%の補償点付近のピークで
ある。ZS3PPは、楕円曲線の反射光の照度分布であ
り、反射光エネルギーの68%が放射されている。ZS
4PPは、楕円曲線に接続する放物曲線の反射光の照度
分布であり、反射エネルギー光の48%が放射されてい
る。ZS5PPは、楕円曲線に接続する楕円曲線の反射
光の照度分布であり、破線で示されている。ZR0RP
Pは、直接光の照度分布であり、光源の照度エネルギー
光の41%が放射されている。ZPPALLは、直接光
と全ての反射曲線で反射した反射光の照度分布であり、
光源からの照度エネルギー光の80%が放射されてい
る。
【0074】このグラフから直接光の照度のピーク値が
最も高く、次に主軸を有する放物曲線の反射光の照度の
ピーク値が高く、次に楕円の反射光の照度のピーク値が
高く、次に楕円曲線に接続する放物曲線の反射光の照度
のピーク値が高くなっているが、ZS4PPの放物曲線
を楕円反射曲線ZS5PPにすることにより、破線に示
されるカーブに照度が上昇することが判明した。また、
楕円反射曲線(ZS3PP)からの光の反射エネルギー
は、主軸を有する放物曲線(ZR12PP)からの光の
反射エネルギーと楕円曲線に接続する放物曲線(ZS4
PP)からの光の反射エネルギーとの間にあることが示
されている。
【0075】本来、光源の光量を変えずに直接光の照度
分布を変えることはできない。反射曲線形状を変化させ
て照度分布を変化させることができる反射曲線は、放物
反射曲線の形状(ZR12PP)と楕円反射曲線(ZS
3PP)と放物反射曲線(ZS4PP)と楕円反射曲線
(ZS5PP)のみである。放物反射曲線(ZR12P
P)は、光の散乱現象によりピークp1と補償点付近の
ピークp2が発生してしまう。放物反射曲線(ZR12
PP)のピークp1とピークp2の谷V1 の照度を上昇
させることが、図4に示される直接光と反射光との交差
部分Cの光の照度を均一化する。
【0076】かくして、放物曲線に接続して楕円曲線を
形成し、この楕円曲線に接続して放物反射曲線(または
楕円反射曲線)を形成した。放物曲線に接続した楕円曲
線の楕円反射光(ZS3PP)は、放物反射光(ZR1
2PP)と放物反射光(ZS4PP)の間に照度分布を
形成している。放物反射光(ZS4PP)は最も低い照
度分布である。楕円曲線に接続して更に楕円反射曲線を
形成したときには、楕円反射光(ZS3PP)より上部
に照度分布を有する楕円反射光(ZS5PP)になる。
【0077】この楕円反射光(ZS3PP)と放物反射
光(ZS4PP)が合成して放物反射光(ZR12P
P)のピークp1とピークp2との谷V1 を上昇させる
ことになる。同様に、この楕円反射光(ZS3PP)と
楕円反射光(ZS5PP)が合成して放物反射光(ZR
12PP)のピークp1とピークp2との谷V1 を上昇
させることになる。このようにして、直接光と反射光と
の交差部分Cおよび補償点付近の照度が上昇し、ホリゾ
ント壁面全体の照度が上昇し、かつ光の濃淡のない配光
分布になることが、コンピュータシミュレーションによ
り具体的に実証された。
【0078】
【実施例】図11は、本発明の実施例である。本実施例
の反射曲線形状は、放物曲線Aと放物曲線Bと楕円曲線
Cと楕円曲線Dより形成されている。楕円曲線Dを放物
曲線Eに変更してもよい。放物曲線Aと放物曲線Bとの
接続点qおよび放物曲線Bと楕円曲線Cとの接続点r′
および楕円曲線Cと楕円曲線Dとの接続点pは、それぞ
れ隣接する曲線と連続的に接続して限りなく滑らかに連
続している。
【0079】f1は放物曲線Bの焦点であると共に、楕
円曲線Cの第1焦点F1であり、F1に光源が配置され
ている。光源から放射した直接光は、開口prを通過
し、フィルター取付部4のフィルターを透過して散乱す
る。放物曲線Aに入射した反射光は、放物曲線Aの曲率
半径が放物曲線Bの曲率半径より長いので、放物曲線B
の主軸a−a′にほぼ平行ではあるが、より広角になっ
て進行する。放物曲線Aと放物曲線Bとの接続点qで反
射した反射光は、放物曲線Bの主軸a−a′の同一軸を
進行する。放物曲線Bで反射した反射光は、放物曲線B
の主軸a−a′に平行に進行する。
【0080】放物曲線Bと楕円曲線Cとの接続点r′で
反射した反射光は、放物曲線Bの焦点f1に光源が配置
されているので、放物曲線Bの主軸a−a′に平行に進
行し、楕円曲線Cの第2焦点F2を通過して進行する。
楕円曲線Cで反射した反射光は、楕円曲線Cの第2焦点
F2を通過して進行するが、光源に近い楕円曲線Cで反
射した反射光は、放物曲線Bの主軸a−a′にほぼ平行
に進行し、光源に遠い楕円曲線Cで反射した反射光は、
放物曲線Bの主軸a−a′を交差して広角になって進行
する。
【0081】楕円曲線Cと楕円曲線Dとの接続点pで反
射した反射光は、楕円曲線Cの第2焦点F2を通過す
る。また、楕円曲線Cと楕円曲線Dとの接続点pで反射
した反射光の延長線上に楕円曲線Dの第2焦点F3が配
置されている。したがって、楕円曲線Cと楕円曲線Dと
の接続点pで反射した反射光は、楕円曲線Cの第2焦点
F2を通過すると共に、楕円曲線Dの第2焦点F3を通
過して進行する。楕円曲線Dで反射した反射光は、楕円
曲線Dが第1焦点F1と第2焦点F3とを有する楕円で
あるゆえに、第2焦点F3を通過して楕円曲線Cで反射
した反射光よりさらに広角になって放物曲線Bの主軸a
−a′を交差して進行する。
【0082】さらに詳述すれば、放物曲線Aで反射した
反射光は、放物曲線Bの主軸a−a′にほぼ平行に放射
していく。しかしながら、この光は、放物曲線Aが、放
物曲線Bよりも裾広がりの形状になっているため、主軸
a−a′に完全に平行ではなく、主軸a−a′より広角
な反射光となる。後述するように放物曲線Aで反射した
反射光は図15において光線αになる。放物曲線Bの反
射曲線に入射した反射光は、光源の近い部分からそれぞ
れ光束bp1、bp2、bp3、bp4、bp5、bp
6として光軸a−a′に平行に反射する。後述するよう
に放物曲線Bで反射した反射光は図15において光線β
になる。
【0083】次に、楕円曲線Cの反射曲線に入射した反
射光は、光源に近い楕円曲線の反射曲線に反射した順
に、それぞれ光束be1、be2、be3、be4、b
e5、be6、be7として楕円曲線Cの第2焦点F2
を通過後、光束be1、be2、be3、be4、be
5、be6、be7の順序で、連続的に反射角度が広角
になって反射する。楕円曲線Cで反射した光は楕円曲線
Cの第2焦点F2を通過して連続的に光が推移して、変
化している。後述するように放物曲線Cで反射した反射
光は図15において光線γになる。
【0084】楕円曲線Dで反射した反射光は、楕円曲線
Dの第2焦点F3を通過して光束be8、be9の順序
で、楕円曲線Cの反射角度よりも反射角度が広角になっ
て連続的に反射する。
【0085】本発明で特に重要な点は、それぞれの曲面
の接続点で反射した反射光の配光である。放物曲線Aと
放物曲線Bとの接続点qで反射した反射光は、放物曲線
Bの主軸a−a′と同一軸を進行する。放物曲線Bと楕
円曲線Cとの接続点r′で反射した反射光は、楕円曲線
Cの第2焦点F2を通過して進行する。楕円曲線Cと楕
円曲線Dとの接続点pで反射した反射光は、楕円曲線C
の第2焦点F2を通過すると共に、楕円曲線Dの第2焦
点F3を通過して進行する。
【0086】放物曲線Aと放物曲線Bとが点qにおいて
連続し、反射曲線が滑らかに連続している。また、放物
曲線Bと楕円曲線Cとが点r′において連続し、反射曲
線が滑らかに連続している。また、楕円曲線Cと楕円曲
線Dとが点pにおいて連続し、反射曲線が滑らかに連続
している。異なる反射曲線の形状が上記のように各接続
点で接続し、滑らかに連続しているので、点qを含む放
物曲線Aと放物曲線Bとの反射光の配光は不自然な濃淡
がなく、連続して反射する。同様に、点r′を含む放物
曲線Bと楕円曲線Cとの反射光の配光は不自然な濃淡が
なく、連続して反射する。同様に、点pを含む楕円曲線
Cと楕円曲線Dとの反射光の配光は不自然な濃淡がな
く、連続して反射する。さらに、ホリゾントライトの両
端部の凹面曲線p,q,rを遮蔽して、半円弧状遮蔽内
面に反射表面処理を施してもよい。この遮蔽反射面は、
光軸に対して平行に形成してもよく、また、光軸に対し
てほぼ広角に広げて形成してもよく、また、光軸に対し
て湾曲形状に形成してもよい。このような遮蔽反射面の
平行、湾曲、広角のそれぞれの形状により、ホリゾント
壁面の水平方向に光を拡散させることができる。
【0087】図12は、図11の反射曲線の配光図であ
る。図12においてAは図11の放物反射曲線Aであ
り、Bは図11の放物反射曲線Bであり、Cは図11の
楕円反射曲線Cであり、Dは図11の楕円反射曲線Dで
ある。A曲線で反射した光は放物主軸にほぼ平行に進行
し、B曲線で反射した光は放物主軸に平行に進行し、C
曲線で反射した光は楕円曲線の第2焦点F2を通過し
て、特に放物曲線Bに近い楕円反射曲線C1 で反射した
光は、主軸にほぼ平行に進行し、放物曲線Bに遠い楕円
反射曲線C2 で反射した光は、主軸を横断して大きな角
度で反射し、D曲線で反射した反射光は楕円曲線Dの第
2焦点F3を通過して進行する。
【0088】図13は本発明のアッパーホリゾントライ
トの照度分布データである。このアッパーホリゾントラ
イトの反射面形状は、放物面+放物面+楕円面+放物面
の組み合わせで形成されている。放物面+放物面+楕円
面の組み合わせで形成された反射面の照度分布は、破線
で示され、放物面+放物面+楕円面+放物面の組み合わ
せで形成された反射面の照度分布は、実線で示されてい
る。破線の照度分布は、ホリゾント壁面の高さ8mに約
2,400ルックスの照度分布のピークがあり、ホリゾ
ント壁面の高さ7m以上の部分は、2,000ルックス
から3,000ルックスの照度分布の範囲にあり、ま
た、ホリゾント壁面の高さが4m以上7m以下の部分
は、1,000ルックスから2,000ルックスの照度
分布の範囲にあり、また、床からホリゾント壁面の高さ
4mの部分は、1,000ルックス以下の照度分布にな
っている。
【0089】実線の照度分布は、ホリゾント壁面の高さ
9mに約2,600ルックスの照度分布のピークがあ
り、ホリゾント壁面の高さ7m以下は、破線の照度分布
とほぼ同様である。ここで注目すべきことは、楕円反射
面の下部に放物反射面を接続したことにより、照度分布
が上方向にシフトしていることである。そして、この両
照度分布の曲線で囲まれた領域が、光がシフトした変化
量を示している。
【0090】図14は本発明の他のアッパーホリゾント
ライトの照度データである。このアッパーホリゾントラ
イトの反射面形状は、放物面+放物面+楕円面+楕円面
の組み合わせで形成されている。放物面+放物面+楕円
面の組み合わせで形成された反射面の照度分布は、破線
で示され、放物面+放物面+楕円面+楕円面の組み合わ
せで形成された反射面の照度分布は、実線で示されてい
る。破線の照度分布は、ホリゾント壁面の高さ8mに約
2,400ルックスの照度のピークがあり、ホリゾント
壁面の高さ7m以上の部分は、2,000ルックスから
3,000ルックスの照度の範囲にあり、また、ホリゾ
ントの高さが4.5m以上7m以下の部分は、1,00
0ルックスから2,000ルックスの照度の範囲にあ
り、また、床からホリゾント壁面の高さ4.5mの部分
は、1,000ルックス以下の照度になっている。
【0091】実線の照度分布は、ホリゾント壁面の高さ
8.5mに約2,700ルックスの照度分布のピークが
あり、ホリゾント壁面の高さ7m以下は、破線の照度分
布とほぼ同様である。ここで注目すべきことは、楕円反
射面の下部に楕円反射面を接続したことにより、照度分
布が上方向にシフトしていることである。そして、この
両照度分布の曲線で囲まれた領域が、光がシフトした変
化量を示している。図13と図14との照度分布を比較
すると、図13の楕円反射面に放物反射面を接続した反
射面は、ホリゾント壁面の高さ9mに約2,600ルッ
クスのピークが示され、他方、図14の楕円反射面に楕
円反射面を接続した反射面は、ホリゾント壁面の高さ
8.5mに約2,700ルックスのピークが示されてい
る。この事実から、楕円反射面に楕円反射面を接続した
反射面の方が、楕円反射面に放物反射面を接続した反射
面よりも照度が強くなることが判明した。
【0092】楕円反射曲線に接続して楕円反射曲線D
(または放物反射曲線E)を配設した反射曲線形状の配
光特性は、ホリゾント壁面の床からの高さ10%から4
0%の間の補償点に、アッパーホリゾントライトの主軸
方向を向け、ロアーホリゾントライトの主軸方向を補償
点に向けて、アッパーホリゾントライトの補償点とロア
ーホリゾントライトの補償点を重畳することにより、照
度が均一化してくる。さらに、楕円反射曲線Dの反射光
の配光特性は、補償点上部の照度を均一的に上昇させ
る。放物反射曲線Eの反射光の配光特性は、補償点上部
の照度を部分的に指向性のある照度に上昇させる。
【0093】図15においてホリゾント壁面の高さは1
0mであるが、各TVスタジオにより、ホリゾント壁面
の高さに違いがあるため、補償点を、ホリゾント壁面の
床から10%ないし40%の範囲に設定した。
【0094】そして、アッパーホリゾントライトの補償
点とこの補償点に重畳したロアーホリゾントライトの補
償点とをホリゾント壁面の床から10%から40%の高
さに補償点を上昇移動させることにより、アッパーホリ
ゾントライトの近地点に形成される最高照度ピークと補
償点以上のホリゾント壁面の全体照度エネルギー分布と
が増加し、さらに、補償点以下のホリゾント壁面の全体
照度エネルギー分布が減少する。
【0095】また、補償点を40%の高さから10%の
高さに下降移動させることにより、ロアーホリゾントラ
イトの近地点に形成される最高照度ピークが増加し、補
償点以下のホリゾント壁面の全体照度エネルギー分布と
が増加し、さらに、補償点以上のホリゾント壁面の全体
照度エネルギー分布が減少する。この現象を利用して、
ホリゾント壁面の全体照度エネルギー分布を選択的に制
御可能であり、照度エネルギー分布を任意に変更するこ
とができる。
【0096】図15は、本発明のアッパーホリゾントラ
イトと本発明のロアーホリゾントライトとを使用してホ
リゾント壁面に照射した光軸追跡図である。図16にお
いてUHはアッパーホリゾントライトを示しており、L
Hはロアーホリゾントライトを示している。図15のア
ッパーホリゾントライト(UH)を説明する。図12の
放物曲線Aの部分から反射した反射光は、図15の光束
αになり、ホリゾント壁面に照射される。図12の放物
曲線Bの部分から反射した反射光は、図15の光束βに
なり、ホリゾント壁面に照射される。図12の楕円曲線
Cの部分から反射した反射光は、図15の破線で示す光
束γになり、ホリゾント壁面に照射される。
【0097】図12の楕円曲線Dの部分から反射した反
射光は、図15の破線で示す光束γの範囲を含み、さら
に補償点より上方向を照射する。図12の楕円曲線Dま
たは放物曲線Eの部分から反射した反射光は、図15の
破線で示す光束γの範囲を含み、さらに補償点より上方
向を照射するが、図10で示されるZS3PPまたはZ
S4PPのように光の指向性が強くなり、特に、放物曲
線Eにおいて補償点含め補償点上方向の全体照度は、楕
円曲線Dにより反射される照度エネルギーよりも低下す
る傾向になる(図13および図14参照)。
【0098】ロアーホリゾントライトは、アッパーホリ
ゾントライトを逆向きにして、下方から上方を照射した
ものであり、放物曲線Aに相当する部分はA′と、放物
曲線Bに相当する部分はB′と、放物曲線Cに相当する
部分はC′と楕円曲線Dに相当する部分はD′と放物曲
線Eに相当する部分はE′になる(図示せず)。
【0099】図15のロアーホリゾントライト(LH)
を説明する。図12の放物曲線A′の部分から反射した
反射光は、図15の光束α′になり、ホリゾント壁面に
照射される。図12の放物曲線B′の部分から反射した
反射光は、図15の光束β′になり、ホリゾント壁面に
照射される。図12の楕円曲線C′の部分から反射した
反射光は、図15の破線で示す光束γ′になり、ホリゾ
ント壁面に照射される。楕円曲線C′に楕円曲線を接続
した場合にも、前記したと同様な配光特性を示、この楕
円曲線D′により補償点以下の全体照度が増加する。楕
円曲線D′の代わりに放物曲線E′を接続したときに
は、光の指向性が強化され、補償点以下の全体照度が楕
円曲線D′よりも低下する。
【0100】従来のホリゾントライトのホリゾント壁面
光軸追跡図である図22を参照すれば、従来のアッパー
ホリゾントライトの放物曲線により反射した光は、ホリ
ゾント壁面の高さ5.5mの位置までにしか到達してい
ない。また、従来のロアーホリゾントライトの放物曲線
により反射した光は、ホリゾント壁面の高さ2.0mの
位置までにしか到達していない。ホリゾント壁面の高さ
1.0m未満の地点から2.0mの位置までの範囲と、
ホリゾント壁面の高さ2.0mから5.5m付近の位置
までの範囲と、ホリゾント壁面の高さ5.5m付近から
8.5mの位置までの範囲のそれぞれの領域は、何ら反
射光が到達していない部分である。
【0101】図15で示す本発明のホリゾント壁面の光
軸追跡図において、アッパーホリゾントライトの放物曲
線A(図12参照)により反射した光束αは、ホリゾン
ト壁面の高さ3.0mの位置までに到達している。ま
た、アッパーホリゾントライトの放物曲線B(図12参
照)により反射した光束βは、ホリゾント壁面の高さ
1.0mの位置までも到達している。ホリゾント壁面の
高さ1.0mの位置からホリゾント壁面の高さ3.0m
の位置までの範囲は光束αおよび/または光束βにより
照射されている。楕円反射曲線C(図12参照)で反射
した光γは、ホリゾント壁面の高さ3.0mの位置から
ホリゾント壁面の高さ8.5m付近の位置までの範囲を
照射している。
【0102】また、ロアーホリゾントライトの放物曲線
A′により反射した光束α′は、ホリゾント壁面の高さ
3.0mの位置までに到達している。また、ロアーホリ
ゾントライトの放物曲線B′により反射した光束β′
は、ホリゾント壁面の高さ4.0mの位置までに到達し
ている。ホリゾント壁面の高さ3.0mの位置からホリ
ゾント壁面の高さ4.0mの位置までの範囲は光束α′
および/または光束β′により照射されている。楕円反
射曲線C′で反射した光γ′は、ホリゾント壁面の高さ
1.0m未満の位置からホリゾント壁面の高さ3.0m
付近の位置までの範囲を照射している。
【0103】楕円反射曲線C′に接続する楕円反射曲線
D′の反射光は、補償点を含めて補償点の下方向の全体
照度を増加する。アッパーホリゾントライトの放物曲線
から放射された反射光とロアーホリゾントライトの放物
曲線から放射された反射光とは、ホリゾント壁面におい
て重なり合っている。
【0104】つまり、光は、距離の2乗に反比例して光
の強度が減衰するので、光源から遠い部分を照射する光
は、極端に照度が弱まっている。したがって、光が減衰
している遠地点の領域に強い光を放射できるように、ホ
リゾントライトの反射曲線形状を遠地点に光が到達でき
るように配光を変えることができる。
【0105】さらに、ホリゾント壁面において、アッパ
ーホリゾントライトまたはロアーホリゾントライトから
放射し、遠地点に到達した減衰した光をさらに、補償す
るために、アッパーホリゾントライトおよび/またはロ
アーホリゾントライトの放物曲線で反射した光束α(ま
たはα′)および/または光束β(またはβ′)並び
に、ロアーホリゾントライトの楕円曲線で反射した光束
γ(またはγ′)を加えて、ホリゾント壁面の高さ1m
ないし4mに重ね合わせ、ホリゾント壁面においてホリ
ゾント壁面の高さ1mないし4mの領域の照度を補強す
ることができる。
【0106】さらに、ホリゾント壁面上の補償点の位置
を床から10%ないし40%の範囲を上昇させることに
より、アッパーホリゾントライトの近地点に発生する最
高照度のピークを上昇させ、補償点以上の照度分布を増
加させ、補償点以下の照度分布を減少させることができ
る。
【0107】さらに、ホリゾント壁面上の補償点の位置
を40%ないし10%の範囲を下降させることにより、
ロアーホリゾントライトの近地点に発生する最高照度の
ピークを上昇させ、補償点以下の照度分布を増加させ、
補償点以上の照度分布を減少させることができる。
【0108】上記した補償点の位置の上昇移動、下降移
動により、ホリゾント壁面上の照度分布を制御すること
が可能になる。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、単一の反射面を有する
反射鏡を形成する複数の異なる曲面形状の反射曲線を連
続的に滑らかに接続すること;つまり、反射鏡の形状
を、異なる反射曲線形状の接続点の連続性と反射鏡の接
続点を滑らかな勾配にする設計方法により、光源からの
直接光と反射面からの反射光が、重畳されて均一な照度
分布を得ること;が可能になる。
【0110】例えば、反射鏡を形成する異なる曲面形状
が放物曲線と楕円曲線とにより形成された反射曲線の場
合には、直接光の照度分布に対して、放物曲線で反射し
たときに形成される照度分布と楕円曲線で反射したとき
に形成される照度分布とがホリゾント壁面の全体的照度
分布を、適切に補償して、光の濃淡がなく連続的に同一
変化率の照度で変化する照度分布に形成される。
【0111】それゆえに、ホリゾント壁面の照度分布の
連続性、同一変化率の照度で変化する照度分布の滑らか
さは、反射鏡の異なる反射形状の接続点の連続性、反射
鏡の接続点の滑らかな勾配に依存している。かかる反射
曲線形状の設計方法により、ホリゾント壁面において基
本照明光として適切な均一かつ高い照度分布の配光特性
をもたらすことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるホリゾントライトの反射曲線形状
の基本断面図の設計概念図である。
【図2】(a)本発明による光源と被照射面との関係図
である。 (b)本発明によるホリゾントライトの全体寸法図であ
る。
【図3】(a)本発明による直射光と反射光との合成配
光図である。 (b)本発明による補償点の説明図である。
【図4】(a)本発明による異なる曲率半径を有する放
物曲線と楕円曲線との概略図である。 (b)本発明による反射曲線形状に対する光の推移を時
系列的に示した説明図である。
【図5】(a)本発明による反射曲線形状に対する光の
推移方向とホリゾント壁面の光の移動方向を示す説明図
である。 (b)本発明による補償点Sとホリゾント壁面上を移動
する光の移動方向を示す説明図である。
【図6】(a)放物反射面と楕円反射面とにより形成さ
れた基本形の反射光の配光説明図である。 (b)基本形に楕円反射面を接続させた反射光の配光説
明図である。 (c)基本形に放物反射面を接続させた反射光の配光説
明図である。
【図7】コンピュータシミュレーションによる直接光の
配光図である。
【図8】コンピュータシミュレーションによる放物面の
反射光の配光図である。
【図9】コンピュータシミュレーションによる楕円面の
反射光の配光図である。
【図10】本発明によるコンピュータシミュレーション
により演算され、プロットされた各反射曲線の反射光と
直接光とそれらの合成光とのそれぞれの照度分布グラフ
である。
【図11】本発明による実施例である。
【図12】本発明による実施例の反射曲線の配光図であ
る。
【図13】アッパーホリゾントライト(放物反射面+放
物反射面+楕円反射面)と本発明のアッパーホリゾント
ライト(放物反射面+放物反射面+楕円反射面+放物反
射面)との比較照度分布図である。
【図14】アッパーホリゾントライト(放物反射面+放
物反射面+楕円反射面)と本発明のアッパーホリゾント
ライト(放物反射面+放物反射面+楕円反射面+楕円反
射面)との比較照度分布図である。
【図15】本発明によるアッパーホリゾントライトとロ
アーホリゾントライトの合成照度分布図である。
【図16】従来の反射鏡(楕円と楕円と楕円)の概略図
である。
【図17】従来の反射鏡(放物曲線と直線)の配光図で
ある。
【図18】従来の反射鏡(放物曲線と放物曲線)の配光
図である。
【図19】従来のアッパーホリゾントライトの照度分布
データである。
【図20】従来のロアーホリゾントライトの照度分布デ
ータである。
【図21】従来のアッパーホリゾントライトと従来のロ
アーホリゾントライトとの合成照度分布データである。
【図22】図21のホリゾント壁面光軸追跡図である。
【符号の説明】
1 放物曲線 1′ 1と異なるまたは同一の曲率半径を有する他の放
物曲線 2 楕円曲線 3 他の楕円曲線 a 放物曲線1と楕円曲線2との接続点 b 楕円曲線2と楕円曲線3との接続点

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸に対して直角のx軸方向の主要部分
    が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直なy
    軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側に反
    射鏡面が形成される反射鏡の設計方法において、 前記y軸方向の凹面曲線が、少なくとも一つの放物曲線
    および楕円曲線を複数含み、前記凹面曲線に放物曲線ま
    たは楕円曲線のいずれかの曲線を少なくとも一つ付加的
    に連続的に接続して単一の合成曲面を形成し、前記凹面
    曲線と接続する前記放物曲線または前記楕円曲線との接
    続点における接線の左方微分係数と前記接線の右方微分
    係数とを等しくし、前記凹面曲線の関数と、前記放物曲
    線の関数または前記楕円曲線の関数とのそれぞれの導関
    数が、前記接続点を含む所定区間において連続微分可能
    である曲線を形成するように設計することを特徴とする
    放物曲線楕円曲線合成反射鏡の設計方法。
  2. 【請求項2】 光軸に対して直角のx軸方向の主要部分
    が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直なy
    軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側に反
    射鏡面が形成される反射鏡の設計方法において、 前記凹面曲線の放物曲線と楕円曲線との接続点における
    接線の左方微分係数と前記接線の右方微分係数とを等し
    くし、前記放物曲線の関数と前記楕円曲線の関数とのそ
    れぞれの導関数が、前記接続点を含む所定区間において
    連続微分可能である曲線を形成し、前記放物曲線の焦点
    に配置した光源からの光が前記凹面曲線の放物曲線と楕
    円曲線との接続点に照射されたとき、前記接続点で反射
    した反射光が前記楕円曲線の第2焦点を通過するように
    設計することを特徴とする放物曲線楕円曲線合成反射鏡
    の設計方法。
  3. 【請求項3】 前記凹面曲線の放物曲線が、主軸を境界
    に複数の曲率半径を有し、楕円曲線に接する内側放物曲
    線の曲率半径を、楕円曲線に接しない外側放物曲線の曲
    率半径よりも小さくまたは等しくすることを特徴とする
    放物曲線楕円曲線合成反射鏡の設計方法。
  4. 【請求項4】 前記凹面曲線の楕円曲線に接続する前記
    内側放物曲線の焦点と、前記内側放物曲線に接する楕円
    曲線の第1焦点と、を一致させることを特徴とする放物
    曲線楕円曲線合成反射鏡の設計方法。
  5. 【請求項5】 前記凹面曲線の楕円曲線に接続する前記
    内側放物曲線の焦点と、前記内側放物曲線に接する楕円
    曲線の第1焦点とを一致させ、前記第1焦点に光源を配
    置することを特徴とする請求項4に記載の放物曲線楕円
    曲線合成反射鏡の設計方法。
  6. 【請求項6】 光軸に対して直角のx軸方向の主要部分
    が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直なy
    軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側に反
    射鏡面が形成される反射鏡の設計方法において、 前記y軸方向の凹面曲線が、少なくとも放物曲線および
    第1の楕円曲線を含み、前記凹面曲線に第2の楕円曲線
    を接続して単一の合成曲面を形成し、前記第1の楕円曲
    線と接続する前記第2の楕円曲線との接続点における接
    線の左方微分係数と前記接線の右方微分係数とを等しく
    し、前記第1の楕円曲線の関数と前記第2の楕円曲線の
    関数とのそれぞれの導関数が、前記接続点を含む所定区
    間において連続微分可能である曲線を形成するように設
    計し、前記第1の楕円曲線の第2焦点と前記第2の楕円
    曲線の第2焦点とを同一光軸上に配置させることによ
    り、ホリゾント壁面の照度エネルギー分布を制御するこ
    とができることを特徴とする放物曲線楕円曲線合成反射
    鏡の設計方法。
  7. 【請求項7】 光軸に対して直角のx軸方向の主要部分
    が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直なy
    軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側に反
    射鏡面が形成される反射鏡の設計方法において、 前記y軸方向の凹面曲線が、少なくとも放物曲線および
    第1の楕円曲線を含み、前記凹面曲線に別の放物曲線を
    接続して単一の合成曲面を形成し、前記第1の楕円曲線
    と接続する前記別の放物曲線との接続点における接線の
    左方微分係数と前記接線の右方微分係数とを等しくし、
    前記第1の楕円曲線の関数と前記別の放物曲線の関数と
    のそれぞれの導関数が、前記接続点を含む所定区間にお
    いて連続微分可能である曲線を形成するように設計し、
    前記第1の楕円曲線の第2焦点と前記別の放物曲線の焦
    点とを同一光軸上に配置させることにより、ホリゾント
    壁面の照度エネルギー分布を制御することができること
    を特徴とする放物曲線楕円曲線合成反射鏡の設計方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか1項
    に記載の前記反射鏡の設計方法により設計し、少なくと
    も1の放物曲線と少なくとも第1の楕円曲線とが接続す
    る接続点、および少なくとも第1の楕円曲線と第2の楕
    円曲線とが接続する接続点、並びに第1の楕円曲線と別
    の放物曲線とが接続する接続点、をそれぞれ連続的にか
    つ限りなく滑らかに接続することを特徴とする放物曲線
    楕円曲線合成反射鏡。
  9. 【請求項9】 請求項8の放物曲線楕円曲線合成反射鏡
    と光源とを少なくとも含むことを特徴とするホリゾント
    ライト。
  10. 【請求項10】 光軸に対して直角のx軸方向の主要部
    分が実質的に直線状態に延び、前記x軸に対して垂直な
    y軸方向の断面が凹面曲線状態を呈し、前記凹面内側に
    反射鏡面が形成される反射鏡と光源とを含む、少なくと
    も1個のアッパーホリゾントライトと少なくとも1個の
    ロアーホリゾントライトとを組み合わせ、 アッパーホリゾントライトの補償点をホリゾント壁面の
    床から10%ないし40%の高さに設定させ、ロアーホ
    リゾントライトの補償点をホリゾント壁面の床から10
    %ないし40%の高さに重畳させ、ホリゾントライトの
    直接光の照度とホリゾントライトの反射光の照度との照
    度差を均一化すること、 補償点を10%の高さから40%の高さに上昇移動させ
    ることにより、アッパーホリゾントライトの近地点に形
    成される最高照度ピークと補償点以上のホリゾント壁面
    の全体照度エネルギー分布とを増大させ、補償点以下の
    ホリゾント壁面の全体照度エネルギー分布を減少させる
    こと、 補償点を40%の高さから10%の高さに下降移動させ
    ることにより、ロアーホリゾントライトの近地点に形成
    される最高照度ピークと補償点以下のホリゾント壁面の
    全体照度エネルギー分布とを増大させ、補償点以上のホ
    リゾント壁面の全体照度エネルギー分布を減少させるこ
    と、を利用してホリゾント壁面の全体照度エネルギー分
    布を選択的に制御することを特徴とするホリゾントライ
    トの照度制御方法。
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