JP2004031056A - スポットライト - Google Patents

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Hiroyuki Sekii
関井 広行
Tadashi Murakami
村上 忠史
Ryoji Yokoya
横谷 良二
Keiji Sakamoto
坂本 圭司
Masao Yamaguchi
山口 昌男
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

【課題】従来と同様な配光特性を備えつつ、光利用効率を一層高め、器具の温度上昇を抑えたスポットライトを提供することにある。
【解決手段】筐体1内に配置されたランプ4は、その発光部4aの中心を通る長軸が筐体1の前端部に設けられた集束レンズ3の光軸Cxと略一致するように配置されている。ランプ4の前方側には開口部8aを有する直射光遮蔽板8が設けられ、またランプ4の発光部4aを外囲して楕円反射鏡5が設けられている。この楕円反射鏡5は、その長軸が光軸Cxと略一致するように配置されると共に、両焦点F1,F2の内のランプ側の第1焦点F1がランプ4の発光部4aの位置と略一致するように、また、第2焦点F2が直射光遮蔽板8の開口部8aの形成位置と略一致するようにそれぞれ設定されている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舞台照明やスタジオ照明等に使用されるスポットライトに係り、特には、光利用効率を一層高めるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
舞台照明やスタジオ照明等に使用されるスポットライトとして、従来、たとえば図9に示す構成を備えたものがある。
【0003】
このスポットライトは、筐体31の内部にランプ32およびその背後に球面鏡33が配置され、また筐体31の光出射側の前端部にはフレネルレンズや平凸レンズなどからなる集束レンズ34が取り付けられている。
【0004】
ランプ32はその発光部32aの中心を通る長軸Cyが集束レンズ34の光軸Cxと略直交して配置され、また、球面鏡33は、その中心がランプ32の発光部32aの中心と略一致するように設定されている。
【0005】
そして、筐体31内において、ランプ32と球面鏡33とは共に支持具35で支持されており、この支持具35を図外のスライド機構によって前後にスライドすることで、ランプ32および球面鏡33が共に互いの光学的関係を保った状態で集束レンズ34に対して近接、離間するようになっている。
【0006】
したがって、ランプ32を球面鏡33と共に集束レンズ34に近付けたときには、集束レンズ34から発する光は拡散されてスクリーン37等に照射される照射パターンP0は大きくなり、逆に、ランプ32を球面鏡33と共に集束レンズ34から遠ざけたときには、集束レンズ34から発する光は集束されてスクリーン37等に照射される照射パターンP0は小さくなる。
【0007】
また、球面鏡33を設けることにより、ランプ32から直接に集束レンズ34に向かう光(以下、直射光という)と、球面鏡33で反射してから集束レンズ34に向かう光(以下、反射光という)との配光が略一致するため、上記の照射パターンP0は略真円形となり、ランプ32を前後にスライドさせた場合にも照射パターンP0の形状に歪みを生じない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上記構成のスポットライトにおいて、ランプ32の発光部32aから放射される光の内、球面鏡33による反射光および集束レンズ34に向かう直射光以外の光は、照明に直接寄与しない非有効光となる。特に、従来構成のものでは、ランプ32の発光部32aの中心を通る長軸Cyが集束レンズ34の光軸Cxと略直交して配置されており、また、球面鏡33は、ランプ32の発光部32aから後退した背後の位置に設けられているため、発光部32aから上方に向けて放射された光(符号P1で示す領域の光)は照明用としては全く利用されず、光の利用効率が悪くなっている。
【0009】
たとえば、ランプ32を集束レンズ34に近付けた拡散時の光利用効率は概ね30〜40%、ランプ32を集束レンズ34から遠ざけた集光時の光利用効率は概ね15〜20%で、光利用効率が悪い。
【0010】
しかも、ランプ32の発光部32aから上方に向けて放射された光は、筐体31の内壁の広い領域P1を照射するため、スポットライト全体の温度上昇の主原因になってしまう。そして、この温度上昇により、ランプ32や球面鏡33を支持している支持具35が変形し、その結果、互いの光学的な位置関係がずれて所要の光学特性が得られなくなるといった不具合を生じる。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、従来と同様な配光特性を備えつつ、従来よりも光利用効率を一層高め、かつ器具の温度上昇を抑えたスポットライトを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は筐体の内部にランプが配置され、また筐体の前端部には前記ランプからの光を集束する集束レンズが取り付けられているスポットライトにおいて、次の構成を採用している。
【0013】
すなわち、請求項1記載の発明に係るスポットライトは、ランプはその発光部の中心を通る長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置され、このランプの前方側の集束レンズとの間には開口部を有する直射光遮蔽板が設けられ、また、前記ランプの発光部を外囲して楕円反射鏡が設けられ、この楕円反射鏡は、第1,第2の焦点間を結ぶ長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置されるとともに、両焦点の内のランプ近傍側の第1焦点が前記ランプの発光部の中心と略一致するように、また、他方の第2焦点が前記直射光遮蔽板の開口部の中心と略一致するようにそれぞれ設定されていることを特徴としている。
【0014】
これにより、ランプの発光部から放射された光の内の大部分は楕円反射鏡で反射され、その反射光は直射光反射板の開口を通過して集束レンズに向かう一方、ランプからの直射光は直射光遮蔽板により遮断される。したがって、直射光と反射光の配光が違うために照射パターンが歪な形状になるといったことを防止することができるとともに、反射光の大半を照明用の有効光として利用できるので、従来よりも光利用効率を一層高めることができる。しかも、器具の温度上昇を同時に抑えることができる。
【0015】
請求項2記載の発明に係るスポットライトは、請求項1記載の発明の構成において、前記ランプの発光部における長軸方向の長さをA、前記直射光遮蔽板の開口部における口径をBとしたとき、両者A,Bの間には、
B=2.2×A
の関係式が概ね成立することを特徴としている。
【0016】
この関係を満たすようにすれば、直射光を殆ど遮断する一方で、反射光の大部分を通過させることができるため、配光の違いに起因して照射パターンが歪な形状となることを防止しつつ光利用効率を高めることができる。
【0017】
請求項3記載の発明に係るスポットライトは、請求項1記載の発明の構成において、前記直射光遮蔽板の開口部の近傍には、入射側から放射側に向けて次第に口径が増加し、かつ、内面に反射膜が形成された筒状体が配置されていることを特徴としている。
【0018】
これにより、楕円反射鏡で反射された反射光の内、光軸から大きく傾いた反射光の内の一部は、筒状体の内面の反射膜で反射されて集束レンズに向かう。このため、楕円反射鏡で反射された反射光の光軸近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
【0019】
請求項4記載の発明に係るスポットライトは、請求項1記載の発明の構成において、前記楕円反射鏡の長軸と交差する付近の部分は、この楕円反射鏡の前記第1焦点を焦点にもつ放物面鏡として連続的に形成されていることを特徴としている。
【0020】
これにより、ランプの発光部から放射された光の内、放物面鏡で反射された反射光は光軸に沿って平行に反射されて集束レンズに向かう。このため、請求項3の場合と同様に、楕円反射鏡で反射された反射光の光軸近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
【0021】
請求項5記載の発明に係るスポットライトは、前記ランプはその発光部の中心を通る長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置され、また、前記ランプの発光部を外囲して楕円反射鏡が配置され、この楕円反射鏡は、第1,第2の焦点間を結ぶ長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置されるとともに、両焦点の内のランプ近傍側の第1焦点が前記ランプの発光部の中心と略一致するように設定される一方、ランプに近接した前方位置には集光用の小型レンズが配置され、この小型レンズの集光側の焦点は前記楕円反射鏡の第2焦点に略一致するように設定されていることを特徴としている。
【0022】
これにより、ランプの発光部から放射された光の内の大部分は楕円反射鏡で反射され、その反射光は直射光反射板の開口を通過して集束レンズに向かう一方、ランプからの直射光も小型レンズで集光されて集束レンズに向かうため、請求項1記載の発明よりも光用効率を一層高めることができる。さらに、小型レンズの集光側の焦点は楕円反射鏡の第2焦点に略一致するように設定されているので、直射光と反射光の配光も略一致し、このため照射パターンが歪な形状になるのを防止することができる。しかも、直射光遮蔽板を省略することができる。
【0023】
請求項6記載の発明に係るスポットライトは、請求項5記載の発明の構成において、前記楕円反射鏡の長軸と交差する付近の部分は、この楕円反射鏡の前記第1焦点を焦点にもつ球面鏡として連続的に形成されていることを特徴としている。
【0024】
これにより、球面鏡で反射された光はランプから小型レンズに直接向かう直射光と同じ配光として利用できるため、請求項5記載の発明よりも光利用効率をさらに一層高めることができる。
【0025】
請求項7記載の発明に係るスポットライトは、前記ランプはその発光部の中心を通る長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置され、また、前記ランプの発光部を外囲して楕円反射鏡が配置され、この楕円反射鏡は、第1,第2の焦点間を結ぶ長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置されるとともに、両焦点の内のランプ近傍側の第1焦点が前記ランプの発光部の中心と略一致するように設定され、さらに、前記楕円反射鏡の開口端付近の部分は、楕円反射鏡の前記第1焦点を焦点にもつ放物面鏡として連続的に形成され、また、ランプに近接した前方位置には前記放物面鏡で反射された光を光軸と平行な光にするための円錐状の反射鏡が配置されていることを特徴としている。
【0026】
これにより、ランプの発光部から放射された光の内の大部分は楕円反射鏡で反射され、その反射光の大部分は集束レンズに向かう。また、ランプから放射された光の一部は放物面鏡で反射され、さらにその反射光は円錐状の反射鏡で反射されて光軸に平行な光となって集束レンズに向かうため、従来よりも光利用効率を一層高めることができる。また、楕円反射鏡で反射された反射光の光軸近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係るスポットライトの構成を示す断面図である。
【0028】
この実施の形態1のスポットライトは、筐体1の内部にスライドボックス2が設けられ、また、筐体1の光出射側の前端部にはフレネルレンズや平凸レンズなどからなる集束レンズ3が取り付けられている。
【0029】
スライドボックス2内には、ランプ4およびこのランプ4の発光部4aを外囲して楕円反射鏡5が設けられている。そして、このスライドボックス2を集束レンズ3の光軸Cxに沿ってスライドすることで、ランプ4および楕円反射鏡5が共に互いの光学的関係を保った状態で集束レンズ3に対して近接、離間するようになっている。また、スライドボックス2の集束レンズ3側の壁面部は直射光遮蔽板8として設けられており、この直射光遮蔽板8には、集束レンズ3の光軸Cxとの交差位置に開口部8aが形成されている。
【0030】
上記のランプ4は、その発光部4aの中心を通る長軸が集束レンズ3の光軸Cxと略一致するように配置されている。また、上記の楕円反射鏡5は、第1,第2の焦点F1,F2間を結ぶ長軸が集束レンズ3の光軸Cxと略一致するように配置されるとともに、両焦点F1,F2の内のランプ4近傍側の第1焦点F1がランプ4の発光部4aの中心と略一致するように、また、他方の第2焦点F2が直射光遮蔽板8の開口部8aの中心と略一致するようにそれぞれ設定されている。
【0031】
これにより、ランプ4の発光部4aから放射された光の内の大部分は楕円反射鏡5で反射され、その反射光は直射光反射板8の開口部8aを通過して集束レンズ3に向かう。一方、ランプ4からの直射光は直射光遮蔽板8により遮断される。
【0032】
この実施の形態1のスポットライトにおいては、図2に示すように、ランプ4から放射される光の内、発光部4aを中心に光軸Cxから反時計回りの角度をθとしたとき(同図(a)参照)、θ=0〜120°の範囲の光は概ね80%程度が楕円反射鏡5で反射され(同図(b)参照)、これが照明用の有効光として利用できることになる。このため、従来と比較して2倍以上の光利用効率を確保することができる。
【0033】
しかも、従来のように、ランプ4の発光部4aから上方に向けて放射された光が筐体1の内壁を直接照射することがないため、器具の余分な温度上昇を同時に抑えることができる。
【0034】
また、この実施の形態1では、ランプ4からの直射光は直射光遮蔽板8で遮断されて楕円反射鏡5よる反射光のみが集束レンズ3に入射するため、直射光と反射光の配光が違うために照射パターンが歪な形状になるといったことも防止することができる。
【0035】
ここで、ランプ4の発光部4aにおける長軸方向(この場合、光軸Cx方向と一致)の長さをA、直射光遮蔽板8の開口部8aにおける口径をBとしたとき、両者A,Bの間には、
B=2.2×A
の関係式が概ね成立するように設定しておくことが好ましい。
【0036】
すなわち、第2焦点F2に集光する反射光のスポットの口径は発光部4aの長軸方向の長さAに比例する。一方、直射光遮蔽板8の開口部8aの口径は、直射光を遮断する上ではできけるだけ小さい方が好ましいが、極端に小さくし過ぎると反射光まで遮断してしまうことになる。したがって、上記の関係式を満たすようにすれば、直射光を殆ど遮断する一方で、反射光の大部分を通過させることができるため、直射光と反射光との配光の違いに起因して照射パターンが歪な形状となることを防止しつつ光利用効率を高めることができる。
[実施の形態2]
図3は本発明の実施の形態2に係るスポットライトの構成を示す断面図、図4は同スポットライトに設けられた筒状体の断面図であり、図1に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0037】
この実施の形態2におけるスポットライトの特徴は、直射光遮蔽板8の開口部8aの近傍に筒状体9が、その軸心を光軸Cxと略一致させて配置されていることである。
【0038】
この筒状体9は、図4に示すように、入射側から放射側に向けて次第に口径が増加する拡径筒状をしたもので、かつ、内面に反射膜9aが形成されてなる。
【0039】
その他の構成は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0040】
上記構成において、楕円反射鏡5で反射された光の内、光軸Cxから大きく傾いた反射光の内の一部は、筒状体9の内面の反射膜9aで多重反射され、その間に反射角が次第に小さくなって集束レンズ3に向かう。このため、楕円反射鏡5で反射された反射光の光軸Cx近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
[実施の形態3]
図5は本発明の実施の形態3に係るスポットライトの構成を示す断面図であり、図1に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0041】
この実施の形態3におけるスポットライトの特徴は、楕円反射鏡5の長軸(この場合、光軸Cxと略一致する)と交差する付近の部分が、この楕円反射鏡5の第1焦点F1を焦点にもつ放物面鏡10として連続的に形成されていることである。
【0042】
その他の構成は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0043】
上記構成において、ランプ4の発光部4aからの光の内、放物面鏡10で反射された反射光は光軸Cxに沿って平行に反射されて集束レンズ3に向かう。このため、図3に示した筒状体9を設けた場合と同様に、楕円反射鏡5で反射された反射光の光軸Cx近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
[実施の形態4]
図6は本発明の実施の形態4に係るスポットライトの構成を示す断面図であり、図1に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0044】
この実施の形態4におけるスポットライトの特徴は、ランプ4に近接した前方位置に直射光を集光する小型レンズ13がその光軸を集束レンズ3の光軸Cxに略一致させて配置され、この小型レンズ13の集光側の焦点は楕円反射鏡5の第2焦点F2に略一致するように設定されている。
【0045】
また、この実施の形態4では、直射光を集光する小型レンズ13を設けているために、実施の形態1におけるスライドボックス2は省略されており、その代わりに、ランプ4、楕円反射鏡5および小型レンズ13は共に支持具14で支持されており、この支持具14が図外のスライド機構により前後にスライドされることで、ランプ4、楕円反射鏡5および小型レンズ13が共に互いの光学的関係を保った状態で集束レンズ3に対して近接、離間するようになっている。
【0046】
その他の構成は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明を省略する。
【0047】
上記構成において、ランプ4の発光部4aから放射された光の内の大部分が楕円反射鏡5で反射され、その反射光は第2焦点F2で集光された後、集束レンズ3に向かう。一方、ランプ4からの直射光も小型レンズ13で第2焦点F2の位置に集光された後、集束レンズ3に向かう。このため、実施の形態1のように直射光遮蔽板8で直射光を遮蔽する場合よりも光用効率を一層高めることができる。
【0048】
また、小型レンズ13で集光された直射光は、集束レンズ3に対して光軸Cx近傍に集まるので、図3および図5に示した実施の形態2,3の場合と同様に、楕円反射鏡5で反射された反射光の光軸Cx近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
【0049】
さらに、小型レンズ13の集光側の焦点は楕円反射鏡5の第2焦点F2に略一致しているので、直射光と反射光の配光が略一致し、このため照射パターンが歪な形状になるのを同時に防止することができる。
[実施の形態5]
図7は本発明の実施の形態5に係るスポットライトの構成を示す断面図であり、図6に示した実施の形態4と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0050】
この実施の形態5におけるスポットライトの特徴は、楕円反射鏡5の長軸(この場合、光軸Cxと略一致する)付近の部分が、この楕円反射鏡5の第1焦点F1を焦点にもつ球面鏡15として連続的に形成されていることである。
【0051】
その他の構成は、図6に示した実施の形態4と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0052】
上記構成において、球面鏡15で反射された光は、ランプ4から小型レンズ13に直接向かう直射光と同じ配光として利用することができる。つまり、図6に示した実施の形態4の場合には、楕円反射鏡5で反射された光の一部は小型レンズ13で阻まれて有効利用できないが、この実施の形態5では、球面鏡15で反射された光は必ず小型レンズ13によって第2焦点F2に集光されるため、実施の形態4の構成の場合よりも光利用効率をさらに一層高めることができる。
[実施の形態6]
図8は本発明の実施の形態6に係るスポットライトの構成を示す断面図であり、図1に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0053】
この実施の形態6におけるスポットライトの特徴は、楕円反射鏡5の開口端付近の部分が、楕円反射鏡5の第1焦点F1を焦点にもつ円環状の放物面鏡16が連続的に形成され、また、ランプ4に近接した前方位置には放物面鏡16で反射された光を光軸Cxと平行な光にするための円錐状の反射鏡17が配置されている。
【0054】
なお、この実施の形態6では、放物面鏡16と反射鏡17を設けているために、実施の形態1におけるスライドボックスは省略されており、その代わりに、ランプ4、楕円反射鏡5、放物面鏡16、反射鏡17はいずれも支持具14で支持されており、この支持具14が図外のスライド機構により前後にスライドされることで、これらが共に互いの光学的関係を保った状態で集束レンズ3に対して近接、離間するようになっている。
【0055】
その他の構成は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明を省略する。
【0056】
上記構成において、ランプ4の発光部4aから放射された光の内の大部分は楕円反射鏡5で反射され、その反射光の大部分は集束レンズ3に向かう。また、ランプ4からの光の一部は放物面鏡16で反射され、その反射光は反射鏡17で反射されて光軸Cxに平行な光となって集束レンズ3に向かう。このため、従来よりも光利用効率を一層高めることができるだけでなく、楕円反射鏡5で反射された反射光の光軸Cx近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明のスポットライトによれば、次の効果が得られる。
【0058】
請求項1記載の発明にあっては、ランプの発光部から放射された光の内の大部分は楕円反射鏡で反射され、その反射光は直射光反射板の開口を通過して集束レンズに向かう一方、ランプからの直射光は直射光遮蔽板により遮断される。したがって、直射光と反射光の配光が違うために照射パターンが歪な形状になるといったことを防止することができるとともに、反射光の大半を照明用の有効光として利用できるため、従来よりも光利用効率を一層高めることができる。また、余分な温度上昇も抑えることができる。しかも、器具の温度上昇を同時に抑えることができる。
【0059】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、ランプの発光部の長軸方向の長さと直射光遮蔽板の開口部における口径との間に所定の関係式が成立するようにしているので、この関係を満たすようにすれば、直射光を殆ど遮断する一方で、反射光の大部分を通過させることができるため、配光の違いに起因して照射パターンが歪な形状となることを防止しつつ光利用効率を高めることができる。
【0060】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、楕円反射鏡で反射された反射光の内、光軸から大きく傾いた反射光の内の一部は、筒状体の内面の反射膜で反射されて集束レンズに向かう。このため、楕円反射鏡で反射された反射光の光軸近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
【0061】
請求項4記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、ランプの発光部から放射された光の内、放物面鏡で反射された反射光は光軸に沿って平行に反射されて集束レンズに向かう。このため、請求項3の場合と同様に、楕円反射鏡で反射された反射光の光軸近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
【0062】
請求項5記載の発明にあっては、ランプの発光部から放射された光の内の大部分は楕円反射鏡で反射され、その反射光は直射光反射板の開口を通過して集束レンズに向かう一方、ランプからの直射光も小型レンズで集光されて集束レンズに向かうため、請求項1記載の発明よりも光用効率を一層高めることができる。さらに、小型レンズの集光側の焦点は楕円反射鏡の第2焦点に略一致するように設定されているので、直射光と反射光の配光が略一致し、このため照射パターンが歪な形状になるのを防止することができる。しかも、直射光遮蔽板を省略することができる。
【0063】
請求項6記載の発明にあっては、請求項5記載の発明の効果に加えて、球面鏡で反射された光はランプから小型レンズに直接向かう直射光と同じ配光として利用できるため、光利用効率をさらに一層高めることができる。
【0064】
請求項7記載の発明にあっては、ランプの発光部から放射された光の内の大部分は楕円反射鏡で反射され、その反射光の大部分は集束レンズに向かう。また、ランプからの光の一部は放物面鏡で反射され、さらにその反射光は円錐状の反射鏡で反射されて光軸に平行な光となって集束レンズに向かうため、従来よりも光利用効率を一層高めることができる。また、楕円反射鏡で反射された反射光の光軸近傍での光量が相対的に少なくなるのを防止することができ、均一な光度分布をもつ照射パターンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスポットライトの構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態1に係るスポットライトの光利用効率の改善度合いを説明するために供する図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るスポットライトの構成を示す断面図である。
【図4】同スポットライトに設けられた筒状体の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るスポットライトの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係るスポットライトの構成を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5に係るスポットライトの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態6に係るスポットライトの構成を示す断面図である。
【図9】従来のスポットライトの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1  筐体
3  集束レンズ
Cx 光軸
4  ランプ
4a 発光部
5  楕円反射鏡
F1 第1焦点
F2 第2焦点
8  直射光遮蔽板
8a 開口部
9  筒状体
10  放物面鏡
13  小型レンズ
15  球面鏡
16  放物面鏡
17  反射鏡

Claims (7)

  1. 筐体の内部にランプが配置され、また筐体の光出射側の前端部にランプからの光を集束する集束レンズが取り付けられているスポットライトにおいて、
    前記ランプはその発光部の中心を通る長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置され、このランプの前方側の集束レンズとの間には開口部を有する直射光遮蔽板が設けられ、また、前記ランプの発光部を外囲して楕円反射鏡が設けられ、この楕円反射鏡は、第1,第2の焦点間を結ぶ長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置されるとともに、両焦点の内のランプ近傍側の第1焦点が前記ランプの発光部の中心と略一致するように、また、他方の第2焦点が前記直射光遮蔽板の開口部の中心と略一致するようにそれぞれ設定されていることを特徴とするスポットライト。
  2. 前記ランプの発光部の中心を通る長軸方向の長さをA、前記直射光遮蔽板の開口部における口径をBとしたとき、両者A,Bの間には、
    Figure 2004031056
    の関係式が概ね成立することを特徴とする請求項1記載のスポットライト。
  3. 前記直射光遮蔽板の開口部の近傍には、入射側から放射側に向けて次第に口径が増加し、かつ、内面に反射膜が形成された筒状体が配置されていることを特徴とする請求項1記載のスポットライト。
  4. 前記楕円反射鏡の長軸との交差する付近の部分は、この楕円反射鏡の前記第1焦点を焦点にもつ放物面鏡として連続的に形成されていることを特徴とする請求項1記載のスポットライト。
  5. 筐体の内部にランプが配置され、また筐体の光出射側の前端部には前記ランプからの光を集束する集束レンズが取り付けられているスポットライトにおいて、
    前記ランプはその発光部の中心を通る長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置され、また、前記ランプの発光部を外囲して楕円反射鏡が配置され、この楕円反射鏡は、第1,第2の焦点間を結ぶ長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置されるとともに、両焦点の内のランプ近傍側の第1焦点が前記ランプの発光部の中心と略一致するように設定される一方、ランプに近接した前方位置には集光用の小型レンズが配置され、この小型レンズの集光側の焦点は前記楕円反射鏡の第2焦点に略一致するように設定されていることを特徴とするスポットライト。
  6. 前記楕円反射鏡の長軸と交差する付近の部分は、この楕円反射鏡の前記第1焦点を焦点にもつ球面鏡として連続的に形成されていることを特徴とする請求項5記載のスポットライト。
  7. 筐体の内部にランプが配置され、また筐体の光出射側の前端部には前記ランプからの光を集束する集束レンズが取り付けられているスポットライトにおいて、
    前記ランプはその発光部の中心を通る長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置され、また、前記ランプの発光部を外囲して楕円反射鏡が配置され、この楕円反射鏡は、第1,第2の焦点間を結ぶ長軸が前記集束レンズの光軸と略一致するように配置されるとともに、両焦点の内のランプ近傍側の第1焦点が前記ランプの発光部の中心と略一致するように設定され、さらに、前記楕円反射鏡の開口端付近の部分は、楕円反射鏡の前記第1焦点を焦点にもつ放物面鏡として連続的に形成され、また、ランプに近接した前方位置には前記放物面鏡で反射された光を光軸と平行な光にするための円錐状の反射鏡が配置されていることを特徴とするスポットライト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105221960A (zh) * 2015-10-09 2016-01-06 深圳磊迈照明科技有限公司 一种led灯具
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