JPH09296426A - コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制 - Google Patents

コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制

Info

Publication number
JPH09296426A
JPH09296426A JP11333196A JP11333196A JPH09296426A JP H09296426 A JPH09296426 A JP H09296426A JP 11333196 A JP11333196 A JP 11333196A JP 11333196 A JP11333196 A JP 11333196A JP H09296426 A JPH09296426 A JP H09296426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
block
water control
concrete blocks
concrete block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11333196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3803423B2 (ja
Inventor
Tetsuji Kikuzawa
徹士 菊澤
Nagafumi Fukutome
脩文 福留
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Mining Co Ltd filed Critical Nippon Mining Co Ltd
Priority to JP11333196A priority Critical patent/JP3803423B2/ja
Publication of JPH09296426A publication Critical patent/JPH09296426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3803423B2 publication Critical patent/JP3803423B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性が良好で設置コストが低く、しかも高
さ調整及び長さ調整が容易であって設置現場の多様な状
況への適応性に優れたコンクリートブロック製水制及び
これに使用されるコンクリートブロックを提供する。 【解決手段】 上面20aと下面20dとが略平行とさ
れた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載
置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に
厚さ方向へ貫通する充填用空間22を形成した本体部2
0と、該本体部20の後端部に連続してこれから後方へ
延出する延出部21,21とを備えている。かかる構成
とすることで、下段側に載置したコンクリートブロック
1の上側に上段側のコンクリートブロック1を積み重ね
て水制を形成する場合、各コンクリートブロック1,
1,・・は水制全体に比して小型軽量であるため設置作
業における取り扱いが容易でありそれだけ施工性が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、水制形成用のコ
ンクリートブロック及びこのコンクリートブロックを使
用して形成されるコンクリートブロック製の水制に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、河川においては、河岸の浸食
あるいは護岸の破損を防止する、水際線に変化を与えて
河岸の景観を改善する、さらに河岸における水中生物の
生息環境を改善して河川生態系の保全育成を図る、等の
観点から、河岸から水流側に向けて延出する構造物であ
る水制を設けることが広く行われている。
【0003】即ち、かかる水制を河岸に設けることで、
該水制が水流に対して粗度要素となって河岸近傍の水流
の流速が減少し、また該水制が水流に対して障害物とな
ることで水流の方向が変化し、これらの結果、上記目的
が達成されるものである。
【0004】そして、かかる水制としては、従来より種
々のものが提案されており、その代表的なものとして
は、河岸から水流側に向かって岩石を蒲鉾状に積み上げ
てこれを河岸から水流側に向かって延設した石積水制と
か、方格状のコンクリートブロックにコンクリートパイ
ルを突出固定したものを河岸近傍に所定間隔で多数設置
した杭出し水制、等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら従来
の水制のうち、特に前者のものにおいては、現場作業が
主であることから水制設置現場における施工性が低く、
設置コストが高くつくという問題がある。また、後者の
ものにおいては、水制を相互に所定の距離をもって配置
するものであることから設置作業における作業性が低
く、且つ水制そのものの高さ調整が困難であるという問
題がある。
【0006】そこで本願発明は、施工性が良好で設置コ
ストが低く、しかも高さ調整及び長さ調整が容易であっ
て設置現場の多様な状況への適応性に優れたコンクリー
トブロック製水制及びこれに使用するコンクリートブロ
ックを提供せんとしてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0008】本願の第1の発明にかかるコンクリートブ
ロックは、その上面と下面とが略平行とされた所定厚さ
をもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされ
るとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫
通する充填用空間を形成した本体部と、該本体部の後端
部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備えた
ことを特徴としている。
【0009】本願の第2の発明にかかるコンクリートブ
ロック製水制は、その上面と下面とが略平行とされた所
定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能
とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方
向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と、該本体部
の後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを
備えた複数個のコンクリートブロックを、上記延出部側
を堤体の河川に臨む壁面に向けた状態でその厚さ方向に
複数個多段層積し且つ上下方向に連続する上記各コンク
リートブロックの各充填用空間内に適宜の充填物を充填
して構成したことを特徴としている。
【0010】本願の第3の発明にかかるコンクリートブ
ロック製水制は、その上面と下面とが略平行とされた所
定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能
とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方
向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と該本体部の
後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備
えた複数個の第1のコンクリートブロックを上記延出部
側を堤体の河川に臨む壁面に向けた状態で上下方向に多
段載置するとともに、上記第1のコンクリートブロック
と略同等の厚さ寸法をもつ略矩形形態に形成された複数
個の第2のコンクリートブロックを上記各第1のコンク
リートブロックの後端部の幅方向両側部と上記壁面との
間においてそれぞれ多段載置し、さらに上記各コンクリ
ートブロックの上下方向に連続する上記各充填用空間
内、及び所定間隔をもって上記第1のコンクリートブロ
ックの幅方向に対向配置された上記各第2のコンクリー
トブロック間の充填用空間内にそれぞれ適宜の充填物を
充填して形成したことを特徴としている。
【0011】
【発明の効果】 本願の第1の発明にかかるコンクリートブロック
は、その上面と下面とが略平行とされた所定厚さをもつ
偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとと
もにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する
充填用空間を形成した本体部と、該本体部の後端部に連
続してこれから後方へ延出する延出部とを備えている。
【0012】従って、この第1の発明にかかるコンクリ
ートブロックによれば次のような効果が得られる。
【0013】(イ)コンクリートブロックを使用し、順
次下段側に載置したコンクリートブロックの上側に上段
側のコンクリートブロックを積み重ねて水制を形成する
場合、各コンクリートブロックは水制全体に比して小型
軽量であるため設置作業における取り扱いが容易であり
それだけ施工性が向上することになる。
【0014】(ロ)コンクリートブロックの設置時に
は、その後端部に設けられた上記延出部を堤体の河川に
臨む壁面に対する位置決め部材として機能させることで
該コンクリートブロックの設置作業性がさらに高まるこ
とになる。
【0015】(ハ)コンクリートブロックを複数個多段
載置した後、これら相互間に跨がって上下方向に延びる
上記充填用空間に適宜の充填物を充填することで該各コ
ンクリートブロック相互間の水平方向位置ずれを防止す
ることができ、水制の高水準の安定性能が確保され、延
いてはその耐久性の向上にも寄与するものである。
【0016】 本願の第2の発明にかかるコンクリー
トブロック製水制は、上面と下面とが略平行とされた所
定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能
とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方
向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と該本体部の
後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備
えた複数個のコンクリートブロックを、上記延出部側を
堤体の河川に臨む壁面に向けた状態でその厚さ方向に複
数個多段層積し且つ上下方向に連続する上記各コンクリ
ートブロックの各充填用空間内に適宜の充填物を充填し
て形成されている。
【0017】従って、この第2の発明にかかるコンクリ
ートブロック製水制によれば、次のような効果が得られ
る。
【0018】(イ)下段側に載置したコンクリートブロ
ックの上側に順次上段側のコンクリートブロックを積み
重ねて水制を形成する場合、各コンクリートブロックは
水制全体に比して小型軽量であるため設置作業における
取り扱いが容易でありそれだけ施工性が向上することに
なる。
【0019】(ロ)コンクリートブロックの設置時に
は、その後端部に設けられた上記延出部を堤体の河川に
臨む壁面に対する位置決め部材として機能させることで
該コンクリートブロックの設置作業性がさらに高まるこ
とになる。
【0020】(ハ)コンクリートブロックを複数個多段
載置した後、これら相互間に跨がって上下方向に延びる
上記充填用空間に適宜の充填物を充填することで該各コ
ンクリートブロック相互間の水平方向位置ずれを防止す
ることができ、水制の高水準の安定性能が確保され、延
いてはその耐久性の向上にも寄与するものである。
【0021】(ニ)多段載置するコンクリートブロック
の段数を変えることで水制の高さを任意に且つ容易に変
更し得ることから、種々の異なる河川状況にも容易に対
応することができ、それだけ水制の適用性が向上するも
のである。
【0022】(ホ)載置されるコンクリートブロックの
水平方向の向きを調整することで水制自体の延出方向を
任意に変更し得ることから、種々の異なる河川状況にも
容易に対応することができ、それだけ水制の適用性が向
上するものである。
【0023】 本願の第3の発明にかかるコンクリー
トブロック製水制は、上面と下面とが略平行とされた所
定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能
とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方
向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と該本体部の
後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備
えた複数個の第1のコンクリートブロックを上記延出部
側を堤体の河川に臨む壁面に向けた状態で上下方向に多
段載置するとともに、上記第1のコンクリートブロック
と略同等の厚さ寸法をもつ略矩形形態に形成された複数
個の第2のコンクリートブロックを上記各第1のコンク
リートブロックの後端部の幅方向両側部と上記壁面との
間においてそれぞれ多段載置し、さらに上記各コンクリ
ートブロックの上下方向に連続する上記各充填用空間
内、及び所定間隔をもって上記第1のコンクリートブロ
ックの幅方向に対向配置された上記各第2のコンクリー
トブロック間の充填用空間内にそれぞれ適宜の充填物を
充填して形成されている。
【0024】従って、この第3の発明にかかるコンクリ
ートブロック製水制によれば次のような効果が得られ
る。
【0025】(イ)下段側に載置した第1のコンクリー
トブロック及び第2のコンクリートブロックの上側に順
次上段側の第1のコンクリートブロック及び第2のコン
クリートブロックを積み重ねて水制を形成する場合、各
コンクリートブロックは水制全体に比して小型軽量であ
るため設置作業における取り扱いが容易でありそれだけ
施工性が向上することになる。
【0026】(ロ)第2のコンクリートブロックの載置
時には第1のコンクリートブロックの延出部を該第2の
コンクリートブロックの位置決め部材として利用するこ
とも可能であり、それだけ該第2のコンクリートブロッ
クの設置作業性がさらに高まることになる。
【0027】(ハ)第1のコンクリートブロック及び第
2のコンクリートブロックを複数個多段載置した後、各
第1のコンクリートブロック相互間に跨がって上下方向
に延びる充填用空間内、及び所定間隔をもって対向する
上記第2のコンクリートブロック相互間の充填用空間内
にそれぞれ適宜の充填物を充填することで該第1及び第
2の各コンクリートブロック相互間の水平方向位置ずれ
を防止することができ、水制の高水準の安定性能が確保
され、延いてはその耐久性の向上にも寄与するものであ
る。
【0028】(ニ)多段載置する第1及び第2のコンク
リートブロックの段数を変えることで水制の高さを任意
に且つ容易に変更し得ることから、種々の異なる河川状
況にも容易に対応することができ、それだけ水制の適用
性が向上するものである。
【0029】(ホ)載置される第1及び第2のコンクリ
ートブロックの水平方向の向きを調整することで水制自
体の延出方向を任意に変更し得ることから、種々の異な
る河川状況にも容易に対応することができ、それだけ水
制の適用性が向上するものである。
【0030】(へ)第1のコンクリートブロックの後端
部と堤体の壁面との間に跨がって配置される第2のコン
クリートブロックの設置個数を変えることで該堤体から
上記第1のコンクリートブロックの先端部までの長さで
規定される水制の長さを任意に且つ容易に変更し得るこ
とから、種々の異なる河川状況にも容易に対応すること
ができ、それだけ水制の適用性が向上するものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本願発明のコンクリートブ
ロック及びコンクリートブロック製水制を好適な実施形
態に基づいて具体的に説明する。
【0032】図1には、以下に述べる各実施形態の水制
の形成に使用されるコンクリートブロックを示してお
り、符号1は基体ブロック、2は延設ブロック、3は天
蓋ブロック、4は天蓋延設ブロックであり、これら各コ
ンクリートブロックを適宜選択して使用することでそれ
ぞれ各実施形態にかかる水制が形成されるものである。
【0033】各コンクリートブロックの構造説明 基体ブロック1 基体ブロック1は、請求項1及び請求項2における「コ
ンクリートブロック」、請求項3における「第1のコン
クリートブロック」にそれぞれ該当するものであって、
図1〜図3に示すように、全体として略馬蹄形の偏平形
態をもつ本体部20と該本体部20の後端部材20eに
連続してこれから後方へ延出する左右一対の延出部2
1,21とを備えている。上記本体部20は、所定厚さ
寸法(即ち、高さ寸法)をもち、その上面20aと下面
20dとは略平行とされている。そして、この上面20
aの外周部を除くその内側は、所定深さに陥没した陥没
部20bとされている。また、上記下面20d側は、上
記上面20aとは逆に、外周部を除いたその内側が所定
高さに隆起した隆起部20cとされている。さらに、こ
の本体部20の中央部分には、上記陥没部20bから隆
起部20cに向かって貫通した略長円状の開口でなる充
填用空間22が形成されている。
【0034】また、この本体部20の外周面、即ち、上
記基体ブロック1の外周面1aは、その側部は上記本体
部20の上面20aから下面20dに向かってこれらと
直交する如き鉛直面とされるが、該側部から先端部1b
に向かうに従って次第に下降傾斜する傾斜面状に形成さ
れている(図2及び図3参照)。尚、この基体ブロック
1の先端部1bの傾斜角は、図3に示すように水制が設
置される法覆壁51(特許請求の範囲の「壁面」に該当
する)の傾斜に略沿うように設定されている。また、こ
の先端部1bの傾斜に対応して、上記充填用空間22も
これと略平行となる如く傾斜形成されている。
【0035】さらに、上記延出部21は、図3に示すよ
うに、水制形成用コンクリートブロックとして上記基体
ブロック1のみを使用する場合には、その後端面21a
を上記法覆壁51に当接あるいは近接対向させることで
該基体ブロック1の法覆壁51に対する前後方向位置決
め部材として機能する外に、図1に示すように、該基体
ブロック1の後端側に次述の延設ブロック2を連設配置
する場合には該基体ブロック1に対する延設ブロック2
の前後左右両方向の位置決め部材としても機能するもの
である。従って、上記基体ブロック1の後端部、即ち、
上記本体部20の後端部20eに連続してこれから後方
へ延出する左右一対の延出部21,21は、上記本体部
20の後端部20eの幅方向両端から所定寸法だけ幅方
向内側へ偏った位置に形成され、該延出部21の外側面
と上記本体部20の後端部20eとでL形に凹入する隅
角部23を形成している。
【0036】このように構成された基体ブロック1は、
図1〜図3に示すように、下段側の基体ブロック1の上
記陥没部20bに上段側の基体ブロック1の隆起部20
cを嵌合させた状態で多段載置される。そして、この基
体ブロック1の多段載置状態においては、該各基体ブロ
ック1,1,・・の各充填用空間22,22,・・は上
下方向に連続して各基体ブロック1,1,・・に跨がっ
て上下方向に延びる縦長の空間を形成する。
【0037】延設ブロック2 延設ブロック2は、請求項3における「第2のコンクリ
ートブロック」に該当するものであって、図1に示すよ
うに、上記基体ブロック1と略同一の厚さ寸法と、所定
の長さ寸法とをもつ矩形ブロック体で構成され、上記基
体ブロック1の上記隅角部23にその一端側を嵌合させ
ることで該基体ブロック1の後方側に連設され、その外
面2aは上記基体ブロック1の外周面1aと一体の壁面
を構成する。尚、上記基体ブロック1の各延出部21,
21の外側にそれぞれ上記延設ブロック2,2を設置し
た状態においては、これら所定間隔をもって対向する左
右一対の延設ブロック2,2の内面2b,2bと上記延
出部21,21の後端面21a,21aとの間に矩形の
空間が形成されるが、この空間は上記基体ブロック1の
充填用空間22と同様に充填物の充填空間となるもので
あって、以下においてはこの空間を「充填用空間24」
という。
【0038】かかる構成の延設ブロック2は、上述のよ
うに上記基体ブロック1の後方側に連設されるととも
に、該基体ブロック1と同様に、所定段数に多段載置可
能とされる。このため、延設ブロック2にも、上記基体
ブロック1と同様に、その上面2c側には陥没部2e
が、下面2dには隆起部2fがそれぞれ形成されてい
る。
【0039】天蓋ブロック3 天蓋ブロック3は、上記基体ブロック1を多段載置した
場合の最上段の基体ブロック1の上面20aを覆う必要
がある場合に使用されるものであって、該基体ブロック
1の平面形状に対応した略馬蹄形の平面形状を有すると
ともに、その表面形状はなだらかな曲面とされている。
そして、この天蓋ブロック3の下面には、上記基体ブロ
ック1側への載置状態を維持するために、該基体ブロッ
ク1の陥没部20bの外周形状に沿う如く略馬蹄形に延
びる突条3a,3aが形成されている。また、天蓋ブロ
ック3の後端面には、次述の天蓋延設ブロック4との連
結用の突起3bが設けられている。
【0040】天蓋延設ブロック4 天蓋延設ブロック4は、上記延設ブロック2を多段載置
した場合の最上段の延設ブロック2の上面2cを覆う必
要がある場合に使用されるものであって、上記天蓋ブロ
ック3の後方側にこれに連続して載置される。そして、
この載置状態を維持するために、その下面の左右両側に
は、上記延設ブロック2の陥没部2eに嵌合する突条4
a,4aが形成されている。また、天蓋延設ブロック4
の一方の端面には、上記天蓋ブロック3側の突起3bが
係入する凹部4bが設けられ、他方の端面には他の天蓋
延設ブロック4の凹部に係入する突起4cが設けられて
いる。
【0041】水制の実施形態の説明 以下、上記各コンクリートブロック1〜4を適宜選択使
用して構成される水制をその実施形態に基づいて具体的
に説明する。
【0042】第1の実施形態 図4には、本願発明の第1の実施形態にかかる水制Z1
を示している。この水制Z1は、上記各コンクリートブ
ロック1〜4のうち、基体ブロック1のみを使用して形
成されたものであって、堤体50の河川に臨む法覆壁5
1の前面側に該法覆壁51から河川側に延出状態で設置
されている。尚、図中、符号L1は平常時の水位線、L2
は河床堆積物の表面に対応する河床堆積物線である。
【0043】この水制Z1の施工方法は次の通りであ
る。即ち、上記法覆壁51の下端に位置する法留基礎5
2の前面側に設けられた所定広さの水制用基礎53上に
水制Z1を設置するものとし、まず最初に、最下段に位
置する基体ブロック1を上記水制用基礎53上に載置固
定する。この場合、図3に示すように、基体ブロック1
の延出部21,21の後端面21aを上記法覆壁51に
当接あるいは所定の間隔をもって近接対向させる。この
最下段の基体ブロック1の位置決め且つ固定作業が完了
すると、後は、所要の水制高さに応じて基体ブロック1
を順次多段載置すれば良い。
【0044】各基体ブロック1,1,・・の多段載置作
業の完了時点において、あるいは各段の載置作業の完了
時点において、上記基体ブロック1の充填用空間22内
に充填物9として、例えばコンクリート、栗石、建設廃
材等を適宜充填し、各基体ブロック1,1,・・相互間
の接合強度の確保、延いては水制Z1全体としての安定
性能を確保する。尚、この実施形態においては、上記充
填物9の充填は、最上段に位置する基体ブロック1の充
填用空間22の上端付近までとし、その上側には植土8
を充填し、ここに必要に応じて花木の植栽を行うように
している。
【0045】また、上記各基体ブロック1,1,・・の
後端と上記法覆壁51との間には、上記延出部21,2
1,・・の突出長さに応じた間隔をもち且つ上下方向に
延びる空間が該各基体ブロック1,1,・・の左右両側
にそれぞれ形成されるため、この空間には、図4に示す
ように、石積工10を施して上記延出部21を覆い隠
す。
【0046】このように、この実施形態のものにおいて
は、水制用基礎53上に基体ブロック1を順次多段載置
することで所要高さの水制Z1を容易に形成することが
できるものである。そして、この場合、水制高さを基体
ブロック1の段数設定により容易に変更可能であり、ま
た水制Z1全体の重量からして軽量の基体ブロック1の
載置作業により水制Z1を形成し得ることから、水制設
置作業の施工性が良好となるものである。
【0047】また、この実施形態においては、水制Z1
が上記法覆壁51に直交する方向へ延出するようにその
設置方向を設定した場合について説明しているが、本願
発明はかかる構成に限定されるものではなく、該法覆壁
51に対する水制Z1の延出方向は河川状況に応じて適
宜設定し得るものである。従って、水制Z1を法覆壁5
1に対して直交する方向から河川上流側あるいは下流側
へ傾斜させて設置した場合には、該水制Z1の後端側の
左右両側の空間のうちの反傾斜側に位置するものは、直
交状態に設置した場合よりも、大きくなるが、かかる空
間の拡大はここに上記石積工10を施工することで景観
上あるいは強度上も何ら支障を生じないものであり、そ
れだけ水制Z1の任意方向への設置が容易となるもので
ある。
【0048】さらに、この石積工10には、年月の経過
とともに、草木が生えるが、この石積工10部分に生え
た草木と、上記水制Z1の頂部に植栽された花木とによ
り、該水制Z1の無機質感が緩和され、該水制Z1が河川
周辺の景観に融和し、良好な周辺環境が作り出されるこ
とになる。
【0049】また、この実施形態の如く、上記基体ブロ
ック1を馬蹄形状としてこれにより構築される水制Z1
の先端部分の形状に丸みをもたせることで全体として柔
らかい感じを看者に与えることができるようにしている
ので、例えば方格状の形態をもつ水制に比して、景観性
に優れるものである。
【0050】第2の実施形態 図5には、本願発明の第2の実施形態にかかる水制Z2
を示している。この水制Z2は、上記第1の実施形態に
かかる水制Z1がその頂部を植栽部分としていたのに対
して、最上段に位置する基体ブロック1の上面側に上記
天蓋ブロック3を載置してこれを覆い隠したものであ
る。従って、かかる構成の水制Z2は、越流タイプの水
制として利用する場合に特に好適である。
【0051】第3の実施形態 図6には、本願発明の第3の実施形態にかかる水制Z3
を示している。この水制Z3は、上記第1の実施形態に
かかる水制Z1と同様にその頂部を植栽部としたもので
あるが、特に水制の河川側への延出長さを長くする必要
がある場合に好適なものであって、上記基体ブロック1
に加えて、上記延設ブロック2を使用して形成されてい
る。即ち、この水制Z3は、多段載置される上記各基体
ブロック1,1,・・の後端と上記堤体50の法覆壁5
1との間に、該基体ブロック1の左右両側に二列に並ぶ
ように延設ブロック2を所定個数載置するとともに、こ
れらを順次所定段数だけ多段載置して形成されている。
尚、この場合、上記各基体ブロック1の充填用空間22
及び上記延設ブロック2の内側に形成される充填用空間
24にそれぞれ適宜の充填物9を充填することは勿論で
ある。また、最後端の延設ブロック2と上記法覆壁51
との間の空間に石積工10を設けることも勿論である。
【0052】このように、この実施形態の水制Z3によ
れば、コンクリートブロックの載置段数の変更により水
制高さを任意に且つ容易に変更し得ることに加えて、上
記基体ブロック1と法覆壁51との間に列設配置される
延設ブロック2の個数を変更することで水制長さをも任
意に且つ容易に変更し得るものであり、河川状況に応じ
た水制設計の自由度が大きく、それだけ各種河川に対す
る適用性が高いものである。
【0053】第4の実施形態 図7には、本願発明の第4の実施形態にかかる水制Z4
を示している。この水制Z4は、上記第3の実施形態に
かかる水制Z3において、その頂部に、これを覆い隠す
ようにして上記天蓋ブロック3と所定数の天蓋延設ブロ
ック4,4,・・とを載置したものであり、上記第2の
実施形態にかかる水制Z2と同様に、越流タイプの水制
として特に好適なものである。
【0054】第5の実施形態 図8には、第5の実施形態にかかる水制Z5に使用され
る各コンクリートブロック1〜4を示している。ここに
示した各コンクリートブロック1〜4は、図1に示した
各コンクリートブロック1〜4を基本とし、かかる基本
構成をもつものにおいてこれらの表面に意匠性を付与し
たものの一例であって、ここでは上記各コンクリートブ
ロック1〜4の表面(外部に露出する面)にそれぞれ自
然石あるいは擬石15を適宜配置したものを例として示
している。
【0055】図9には、かかる各コンクリートブロック
1〜4のうち、上記基体ブロック1と天蓋ブロック3と
を使用した、上記第2の実施形態にかかる水制Z2の変
形例ともいうべき第5の実施形態にかかる水制Z5を示
している。この水制Z5においては、水制Z5の表面が自
然石あるいは擬石15に覆われているため、恰も石積水
制の如き外観を呈し、河岸の景観に容易に融和し得るも
のである。
【0056】尚、かかるコンクリートブロック表面の意
匠性向上手段としては、上記の如き自然石等の配置の外
に、例えばコンクリートブロックの表面にハツリ模様を
付ける等の手段が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる水制形成用の各種コンクリー
トブロックを示す斜視図である。
【図2】図1のII-II拡大断面図である。
【図3】図1のIII-III拡大断面図である。
【図4】本願発明の第1の実施形態にかかる水制を示す
斜視図である。
【図5】本願発明の第2の実施形態にかかる水制を示す
斜視図である。
【図6】本願発明の第3の実施形態にかかる水制を示す
斜視図である。
【図7】本願発明の第4の実施形態にかかる水制を示す
斜視図である。
【図8】本願発明の第5の実施形態にかかる水制の形成
に使用されるコンクリートブロックを示す斜視図であ
る。
【図9】本願発明の第5の実施形態にかかる水制を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1は基体ブロック、2は延設ブロック、3は天蓋ブロッ
ク、4は天蓋延設ブロック、8は植土、9は充填物、1
0は石積工、15は自然石あるいは擬石、20は本体
部、21は延出部、22は充填用空間、23は隅角部、
50は堤体、51は法覆壁、52は法留基礎、53は水
制用基礎、L1は水位線、L2は河床堆積物線、Z1〜Z5
は水制である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面(20a)と下面(20d)とが略
    平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向
    に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄
    り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間(22)を形成
    した本体部(20)と、該本体部(20)の後端部(2
    0e)に連続してこれから後方へ延出する延出部(2
    1,21)とを備えたことを特徴とするコンクリートブ
    ロック。
  2. 【請求項2】 上面(20a)と下面(20d)とが略
    平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向
    に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄
    り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間(22)を形成
    した本体部(20)と、該本体部(20)の後端部(2
    0e)に連続してこれから後方へ延出する延出部(2
    1,21)とを備えた複数個のコンクリートブロック
    (1)、(1),・・を、上記延出部(21,21)側
    を堤体(50)の河川に臨む壁面(51)に向けた状態
    でその厚さ方向に複数個多段層積し且つ上下方向に連続
    する上記各コンクリートブロック(1),(1),・・
    の各充填用空間(22),(22),・・内に適宜の充
    填物(9)を充填して構成されたことを特徴とするコン
    クリートブロック製水制。
  3. 【請求項3】 上面(20a)と下面(20d)とが略
    平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向
    に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄
    り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間(22)を形成
    した本体部(20)と該本体部(20)の後端部(20
    e)に連続してこれから後方へ延出する延出部(21,
    21)とを備えた複数個の第1のコンクリートブロック
    (1),(1),・・を上記延出部(21,21)側を
    堤体(50)の河川に臨む壁面(51)に向けた状態で
    上下方向に多段載置するとともに、 上記第1のコンクリートブロック(1)と略同等の厚さ
    寸法をもつ略矩形形態に形成された複数個の第2のコン
    クリートブロック(2),(2),・・を上記各第1の
    コンクリートブロック(1),(1),・・の後端部の
    幅方向両側部と上記壁面(51)との間においてそれぞ
    れ多段載置し、 さらに上記各コンクリートブロック(1),(1),・
    ・の上下方向に連続する上記各充填用空間(22),
    (22),・・内、及び所定間隔をもって上記第1のコ
    ンクリートブロック(1)の幅方向に対向配置された上
    記各第2のコンクリートブロック(2),(2),・・
    間の充填用空間(24)内にそれぞれ適宜の充填物
    (9)を充填して形成されたことを特徴とするコンクリ
    ートブロック製水制。
JP11333196A 1996-05-08 1996-05-08 コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制 Expired - Fee Related JP3803423B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11333196A JP3803423B2 (ja) 1996-05-08 1996-05-08 コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11333196A JP3803423B2 (ja) 1996-05-08 1996-05-08 コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09296426A true JPH09296426A (ja) 1997-11-18
JP3803423B2 JP3803423B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=14609540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11333196A Expired - Fee Related JP3803423B2 (ja) 1996-05-08 1996-05-08 コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3803423B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109797707A (zh) * 2019-01-18 2019-05-24 四川大学 利用边滩漂石调沙的支流强来沙条件下干支交汇淤积段高水位致灾防治方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109797707A (zh) * 2019-01-18 2019-05-24 四川大学 利用边滩漂石调沙的支流强来沙条件下干支交汇淤积段高水位致灾防治方法
CN109797707B (zh) * 2019-01-18 2020-09-11 四川大学 利用边滩漂石调沙的支流强来沙条件下干支交汇淤积段高水位致灾防治方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3803423B2 (ja) 2006-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2489210C (en) Revetment useful to line stream bed and assembly of said revetments
US6688810B2 (en) Revetment useful to line stream bed and assembly of said revetments
JPH09296426A (ja) コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制
JP4457384B2 (ja) 魚道ブロック及びこの魚道用ブロックを使用した魚道施工工法
JPH1136262A (ja) 護岸際の植生方法
JP4020270B2 (ja) 水路用コンクリートブロックおよびコンクリートブロック水路
JPH05306511A (ja) 魚巣付き落差工及び魚道
JP3136471B2 (ja) 多自然型積みブロック
JP2008025119A (ja) 水際用ブロック
JP3462474B2 (ja) 生態系に配慮した護岸構造及び生態系護岸用ブロック
JP2500358B2 (ja) 護岸ブロック及び護岸構造物
JP2709429B2 (ja) 魚巣ブロック
JP4013210B2 (ja) 河川用コンクリートブロックおよびコンクリートブロック工
JPH09221733A (ja) 護岸コンクリートブロックおよび護岸工
JP3249048B2 (ja) 橋梁式魚道
JP2001123467A (ja) 環境共生型緑化用擁壁ブロック
KR200262840Y1 (ko) 경사면 공사용 호안 블럭
JPH076174B2 (ja) 潜 堤
KR100634065B1 (ko) 사면녹화 호안구조체 및 그의 시공방법
JP3610119B2 (ja) 魚巣用積ブロック及びその施工方法
JP3078779U (ja) 護岸用コンクリートブロック及び護岸用コンクリートブロック網
KR20030047369A (ko) 하천의 저수로 호안 식생대 및 그 시공방법
JPH09228341A (ja) 水際植生用護岸構造物
JP3266877B2 (ja) 客土・覆土ブロック
KR100645316B1 (ko) 콘크리트 블록을 이용한 하천 제방의 녹화구조

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20051226

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20060425

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060508

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees