JP3803423B2 - コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制 - Google Patents

コンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、水制形成用のコンクリートブロック及びこのコンクリートブロックを使用して形成されるコンクリートブロック製の水制に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
従来より、河川においては、河岸の浸食あるいは護岸の破損を防止する、水際線に変化を与えて河岸の景観を改善する、さらに河岸における水中生物の生息環境を改善して河川生態系の保全育成を図る、等の観点から、河岸から水流側に向けて延出する構造物である水制を設けることが広く行われている。
【0004】
即ち、かかる水制を河岸に設けることで、該水制が水流に対して粗度要素となって河岸近傍の水流の流速が減少し、また該水制が水流に対して障害物となることで水流の方向が変化し、これらの結果、上記目的が達成されるものである。
【0005】
そして、かかる水制としては、従来より種々のものが提案されており、その代表的なものとしては、河岸から水流側に向かって岩石を蒲鉾状に積み上げてこれを河岸から水流側に向かって延設した石積水制とか、方格状のコンクリートブロックにコンクリートパイルを突出固定したものを河岸近傍に所定間隔で多数設置した杭出し水制、等がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、これら従来の水制のうち、特に前者のものにおいては、現場作業が主であることから水制設置現場における施工性が低く、設置コストが高くつくという問題がある。また、後者のものにおいては、水制を相互に所定の距離をもって配置するものであることから設置作業における作業性が低く、且つ水制そのものの高さ調整が困難であるという問題がある。
【0007】
そこで本願発明は、施工性が良好で設置コストが低く、しかも高さ調整及び長さ調整が容易であって設置現場の多様な状況への適応性に優れたコンクリートブロック製水制及びこれに使用するコンクリートブロックを提供せんとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0009】
本願の第1の発明にかかるコンクリートブロックは、川岸から水流側に向けて延出する水制を構築するためのコンクリートブロックにおいて、その上面と下面とが略平行とされた所定厚さをもつ略馬蹄形の偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と、該本体部の後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備えたことを特徴としている。
【0010】
本願の第2の発明にかかるコンクリートブロック製水制は、その上面と下面とが略平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と、該本体部の後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備えた複数個のコンクリートブロックを、上記延出部側を堤体の河川に臨む壁面に向けた状態でその厚さ方向に複数個多段層積し且つ上下方向に連続する上記各コンクリートブロックの各充填用空間内に適宜の充填物を充填して構成したことを特徴としている。
【0011】
本願の第3の発明にかかるコンクリートブロック製水制は、その上面と下面とが略平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と該本体部の後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備えた複数個の第1のコンクリートブロックを上記延出部側を堤体の河川に臨む壁面に向けた状態で上下方向に多段載置するとともに、上記第1のコンクリートブロックと略同等の厚さ寸法をもつ略矩形形態に形成された複数個の第2のコンクリートブロックを上記各第1のコンクリートブロックの後端部の幅方向両側部と上記壁面との間においてそれぞれ多段載置し、さらに上記各コンクリートブロックの上下方向に連続する上記各充填用空間内、及び所定間隔をもって上記第1のコンクリートブロックの幅方向に対向配置された上記各第2のコンクリートブロック間の充填用空間内にそれぞれ適宜の充填物を充填して形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
(a) 本願の第1の発明にかかるコンクリートブロックは、川岸から水流側に向けて延出する水制を構築するためのコンクリートブロックにおいて、その上面と下面とが略平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と、該本体部の後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備えている。
【0013】
従って、この第1の発明にかかるコンクリートブロックによれば次のような効果が得られる。
【0014】
(イ)コンクリートブロックを使用し、順次下段側に載置したコンクリートブロックの上側に上段側のコンクリートブロックを積み重ねて水制を形成する場合、各コンクリートブロックは水制全体に比して小型軽量であるため設置作業における取り扱いが容易でありそれだけ施工性が向上することになる。
【0015】
(ロ)コンクリートブロックの設置時には、その後端部に設けられた上記延出部を堤体の河川に臨む壁面に対する位置決め部材として機能させることで該コンクリートブロックの設置作業性がさらに高まることになる。
【0016】
(ハ)コンクリートブロックを複数個多段載置した後、これら相互間に跨がって上下方向に延びる上記充填用空間に適宜の充填物を充填することで該各コンクリートブロック相互間の水平方向位置ずれを防止することができ、水制の高水準の安定性能が確保され、延いてはその耐久性の向上にも寄与するものである。
【0017】
(ニ) 上記コンクリートブロックが略馬蹄形の偏平状形態を有しているので、該コンクリートブロックによって構築される水制はその先端部分の形状が丸みをもち、全体として柔らかい感じを看者に与えることができ、例えば該コンクリートブロックを方格状の形態をもつコンクリートブロックで構築された水制に比して、景観性に優れるものである。
【0018】
(b) 本願の第2の発明にかかるコンクリートブロック製水制は、上面と下面とが略平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と該本体部の後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備えた複数個のコンクリートブロックを、上記延出部側を堤体の河川に臨む壁面に向けた状態でその厚さ方向に複数個多段層積し且つ上下方向に連続する上記各コンクリートブロックの各充填用空間内に適宜の充填物を充填して形成されている。
【0019】
従って、この第2の発明にかかるコンクリートブロック製水制によれば、次のような効果が得られる。
【0020】
(イ)下段側に載置したコンクリートブロックの上側に順次上段側のコンクリートブロックを積み重ねて水制を形成する場合、各コンクリートブロックは水制全体に比して小型軽量であるため設置作業における取り扱いが容易でありそれだけ施工性が向上することになる。
【0021】
(ロ)コンクリートブロックの設置時には、その後端部に設けられた上記延出部を堤体の河川に臨む壁面に対する位置決め部材として機能させることで該コンクリートブロックの設置作業性がさらに高まることになる。
【0022】
(ハ)コンクリートブロックを複数個多段載置した後、これら相互間に跨がって上下方向に延びる上記充填用空間に適宜の充填物を充填することで該各コンクリートブロック相互間の水平方向位置ずれを防止することができ、水制の高水準の安定性能が確保され、延いてはその耐久性の向上にも寄与するものである。
【0023】
(ニ)多段載置するコンクリートブロックの段数を変えることで水制の高さを任意に且つ容易に変更し得ることから、種々の異なる河川状況にも容易に対応することができ、それだけ水制の適用性が向上するものである。
【0024】
(ホ)載置されるコンクリートブロックの水平方向の向きを調整することで水制自体の延出方向を任意に変更し得ることから、種々の異なる河川状況にも容易に対応することができ、それだけ水制の適用性が向上するものである。
【0025】
(c) 本願の第3の発明にかかるコンクリートブロック製水制は、上面と下面とが略平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間を形成した本体部と該本体部の後端部に連続してこれから後方へ延出する延出部とを備えた複数個の第1のコンクリートブロックを上記延出部側を堤体の河川に臨む壁面に向けた状態で上下方向に多段載置するとともに、上記第1のコンクリートブロックと略同等の厚さ寸法をもつ略矩形形態に形成された複数個の第2のコンクリートブロックを上記各第1のコンクリートブロックの後端部の幅方向両側部と上記壁面との間においてそれぞれ多段載置し、さらに上記各コンクリートブロックの上下方向に連続する上記各充填用空間内、及び所定間隔をもって上記第1のコンクリートブロックの幅方向に対向配置された上記各第2のコンクリートブロック間の充填用空間内にそれぞれ適宜の充填物を充填して形成されている。
【0026】
従って、この第3の発明にかかるコンクリートブロック製水制によれば次のような効果が得られる。
【0027】
(イ)下段側に載置した第1のコンクリートブロック及び第2のコンクリートブロックの上側に順次上段側の第1のコンクリートブロック及び第2のコンクリートブロックを積み重ねて水制を形成する場合、各コンクリートブロックは水制全体に比して小型軽量であるため設置作業における取り扱いが容易でありそれだけ施工性が向上することになる。
【0028】
(ロ)第2のコンクリートブロックの載置時には第1のコンクリートブロックの延出部を該第2のコンクリートブロックの位置決め部材として利用することも可能であり、それだけ該第2のコンクリートブロックの設置作業性がさらに高まることになる。
【0029】
(ハ)第1のコンクリートブロック及び第2のコンクリートブロックを複数個多段載置した後、各第1のコンクリートブロック相互間に跨がって上下方向に延びる充填用空間内、及び所定間隔をもって対向する上記第2のコンクリートブロック相互間の充填用空間内にそれぞれ適宜の充填物を充填することで該第1及び第2の各コンクリートブロック相互間の水平方向位置ずれを防止することができ、水制の高水準の安定性能が確保され、延いてはその耐久性の向上にも寄与するものである。
【0030】
(ニ)多段載置する第1及び第2のコンクリートブロックの段数を変えることで水制の高さを任意に且つ容易に変更し得ることから、種々の異なる河川状況にも容易に対応することができ、それだけ水制の適用性が向上するものである。
【0031】
(ホ)載置される第1及び第2のコンクリートブロックの水平方向の向きを調整することで水制自体の延出方向を任意に変更し得ることから、種々の異なる河川状況にも容易に対応することができ、それだけ水制の適用性が向上するものである。
【0032】
(へ)第1のコンクリートブロックの後端部と堤体の壁面との間に跨がって配置される第2のコンクリートブロックの設置個数を変えることで該堤体から上記第1のコンクリートブロックの先端部までの長さで規定される水制の長さを任意に且つ容易に変更し得ることから、種々の異なる河川状況にも容易に対応することができ、それだけ水制の適用性が向上するものである。
【発明の実施の形態】
【0033】
以下、本願発明のコンクリートブロック及びコンクリートブロック製水制を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0034】
図1には、以下に述べる各実施形態の水制の形成に使用されるコンクリートブロックを示しており、符号1は基体ブロック、2は延設ブロック、3は天蓋ブロック、4は天蓋延設ブロックであり、これら各コンクリートブロックを適宜選択して使用することでそれぞれ各実施形態にかかる水制が形成されるものである。
【0035】
各コンクリートブロックの構造説明
基体ブロック1
基体ブロック1は、請求項1及び請求項2における「コンクリートブロック」、請求項3における「第1のコンクリートブロック」にそれぞれ該当するものであって、図1〜図3に示すように、全体として略馬蹄形の偏平形態をもつ本体部20と該本体部20の後端部材20eに連続してこれから後方へ延出する左右一対の延出部21,21とを備えている。上記本体部20は、所定厚さ寸法(即ち、高さ寸法)をもち、その上面20aと下面20dとは略平行とされている。そして、この上面20aの外周部を除くその内側は、所定深さに陥没した陥没部20bとされている。また、上記下面20d側は、上記上面20aとは逆に、外周部を除いたその内側が所定高さに隆起した隆起部20cとされている。さらに、この本体部20の中央部分には、上記陥没部20bから隆起部20cに向かって貫通した略長円状の開口でなる充填用空間22が形成されている。
【0036】
また、この本体部20の外周面、即ち、上記基体ブロック1の外周面1aは、その側部は上記本体部20の上面20aから下面20dに向かってこれらと直交する如き鉛直面とされるが、該側部から先端部1bに向かうに従って次第に下降傾斜する傾斜面状に形成されている(図2及び図3参照)。尚、この基体ブロック1の先端部1bの傾斜角は、図3に示すように水制が設置される法覆壁51(特許請求の範囲の「壁面」に該当する)の傾斜に略沿うように設定されている。また、この先端部1bの傾斜に対応して、上記充填用空間22もこれと略平行となる如く傾斜形成されている。
【0037】
さらに、上記延出部21は、図3に示すように、水制形成用コンクリートブロックとして上記基体ブロック1のみを使用する場合には、その後端面21aを上記法覆壁51に当接あるいは近接対向させることで該基体ブロック1の法覆壁51に対する前後方向位置決め部材として機能する外に、図1に示すように、該基体ブロック1の後端側に次述の延設ブロック2を連設配置する場合には該基体ブロック1に対する延設ブロック2の前後左右両方向の位置決め部材としても機能するものである。従って、上記基体ブロック1の後端部、即ち、上記本体部20の後端部20eに連続してこれから後方へ延出する左右一対の延出部21,21は、上記本体部20の後端部20eの幅方向両端から所定寸法だけ幅方向内側へ偏った位置に形成され、該延出部21の外側面と上記本体部20の後端部20eとでL形に凹入する隅角部23を形成している。
【0038】
このように構成された基体ブロック1は、図1〜図3に示すように、下段側の基体ブロック1の上記陥没部20bに上段側の基体ブロック1の隆起部20cを嵌合させた状態で多段載置される。そして、この基体ブロック1の多段載置状態においては、該各基体ブロック1,1,・・の各充填用空間22,22,・・は上下方向に連続して各基体ブロック1,1,・・に跨がって上下方向に延びる縦長の空間を形成する。
【0039】
延設ブロック2
延設ブロック2は、請求項3における「第2のコンクリートブロック」に該当するものであって、図1に示すように、上記基体ブロック1と略同一の厚さ寸法と、所定の長さ寸法とをもつ矩形ブロック体で構成され、上記基体ブロック1の上記隅角部23にその一端側を嵌合させることで該基体ブロック1の後方側に連設され、その外面2aは上記基体ブロック1の外周面1aと一体の壁面を構成する。尚、上記基体ブロック1の各延出部21,21の外側にそれぞれ上記延設ブロック2,2を設置した状態においては、これら所定間隔をもって対向する左右一対の延設ブロック2,2の内面2b,2bと上記延出部21,21の後端面21a,21aとの間に矩形の空間が形成されるが、この空間は上記基体ブロック1の充填用空間22と同様に充填物の充填空間となるものであって、以下においてはこの空間を「充填用空間24」という。
【0040】
かかる構成の延設ブロック2は、上述のように上記基体ブロック1の後方側に連設されるとともに、該基体ブロック1と同様に、所定段数に多段載置可能とされる。このため、延設ブロック2にも、上記基体ブロック1と同様に、その上面2c側には陥没部2eが、下面2dには隆起部2fがそれぞれ形成されている。
【0041】
天蓋ブロック3
天蓋ブロック3は、上記基体ブロック1を多段載置した場合の最上段の基体ブロック1の上面20aを覆う必要がある場合に使用されるものであって、該基体ブロック1の平面形状に対応した略馬蹄形の平面形状を有するとともに、その表面形状はなだらかな曲面とされている。そして、この天蓋ブロック3の下面には、上記基体ブロック1側への載置状態を維持するために、該基体ブロック1の陥没部20bの外周形状に沿う如く略馬蹄形に延びる突条3a,3aが形成されている。また、天蓋ブロック3の後端面には、次述の天蓋延設ブロック4との連結用の突起3bが設けられている。
【0042】
天蓋延設ブロック4
天蓋延設ブロック4は、上記延設ブロック2を多段載置した場合の最上段の延設ブロック2の上面2cを覆う必要がある場合に使用されるものであって、上記天蓋ブロック3の後方側にこれに連続して載置される。そして、この載置状態を維持するために、その下面の左右両側には、上記延設ブロック2の陥没部2eに嵌合する突条4a,4aが形成されている。また、天蓋延設ブロック4の一方の端面には、上記天蓋ブロック3側の突起3bが係入する凹部4bが設けられ、他方の端面には他の天蓋延設ブロック4の凹部に係入する突起4cが設けられている。
【0043】
水制の実施形態の説明
以下、上記各コンクリートブロック1〜4を適宜選択使用して構成される水制をその実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0044】
第1の実施形態
図4には、本願発明の第1の実施形態にかかる水制Z1を示している。この水制Z1は、上記各コンクリートブロック1〜4のうち、基体ブロック1のみを使用して形成されたものであって、堤体50の河川に臨む法覆壁51の前面側に該法覆壁51から河川側に延出状態で設置されている。尚、図中、符号L1は平常時の水位線、L2は河床堆積物の表面に対応する河床堆積物線である。
【0045】
この水制Z1の施工方法は次の通りである。即ち、上記法覆壁51の下端に位置する法留基礎52の前面側に設けられた所定広さの水制用基礎53上に水制Z1を設置するものとし、まず最初に、最下段に位置する基体ブロック1を上記水制用基礎53上に載置固定する。この場合、図3に示すように、基体ブロック1の延出部21,21の後端面21aを上記法覆壁51に当接あるいは所定の間隔をもって近接対向させる。この最下段の基体ブロック1の位置決め且つ固定作業が完了すると、後は、所要の水制高さに応じて基体ブロック1を順次多段載置すれば良い。
【0046】
各基体ブロック1,1,・・の多段載置作業の完了時点において、あるいは各段の載置作業の完了時点において、上記基体ブロック1の充填用空間22内に充填物9として、例えばコンクリート、栗石、建設廃材等を適宜充填し、各基体ブロック1,1,・・相互間の接合強度の確保、延いては水制Z1全体としての安定性能を確保する。尚、この実施形態においては、上記充填物9の充填は、最上段に位置する基体ブロック1の充填用空間22の上端付近までとし、その上側には植土8を充填し、ここに必要に応じて花木の植栽を行うようにしている。
【0047】
また、上記各基体ブロック1,1,・・の後端と上記法覆壁51との間には、上記延出部21,21,・・の突出長さに応じた間隔をもち且つ上下方向に延びる空間が該各基体ブロック1,1,・・の左右両側にそれぞれ形成されるため、この空間には、図4に示すように、石積工10を施して上記延出部21を覆い隠す。
【0048】
このように、この実施形態のものにおいては、水制用基礎53上に基体ブロック1を順次多段載置することで所要高さの水制Z1を容易に形成することができるものである。そして、この場合、水制高さを基体ブロック1の段数設定により容易に変更可能であり、また水制Z1全体の重量からして軽量の基体ブロック1の載置作業により水制Z1を形成し得ることから、水制設置作業の施工性が良好となるものである。
【0049】
また、この実施形態においては、水制Z1が上記法覆壁51に直交する方向へ延出するようにその設置方向を設定した場合について説明しているが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、該法覆壁51に対する水制Z1の延出方向は河川状況に応じて適宜設定し得るものである。従って、水制Z1を法覆壁51に対して直交する方向から河川上流側あるいは下流側へ傾斜させて設置した場合には、該水制Z1の後端側の左右両側の空間のうちの反傾斜側に位置するものは、直交状態に設置した場合よりも、大きくなるが、かかる空間の拡大はここに上記石積工10を施工することで景観上あるいは強度上も何ら支障を生じないものであり、それだけ水制Z1の任意方向への設置が容易となるものである。
【0050】
さらに、この石積工10には、年月の経過とともに、草木が生えるが、この石積工10部分に生えた草木と、上記水制Z1の頂部に植栽された花木とにより、該水制Z1の無機質感が緩和され、該水制Z1が河川周辺の景観に融和し、良好な周辺環境が作り出されることになる。
【0051】
また、この実施形態の如く、上記基体ブロック1を馬蹄形状としてこれにより構築される水制Z1の先端部分の形状に丸みをもたせることで全体として柔らかい感じを看者に与えることができるようにしているので、例えば方格状の形態をもつ水制に比して、景観性に優れるものである。
【0052】
第2の実施形態
図5には、本願発明の第2の実施形態にかかる水制Z2を示している。この水制Z2は、上記第1の実施形態にかかる水制Z1がその頂部を植栽部分としていたのに対して、最上段に位置する基体ブロック1の上面側に上記天蓋ブロック3を載置してこれを覆い隠したものである。従って、かかる構成の水制Z2は、越流タイプの水制として利用する場合に特に好適である。
【0053】
第3の実施形態
図6には、本願発明の第3の実施形態にかかる水制Z3を示している。この水制Z3は、上記第1の実施形態にかかる水制Z1と同様にその頂部を植栽部としたものであるが、特に水制の河川側への延出長さを長くする必要がある場合に好適なものであって、上記基体ブロック1に加えて、上記延設ブロック2を使用して形成されている。即ち、この水制Z3は、多段載置される上記各基体ブロック1,1,・・の後端と上記堤体50の法覆壁51との間に、該基体ブロック1の左右両側に二列に並ぶように延設ブロック2を所定個数載置するとともに、これらを順次所定段数だけ多段載置して形成されている。尚、この場合、上記各基体ブロック1の充填用空間22及び上記延設ブロック2の内側に形成される充填用空間24にそれぞれ適宜の充填物9を充填することは勿論である。また、最後端の延設ブロック2と上記法覆壁51との間の空間に石積工10を設けることも勿論である。
【0054】
このように、この実施形態の水制Z3によれば、コンクリートブロックの載置段数の変更により水制高さを任意に且つ容易に変更し得ることに加えて、上記基体ブロック1と法覆壁51との間に列設配置される延設ブロック2の個数を変更することで水制長さをも任意に且つ容易に変更し得るものであり、河川状況に応じた水制設計の自由度が大きく、それだけ各種河川に対する適用性が高いものである。
【0055】
第4の実施形態
図7には、本願発明の第4の実施形態にかかる水制Z4を示している。この水制Z4は、上記第3の実施形態にかかる水制Z3において、その頂部に、これを覆い隠すようにして上記天蓋ブロック3と所定数の天蓋延設ブロック4,4,・・とを載置したものであり、上記第2の実施形態にかかる水制Z2と同様に、越流タイプの水制として特に好適なものである。
【0056】
第5の実施形態
図8には、第5の実施形態にかかる水制Z5に使用される各コンクリートブロック1〜4を示している。ここに示した各コンクリートブロック1〜4は、図1に示した各コンクリートブロック1〜4を基本とし、かかる基本構成をもつものにおいてこれらの表面に意匠性を付与したものの一例であって、ここでは上記各コンクリートブロック1〜4の表面(外部に露出する面)にそれぞれ自然石あるいは擬石15を適宜配置したものを例として示している。
【0057】
図9には、かかる各コンクリートブロック1〜4のうち、上記基体ブロック1と天蓋ブロック3とを使用した、上記第2の実施形態にかかる水制Z2の変形例ともいうべき第5の実施形態にかかる水制Z5を示している。この水制Z5においては、水制Z5の表面が自然石あるいは擬石15に覆われているため、恰も石積水制の如き外観を呈し、河岸の景観に容易に融和し得るものである。
【0058】
尚、かかるコンクリートブロック表面の意匠性向上手段としては、上記の如き自然石等の配置の外に、例えばコンクリートブロックの表面にハツリ模様を付ける等の手段が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかる水制形成用の各種コンクリートブロックを示す斜視図である。
【図2】 図1のII-II拡大断面図である。
【図3】 図1のIII-III拡大断面図である。
【図4】 本願発明の第1の実施形態にかかる水制を示す斜視図である。
【図5】 本願発明の第2の実施形態にかかる水制を示す斜視図である。
【図6】 本願発明の第3の実施形態にかかる水制を示す斜視図である。
【図7】 本願発明の第4の実施形態にかかる水制を示す斜視図である。
【図8】 本願発明の第5の実施形態にかかる水制の形成に使用されるコンクリートブロックを示す斜視図である。
【図9】 本願発明の第5の実施形態にかかる水制を示す斜視図である。
【符号の説明】
1は基体ブロック、2は延設ブロック、3は天蓋ブロック、4は天蓋延設ブロック、8は植土、9は充填物、10は石積工、15は自然石あるいは擬石、20は本体部、21は延出部、22は充填用空間、23は隅角部、50は堤体、51は法覆壁、52は法留基礎、53は水制用基礎、L1は水位線、L2は河床堆積物線、Z1〜Z5は水制である。

Claims (3)

  1. 川岸から水流側に向けて延出する水制を構築するためのコンクリートブロックであって、
    上面(20a)と下面(20d)とが略平行とされた所定厚さをもつ略馬蹄形の偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間(22)を形成した本体部(20)と、該本体部(20)の後端部(20e)に連続してこれから後方へ延出する延出部(21,21)とを備えたことを特徴とするコンクリートブロック。
  2. 上面(20a)と下面(20d)とが略平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間(22)を形成した本体部(20)と、該本体部(20)の後端部(20e)に連続してこれから後方へ延出する延出部(21,21)とを備えた複数個のコンクリートブロック(1)、(1),・・を、上記延出部(21,21)側を堤体(50)の河川に臨む壁面(51)に向けた状態でその厚さ方向に複数個多段層積し且つ上下方向に連続する上記各コンクリートブロック(1),(1),・・の各充填用空間(22),(22),・・内に適宜の充填物(9)を充填して構成されたことを特徴とするコンクリートブロック製水制。
  3. 上面(20a)と下面(20d)とが略平行とされた所定厚さをもつ偏平状形態を有し上下方向に多段載置可能とされるとともにその平面方向の内側寄り部位に厚さ方向へ貫通する充填用空間(22)を形成した本体部(20)と該本体部(20)の後端部(20e)に連続してこれから後方へ延出する延出部(21,21)とを備えた複数個の第1のコンクリートブロック(1),(1),・・を上記延出部(21,21)側を堤体(50)の河川に臨む壁面(51)に向けた状態で上下方向に多段載置するとともに、
    上記第1のコンクリートブロック(1)と略同等の厚さ寸法をもつ略矩形形態に形成された複数個の第2のコンクリートブロック(2),(2),・・を上記各第1のコンクリートブロック(1),(1),・・の後端部の幅方向両側部と上記壁面(51)との間においてそれぞれ多段載置し、
    さらに上記各コンクリートブロック(1),(1),・・の上下方向に連続する上記各充填用空間(22),(22),・・内、及び所定間隔をもって上記第1のコンクリートブロック(1)の幅方向に対向配置された上記各第2のコンクリートブロック(2),(2),・・間の充填用空間(24)内にそれぞれ適宜の充填物(9)を充填して形成されたことを特徴とするコンクリートブロック製水制。
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