JP3462474B2 - 生態系に配慮した護岸構造及び生態系護岸用ブロック - Google Patents

生態系に配慮した護岸構造及び生態系護岸用ブロック

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JP3462474B2
JP3462474B2 JP2001040979A JP2001040979A JP3462474B2 JP 3462474 B2 JP3462474 B2 JP 3462474B2 JP 2001040979 A JP2001040979 A JP 2001040979A JP 2001040979 A JP2001040979 A JP 2001040979A JP 3462474 B2 JP3462474 B2 JP 3462474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川の岸辺や堤防
あるいは海岸などの護岸用として段積みする護岸用ブロ
ック、特に生態系に配慮した多自然型護岸構造の構築に
使用する護岸用ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】河川、海岸などの改修において、川床や
河岸や海岸およびえん堤や堤防を保護するために、従来
から種々のタイプのコンクリート製の護岸用ブロックが
段積みして使用されている。これらの護岸用ブロックは
工場で予め製造され、現場で段積みして施工されるもの
であり、現場でコンクリート打ちにより行う護岸工事に
比して短期間かつ低コストで施工できるので幅広く実施
されている。このような護岸用ブロックは、従来はでき
るだけ河川などの氾濫による水害からの保護を目的とし
たえん堤や堤防に関するものであった。しかし、近年に
は水質保全のためあるいは自然環境の保護のために、生
態系に配慮したえん堤や堤防の施工が求められている。
そこで河岸やえん堤や堤防に自然石を段積みして水草を
植生し易くしたり、あるいは流木を積み上げたりする方
法が行われ、自然との調和を図っている。しかし、これ
らは、自然災害に対して十分に耐えうる堤防やえん堤で
あるかという点では、構造的に必ずしも満足できるもの
ではなかった。そこで、コンクリート製の護岸用ブロッ
クに空洞部を設け、この空洞部に魚貝類や微小生物など
が入り込めるようにした構造のものが開発されている。
しかし、自然との調和が一層求められる結果、自然災害
に対しても十分に耐え得る構造を有しながら多様な生物
が生息可能な生態系に配慮した自然環境に調和している
多自然型護岸構造の構築に使用する護岸用ブロックが求
められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記のような多様な生態系に配慮した自然
環境に調和した多自然型の護岸構造を提供すると共に、
これらの構築に使用する護岸用ブロック、特にこれらを
段積みした際に、段積み全体としての強度に優れた構造
を有し、かつ種々の生物が生息することができる生態系
に配慮した護岸用ブロックを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の手段は、請求項1の発明では、川底面およ
び水域5を含む護岸法面4に正方形の前壁版7とその背
面から垂直に延びる扶脚8とその後端に取付けられかつ
該前壁版7に平行な控壁版9からなり、前壁版7の1隅
10に同一面で対角方向11に突出する突出部12と残
りの3隅14、15、16に該突出部12の先端部形状
17および両側部形状18と同一形状の各部分凹状部1
9と前壁版7を後方に貫通する貫通孔29とかつ前壁版
7の各辺にスリット形成用の凹入部20を有する護岸用
ブロック2と、護岸構造端部側に張り出す突出部12の
ない護岸用ブロック2の多数個を同一向きに配列して各
突出部12を上部の隣接護岸用ブロック2の各部分凹状
部19に嵌合し、控壁版背部24の護岸法面4に砂利2
5またはくり石を裏込め27して敷設し、前壁版7と控
壁版9の間の扶脚8の周囲と前壁版7に有する貫通孔2
9内と隣接護岸用ブロック2の前壁版7との間に形成の
スリット31内に砂利25を胴込め30してなることを
特徴とする生態系に配慮した護岸構造1である。
【0005】請求項2の発明では、護岸用ブロック2は
控壁版9がインサート孔21およびインサート溝22を
十字状に配置した十字型からなり、該控壁版9のインサ
ート孔21およびインサート溝22にインサート23が
挿入され隣接護岸用ブロック2の控壁版9間が連設され
ていることを特徴とする請求項1の手段における生態系
に配慮した護岸構造1である。
【0006】請求項3の発明では、護岸用ブロック2は
前壁版7の壁面上に砂利付着層39を形成していること
を特徴とする請求項1または2の手段における生態系に
配慮した護岸構造1である。
【0007】請求項4の発明では、護岸用ブロック2は
その扶脚8が前壁版7の1組の対辺側に張り出した厚板
壁体32からなりかつ該厚板壁体32の壁体側部36に隣接
する護岸用ブロック2の扶脚8との間に空隙を形成する
凹入部34を有し、前壁版7の他の1組の対辺側の該厚
板壁体32の壁面38に角条37を有することを特徴とす
る請求項1〜3のいずれか1項における生態系に配慮し
た護岸構造1である。
【0008】請求項5の発明では、正方形厚板からなる
前壁版7とその背面から垂直に延びる扶脚8と扶脚後端
の該前壁版7に平行な控壁版9を有し、該前壁版7の1
隅10から対角方向11に突出する前壁版7の半板厚さ
の突出部12を同一平面で有しかつ該前壁版7の残りの
3隅14、15、16に該突出部12の先端部形状17
および両側部形状18の各部分形状19と同一形状の各
部分凹状部19を有し、前壁版7と控壁版9の間隙に達
する貫通孔29を前壁版7に有しかつ前壁版7の4辺か
ら中心側に凹入するスリット形成用の凹入部20を有す
ることを特徴とする生態系に配慮した護岸用ブロック2
である。すなわち、請求項1の発明における護岸構造端
部側に張り出す突出部のない護岸用ブロックである。
【0009】請求項6の発明では、前壁版7はその1隅
10から対角方向11に突出する突出部12のうち該前
壁版7のいずれか1辺およびその延長線から張り出す突
出部分を切り欠いていることを特徴とする請求項5の手
段における生態系に配慮した護岸用ブロック2である。
【0010】請求項7の発明では、前壁版7は1隅10
から対角方向11に突出する突出部12を切り欠いてい
ることを特徴とする請求項5の手段における生態系に配
慮した護岸用ブロック2である。すなわち、請求項1の
発明における護岸構造端部側に張り出す突出部のない護
岸用ブロックであり、この場合の護岸構造端部とは護岸
構造の隅部をさしている。
【0011】請求項8の発明では、控壁版9は正方形1
3の四隅が切り欠かれて十字型に形成され、該控壁版9
にインサート23を装着するインサート孔21およびイ
ンサート溝22を形成していることを特徴とする請求項
5〜7のいずれか1項の手段における生態系に配慮した
護岸用ブロック2である。
【0012】請求項9の発明では、前壁版7はその前壁
面39に砂利付着層40を有することを特徴とする請求
項5〜8のいずれか1項の手段における生態系に配慮し
た護岸用ブロック2である。
【0013】請求項10の発明では、扶脚8は壁面中央
の控え方向33に角条37を有し壁体側部36が控壁版
9の径より幅狭な凹入部34を有する厚板壁体32からな
ることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項の手段
における生態系に配慮した護岸用ブロックである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図1は本発明の水生生物の生息に適した
環境および堤防上の環境に配慮した護岸用ブロックを敷
設した護岸構造の一部分を示す斜視図である。図2は護
岸構造の前面構造を部分的に示す説明図である。図3は
護岸ブロックを前壁版の前面側から見た図である。図4
は護岸ブロックを図3の裏側である控壁版の裏面側から
見た図である。図5は護岸ブロックの前壁版の前面から
見た図である。図6は護岸ブロックの控壁版の裏面から
見た図である。図7は図5のB−B矢視の断面図であ
る。図8は図5のA−A矢視の断面図である。
【0015】河川、湖沼ならびに海岸(以下、代表して
「河川」という。)の床面および岸辺の水域5を含む堤
防3の法面に本発明に係る護岸用ブロック2を敷設して
護岸構造1を形成している。本発明の生態系に配慮した
護岸構造1は、例えば河岸の堤防3の護岸法面4に裏込
め材として砂利25あるいは割りくり石を裏込めする空
石積み工法を施工し、裏込め27上に護岸用ブロック2
を載置してなる。これらの護岸用ブロック2はその突出
部12を全て同一の方向に向け、これらの突出部12を
隣接護岸用ブロック2の各部分凹状部19で形成された
凹状部に嵌合することと、隣接する護岸用ブロック2の
控壁版9の縦方向に形成したインサート孔21および横
方向に形成したインサート溝22にそれぞれ鉄筋のイン
サート23を装入して係合することで互いに強固に連設
されている。
【0016】この連設において、護岸構造1の端部に敷
設する端部護岸用ブロック2aには護岸構造1の端部側
に張り出す突出部の形成されていないものを使用する。
特に、護岸構造1の隅部に使用する隅部護岸用ブロック
2bは表面を構成する前壁版7の1隅10から対角方向
11に突出する突出部12を全く欠いた護岸用ブロック
2からなっているものを使用する。
【0017】ところで、護岸用ブロック2は前壁版7の
表面から控え方向33の扶脚8の周囲へ達する貫通孔2
7を形成している。そして本発明の護岸構造1は、貫通
孔27と前壁版7と控壁版9の間隙である扶脚8の周囲
に砂利25を胴込め30している。さらに、これらの護
岸用ブロック2の前壁版7の形状は正方形13からなっ
ている。この正方形13である前壁版7の4辺はそれぞ
れの辺から中心側に凹んだ凹入部20に形成されてお
り、この凹入部20により隣接の護岸用ブロック2の前
壁版7との間にスリット31を形成している。この前壁
版7の側部の4辺のスリット31の中にも砂利25を胴
込め30している。また、護岸用ブロック2の控壁版9
は正方形の4隅を切り欠いた十字型からなっている。従
って、この4隅の切り欠いた部分には胴込め30した砂
利25が裏込め27した砂利25と一体化されている。
【0018】さらに、上記の護岸構造1の各護岸用ブロ
ック2の前壁版7の前壁面39には砂利25がモルタル
などにより付着され、表面が砂利の粒状面である砂利付
着層40に形成されている。
【0019】次に上記した護岸構造1の施工に使用され
る本発明の護岸用ブロック2の実施の形態について説明
する。護岸用ブロック2は、正方形13の厚板からなる
前壁版7を前部に有する。この前壁版7の背部の中心か
ら鉛直に控え方向33に延びる扶脚8を有し、さらにこ
の扶脚8の後端には前壁版7と平行に控壁版9を有す
る。この前壁版7の1隅10から対角方向11に向けて
突出する前壁版7の半板厚さの突出部12を前壁版7と
同一面で有する。正方形の前壁版7の残りの3隅の隅1
4、隅15、隅16には、それぞれ突出部12の先端部
形状17および側部形状18をした部分形状と同一形状
である各部分凹状部19を有する。さらに、前壁版7と
控壁版9の間隙に達する貫通孔29が前壁版7の前面か
らその背部の控え方向に形成されている。さらに前壁版
7の4辺には、4辺から中心側に凹入して隣接の前壁版
7の辺との間にスリット31を形成するための凹入部2
0が形成されている。
【0020】さらに、護岸構造1の端部に配列する端部
護岸構造用ブロック2aでは、その前壁版7はその1隅
10から対角方向11に突出する突出部12のうち該前
壁版7のいずれか1辺すなわち護岸構造1の端部側の該
前壁版7の1辺およびその延長線から張り出す突出部分
が切り欠かれている。これらの端部護岸構造用ブロック
2aの残りの3隅の14、15、16の構造およびその
他の構造は上記の正常な形状の突出部12を有する護岸
構造用ブロック2と異なるところはなく、同様の構造と
なっている。
【0021】さらにまた、護岸構造1の隅部に配列する
隅部護岸構造用ブロック2bでは、その前壁版7は1隅
10から対角方向11に突出する突出部12の全てが切
り欠かれて突出部12は形成されておらず、他の3隅の
14、15、16の構造およびその他の構造は上記の護
岸構造用ブロック2の構造と異なるところはなく、同様
の構造となっている。
【0022】以上の護岸構造用ブロック2、端部護岸構
造用ブロック2a、隅部護岸構造用ブロック2bにおい
て、それらの控壁版9の形状は正方形の四隅が切り欠か
れた十字型からなっている。そして、これらの控壁版9
の十字型の中には鉄筋からなるインサート23を装着す
るインサート孔21およびインサート溝22が互いに垂
直な方向になるように形成されている。特に、インサー
ト孔21は、図8に見られるとおり、控壁版9を貫通し
ており、長尺のインサート23を同方向に連設する隣接
の護岸構造用ブロック2の控壁版9インサート孔21に
わたって挿通できるようになっている。これに対し、図
4に見られるとおり、インサート溝22は十字型の控壁
版9の一端に溝状に形成されており、短い鉄筋のインサ
ート23が単に隣り合う護岸構造用ブロック2の控壁版
9のインサート溝22との間に嵌合されて連設するよう
になっている。このように短いインサート23を互いに
隣り合う護岸構造用ブロック2間にインサート溝22に
のみ装着するので、先ず長尺のインサート23を装着す
る方向に護岸構造用ブロック2を連設し、次いでそれら
の配列のサイドに同様に護岸構造用ブロック2の控壁版
9のインサート孔21に長尺のインサート23を挿通し
て連設し、これを繰り返して多数の配列を隣り合わせて
連設する。このとき、隣の列を連設する時に、隣接する
護岸構造用ブロック2の控壁版9のインサート溝22に
短いインサート23を挿着してモルタルで固定して隣接
の列同士を結合していく。これを繰り返して全ての護岸
構造用ブロック2を配列した敷設が終了する。以上によ
り全体が一体的に固定された護岸構造1を容易に敷設す
ることができる。
【0023】これを図1を参照して説明すると、右下の
隅部護岸用ブロック2bから順次上方に端部護岸用ブロ
ック2aを配列する。このとき上段の端部護岸用ブロッ
ク2aの突出部12を下段の端部護岸用ブロック2aの
部分凹状部19に嵌合しながら長尺のインサート23を
挿通して結合していく。次いで、右から第2列目の縦方
向の護岸用ブロック2を同様に下段から順次上段に突出
部12を嵌合しながら長尺のインサート23を挿通して
結合してゆく一方で、隣り合う列同士の間の控壁版のイ
ンサート溝22間に短いインサート23を装着してモル
タルで固定する。このようにして順次に左の列に進んで
敷設を終了する。もちろん、この敷設時にそれぞれの護
岸用ブロック2内に砂利25を胴込30する。図2に示
すように、前壁版7に形成した貫通孔29の中にも砂利
25を込め、さらに前壁版7の各辺の隣接間に形成され
たスリット31の中にも砂利25を込めるものとする。
【0024】さらに、他の実施の形態では、護岸用ブロ
ック2の前壁版7の前壁面39にモルタルで砂利を付着
して砂利付着層40を形成した護岸用ブロック2とする
ことで、護岸構造1の表面には砂利付着層40を全面に
形成するものである。これは前壁版7の前壁面39にモ
ルタルで砂利を付着して砂利付着層40を予め付着した
護岸用ブロック2を用いて護岸構造1を施工するか、あ
るいは、予め砂利付着層40を設けていない護岸用ブロ
ック2を用いて護岸構造1を施工し、最終段階で護岸構
造1の表面にモルタルにより砂利25を付着して砂利付
着層40を形成してもよい。さらに、護岸用ブロック2
の表面に適宜凹凸を形成することで、この表面上に土砂
が自然に載り易くなり、植物が繁茂しやすくなる。ま
た、表面を砂利付着層40に代えて石割り模様をつける
こともできることはいうまでもない。
【0025】また、護岸用ブロック2の前壁版7の背部
から控え方向33に一体に形成した扶脚8は厚板壁体32
から形成する。その厚板壁体32の壁面38の中央の控え
方向33には山形になった角条37を形成する。さら
に、護岸用ブロック2には厚板壁体32の壁体側部36を
控壁版9の径より幅狭な凹入部34に形成する。このよ
うに山形の角条37を形成することで扶脚8の強度を高
め、護岸用ブロック2の重さを軽減して予め工場生産し
た護岸用ブロック2の搬送を容易とすると共に、コンク
リートの使用料を減らすことでコスト削減を図る。また
壁体側部36を控壁版9の径より幅狭な凹入部34に形
成することで、扶脚8の厚板壁体32に凹入部34を形成
し、この部分に砂利25を胴込め30することができ、
護岸用ブロック2を水域5内に敷設すると、この部分に
水とともに動植物が入り込むことができ、魚や小さな生
物が繁殖可能な領域が容易に形成できる。以上に説明し
た本発明の護岸用ブロック2は、護岸法面4に敷設した
護岸構造1に使用した例を示しているが、護岸法面4に
限らす、川床やえん堤にも敷設でき、根固め、消波、水
制などの治水工事にも使用できることはいうまでもな
い。
【0026】以上、本発明の実施の形態における護岸構
造1の工法では、互いに突出物12が嵌合しあい、さら
にインサートで結合されているので、堅固な護岸構造1
が得られる。その上、護岸用ブロック2の控壁版9と護
岸法面4の間に砂利25あるいはくり石を裏込めする空
石積み工法とし、また、護岸用ブロック2内の扶脚の周
囲にも砂利25を胴込めしているので、くり石の積み石
や砂利25に空隙ができ、前壁版7に形成の貫通孔29
やあるいは隣接護岸用ブロック2の前壁版7との間に形
成のスリット31が水面6付近では、空気の流入を可能
とし、さらに水域5内では水の流れを生む流通孔とな
り、これらから上記の空隙に魚類やカニ、エビ、水生昆
虫などの水生生物が入り込み恰好のすみかとなり、また
微小な水生植物などの繁茂しやすい植生場所ともなる。
さらに護岸構造1の表面に砂利付着層40が形成されて
いるので、水域で水生植物が、また水域から上の堤防部
では砂利付着層40砂利の粒子間に土粒が自然に盛ら
れ、その土壌に岸辺の植物が繁茂して容易に緑化される
こととなり、この水面下で繁茂した水生植物に魚やカニ
やエビや貝などや水生昆虫などが集まり生息場所にな
り、また水面上の堤防部に繁茂した植物にトンボや蝶な
どの昆虫や小鳥が集まり生息することとなり、より一層
に水辺の生態系が保たれ自然に優しい護岸構造1に形成
される。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の護岸構造
は空積み工法により護岸用ブロックが砂利やくり石を裏
込めして敷設され、さらに護岸用ブロックの内部に砂利
を胴込めしており、流水用の貫通孔やスリットを護岸構
造の表面から内部に形成しているので、空気や水が流れ
て裏込め部分や胴込めした砂利に生じた隙間に魚その他
の水生生物を生息させまた水生植物を繁茂させ、さらに
護岸構造の表面に砂利付着層を有するものでは水生植物
や地上の植物が繁茂して魚やカニやエビや貝あるいは水
生昆虫や、その他水辺の植物に集まる動物の生息場所と
なり、さらに護岸構造が緑化されて自然の景観を保つこ
とができ、また、このための護岸ブロックは互いに突出
部を嵌合することと、控壁版に鉄筋のインサートを装着
して結合することで堅固な護岸構造となっており、自然
の生態系に配慮した従来にない優れた構造の護岸構造と
なつている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水生生物の生息に適した環境および堤
防上の環境に配慮した護岸用ブロックを敷設した護岸構
造の一部分を示す斜視図である。
【図2】護岸構造の前面構造を部分的に示す説明図であ
る。
【図3】護岸ブロックを前壁版の前面側から見た図であ
る。
【図4】護岸ブロックを図3の裏側である控壁版の裏面
側から見た図である。
【図5】護岸ブロックの前壁版の前面から見た図であ
る。
【図6】護岸ブロックの控壁版の裏面から見た図であ
る。
【図7】図5のB−B矢視の断面図である。
【図8】図5のA−A矢視の断面図である。
【符号の説明】
1 護岸構造 2 護岸用ブロック 2a 端部護岸用ブロック 2b 隅部護岸用ブロック 3 堤防 4 護岸法面 5 水域 6 水面 7 前壁版 8 扶脚 9 控壁版 10 1隅 11 対角方向 12 突出部 13 正方形 14 隅 15 隅 16 隅 17 先端部形状 18 側部形状 19 部分凹状部 20 凹入部 21 インサート孔 22 インサート溝 23 インサート 24 控壁版背部 25 砂利 27 裏込め 29 貫通孔 30 胴込め 31 スリット 32 厚板壁体 33 控え方向 34 凹入部 36 壁体側部 37 角条 38 側面 39 前壁面 40 砂利付着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−64311(JP,A) 特開 平5−179664(JP,A) 特開 平11−293611(JP,A) 実開 昭48−8930(JP,U) 実開 平7−25027(JP,U) 実開 昭48−2104(JP,U) 実開 昭52−86209(JP,U) 実公 昭36−14226(JP,Y1) 実公 昭40−7560(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/14 E02D 29/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 川底面および水域を含む護岸法面に正方
    形の前壁版とその背面から垂直に延びる扶脚とその後端
    に取付けられかつ該前壁版に平行な控壁版からなり、前
    壁版の1隅に同一面で対角方向に突出する突出部と残り
    の3隅に該突出部の先端部形状および両側部形状と同一
    形状の各部分凹状部と前壁版を後方に貫通する貫通孔と
    かつ前壁版の各辺にスリット形成用の凹入部を有する護
    岸用ブロックと、護岸構造端部側に張り出す突出部のな
    い護岸用ブロックの多数個を同一向きに配列して各突出
    部を上部の隣接護岸用ブロックの各部分凹状部に嵌合
    し、控壁版背部の護岸法面に砂利またはくり石を裏込め
    して敷設し、前壁版と控壁版の間の扶脚の周囲と前壁版
    に有する貫通孔内と隣接護岸用ブロックの前壁版との間
    に形成のスリット内に砂利を胴込めしてなることを特徴
    とする生態系に配慮した護岸構造。
  2. 【請求項2】 護岸用ブロックは控壁版がインサート孔
    およびインサート溝を十字状に配置した十字型からな
    り、該控壁版のインサート孔およびインサート溝にイン
    サートが挿入され隣接護岸用ブロックの控壁版間が連設
    されていることを特徴とする請求項1記載の生態系に配
    慮した護岸構造。
  3. 【請求項3】 護岸用ブロックは前壁版の壁面上に砂利
    付着層を形成していることを特徴とする請求項1または
    2記載の生態系に配慮した護岸構造。
  4. 【請求項4】 護岸用ブロックはその扶脚が前壁版の1
    組の対辺側に張り出した厚板壁体32からなりかつ該厚板
    壁体32の側端部に隣接する護岸用ブロックの扶脚との間
    に空隙を形成する凹入部を有し、前壁版の他の1組の対
    辺側の該厚板壁体32の壁面に角条を有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の生態系に配慮
    した護岸構造。
  5. 【請求項5】 正方形厚板からなる前壁版とその背面か
    ら垂直に延びる扶脚と扶脚後端の該前壁版に平行な控壁
    版を有し、該前壁版の1隅から対角方向に突出する前壁
    版の半板厚さの突出部を同一平面で有しかつ該前壁版の
    残りの3隅に該突出部の先端部形状および両側部形状の
    各部分形状と同一形状の各部分凹状部を有し、前壁版と
    控壁版の間隙に達する貫通孔を前壁版に有しかつ前壁版
    の4辺から中心側に凹入するスリット形成用の凹入部を
    有することを特徴とする生態系に配慮した護岸用ブロッ
    ク。
  6. 【請求項6】 前壁版はその1隅から対角方向に突出す
    る突出部のうち該前壁版のいずれか1辺およびその延長
    線から張り出す突出部分を切り欠いていることを特徴と
    する請求項5に記載の生態系に配慮した端部護岸用ブロ
    ック。
  7. 【請求項7】 前壁版の1隅から対角方向に突出する突
    出部を切り欠いていることを特徴とする請求項5記載の
    生態系に配慮した護岸用ブロック。
  8. 【請求項8】 控壁版は正方形の四隅が切り欠かれて十
    字型に形成され、該控壁版にインサートを装着するイン
    サート孔およびインサート溝を形成していることを特徴
    とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の生態系に配
    慮した護岸用ブロック。
  9. 【請求項9】 前壁版はその前壁面に砂利付着層を有す
    ることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載
    の生態系に配慮した護岸用ブロック。
  10. 【請求項10】 扶脚は壁面中央の控え方向に角条を有
    し壁体側部が控壁版の径より幅狭な凹入部を有する厚板
    壁体32からなることを特徴とする請求項5〜9のいずれ
    か1項に記載の生態系に配慮した護岸用ブロック。
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