JPH09296414A - コンクリート製壁高欄及び路側壁 - Google Patents

コンクリート製壁高欄及び路側壁

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JPH09296414A
JPH09296414A JP8109624A JP10962496A JPH09296414A JP H09296414 A JPH09296414 A JP H09296414A JP 8109624 A JP8109624 A JP 8109624A JP 10962496 A JP10962496 A JP 10962496A JP H09296414 A JPH09296414 A JP H09296414A
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wall body
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concrete
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美晴 松葉
Junichi Akama
淳一 赤間
Tadashi Yanagisawa
正 柳澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路の端部等の使用に適し、衝突時の路面へ
の影響及び車両の衝撃を緩和することができるコンクリ
ート製壁高欄及び路側壁を提供する。 【解決手段】 コンクリート床版11にアンカーボルト12
を立設する。壁本体2の下部に、凹所6を形成する。こ
の凹所6の底面6Aと壁本体2の下面2Aとを連通する
挿通孔7を形成する。この挿通孔7にアンカーボルト12
を挿通し、凹所6の底面6Aと固定ナット17との間に硬
質ゴム板などからなる弾性部材14を設ける。壁本体2の
幅方向中央に達する凹所6を形成したため、道路Rの端
部への据付が可能となる。壁本体2に車両が衝突して
も、弾性部材14が弾性変形することにより、壁本体2が
傾動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁や道路に設け
られるコンクリート製壁高欄及び路側壁に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ガードフェンスは、主
として走行車線を逸脱した車両が道路外あるいは対向車
線に逸脱することを防止するために設けられるものであ
り、十分な逸脱防止効果を備えていなければならない。
また、ブレーキトラブルなどの緊急事態においては、車
両をフェンスに擦りつけるようにして緊急停止するため
にも用いられ、十分な安定性と衝撃強度が要求される。
さらに、車輌をスムーズに車線復帰させることも要求さ
れる。そして、従来の鋼製ガードフェンスに代わって強
度及び耐久性に優れたコンクリートガードフェンスが広
く用いられるようになっており、例えば、実開平2−1
1821号公報(実願昭63−88799号)では、防
護壁本体の両側下部に定着手段を設け、この定着手段を
介して路盤に固定する(同マイクロフィルム第7頁第3
〜4行)コンクリート防護壁が知られており、また、コ
ンクリートガードフェンスの強度を向上するものとし
て、実開平6−57918号公報(実願平5−1258
号)のコンクリートガードフェンスでは、ガードフェン
スの上部には塩ビ製のパイプが埋設され、このパイプに
横締用部材であるPC鋼材が挿通され(実願平5−12
58号のマイクロフィルムの第0011段)、そのPC
鋼材によりコンクリートガードフェンスに緊張力を付与
したコンクリートガードフェンスが知られており、この
コンクリートガードフェンスは、両側下部に設けた取付
用パイプに、アンカーボルトを挿通してコンクリート基
礎に固定(同第0013段)し、また、ガードフェンス
の幅方向両側をアンカーボルトにより基礎に固定してい
る。さらに、特公平6−29492号公報では、防護壁
ブロックの幅方向両側に側方に突出する脚部を形成し、
この脚部にアンカー受穴を設け、アンカーボルト受穴と
アンカーボルト固定ナットとの間に弾性体を挟み込んだ
ものが提案されている。
【0003】ところで、上記コンクリート防護壁では、
幅方向両側を定着手段により路盤に固定し、また、上記
コンクリートガードフェンス及び防護壁ブロックでは、
幅方向両側をアンカーボルトにより基礎に固定するもの
であるため、幅方向の一方を固定することができない場
所、例えば道路等の端部の路肩などの取付スペースに制
約のある場所や、橋梁等の端部の高欄等の代わりに使用
することができない。
【0004】そこで、実開昭58−171914号公報
(実願昭58−37009号)には、高速道路の欄干用
ガードフェンス(実願昭58−37009号のマイクロ
フィルムの第12頁第9〜10行)が提案されており、同第
4図に示されているように、防護壁の幅方向中央に孔を
穿設し、この孔と舗装路面とに縦方向の棒状部材を挿通
し、その棒状部材の上,下端を防護壁内部と舗装路面下
面とに固定して、防護壁を舗装路面に固定するため、取
付作業が煩雑になると共に費用がかかるという問題があ
り、また、前記棒状部材の下端を舗装路面下面で固定す
るため、普通の道路や盛土の上部に形成した道路の端部
では使用することができない。しかも、それらのものは
いずれもガードフェンスを路盤に剛結するものであるか
ら、例えば、図14に示すように、橋梁等の長さ方向の
桁101 の上にコンクリート床版102 を設け、このコンク
リート床版102 の上面により路面103 を構成し、この路
面103 の端部に欄干としてガードフェンス104 を設け、
このガードフェンス104 を縦方向の鋼材105 ,105 等に
より一体に剛結してしまうと、そのガードフェンス104
への車両の衝突によるモーメントが、桁102 上部の路面
103 に集中し、ここに亀裂Kが生じる等の虞があり、同
時に衝突車両の衝撃も大となる。
【0005】そこで、本発明は、道路の端部等の使用に
適し、壁本体は健全で強固となり、しかも、衝突時の床
版への影響及び車両の衝撃を緩和することができるを提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基礎
に固定部材を立設し、この固定部材の上部に固定ナット
を締付けて壁本体を前記基礎上に固定してなるコンクリ
ート製壁高欄及び路側壁において、前記壁本体の下部
に、側面が開口すると共に該壁本体内の幅方向中央に達
する凹所を形成し、この凹所の底面と壁本体の下面とを
連通する挿通孔を形成し、この挿通孔に前記固定部材を
挿通し、前記凹所の底面と前記固定ナットとの間に弾性
部材を設けたものであり、壁本体の幅方向中央に達する
凹所を形成したため、壁本体を道路に端部に布設し、固
定ナットを締めて壁本体を基礎に固定することにより、
道路の端部への据付が可能となり、また、壁本体の道路
側に凹所やアンカーを設ける必要がない。そして、壁本
体に車両が衝突しても、凹所の底面と固定ナットとの間
に設けた弾性部材が弾性変形することにより、道路側へ
の衝撃と衝突車両の衝撃が緩和され、衝突に対して壁本
体が強固なものとなる。
【0007】請求項2の発明は、長さ方向に隣合う前記
壁本体の間に目地部を設け、複数の前記壁本体を長さ方
向のPC鋼材により緊張一体化してなるものであり、目
地部を介して並ぶ壁本体を、PC鋼材により緊張一体化
したため、車両の衝突により壁本体が傾動して目地部間
が開く方向に力が加わると、これに対してPC鋼材によ
る緊張力が有効に作用して前記傾動を抑えることができ
る。
【0008】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1乃至図11は本発明の第1実施
例を示し、コンクリート製壁高欄及び路側壁1は、図1
の断面図に示すように、下方に向かってテーパ状に僅か
に拡大する壁本体2を備え、この壁本体2は高強度コン
クリートのプレキャストコンクリート製である。前記壁
本体2の両側には、水平傾斜角である所定角度θが75
度以上90度未満程度をなす平坦傾斜面3,3が形成さ
れ、その壁本体2の内部には図示しない鉄筋が配筋さ
れ、この例では、壁本体2は高さが1m(メートル),
長さが3メートル程度に形成されている。また、図1に
示すように、図中右側の一方の傾斜面3は他方の傾斜面
3より所定角度θを小さく形成している。一方の前記平
坦傾斜面3の下部には、側方に突出する脚部4を設け、
この脚部4は、傾斜面4Aの下部に垂直面4Bを有す
る。他方の前記平坦傾斜面3の下部には垂直面5を形成
し、この垂直面5側を開口して壁本体2の幅方向中央に
至る凹所6を該壁本体2に形成し、この凹所6は壁本体
2の長さ方向に複数設けられ、該壁本体2は長さ方向に
長い側面長方形形状の開口部6Bを有する。前記凹所6
の底面6Aは、前記下面2Aとほぼ平行であり、前記凹
所6の上面6Cは前記開口部6B側に向かって上向きに
傾斜している。また、前記凹所6の底面6Aと壁本体2
の下面2Aとを連通する挿通孔7を複数形成し、この例
では、図3に示すように、前記下面2Aの幅方向中央一
側寄りに2個、他側に1個の挿通孔7を形成し、その2
個の挿通孔7,7の長さ方向中央に前記1個の挿通孔7
が設けられている。さらに、前記脚部4の傾斜面4Aと
前記下面2Aとの間には斜めに孔が穿設され、この孔に
充填材注入孔たるホース8がその両側を露出して挿入配
置されている。
【0009】前記壁本体2は道路Rの端部に設けられ、
この例では、基礎を構成する橋梁等のコンクリート床版
11により道路Rを構成し、そのコンクリート床版11の上
面11Aの端部に欄干として前記壁本体2を設け、該コン
クリート床版11の端部には縦方向の端面11Bが形成され
ている。前記コンクリート床版11は、現場打ちコンクリ
ート製あるいはプレキャスト製であって、その上面11A
には、施工時あるいは製作時に、固定部材であるアンカ
ーボルト12が前記挿通孔7に対応して立設される。前記
アンカーボルト12の下部は、略L型に屈曲形成されると
共に、コンクリート床版11に埋設したボルト保持板13に
溶着固定されており、このボルト保持板13は複数の板材
を枠状に形成してなる。そして、前記挿通孔7には、図
示しない塩ビパイプが挿入配置され、このパイプ内に前
記アンカーボルト12が挿入される。
【0010】前記凹所6の底面6Aには、硬質ゴム板な
どからなる板状弾性部材14の上に鋼製のベースプレート
15が重ねて配置され、これら弾性部材14及びベースプレ
ート15には、それぞれ前記アンカーボルト12を遊挿する
孔14A,15Aが穿設されている。また、前記アンカーボ
ルト12の上部には、ねじ部が形成され、座金16を介して
固定ナット17が螺合される。さらに、前記壁本体2の下
面2Aと前記コンクリート床版11の上面11Aとの間に
は、壁本体2の幅方向両側にゴムなどからなる弾性パッ
キン材18,18を配置し、これら両側のパッキン材18,18
の間に、充填材19の充填空間20を形成している。また、
図11に示すように、この充填空間20と前記傾斜面4A
を連通する空気抜き孔8Aが形成されている。尚、この
空気抜き孔8Aをホースにより構成してもよい。
【0011】前記壁本体2の長さ方向に横締用部材たる
PC鋼材21が配置され、このPC鋼材21は鋼製シース21
Aまたはダクト内に配置されたものであり、該PC鋼材
21は、PC鋼線の撚り線等からなり、該PC鋼材21の外
周にエポキシ樹脂及び防錆処理PC鋼材により防錆加工
を施している。また、前記PC鋼材21の両側に定着具22
が設けられ、この定着具22は内部にテーパー孔23Aを有
するスリーブ23と、前記テーパー孔23Aに前側が圧接す
る裁頭円錐形のクリップ24とからなり、このクリップ24
の中央に、円周方向に複数の突起を有する圧着孔25を設
けると共に、この圧着孔25に連通する4箇所の切り込み
25Aが形成され、孔を有する支圧板26を介して前記定着
具22が用いられ、前記突起を有する圧着孔25が前記PC
鋼材21の外周に圧着する。また、前記PC鋼材21は壁本
体2の上部の幅方向中央に挿通されているが、PC鋼材
21,21をたすき掛けする重複部27においては、図6に示
すように、前記シース21Aを幅方向両側に形成し、それ
らPC鋼材21,21の端部21T,21Tを、壁本体2,2の
上面に形成した定着用凹所2B,2Bに露出する。そし
て、これら定着用凹所2B,2Bは壁本体2の上面の長
さ方向両側にそれぞれ形成されており、それら定着用凹
所2B,2Bを有する壁本体2の間には、定着用凹所を
備えない壁本体2が複数配置され、これら壁本体2には
前記重複部27は形成されていない。さらに、前記壁本体
2の長さ方向端面には、相互に係合する突条28と凹条29
とが形成され、隣合う壁本体2,2の間には目地材33を
充填して目地部30が形成され、前記突条28と凹条29との
間には、前記シース21Aに対応して、スポンジパッキン
グ31が介在され、このパッキング31には前記PC鋼材21
を挿通する孔32が穿設されている。
【0012】前記壁本体2の垂直面4B,5には、ぞれ
ぞれ埋込インサートにより横方向の雌ねじ部41を複数形
成し、この雌ねじ部41にボルト42を螺着して山形鋼から
なる治具43を固定し、この治具43に固着したナットに、
縦方向の高さ調整ボルト44を螺合し、この高さ調整ボル
ト44の下端と前記床版11の上面11Aとの間には、鋼板等
からなる支持プレート45が敷設される。
【0013】次に前記コンクリート製壁高欄及び路側壁
1の施工について説明すると、本発明の壁高欄及び路側
壁1は道路Rの新設工事の施工に適するものであり、ま
ず、コンクリート床版11の施工あるいは製造時に、予め
アンカーボルト12を立設しておく。そして、両側に弾性
パッキン材18,18を配置し、壁本体2を吊り上げ、挿通
孔7をアンカーボルト12に合わせて、吊り下ろす。ま
た、凹所6の底面6Aにベースプレート15と弾性部材14
を配置すると共に、座金16をアンカーボルト12の上部に
挿通し、該アンカーボルト12の上部に固定ナット17を仮
締めし、隣合う壁本体2,2間は所定の間隔で隙間を設
けるようにする。この場合、突条28と凹条29とは重なり
合わないようにし、図8に示すように、突条28の先端と
凹条29の両端面29Aとを合わせている。
【0014】次に、治具43及び高さ調整ボルト44を壁本
体2にセットし、複数並んだ壁本体2,2…の高さ、通
り及び目地部30の間隔を調整した後、目地部30に無収縮
モルタルなどの目地材33を充填する。尚、治具43及び高
さ調整ボルト44のセットは、工場で行ってもよく、吊り
下ろした後でもよい。前記目地材33の硬化後、図4に示
すように、隣合うPC鋼材21,21´の端部端部21T,21
T´を、たすき掛けのように交差したシース21A,21A
にそれぞれ挿通し、端部21T,21T´が交差する重複部
27を形成する。尚、端部21T´を備えたPC鋼材21´
は、前記端部21Tを備えたPC鋼材21と同一構成であ
る。そして、定着用凹所2B内の端部21Tを、支圧板26
に挿通すると共に、スリーブ23を組み合わせたクリップ
24に挿通し、挿出した端部21Tをジャッキ(図示せず)
などにより所定の緊張力で斜め上方に引っ張ることによ
り、複数の壁本体2の長さ方向に緊張力を付与する。こ
の場合、クリップ24がスリーブ23のテーパー孔23Aに楔
作用により食い込むと共に、切り込み25Aを設けた圧着
孔25が端部21Tに圧着して端部21Tが固定される。そし
て、定着後、定着用凹所2Bは無収縮モルタルなどの充
填材19を充填して、壁本体2の上面と面一に仕上げる。
【0015】このようにしてPC鋼材21により複数の壁
本体2を緊張一体化した後、ホース8から無収縮モルタ
ルなどの充填材19を充填空間20に充填する。この場合、
壁本体2には空気抜き孔8Aが形成されているから、充
填材19の充填がスムーズに行われる。その充填材19の硬
化後に、必要に応じて、前記固定ナット17を所定のトル
クで締め付け調整する。尚、前記充填空間20への充填作
業後、ホース8の傾斜面4Aから突出する部分は、切断
等して取り除き、また、充填空間20内の充填材19の硬化
後、ボルト42を取り外し、雌ねじ部41に充填材19を充填
して仕上げる。そして、固定ナット17による締付け作業
が終了したら、凹所6に無収縮モルタルなどの充填材19
を充填して、垂直面4Bを面一に仕上げる。尚、図中、
46は舗装層である。また、アンカーボルト12を挿入した
挿通孔7にも充填材19を充填する。
【0016】このようにして壁本体2の中央をアンカー
ボルト12により固定することにより、道路Rの端部に壁
高欄及び路側壁1を施工することができると共に、この
例では壁本体2の道路R側に、固定部材や凹所等がまっ
たく露出しない。そして、道路Rを走行する車両が衝突
して壁本体2に衝撃力Fが加わり、壁本体2を倒す力が
働いても、弾性部材14が弾性変形することにより、道路
Rを構成する床版11に加わるモーメントなどを緩和する
ことができると共に、弾性部材14がクッションとなっ
て、衝突車両への衝撃も緩和することができる。また、
車両が衝突した壁本体2が傾動すると、目地部30が広が
るが、壁本体2の上部に挿通したPC鋼材21の緊張力に
よりその目地部30の広がりを抑えることができ、この
際、PC鋼材21が収縮方向のばね作用をなす。
【0017】このように本実施例では、請求項1に対応
して、基礎たるコンクリート床版11に固定部材たるアン
カーボルト12を立設し、このアンカーボルト12の上部に
固定ナット17を締付けて壁本体2をコンクリート床版11
上に固定してなるコンクリート製壁高欄及び路側壁にお
いて、壁本体2の下部に、道路Rの反対側の側面が開口
すると共に壁本体2内の幅方向中央に達する凹所6を形
成し、この凹所6の底面6Aと壁本体2の下面2Aとを
連通する挿通孔7を形成し、この挿通孔7にアンカーボ
ルト12を挿通し、凹所6の底面6Aと固定ナット17との
間に弾性部材14を設けたものであるから、壁本体2の幅
方向中央に達する凹所6を形成したため、凹所6の他側
を道路R側にして壁本体2を布設し、固定ナット17を締
めて壁本体2をコンクリート床版11に固定することによ
り、道路Rの端部への据付が可能となり、また、壁本体
2の道路R側に凹所やアンカーを設ける必要がない。そ
して、壁本体2に車両が衝突しても、凹所6の底面6A
と固定ナット17との間に設けた弾性部材14が弾性変形す
ることにより、壁本体2が傾動し、道路Rを構成するコ
ンクリート床版11への衝撃と衝突車両の衝撃とを緩和す
ることができる。しかも、従来のように、幅方向両側を
アンカーボルトにより固定するものとは異なり、壁本体
2の幅内において幅方向中央にてアンカーボルト12によ
り固定するものであるから、アンカーボルト12により安
定した取付け強度が得られる。すなわち、両側をアンカ
ーボルトにより固定する場合では、固定ナットの締め方
などにより、幅方向で取付け強度が不均一になる虞があ
るが、本発明では中央を固定するため、幅方向全体に均
一な取付け強度が得られる。
【0018】また、このように本実施例では、請求項2
に対応して、長さ方向に隣合う壁本体2,2の間に目地
部30を設けた複数の壁本体2,2…を長さ方向のPC鋼
材21により緊張一体化してなるものであり、目地部30を
介して並ぶ壁本体2,2…を、PC鋼材21により緊張一
体化したため、車両の衝突により壁本体2が傾動して目
地部30が開く方向に力が加わると、これに対してPC鋼
材21による緊張力が有効に作用して傾動を抑えることが
できる。
【0019】また、実施例上の効果として、複数のアン
カーボルト12を保持板13に溶着してコンクリート床版11
内に埋設したから、アンカーボルト12の取付け強度を効
果的に向上することができる。さらに、弾性部材14は、
1枚の硬質ゴム板に複数の孔14Aを穿設したものである
から、複数のアンカーボルト12への装着が容易である。
また、PC鋼材の境目において、1つの壁本体2にPC
鋼材21,21´の端部21A,21A´が重複する重複部27を
形成したから、隣合う壁本体2の間で緊張力がとぎれる
ことなく、その全長に渡って緊張力を付与することがで
きる。さらに、壁本体2に、予め埋込インサートにより
雌ねじ部41を形成したから、高さ調整ボルト44の使用が
容易となる。さらにまた、壁本体2を高強度コンクリー
トにより成型したことにより、耐衝撃性が向上する。ま
た、道路側にホース8の先端を設けたから、充填材19の
充填作業を道路側から容易に行うことができる。さらに
また、壁本体2の下面2Aと基礎たるコンクリート床版
11の上面11Aとの間には、壁本体2の幅方向両側にパッ
キン材18,18を配置し、これら両側のパッキン材18,18
間に形成される充填空間20と壁本体2の側面とを連通す
る充填材注入孔たるホース8を壁本体2に形成したもの
であり、高さ調整を行った後、ホース8から充填材19を
壁本体2の下部に充填することができ、高さ調整作業及
びその後の壁本体2下部への充填作業を簡便に行うこと
ができ、また、空気抜き孔8Aを設けたから、充填材19
の充填がスムーズに行われる。
【0020】図12は本発明の第2実施例を示し、上記
第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説
明を省略して詳述すると、図12に示すように、前記座
金16の代わりに、弾性部材たる皿ばねたるばね座金1
6Aを用いており、この例においても、壁本体2に車両
が衝突しても、凹所6の底面6Aと固定ナット17との間
に設けた弾性部材たるばね座金16Aが弾性変形すること
により、壁本体2が傾動し、道路Rを構成するコンクリ
ート床版11への衝撃と衝突車両が受ける衝撃とを緩和す
ることができる。
【0021】図13は本発明の第3実施例を示し、上記
第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説
明を省略して詳述すると、図13に示すように、壁本体
2の道路R側に位置する傾斜面4Aを開口して、該壁本
体2の幅方向中央至る凹所6を壁本体2に形成してお
り、この例でも、基礎たるコンクリート床版11に固定部
材たるアンカーボルト12を立設し、このアンカーボルト
12の上部に固定ナット17を締付けて壁本体2をコンクリ
ート床版11上に固定してなるコンクリート製壁高欄及び
路側壁において、壁本体2の下部に、道路R側の側面が
開口すると共に壁本体2内の幅方向中央に達する凹所6
を形成し、この凹所6の底面6Aと壁本体2の下面2A
とを連通する挿通孔7を形成し、この挿通孔7にアンカ
ーボルト12を挿通し、凹所6の底面6Aと固定ナット17
との間に弾性部材14を設けたものであるから、凹所6側
を道路R側にして壁本体2を布設し、固定ナット17を締
めて壁本体2をコンクリート床版11に固定することによ
り、道路Rの端部への据付が可能となり、請求項1及び
2に対応して、上記第1実施例と同様な作用,効果を有
し、また、この例では、凹所6が道路R側に開口してい
るから、道路R側から固定ナット17等の作業を簡便に行
うことができる。
【0022】尚、本発明は上記各実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変
形実施が可能である。例えば、壁本体の形状,寸法,大
きさ等は適宜選定可能である。また、アンカーボルトと
凹所の底面との間に設ける弾性部材は、弾性を有し収縮
性を有するものであれば、各種のものを用いることがで
き、弾性部材14と弾性部材たるばね座金16Aの両方を使
用すれば、一層、衝撃を緩和することができる。さら
に、充填材は無収縮モルタルに限らず硬化性の各種の充
填材を用いることができる。また、壁本体は床版に限ら
ず各種道路に設けることができる。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明は、基礎に固定部材を立
設し、この固定部材の上部に固定ナットを締付けて壁本
体を前記基礎上に固定してなるコンクリート製壁高欄及
び路側壁において、前記壁本体の下部に、側面が開口す
ると共に該壁本体内の幅方向中央に達する凹所を形成
し、この凹所の底面と壁本体の下面とを連通する挿通孔
を形成し、この挿通孔に前記固定部材を挿通し、前記凹
所の底面と前記固定ナットとの間に弾性部材を設けたも
のであり、道路の端部等の使用に適し、衝突時の路面へ
の影響及び車両の衝撃を緩和することができるコンクリ
ート製壁高欄及び路側壁を提供することができる。
【0024】請求項2の発明は、長さ方向に隣合う前記
壁本体の間に目地部を設け、複数の前記壁本体を長さ方
向のPC鋼材により緊張一体化してなるものであり、道
路の端部等の使用に適し、衝突時の路面への影響及び車
両の衝撃を緩和することができるコンクリート製壁高欄
及び路側壁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す幅方向の縦断面図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例を示す幅方向の要部の縦断
面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す凹部の平断面図であ
る。
【図4】本発明の第1実施例を示す壁高欄及び路側壁の
正面図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す重複部の一部切欠き
平面図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す図5のY−Y線断面
図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す定着用凹所の縦断面
図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す目地部の平面図であ
る。
【図9】本発明の第1実施例を示す目地部の縦断面図で
ある。
【図10】本発明の第1実施例を示す高さ調整ボルトの
使用状態における幅方向の縦断面図である。
【図11】本発明の第1実施例を示す高さ調整ボルトの
使用状態における正面図である。
【図12】本発明の第2実施例を示す幅方向の縦断面図
である。
【図13】本発明の第3実施例を示す幅方向の縦断面図
である。
【図14】従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 壁本体 2A 下面 3 平坦傾斜面 4 脚部 6 凹所 6A 底面 7 挿通孔 11 コンクリート床版(基礎) 12 アンカーボルト(固定部材) 14 弾性部材 16A ばね座金(弾性部材) 17 固定ナット 21 PC鋼材 30 目地部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤間 淳一 東京都千代田区麹町4−2 興和コンクリ ート株式会社内 (72)発明者 柳澤 正 東京都港区新橋5−33−11 日本ヒューム 管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎に固定部材を立設し、この固定部材
    の上部に固定ナットを締付けて壁本体を前記基礎上に固
    定してなるコンクリート製壁高欄及び路側壁において、
    前記壁本体の下部に、側面が開口すると共に該壁本体内
    の幅方向中央に達する凹所を形成し、この凹所の底面と
    壁本体の下面とを連通する挿通孔を形成し、この挿通孔
    に前記固定部材を挿通し、前記凹所の底面と前記固定ナ
    ットとの間に弾性部材を設けたことを特徴とするコンク
    リート製壁高欄及び路側壁。
  2. 【請求項2】 長さ方向に隣合う前記壁本体の間に目地
    部を設け、複数の前記壁本体を長さ方向のPC鋼材によ
    り緊張一体化してなることを特徴とする請求項1記載の
    コンクリート製壁高欄及び路側壁。
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