JPH09296392A - 透明紙の製造方法 - Google Patents

透明紙の製造方法

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JPH09296392A
JPH09296392A JP10677496A JP10677496A JPH09296392A JP H09296392 A JPH09296392 A JP H09296392A JP 10677496 A JP10677496 A JP 10677496A JP 10677496 A JP10677496 A JP 10677496A JP H09296392 A JPH09296392 A JP H09296392A
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JP
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cellulose
solvent
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pulp
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JP10677496A
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Masayuki Yamamoto
真之 山本
Naoko Kaneko
尚子 金子
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非常に高い透明度を有しかつ、水性、油性に関
わりなく液体の浸透性が著しく低い透明紙の製造方法を
提供する。 【解決手段】セルロースパルプを主成分とするシート状
紙基材に、溶媒にセルロースを溶解せしめたセルロース
溶液を含浸または塗布した後、該溶媒を除去することに
より該紙基材内にセルロースを充填する透明紙の製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非常に高い透明度を
有しかつ、水性、油性に関わりなく液体の浸透性が著し
く低い透明紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来透明乃至半透明紙は、紙を通して内
容物や、内部、内面を明確に視認できるように、食品包
装用、薬包用、窓付封筒などに用いられる他、粘着シー
トの剥離紙や、ジアゾ法、銀塩法、電子写真法などの公
知の複写方式を利用する第二原図用紙など幅広い分野で
利用されている。
【0003】本来、木材パルプは、極めて透明度の高い
ものであるが、紙にした場合は、パルプ繊維間に空隙が
残り、繊維と空隙に存在する空気との間の屈折率の差に
より、透明度が大幅に低下する。
【0004】このような空隙を減らし、紙の透明度を上
げる方法として従来多く使用されているものは、a)グ
ラシン紙などに代表されるパルプを高度に粘状叩解して
紙中の空気をできるだけ追い出して得られるナチュラル
トレーシングペーパータイプの半透明紙、b)油類可塑
剤、流動パラフィンあるいはポリスチロール樹脂、スチ
レン−無水マレイン酸共重合物等の高分子、高融点の化
合物等の透明化剤を含浸した透明紙などがある。
【0005】a)のナチュラルトレーシングペーパータ
イプの半透明紙は、叩解動力即ち消費電力原単位が非常
に高いこと、抄紙機上での脱水が不良であるため生産性
が著しく悪いこと、透明化に限界があること、また例え
ば剥離紙に用いる場合、半透明紙表面に塗工する剥離剤
の性能を十分に発揮せしめるために表面に液体の浸透性
が極力低くなるようなバリヤー性が必要であるが抄紙後
にバリヤー剤の塗布を行わないとそのような十分なバリ
ヤー性が得られない等の問題がある。
【0006】一方、b)の含浸タイプの透明紙は、セル
ロースからなるシート状紙基材に透明化剤として油類可
塑剤や合成高分子、高融点化合物等の化学物質を含浸す
るため、近年の消費者の自然志向、 安全志向から、食品
包装用や薬包用に使用する場合、安全性が問題となる場
合が有る。また、セルロース以外の化学物質を多量に含
浸せしめることから、 含浸タイプの透明紙は、その製造
時の損紙や使用済みの透明紙を破棄する際はセルロース
として再利用することは不可能であり、焼却等の廃棄処
分するしか方法がなく、近年のリサイクル、 省資源の傾
向に逆行するものである。さらに、第二原図として用い
る場合、長期保存中あるいは複写機内の熱により透明化
剤のマイグレーションが起こりやすく、画像のにじみが
生じたりする。また、加筆性に劣るといった問題も残
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はシート状紙基
材の透明化における上記の問題を解決するものであり、
原料パルプを高度に叩解する必要がなく、またバリヤー
剤を塗布することもなく、さらに油類可塑剤や合成高分
子、高融点化合物等の透明化剤を含有せずにセルロース
のみからなり、透明性に優れ且つ液体の浸透性が非常に
低く(言い換えると非常にバリヤー性の高い)、加筆性
にも問題のない全く新規な透明紙を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、セルロース可
溶の溶媒、例えば第3級アミンオキシドにセルロースを
溶解させた溶液をセルロースパルプを主成分とするシー
ト状紙基材に塗布または含浸処理を行った後に該溶媒を
除去すると該紙基材は良好な透明性とバリヤー性を持つ
ことを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、セルロースパルプを主成分とす
るシート状紙基材に、溶媒にセルロースを溶解すること
により得られたセルロース溶液を含浸または塗布した
後、該溶媒を除去することにより該紙基材内にセルロー
スを充填することを特徴とする透明紙の製造方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】セルロース可溶の溶媒の代表例と
して、第3級アミンオキシド類が挙げられる。第3級ア
ミンオキシドについては、第3級アミンオキシドを含有
する溶媒にセルロースを溶解する方法として、グレナツ
ハー(Graenacher)らの米国特許第2,17
9,181号明細書、ジョンソン(Johnson)の
米国特許第3,447,939号明細書において開示さ
れている。これらの開示によれば、前者ではトリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、モノ
メチルジエチルアミン、ジメチルモノエチルアミン、モ
ノメチルジプロピルアミン、N−ジメチル−、N−ジエ
チル−もしくはN−プロピルシクロヘキシルアミン、N
−ジメチルシクロヘキシルアミンおよびピリジン等の第
3級アミンのN−オキシドが、後者ではN−メチルモル
ホリン−N−オキシドのような環状アミンのN−オキシ
ドが溶媒として使用できる。
【0011】本発明は、上記の特許におけるセルロース
溶解の技術を踏まえ、セルロース可溶の溶媒、好ましく
は第3級アミンオキシド、さらに好ましくはN−メチル
モルホリン−N−オキシド(以下単にN−MMOと略
す)を含有した溶媒にセルロースを溶解することにより
得られる溶液でセルロース系シート状紙基材を塗布・含
浸処理した後に該溶媒を抽出浴にて抽出除去して該紙基
材内のパルプ繊維間の空隙にセルロースを析出させて充
填することにより、優れた透明性を有し、且つ、バリヤ
ー剤を塗布することなく良好なバリヤー性を有し加筆性
にも問題のない透明紙となるものである。
【0012】本発明に用いられるセルロース溶液は一例
として、N−MMOを80〜100重量%、水0〜20
重量%からなる溶媒に、セルロースを5〜15重量%溶
解することにより得られる。溶液中のセルロースが5重
量%未満では処理後のシート状紙基材のバリヤー性が十
分に得られない。15重量%を超えるセルロース溶液は
粘度が非常に高くなり含浸処理が困難となるため好まし
くない。N−MMOが80重量%未満となるとセルロー
スの溶解が困難となるため好ましくない。セルロース溶
液の原料となるセルロースは、任意のセルロース、例え
ば綿リンター又は種々の木材パルプの他、脱墨済の古紙
等の再生パルプや本発明で得られた透明紙など幅広く用
いることができる。
【0013】セルロースパルプを主成分とする紙基材に
該溶液を処理する方法としてはサイズプレス、ロールコ
ーター、バーコーター等で塗布する方法、または紙基材
を溶液中に含浸させる方法が挙げられるが、本発明はか
かる方法に限定されるものではなく、他の方法も採用し
うる。紙基材に該溶液を処理する際の温度は、一例とし
てN−MMOの場合、70〜150℃、好ましくは80
〜140℃である。70℃未満ではN−MMOが凝固す
る場合があり、紙基材への処理が困難となる。また、1
50℃を超える高温となるとN−MMO又はセルロース
あるいは両者の分解が起こる場合があるため望ましくな
い。
【0014】塗布・含浸処理した基材は、次いで溶媒を
除去処理される。例えば抽出浴にて、該溶媒を抽出す
る、シャワーなどによる洗い流す方法など適宜選択すれ
ばよい。抽出浴で使用する抽出溶媒、若しくは洗い流す
際に使用する洗浄液としては、溶媒やセルロースと化学
的に反応せず、溶媒と混和性が良く、且つセルロースを
溶解しない溶媒ならば何れでも良い。例えばN−MMO
を用いた場合、水、希酸、アルコール類等が使用でき
る。抽出浴等で抽出されたN−MMOは回収し精製する
ことにより再利用できる。除去処理した後の紙基材の乾
燥条件については特に限定はないが通常90〜150℃
の温風ドライヤーを用いる方法が採用される。
【0015】紙基材中の空隙に充填させるセルロース量
は、前記セルロース溶液の濃度と塗布又は含浸量を調整
することができるが、得ようとする透明紙の透明度やバ
リヤー性にあわせて適宜コントロールするものである。
例えば絶乾紙基材当たり15〜50重量%程度析出せし
めるとよい。因みに15重量%に満たないと透明性の低
いものやバリヤー性の劣ったものになる。50重量%を
越えるようなものは、セルロース溶液の濃度を高くする
必要があるが、高濃度のセルロース溶液は粘度が高いた
め作業性が悪くなる。セルロース溶液を複数回に分けて
充填することも可能であるが経済的でない。
【0016】本発明のためのセルロースパルプを主成分
とする紙基材の原料として使用されるパルプとしては、
NBSPやNBKP、LBKPのような木材パルプ、麻
パルプ、コウゾ、ミツマタ、ケナフ等の非木材繊維から
なるパルプ、あるいはこれらを適宜選択して混合したパ
ルプを挙げることができ、これらのパルプを公知の湿式
抄紙機にて抄紙して得られるシート状紙基材が使用でき
る。勿論、市販されている上質紙、中質紙といった紙基
材を用いることもできる。
【0017】なお、効果的に紙基材の透明性、バリヤー
性を向上させるためには、セルロース溶液を速やかに且
つ十分に含浸させる必要があり、本発明に使用する紙基
材は適度な空隙を有したポーラスな紙を用いることが好
ましい。ポーラスな紙を抄造するためには原料パルプを
未叩解で使用することが好ましいが、溶液を塗布または
含浸処理を行うときに紙切れが起きない程度の強度を必
要とするため、原料パルプの種類により異なるが、未叩
解の状態から100〜150mlcsf程度まで叩解さ
せたパルプを使用するとよい。また、紙料にはあらかじ
めより強度を付与するために、湿潤紙力増強剤のような
薬品を添加して抄紙しても良いが、セルロース溶液の浸
透性または含浸性を低下させるようなサイズ剤を用いる
のは好ましくない。紙基材の坪量は所望する用途に応じ
て異なるが、用途に応じ15〜100g/m2 の範囲で
適宜選択して用いられる。
【0018】さらに、透明紙は使用目的に応じて高平滑
が必要な場合、セルロース溶液処理後の紙基材をスーパ
ーカレンダーにより圧縮処理を施しても良い。また、本
発明により得られた紙基材は、それだけで表面に充分な
バリヤー性を有しているが、さらに優れたバリヤー性を
必要とする場合は、該溶液処理後の紙基材表面にポリビ
ニルアルコールやデンプン、カルボキシメチルセルロー
ス等の目的に応じたバリヤー剤を必要量塗布しても良
い。
【0019】本発明は、セルロース可溶の溶媒にセルロ
ースを溶解した溶液でセルロース系シート状紙基材を処
理し、抽出浴で該溶媒を抽出除去することにより、溶解
したセルロースをシート状紙基材内の空隙中に析出充填
することにより透明紙を提供するものであり、得られた
透明紙は優れた透明性とバリヤー性と加筆性を有する。
また、抽出除去された溶媒は回収精製することにより循
環再使用できる。
【0020】得られた透明紙は、食品包装用、薬包用、
窓付封筒用として、粘着シートの剥離紙の支持体とし
て、ジアゾ法、銀塩法、電子写真法などの公知の複写方
式を利用する第二原図用紙に使用することができる他、
インクジェット記録用紙、感熱記録紙、熱転写受容紙な
どの支持体としても使用することができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定
されるものではない。各実施例中の「%」、「部」は特
に断らない限り重量%、重量部を示す。
【0022】実施例1 未叩解(フリーネス630mlcsf)のLBKP(自
製品)をフリーネス500mlcsfまで叩解したパル
プスラリー(2.5%濃度)に絶乾パルプ重量あたりポ
リエピクロルヒドリン樹脂(WS570,日本PMC社
製)を0.5%添加し、実験用手抄機を用いて充分攪拌
して坪量65g/m2 のシート状紙基材を作成した。
【0023】一方、16%の水分を含有しているN−M
MO(日本乳化剤社製)を100部に、6%の水分を含
有する乾燥綿リンターパルプ6部をセルロースとして加
え、100℃に保ち攪拌して、セルロースを完全に溶解
した。得られたセルロース溶液は5.3%のセルロース
を含有していた。
【0024】この溶液を100℃に保ち、前記シート状
紙基材に実験用含浸機を用いて含浸処理を施し、過剰の
液を除去した。次に水浴に漬けてN−MMOが除去され
るまで水洗いした。そして、105℃に調製された熱風
循環式のドライヤーにおいて前記含浸抽出処理済みのシ
ート状紙基材を乾燥しサンプルを得た。こうして得られ
たシート状紙基材中に析出したセルロース量は絶乾紙基
材当たり16.2%であった。
【0025】実施例2 実施例1と同様の操作で、実施例1と同様のN−MMO
と綿リンターパルプを用い、セルロース濃度が14.3
%の溶液を調整した。この溶液を用いた以外は実施例1
と同様にして含浸抽出処理済みのシート状紙基材を乾燥
しサンプルを得た。こうして得られたシート状紙基材中
に析出したセルロース量は絶乾紙基材当たり48.2%
であった。
【0026】実施例3 セルロース溶液に用いるパルプを綿リンターパルプを使
用する代わりに実施例1で作成した透明紙のサンプルを
用いた他は実施例1と同様にしてサンプルを得た。セル
ロース溶液の濃度は6.2%、得られたシート状紙基材
中に析出したセルロース量は絶乾紙基材当たり19.1
%であった。
【0027】比較例1 LBKP(自製品)20%、NBKP(自製品)80%
からなる混合パルプをフリーネス230mlCSFまで
叩解して得たパルプスラリー(2.5%濃度)に絶乾パ
ルプ重量あたり30%濃度強化ロジンサイズ剤液(商品
名:SPE,荒川化学工業社製)0.3%と30%濃度
硫酸アルミニウム2%を添加し、実験用手抄機を用いて
坪量65g/m2 の紙基材を作成し、乾燥後、実験用サ
イズプレス装置により5%ポリビニルアルコール系樹脂
(商品名:GH20,日本合成化学工業社製)水溶液を
固形分で1.2g/m2 になるように塗布した後、再度
乾燥した。次いで、該紙基材を実験用スーパーカレンダ
ーで処理してナチュラルタイプの透明紙を得た。
【0028】比較例2 LBKP(自製品)90%、NBKP(自製品)10%
からなる混合パルプをフリーネス350mlCSFまで
叩解し、実験用手抄機を用いて坪量65g/m 2 の紙基
材を作成し、乾燥後、実験用含浸機にて透明化剤として
熱可塑性アクリル樹脂(商品名:ダイヤナールLR−4
69,三菱レーヨン社製)の30%トルエン酢酸エチル
溶液を固形分で15g/m2 になるように含浸した後、
再度乾燥し、含浸タイプの透明紙を得た。
【0029】
【評価結果】上記の実施例および比較例で得られたサン
プルから所定の供紙片を作製し、その透明性および表面
バリヤー性(耐溶剤性,耐水性)、加筆性を下記の方法
により評価した。その結果を表1に示す。
【0030】(1)透明性 JIS P 8138の紙の不透明度を測定した。
【0031】(2)表面バリヤー性(耐溶剤性) 供紙片上に油溶染料「Oleosol Red B」
(住友化学工業製)で着色したトルエンを塗布し、2秒
後ガーゼで拭き取り、その面の斑点状に生じるピンホー
ルの目止め効果からの耐溶剤性を表面バリヤー性とし
た。 [評価基準] ◎:全く見られなかった。 ○:ピンホールが見られた。 △:ピンホールがかなり見らた。 ×:全面にピンホールが見られた(全く表面バリヤー性
なし) 本評価で○以上の評価のものは例えば剥離用の原紙とし
て用いた場合、剥離剤を塗布しする際に剥離剤がグラシ
ン紙の内部へ浸透することを抑制し、剥離性能効果的に
発揮せしめるのに充分なバリヤー性を有している
【0032】(3)表面バリヤー性(耐水性) 供紙片上に水性インキ「パイロット レッド インキ」
(パイロット社製)を塗布し、2秒後ガーゼで拭き取
り、斑点状に生じるピンホールの目止め効果からの耐水
性を表面バリヤー性とした。 [評価基準] ◎:全く見られなかった。 ○:ピンホールが見られた。 △:ピンホールがかなり見らた。 ×:全面にピンホールが見られた(全く表面バリヤー性
なし)
【0033】(4)加筆性 鉛筆、ボールペン、万根筆、水性ペン、油性ペンを用い
て書き易さやインキのにじみやはじきを以下の基準で評
価した。 ○:全く問題ない。 △:やや書きにくい ×:非常に書きにくい
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、セルロース溶液
で含浸抽出処理をしたシート状紙基材は何れも高い透明
性と表面バリヤー性、加筆性を有している。一方、比較
例1から明らかなようにナチュラルタイプの透明紙であ
るグラシン紙は加筆性と溶剤バリヤー性には問題はない
が水バリヤー性にやや問題がありさらに透明度が他に比
べて劣る。また、比較例2から明らかなように含浸タイ
プの透明紙は透明度は良好であるが溶剤バリヤー性に劣
り、また加筆性は非常に劣る。
【0036】また、比較例1のようなナチュラルタイプ
の透明紙はその原料パルプに制約がある上、高度に原料
パルプを叩解する必要があることから叩解動力原単位が
非常に高いという問題を抱えているが本発明品に用いる
紙基材の原料は実施例から明らかなように低叩解のパル
プを用いていることからコスト的にも優れている。実施
例3から明らかなように本発明品は、本発明品の原料と
して再利用でき、さらにN−MMOも回収再利用がで
き、環境面においても優れたものである。
【0037】
【発明の効果】本発明で得られた透明紙は優れた透明性
と表面バリヤー性を有し、且つ加筆性に優れたものであ
る。また、低叩解のパルプを用いることが可能であるの
でコスト的にも優れ、用いた溶媒も回収再利用できるの
るので環境面においても優れ、更に使用済みまた損紙と
なった該透明紙は原料として採用が可能といった実用上
において極めて優れた透明紙の製造方法である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースパルプを主成分とするシート状
    紙基材に、溶媒にセルロースを溶解せしめたセルロース
    溶液を含浸または塗布した後、該溶媒を除去することに
    より該紙基材内にセルロースを充填することを特徴とす
    る透明紙の製造方法。
  2. 【請求項2】溶媒が、第3級アミンオキシドを含有した
    溶媒である請求項1記載の透明紙の製造方法。
  3. 【請求項3】溶媒が、N−メチルモルホリン−N−オキ
    シドを含有した溶媒である請求項2記載の透明紙の製造
    方法。
  4. 【請求項4】セルロース溶液の濃度が5〜15重量%で
    ある請求項2〜4記載の透明紙の製造方法。
JP10677496A 1996-04-26 1996-04-26 透明紙の製造方法 Pending JPH09296392A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004525414A (ja) * 2001-03-15 2004-08-19 ユ セ ベ ソシエテ アノニム ラベル
JP2008075198A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Daio Paper Corp 紙製ワイパー
JP2016138339A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 国立大学法人高知大学 湿潤強度を有する紙の製造方法

Cited By (3)

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JP2004525414A (ja) * 2001-03-15 2004-08-19 ユ セ ベ ソシエテ アノニム ラベル
JP2008075198A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Daio Paper Corp 紙製ワイパー
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