JPH07150474A - セルロ−スシ−トの製造方法 - Google Patents

セルロ−スシ−トの製造方法

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JPH07150474A
JPH07150474A JP5295111A JP29511193A JPH07150474A JP H07150474 A JPH07150474 A JP H07150474A JP 5295111 A JP5295111 A JP 5295111A JP 29511193 A JP29511193 A JP 29511193A JP H07150474 A JPH07150474 A JP H07150474A
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cellulose
sheet
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cellulosic
pinholes
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JP5295111A
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Kazunari Nishiyama
和成 西山
Shiho Kitahara
志保 北原
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定の粒子範囲のセルロースの分散液(最大
粒子径が実質的に20μm以下であり、かつ3μm以下
の粒子の積算体積割合が25%以上)をセルロース系布
織布の表面に塗布した後、硫酸処理してセルロ−スシ−
トを製造する方法。 【効果】 不織布を原料としているにもかかわらず、ピ
ンホールがなく、機械強度が向上したセルロースシート
が得られ、透析、ろ材、食品包装用などの用途に有用な
ものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセルロースシートの製造
方法に関する。さらに詳しくは、セルロース系不織布を
原料としてピンホールの極めて少ないセルロ−スシ−ト
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不織布を原料にして製造されるシートの
典型な例として、謂ゆるパ−チメント紙がある。これは
木材パルプを主原料とし、サイズ加工を施さずに抄造し
た紙を硫酸処理して製造されているものである。パーチ
メント紙は、一般の紙に比べて耐水性、耐油性にすぐ
れ、無味無臭の性質をもつ等の特徴をもつため、バタ
−、マ−ガリン、ケ−キ、パン等の油性食品の包装、水
産物、缶詰内容物等の水性食品の包装、紙容器、造花用
等多方面にわたり広く用いられている。また、耐薬品性
を活かして溶剤中の異物やごみなどを除去するろ材や透
析紙としても使用されている。
【0003】しかしながら、上記のようなサイズ加工を
施さない製造法からも容易に推察できるように、紙など
広い意味での通常のセルロース系不織布をそのまま原料
として用いるとピンホールが無数に存在したシートしか
得られない。従来、パーチメント紙のピンホールの改善
は、通常、原料である不織布の密度斑を減少する工夫や
目付を大きくして貫通孔を減少させることによって行わ
れているが、薄手のものが作り難いという問題があり、
また、製造条件の管理が難しく操作が煩雑になるなどの
問題がある為に完全に貫通孔をなくすことはできなかっ
た。
【0004】従来のパーチメント紙は、透析紙として使
用するには、ピンホールが存在すると分離能が大幅に低
下するため、分野がごく限られたものであった。一方、
セルロースを溶媒に溶解した後に、流延凝固させてシー
トやフィルムを製造する方法が行われている。これらの
方法によるものとしてセロファンやキュプロファンなど
があるが、これらは貫通孔は無いが、耐水性が悪く、湿
潤時の寸法変化や強度低下が大きいなどという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、貫通
孔が無く、耐水性が高く、透析用に用いても信頼性の高
い性能を具備した、セルロースシートの製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、サイズ加
工材の特性とパーチメント紙の特性、特にサイズ加工材
としてのセルロース粉末の粒子径との関係について鋭意
検討を行った結果、セルロース粉末の粒子径分布、特に
その微細な成分の存在比率がピンホールの減少および機
械強度に極めて大きく影響することを見いだし本発明に
到った。
【0007】すなわち、本発明の課題は、最大粒子径が
実質的に20μm以下であり、かつ3μm以下の粒子の
積算体積割合が25%以上である微粒化セルロ−スを分
散液にしてセルロース系布織布の表面に塗布した後、硫
酸処理することを特徴とするセルロースシートの製造方
法、により達成される。本発明に用いられる微粒化セル
ロース素材の原料になるセルロースとしては、木材パル
プ、精製リンター、綿繊維、麻繊維等の脱リグニン後の
天然セルロース、またはビスコース溶液や銅アンモニア
溶液から凝固再生された再生セルロース、さらには、ア
ルカリセルロースを水洗して得られるセルロースなどが
挙げられる。
【0008】本発明に用いられる微粒化セルロース素材
とは、特別に調製した粒子分布をもったセルロース微粒
子をいい、この微粒化セルロース素材を得る方法として
は、例えば、前処理工程としてセルロースに解重合処理
を施し、引続き、媒体を容器に内蔵し、かつ上記媒体を
強制撹はんさせるための回転翼を設けた容器内で湿式粉
砕することなどによって懸濁液として得られるものをい
う。
【0009】通常、従来の、市販されているセルロ−ス
粉末の平均粒子径は、小さいものでも数十μm程度であ
り、しかも微細な粒子の積算体積割合は小さい。このよ
うな粒子径分布のセルロ−ス粉末をサイズ加工材として
用いる製造方法では本発明の課題を充分に達成すること
はできない。セルロース素材の微粒化は特開昭55ー2
7126号公報の方法などがあるが、近年、特開平3ー
111426号公報、特開平3ー163135号公報に
開示されている方法などにより、セルロース素材を極め
て微粒化することが可能となり、本発明のような、セル
ロースシートの製造に利用するのに好適な微粒化セルロ
ース素材を得ることが容易にできるようになった。つま
り、特開平3ー163135号公報記載の方法で得られ
た懸濁液から20μm以上の粒子分を除去したものや、
あるいは、予め、最大粒子径が3μm以下になるように
調製した懸濁液を、別のより工業的に製造し易い最大粒
子径が20μm以下であるが、3μm以下の粒子の積算
体積割合が小さい懸濁液に混合したものを用いることも
できる。
【0010】本発明に用いられる微粒化セルロース素材
は、最大粒子径が実質的に20μm以下であり、かつ3
μm以下の粒子の積算体積割合が25%以上含まれてい
ることが必要である。最大粒子径が実質的に20μm以
下とは、20μm以上の固形物を分離するろ材等を通過
するものを言い、水中に懸濁させてステンレス繊維不織
布などで造られた市販のろ材を用いてろ過することによ
って得られる。
【0011】最大粒子径は小さくすればする程ピンホ−
ルが減少することは自ずと理解されるが、最大粒子径を
小さくしても、3μm以下の粒子が占める割合が小さい
と大幅にピンホ−ルを減少させることはできない。当然
のこととして、最大粒子径を3μm以下(つまり3μm
以下の積算体積割合が100%)のものを用いればピン
ホ−ルが減少することは明らかであるが、かかる分布の
微粒子を製造することは多大のエネルギ−と工程を必要
とするのみならず、収率も大幅に低下することが避けら
れず、現在では工業的に大量生産するには実質的に採用
できないものである。
【0012】本発明で粒子の積算体積割合とは、後述す
る粒度測定方法によって測定される粒度分布の尺度をい
い、本発明に使用される微粒化セルロース素材のように
粒子径の分布が広いものの性質を表わす尺度として好適
なものである。粒子径分布の測定は、微粒化セルロース
素材濃度が0.1重量%となるように蒸留水で希釈し、
島津製作所製レ−ザ−回折式粒度分布測定装置(商品名
SALD−1100型)を用いて、装置に内蔵する超
音波発信機で粒子の2次凝集を壊した状態でおこなって
得られる値である。
【0013】なお、上記粒度分布測定装置での測定条件
は、測定レンジを0.1〜45μmに設定し、これによ
り、ミー(Mie)散乱理論式(測定装置中に組み込ま
れている)から導き出された散乱光強度と粒子径の関係
を用いて計算されることとなる。また、粒度分布を求め
る計算方法は、屈折率は1.7〜0.21の標準屈折率
を選択することとし、最小二乗法理論を使った直接計算
法を使うこととする。1つの試料に対する測定回数は7
回に指定し、測定間隔は2秒とする。0.1重量%に蒸
留水で均一に希釈された試料は、フローセルを利用して
測定されるが、内蔵された超音波発信器は常時オンと
し、少なくとも1分以上は超音波をあてて凝集を防止し
た後に測定を行う。
【0014】最大粒子径が20μmより大きくなるとピ
ンホールに充分に充填されず紙の表面にざらつきを与え
る一因になる。さらに、20μmの粒子がピンホ−ルに
充填された場合、粒子間の空隙は3μm程度のものがあ
ることは充分予想され、その空隙を埋めるために必要な
微粒子の大きさと量とが本発明にいう、3μm以下の積
算体積割合であり、この微粒子が空隙を埋めてピンホ−
ルがなくなるのみならず、機械的強度の大幅な向上に寄
与しているものと考えられる。この割合が25%を下回
るとこの作用が充分に果たされず、空隙が多く残り、ピ
ンホ−ルの減少や、機械的強度の向上が得られにくくな
る。つまり、最大粒子径が20μmより大きくても、ま
た3μm以下の積算体積割合が25%未満でも完全なピ
ンホールの減少にはつながらず充分な効果が得られな
い。
【0015】本発明に用いる微粒化セルロ−ス素材を分
散液にしたときのセルロ−ス分は、5〜20%が好まし
い。さらに10〜15%の濃度の場合は一層好ましい。
これはセルロ−ス分が5%よりも少ない場合にはピンホ
−ルに充填されるべきセルロ−ス分が足りずにピンホ−
ルが完全に減少しにくく、逆にセルロ−ス分が20%よ
りも多い場合には粘度が高くなりすぎる等のために、塗
布する際に均一に塗布することが難しいため充分な効果
が得られにくい。
【0016】本発明に用いられる微粒化セルロース素材
は、乾燥中に凝集し易いことから、湿潤状態で保存、取
扱いをする方が良い。従って、微粒化セルロ−ス素材を
セルロース系不織布に塗布した後は乾燥をさせずに硫酸
処理を行う方が好適である。しかし、この場合は硫酸処
理の条件を、保持水分率の程度に合わせて調製すること
が肝要である。
【0017】本発明に用いられるセルロース系不織布と
は、天然セルロース短繊維不織布(紙、コットンエース
(ユニチカ(株)製)など)、再生セルロース短繊維不
織布(コルドン(旭化成工業(株)製)など)再生セル
ロース長繊維不織布(ベンリーゼ(旭化成工業(株)
製)など)等を含んだものをいう。また、補強材などに
合成繊維などが混抄されていてもよい。
【0018】微粒化セルロース素材をセルロース系不織
布に塗布する際には、微粒化セルロース素材をできるだ
け薄く均一に塗布することが望ましく、均一の厚さにす
る事でピンホールの中に微粒化セルロース素材を充填す
ることができる。微粒化セルロース素材をピンホールあ
るいは繊維間に均一の厚さで充填する為にロールコータ
ー等を用いて充填することも望ましい。例えば、0.1
mmのアプリケーターにて微粒化セルロース素材の分散
液を均一に塗布した後、ロールコーターにてピンホール
の中に充分に微粒化セルロース素材を充填しかつ表面を
平滑にすると一層良好なものが得られる。
【0019】塗布後硫酸処理を行なうが、硫酸処理条件
は従来のパーチメント紙を製造するときの硫酸処理製造
の条件を基本に原料の含水率、繊度、密度などに合わせ
て処理条件を調製することが肝要であり、用いられるセ
ルロース系不織布の性質、要求物性により適宜選択する
ことが望ましい。例えば、紙の場合では、硫酸濃度64
〜75%の水溶液に、0〜30℃で1〜10秒程度浸漬
すればよい。又硫酸処理後の脱酸、中和処理、精錬も通
常の方法を用いればよい。
【0020】セルロースシートに柔軟性を付与する必要
がある場合には乾燥機の前に1個以上の槽を備え、セル
ロ−スシ−トをその中に通して柔軟剤を含浸した後、乾
燥させてもよい。柔軟剤としては、グリセリン、パラフ
ィン、グルコースなどが挙げられる。本発明のセルロー
スシートの製造方法は、特定の粒子分布を持った微粒化
セルロース素材をセルロース系不織布に塗布し、ピンホ
ールの中に微粒化セルロース素材を充填した後、硫酸処
理を行なう方法により、表面が平滑でピンホールがな
く、かつ機械的強度の大きいセルロ−スシ−トの製造が
可能となる。
【0021】これは硫酸処理において、セルロース系不
織布のパーチメント化と同時にピンホールの中に充填さ
れた微粒化セルロース素材も硫酸に膨潤あるいは部分的
に溶解する為、凝集する過程でセルロース系不織布と充
填した微粒化セルロース素材とが一体化して膜形成をし
ており、繊維間の凝集力が強くし、機械的強度の向上に
寄与していると考えられる。
【0022】セルロースシート、紙などのピンホール
は、光学顕微鏡にて容易に観察ができ、一定の決められ
た範囲内のピンホールの数を数えることで容易に確認
し、比較することができる。本発明のセルロースシート
の製造方法は、全くピンホールを確認することができな
いセルロースシートを得ることができ、透析用のろ材と
して、従来のパーチメント紙では達成できなかった信頼
性の高い画期的なものであり、これは、従来、工業的に
得ることが出来なかった全く新規なセルロースシートで
ある。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を制限するものではな
い。なお、ピンホール数の測定は、光学顕微鏡(日本光
学(株)製 商品名 PROFILE PROJECT
OR 6C−2)を用いて、100倍の倍率で測定し
た。試料は5cm×5cmのものを任意に10か所採
り、その観測数を1m×1mに換算した。
【0024】引張強度の測定は、引張強度試験機(オリ
エンテック(株)製 商品名 テンシロンUCT−10
T)を用いて、25℃,60%RHの条件下で、把握長
50mm、引張速度10cm/minで測定した。試料
は、15mm幅×100mmの短冊状のものを用いた。
また、湿潤状態の測定は、25℃の水に10分間浸漬し
た後測定した。
【0025】濾過性能の評価は、透析試験機(旭化成工
業(株)製 商品名 ダイヤライザー実験機)を用い
て、透析液20000ccを透析液32cc/sec、
純水100cc/secにて透析した前後のヘミセルロ
ースの量(母液に含まれる量をA、透析液側に洩れ出し
た量Bとおく)を測定し、除去された重量%((A−
B)/A×100)を指標とした。ここでいう透析液と
は、NaOH18%の溶液にアラスカパルプ35%を溶
解した後、セルロース重量の2.7倍に圧搾した時に得
られる圧搾液を用いた。
【0026】
【実施例1】微粒化セルロース素材として、最大粒子径
10μm、3μm以下の積算体積割合70%のものをセ
ルロース濃度12%の分散液に調製して用い、セルロー
ス系不織布として、書道用和紙(2.5g/枚,目付が
約28g/m2)を用い、和紙の表面にロールコーター
((株)テスター産業製 商品名 ドライラミネーショ
ンテスターSAー602)を用いて、0.1mmの設定
厚みで塗布した。
【0027】引き続き、硫酸濃度65%の水溶液に、5
℃で10秒浸漬した。硫酸処理後は直ちに流水にて水洗
し、可性ソーダ水溶液にて中和処理を行った。さらに流
水にて充分水洗を行い室温(25℃,60%RH)で乾
燥してセルロ−スシ−トを得た。得られたセルロ−スシ
−トは、非常に滑らかな表面であり、ピンホ−ル数、引
張強度の測定値はそれぞれ表1、表2に示したように良
好なものであった。
【0028】濾過性能は、表1に示したように大変良好
であった。
【0029】
【実施例2】微粒化セルロース素材として、最大粒子径
17μm、3μm以下の積算体積割合30%のものをセ
ルロース濃度10%の分散液に調製して用い、セルロー
ス系不織布として、書道用和紙(2.75g/枚,目付
が約30g/m2)を用いたほかは実施例1と同様にし
てセルロ−スシ−トを得た。
【0030】ピンホ−ル数、引張強度、濾過性能の測定
値はそれぞれ表1、表2に示したように良好なものであ
った。なお、表1で比較例として記載している市販品の
パーチメント紙は旭化成工業(株)製(目付58.2g
/m2)のものである。
【0031】
【実施例3】微粒化セルロース素材として、最大粒子径
20μm、3μm以下の積算体積割合27%のものをセ
ルロース濃度5%の分散液に調製して用い、セルロース
系不織布として、目付が30g/m2の旭化成工業
(株)製 商品名 ベンリーゼを用いたほかは実施例1
と同様にしてセルロ−スシ−トを得た。
【0032】得られたセルロースシートは、非常に滑ら
かな表面であり、そのピンホ−ル数、引張強度、濾過性
能の測定値はそれぞれ表1、表2に示したように良好な
ものであった。
【0033】
【比較例1】微粒化セルロース素材として、ダイセル化
学工業(株)製 商品名 セリッシュFD−100Lを
セルロース濃度20%の分散液に調製して用いた。この
分散液は最大粒子径50μm、3μm以下の積算体積割
合10%であった。セルロース系不織布として、書道用
和紙(2.5g/枚,目付が約28g/m2)を用いた
ほかは実施例1と同様にしてセルロースシートを得た。
【0034】得られたセルロ−スシ−トは、ピンホ−ル
数、引張強度、濾過性能とも測定値はそれぞれ表1、表
2に示したようであり、ピンホールが完全にはなくなら
ず、またその引張強度の向上の程度も低く、濾過性能も
ほとんど改善が見られなかった。
【0035】
【比較例2】微粒化セルロース素材として、最大粒子径
20μm、3μm以下の積算体積割合9%のものをセル
ロース濃度10%の分散液に調製して用い、セルロース
系不織布として、書道用和紙(2.75g/枚,目付が
約30g/m2)を用いた他は実施例1と同様にしてセ
ルロ−スシ−トを得た。
【0036】得られたセルロ−スシ−トは実施例1で得
られたセルロ−スシ−トに比べ平滑性が無く、表1に示
しているとおり、まだピンホールが確認され、完全には
なくならず、濾過性能もほとんど改善が得られなかっ
た。またその引張強度も表2に示しているように強度向
上の程度も低いものであった。
【0037】
【比較例3】微粒化セルロース素材として、最大粒子径
18μm、3μm以下の積算体積割合23%のものをセ
ルロース濃度10%の分散液に調製して用いた他は実施
例3と同様にしてセルロ−スシ−トを得た。得られたセ
ルロ−スシ−トは、ピンホール数、引張強度、濾過性能
の測定値を表1、表2に示しているようにピンホールが
完全になくならず、またその引張強度の向上、濾過性能
の改善の程度共に低いものであった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明のセルロ−スシ−ト製造方法によ
って得られるセルロ−スシ−トは、セルロース系不織布
を原料にして造ったにも拘らず、従来のものに比べてピ
ンホールがない全く新規なものである。また、物性が著
しく向上し、セルロースの優れた耐薬品性や耐熱性を併
せもっており、ろ材として非常に有用である。
【0041】特に、透析用に用いると、その分離能もし
くは除去率が格段に向上し、信頼性が向上する。透析の
用途としては、セルロース製造、精製工程の用役中のヘ
ミセルロース除去等のダイヤライザーに用いられると有
用である。また、蛋白の除去や透析にも用いることがで
きる。さらにまた、接着剤や添加剤を含め他素材を用い
ることなくセルロ−ス100%のシートが得られるの
で、食品包装用等では衛生面からも有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最大粒子径が実質的に20μm以下であ
    り、かつ3μm以下の粒子の積算体積割合が25%以上
    である微粒化セルロ−ス素材を分散液にしてセルロース
    系不織布の表面に塗布した後、硫酸処理することを特徴
    とするセルロ−スシ−トの製造方法。
JP5295111A 1993-11-25 1993-11-25 セルロ−スシ−トの製造方法 Withdrawn JPH07150474A (ja)

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