JPH09293197A - 配車用情報伝送システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 配車を円滑かつ迅速に行なえ、多額の投資を
要することなく構築でき、また、その更新も容易に行な
える配車用情報伝送システムを提供する。 【解決手段】 配車用車両の現在位置を求め、指令側に
おいて配車用車両の目的地を入力すると共に、配車用車
両の現在位置から目的位置までの経路情報を、記憶した
地図情報に基づいて画像データとして求める。その指令
側から配車用車両に少なくとも上記求めた経路情報を含
む配車用情報を無線により送信し、その送信された配車
用情報を配車用車両において画像として表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば宅配便など
の物資配送業者、コンビニエンスストアなどへの商品配
送等を行なう流通業者の輸送部門、魚介類の買い付け等
を行なう流通業者の買い付け輸送部門、タクシー等によ
る人員輸送業者等において、目的地や経路といった配車
のための情報を車両のドライバーに伝送するための配車
用情報伝送システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、物資や人等の輸送のために配車さ
れる車両のドライバーへの情報は、無線通信を介して音
声により伝達されていた。例えば、タクシー等の配車を
行なうコントロールセンターに客からの依頼が入ると、
「○○町××へ向かえ」という指示を無線通信を介して
音声により伝達していた。また、車両にファクシミリ通
信用端末を備え、書面により目的地を伝達することも行
なわれている。

【０００３】また、近年、そのような自車の位置や目的
地を、ＣＤ‐ＲＯＭ等に記憶された地図情報から確認す
ることが可能になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】音声や書面により目的
地を伝達する場合、車両のドライバーは目的地と自車の
位置とに基づき、目的地までの経路を判断しなければな
らない。そのため、目的地が確実に伝わらなかったり、
目的地と自車の位置との関係が確実に把握できない場
合、ドライバーが道に迷う等して配車に手間取るという
不都合がある。

【０００５】配車される全ての車両に地図情報を記憶し
たＣＤ‐ＲＯＭ等の検索装置を設ける場合、多額の投資
が必要になる。また、そのような地図情報の検索装置を
搭載しても、時々刻々変化する道路渋滞状況や工事の状
況は確認できない。さらに、地図情報を更新する場合
は、全ての車両におけるカーナビゲーションシステムの
ＣＤ‐ＲＯＭの記憶を更新する必要があり、手間と時間
を要する。

【０００６】本発明は、上記問題を解決することのでき
る配車用情報伝送システムを提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の配車用情報伝送
システムは、配車用車両に配車用情報を指令側から伝送
するシステムであって、その配車用車両の現在位置を求
める手段と、その指令側において配車用車両の目的地を
入力する手段と、その指令側において地図情報を記憶す
る手段と、その指令側において配車用車両の現在位置か
ら目的位置までの経路情報を、記憶した地図情報に基づ
いて画像データとして求める手段と、その指令側から配
車用車両に少なくとも上記求めた経路情報を含む配車用
情報を送信する無線通信手段と、その配車用車両におい
て前記送信された配車用情報を画像として表示する手段
とを備えることを特徴とする。

【０００８】本発明の構成によれば、経路情報を含む配
車用情報をドライバーは自身で判断することなく伝送さ
れると同時に画像により確認でき、道に迷うことなく目
的地に確実に到達できる。また、その経路情報を地図情
報に基づき求める手段を個々の配車用車両に設ける必要
はなく、指令側のみにあればよいため、システムを構築
するのに多額の投資を必要とせず、また、その地図情報
の更新を手間や時間を要することなく行なえる。

【０００９】本発明の配車用情報伝送システムにおい
て、その指令側において配車用車両の現在位置から目的
位置までの経路に影響を及ぼす付加情報を入力する手段
を備え、前記経路情報を、その付加情報と前記地図情報
とに基づいて画像データとして求めることが可能である
のが好ましい。これにより、その付加情報として時々刻
々変化する道路渋滞状況等に基づき経路情報を求めるこ
とができ、より迅速、確実に配車用車両は目的地に到達
でき、特に物資配送用に用いる場合は配送が円滑になる
ことで高効率につながる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。

【００１１】図１は、配車用車両の内部を示し、その車
両のステアリングホイールＨの前のダッシュボード１上
に、表示装置２と、ＧＰＳ（Global Positioning Syste
m ）センサ３と、その表示装置２とＧＰＳセンサ３とに
接続される無線通信装置付制御装置４とが設けられる。
図２は、配車用情報を発信する指令室の内部を示し、オ
ペレータ５により操作される無線通信装置付制御装置６
が配置されている。

【００１２】図３に示すように、そのＧＰＳセンサ３
は、ＧＰＳを構成する人工衛星からの信号を受信する受
信部１１と、上記制御装置４から送られる起動信号によ
り受信部１１を起動するセンサコントローラ１２と、そ
の受信部１１と制御装置４とのインターフェイスとして
機能するセンサデータ処理部１３とを有する。

【００１３】その車両側の表示装置２は、表示部２１
と、この表示部２１を制御装置６から送られる画像信号
により駆動する表示制御部２２とを有するヘッドアップ
ディスプレイにより構成されている。その表示部２１
は、バックライト付液晶表示器等の画像表示光出射器
と、その画像表示光を反射してドライバーの瞳に導くと
共に前方からの光を透過するコンバイナとを有し、ドラ
イバーは前方に結像される配車用情報に対応する虚像と
前方景色の両方を視認できる。そのコンバイナは、例え
ば、図１に示すように車両のフロントガラスＦに特殊コ
ーティングを行うことで構成できる。

【００１４】その車両側の制御装置４は、ＣＰＵ３１
と、このＣＰＵ３１を駆動するためのプログラムを記憶
するメモリ３２と、画像コントローラ３３と、画像メモ
リ３４と、通信インターフェイス３５とを有する。その
画像コントローラ３３に上記表示制御部２２が接続され
る。その通信インターフェイス３５に無線通信用端末３
６が接続される。

【００１５】図４に示すように、その指令側制御装置６
は、ＣＰＵ４１と、このＣＰＵ４１を駆動するためのプ
ログラムを記憶するメモリ４２と、画像コントローラ４
３と、画像メモリ４４と、通信インターフェイス４５
と、地図情報のデータベース用メモリ４６と、入出力イ
ンターフェイス４７と、情報入力用インターフェイス４
８とを有する。

【００１６】そのデータベースを構成する地図情報は、
例えば経度と緯度とに対応した道路配置、交差点や道路
の分岐点等の進路選択位置の配置、建造物配置、進路選
択位置間の距離、一方通行等の交通規制情報等により構
成される。その画像メモリ４４には、経路情報を提示す
る際に汎用される画像データ、例えば地図画像、「交差
点」、「直進」、「左折」、「右折」等の文字画像等に
より構成されるものが、予め入力されて画像コントロー
ラ４３により書き込まれる。

【００１７】その指令側制御装置６における通信インタ
ーフェイス４５に無線通信用端末５１が接続され、その
画像コントローラ４３に表示制御部５２が接続され、こ
の表示制御部５２に表示部５３が接続される。その表示
部５３は、上記オペレータ５により視認されるブラウン
管ディスプレイや液晶ディスプレイ等により構成でき
る。その入出力インターフェイス４７に操作装置５４が
接続される。この操作装置５４は、上記オペレータ５に
より操作されるキーボードや、その表示部５３の表示面
に重ねられるタッチパネルにより構成できる。その情報
入力用インターフェイス４８に、外部情報発信源からの
道路渋滞情報等の配車用車両の現在位置から目的位置ま
での経路に影響を及ぼす付加情報の受信装置５５が接続
される。

【００１８】上記構成において、配車用情報を配車用車
両に伝送するには、先ず、オペレータ５が操作装置５４
により配車用車両と、その配車用車両の目的地とを指令
側制御装置６に入力する。その配車用車両の入力は、例
えば配車用車両に予め割り当てた識別コードを入力する
ことで行なう。その目的地の入力は、その目的地の経度
と緯度とを入力したり、あるいは、既知の目的地であれ
ば、その目的地に対応付けられた識別コードを入力する
ことで行ない、また、表示部５３に地図画像を表示し、
その目的地に対応する箇所を表示部５３に重ねたタッチ
パネルを介して押すことで入力してもよい。

【００１９】次に、指令側制御装置６は、配車用車両の
現在位置を求める。すなわち、上記ＧＰＳセンサ３によ
り受信される人工衛星からの信号がセンサデータ処理部
１３を介して車両側制御装置４に入力され、無線通信に
より指令側制御装置６に送られ、その送られた信号に基
づき配車用車両の現在位置を判断する。

【００２０】次に、指令側制御装置６は、その配車用車
両の現在位置から目的地までの経路情報を、地図情報の
データベースを検索することで求める。その検索は、例
えば、現在位置と目的位置との間の進路選択位置の組み
合わせにより得られる経路の中で、最短距離のものであ
って、一方通行路を逆行する経路や工事区間等の通過不
能経路を除外することで行なえる。さらに、受信装置５
５から入力される道路渋滞情報等が表示部５３に表示さ
れ、その渋滞区間等を除外経路として操作装置５４から
入力することで、その検索対象の経路から渋滞区間等を
含む経路を除外することが可能とされている。その経路
情報は、例えば進路選択位置それぞれの間の情報を単位
情報として、その単位情報を順番に連ねたものにより構
成され、各単位情報は、次の進路選択位置までの地図画
像や、進行方位、進行距離、進路選択位置の目印になる
建造物名称、地名、その進路選択位置での進行方向、進
行距離等を表す文字画像等により構成できる。

【００２１】次に、指令側制御装置６は、その求めた経
路情報に基づき画像メモリ４４から画像コントローラ４
３により画像データを読み出し、経路誘導のための画像
データを配車用情報として合成する。

【００２２】次に、指令側制御装置６は、その合成した
画像データを無線通信により車両側制御装置４に送信す
る。車両側制御装置４は、その送信された画像データを
画像コントローラ３３により画像メモリ３４に書き込
む。次に、その書き込まれた画像データを画像コントロ
ーラ３３により読み出し、表示装置２に出力する。表示
装置２は、その出力された画像データに対応する画像
を、ドライバーの前方に虚像として生成する。図５は、
その生成される画像の一例を示し、配車用車両が走行し
ている現在位置を赤ランプＰの点滅により表示すると共
に、その周辺の地図画像や、交通情報も含めた目的地へ
の経路を指示する文字画像が表示される。

【００２３】上記構成によれば、経路情報を含む配車用
情報をドライバーは自身で判断することなく伝送される
と同時に画像により確認でき、道に迷うことなく目的地
に確実に到達できる。また、その経路情報を地図情報に
基づき求める手段を個々の配車用車両に設ける必要はな
く、指令側のみにあればよいため、システムを構築する
のに多額の投資を必要とせず、また、その地図情報の更
新を手間や時間を要することなく行なえる。さらに、そ
の経路情報を地図情報だけでなく、時々刻々変化する道
路渋滞情報等の付加情報にも基づいて求めることができ
るので、より迅速、確実に配車用車両は目的地に到達で
き、特に物資配送用に用いる場合は配送が円滑になるこ
とで高効率につながる。さらに、上記構成ではヘッドア
ップディスプレイにより配車用情報を表示することで、
ドライバーは前方にある実際の景色を見ながら配車用情
報を確認できる。

【００２４】なお、本発明は上記実施形態に限定されな
い。例えば、車両側制御装置４と指令側制御装置６との
間の無線通信用端末として、ＰＨＳ等の公共無線通信シ
ステムの端末を用いてもよい。また、配車用車両におけ
る配車用情報の表示は、フロントガラスとは別体の専用
のコンバイナであって、画像表示光の出射手段と一体に
なった据置型のものを用いてもよく、また、その表示は
モノクロでもカラーでもよい。また、画像情報に併せて
音声情報をスピーカシステムを介して伝送するようにし
てもよい。また、指令側制御装置をオペレータではなく
ホストコンピュータ等により制御することで、配車用情
報を車両側制御装置に送信するようにしてもよい。ま
た、配車用情報として、経路誘導情報以外の任意の情報
を付加してもよく、例えば、タクシーの配車であれば大
口顧客会社の代表者の氏名等の客先情報を付加して表示
したり、物流用車両の配車であれば配達荷物に関する情
報を付加して表示してもよい。また、指令側制御装置か
ら車両側制御装置に配車用情報を送信する際に、その情
報にスクランブルをかける等して情報の盗難防止を図っ
てもよい。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、配車を円滑かつ迅速に
行なえ、多額の投資を要することなく構築でき、また、
その更新も容易に行なえる配車用情報伝送システムを提
供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の配車用情報伝送システムの
配車用車両側の外観構成を示す図

【図２】本発明の実施形態の配車用情報伝送システムの
指令側の外観構成を示す図

【図３】本発明の実施形態の配車用情報伝送システムの
配車用車両側の構成説明用ブロック図

【図４】本発明の実施形態の配車用情報伝送システムの
指令側の構成説明用ブロック図

【図５】本発明の実施形態の配車用情報伝送システムの
配車用情報の表示例を示す図

【符号の説明】

２ 表示装置 ３ ＧＰＳセンサ ４ 車両側制御装置 ６ 指令側制御装置 ３６、５１ 無線通信用端末 ５４ 操作装置 ５５ 受信装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 配車用車両に配車用情報を指令側から伝
   送するシステムであって、 その配車用車両の現在位置を求める手段と、 その指令側において配車用車両の目的地を入力する手段
   と、 その指令側において地図情報を記憶する手段と、 その指令側において配車用車両の現在位置から目的位置
   までの経路情報を、記憶した地図情報に基づいて画像デ
   ータとして求める手段と、 その指令側から配車用車両に少なくとも上記求めた経路
   情報を含む配車用情報を送信する無線通信手段と、 その配車用車両において前記送信された配車用情報を画
   像として表示する手段とを備えることを特徴とする配車
   用情報伝送システム。
2. 【請求項２】 その指令側において配車用車両の現在位
   置から目的位置までの経路に影響を及ぼす付加情報を入
   力する手段を備え、 前記経路情報を、その付加情報と前記地図情報とに基づ
   いて画像データとして求めることが可能な請求項１に記
   載の配車用情報伝送システム。