JPH0929305A - 成形性に優れたプレス加工用金属板 - Google Patents

成形性に優れたプレス加工用金属板

Info

Publication number
JPH0929305A
JPH0929305A JP20183195A JP20183195A JPH0929305A JP H0929305 A JPH0929305 A JP H0929305A JP 20183195 A JP20183195 A JP 20183195A JP 20183195 A JP20183195 A JP 20183195A JP H0929305 A JPH0929305 A JP H0929305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal plate
dull
press working
recesses
formability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20183195A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinobu Ishiwatari
亮伸 石渡
Toshio Imae
敏夫 今江
Kunio Isobe
邦夫 磯辺
Kazuo Onda
和雄 恩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP20183195A priority Critical patent/JPH0929305A/ja
Publication of JPH0929305A publication Critical patent/JPH0929305A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレス成形の広い面圧領域で優れた成形性を
示し、しかも塗装後鮮映性に優れたプレス加工用金属板
を提供する。 【構成】 多数の微視的な凹部とこれを囲む周辺部とか
らなるダル仕上げ金属板の凹部を、金属板表面に略均一
に分布させ、凹部の底面を平坦なRa0.2μm以下と
し、深さを1〜3μm、6〜9μmの範囲の2種類と
し、凹部の大きさは直径500μmの円内に収納され、
かつ直径50μmの円を収納できる大きさとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用外板、家庭電
気製品用外装板等のプレス加工時に好適な成形性に優れ
たプレス加工用金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用外板として使用される金
属板は、自動車製造工程においてプレス成形され、また
その表面は塗装が施される。従って、この金属板には、
プレス成形性と塗装後鮮映性とが優れていることが要求
される。特に、近年の自動車の外形の多様化により、プ
レス成形性に優れることが要求されている。この塗装後
鮮映性とは、光沢性(塗装面の乱反射の程度)と写像性
(写像の歪の程度)とを合わせたものをいう。
【0003】一般にプレス成形性を向上させるために
は、圧延に用いるロールの凸部の割合を多くし、金属板
表面により多くの凹部分を形成して、プレス加工用潤滑
油の捕捉量を増やすことが有効である。一方、塗装後鮮
映性を高めるためには金属板の全表面積に対して平坦な
部分の占める割合を高めることが有効である。このプレ
ス成形性と塗装後鮮映性の両者の向上を目的とした金属
板として、多数の凹部と多数の凸部とが表面に形成さ
れ、その凹部の低面または凸部の頂上面が平坦な鏡面で
あるダル仕上げ金属板が知られている。
【0004】このダル仕上げ金属板を製造する際に使用
されるロールには、表面にショットブラストを施すこと
によりこの表面に凹凸が形成されたロール(ショットダ
ル仕上げロール)、予め表面に樹脂膜を塗布してレーザ
ビームによってマーキングした後にエッチング加工を施
すことによりこの表面に凹凸が形成されたロール(レー
ザ加工仕上げダルロール)などが使用される。
【0005】従来は、上述したダルロールで圧延加工を
施すことによりダル仕上げ金属板が製造されている(特
開平2−175882号公報、特開平4−91802号
公報、特開平7−9016号公報参照)。この鋼板は圧
延により形成される表面の凹凸の底面を平坦にすること
ができ、塗装後鮮映性には有利である。プレス成形性を
向上させるために、例えば、特開平3−161102号
公報では外形10〜90μmと外形100〜280μm
の異なる面積の凹部を配置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の鋼板は、凹凸の深さによって表面の摺動摩擦がプレス
加工の面圧に対して異なるという問題があった。
【0007】300MPa〜350MPaのプレス加工
の面圧に対して、金属板と金型との摺動摩擦係数を小さ
くする金属板の凹部の深さは、6μm〜9μmであり、
200MPa〜250MPaのプレス加工の面圧に対し
て、摺動摩擦係数を小さくする金属板の凹部の深さは1
μm〜3μmのであり、200MPa〜350MPaの
全面圧領域にわたって摺動摩擦係数を小さくする鋼板が
必要である。
【0008】そこで、本発明は、プレス成形の広い面圧
領域で成形性を改善した金属板を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の金属板は、以下の要件を備えたものである。 (1)金属板は微視的な多数の2種類の凹部とこの凹部
を取り囲む網目状の畦を備えた鋼板とする。 (2)2種類の凹部は、それぞれ畦からの深さは1〜3
μm、6〜9μmの範囲とする。 (3)各凹部の上面の大きさは直径500μmの円内に
収納され、かつ直径50μmの円を収納できる大きさと
する。 (4)金属板の凹部及び凸部ともRa=0.2μm以下
とする。
【0010】すなわち本発明は、多数の凹部と該凹部を
取り囲む周辺部とからなるダル仕上げ金属板において、
前記凹部の底面を平坦なRa0.2μm以下とし、該凹
部を前記金属板表面に略均一分布させ、該凹部は、周辺
部からの深さが1〜3μm、6〜9μmの範囲の2種類
としたことを特徴とする成形性に優れたプレス加工用金
属板である。この場合に、前記凹部の上面の大きさは直
径500μmの円内に収納され、かつ直径50μmの円
を収納できる大きさとすると好適である。
【0011】このようなダル仕上げ金属板を製造する方
法について説明する。先ず、調質圧延において、凹凸が
付与されたロールを使用して6〜9μmの凹凸を金属板
上に形成する。そして、この金属板に調質圧延(2度目
の調質圧延)を施し、1〜3μmの凹凸を付与すること
により最終製品の仕上げ金属板とする。
【0012】しかしながら、ダル仕上げ金属板の凹凸付
与の手順は前記の方法にのみ限定されるものではなく、
先に凹部の深さが浅いものを付与し、次に深さの深いも
のを付与してもよい。
【0013】各凹部の上面の大きさが直径500μmの
円内に収納される大きさ以上では、この金属板をプレス
成形するとき、金属板表面の凹部がプレス工具によって
密閉されないので凹部に潤滑油を密閉することができな
い。すなわち、プレス加工を行う際に、工具による潤滑
油の封入がなされず、油の圧縮後の吹き出し効果が得ら
れない。また、直径50μmの円を収納できるとした理
由は、これより小さな凹部を形成できないためである。
【0014】また、金属板表面の凹部、凸部の粗さRa
は、大きすぎると独立に配置した凹部がつながってしま
い、潤滑の効果を失うため0.2μm以下とした。
【0015】同様に、2種類の凹部も重なりを少なくす
るためにそれぞれ金属板上に占める割合を10〜40%
程度とするのが好ましい。
【0016】金属板状の凹凸の配列としては、面内に引
いた任意の直線が必ず凹部を通過し、かつ、直線内にお
ける凹部の割合が直線によらず変化しないような配列が
好ましい。この凹部は、例えば、千鳥状に均一に分布さ
せてもよい。
【0017】各凹部の形状は、正方形、長方形、多角
形、円形、楕円、あるいはこれらと類似した図形であれ
ばよい。
【0018】
【作用】本発明のダル仕上げ金属板の表面には凹部がほ
ぼ均一に分布しているため加工面全体においてプレス加
工の際にプレス加工用潤滑油がこの凹部に捕捉される。
このため、このダル仕上げ金属板は良好なプレス成形性
が得られる。さらに、深さの異なる2種類の凹部を有す
るためにプレス加工の広い面圧領域において潤滑効果を
得ることができる。また、凹部の底面及び凸部の上面は
平坦になっているため、高い鮮映性が得られる。
【0019】
【実施例】次に、実施例のダル仕上げ金属板と比較例の
ダル仕上げ金属板とを用いて行った試験結果を説明す
る。試験は、深絞り成形性、摺動特性について行った。
試験に供したダル仕上げ金属板を、図1〜図5を参照し
て説明する。図1は実施例のダル仕上げ極低炭素鋼板の
表面形状2を示す凹凸測定図であり、凹部4の底面は平
坦な鏡面である。またこの凹部4は表面にほぼ均一分布
している。また、周辺部6の表面粗さも、0.2μm以
下となっている。図2〜図5は比較例のダル仕上げ金属
板の表面形状を示す凹凸測定図であり、図2は従来のシ
ョットダル鋼板、図3は従来のプレス成形向けのレーザ
ダル鋼板、図4、図5は調質圧延時にのみダル圧延を行
った1種類の凹凸をもつ鋼板を示す。
【0020】実施例の極低炭素鋼鋼板の製造に用いたダ
ルロールの製造方法を説明する。圧延用ロール表面に耐
酸性樹脂膜を形成し、Qスイッチ付きYAGレーザを用
いて、樹脂膜に模様をマーキング加工して該模様通りに
塗膜の一部を除去し、ロール表面にエッチング処理を施
し、ロール表面に凹凸模様を付与した。特開平7−90
16号公報に記載されているように鋼板表面に形成され
る凹部の深さはロール表面の凸部の割合に依存し、ロー
ル表面の凸部の割合が大きいと、鋼板表面に形成される
凹部の深さは小さくなる。本実施例の極低炭素鋼板の製
造に用いたダルロールは、凸部の形状が正方形で、辺の
長さが約100μmで、凸部の割合は約20%のロール
である。
【0021】また、ロール表面のエッチングされた凹部
は、10μm以上なければならない。これは、鋼板表面
に最大で9μmの凹部を形成することから規制されてい
る。
【0022】図1に示す本実施例の極低炭素鋼板の製造
方法を説明する。上記ロールを組み込んだリバース調質
圧延機を用いて凹凸模様の付与を行った。
【0023】鋼板表面に形成される凹部の深さは、調質
圧延における伸び率にも依存し、伸び率が大きくなると
凹部の深さは深くなる。実施例では、1パス目において
伸び率1.0%で調質圧延を行って、深い方の凹部を形
成し、2パス目において伸び率0.3%で調質圧延を行
い、浅い方の凹部を形成した。
【0024】次に、深絞り成形性の試験方法と試験結果
について、図7と表1を参照して説明する。図7に示す
ように、深絞り成形性試験は、プランク10にダイス1
2で矢印14方向にしわ押えした試験片16をポンチ1
8で絞ることにより、同一条件で3回ずつ行った。
【0025】図1に示すダルパターンを有する実施例材
は、絞り比2.27まで絞り抜くことができ、図2に示
すダルパターン表面を有する従来材と同等かそれよりも
高い限界絞り比を示している。
【0026】次に、摺動試験について図8を参照して説
明する。図8に示す摺動試験により鋼板の潤滑性能を測
定した。摺動試験は、曲率半径が20mmRの上下押付
片22、24に押付力26、28を加え、幅20mm、
長さ300mmの試験片30を矢印の方向32に引抜
き、そのときの引抜き力を測定するものである。試験片
の引抜き速度は100mm/sec、移動距離は80m
mである。40℃における粘度が16.3cStのプレ
ス油を試験片に塗布して引抜きを行った。摩擦係数をμ
=引抜き力/(2×押付力)によって求めた。結果を図
9に示した。本発明による鋼板は広い面圧領域で優れた
特性を示している。
【0027】次に、塗装後鮮映性を評価するために一般
に使用されているDOI値を従来材と比較した結果を図
10に示した。DOI値は鏡を100%とし、この値が
高いほど鮮映性に優れている。本実施例の鋼板は95%
を越えるDOI値を示し、この値は従来材(C)(D)
(E)と何ら遜色ない値であり、従来材(A)(B)よ
りも高くなった。このように本実施例のダル仕上げ金属
板は優れた塗装後鮮映性を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明のダル仕上げ金属板表面には、金
属板表面に潤滑油を捕捉するための凹部として、深さ1
μm〜3μmの凹部と、深さ6μm〜9μmの凹部の両
方が存在し、その底面は平坦である。このため、プレス
成形の広い面圧領域において優れた成形性を示し、しか
も塗装後鮮映性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例のダル仕上げ極低炭素鋼板の
表面性状を示す凹凸測定図である。
【図2】従来のショットダル鋼板のダル仕上げ金属板の
表面性状を示す凹凸測定図である。
【図3】従来のプレス成形向けのレーザダル仕上げ金属
板の表面性状を示す凹凸測定図である。
【図4】従来の1種類の凹凸のショットダル鋼板のダル
仕上げ金属板の表面性状を示す凹凸測定図である。
【図5】従来の1種類の凹凸のショットダル鋼板のダル
仕上げ金属板(調質圧延時のみダル圧延)の表面性状を
示す凹凸測定図である。
【図6】従来の1種類の凹凸のショットダル鋼板のダル
仕上げ金属板(調質圧延時のみダル圧延)の表面性状を
示す凹凸測定図である。
【図7】深絞り成形試験の模式図である。
【図8】摺動試験の模式図である。
【図9】摺動試験の本発明材及び従来材の摩擦係数にお
ける成績である。
【図10】塗装後鮮映性の評価に一般に使われるDOI
値を従来材と比較した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
2 表面性状 4 凹部 6 凸部 10 ブランク 12 ダイス 14 しわ押え方向 16 試験片 18 ポンチ 20 曲率半径 22、24 上下押付片 26、28 押付力 30 試験片 32 引抜方向
フロントページの続き (72)発明者 磯辺 邦夫 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内 (72)発明者 恩田 和雄 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の凹部と該凹部を取り囲む周辺部と
    からなるダル仕上げ金属板において、前記凹部の底面を
    平坦なRa0.2μm以下とし、該凹部を前記金属板表
    面に略均一分布させ、該凹部は、周辺部からの深さが1
    〜3μm、6〜9μmの範囲の2種類としたことを特徴
    とする成形性に優れたプレス加工用金属板。
  2. 【請求項2】 前記凹部の上面の大きさは直径500μ
    mの円内に収納され、かつ直径50μmの円を収納でき
    る大きさである請求項1記載の成形性に優れたプレス加
    工用金属板。
JP20183195A 1995-07-17 1995-07-17 成形性に優れたプレス加工用金属板 Withdrawn JPH0929305A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20183195A JPH0929305A (ja) 1995-07-17 1995-07-17 成形性に優れたプレス加工用金属板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20183195A JPH0929305A (ja) 1995-07-17 1995-07-17 成形性に優れたプレス加工用金属板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0929305A true JPH0929305A (ja) 1997-02-04

Family

ID=16447623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20183195A Withdrawn JPH0929305A (ja) 1995-07-17 1995-07-17 成形性に優れたプレス加工用金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0929305A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN114423536A (zh) 具有确定性的表面结构的钢板
JP2020501906A (ja) 圧延ロール及びそれにより製造されためっき鋼板
CN111868289A (zh) 设置有定制的表面纹理的金属基材以及用于在金属基材上施加这样的纹理的方法
US3670543A (en) Drawing and ironing process
JP6624220B2 (ja) 冷間圧延用ロール、冷間圧延用ロールの製造方法、表面処理鋼板の調質圧延方法および表面処理鋼板
JP2019508585A (ja) 成形のために最適化されたアルミニウム合金シート
JPH0929305A (ja) 成形性に優れたプレス加工用金属板
JP2011200912A (ja) 金属部材のプレス加工方法およびプレス加工用金型
JP3261218B2 (ja) 調質圧延用ロール並びにプレス成形性に優れた金属板及びその製造方法
KR101999009B1 (ko) 압연롤 및 이에 의해 제조된 도금강판
JPH0663602A (ja) ダル仕上げ金属板
EP4003621A1 (en) Metal substrate provided with surface texture and method for applying such textures on metal substrates
EP2987568A1 (en) Hot press forming device for coated steel and hot press forming method using same
JP2692604B2 (ja) プレス成形性に優れた鋼板
JP2855392B2 (ja) 冷間圧延板
JPH05192701A (ja) 耐型かじり性の優れた金属薄板及びその製造に用いる圧延ロール
JPH0663603A (ja) プレス加工用金属板の製造方法
JP3276538B2 (ja) 耐型かじり性に優れた高成形性冷延鋼板
JP2530908B2 (ja) 塗装鮮映性の優れた鋼板
JP3211496B2 (ja) 表面潤滑皮膜処理材およびその製造方法
Bhaduri et al. Deep Drawing
CN114080468A (zh) 一种金属板产品的生产方法及金属板产品
JP2598532B2 (ja) 成形性に優れたプレス加工用金属薄板
JPH05208201A (ja) プレス成形性及び塗装後鮮映性に優れる金属板
WO1999048631A1 (fr) Matrice d'emboutissage, procede d'emboutissage dans lequel ladite matrice est utilisee et recipient embouti forme au moyen de ladite matrice

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021001