JP3276538B2 - 耐型かじり性に優れた高成形性冷延鋼板 - Google Patents

耐型かじり性に優れた高成形性冷延鋼板

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JP3276538B2 JP18563295A JP18563295A JP3276538B2 JP 3276538 B2 JP3276538 B2 JP 3276538B2 JP 18563295 A JP18563295 A JP 18563295A JP 18563295 A JP18563295 A JP 18563295A JP 3276538 B2 JP3276538 B2 JP 3276538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板表面の幾何学
形状を規制することにより、耐型かじり性を向上させる
ことを目的とした、高張力鋼板、軟鋼板、表面処理鋼板
を提供するものであり、これらはアルミ板、アルミ合金
板等にも適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来から型かじり性の改善は、鋼板の硬
度を上昇させることにより改善してきたのに対し、本発
明は、鋼板の表面の幾何学形状が型かじり性改善の重要
な因子として影響を及ぼすことに着目して課題の解決を
検討した。鋼板の表面の幾何学形状は、プレス成形時の
摩擦抵抗に影響を及ぼすことが知られており、これまで
に幾何学的な表面形状を制御することにより摩擦抵抗を
低減し、プレス成形性の向上が得られた技術として、特
公平3−54006号に開示されている技術がある。ま
た、特開平2−280902号には、平坦部面積や凹部
の最近接間隔が規定されているが、これらは成形時の摩
擦抵抗を減少し、成形性を向上することを目的としてい
る。しかし、近年のプレス現場における潤滑油の低粘度
化の動き等により問題となってきた成形時の耐型かじり
性については開示されていない。また型かじりを伴うよ
うな高面圧での摩擦に適した表面構造が開示されていな
い。鋼板の型かじり現象の回避策としては、鋼板強度を
上昇することで表面硬度を上昇し、耐型かじり性を向上
させることが考えられるが、鋼板強度の上昇はプレス成
形性の劣化を招く。そこで、鋼板強度の上昇なしで、即
ちプレス成形性の劣化を極力抑えた、耐型かじり性に優
れた高成形性鋼板の要求が高まってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋼板
表面の幾何学形状の制御によって得られる耐型かじり性
がプレス成形時に板に生ずる面圧の大小に関係なく良好
である冷延鋼板を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、鋼板
表面の平均あらさRaが0.2μm超0.4μm以下の
平坦部の中に平坦部からの深さが10μm以上30μm
以下の凹部を鋼板表面の両面もしくは片面に独立して備
え、個々の凹部の面積が0.0001mm2 以上0.0
1mm2 以下であり、凹部面積率が5%以上30%以下
であることを特徴とする耐型かじり性に優れた高成形性
冷延鋼板を提供する。さらに、上述の本発明の鋼板表面
の幾何学形状は鋼板の成形方向やプレス成形の形状に対
して方向性のないものが好ましい。
【0005】以下に本発明をさらに詳細に説明する。冷
延鋼板の表面の幾何学形状は、従来ショットブラストに
用いるショットの粒度番号によって大体の平均粗さを管
理していたのが現状である。しかし本発明者等によれ
ば、プレス成形時における鋼板表面の耐型かじり性を向
上させプレス成形不良を回避するには、よりきめ細かい
表面の幾何学形状の制御が必要であることが判明した。
即ち、耐型かじり性に優れた鋼板表面の幾何学形状は、
鋼板の両面もしくは片面に、10μm以上30μm以下
の深さを持つ凹部をRaが0.2μm超0.4μm以下
の平坦部中に他の凹部から独立して設け、個々の凹部の
面積が0.0001mm2 以上0.01mm2 以下であ
り、凹部面積率が5%以上30%以下であることが判明
した。また、凹部の位置が、ほぼ規則的(すなわち方向
性なく均質)に配列されていることが好ましい。
【0006】プレス成形時の型かじりは、鋼板表面の金
属の金型への凝着が起源となるが、この凝着現象を促進
する主要因に、成形中に鋼板表面に起こる油切れが挙げ
られる。従って、耐型かじり性を向上する手段には成形
中の油切れの回避が考えられる。この油切れの原因に
は、成形途中に鋼板表面の凹部が潰されそこが平坦化す
ることや、油が鋼板表面溝部を伝わって接触系外に逃げ
ることなどが考えられる。このため、成形途中で鋼板表
面が幾らか潰されても充分に凹部が残るだけの深さを付
与することや、鋼板表面が変形しにくいように平坦部面
積率を増やすことや、油が鋼板表面溝部を伝わって接触
系外に逃げないように凹部を独立させることで耐型かじ
り性は向上すると考えられる。本発明者らは、この考察
に基づき研究を重ねた結果、以下に示すように鋼板の表
面の幾何学形状を規制することで、耐型かじり性に優れ
た薄鋼板の提供が可能となることを解明した。
【0007】まず、凹部深さを変化させた材料の摩擦試
験を行った。試験装置は図2に示すような材料1の両面
を工具2(材質:SKD11)で一定面圧Pで押しつけ
た状態で材料を引き抜き、そのときの引き抜き荷重Dか
ら摩擦係数μをμ=D/(2・P)で求めた。Raが
0.2μm超〜0.4μm、独立した凹部の面積が0.
01mm2 以下、凹部面積率が5〜30%の鋼板を材料
1として実験を行い、通常用いられる潤滑油(粘度:1
5cST/40℃)を材料の両面に塗布して実験した。
図1に結果を示す。面圧は低面圧(P=1kgf/mm2 )と
高面圧(P=20kgf/mm2 )の2水準とした。引き抜き
後の材料表面観察からμが0.2を超えると線状きずが
発生しやすく、型かじり発生につながることがわかっ
た。図1のように低面圧の場合、凹部深さが小さいほど
μが小さいが、それが30μm以上になるとμが増大す
る。これは凹部が深いと面圧が小さいため、凹部にある
油に静水圧がかからず、境界部に油が供給され難いため
である。一方、高面圧の場合、逆に凹部深さが浅いほど
μが大きいが、それが10μm以上になるとμが減少す
る。これは高面圧のため、凹部が浅すぎると凹部が平坦
化され、捕獲していた油が成形途中でなくなってしまう
ためである。また、凹部が深くても高面圧のため凸部の
潰れにより凹部にある油に十分静水圧がかかり、境界部
に油が供給されμが低下する。
【0008】図1より低面圧〜高面圧にかけてμが小さ
い条件は凹部の深さが10μm〜30μmの範囲にある
ことがわかった。これらの知見に基づき、鋼板の表面の
幾何学形状を以下のように制御すれば鋼板の耐型かじり
性が飛躍的に向上することがわかった。なお、鋼板表面
の幾何学形状の測定は、公知の2次元粗度プロファイル
から求めるか3次元粗度データを用いた鋼板表面の画像
処理解析により得られる。
【0009】平坦部:平坦部のRaは0.2μm超0.
4μm以下とする。0.2μm未満だと通抜時スリップ
が発生し、トラブルを生じることがある。また、0.4
μmを超えると成形時に平坦部にも接触部と非接触部が
存在することになり、凹部の独立が保たれないためであ
る。
【0010】凹部深さ:10μm以上30μm以下、好
ましくは15〜25μmとする。10μm以上としたの
は、10μm未満であると成形完了前に表面が潰されて
凹部が浅くなることと、鋼板の変形で表面があれ、凹部
が浅くなることの相互作用で凹部が消滅し、油切れを引
き起こすためである。30μm以下としたのは、30μ
mより大きい場合は成形中に凹部が多少浅くなっても油
に静水圧がかからず、潤滑効果が得られないためであ
る。
【0011】凹部面積:個々の凹部面積は0.0001
mm2 以上0.01mm2 以下、好ましくは0.000
1〜0.007mm2 とする。0.0001mm2 以上
としたのは、これ未満は製造上困難と考えられるためで
ある。0.01mm2 以下としたのは、これより大きい
と油の封じ込め効果を得ることが困難になり、平坦部で
の接触面圧上昇をもたらすためである。
【0012】凹部面積率:5%以上30%以下、好まし
くは10〜30%とする。5%以上としたのは、これ未
満であると成形前の油の保持力が劣るためである。30
%以下としたのは、これより大きいと成形中の平坦部で
の面圧が大きくなり、凹部深さの減少量が大きくなるこ
とで、油の流出量が適正量より過大となるためである。
【0013】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。板厚4.0mmの熱延鋼板を0.8mmに冷間
圧延し、焼鈍後0.8〜1.2%の調質圧延をレーザ加
工により表面に成形した幾何学形状の異なる種々のスキ
ンパスロールにて行い、両面に同一の幾何学的形状を有
する冷延鋼板を製造した。得られた鋼板の機械的性質を
表1に示す。
【0014】
【0015】得られた表2に示す種々の表面幾何学形状
を有する鋼板で、図3に示すポンチ径100mm、ブラ
ンク径230mm、成形高さ50mmの連続円錐台成形
を行い、50枚成形した時点の成形品を目視評価し、外
観上問題がないものを○、不良のものを×として耐型か
じり性を評価した。潤滑油は通常の防錆油(粘度16.
3cst−40℃)を1g/m2 両面塗布した。その結
果を表2に示す。本発明の鋼板は、良好な耐型かじり性
を示す。なお、プレス部品により片面にのみ型かじりが
生じるような場合、片面のみに本発明の幾何学形状を有
する冷延鋼板についても良好な耐かじり性を有すること
が実証された。
【0016】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、冷延鋼板の表面の幾何
学形状を規制することにより同一材質の冷延鋼板におい
ても耐型かじり性が格段に向上するため、その使用範囲
は広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 凹部深さと摩擦係数との関係を示すグラフで
ある。
【図2】 摩擦試験の試験装置を説明する模式図であ
る。
【図3】 耐型かじり性を評価する円錐台成形の形状を
示す斜視図である(単位mm)。
【符号の説明】
1 材料 2 工具 P 面圧 D 荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−63602(JP,A) 特開 平8−47702(JP,A) 特開 平6−238302(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 1/46 B21B 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板表面の平均粗さRaが0.2μm超
    0.4μm以下の平坦部の中に平坦部からの深さが10
    μm以上30μm以下の凹部を鋼板表面の両面もしくは
    片面に独立して備え、個々の凹部の面積が0.0001
    mm2 以上0.01mm2 以下であり、凹部面積率が5
    %以上30%以下であることを特徴とする耐型かじり性
    に優れた高成形性冷延鋼板。
JP18563295A 1995-07-21 1995-07-21 耐型かじり性に優れた高成形性冷延鋼板 Expired - Fee Related JP3276538B2 (ja)

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