JPH09292726A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH09292726A
JPH09292726A JP12565896A JP12565896A JPH09292726A JP H09292726 A JPH09292726 A JP H09292726A JP 12565896 A JP12565896 A JP 12565896A JP 12565896 A JP12565896 A JP 12565896A JP H09292726 A JPH09292726 A JP H09292726A
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JP12565896A
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Genko Hai
元虎 裴
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電子輸送能を有する電荷輸送物質を用いて高
感度且つ残留電位が小さく、更に繰り返し使用してもそ
れらの特性が変化しない耐久性に優れた電子写真感光体
の提供。 【解決手段】 電子写真感光体において、感光層に下記
一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕又は〔4〕で表される化
合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。 (式中、R〜Rは水素原子、シアノ基、ニトロ基、
アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基若しくは
エステル基であり、RとRは互いに環化してベンゼ
ン環、チオフェン環若しくはチオフェンジオキシド環を
形成してもよい。Qは=O、=C(CN)、=C(C
、=C(CN)(CO)、=N−C
N、又は=N−COを表し、Rは、アルキル
基、アリール基、若しくは複素環基を、XはS、S
、N−R、NCO−R、又はNSO−R
を、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、若
しくは複素環基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電潜像を形成させ
るための電子写真感光体に関する。詳しくは、電子輸送
能を有する化合物を含有する層を有する電子写真感光体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導
電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が
広く用いられてきた。しかし、これらは感度、熱安定
性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得る物で
なく、また一部の無機感光体では感光体中に人体に有害
な物質を含むため、廃棄に際しての問題がある。
【0003】これらの無機感光体の持つ欠点を克服する
目的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする感光層
を有する有機感光体の研究・開発が近年盛んに行われて
いる。
【0004】特に電荷発生機能と電荷輸送機能とを異な
る物質にそれぞれ分担させた機能分離型の感光体は、そ
れぞれの材料を広い範囲から選択する事が出来、任意の
性能を有する感光体を比較的容易に作製し得る事から多
くの研究が成されており、現在では広く実用に供されて
いる。例えばUSP3,871,882号の電荷発生層
としてペリレン誘導体、電荷輸送層にオキサジアゾール
誘導体を用いた物、また特開昭55−84943号には
電荷発生物質にジスチリルベンゼン系ビスアゾ化合物、
電荷輸送物質にヒドラゾン化合物を用いた物などが知ら
れている。
【0005】このように電荷輸送能を有する物質として
は、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルアミン誘導
体のような化合物が知られている。これらは何れも正孔
輸送能を有する物質であり、電荷発生物質を含む層を下
層とし電荷輸送物質を含む層を上層とした機能分離型の
感光体の場合、感光体の表面を負に帯電させる方式をと
る必要がある。このため、従来無機感光体に広く用いら
れてきた負帯電性の現像剤の利用が出来ない。また感光
体をコロナ放電により帯電させるときに生じるオゾンの
発生量が無機感光体で行われた正帯電に比べて多いなど
の欠点がある。特にオゾンの発生量が多い事はそれに起
因する感光体の劣化に加え、人体・環境に与える影響の
点でも問題である。
【0006】有機感光体を用いた正帯電方式の感光体と
しては、従来の正孔輸送物質を用いて電荷発生層を上層
とし電荷輸送層を下層とした逆層構成の感光体、電荷発
生物質と電荷輸送物質を同一層に含有する単層構成の感
光体などが研究されている。しかし、耐久性、環境特性
などの点に於いて高速機に対応できる十分な性能を有す
る物が得られていない。
【0007】そこで上記のような問題を解決するため
に、電荷輸送物質として電子輸送能を有する物質を電荷
輸送層に適用する事が求められている。現在までに電子
輸送物質としては2,4,7−トリニトロフルオレノン
が知られているが、この物質は溶媒、バインダーに用い
られるポリマーとの溶解性、相溶性が充分でなく、実際
の感光層を構成するときに充分な特性を有していない。
また発ガン性を有する事からもその使用は中止されてい
る。
【0008】その他、近年電子受容性構造に溶解性基を
導入したいくつかの電子輸送物質が提案されている。例
えば特開平1−206349号、特開平2−13536
2号、特開平2−214866号、特開平3−2906
66号、“Japan Hard Copy ’92”
論文集,P173(1992)を上げる事が出来る。し
かしながら、何れの化合物に於いても既存の電荷発生物
質との組み合わせに於いて感度、電位特性が充分なもの
でなく、実用上問題を有するのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題点に鑑み、電子輸送能を有する電子輸送物質を用いて
高感度且つ残留電位が小さく、更に繰り返し使用しても
それらの特性が変化しない耐久性に優れた電子写真感光
体を提供する事にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者等は以上の目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の一般式
〔1〕、〔2〕、〔3〕又は〔4〕で示される化合物が
電子写真感光体の優れた有効成分として働き得る事を見
いだし、本発明を完成したものである。即ち本発明の上
記の目的は、下記構成の何れかを採ることにより達成す
る事が出来る。
【0011】(1) 電子写真感光体において、感光層
に下記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕又は〔4〕で表さ
れる化合物を含有することを特徴とする電子写真感光
体。
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1とR2及びR3とR4は水素原
子、シアノ基、ニトロ基、アミド基、アミノ基、各々置
換、非置換のアルキル基、アリール基若しくはエステル
基であり、R1とR2は互いに環化してベンゼン環、チオ
フェン環若しくはチオフェンジオキシド環を形成しても
よく、これらベンゼン環、チオフェン環若しくはチオフ
ェンジオキシド環は置換基を有していても良い。但し、
各々R1とR2或いはR3とR4が同時に水素原子であるこ
とはない。
【0014】Qは=O、=C(CN)2、=C(CO2
52、=C(CN)(CO25)、=N−CN、又は=
N−CO25を表す。R5は、各々置換、非置換のアル
キル基、アリール基、若しくは複素環基を表す。
【0015】XはS、SO2、N−R6、NCO−R6
又はNSO2−R6を表す。R6は、水素原子、各々置
換、非置換のアルキル基、アリール基、若しくは複素環
基を表す。) (2) 導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層より
なる感光層を設けた電子写真感光体において、電荷輸送
層に(1)に記載の一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕又は
〔4〕で表される化合物を含有させたことを特徴とする
電子写真感光体。
【0016】次に、本発明の電子輸送能をもつ電荷輸送
物質(以下、電子輸送物質と呼ぶことがある)の具体例
について述べる。
【0017】(1) 一般式〔1〕で表される化合物 一般式〔1〕で表される化合物中、具体的に望ましいも
のを挙げれば下記のごときものがある。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】本発明の電子輸送物質は公知の方法により
合成する事が出来る。
【0030】例えば、代表的な化合物につき具体的に示
せば、下記の如くである。
【0031】《例示化合物1−1の合成》
【0032】
【化14】
【0033】上記のスキームに従い、例示化合物1−1
を合成した。
【0034】化合物1はRevue Roumaine
de Chimie.20.4.547(1975)
に合成法が記載されている。
【0035】そして、化合物1の3.1gとマロノニト
リル2.0gをジクロルメタン50mlに溶かし、10
℃以下で四塩化チタン5mlを滴下して、15分後、同
温度でピリジン5mlを滴下する。室温で3時間撹拌後
一晩放置し、後、エバポレートしてジクロルメタンを除
き、水100mlと塩酸5mlを加え分解する。トルエ
ンで抽出し、炭酸ソーダ水溶液で洗う。トルエン層を濃
縮した後、カラムで分離する。結晶1.5gの例示化合
物1−1を得た。
【0036】このものが例示化合物1−1の構造を有す
ることは、NMRスペクトル測定、質量分析測定により
確認した。
【0037】(2) 一般式〔2〕で表される化合物 一般式〔2〕で表される化合物中、具体的に望ましいも
のを挙げれば下記のごときものがある。
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】本発明の電子輸送物質は公知の方法により
合成する事が出来る。
【0047】例えば、代表的な化合物につき具体的に示
せば、下記の如くである。
【0048】《例示化合物2−11の合成》
【0049】
【化23】
【0050】上記のスキームに従い、例示化合物2−1
1を合成した。化合物1〜4までは、J.Org.Ch
em.,32.2441(1967)に合成法が記載さ
れている。次に、4の化合物5.16g(0.02モ
ル)、タングステン酸ナトリウム0.8gを酢酸70m
lに溶かす、温度を50℃までに保ちながら、過酸化水
素10gを入れ、一晩放置し、酢酸を減圧留去し、トル
エン150mlを入れ、トルエン層を水にて洗う。有機
層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、カラムで精製
して、例示化合物2−11(5)の赤色結晶3.2gを
得た。
【0051】このものは質量分析測定によって、構造を
確認した。
【0052】《例示化合物2−22の合成》
【0053】
【化24】
【0054】上記のスキームに従い、例示化合物2−2
2を合成した。即ち、塩化チオニル150g(1.26
モル)と3−ブロムチオフェン−2−カルボン酸30g
(0.145モル)を四頭フラスコに入れ、35℃温
度、1時間撹拌して、そして、還流温度下で8時間撹拌
した。
【0055】その後、反応物を冷却し、過量な塩化チオ
ニルを除き、1の粗結晶を得た。これをヘキサンで再結
晶し、1の純粋結晶、28g(Y85.7%)を得た。
【0056】次に、1の22g(0.098モル)と3
−ブロムチオフェン16.5g、(0.101モル)と
2硫化炭素200mlを四頭フラスコに入れ、−3℃ま
でに冷却し、塩化アルミ19.8g(0.148モル)
を少しずつ入れて、そして、0℃で30分撹拌し、更に
室温で3時間撹拌した。その後、2当量塩酸100ml
及び水にて洗う。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで
乾燥し、更に溶媒を減圧留去し、2の化合物の粗結晶を
得た。
【0057】これをエタノールに再結晶し、2を精製品
にして、8.2g(Y24%)得た。
【0058】次に、2を5.5g(15.6ミリモル)
と銅粉3gとDMF30mlを3頭フラスコに入れ、還
流温度下で24時間撹拌した。
【0059】その後、反応物を冷却し、濾過して、不溶
分を除いて、濾液に200mlの水を入れ、更に、エー
テルをいれて抽出して、そして、エーテル層を2当量塩
酸及び水にて洗浄する。有機層を分離し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、エーテルを減圧留去し、3の化合物の赤
色粗結晶を得た。
【0060】これをトルエンで再結晶し、3を赤色結晶
にて、3.8g得た。
【0061】次に、3の3gとタングステン酸ナトリウ
ムを酢酸50mlに溶かし、温度を50℃に保ちなが
ら、過酸化水素6gを入れ、一晩放置し、析出結晶を濾
過して、粗結晶4を得た。
【0062】これをトルエン/ヘキサンの混合溶媒中で
再結晶し、4の化合物を赤色結晶にて、2.4g得た。
【0063】このものを質量分析測定によって、例示化
合物2−22の構造であることを確認した。
【0064】《例示化合物2−35の合成》
【0065】
【化25】
【0066】上記のスキームに従い、例示化合物aを合
成した。この化合物はJ.Org.Chem.,32.
2441(1967)に合成法は記載されている。そし
て、化合物a 2.58gとマロノニトリル1.32g
をジクロルメタン50mlに溶かし、10℃以下で、四
塩化チタン4mlを滴下し、15分後同温度でピリジン
4mlを滴下する。室温で3時間撹拌後、一晩放置し、
エバポレートして、ジクロルメタンを除き、水100m
l/塩酸5mlを加え分解する。トルエンで抽出して、
炭酸ソーダ水溶液で洗う、トルエン層を濃縮後、カラム
で分離して、結晶1.22gがあった。例示化合物2−
35を合成した。質量分析測定によって、構造を確認し
た。その他の一般式〔2〕で表される化合物は、同様
に、置換基等を変更し、合成を行うことが出来る。
【0067】《例示化合物2−49の合成》
【0068】
【化26】
【0069】上記のスキームに従い、例示化合物2−4
9を合成した。即ち、塩化チオニル150g(1.26
モル)と3−ブロムチオフェン−2−カルボン酸30g
(0.145モル)を四頭フラスコに入れ、35℃温
度、1時間撹拌して、そして、還流温度下で8時間撹拌
した。
【0070】その後、反応物を冷却し、過量な塩基チオ
ニルを除く、1の粗結晶を得た。これをヘキサンで再結
晶し、1の純粋結晶、28g(Y85.7%)を得た。
【0071】次に、1の化合物22g(0.098モ
ル)と3−ブロムチオフェン16.5g(0.101モ
ル)と2硫化炭素300mlを四頭フラスコに入れ、−
3℃までに冷却し、塩化アルミ19.8g(0.148
モル)を少しずつ入れて、そして、0℃で30分撹拌
し、更に室温で3時間撹拌した。その後、2当量塩酸1
00ml及び水に洗う、有機層を分離し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、更に溶媒を減圧留去し、2の粗結晶を得
た。
【0072】これをエタノールに再結晶し、2を精製品
にて、8.2g(Y24%)得た。
【0073】次に、2を5.5g(15.6mmol
e)と銅粉3gとDMF30mlを3頭フラスコに入
れ、還流温度下で24時間撹拌した。
【0074】その後、反応物を冷却し、濾過して、不溶
分を除いて、濾液に200mlの水を入れ、更に、エー
テルを入れて抽出して、そしてエーテル層を2当量塩酸
及び水にて洗浄し、エーテル層を分離し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥してから、エーテルを減圧留去して、3の赤
色粗結晶を得た。これをトルエンで再結晶して、化合物
3を赤色結晶として、3.8g得た。
【0075】そして、化合物3を2.5gとマロノニト
リル1.5gをジクロルメタン60mlに溶かし、10
℃以下で、四塩化チタン4mlを滴下し、15分後同温
度でピリジン4mlを滴下する。室温で5時間撹拌後、
一晩放置し、エバポレートして、ジクロルメタンを除
き、水100ml/HC15mlを加え分解する。トル
エンで抽出して、炭酸ソーダ水溶液で洗う、トルエン層
を濃縮後、カラムで分離して、4の結晶1.4gがあっ
た。例示化合物2−49を合成した。質量分析測定によ
って、例示化合物2−49の構造を確認した。
【0076】(3) 一般式〔3〕で表される化合物 一般式〔3〕で表される化合物中、具体的に望ましいも
のを挙げれば下記のごときものがある。
【0077】
【化27】
【0078】
【化28】
【0079】
【化29】
【0080】
【化30】
【0081】本発明の電子輸送物質は公知の方法により
合成する事が出来る。
【0082】(4) 一般式〔4〕で表される化合物 一般式〔4〕で表される化合物中、具体的に望ましいも
のを挙げれば下記のごときものがある。
【0083】
【化31】
【0084】
【化32】
【0085】
【化33】
【0086】
【化34】
【0087】
【化35】
【0088】
【化36】
【0089】本発明の電子輸送物質は公知の方法により
合成する事が出来る。
【0090】例えば、代表的な化合物につき具体的に示
せば、下記の如くである。
【0091】《例示化合物4−1の合成》
【0092】
【化37】
【0093】上記のスキームに従い、例示化合物4−1
を合成した。この化合物についてはJ.Chem.Se
c.3516(1961)に合成法が記載されている。
その他の一般式〔4〕で表される化合物についても、置
換基等を変えて、同様にして合成を行う事が出来る。
【0094】本発明の電子輸送物質は、その優れた電子
輸送能を利用して、電荷輸送物質として用い、これと組
み合わせて有効に作用し得る電荷発生物質を共に用いる
事により、いわゆる機能分離型の感光体とする事が出来
る。
【0095】前記機能分離型感光体は前記両物質の混合
分散単層構成の感光体であっても良いが、電荷発生層を
下層として本発明の電子輸送物質からなる電荷輸送層を
上層とする積層型感光体にする事がより好ましい。何れ
の層構成に於いても、支持体と感光層の間にバリア機能
と接着性を持つ下引き層(中間層)を設けても良く、感
光層の上に保護層を設けても良い。
【0096】電荷輸送層は本発明の電子輸送物質を適当
な溶媒に単独で或いはバインダ樹脂と共に溶解分散せし
めたものをアプリケーター、バーコーター、ディップコ
ーター等を用いて塗布、乾燥して形成する事ができる。
【0097】電荷輸送層に使用可能なバインダー樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂なら
びに、これらの繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共
重合体樹脂が挙げられる。
【0098】またこれらの絶縁性樹脂の他、ポリビニル
−N−カルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられ
る。
【0099】電子輸送物質の分散媒としては、例えばト
ルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンクロライ
ド、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセルソ
ルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びその誘導
体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエー
テル類;ピリジンやジエチルアミン等のアミン類;N,
N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等の窒素化合
物;その他脂肪酸及びフェノール類;二硫化炭素や燐酸
トリエチル等の硫黄、燐化合物等の1種又は2種以上を
用いる事ができる。
【0100】電荷輸送層中のバインダー樹脂100重量
部当たり電子輸送物質は20〜200重量部が好まし
く、特に好ましくは30〜150重量部である。形成さ
れる電子輸送層の膜厚は、好ましくは5〜30μmであ
る。また単層機能分離型の電荷写真感光体の場合、バイ
ンダー:電子輸送物質:電荷発生物質の割合は1〜10
0:1〜500:1〜500が好ましく、形成される感
光層の膜厚は5〜50μmである。
【0101】次に電荷発生層は電荷発生物質を適当な溶
媒に単独で或いは上述の電荷輸送層に用いたものと同様
なバインダー樹脂と共に分散せしめた分散液をディップ
塗布、スプレイ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等によ
って支持体又は下引き層上に塗布して乾燥させる方法に
より設けるもの、又は電荷発生物質を支持体又は下引き
層上に蒸着したものが用いられる。分散塗布の場合、用
いられる溶媒としても前記電子輸送物質の分子分散に於
いて用いた分散媒を用いる事ができる。分散にはボール
ミル、ホモミキサー、サンドミル、超音波分散機、アト
ライター等が用いられる。
【0102】用いられる電荷発生物質としては公知のど
のようなものでも使用できるが、例えばセレン系の無機
半導体、種々のフタロシアニン化合物、アゾ化合物、ピ
リリウム化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合
物、スクアリウム化合物、多環キノン化合物が使用でき
る。
【0103】本発明の感光体が積層型構成の場合、電荷
発生層中にバインダー:電荷発生物質の重量比は0〜1
0:1〜50である。以上のようにして形成される電荷
発生層の膜厚は、好ましくは0.01〜10μm特に好
ましくは0.1〜5μmである。
【0104】次に前記感光層を支持する導電性支持体と
しては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金属ド
ラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムな
どを蒸着したプラスチックフィルム、又は導電性物質を
塗布した紙、プラスチックフィルム、ドラムを使用する
事が出来る。
【0105】また本発明の感光層に於いては、オゾン劣
化防止の目的で以下に示すような酸化防止剤を添加する
事が出来る。
【0106】(1)ヒンダードフェノール類 (2)ヒンダードアミン類 (3)パラフェニレンジアミン類 (4)ハイドロキノン類 (5)有機燐化合物類 これらの化合物はゴム、プラスチック、油脂類等の酸化
防止剤として知られており、市販品として容易に入手で
きる。
【0107】また本発明の感光体には、その他の添加
剤、例えば必要により感光層を保護する目的で紫外線吸
収剤又は感度補正の染料を含有しても良い。
【0108】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、本実施
例中に於いて「部」とは「重量部」を表す。
【0109】[実施例1〜40]アルミニウムを蒸着し
たPETフィルム上にポリアミド樹脂「CM8000」
(東レ社製)からなる厚さ0.5μmの中間層を設け
た。その上に、CuKα特性X線回折に於けるブラッグ
角2θの9.5°、24.1°、27.2°にピークを
有するチタニルフタロシアニンに1部、シリコーン−ブ
チラール樹脂0.5部を分散媒としてメチルイソプロピ
ルケトン50部をサンドミルを用いて分散した液をワイ
ヤーバーを用いて塗布し膜厚0.3μmの電荷発生層を
形成した。
【0110】次いて表1に示す例示化合物1部とポリカ
ーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱ガス化
学社製)1.5部をテトラヒドロフラン(THF)10
部に溶解した。これを、電荷発生層上にドクターブレー
ドを用いて塗布し膜厚20μmの電荷輸送層を形成し
て、実施例感光体1〜40を作製した。
【0111】[比較例1]例示化合物1−1の変わりに
比較化合物として下記化合物(q−1)を用いた以外は
実施例1と同様にして比較サンプルを作製した。
【0112】
【化38】
【0113】
【表1】
【0114】評価1 実施例1〜40及び比較例1により得られた電子写真感
光体サンプルについて、静電複写試験装置EPA−81
00(川口電機社製)を用いて+800Vに帯電させ、
10luxの白色光を露光し、表面電位が半分になるま
での露光量E1/2(lux・sec)を求め、感度とし
た。また、10秒間露光後の表面電位を残留電位Vr
(V)とした。結果を表2に示す。
【0115】
【表2】
【0116】[実施例41]円筒形アルミ基体上にポリ
アミド樹脂「CM8000」(東レ社製)からなる厚さ
0.5μmの中間層を設け、その上にCuKα特性X線
回折に於けるブラッグ角2θの9.5°、24.1°、
27.2°にピークを有するチタニルフタロシアニン1
部、シリコーン−ブチラール樹脂0.5部を分散媒とし
てメチルイソプロピルケトン50部をサンドミルを用い
て分散した液をディップ塗布して膜厚0.3μmの電荷
発生層を形成した。次いで例示化合物1−10を1部と
ポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱
ガス化学社製)1.5部をTHF10部に溶解し、電荷
発生層上にディップ塗布して膜厚20μmの電荷輸送層
を形成し、実施例感光体41を作製した。
【0117】[実施例42]実施例41に於ける例示化
合物1−10を2−2に変えた他は、実施例41と同様
にして実施例感光体42を作製した。
【0118】[実施例43]実施例41に於ける例示化
合物1−10を2−8に変えた他は、実施例41と同様
にして実施例感光体43を作製した。
【0119】[実施例44]実施例41に於ける例示化
合物1−10を2−10に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体44を作製した。
【0120】[実施例45]実施例41に於ける例示化
合物1−10を1−28に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体45を作製した。
【0121】[実施例46]実施例41に於ける例示化
合物1−10を1−34に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体46を作製した。
【0122】[実施例47]実施例41に於ける例示化
合物1−10を2−26に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体47を作製した。
【0123】[実施例48]実施例41に於ける例示化
合物1−10を1−47に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体48を作製した。
【0124】[実施例49]実施例41に於ける例示化
合物1−10を4−14に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体49を作製した。
【0125】[実施例50]実施例41に於ける例示化
合物1−10を4−24に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体50を作製した。
【0126】[実施例51]実施例41に於ける例示化
合物1−10を4−30に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体51を作製した。
【0127】[実施例52]実施例41に於ける例示化
合物1−10を4−29に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体52を作製した。
【0128】[実施例53]実施例41に於ける例示化
合物1−10を2−42に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体53を作製した。
【0129】[実施例54]実施例41に於ける例示化
合物1−10を2−46に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体54を作製した。
【0130】[実施例55]実施例41に於ける例示化
合物1−10を3−14に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体55を作製した。
【0131】[実施例56]実施例41に於ける例示化
合物1−10を1−60に変えた他は、実施例41と同
様にして実施例感光体56を作製した。
【0132】評価2 実施例41〜56により得られた電子写真感光体ドラム
について、コニカ(株)社製デジタルコピー「Koni
ca9028」改造機(帯電極性:正、反転現像)に装
着し画像を複写したところ、コントラストが高く原画に
忠実でかつ鮮明な複写画像を得た。また50,000回
の繰り返しでもコントラストが高く鮮明な複写画像が得
られた。
【0133】以上のように、本発明の電子輸送物質を用
いた電子写真感光体は、従来の電子輸送物質を用いた電
子写真感光体と比較して、感度が高く、繰り返し使用時
の感光体特性も安定している事が解る。
【0134】
【発明の効果】本発明に係わる化合物は良好な電子輸送
能を有するため、高感度、低残留電位、更に繰り返し使
用してもそれらの特性が変化しない耐久性に優れた正帯
電用感光体を提供する事が出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体において、感光層に下記
    一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕又は〔4〕で表される化
    合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1とR2及びR3とR4は水素原子、シアノ基、
    ニトロ基、アミド基、アミノ基、各々置換、非置換のア
    ルキル基、アリール基若しくはエステル基であり、R1
    とR2は互いに環化してベンゼン環、チオフェン環若し
    くはチオフェンジオキシド環を形成してもよく、これら
    ベンゼン環、チオフェン環若しくはチオフェンジオキシ
    ド環は置換基を有していても良い。但し、各々R1とR2
    或いはR3とR4が同時に水素原子であることはない。Q
    は=O、=C(CN)2、=C(CO252、=C(C
    N)(CO25)、=N−CN、又は=N−CO25
    表す。R5は、各々置換、非置換のアルキル基、アリー
    ル基、若しくは複素環基を表す。XはS、SO2、N−
    6、NCO−R6、又はNSO2−R6を表す。R6は、
    水素原子、各々置換、非置換のアルキル基、アリール
    基、若しくは複素環基を表す。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送
    層よりなる感光層を設けた電子写真感光体において、電
    荷輸送層に請求項1に記載の一般式〔1〕、〔2〕、
    〔3〕又は〔4〕で表される化合物を含有させたことを
    特徴とする電子写真感光体。
JP12565896A 1996-02-13 1996-05-21 電子写真感光体 Pending JPH09292726A (ja)

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JP4469696 1996-03-01
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107056804A (zh) * 2017-06-19 2017-08-18 长春海谱润斯科技有限公司 一种二噻吩并环戊二烯衍生物结构的有机发光材料及其有机发光器件

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CN107056804A (zh) * 2017-06-19 2017-08-18 长春海谱润斯科技有限公司 一种二噻吩并环戊二烯衍生物结构的有机发光材料及其有机发光器件

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