JPH09292191A - 石油化学用熱分解反応管 - Google Patents

石油化学用熱分解反応管

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JPH09292191A
JPH09292191A JP10303996A JP10303996A JPH09292191A JP H09292191 A JPH09292191 A JP H09292191A JP 10303996 A JP10303996 A JP 10303996A JP 10303996 A JP10303996 A JP 10303996A JP H09292191 A JPH09292191 A JP H09292191A
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JP
Japan
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tube
fins
reaction tube
bar
reaction
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JP10303996A
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English (en)
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Masao Furuta
正夫 古田
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エチレン製造用熱分解反応管として有用な熱伝
達性にすぐれた熱分解反応管を提供する。 【解決手段】管内流体を急速加熱する加熱部と、所要の
反応時間を得るための保持部とからなる管路の少なくも
加熱部の管路内に、管内流体の攪拌部材としてフィン
(3)を有するバー(2)を管軸に沿って配置する。フ
ィン(3)は、例えば螺旋形状、円板形状等を有し、ま
たは点状突起としてバー(2)の表面に分散形成され
る。管内流体は、フィン(3)の攪拌作用による乱流形
成・均一混合効果として、断面径方向の中心部まで短時
間で所要温度に加熱昇温する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン・クラッ
キング・チューブ等として有用な熱伝達性にすぐれた石
油化学用熱分解反応管に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン,プロピレン等のオレフィン類
は、パラフィン系炭化水素を主成分とするナフサ・軽灯
油等を高温で熱分解し、分離精製することにより製造さ
れる。その熱分解反応は、加熱炉内に配置された熱分解
反応管(以下,単に「反応管」ともいう)に炭化水素を
含む原料流体を供給し、管内を高速流通させながら、管
の外部から加熱することにより行われる。加熱温度が高
い程、エチレンへの熱分解確率が高く、エチレンプラン
トでは約750 〜850 ℃の温度範囲が適用され、反応時間
は約0.2 〜0.6 秒である。上記反応管は、小径のチュー
ブ(上流側)と大径のチューブ(下流側)との組合せに
より構成されている。これは、小径チューブからなる上
流側領域で、管内流体の急速加熱を行わせ、大径チュー
ブからなる下流側領域で、所要の反応時間に保持すると
いう、加熱部と保持部の役割分担により、熱分解操業の
効率化・エチレン収率の向上等を図るものである。その
管路構成については、図8に示すように、入側端(a)
から出側端(b)まで単一の管路で形成したもの、図
9,図10のように、入側を並列する複数の管路で形成
し、中間領域でいくつかの分岐に合流させ、出側を一つ
の管路としたもの等、種々の工夫がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エチレンの熱分解反応
は、2Cn 2n+2→nC2 2 +2H2 (ナフサの場
合,n=5〜9)を狙ったものであるが、この反応に
は、オレフィンの二次反応として、エチレンの脱水素分
解反応によるアセチレンの生成があり、アセチレンは不
安定で更に分解して、遊離炭素および水素を生成する
(C2 4 →C2 2 +H2 、C2 2 →2C+
2 )。アセチレンの分解により生成する水素の分圧が
増大すると、メタンの生成反応が促進され、エチレンの
収率が低下する。また、遊離炭素は、反応管の内面に付
着・堆積し、その付着・堆積(コーキング)は、管内容
積の減少,反応管の総括熱伝達係数の低下等を招くほ
か、管体への拡散侵入(浸炭)による管材質の劣化を速
め、耐用寿命を低下させる原因ともなる。
【0004】上記オレフィンの二次反応を抑制防止する
には、管内流体を迅速に加熱昇温し、反応時間をできる
だけ短くするとよい。これは、オレフィンの二次反応が
エチレンへの熱分解反応に比べ、反応速度が格段に遅い
からであり、前記のように反応管の上流側を小径のチュ
ーブで形成しているのも、断面積の縮小・比表面積増大
の効果として、管路内の中心部まで短時間で所定の熱分
解温度に加熱昇温させようとするものである。しかし、
それでも管の内面に接する部分に比し、管内中心部付近
の昇温が遅延し、図7のように、断面径方向に大きな温
度勾配が生じる(図中,xは管軸、矢符cは原料流体の
流通方向、t 1,t 2,…t n は流体の等温線、t 1 <t 2
…< t nである)。このため、オレフィンの二次反応を
十分に抑制防止し得る程に、反応時間を短くするするこ
とはできない。加熱部のチューブの更なる小径化や管路
の分岐増設等のみでは、十分な対策とはなり難い。な
お、図11のように、管内面を凹凸波状とすることによ
り管内面の比表面積を大きくした反応管が提案されてい
るが、その形状効果も十分満足し得るものとはいい難
い。本発明は、このような問題を解決するための熱分解
反応管を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の石油化学用熱分
解反応管は、加熱部と保持部とからなる管路の少なくも
加熱部の管路内に、管内流体攪拌部材であるフィンを有
するバーが管軸に沿って配置されていることを特徴とし
ている。
【0006】
【発明の実施の形態】反応管の管軸に沿ってフィンを有
するバーを配置することにより、フィンの攪拌作用によ
る管内流体の乱流形成・均一混合効果として、管内流体
は管内面から中心部まで迅速に加熱昇温する。この熱伝
達性向上効果は、従来のような管径の縮小・比表面積増
大の効果として熱伝達性を高めている反応管に比し顕著
であり、管内流体の温度分布は、図6のように径方向の
勾配が著しく緩和され、管径の比較的大きな反応管にお
いても、管内流体を中心部まで短時間で昇温させ、オレ
フィンの二次反応の抑制防止に必要な反応時間の短縮を
可能にする。
【0007】図1は、本発明の熱分解反応管を模式的に
示している。(1)は管体、(2)はフィン(3)を備
えたバーであり、バー(2)は管軸(x)に一致して管
軸方向に配置されている。バー(2)は、中実棒または
パイプであり、その外表面に形成されるフィン(3)は
種々の形態が与えられる。図2〜図4はその例を示して
いる。図2は、バー(2)の周面に沿ってその軸方向に
螺回する螺旋状フィン(31 )を設けた例であり、図3
は円板形状を有するフィン(32 )をバー(2)の軸方
向に適宜の間隔をおいて設けた例である。また、図4
は、点状の突起からなるフィン(33)を散点模様状に
分散形成した例を示している。
【0008】フィン(3)の形状・サイズ等は、熱分解
反応管の管径(通常、内径約50〜150mm)や熱分解
操業条件等に応じて適宜設計されるが、例えばチューブ
内径(DT ) に対するフィンの差し渡し径(DF )の比
(DF / DT )は約0.5〜0.7、バー(2)表面か
らの突出高さ(HF )は約5〜10mmとされる。図2に
示した螺旋状フィン(31 )や、図3の円板状フィン
(32 )である場合のフィンのピッチ(隣合うフィンの
軸方向距離)は、例えば20〜40mmである。図2の螺
旋状フィン(31 )は、螺旋条数が2条である例を示し
ているが、螺旋条数はフィンのピッチや軸方向の傾斜角
度等に応じて適宜設定される。図4のように散点状突起
として形成されるフィン(33 )の分布パターンは、規
則的またはランダムな散点模様とすることができ、隣合
う突起間の距離が、例えば約10〜20mm程度であるよ
うな分布密度が与えられる。
【0009】フィン(3)は、図2〜図4のように、バ
ー(2)の周面に連続的に形成されるほか、図5のよう
に、バー(2)の軸方向に沿って、フィンを有しない領
域(N)を間において断続的に設けるようにしてもよ
い。また、フィンを有するバー(2)は、管内流体をで
きるだけ迅速に加熱昇温させるために、管路の上流側
(加熱部)に配置されるが、必ずしも上流側領域のみに
限定されず、熱分解操業の具体的諸条件により、管路の
入側端から出側端に到る適宜領域、例えば中間領域、そ
の他の領域にも、必要に応じて配置される。
【0010】バー(2)およびフィン(3)を構成する
金属材種は、石油化学用反応管の管材として使用されて
いる各種耐熱合金、例えばASTM HK40 材(0.4C-20Ni-25
Cr-Fe ),HP材(0.5C-35Ni-25Cr-Fe),あるいは0.5C-4
5Ni-30Cr-Fe 、インコロイ合金(45Cr-Ni 系)等を適用
すればよく、このほか熱分解反応環境に耐え得る各種耐
熱合金が適宜採用される。なお、バー(2)表面の突起
の形成は、例えば肉盛溶接法を適用し、プラズマ粉体ア
ーク溶接, ティグ溶接, ミグ溶接等によるビード肉盛層
として形成することができ、あるいは所要のフィン形状
に成形加工された部材をバー(2)の周面に溶接等によ
り接合する方法等を適用して形成することもむろん可能
である。
【0011】
【発明の効果】本発明の熱分解反応管は、管軸に沿って
管内に配置したフィンの攪拌作用により、チューブの単
なる小径化等では不可能な管内流体の急速・均一な加熱
昇温が可能であり、 (1)反応時間の短縮により、オレフィンの二次反応が抑
制防止され、エチレン収率が高められる。急速・均一加
熱昇温により管路の保持部領域での反応時間も短縮で
き、エチレン収率をより高めることができる。 (2)二次反応での遊離炭素の生成量が減少することによ
り、コーキングおよびそれに付随する管材質の劣化が抑
制され、反応管の耐用寿命が改善される。また、コーキ
ングが進むと、熱分解操業を一旦停止して、管内面の堆
積炭素を除去する作業(デコーキング作業)を実施しな
ければならないが、遊離炭素の減少により、デコーキン
グ作業の実施およびそのための炉運転の停止頻度が減少
する。 (3)チューブを小径化する必要がないので、従来の熱分
解反応管に比し、管径を大きくすることができ、管径拡
大による管内容積増大の効果としてエチレン製造能力が
高められる。また、同じエチレン製造能力を維持するに
必要な反応管の炉内設置本数を少なくでき、運転管理が
容易化、熱分解炉のコンパクト化等が可能となる、等の
諸効果が得られる。なお、管内面にフィンを設けた場合
にも、攪拌作用による管内流体の乱流形成効果として反
応管の熱伝達性を高めることができるが、管内面に設け
たフィンはフィンの近傍に管内流体の淀みを生じさせ、
管内面のコーキングを助長する要因となる。本発明はフ
ィンを管内面とは非接触に管内に配置しているので、そ
のような不都合を伴うことなく熱伝達性能を大きく高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱分解反応管を模式的に示す管軸方向
断面図である。
【図2】熱分解反応管内に配置されるフィンを有するバ
ーの例を示す正面図である。
【図3】熱分解反応管内に配置されるフィンを有するバ
ーの例を示す正面図である。
【図4】熱分解反応管内に配置されるフィンを有するバ
ーの例を示す側面図である。
【図5】バーの表面のフィンの分布形態の例を示す正面
図である。
【図6】熱分解反応管の管内流体の温度分布の説明図で
ある。
【図7】熱分解反応管の管内流体の温度分布の説明図で
ある。
【図8】熱分解反応管の管路構成の例を模式的に示す図
である。
【図9】熱分解反応管の管路構成の例を模式的に示す図
である。
【図10】熱分解反応管の管路構成の例を模式的に示す
図である。
【図11】従来の熱分解反応管の例を示す径方向断面図
である。
【符号の説明】
1: 管体 2: フィンを有するバー 3: フィン 31 : 螺旋状フィン 32 : 円板状フィン 33 : 点状突起フィン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱部と保持部とからなる管路の少なく
    も加熱部の管路内に、管内流体攪拌部材であるフィンを
    有するバーが管軸に沿って配置されていることを特徴と
    する石油化学用熱分解反応管。
JP10303996A 1996-04-25 1996-04-25 石油化学用熱分解反応管 Pending JPH09292191A (ja)

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