JP2019527805A - 分解炉 - Google Patents
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Abstract
Description
2つの分岐部があってもよく、その場合、分岐点はY分岐点であってもよい。
熱分解菅内の流体の下向きへの流れの場合には、頂部燃焼および/または側面燃焼が有益である。
内側本体が比較的高い輻射率を有すると好都合である。実際には、これは、それが光沢面ではなくて、つや消し面を有することを意味する。このようなつや消し面は、コークス層が形成される表面上に得られる。
内側本体は中実または中空であり得る。
他の実施形態では、例えば、より小さな直径の内側本体の場合には、内側本体は中実体であり得る。
螺旋状の中心線7、8は、振幅AおよびピッチPを有する。半径方向外側管状壁2の内径はD0として示され、内側本体3の外径はD1として示される。この明細書では、螺旋線の相対振幅は、螺旋線の振幅Aを半径方向外側管状壁の内径D0で割ったもの、すなわちA/D0とみなされる。相対ピッチは、ピッチPを半径方向外側管状壁の内径D0で割ったもの、すなわちP/D0とみなされる。
環状流路5は、長手方向中心軸6に対して半径方向に幅Wを有する。この第1のタイプの熱分解菅では、幅Wは流路5の環状部の周りで一定である。
半径方向外側管状壁2は螺旋状の中心線7を有し、この中心線は振幅AおよびピッチPを有する。
半径方向外側管状壁2の内径はD0として示され、内側本体3の外径はD1として示される。
内側本体3は螺旋形であり、その中心線8は、熱分解菅の長手方向中心軸6の周りの螺旋流路を辿る。内側本体3は、長手方向に見たときの内側本体の「設置面積」を含む仮想包絡柱10内に含まれる。長手方向中心軸6は、仮想包絡柱10の中心軸に沿って位置している。
内側本体3の螺旋状の中心線8はピッチPおよび振幅Aを有する。
半径方向外側管状壁2の内径はD0として示され、内側本体3の外径はD1として示される。
第1の下部移行部50の上端部は、環状渦巻流路31の半径方向外側管状壁2の下端部につながっている。したがって、第1の下部移行部50は、その螺旋状の中心線7をもった半径方向外側管状壁2からその直線の中心線をもった出口部42への移行をもたらす。
内側本体3は、その上端部に、内側本体3の外側および半径方向外側管状壁2の内側の周りで第1の上側移行部47から環状流路5に入る流れFを誘導するように構成されているオジーブ(分布曲線)60を有する。半径方向外側管状壁2も内側本体3も共に一致する螺旋状の中心線を有する。
内側本体3は、その下端部に、流れFが環状流路を離れるときに流れFを誘導するように構成されている第2のオジーブ(分布曲線)60を有する。
第1の上部移行部47は、上部入口部40と環状流れ部31との間に位置しており、第1の下部移行部50は、環状流れ部31と出口部42との間に位置している。第1の上部移行部47は、その下端部で熱分解菅1の環状渦巻流部31の半径方向外側管状壁2につながっている。それは、その直線の長手方向中心軸をもった上部入口部40から、その螺旋状の中心線7をもった半径方向外側管状壁2への移行をもたらす(図3参照)。
内側本体3は、その上端部に、内側本体3の外側かつ半径方向外側管状壁2の内側の周りで第1の上部移行部47から環状流路5に入る流れFを誘導するように構成されているオジーブ(分布曲線)60を有する。
内側本体3は、その下端部に、流れFが環状流路を離れるときに流れFを誘導するように構成されている第2のオジーブ(分布曲線)60を有する。
この場合、内側本体3は、螺旋状ではなく直線の中心線を有するが、図7に関して説明したのと同様の方法でその下端部で支持されている。さらなる詳細を図9に示す。したがって、支持機構51は、内側本体3の下部領域に設けられた支持体61を有する。
内側本体3は、半径方向外側管状壁2内のほぼ中央位置に留まるように、スペーサリング71と内側本体の頂部とによって緩く保持されている。スペーサリング71によって、その頂部で内側本体3にもたらされる緩い支持によって、半径方向外側の管状壁2および内側本体3の相対的な熱膨張が許容される。
第2の上部移行部48は、上部入口部40と環状流れ部31との間に位置しており、第2の下部移行部53は、環状流れ部31と出口部42との間に位置している。
第2の下部移行部53の上端部は、環状渦巻流部31の半径方向外側管状壁2の下端部につながっている。第2の下部移行部53は、円錐形であり、直線の中心線7とその直線の長手方向中心軸をもった出口部42の直径よりも大きな直径とを有する半径方向外側管状壁からの移行をもたらす。
内側本体3は、その下端部に、流れFが環状流路を離れるときに流れFを誘導するように構成されている第2のオジーブ(分布曲線)60を有する。
図12は、分解炉内で単一の流路の熱分解菅として使用するための(図1および2に示すような)第1のタイプに基づく熱分解菅1を示す。この場合、内側本体は、螺旋状に湾曲した長手方向フィン66が設けられている。螺旋状フィン66は、内側本体3の螺旋形状と同じ掌性をもった螺旋形状を有している。螺旋状フィン66、内側本体および半径方向外側管状壁2の位相は同相である。
図14は、分解炉内で単一の流路の熱分解菅として使用するための(図5及び図6に示すような)第3のタイプに基づく熱分解菅1を示す。この場合、内側本体は、螺旋状に湾曲した長手方向フィン66が設けられている。螺旋状フィン66は、内側本体3の螺旋形状と同じ掌性をもった螺旋形状を有している。螺旋状フィン66は、内側本体3と同相の螺旋形状を有している。
本明細書に開示されている他のすべての渦巻流部35と同様に、渦巻流部31は内部本体を有しておらず、もってその中に画定された通路は非環状である。通路はほぼ円形の断面形状を有する。
第1の下部移行部50は、環状渦巻流部31の下に、その環状渦巻流部と第1の真線の中間部37との間に位置している。第3の下部移行部54は、第2の直線の中間部37の上に、その部分37と渦巻流部35との間に位置している。第3の下部移行部54は、その直線の長手方向中心軸をもった第2の直線の中間部37と、その螺旋状の中心線をもった渦巻流部35との間の移行をもたらす。Uベンド菅部36は、第1および第2の直線の中間部37を接続するように構成されている。
図17は、熱分解菅1が貫通する頂部燃焼火室12を有する分解炉11を示す。火室12の屋根には一対の下向燃焼バーナー20が設けられている。バーナーは、それによってバーナーの炎が火室12の中へ下向きに向けられる燃料/空気混合物を受けるように構成されている。火室12はL字形を有し、使用時に煙道ガス23がそこを通って火室から排出される煙道ガス出口24を含む。
直線の入口部40はガスの流れFを受けるように構成されている。入口部40は、火室の燃焼ゾーン25内の環状渦巻流部31に接続されている第1の上部移行部47に接続されている。中間移行部34は、環状渦巻流部31の下に、その環状渦巻流部とその渦巻流部35との間に設けられている。第3の下部移行部54は、渦巻流部35の下に、その渦巻流部と出口部42との間に設けられている。
図17の構成は、螺旋流路の上流に螺旋状に曲がりくねる環状流路を提供する。
従って、図18の実施形態では、熱分解菅1は、螺旋状に曲がりくねる環状流路である環状流路5をもった上流部UPと、円筒形の半径方向外側管状壁を有し内側本体がない従来の円筒形の流れ部分である下流部DPとを有する。
図20の分解炉は、図17のものと同じ形状を有する熱分解菅1を備えている。ガスの流れFは、上から下への単一の流路で熱分解菅1を通り抜ける。図17に関する熱分解菅1の説明は、図20の熱分解菅1にも適用可能である。
図21は、火室12と熱分解菅1とを有する分解炉11の別の実施形態を示す。この実施形態の特徴は、図20のものと同じであり、もって図20の実施形態の説明は、図21の実施形態に適用可能である。図21の実施形態は、燃料/空気混合物21が供給されて火炎27を生成する側壁バーナー26をさらに備えている点で図20のものと異なる。
図24乃至図29は、熱分解菅1のデザインの変形を示す。すべてのこれらの変形では、熱分解菅1は、単一の下流部DPに流れ込む2つの上流部UP1とUP2とを有する。各場合、各上流部は、環状渦巻流部31を含む。各下流部は、渦巻流部35か、または従来の流れ部分33のいずれか、すなわち直線の中心線をもった円筒形の半径方向外側管状壁を有するものを含む。
図25の実施形態では、Y分岐部38の下流に、図24に示すような渦巻流部35ではなく、従来の流れ部分33が設けられている。従来の流れ部分33は、出口部42に直接接続されている。
図26も図27もその熱分解菅では、下流部DPは、上流部UP1とUP2との間に位置している。例えば図17乃至図23の構成のいずれかに示されるように、このような熱分解菅が分解炉内のバーナー間に位置するとき、下流部DPは、上流部UP1およびUP2よりもバーナーからより熱遮蔽される。本効果は、炉からの入熱が、菅がバーナーからの輻射熱に直接さらされる場合により大きくなり、そうでない場合により小さくなるのではなく、下流部DPを形成する熱分解菅の一部の周囲の周りで比較的均一であることである。このデザインは、下流部の菅の壁を半径方向に通る熱流束プロファイルが理想に近く、菅の周囲の周りでほぼ同様のプロファイルを有する傾向にあるという利点を有する。これは、ピークの管金属温度と平均管金属温度との差が最小になり、したがって、デコーキング操作間の熱分解管の運転の長さを延長するようにピークの熱流束と平均熱流束との差を減少させる。
図29の実施形態は、下流部DPが従来の流れ部分33である、すなわち直線の中心線をもった円筒形の半径方向外側管状壁を有する点で図28のものとは異なる。従来の流れ部分33は、その上端部でUベンド管部36に直接接続され、その下端部で直線の出口部42に直接接続されている。
上記のすべての実施形態には、ガスが熱分解菅に沿って流れるときのガスの循環が促進される螺旋状に曲がりくねる環状流路がある。環状流路内のガスの流れの循環の促進は、ガスへの伝熱を改善する。旋回流は、軸方向速度成分の上に半径方向速度成分を有するガス、いわゆる渦巻流をもたらすことができる。環状通路内の渦巻流は対流伝熱を改善する一方、内側本体は環状流路を促進する旋回流を作るのに役立つ。対流伝熱が改善されるため、従来のものと比較してより短い長さの熱分解菅を使用してガスへの同量の伝熱を達成することができる。これは、今度は、少ない滞留時間を達成し、そして収率、すなわち所望の分解生成物の生成を改善する。
参照:van Goethem, M.W. .,Jelsma, E., 2014. Numerical and experimental study of enhanced heat transfer and pressure drop for high temperature applications; Chemical Engineering Research and Design 92, 663-671.
この記事は、従来の流れと渦巻流とを比較する計算流体力学(CFD)研究の結果を含む。
本明細書のために、環状渦巻流のCFD研究を同じ基準で行った。分解炉における3タイプの熱分解菅の性能の間で比較を行った。結果を以下の表に示す。
「渦巻流」という見出しの欄は、螺旋状の中心線と非閉塞の流れ管腔を有する、すなわち内側本体を有しない、特許文献3から知られているタイプの熱分解菅に関する。この場合、螺旋の振幅Aは16.8mmであり、ピッチPは434mmであった。表から、菅の内径D0は56mmであったことが理解されよう。したがって、螺旋状の中心線の相対振幅はA/D0=30%であった。相対ピッチP/D0は7.75であった。
したがって、相対振幅A/D0は0.3であり、相対ピッチP/D0は7.75であった。
熱分解菅への平均ガス入口温度と平均ガス出口温度もすべての場合に等しいように設定された。このように、菅は、「デューティ」すなわち出口の温度差を上記のようにすることが各場合に同じであるように大きさを決められた(長さおよび直径)。
結果は、熱分解菅の形状が菅の長さと滞留時間に対する効果を強調する表である。表から、螺旋状の中心線(渦巻流)をもった熱分解菅は、熱分解菅の長さを従来の熱分解菅のものの72%まで減少させ、そして滞留時間は従来の熱分解菅のものの84%まで減少することが理解され得る。
しかし、本発明のある実施形態を用いる例(「環状渦巻流」)は、これらのパラメータのより大きな減少をもたらす。長さは100%から54%に46%短縮されている。重要なことには、滞留時間は100%から77%に23%短縮されている。滞留時間は、これがプロセスの選択性を決定するため、最も重要なパラメータである。同じ温度および圧力の条件下の滞留時間の短縮は、一次分解生成物、すなわちエチレン、プロピレン、ブタジエンに対する選択性の改善をもたらす。
Claims (23)
- 流体の流れを運ぶための熱分解菅を含む分解炉であって、前記熱分解菅が環状流路を一緒に画定する半径方向内側本体と半径方向外側壁とを含み、前記半径方向内側本体と前記半径方向外側壁との少なくとも1つが、流体が熱分解菅に沿って流れるにつれて流体の循環を促進するように、熱分解菅の長手方向に螺旋状に延びる中心線を有している、分解炉。
- エチレンを製造するための分解炉であって、前記熱分解菅がガス流を運ぶためのものである、請求項1に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅が、前記環状流路の下流の半径方向外側壁によって画定された非環状流路を備えている、請求項1または2に記載の分解炉。
- 前記非環状流路の前記半径方向外側壁が、前記熱分解菅の長手方向に螺旋状に延びる中心線を有している、請求項3に記載の分解炉。
- 前記非環状流路の前記半径方向外側壁が、前記熱分解菅の長手方向に直線の中心線を有している、請求項3に記載の分解炉。
- 前記環状流路の前記半径方向外側壁が、前記非環状流路の前記半径方向外側壁の内径よりも大きな内径を有している、請求項3、4または5に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅が、前記分解炉内を延びる長さを有しており、前記環状流路が前記熱分解菅の前記長さの50%以下の長さを有している、請求項3に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅が、各々それぞれの環状流路を一緒に画定するそれぞれの半径方向内側本体とそれぞれの半径方向外側壁とを有する複数の分岐部であって、各分岐部の前記半径方向内側本体と前記半径方向外側壁との少なくとも一方が、流体流れの循環を促進するように構成されており、分岐点で一緒につながっている分岐部と非環状流路とが分岐部の下流に設けられている複数の分岐部を含む、請求項3乃至7のいずれか一項に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅が延びる分解炉の燃焼領域に少なくとも1つのバーナーを含み、前記熱分解菅が炉内で前記燃焼領域から離れて下流に延びている、請求項1に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅が、入口からそこへ下向きに延びている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の分解炉。
- 前記内側本体が中空である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の分解炉
- 前記半径方向内側本体も前記半径方向外側壁も、前記熱分解菅の長手方向に螺旋状に延びるそれぞれの中心線を有している、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の分解炉。
- 前記中心線が一致している、請求項12に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅の長手方向と直角に測定される前記環状流路の幅が、前記半径方向外側菅の直径の25%以下である、請求項13に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅の長手方向と直角に測定される前記環状流路の幅が、前記菅の円周方向に変化する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の分解炉。
- 前記半径方向内側本体が直線の中心線を有し、前記半径方向外側壁が螺旋状に延びる中心線を有している、請求項1乃至11または15のいずれか一項に記載の分解炉。
- 前記半径方向内側本体が螺旋状に延びる中心線を有し、前記半径方向外側壁が直線の中心線を有している、請求項1乃至11または15のいずれか一項に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅の長手方向と直角に測定される前記環状流路の最大幅が、前記半径方向外側菅の直径の半分以下である、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の分解炉。
- 長手方向に間隔をあけた支持体が、熱分解菅内に内側本体を支持するために設けられ、第1のこのような支持体が半径方向外側壁および内側本体に固定されており、第2のこのような支持体が、半径方向外側壁に固定され、かつ内側本体の半径方向外側に位置しているが、そこへ固定されていない少なくとも1つの支持部材を含む、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の分解炉。
- 前記熱分解菅が、前記分解炉を通る流れの二重の流路を提供し、第1の流路の上流部と第2の流路の下流部とを含み、前記下流部が、前記分解炉のバーナーに対して少なくともある程度まで上流部の影の中にある、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の分解炉。
- 前記半径方向内側本体および/または前記半径方向外側壁が、前記環状流路内に突出する少なくとも1つの螺旋状突起を有している、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の分解炉。
- 炭化水素原料を熱分解して分解生成物を製造する方法であって、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の分解炉の熱分解菅に前記炭化水素原料を供給する工程を含む方法。
- エチレン、プロピレンおよびブタジエンの少なくとも1つを製造する工程を含む、請求項22に記載の方法。
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