JPH09290595A - ノック式筆記具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ノック時の作動感触が好ましく、高級なノック
式筆記具にも適用可能な「ハート式」のノック式筆記具
を提供する。 【解決手段】ノック部材４の外周面に、突出位置と没入
位置を有する略ハート型のカム溝５１が形成された回転
カム５が配置されるとともに、カムフォローア６がカム
溝５１に填め込まれ、ノック操作により、カムフォロー
ア６がカム溝５１の突出位置と没入位置の間を移動する
ことによりレフィール２先端の筆記部２１が軸筒１の先
端開口１２より出没するノック式筆記具において、カム
フォローア６を軸筒１回転可能に取り付け、ノック操作
時にカムフオローア６がカム溝５１内を回転しながら移
動するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、略ハート型のカム
溝が形成された回転カムを内蔵した「ハート式」のノッ
ク式筆記具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】軸筒の尾端開口から突出したノック部材
を押圧するノック操作を繰り返すことにより、レフィー
ル先端の筆記部が軸筒の先端開口から出没するダブルノ
ック式の筆記具は、数多く実用化されているが、このダ
ブルノック式の出没機構として、「回転ノック式」や
「ハート式」が広く実用化されている。

【０００３】「ハート式」は、突出位置と没入位置を有
する略ハート型のカム溝が形成された回転カムがノック
部材の外周面に配置されるとともに、カムフォローアが
カム溝に填め込まれており、ノック操作により、カムフ
ォローアがカム溝の突出位置と没入位置の間を移動し、
これによってレフィール先端の筆記部が軸筒の先端開口
より出没するものである。かかる「ハート式」の筆記具
は、出没機構がコンパクトであり、径方向や長さ方向の
スペースが少ない場合にも出没機構を収納できる利点を
有する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところでかかる「ハー
ト式」の筆記具において、カムフォローアは、軸筒また
は軸筒内に配置された筒状体の内壁から台形突起を打ち
出すことにより形成されけていた。つまり、カムフォロ
ーアは、軸筒または軸筒内に配置された筒状体の一体物
として成形されていた。また、打ち出されたカムフォロ
ーアは、寸法精度が出しにくく、また表面が粗い面にな
る。

【０００５】ノック時には、かかるカムフォローアがカ
ム溝に沿って移動するが、このとき、カムフォローアの
側面とカム溝の側面が回転カムに回転力を与えながら滑
って移動するので、寸法精度の低いカムフォローアの粗
い側面がカム溝の側面に沿って摺動することになり、従
って、摺動抵抗が大きく、円滑に作動しない。このた
め、ノック時の作動感触が好ましくなく、高級なノック
式筆記具には適用しにくい問題点がある。

【０００６】そこで本発明は、ノック時の作動感触が好
ましく、高級なノック式筆記具にも適用可能な「ハート
式」のノック式筆記具を提供することを目的とするもの
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、スプリングで尾端方向に付勢された状
態で軸筒内に配置されたレフィールの尾端面に当接する
ノック部材の外周面に、突出位置と没入位置を有する略
ハート型のカム溝が形成された回転カムが配置されると
ともに、カムフォローアが該カム溝に填め込まれ、ノッ
ク操作により、カムフォローアがカム溝の突出位置と没
入位置の間を移動することによりレフィール先端の筆記
部が軸筒の先端開口より出没するノック式筆記具におい
て、別途に形成されたカムフォローアを軸筒もしくは軸
筒内に配置された筒状体に回転可能に取り付け、ノック
操作時にカムフオローアがカム溝内を回転しながら移動
するようにする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。図１において、金属製
のパイプからなる軸筒１の先端に、合成樹脂からなるテ
ーパー状の先口１１が螺着されている。先口１１は先端
開口１２を有し、軸筒１は尾端開口１３を有する。

【０００９】軸筒１内には、水性インキを内蔵したボー
ルペンレフィール２がスプリング２２で尾端側に弾発さ
れた状態で収容されている。ボールペンレフィール２
は、その先端に、ボールを回転自由に抱持した筆記部２
１を有する。そして、ボールペンレフィール２の尾端
は、ハート式の出没機構の構成部品であるノック部材４
に接している。

【００１０】本発明における出没機構は、周知のハート
式の出没機構であり、この出没機構は、ノック部材４、
回転カム５、およびカムフォローア６で構成されてい
る。ノック部材４は、その尾端にノックカバー４１が嵌
着されて尾端開口１３から突出している。従って、ノッ
ク部材４とノックカバー４１で広義のノック部材を構成
している。

【００１１】ノック部材４の外周には、筒状の回転カム
５が回転自由に配置されている。回転カム５の外周に
は、図３の展開図に示すように、略ハート型のカム溝５
１が形成されいる。カム溝５１の下端が没入位置Ａであ
り、ほぼ中央の係止部が突出位置Ｂである。また、カム
溝５１の２個の上端がそれぞれノック終端位置Ｃおよび
ノック終端位置Ｄである。そして、カム溝５１にはカム
フォローア６が填め込まれている。

【００１２】カムフォローア６は、図４に示すように、
外周面が幾分傾斜した本体６１と本体６１よりもやや小
径の首部６３および円盤状の抑え部６２からなる。そし
て、このカムフォローア６が軸筒１に穿設された円形孔
１４に弾性を利用して圧入することによって、首部６３
が円形孔１４に遊嵌し、カムフォローア６は軸筒１に回
転可能に取り付けられている。つまり、カムフォローア
６は軸筒１の一体物ではなく、別部品になっている。な
お、図示しないが、軸筒１内に筒状体を配置し、カムフ
ォローア６を筒状体の円形孔に回転可能に取り付けても
よい。この場合は、抑え部６２が外部から見えず、外観
上は好ましい。

【００１３】しかして、図１に示す状態から、スプリン
グ２２の弾発力に抗してノックカバー４１を押圧してノ
ック操作を行うと、ボールペンレフィール２が前進して
筆記部２１が先端開口１２から突出して図２に示す状態
になるが、このとき、カムフォローア６は、回転カム５
を回転させながらカム溝５１下端の没入位置Ａからノッ
ク終端位置Ｃに移動し、ノック操作を解除すると、スプ
リング２２の弾発力でノック部材４が幾分後退してカム
フォローア６は突出位置Ｂに係止し、筆圧を受け止める
ようになっている。

【００１４】また、筆記部２１が先端開口１２から突出
した図２に示す状態からノック操作を行うと、カムフォ
ローア６は回転カム５を回転させながら突出位置Ｂから
ノック終端位置Ｄに移動し、ノック操作を解除すると、
スプリング２２の弾発力でノック終端位置Ｄから下端の
没入位置Ａに移動し、筆記部２１が没入した図１に示す
状態になる。

【００１５】このように、ノック操作を行うと、カムフ
ォローア６は回転カム５を回転させながらカム溝５１に
沿って移動するが、カムフォローア６が軸筒１に回転可
能に取り付けられているので、カム溝５１に沿って移動
する際に摺動することなく回転する。また、カム溝５１
は軸筒１から打ち出したものではなく別部品であるの
で、寸法精度良く製作することができ、また表面をバレ
ル研磨などで滑らかに仕上げることができる。従って、
カムフォローア６はカム溝５１に沿ってスムーズに移動
し、ノック時の作動感触がきわめて良好になり、高級な
ノック式筆記具に適用することができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の「ハート
式」のノック式筆記具は、略ハート型のカム溝に沿って
移動するカムフォローアを軸筒もしくは軸筒内に配置さ
れた筒状体に回転可能に取り付け、ノック操作時にカム
フオローアがカム溝内を回転しながら移動するようにし
たので、ノック時の作動感触がきわめて良好になり、高
級なノック式筆記具に適用することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】筆記部が没入した状態の断面図である。

【図２】筆記部が先端開口から突出した状態の断面図で
ある。

【図３】カム溝の展開図である。

【図４】カムフォローアの取付状態の説明図である。

【符号の説明】

１ 軸筒 １１ 先口 １２ 先端開口 ２ レフィール ２１ 筆記部 ２２ スプリング ４ ノック部材 ４１ ノックカバー ５ 回転カム ５１ カム溝 ６ カムフォローア

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スプリングで尾端方向に付勢された状態
   で軸筒内に配置されたレフィールの尾端面に当接するノ
   ック部材の外周面に、突出位置と没入位置を有する略ハ
   ート型のカム溝が形成された回転カムが配置されるとと
   もに、カムフォローアが該カム溝に填め込まれ、ノック
   操作により、カムフォローアがカム溝の突出位置と没入
   位置の間を移動することによりレフィール先端の筆記部
   が軸筒の先端開口より出没するノック式筆記具におい
   て、 前記カムフォローアは、軸筒もしくは軸筒内に配置され
   た筒状体に回転可能に取り付けられ、ノック操作時にカ
   ム溝内を回転しながら移動することを特徴とするノック
   式筆記具。