JPH09289899A - α−アミラーゼ活性測定用基質、測定試薬及び測定方法 - Google Patents

α−アミラーゼ活性測定用基質、測定試薬及び測定方法

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JPH09289899A
JPH09289899A JP6236697A JP6236697A JPH09289899A JP H09289899 A JPH09289899 A JP H09289899A JP 6236697 A JP6236697 A JP 6236697A JP 6236697 A JP6236697 A JP 6236697A JP H09289899 A JPH09289899 A JP H09289899A
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amylase
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JP6236697A
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Nobuo Hisae
信雄 久江
Tomohiro Saito
知弘 斉藤
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SHINOTESUTO KK
Shino Test Corp
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SHINOTESUTO KK
Shino Test Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】共役酵素を使用せずにα−アミラーゼ活性を測
定することができ、長期間正確な測定値が得られるα−
アミラーゼ活性測定用の基質、測定試薬及び測定方法の
提供。 【解決手段】一般式(I) (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子あるいは、非置
換又は置換の低級アルキル基、低級アルコキシル基又は
フェニル基であり、R1 とR2 は互いに架橋していても
よく、R3 及びR4 は、同一若しくは異なって、水素原
子、水酸基、低級アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子
又はニトロ基であり、nは0又は1である、但し、R1
とR2 は同時に水素であることはない)で表される化合
物よりなる共役酵素を必要としないα−アミラーゼ活性
測定用の基質。また、前記化合物を基質として含有し、
かつ共役酵素を含有しないα−アミラーゼ活性測定試
薬。更に、前記化合物を基質として用い、共役酵素を介
在させずに測定を行うα−アミラーゼ活性測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、還元末端並びに非
還元末端において誘導体化されたマルトオリゴ糖化合物
よりなる共役酵素を必要としないα−アミラーゼ活性測
定用の基質、前記マルトオリゴ糖誘導体化合物を基質と
して含有し、かつ共役酵素を含有しないα−アミラーゼ
活性測定試薬及び前記マルトオリゴ糖誘導体化合物を共
役酵素を介在させずにα−アミラーゼと反応させること
よりなる試料中のα−アミラーゼ活性測定方法に関する
ものである。本発明は、臨床検査分野及び食品分野など
において特に重要であるα−アミラーゼの活性測定に適
するものである。本発明のα−アミラーゼ活性測定用の
基質は、α−アミラーゼの基質として共役酵素を介在さ
せずにα−アミラーゼ活性の測定が可能となり、かつ転
移反応を生じさせることなく正確なα−アミラーゼ活性
の測定を可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】α−アミラーゼ[E.C.3.2.1.
1]は、澱粉又はグリコーゲン等の糖質中のグルコース
単位間のα−1,4グリコシド結合を加水分解するエン
ド型配糖体加水分解酵素である。このα−アミラーゼ
は、人体中では主として膵臓及び唾液腺で産生され、急
性膵炎又は流行性耳下腺炎発症時に血清、血漿又は尿等
中の活性値が上昇することから、その活性の測定が疾患
の診断の場で広く行われている。
【0003】従来より、α−アミラーゼ活性測定方法と
しては、α−アミラーゼに澱粉を基質として反応させ
て、残存する澱粉の量をヨード澱粉反応により測定する
アミロクラスティック(Amyloclastic)
法、α−アミラーゼによって分解生成される糖の還元能
を測定するサッカロジェニック(Saccharoge
nic)法又はα−アミラーゼに色素を結合させた澱粉
を基質として反応させて、これにより遊離する色素結合
オリゴ糖の量を測定するクロモジェニック(Chrom
ogenic)法等が知られているが、これらの測定方
法はいずれも操作が煩雑であって、測定の再現性が悪い
などの問題点を有していた。
【0004】また、近年、マルトオリゴ糖の還元末端に
置換されたフェニル基などを結合させた4−ニトロフェ
ニル−α−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニ
ル−α−D−マルトヘキサオシド又は4−ニトロフェニ
ル−α−D−マルトヘプタオシド等のマルトオリゴ糖誘
導体を基質として用い、これが試料中のα−アミラーゼ
によって分解されることにより生成してくる4−ニトロ
フェニル−α−D−マルトテトラオシド、4−ニトロフ
ェニル−α−D−マルトトリオシド、4−ニトロフェニ
ル−α−D−マルトシド又は4−ニトロフェニル−α−
D−グルコシド等を、共役酵素としてのα−グルコシダ
ーゼ又はα−グルコシダーゼ並びにβ−グルコシダーゼ
で更に分解し、これにより生成した4−ニトロフェノー
ル等の遊離の置換されたフェノールの量を、吸光度を測
定することにより定量して、試料中のα−アミラーゼ活
性を測定する方法が開発された(特開昭53−1109
2号公報、特開昭54−51892号公報)。しかしな
がら、これらの測定方法は、測定試薬に含まれるα−グ
ルコシダーゼ等の共役酵素により基質が分解され、測定
試薬の保存中又は測定中に試薬ブランク値が上昇して、
測定試薬の性能が劣化するという問題点を有していた。
【0005】この問題点を解決するためにマルトオリゴ
糖の非還元末端をアルキル基、フェニル基又はこれらの
誘導体で修飾し、還元末端に置換されたフェニル基等を
結合させた、4,6−O−エチリデン−4−ニトロフェ
ニル−α−D−マルトヘプタオシド、4,6−O−ベン
ジリデン−4−ニトロフェニル−α−D−マルトヘプタ
オシド又は4,6−O−イソプロピリデン−2−クロロ
−4−ニトロフェニル−α−D−マルトペンタオシド等
のマルトオリゴ糖誘導体を基質として用い、α−グルコ
シダーゼ又はα−グルコシダーゼ並びにβ−グルコシダ
ーゼを共役酵素として使用して、共役酵素による基質の
分解を抑制する測定方法が考え出され(特開昭60−5
4395号公報、特開昭60−87297号公報)、更
にこれに共役酵素としてα−グルコシダーゼ又はα−グ
ルコシダーゼ並びにβ−グルコシダーゼと共にグルコア
ミラーゼを用いることにより、分解速度が遅かった4−
ニトロフェニル−α−D−マルトテトラオシド等のテト
ラオシド誘導体を迅速に分解して、置換されたフェノー
ルを遊離させる測定方法が考え出された(特開昭61−
63299号公報)。
【0006】しかしながら、これらの測定方法は、α−
グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ又はグルコアミラ
ーゼ等の共役酵素を必要とするため、 測定反応がα−アミラーゼによる反応と各共役酵素
による反応の2段階又は3段階の反応よりなり、直接α
−アミラーゼ活性を測定することが出来ない、 2段階又は3段階の反応により測定するため、測定
反応が定常状態となって測定可能となるまでに1〜3分
間の時間がかかる(ラグフェーズを有する)、 共役酵素中に不純物として含まれている微量のα−
アミラーゼが基質を徐々に分解し、試薬ブランクを上昇
させる、 共役酵素を添加するため測定のコストが高いものに
なる、等の問題点を有していた。
【0007】共役酵素を使用しないα−アミラーゼ活性
測定方法として、マルトトリオース又はマルトースの還
元末端に、置換された4−ニトロフェニル基又は置換さ
れたナフチル基を結合させた、2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−α−D−マルトトリオシド(以下、G3CN
Pと略記することがある)又は4−クロロ−2−ニトロ
−1−ナフチル−α−D−マルトトリオシド等のマルト
トリオース誘導体又はマルトース誘導体を基質として用
い、これが試料中のα−アミラーゼによって分解される
ことにより生成してくる遊離の置換された4−ニトロフ
ェノール又は遊離の置換されたナフタレンの量を測定す
ることにより、試料中のα−アミラーゼ活性を測定する
方法が考え出された(特開昭63−183595号公
報)。この2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−
マルトトリオシドの構造を下に示した。
【0008】
【化4】
【0009】しかしながら、この測定方法については、
G3CNPを基質とした場合のα−アミラーゼとの反応
機構を検討した結果、基質とα−アミラーゼの反応によ
り本来生成される2−クロロ−4−ニトロフェノール及
びマルトトリオース以外に、マルトース、マルトテトラ
オース、2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マ
ルトシド及び2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D
−マルトヘキサオシドが生成し、元の基質より大きなマ
ルトオリゴ糖及びマルトオリゴ糖誘導体の生成が確認さ
れた。(菅沼ら「第20回日本臨床化学会冬期セミナープ
ログラム・抄録集」,35頁,1994年) この報告によると、α−アミラーゼ−マルトトリオース
複合体(活性中間体)の一部は更に1分子の基質と反応
して2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルト
ヘキサオシドを生成し(転移反応)、これがα−アミラ
ーゼにより再び反応を受け分解されてマルトース、マル
トテトラオース及び2−クロロ−4−ニトロフェニル−
α−D−マルトシドが生成すると考えられるとされてい
る。
【0010】この報告に記載された反応を下に示した
が、前記のようにこの測定方法では、 1分子の基質にα−アミラーゼが複数回反応してし
まう可能性があり(ダブルアタック)、α−アミラーゼ
の1回の反応を正確に捕えることができない、 転移反応により生じた元の基質より大きなマルトオ
リゴ糖又はマルトオリゴ糖誘導体が再びα−アミラーゼ
により分解され、生成した2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−α−D−マルトシド等のマルトース誘導体又はグ
ルコース誘導体は、シグナルとして検出することができ
ないので、やはりα−アミラーゼによる反応を正確に検
出することができない、との問題点が存在した。
【0011】
【化5】
【0012】また、マルトトリオース又はマルトースの
還元末端に置換されたインドフェニル基を結合させた、
2’,2,6−トリクロロ−インドフェニル−α−D−
マルトトリオシド等を基質として用い、共役酵素を使用
することなしに試料中のα−アミラーゼ活性を測定する
方法が報告され、更にマルトトリオース又はマルトース
の非還元末端をアルキル基、フェニル基又はこれらの誘
導体で修飾し、還元末端に置換されたインドフェニル基
を結合させた化合物としてイソプロピリデン−2’,
2,6−トリクロロ−インドフェニル−α−D−マルト
トリオシドが開示された。(特表平5−507094号
公報)。しかし、この基質は構造が複雑であり、その合
成には4段階のステップが必要であって煩雑である。
【0013】そして、マルトテトラオース、マルトトリ
オース又はマルトースの非還元末端をβ−ガラクトピラ
ノシル基で修飾し、還元末端に結合が切断されたときに
測定可能な物質となる基を結合させた2−クロロ−4−
ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル
−α−D−マルトシド等を基質として用い、共役酵素を
使用することなしに試料中のα−アミラーゼ活性を測定
する方法が報告されているが十分ではない(特開平6−
315399号公報)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の
α−アミラーゼ活性測定用の基質、α−アミラーゼ活性
測定試薬及びα−アミラーゼ活性測定方法において、 アミロクラスティック法、サッカロジェニック法及
びクロモジェニック法等は、操作が煩雑であって測定の
再現性が悪いものであり、 置換されたフェニル基等を還元末端に結合させたマ
ルトオリゴ糖誘導体を基質とし、共役酵素を必要とする
測定方法は、保存中又は測定中に共役酵素により基質が
分解され、試薬ブランクが上昇して測定試薬の性能が劣
化するものであり、 非還元末端をアルキル基等で修
飾しかつ還元末端に置換されたフェニル基等を結合させ
たマルトオリゴ糖誘導体を基質として、共役酵素を必要
とする測定方法は、直接α−アミラーゼの活性を測定す
ることができず、測定反応が定常状態になり測定可能と
なるまでに時間がかかり(ラグフェーズを有し)、共役
酵素中に不純物として含まれる微量のα−アミラーゼに
より測定値が正の誤差を受け、そして共役酵素の原料費
により測定のコストが高いというものであり、 従来の、マルトテトラオース誘導体、マルトトリオ
ース誘導体又はマルトース誘導体を基質とし、共役酵素
を使用しない測定方法は、転移反応により生成した元の
基質より大きなマルトオリゴ糖又はマルトオリゴ糖誘導
体が再びα−アミラーゼにより反応を受けて分解される
ことより、α−アミラーゼによる反応を正確に検出する
ことができなかったり、基質の合成が煩雑なものであっ
た。
【0015】本発明者らは、これらの従来のα−アミラ
ーゼ活性測定方法等が有する課題を解決すべく鋭意検討
を行った結果、還元末端及び非還元末端が特定の官能基
により誘導体化されたマルトオリゴ糖化合物をα−アミ
ラーゼの活性測定の基質として用いることにより、前記
の課題が解決できることを見出し、α−アミラーゼと
の親和性に優れているため共役酵素を使用せずにα−ア
ミラーゼ活性を測定することができ、基質の分解が抑
えられることにより長期間正確な測定値を得ることがで
き、ラグフェーズを有さず、共役酵素中の不純物に
よる正誤差がなく、低コストで測定を行うことがで
き、元の基質より大きなマルトオリゴ糖又はマルトオ
リゴ糖誘導体を生成する転移反応を完全に防げることに
より測定値が正確であり、基質の合成が容易であり、
かつ測定操作が簡便で再現性のよい、α−アミラーゼ
活性測定用の基質、α−アミラーゼ活性測定試薬及びα
−アミラーゼ活性測定方法を完成するに至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の発明を提
供する。
【0017】(1) 一般式(I)
【化6】 (式中、R1 は水素原子あるいは、置換されていないか
若しくは置換されている、低級アルキル基、低級アルコ
キシル基又はフェニル基であり、R2 は水素原子あるい
は、置換されていないか若しくは置換されている、低級
アルキル基、低級アルコキシル基又はフェニル基であ
り、R1 とR2 は互いに架橋していてもよく、R3 及び
4 は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、低
級アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子又はニトロ基で
あり、nは0又は1である、但し、R1 とR2 は同時に
水素原子であることはない)で表される化合物よりな
る、共役酵素を必要としないα−アミラーゼ活性測定用
の基質。
【0018】(2) 一般式(I)
【化7】 (式中、R1 は水素原子あるいは、置換されていないか
若しくは置換されている、低級アルキル基、低級アルコ
キシル基又はフェニル基であり、R2 は水素原子あるい
は、置換されていないか若しくは置換されている、低級
アルキル基、低級アルコキシル基又はフェニル基であ
り、R1 とR2 は互いに架橋していてもよく、R3 及び
4 は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、低
級アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子又はニトロ基で
あり、nは0又は1である、但し、R1 とR2 は同時に
水素原子であることはない)で表される化合物を基質と
して含有し、かつ共役酵素を含有しないα−アミラーゼ
活性測定試薬。
【0019】(3) (a) 一般式(I)
【化8】 (式中、R1 は水素原子あるいは、置換されていないか
若しくは置換されている、低級アルキル基、低級アルコ
キシル基又はフェニル基であり、R2 は水素原子あるい
は、置換されていないか若しくは置換されている、低級
アルキル基、低級アルコキシル基又はフェニル基であ
り、R1 とR2 は互いに架橋していてもよく、R3 及び
4 は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、低
級アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子又はニトロ基で
あり、nは0又は1である、但し、R1 とR2 は同時に
水素原子であることはない)で表される化合物を基質と
してα−アミラーゼを含有すると推測される試料と混合
し、前記の試料中に含有されるα−アミラーゼを前記の
化合物と反応させ、共役酵素を介在させずに前記の化合
物の還元末端側の置換されたフェニル基を遊離させ、
(b) この遊離した置換されたフェノールの量を測定
することよりなる試料中のα−アミラーゼ活性測定方
法。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明における共役酵素を必要と
しないα−アミラーゼ活性測定用の基質は、マルトシド
又はマルトトリオシドであり、一般式(I)(式中、R
1 は水素原子あるいは、置換されていないか若しくは置
換されている、低級アルキル基、低級アルコキシル基又
はフェニル基であり、R2 は水素原子あるいは、置換さ
れていないか若しくは置換されている、低級アルキル
基、低級アルコキシル基又はフェニル基であり、R1
2 は互いに架橋していてもよく、R3 及びR4 は、同
一若しくは異なって、水素原子、水酸基、低級アルキル
基、アミノ基、ハロゲン原子又はニトロ基であり、nは
0又は1である、但し、R1 とR2 は同時に水素原子で
あることはない)で表される化合物よりなる。
【0021】前記の一般式(I)で表される化合物より
なるα−アミラーゼ活性測定用の基質において、低級ア
ルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プ
ロピル基及びイソプロピル基等を挙げることができる。
低級アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基及びイソプロポキシ基等を挙げること
ができる。また、R1 とR2 が架橋した置換基として
は、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、イ
ソプロピリデン基、ベンジリデン基、ジメトキシメチリ
デン基及びジエトキシメチリデン基等を挙げることがで
きる。
【0022】一般式(I)で表される化合物よりなるα
−アミラーゼ活性測定用の基質のうち、当該マルトオリ
ゴ糖の還元末端に2−クロロ−4−ニトロフェニル基を
有する基質としては、4,6−O−メチリデン−2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシ
ド、4,6−O−エチリデン−2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−α−D−マルトトリオシド、4,6−O−イ
ソプロピリデン−2−クロロ−4−ニトロフェニル−α
−D−マルトトリオシド、4,6−O−ベンジリデン−
2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリ
オシド、4,6−O−ジメトキシメチリデン−2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド、
4,6−O−ジエトキシメチリデン−2−クロロ−4−
ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド、4,6−
O−エチリデン−2−クロロ−4−ニトロフェニル−α
−D−マルトシド及び4,6−O−ジメトキシメチリデ
ン−2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルト
シド等を挙げることができる。
【0023】また、一般式(I)で表される化合物より
なるα−アミラーゼ活性測定用の基質のうち、当該マル
トオリゴ糖の還元末端に4−ニトロフェニル基を有する
基質としては、4,6−O−メチリデン−4−ニトロフ
ェニル−α−D−マルトトリオシド、4,6−O−エチ
リデン−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシ
ド、4,6−O−イソプロピリデン−4−ニトロフェニ
ル−α−D−マルトトリオシド、4,6−O−ベンジリ
デン−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシ
ド、4,6−O−ジメトキシメチリデン−4−ニトロフ
ェニル−α−D−マルトトリオシド、4,6−O−ジエ
トキシメチリデン−4−ニトロフェニル−α−D−マル
トトリオシド、4,6−O−エチリデン−4−ニトロフ
ェニル−α−D−マルトシド及び4,6−O−ジメトキ
シメチリデン−4−ニトロフェニル−α−D−マルトシ
ド等を挙げることができる。
【0024】本発明の一般式(I)で表される化合物よ
りなるα−アミラーゼ活性測定用の基質は、既知の方法
で製造することができる。例えば、2−クロロ−4−ニ
トロフェニル−α−D−マルトトリオシド(G3CN
P)又は4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシ
ドなどのマルトトリオシド又はマルトシド等を出発原料
とし、これを非プロトン性極性溶媒中でアルデヒド、ア
セトン、又はより好ましくはアセタールと反応させるこ
とによって合成することができる。
【0025】前記非プロトン性極性溶媒としては、N,
N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記するこ
とがある)、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと
略記することがある)又はホルムアミド等が挙げられる
が、最も好適な溶媒はDMFである。また、アルデヒド
又はアセタール自身を溶媒として用いることも可能であ
る。
【0026】前記アルデヒドとしては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド又はベンズアルデヒド等が挙げら
れる。
【0027】また、前記アセタールとしては、ジアルコ
キシメタン、ジアルコキシエタン、ジアルコキシプロパ
ン、ジアルコキシトルエン、テトラメトキシメタン又は
テトラエトキシメタン等が挙げられ、このアルコキシル
基としては、メトキシ基又はエトキシ基が好適である。
また、アセタールの代わりとして、α,α−ジブロモト
ルエン等を用いることもできる。
【0028】前記反応の反応温度は、用いる非プロトン
性極性溶媒及びアルデヒド、アセタール若しくはアセト
ンによって異なるが、−20℃から溶媒の沸点までの範
囲であることが望ましく、特に好適な範囲は−10℃か
ら50℃である。
【0029】また、合成時に常圧若しくは減圧下で加熱
還流を行ったり、又は副生成物として生じる水若しくは
アルコール類を蒸発除去したり、若しくはモレキュラー
シーブス等の吸着剤で吸着除去を行うことで、合成生成
物の収率を上げることができる。
【0030】更に、本発明の基質合成時に反応溶液中
に、触媒として適量の硫酸、塩化水素、p−トルエンス
ルホン酸、塩化亜鉛、又は陽イオン交換樹脂を添加する
ことで、より容易に合成反応を行うことができる。
【0031】本発明におけるα−アミラーゼ活性測定試
薬は、一般式(I)で表される化合物を基質として含有
し、かつ共役酵素を含有しないα−アミラーゼ活性測定
試薬である。この基質として含有する一般式(I)で表
される化合物としては、前記の一般式(I)で表される
化合物よりなるα−アミラーゼ活性測定用の基質を挙げ
ることができる。
【0032】本発明において、一般式(I)で表される
化合物をα−アミラーゼ活性測定用の基質として用い
て、α−アミラーゼの活性測定を行うに際しては、α−
アミラーゼ活性測定試薬中の本基質濃度は、0.05〜
100mMの範囲にあることが好ましく、特に好ましく
は0.1〜50mMの範囲である。
【0033】本発明におけるα−アミラーゼ活性測定試
薬は、一般式(I)で表わされる化合物よりなるα−ア
ミラーゼ活性測定用の基質と共に、緩衝剤又はα−アミ
ラーゼの活性化剤等を含有させることができるが、α−
グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ及びグルコアミラ
ーゼ等の共役酵素はその必要がないのでこの測定試薬中
には含有しない。
【0034】また、本発明のα−アミラーゼ活性測定試
薬は1試薬のものでもよいが、必要に応じて2試薬以上
に試薬成分を分けて構成してもよい。
【0035】緩衝剤としては、pH5からpH9の範囲
に緩衝能がある緩衝剤が使用できる。この緩衝剤として
は、MES、PIPES又はHEPES等のグッドの緩
衝剤を用いることが好ましい。
【0036】α−アミラーゼの活性化剤とは、α−アミ
ラーゼの活性化の効果を有する化合物であり、例えば、
カルシウムイオン又は塩化物イオンを含む化合物を挙げ
ることができ、より具体的には、酢酸カルシウムや塩化
ナトリウム等を挙げることができる。
【0037】また、本発明のα−アミラーゼ活性測定試
薬には、界面活性剤又は防腐剤等を含有させてもよい。
【0038】更に、本発明のα−アミラーゼ活性測定試
薬中に、アルカリ金属のアジ化物又はチオシアン酸塩を
含有させることにより、これらの成分をα−アミラーゼ
の活性化剤として使用することができる。具体的にはア
ジ化リチウム、アジ化ナトリウム、チオシアン酸ナトリ
ウム又はチオシアン酸カリウム等を挙げることができ
る。
【0039】本発明におけるα−アミラーゼ活性測定方
法は、(a)一般式(I)で表される化合物を基質とし
てα−アミラーゼを含有すると推測される試料と混合
し、前記の試料中に含有されるα−アミラーゼを前記の
化合物と反応させ、共役酵素を介在させずに前記の化合
物の還元末端側の置換されたフェニル基を遊離させ、
(b)この遊離した置換されたフェノールの量を測定す
ることよりなる試料中のα−アミラーゼ活性測定方法で
ある。
【0040】この基質として用いる一般式(I)で表さ
れる化合物としては、前記の一般式(I)で表される化
合物よりなるα−アミラーゼ活性測定用の基質を挙げる
ことができる。
【0041】本発明のα−アミラーゼ活性測定方法は、
α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ又はグルコア
ミラーゼ等の共役酵素を全く必要としないという点で特
徴的である。
【0042】本発明のα−アミラーゼ活性測定方法にお
いて、前記一般式(I)で表される化合物よりなる基質
をα−アミラーゼを含有すると推測される試料と混合す
ると、この試料中に含有されるα−アミラーゼによって
基質の糖とアグリコン(置換されたフェノール)の間の
グリコシド結合が直接加水分解され、非還元末端修飾マ
ルトース又は非還元末端修飾マルトトリオースと2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル基又は4−ニトロフェニル基
等の置換されたフェニル基に分離し、遊離する。ここで
遊離した2−クロロ−4−ニトロフェノール又は4−ニ
トロフェノール等の置換されたフェノールは、400n
m付近において吸収を示すので、これを分光光度計を用
いて吸光度を測定すること等により、遊離した置換され
たフェノールの量を求め、これより試料中のα−アミラ
ーゼ活性の算出を行うことができる。
【0043】本発明によるα−アミラーゼ活性測定方法
は、α−アミラーゼの反応停止後に吸光度を測定するエ
ンドポイント法及び単位時間当たりの吸光度変化を測定
するレート法のいずれにおいても実施することができる
が、試料中の共存物質の影響を受け難い等の理由により
レート法による実施がより好ましい。
【0044】本発明において測定対象となるα−アミラ
ーゼは、主に血液、血清、血漿若しくは尿等中に存在す
る唾液腺由来のα−アミラーゼ、膵臓由来のα−アミラ
ーゼ又はこれら両方のα−アミラーゼ等である。また、
本発明においてα−アミラーゼ活性の測定を行う試料
は、α−アミラーゼを含有すると推測される試料であれ
ば特に限定されるものではない。
【0045】そして、本発明によりα−アミラーゼ活性
を測定することによって、試料中のカルシウムイオン又
は塩化物イオン等を測定することもできる。
【0046】遊離した置換されたフェノールの吸光度の
測定を行う波長としては、遊離した2−クロロ−4−ニ
トロフェノール又は4−ニトロフェノール等の置換され
たフェノールが吸収を持つ波長の範囲内のものであれば
よく、具体的には340nmから450nmであり、更
に好ましくは380nmから420nmの範囲である。
また、遊離した置換されたフェノールが吸収を持たない
波長を副波長として用い、二波長分析により吸光度の測
定を行うこともできる。
【0047】本発明におけるα−アミラーゼ活性測定方
法をより具体的に例示すると、あらかじめ室温又は20
℃〜40℃に加温、好ましくは37℃に加温した、一般
式(I)で表される化合物よりなるα−アミラーゼ活性
測定用の基質を含有するα−アミラーゼ活性測定試薬
に、α−アミラーゼを含有すると推測される試料を添加
して、温度一定の条件下において、試料添加後30秒か
ら30分の間、好ましくは3分から5分の間の400n
mにおける吸光度変化を測定し、1分間当たりの2−ク
ロロ−4−ニトロフェノール又は4−ニトロフェノール
等の置換されたフェノールの生成量(遊離量)から試料
中のα−アミラーゼ活性を算出する。
【0048】また、基質を含有しないα−アミラーゼ活
性測定試薬にα−アミラーゼを含有すると推測される試
料を添加して、その後この測定反応液に一般式(I)で
表される化合物よりなる基質を含有するα−アミラーゼ
活性測定試薬を添加して、前記の測定方法と同様の操作
により測定を行い、1分間当たりの置換されたフェノー
ルの生成量(遊離量)から試料中のα−アミラーゼ活性
を算出してもよい。
【0049】本発明の一般式(I)で表される化合物を
基質として用いるα−アミラーゼ活性測定方法において
は、測定反応液中の本基質濃度は、0.05〜100m
Mの範囲にあることが好ましく、特に好ましくは0.1
〜50mMの範囲である。
【0050】また、本発明のα−アミラーゼ活性測定方
法においては、前記のα−アミラーゼ活性測定試薬と同
様に、測定反応液中に緩衝剤、α−アミラーゼの活性化
剤、界面活性剤又は防腐剤等を共存させてもよい。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に詳
述するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0052】〔実施例1〕 (4,6−O−エチリデン−2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−α−D−マルトトリオシド(EtG3CNP)
の合成) 本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質である、4,
6−O−エチリデン−2−クロロ−4−ニトロフェニル
−α−D−マルトトリオシド(以下、EtG3CNPと
略記することがある)の合成を行った。
【0053】まず、50mLのフラスコに、2−クロロ
−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド(G
3CNP)1.00g(1.52mmol)とp−トル
エンスルホン酸0.1gを入れ、更にN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)10mLを加えて、攪拌して内
容物を溶解し均一な溶液とした。これに、アセトアルデ
ヒドジメチルアセタール484μL(4.57mmo
l)を滴下し、35℃で反応を行った。21時間後、反
応溶液を氷冷した100mMリン酸緩衝液(pH7.
0)約100mLに滴下して反応を停止させた。滴下後
の緩衝液のpHが7であることを確認後、40℃で濃縮
乾固し黄色の残さを得た。この残さにメタノールを加え
懸濁液とした後、これをろ過し、ろ液を濃縮乾固して
1.46gの黄色の濃縮残さを得た。
【0054】これを70%アセトニトリル水溶液10m
Lに溶解後、HPLC(カラム:Asahipak N
H2P、昭和電工社製)にかけ、溶離液には70%アセ
トニトリル水溶液を用いて分取を行った。その結果、
4,6−O−エチリデン−2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−α−D−マルトトリオシド〔分子量686.0
2〕の淡黄色の結晶220mgを分離して得ることがで
きた。
【0055】この4,6−O−エチリデン−2−クロロ
−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシドの構
造を下に示した。
【0056】
【化9】
【0057】分析結果 高速液体クロマトグラフィ(HPLC) カラム : Asahipak NH2P-50 4.6mmI.D.×250mm (昭和電工社製) 溶離液 : アセトニトリル:水=7:3(V/V) 流速 : 0.5mL/min 検出波長 : 300nm 溶出時間 : 6.6分 ピーク純度: 99.9%
【0058】 薄層クロマトグラフィ 担体 : Merck Art. 5554 Kieselgel 60 F254 (メルク社製) 展開溶媒 : ブタノール:ピリジン:水=90:5:5(V/V) Rf : 0.60
【0059】 1H−核磁気共鳴スペクトル(D2
中):ppm (分裂型:相対プロトン数) 1.34 (d:3H) 3.45〜4.89(m:19H) 5.42 (d:1H) 5.43 (d:1H) 5.96 (d:1H) 7.46 (d:1H) 8.22 (dd:1H) 8.40 (d:1H) 1.34ppmのプロトン3個分のダブレットなピーク
はエチリデン基の末端のメチル基のものである。
【0060】質量分析(FAB−MS) [M]+ =686.0 〔分子量(理論値)は686.02〕
【0061】赤外吸収スペクトル(cm-1) 3333,2929,1586,1521,1484,1394,1347,1272,12
47,1146,1106,1083,1056,1023, 997, 933, 87
6, 839, 761, 745, 705, 678, 668, 596, 57
1, 519, 490
【0062】〔実施例2〕 (4,6−O−ジメトキシメチリデン−2−クロロ−4
−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド(DMG
3CNP)の合成) 本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質である、4,
6−O−ジメトキシメチリデン−2−クロロ−4−ニト
ロフェニル−α−D−マルトトリオシド(以下、DMG
3CNPと略記することがある)の合成を行った。
【0063】まず、G3CNP1.0g(1.52mm
ol)とDMF10mL、テトラメトキシメタン0.5
mL及びp−トルエンスルホン酸0.1gとを加えて溶
解し、均一な溶液にした。これを35℃で23時間撹拌
して反応させた後、氷冷した100mMリン酸カリウム
緩衝液(pH6.5)100mL中に反応液を少しずつ
加えて中和し、反応を停止させた。上澄み液をフラスコ
に集めて濃縮乾固し、淡黄色の残さを得た。これにメタ
ノール30mLを加えて溶解させた後、ろ過し、ろ液を
濃縮乾固させて1.59gの淡黄色の残さを得た。
【0064】これに70%アセトニトリル水溶液8mL
を加えて溶解し、AsahipakNH2P−50 2
F分取用HPLCカラム(昭和電工社製)にかけ、70
%アセトニトリル水溶液を溶離液として精製した。4,
6−O−ジメトキシメチリデン−2−クロロ−4−ニト
ロフェニル−α−D−マルトトリオシドのピークのフラ
クションを集めて濃縮乾固し、少量のメタノールに溶解
させた後、冷却下ジエチルエーテルを加えて結晶を晶出
させ、ろ過し、乾燥させて、DMG3CNPの白色の結
晶174mgを得ることができた。
【0065】この4,6−O−ジメトキシメチリデン−
2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリ
オシドの構造を下に示した。
【0066】
【化10】
【0067】分析結果 高速液体クロマトグラフィ(HPLC) カラム : Asahipak NH2P-50 4.6mmI.D.×250mm (昭和電工社製) 溶離液 : アセトニトリル:水=7:3(V/V) 流速 : 0.5mL/min 検出波長 : 300nm 溶出時間 : 6.0分 ピーク純度: 99.4%
【0068】 薄層クロマトグラフィ 担体 : Merck Art. 5554 Kieselgel 60 F254 (メルク社製) 展開溶媒 : ジクロロメタン:メタノール=4:1(V/V) Rf : 0.44
【0069】 1H−核磁気共鳴スペクトル(D2
中):ppm (分裂型:相対プロトン数) 3.33 (s:3H) 3.35 (s:3H) 3.67〜4.33(m:18H) 5.35 (d:1H) 5.38 (d:1H) 5.91 (d:1H) 7.41 (d:1H) 8.09 (dd:1H) 8.14 (d:1H) 3.33ppm及び3.35ppmのプロトン3個分×
2本のシングレットな各ピークはジメトキシメチリデン
基の末端のメトキシ基のものである。
【0070】赤外吸収スペクトル(cm-1) 3436,2924,1633,1587,1521,1485,1349,1273,10
84,1049, 931, 763, 580 〔実施例3〕 (4,6−O−イソプロピリデン−2−クロロ−4−ニ
トロフェニル−α−D−マルトトリオシド(IPG3C
NP)の合成) 本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質である、4,
6−O−イソプロピリデン−2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−α−D−マルトトリオシド(以下、IPG3C
NPと略記することがある)の合成を行った。
【0071】まず、100mLのフラスコに、2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド
(G3CNP)1.00g(1.52mmol)とp−
トルエンスルホン酸15mgを入れ、更にN,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)20mLを加えて、攪拌し
て内容物を溶解し均一な溶液とした。これに、アセトン
ジメチルアセタール927μL(7.58mmol)を
滴下し、25℃で反応を行った。6時間後、反応溶液を
氷冷した100mMリン酸緩衝液(pH7.0)約10
0mLに滴下して反応を停止させた。滴下後の緩衝液の
pHが7であることを確認後、40℃で濃縮乾固し黄色
の残さを得た。これにメタノールを加え懸濁液とした
後、これをろ過し、ろ液を濃縮乾固して黄色の濃縮残さ
を得た。
【0072】これを70%アセトニトリル水溶液10m
Lに溶解後、HPLC(カラム:Asahipak N
H2P、昭和電工社製)にかけ、溶離液には70%アセ
トニトリル水溶液を用いて分取を行った。その結果、
4,6−O−イソプロピリデン−2−クロロ−4−ニト
ロフェニル−α−D−マルトトリオシド〔分子量70
0〕の黄色の粉体414mgを分離して得ることができ
た。
【0073】この4,6−O−イソプロピリデン−2−
クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシ
ドの構造を下に示した。
【0074】
【化11】
【0075】分析結果 高速液体クロマトグラフィ(HPLC) カラム : Asahipak NH2P-50 4.6mmI.D.×250mm (昭和電工社製) 溶離液 : アセトニトリル:水=7:3(V/V) 流速 : 0.5mL/min 検出波長 : 300nm 溶出時間 : 6.17分 ピーク純度: 99.0%
【0076】 薄層クロマトグラフィ 担体 : Merck Art. 5554. Kieselgel 60 F254 (メルク社製) 展開溶媒 : ジクロロメタン:メタノール=4:1(V/V) Rf : 0.29
【0077】 1H−核磁気共鳴スペクトル(CD3
D−CDCl3中):ppm (分裂型:相対プロトン
数) 1.41,1.50(s:各3H) 3.30〜4.22 (m:18H) 5.07 (d:1H) 5.18 (d:1H) 5.74 (d:1H) 7.35 (d:1H) 8.16 (dd:1H) 8.31 (d:1H) 1.41および1.50ppmのプロトン3個分×2本
のシングレットな両ピークはイソプロピリデン基の末端
メチル基のものである。
【0078】質量分析(FAB−MS) [M]+ =700 〔分子量(理論値)は700.05〕
【0079】〔実施例4〕 (4,6−O−ベンジリデン−2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−α−D−マルトトリオシド(BnG3CN
P)の合成) 本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質である、4,
6−O−ベンジリデン−2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル−α−D−マルトトリオシド(以下、BnG3CNP
と略記することがある)の合成を行った。
【0080】まず、100mLのフラスコに、2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド
(G3CNP)1.00g(1.52mmol)とp−
トルエンスルホン酸50mgを入れ、更にN,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)10mLを加えて、攪拌し
て内容物を溶解し均一な溶液とした。これに、ベンズア
ルデヒドジメチルアセタール1136μL(7.61m
mol)を滴下し、25℃で反応を行った。22時間
後、反応溶液にダウエックス1 WX−8(水酸基型、
100−200メッシュ)を適量加え、約5分撹拌後、
樹脂をろ去し、ろ液を40℃で濃縮乾固し微黄色の残さ
を得た。
【0081】これを70%アセトニトリル水溶液10m
Lに溶解後、HPLC(カラム:Asahipak N
H2P、昭和電工社製)にかけ、溶離液には70%アセ
トニトリル水溶液を用いて分取を行った。その結果、
4,6−O−ベンジリデン−2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−α−D−マルトトリオシド〔分子量748〕の
白色の粉体743mgを分離して得ることができた。
【0082】この4,6−O−ベンジリデン−2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシドの
構造を下に示した。
【0083】
【化12】
【0084】分析結果 高速液体クロマトグラフィ(HPLC) カラム : Asahipak NH2P-50 4.6mmI.D.×250mm (昭和電工社製) 溶離液 : アセトニトリル:水=7:3(V/V) 流速 : 0.5mL/min 検出波長 : 300nm 溶出時間 : 5.83分 ピーク純度: 100%
【0085】 薄層クロマトグラフィ 担体 : Merck Art. 5554. Kieselgel 60 F254 (メルク社製) 展開溶媒 : ジクロロメタン:メタノール=4:1(V/V) Rf : 0.37
【0086】 1H−核磁気共鳴スペクトル(CD3
H−CHCl3中):ppm (分裂型:相対プロトン
数) 3.37〜4.27(m:18H) 5.11 (d:1H) 5.18 (d:1H) 5.53 (s:1H) 5.73 (d:1H) 7.27〜7.48(m:6H) 8.15 (dd:1H) 8.31 (d:1H) 7.27ppm〜7.48ppmのプロトン6個分のマ
ルチプレットなピークはベンジリデン基の芳香環のもの
である(4,6−O−ベンジリデン−2−クロロ−4−
ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシドの2−クロ
ロ−4−ニトロフェノール由来のプロトン1個分のシグ
ナルが含まれている)。
【0087】質量分析(FAB−MS) [M]+ =748 〔分子量(理論値)は748.09〕
【0088】〔実施例5〕 (4,6−O−メチリデン−2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−α−D−マルトトリオシド(MtG3CNP)
の合成) 本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質である、4,
6−O−メチリデン−2−クロロ−4−ニトロフェニル
−α−D−マルトトリオシド(以下、MtG3CNPと
略記することがある)の合成を行った。
【0089】まず、50mLのフラスコに、2−クロロ
−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド(G
3CNP)1.00g(1.52mmol)とp−トル
エンスルホン酸0.15gを入れ、更にN,N−ジメチ
ルホルムアミド(DMF)20mLを加えて、攪拌して
内容物を溶解し均一な溶液とした。これに、ジメトキシ
メタン3.32mL(38.0mmol)を滴下し、3
5℃で反応を行った。8日後、反応溶液にダウエックス
1 WX−8(水酸基型、100−200メッシュ)を
適量加え、約5分撹拌後、樹脂をろ去し、ろ液を40℃
で濃縮乾固し淡黄色の残さを得た。
【0090】これを70%アセトニトリル水溶液10m
Lに溶解後、HPLC(カラム:Asahipak N
H2P、昭和電工社製)にかけ、溶離液には70%アセ
トニトリル水溶液を用いて分取を行った。その結果、
4,6−O−メチリデン−2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−α−D−マルトトリオシド〔分子量672〕18
0mgを淡黄色の粉体として分離して得ることができ
た。
【0091】この4,6−O−メチリデン−2−クロロ
−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシドの構
造を下に示した。
【0092】
【化13】
【0093】分析結果 高速液体クロマトグラフィ(HPLC) カラム : Asahipak NH2P-50 4.6mmI.D.×250mm (昭和電工社製) 溶離液 : アセトニトリル:水=7:3(V/V) 流速 : 0.5mL/min 検出波長 : 300nm 溶出時間 : 7.42分 ピーク純度: 100%
【0094】 薄層クロマトグラフィ 担体 : Merck Art. 5554. Kieselgel 60 F254 (メルク社製) 展開溶媒 : ジクロロメタン:メタノール=2:1(V/V) Rf : 0.69
【0095】 1H−核磁気共鳴スペクトル(CD3
D−CDCl3中):ppm (分裂型:相対プロトン
数) 3.28〜4.18(m:18H) 4.66 (s:2H) 5.06 (d:1H) 5.18 (d:1H) 5.74 (d:1H) 7.40 (d:1H) 8.15 (dd:1H) 8.30 (d:1H)
【0096】質量分析(FAB−MS) [M]+ =672 〔分子量(理論値)は671.99〕
【0097】〔実施例6〕 (本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬による試料中の
α−アミラーゼ活性の測定) 本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬によりヒト血清試
料中のα−アミラーゼ活性の測定を行った。
【0098】(1)α−アミラーゼ活性測定試薬の調製 測定試薬(A)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.0(20℃)に調整して、基質と
して4,6−O−エチリデン−2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−α−D−マルトトリオシドを含有し、チオシ
アン酸カリウムをα−アミラーゼの活性化剤として含有
するα−アミラーゼ活性測定試薬〔測定試薬(A)〕を
調製した。
【0099】 試 薬 成 分 濃 度 4,6-O-エチリテ゛ン-2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛(EtG3CNP) 5.0mM 酢酸カルシウム 5.0mM 塩化ナトリウム 50mM チオシアン酸カリウム 300mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物(MES) 50mM
【0100】測定試薬(B)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.0(20℃)に調整して、基質と
して4,6−O−ジメトキシメチリデン−2−クロロ−
4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシドを含有
し、チオシアン酸カリウムをα−アミラーゼの活性化剤
として含有するα−アミラーゼ活性測定試薬〔測定試薬
(B)〕を調製した。
【0101】 試 薬 成 分 濃 度 4,6-O-シ゛メトキシメチリテ゛ン-2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛(DMG3CNP) 5.0mM 酢酸カルシウム 5.0mM 塩化ナトリウム 50mM チオシアン酸カリウム 300mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物(MES) 50mM
【0102】(2)ヒト血清試料中のα−アミラーゼ活
性の測定 ヒト血清試料中のα−アミラーゼ活性の測定は、37℃
に加温した前記(1)の測定試薬(A)1.5mLに、
α−アミラ−ゼを含有すると推測される試料であるヒト
血清25μLを添加し、37℃で反応させ、試料添加後
3分目から5分目の405nmにおける吸光度変化を日
立3210型分光光度計で測定して行った。試料中のα
−アミラーゼ活性値〔IU/L(国際単位/L)〕は、
1分間当たりの吸光度変化量(ΔA/min)から次式
により算出した。
【0103】α−アミラーゼ活性値(IU/L)={ΔA
/min ×(S+V)×106}÷(ε×S×d)=ΔA
/min ×4597
【0104】なお、前記式中、Sは試料の容量(25μ
L)を、Vはα−アミラーゼ活性測定試薬の容量(1.
5mL)を、εは置換されたフェノールのモル吸光係数
(2−クロロ−4−ニトロフェノール:13.3×10
3 )を、dは吸収セルの光路長(1cm)を表す。ま
た、前記と同様にして、前記(1)の測定試薬(B)に
よりヒト血清試料中のα−アミラーゼ活性の測定を行っ
た。これらの測定結果を表1に示した。
【0105】
【表1】
【0106】これより、本発明のα−アミラーゼ活性測
定試薬は、ヒト血清試料中のα−アミラーゼ活性の測定
を行えることが確かめられた。
【0107】〔実施例7〕 (本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬による試料中の
α−アミラーゼ活性の測定) 本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬により管理血清試
料中のヒト由来のα−アミラーゼ活性の測定を行った。
【0108】(1)α−アミラーゼ活性測定試薬の調製 測定試薬(E)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.0(20℃)に調整して、基質と
して4,6−O−イソプロピリデン−2−クロロ−4−
ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシドを含有し、
チオシアン酸カリウムをα−アミラーゼの活性化剤とし
て含有するα−アミラーゼ活性測定試薬〔測定試薬
(E)〕を調製した。
【0109】 試 薬 成 分 濃 度 4,6-O-イソフ゜ロヒ゜リテ゛ン-2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛(IPG3CNP) 5.0mM 酢酸カルシウム 5.0mM 塩化ナトリウム 50mM チオシアン酸カリウム 300mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物(MES) 50mM
【0110】測定試薬(F)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.0(20℃)に調整して、基質と
して4,6−O−ベンジリデン−2−クロロ−4−ニト
ロフェニル−α−D−マルトトリオシドを含有し、チオ
シアン酸カリウムをα−アミラーゼの活性化剤、α−サ
イクロデキストリン及びトライトンX−405を基質の
可溶化剤として含有するα−アミラーゼ活性測定試薬
〔測定試薬(F)〕を調製した。
【0111】 試 薬 成 分 濃 度 4,6-O-ヘ゛ンシ゛リテ゛ン-2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛(BnG3CNP) 3.7mM 酢酸カルシウム 3.7mM 塩化ナトリウム 40mM チオシアン酸カリウム 250mM α−サイクロデキストリン 20% トライトンX−405 0.04% 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物(MES) 40mM
【0112】(2)試料 試料としてヒト由来のα−アミラーゼを含む下記の市販
の管理血清(アールト社製)を用いた。 管理血清3:アールトコントロール レベルIIB〔製
造番号:D503〕
【0113】(3)管理血清試料中のα−アミラーゼ活
性の測定 前記の実施例6の(2)と同様にして、前記(1)の測
定試薬(E)及び測定試薬(F)各々により、試料であ
る前記(2)の管理血清3中のα−アミラーゼ活性の測
定を行った。
【0114】前記(2)の管理血清3(後に記載した実
施例10の(1)のの従来法測定試薬1におけるα−
アミラーゼ活性値:276IU/L)中のα−アミラー
ゼの活性値は、測定試薬(E)では124IU/L、測
定試薬(F)では18IU/Lであった。
【0115】これより、本発明のα−アミラーゼ活性測
定試薬(E)及び(F)は、血清試料中のα−アミラー
ゼ活性の測定が可能であることが確かめられた。 〔実施例8〕 (本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬による試料中の
α−アミラーゼ活性の測定) 本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬により管理血清試
料中のヒト由来のα−アミラーゼ活性の測定を行った。
【0116】(1)α−アミラーゼ活性測定試薬の調製 測定試薬(G)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.0(20℃)に調整して、基質と
して4,6−O−メチリデン−2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−α−D−マルトトリオシドを含有し、チオシ
アン酸カリウムをα−アミラーゼの活性化剤として含有
するα−アミラーゼ活性測定試薬〔測定試薬(G)〕を
調製した。
【0117】 試 薬 成 分 濃 度 4,6-O-メチリテ゛ン-2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛(MtG3CNP) 5.0mM 酢酸カルシウム 5.0mM 塩化ナトリウム 50mM チオシアン酸カリウム 300mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物(MES) 50mM
【0118】(2)試料 試料としてヒト由来のα−アミラーゼを含む下記の市販
の管理血清(アールト社製)を用いた。 管理血清4:アールトコントロール レベルIID〔製
造番号:L505〕
【0119】(3)管理血清試料中のα−アミラーゼ活
性の測定 前記の実施例6の(2)と同様にして、前記(1)の測
定試薬(G)により、試料である前記(2)の管理血清
4中のα−アミラーゼ活性の測定を行った。
【0120】前記(2)の管理血清4(後に記載した実
施例10の(1)のの従来法測定試薬1におけるα−
アミラーゼ活性値:280IU/L)中のα−アミラー
ゼの活性値は、測定試薬(G)では120IU/Lであ
った。
【0121】これより、本発明のα−アミラーゼ活性測
定試薬(G)は、血清試料中のα−アミラーゼ活性の測
定が可能であることが確かめられた。
【0122】これらの結果より、本発明のα−アミラー
ゼ活性測定試薬は、血清試料中のα−アミラーゼ活性の
測定が可能であることが確かめられた。
【0123】〔実施例9〕 (異なる活性化剤を用いての試料中のα−アミラーゼ活
性の測定) 異なるα−アミラーゼの活性化剤を用いて、試料中のα
−アミラーゼ活性の測定を行った。
【0124】(1)α−アミラーゼ活性測定試薬の調製 測定試薬(C)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.0(20℃)に調整して、基質と
して4,6−O−エチリデン−2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−α−D−マルトトリオシドを含有し、チオシ
アン酸カリウムをα−アミラーゼの活性化剤として含有
するα−アミラーゼ活性測定試薬〔測定試薬(C)〕を
調製した。
【0125】 試 薬 成 分 濃 度 4,6-O-エチリテ゛ン-2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛(EtG3CNP) 2.0mM 酢酸カルシウム 5.0mM 塩化ナトリウム 50mM チオシアン酸カリウム 300mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物(MES) 50mM
【0126】測定試薬(D)の調製 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.0(20℃)に調整して、基質と
して4,6−O−エチリデン−2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−α−D−マルトトリオシドを含有し、アジ化
ナトリウムをα−アミラーゼの活性化剤として含有する
α−アミラーゼ活性測定試薬〔測定試薬(D)〕を調製
した。
【0127】 試 薬 成 分 濃 度 4,6-O-エチリテ゛ン-2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛(EtG3CNP) 2.0mM 酢酸カルシウム 5.0mM 塩化ナトリウム 50mM アジ化ナトリウム 150mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物(MES) 50mM
【0128】(2)試料 試料として下記の2種類の市販の管理血清(ハイランド
社製)を用いた。 管理血清1:オメガI 〔製造番号 凍結乾燥品:V02053、溶解液:V02052〕 管理血清2:オメガII〔製造番号 凍結乾燥品:1V1059、溶解液:1V1058〕
【0129】(3)管理血清試料中のα−アミラーゼ活
性の測定 前記の実施例6の(2)と同様にして、前記(1)の測
定試薬(C)により、試料である前記(2)の管理血清
1及び管理血清2中のα−アミラーゼ活性の測定を行っ
た。また、前記と同様にして、前記(1)の測定試薬
(D)により管理血清1及び管理血清2中のα−アミラ
ーゼ活性の測定を行った。これらの測定結果を表2に示
した。
【0130】
【表2】
【0131】これより、本発明のα−アミラーゼ活性測
定試薬は、種々のα−アミラーゼの活性化剤を用いて
も、試料中のα−アミラーゼ活性の測定を行えることが
確かめられた。
【0132】〔実施例10〕 (従来のα−アミラーゼ活性測定方法との相関) 本発明のα−アミラーゼ活性測定方法による測定値と、
従来のα−アミラーゼ活性測定方法である4,6−O−
ベンジリデン−4−ニトロフェニル−α−D−マルトヘ
プタオシド(以下、BG7PNPと略記することがあ
る)を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定方法に
よる測定値との相関を確かめた。
【0133】(1)α−アミラーゼ活性測定試薬 本発明のα−アミラーゼ活性測定方法 前記の実施例6の(1)で調製した測定試薬(A)をα
−アミラーゼ活性測定試薬として用いた。
【0134】従来のα−アミラーゼ活性測定方法(B
G7PNP基質法) 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを7.1(20℃)に調整して、基質と
して4,6−O−ベンジリデン−4−ニトロフェニル−
α−D−マルトヘプタオシドを用いる、α−アミラーゼ
活性測定試薬〔従来法測定試薬1〕を調製した。
【0135】 試 薬 成 分 濃 度 4,6-O-ヘ゛ンシ゛リテ゛ン-4-ニトロフェニル-α-D-マルトヘフ゜タオシト゛(BG7PNP) 1mM 酢酸カルシウム 2mM 塩化ナトリウム 20mM α−サイクロデキストリン 1% α−グルコシダーゼ 6000U/L グルコアミラーゼ 20000U/Lヒ゜ヘ゜ラシ゛ン -N,N'-ヒ゛ス(2-エタンスルホン酸ナトリウム)(PIPES) 100mM
【0136】(2)試料 試料として、9検体のヒト血清試料を用いた。
【0137】(3)ヒト血清試料中のα−アミラーゼ活
性の測定 本発明のα−アミラーゼ活性測定方法 前記の実施例6の(2)と同様にして、測定試薬(A)
により、9検体のヒト血清試料中のα−アミラーゼ活性
の測定を行った。
【0138】従来のα−アミラーゼ活性測定方法(B
G7PNP基質法) 9検体のヒト血清試料中のα−アミラーゼ活性の測定
は、37℃に加温した前記(1)の従来法測定試薬1の
2.0mLに、それぞれのヒト血清試料35μLを添加
し、37℃で反応させ、試料添加後3分目から5分目の
405nmにおける吸光度変化を日立3210型分光光
度計で測定して行った。試料中のα−アミラーゼ活性値
(IU/L)は、1分間当たりの吸光度変化量(ΔA/
min)から次式により算出した。
【0139】α−アミラーゼ活性値(IU/L)={ΔA
/min ×(S+V)×106}÷(ε×S×d)=ΔA
/min ×3776
【0140】なお、前記式中、Sは試料の容量(35μ
L)を、Vはα−アミラーゼ活性測定試薬の容量(2.
0mL)を、εは置換されたフェノールのモル吸光係数
(4−ニトロフェノール:15.4×103 )を、dは
吸収セルの光路長(1cm)を表す。
【0141】これらの測定結果を図1に示した。なお、
この図1において、縦軸(y軸)は本発明のα−アミラ
ーゼ活性測定方法による測定値を、横軸(x軸)は従来
のα−アミラーゼ活性測定方法(BG7PNP基質法)
による測定値を表す。
【0142】
【図1】
【0143】この図より、本発明のα−アミラーゼ活性
測定方法によるα−アミラーゼ活性の測定と、従来のα
−アミラーゼ活性測定方法(BG7PNP基質法)によ
るα−アミラーゼ活性の測定とでは、相関係数がr=
0.993であり、回帰式のy切片が−0.386と小
さく、大変良好な相関を示すことがわかった。従って、
本発明のα−アミラーゼ活性測定方法によるα−アミラ
ーゼ活性の測定値は、臨床検査及び診断の場において、
問題なく用いることができることが確かめられた。
【0144】〔実施例11〕 (本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬の直線上限の確
認) α−アミラーゼ活性が高いヒト血清を10段階に希釈し
た試料を用いて、本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬
の直線上限の確認を行った。
【0145】(1)α−アミラーゼ活性測定試薬 前記の実施例6の(1)で調製した測定試薬(A)をα
−アミラーゼ活性測定試薬として用いた。
【0146】(2)試料 α−アミラーゼ活性値271U/Lのヒト血清試料を、
それぞれ0.1mL、0.2mL、0.3mL、0.4
mL、0.5mL、0.6mL、0.7mL、0.8m
L及び0.9mL分注し、これらに生理食塩水(0.9
%塩化ナトリウム水溶液)をそれぞれ0.9mL、0.
8mL、0.7mL、0.6mL、0.5mL、0.4
mL、0.3mL、0.2mL及び0.1mL加え混合
して、10段階に希釈されたヒト血清試料を調製した。
【0147】(3)ヒト血清試料中のα−アミラーゼ活
性の測定 前記の実施例6の(2)と同様にして、測定試薬(A)
により、前記(2)の10段階に希釈されたヒト血清試
料中のα−アミラーゼ活性の測定を行った。
【0148】この測定結果を図2に示した。なお、この
図2において、縦軸(y軸)はα−アミラーゼ活性値
を、横軸(x軸)はヒト血清試料の希釈率を表す。
【0149】
【図2】
【0150】この図より、本発明のα−アミラーゼ活性
測定試薬によるα−アミラーゼ活性の測定では、検量線
が原点を通る直線であり、270IU/L以上まで直線
性を有することがわかり、試料中のα−アミラーゼ活性
の測定において十分な性能を持つことが確かめられた。
【0151】〔実施例12〕 (本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬の直線上限の確
認) α−アミラーゼ活性が高いヒト血清を7段階に希釈した
試料を用いて、本発明のα−アミラーゼ活性測定試薬の
直線上限の確認を行った。
【0152】(1)α−アミラーゼ活性測定試薬 前記の実施例6の(1)で調製した測定試薬(B)をα
−アミラーゼ活性測定試薬として用いた。
【0153】(2)試料 α−アミラーゼ活性値3880U/Lのヒト血清試料
を、それぞれ0.1mL、0.2mL、0.3mL、
0.4mL、0.5mL、0.6mL及び0.7mL分
注し、これらに生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水
溶液)をそれぞれ0.9mL、0.8mL、0.7m
L、0.6mL、0.5mL、0.4mL及び0.3m
L加え混合して、7段階に希釈されたヒト血清試料を調
製した。
【0154】(3)ヒト血清試料中のα−アミラーゼ活
性の測定 前記の実施例6の(2)と同様にして、測定試薬(B)
により、前記(2)の7段階に希釈されたヒト血清試料
中のα−アミラーゼ活性の測定を行った。
【0155】この測定結果を図3に示した。なお、この
図3において、縦軸(y軸)はα−アミラーゼ活性値
を、横軸(x軸)はヒト血清試料の希釈率を表す。
【0156】
【図3】
【0157】この図より、本発明のα−アミラーゼ活性
測定試薬によるα−アミラーゼ活性の測定では、検量線
が原点を通る直線であり、2200IU/L以上まで直
線性を有することがわかり、試料中のα−アミラーゼ活
性の測定において十分な性能を持つことが確かめられ
た。
【0158】〔実施例13〕 (α−アミラーゼ活性測定用基質のα−アミラーゼによ
る分解生成物の測定) 高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により、本発明
のα−アミラーゼ活性測定用の基質である4,6−O−
エチリデン−2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D
−マルトトリオシド(EtG3CNP)及び従来のα−
アミラーゼ活性測定用の基質である2−クロロ−4−ニ
トロフェニル−α−D−マルトトリオシド(G3CN
P)のα−アミラーゼによる分解生成物の測定を行っ
た。
【0159】(1)α−アミラーゼ活性測定試薬 本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質 前記の実施例9の(1)で調製した測定試薬(C)をα
−アミラーゼ活性測定試薬として用いた。
【0160】従来のα−アミラーゼ活性測定用の基質 下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水
に溶解し、pHを6.0(20℃)に調整して、基質と
して2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルト
トリオシド(G3CNP)を含有し、チオシアン酸カリ
ウムをα−アミラーゼの活性化剤として含有するα−ア
ミラーゼ活性測定試薬〔従来法測定試薬2〕を調製し
た。
【0161】 試 薬 成 分 濃 度 2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛(G3CNP) 2.0m M 酢酸カルシウム 5.0mM 塩化ナトリウム 50mM チオシアン酸カリウム 300mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物(MES) 50mM
【0162】(2)α−アミラーゼ活性測定用基質のα
−アミラーゼとの反応 EtG3CNPのα−アミラーゼとの反応は、測定試薬
(C)3.0mLにα−アミラーゼを含有するヒト血清
200μLを添加し、37℃で反応させ、α−アミラー
ゼを含有するヒト血清を添加して反応を開始させてか
ら、30分後、2時間後、4時間後及び6時間後にこの
反応液の300μLを採取し、これをHPLCで分析し
て反応による分解生成物の測定を行った。
【0163】(3)HPLCによる分解生成物の測定 HPLC分析に供する試料として前記(2)で採取した
反応液300μLそれぞれを700μLのアセトニトリ
ルに添加して、α−アミラーゼを不活性化させα−アミ
ラーゼの反応を停止させた後、この溶液をサンプレップ
LCR13−LG(ミリポア社製)でろ過し、このろ液
をHPLC分析の試料としてマルトオリゴシド及びマル
トオリゴ糖それぞれの分析を行った。
【0164】 マルトオリゴシドの測定 α−アミラーゼによる分解反応で生じたマルトオリゴシ
ド(2−クロロ−4−ニトロフェニル−マルトオリゴ
糖)の測定は、固定相としてAsahipakNH2P
−50(4.6mmI.D.×250mm、昭和電工社
製)を用い、移動相として70%のアセトニトリル水溶
液を用い、流速0.5mL/minで880−PU型ポ
ンプ(日本分光社製)及び870−UV型紫外可視分光
検出器(日本分光社製)を使用するHPLCに、それぞ
れの前記ろ液10μLを注入して、検出波長300nm
で測定を行った。このHPLCによる分析のクロマトグ
ラムを図4に示した。
【0165】
【図4】
【0166】また、比較のため、前記(1)で調製した
従来のα−アミラーゼ活性測定用の基質(G3CNP)
を含有する従来法測定試薬2を用い、前記の測定試薬
(C)の場合と同様にして、G3CNPのα−アミラー
ゼによる分解生成物の測定を行った。この時のHPLC
による分析のクロマトグラムを図5に示した。
【0167】
【図5】
【0168】なお、これらの図において、縦軸は溶出時
間(リテンションタイム)を示し、横軸は300nmに
おける吸光度を示す。
【0169】そして、図4において、溶出時間約6.6
分のピーク(信号)は、4,6−O−エチリデン−2−
クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシ
ド(EtG3CNP)由来のものである。
【0170】また、図5において、溶出時間約6.8分
のピーク(信号)は2−クロロ−4−ニトロフェニル−
α−D−グルコシド(以下、G1CNPと略記すること
がある)、溶出時間約8.0分のピーク(信号)は2−
クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトシド(以
下、G2CNPと略記することがある)、そして溶出時
間約10.3分のピーク(信号)が2−クロロ−4−ニ
トロフェニル−α−D−マルトトリオシド(G3CN
P)由来のものである。
【0171】そして、これらの測定結果を、横軸に反応
時間を表し、縦軸に基質残存率又は分解生成物生成率を
表したグラフにまとめ直したのが、図6及び図7であ
る。
【0172】本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質
(EtG3CNP)における結果を図6に示した。
【0173】
【図6】
【0174】また、従来のα−アミラーゼ活性測定用の
基質(G3CNP)における結果を図7に示した。
【0175】
【図7】
【0176】マルトオリゴ糖の測定 α−アミラーゼによる分解反応で生じたマルトオリゴ糖
の測定は、固定相としてAsahipak NH2P−
50(4.6mmI.D.×250mm、昭和電工社
製)を用い、移動相として70%のアセトニトリル水溶
液を用い、流速0.5mL/minで880−PU型ポ
ンプ(日本分光社製)及び504R型示差屈折率検出器
(ジーエルサイエンス社製)を使用するHPLCに、そ
れぞれの前記ろ液20μLを注入して屈折率の測定を行
った。反応開始6時間後の反応液のこのHPLCによる
分析のクロマトグラムを図8に示した。
【0177】
【図8】
【0178】また、このマルトオリゴ糖の測定において
も比較のため、前記の測定試薬(C)の場合と同様にし
て、従来法測定試薬2中のG3CNPのα−アミラーゼ
による分解生成物の測定を行った。この時の反応開始6
時間後の反応液のHPLCによる分析のクロマトグラム
を図9に示した。
【0179】
【図9】
【0180】なお、これらの図において、縦軸は溶出時
間(リテンションタイム)を示し、横軸は屈折率変化を
示す。
【0181】そして、図8において、溶出時間約13.
0分のピーク(信号)は、エチリデンマルトトリオース
(以下、EtG3と略記することがある)由来のもので
ある。
【0182】また、図9において、溶出時間約13.4
分のピーク(信号)はグルコース(以下、G1と略記す
ることがある)、溶出時間約18.8分のピーク(信
号)はマルトース(以下、G2と略記することがあ
る)、そして溶出時間約27.5分のピーク(信号)が
マルトトリオース(以下、G3と略記することがある)
由来のものである。
【0183】これらの本実施例における測定結果より、
従来のα−アミラーゼ活性測定用の基質である2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド
(G3CNP)では、α−アミラーゼと反応することに
より、それ以上α−アミラーゼで直接分解できず、シグ
ナルとして検出できないG1CNP、G2CNP、G1
及びG2のような副生成物を生じ、図5に示したような
α−アミラーゼによる転移反応が生じていることが推測
され、α−アミラーゼの1回の反応を正確に捕えること
ができないことが確かめられた。
【0184】これに対して、本発明のα−アミラーゼ活
性測定用の基質である4,6−O−エチリデン−2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシド
(EtG3CNP)では、α−アミラーゼとの反応によ
り分解を受ける箇所が糖とアグリコンの間の一箇所であ
り、図5に示したようなα−アミラーゼによる転移反応
が生じていないことがわかり、α−アミラーゼの1回の
反応を正確に検出できることが確かめられた。
【0185】
【作用】一般式(I)で表される化合物をα−アミラー
ゼ活性測定用の基質として用いる、本発明のα−アミラ
ーゼ活性測定用の基質、α−アミラーゼ活性測定試薬及
びα−アミラーゼ活性測定方法においては、一般式
(I)で表される化合物を基質としてα−アミラーゼを
含有すると推測される試料と混合することにより、前記
の試料中に含有されるα−アミラーゼによって前記の化
合物の糖とアグリコン(置換されたフェノール)の間の
グリコシド結合が直接加水分解され、非還元末端修飾マ
ルトース又は非還元末端修飾マルトトリオースと置換さ
れたフェニル基が共役酵素の介在なしに分離し、遊離す
る。これにより遊離した置換されたフェノールの量をそ
の吸光度を測定すること等により求め、これより試料中
のα−アミラーゼ活性を算出することができる。
【0186】
【発明の効果】一般式(I)で表される化合物をα−ア
ミラーゼ活性測定用の基質として用いる、本発明のα−
アミラーゼ活性測定用の基質、α−アミラーゼ活性測定
試薬及びα−アミラーゼ活性測定方法は、α−アミラ
ーゼとの親和性に優れているため共役酵素を使用せずに
α−アミラーゼ活性を測定することができ、共役酵素
を使用せず基質の分解が抑えられるので長期間正確な測
定値を得ることができ、ラグフェーズを有さず、共
役酵素中の不純物による正誤差がなく、低コストで測
定を行うことができ、元の基質より大きなマルトオリ
ゴ糖又はマルトオリゴ糖誘導体を生成する転移反応を完
全に防ぐことにより測定値が正確であり、基質の合成
が容易であり、かつ測定操作が簡便で再現性がよい、
という効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のα−アミラーゼ活性測定方法による測
定値と、従来のα−アミラーゼ活性測定方法である4,
6−O−ベンジリデン−4−ニトロフェニル−α−D−
マルトヘプタオシド(BG7PNP)を基質として用い
るα−アミラーゼ活性測定方法による測定値との相関を
示したグラフである。
【図2】α−アミラーゼ活性が高いヒト血清を10段階
に希釈した試料を用いて、本発明のα−アミラーゼ活性
測定試薬(基質:EtG3CNP)により測定を行った
結果を示したグラフである。
【図3】α−アミラーゼ活性が高いヒト血清を7段階に
希釈した試料を用いて、本発明のα−アミラーゼ活性測
定試薬(基質:DMG3CNP)により測定を行った結
果を示したグラフである。
【図4】本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質(E
tG3CNP)にα−アミラーゼを作用させた時の、H
PLCによる分析におけるマルトオリゴシドのクロマト
グラムを示した図である。
【図5】従来のα−アミラーゼ活性測定用の基質(G3
CNP)にα−アミラーゼを作用させた時の、HPLC
による分析におけるマルトオリゴシドのクロマトグラム
を示した図である。
【図6】本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質(E
tG3CNP)にα−アミラーゼを作用させた時の、基
質の残存率及び分解生成物の生成率を示したグラフであ
る。
【図7】従来のα−アミラーゼ活性測定用の基質(G3
CNP)にα−アミラーゼを作用させた時の、基質の残
存率及び分解生成物の生成率を示したグラフである。
【図8】本発明のα−アミラーゼ活性測定用の基質(E
tG3CNP)にα−アミラーゼを作用させた時の、H
PLCによる分析におけるマルトオリゴ糖のクロマトグ
ラムを示した図である。
【図9】従来のα−アミラーゼ活性測定用の基質(G3
CNP)にα−アミラーゼを作用させた時の、HPLC
による分析におけるマルトオリゴ糖のクロマトグラムを
示した図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子あるいは、置換されていないか
    若しくは置換されている、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基又はフェニル基であり、R2 は水素原子あるい
    は、置換されていないか若しくは置換されている、低級
    アルキル基、低級アルコキシル基又はフェニル基であ
    り、R1 とR2 は互いに架橋していてもよく、R3 及び
    4 は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、低
    級アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子又はニトロ基で
    あり、nは0又は1である、但し、R1 とR2 は同時に
    水素原子であることはない)で表される化合物よりな
    る、共役酵素を必要としないα−アミラーゼ活性測定用
    の基質。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化2】 (式中、R1 は水素原子あるいは、置換されていないか
    若しくは置換されている、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基又はフェニル基であり、R2 は水素原子あるい
    は、置換されていないか若しくは置換されている、低級
    アルキル基、低級アルコキシル基又はフェニル基であ
    り、R1 とR2 は互いに架橋していてもよく、R3 及び
    4 は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、低
    級アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子又はニトロ基で
    あり、nは0又は1である、但し、R1 とR2 は同時に
    水素原子であることはない)で表される化合物を基質と
    して含有し、かつ共役酵素を含有しないα−アミラーゼ
    活性測定試薬。
  3. 【請求項3】 (a) 一般式(I) 【化3】 (式中、R1 は水素原子あるいは、置換されていないか
    若しくは置換されている、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基又はフェニル基であり、R2 は水素原子あるい
    は、置換されていないか若しくは置換されている、低級
    アルキル基、低級アルコキシル基又はフェニル基であ
    り、R1 とR2 は互いに架橋していてもよく、R3 及び
    4 は、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、低
    級アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子又はニトロ基で
    あり、nは0又は1である、但し、R1 とR2 は同時に
    水素原子であることはない)で表される化合物を基質と
    してα−アミラーゼを含有すると推測される試料と混合
    し、前記の試料中に含有されるα−アミラーゼを前記の
    化合物と反応させ、共役酵素を介在させずに前記の化合
    物の還元末端側の置換されたフェニル基を遊離させ、
    (b) この遊離した置換されたフェノールの量を測定
    することよりなる試料中のα−アミラーゼ活性測定方
    法。
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