JPH09287157A - 合成構造沈埋函の鋼殻構造およびその構築方法 - Google Patents

合成構造沈埋函の鋼殻構造およびその構築方法

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JPH09287157A
JPH09287157A JP8102545A JP10254596A JPH09287157A JP H09287157 A JPH09287157 A JP H09287157A JP 8102545 A JP8102545 A JP 8102545A JP 10254596 A JP10254596 A JP 10254596A JP H09287157 A JPH09287157 A JP H09287157A
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JP
Japan
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steel
shell
concrete
flange
box
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JP8102545A
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Inventor
Kiyoutarou Kanda
恭太郎 神田
Akira Sueda
明 末田
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外殻となる鋼板とその内面に溶接した突起付
きT形鋼を構造部材とする合成構造沈埋函の鋼殻構造お
よびその構築方法を提供する。 【解決手段】 外殻1となる鋼板の内面に函横断方向に
ハニカム状の切欠き23を持つウエブ22とその表面に突起
を有するフランジ21からなるT形鋼2を溶接し、前記ウ
エブ22の切欠き23を通して函軸方向にL形鋼3を外殻1
に溶接した下床版鋼殻1A、上床版および側壁鋼殻1B
により閉断面を構成し、該上床版および側壁鋼殻1Bに
おいてはT形鋼2のフランジ21面に設けたボルト孔にね
じ切りした棒鋼を貫通させて、該棒鋼の中間部をナット
を用いてフランジ21に定着させるとともに、前記棒鋼の
外殻側端部にナットを取り付け、反対側端部にはコンク
リート打設用の鋼製型枠を着脱可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外殻となる鋼板と
その内面に溶接した突起付きT形鋼を構造部材とする合
成構造沈埋函の鋼殻構造およびその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】河口部、航路部等の臨海部における水底
トンネルの建設に用いられる沈埋工法は、トンネル延長
をおよそ 100m 程度のブロック、すなわち沈埋函に分割
し、これを陸上で製作し、両端部分を仮隔壁で閉塞して
浮力により建設地点まで曳航し、予め浚渫した水底の掘
割部に沈埋し、各端部を接合してトンネルとする工法で
ある。
【0003】沈埋函の構造は、従来、鉄筋コンクリート
構造で外周面には厚さ6〜8mmの鋼板が配置されてい
る。この鋼板は、函体の製作時にはコンクリート打設型
枠として、また完成時には防水鋼板として機能し、設計
上は構造部材としての役割を担わない。これに対して近
年鋼板と躯体コンクリートとを一体化し合成構造とする
ことにより鉄筋量を減少させ、沈埋函製作時の配筋作業
の効率化、コスト削減を図る合成構造沈埋函が開発され
た。
【0004】合成構造沈埋函の構造形式としては、大別
して、(1) 外殻鋼板とその内部に外殻と平行方向に配置
した鋼板との空隙にコンクリートを打設して合成させた
フルサンドイッチ構造、(2) 外殻鋼板とその内面側の鉄
筋コンクリートを合成したオープンサンドイッチ構造の
2種がある。ここで、(1) のフルサンドイッチ構造の場
合は、図5に示すように、外側鋼板31と内側鋼板32との
間を函軸方向および函横断方向に配置されるせん断補強
鋼板33により接合するとともに、それらの内面にはシア
コネクタ34が取り付けられたものであり、鉄筋を不要と
し内側鋼板32はコンクリート打設時の型枠を兼ねる点で
有利となる。外側鋼板31と内側鋼板32で仕切られる狭隘
な空間35内へ打設するコンクリートには、高流動コンク
リートを使用する。なお、沈埋函の内面側が鋼板となる
ため、耐火被覆塗装を施す必要がある。
【0005】一方、(2) のオープンサンドイッチ構造の
場合は、図6に示すように、外殻鋼板36と主鉄筋37との
間に所定の間隔でせん断補強のスターラップ38が立設さ
れ、その間にスタッド39が取り付けられる。このように
構成することによって、従来防水用として配置されてい
た外殻鋼板を鉄筋の代わりに構造要素とすることができ
る。また、函内面がコンクリートとなることで、従来の
鉄筋コンクリート構造と同様に耐火被覆が不要である。
ただし、鋼板と鉄筋コンクリートとを合成させるために
膨大な量のスターラップ38やスタッド39等を必要とする
上に、この構造を側壁および上床版部に用いる場合には
コンクリート打設時に型枠が必要となり、トラベラーと
称する移動式型枠等が用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例にはそれぞれつぎのような問題点がある。(1)
のフルサンドイッチ構造の場合は、外側および内側鋼板
をせん断補強鋼板で溶接接合するが狭隘空間での作業と
なり、特に隅角部における加工性が悪い。また、狭隘空
間内への充填性を向上させた高流動コンクリートは普通
コンクリートと比較して高価であるうえに、硬化後のコ
ンクリートの充填性を確認するのが困難である。さら
に、沈埋函の内面側が鋼板となるため後から耐火被覆を
施す必要があるなど問題である。(2) のオープンサンド
イッチ構造の場合は、鉄筋コンクリート部の配筋および
鋼板と鉄筋コンクリートを合成するための膨大な量のス
ターラップやスタッドの溶植などに労力を要する。ま
た、上床版および側壁部のコンクリート打設時に使用す
る移動式型枠の設備費が高価であるなどの問題がある。
【0007】本発明は、このような従来構造の問題点を
解消し、シンプルな構造で配筋作業等もほとんどなく、
狭隘空間内における溶接作業も少なく、またコンクリー
トの充填が確実でかつそれを確認できる合成構造沈埋函
の鋼殻構造およびその構築方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、外殻(1) とな
る鋼板の内面に函横断方向にハニカム状の切欠き(23)を
持つウエブ(22)と表面に突起を有するフランジ(21)から
なるT形鋼(2) を溶接し、前記ウエブ(22)の切欠き(23)
を通して函軸方向にL形鋼(3) を外殻(1) に溶接した下
床版鋼殻(1A)、上床版および側壁鋼殻(1B)により閉断面
を構成し、該上床版および側壁鋼殻(1B)においてはT形
鋼(2) のフランジ(21)面に設けたボルト孔(6) にねじ切
りした棒鋼(7) を貫通させて、該棒鋼(7) の中間部をナ
ット(8)を用いてフランジ(21)に定着させるとともに、
前記棒鋼(7) の外殻側端部にナット(9) を取り付け、反
対側端部にはコンクリート打設用の鋼製型枠(10)を着脱
可能としたことを特徴とする合成構造沈埋函の鋼殻構造
である。
【0009】また、本発明は、上記の合成構造沈埋函の
鋼殻構造にコンクリート(5) を打設する際に、上床版お
よび側壁部においては外殻(1) と鋼製型枠(10)で仕切ら
れた空間にコンクリート(5) を打設し、該コンクリート
(5) の硬化後に前記鋼製型枠(10)を取り外すようにする
ことを特徴とする合成構造沈埋函の構築方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態について、図面を参照して詳しく説明する。図1は本
発明の沈埋函の実施例を示す斜視図、図2は図1のA部
の鋼殻断面構造を示す部分斜視図である。図3は図1の
B部の上床版の鋼殻断面構造を示すもので、(a) は側断
面図、(b) はそのC−C矢視側断面図である。図4は本
発明の沈埋函の上床版および側壁部の組み立て手順を示
す説明図である。
【0011】これらの図において、1は鋼板製の外殻で
ある。この外殻1は、底面、天井面およびこれらに接続
する両側面よりなり、マッチ箱の外箱のような形状とさ
れる。2は外殻1の内側の函横断方向に溶接によって取
り付けられる桁部材としてのT形鋼であり、21はT形鋼
2のフランジ、22はウエブである。このフランジ21に
は、圧延等により表面に幅方向に線状等の突起を形成し
た突起付き鋼板を使用する。ウエブ22の高さ、すなわち
フランジ部分の位置は、壁面のコンクリート厚みを1000
〜1500mmとして、これよりかぶり厚を差し引いた寸法と
なる。なお、T形鋼2には、突起付きロールH形鋼のウ
エブを切断してなるDFTと称するT形鋼を使用しても
よい。フランジ表面の突起は、コンクリート表面のひび
割れの分散および桁部材とコンクリートとの付着性向上
によるずれ防止に有効である。また、T形鋼のウエブ22
には、その長手方向にハニカム(波型)状の切欠き23が
設けられている。この切欠き23は、函軸方向部材との干
渉を避け、交差部の構造をシンプルにするとともに、コ
ンクリートの充填性を向上させることに有効である。
【0012】3は外殻1の内側に、T形鋼2のウエブ22
と直角方向に取り付けられるL形鋼である。このL形鋼
3の役割は、コンクリート打設時の補剛材、又トンネル
長手方向の桁部材であると同時に、鋼板とコンクリート
のずれ防止にある。なお、L型断面の山形鋼に代えて、
T形鋼やH形鋼等、外殻1と平行なフランジを有する形
鋼を使用してもよい。
【0013】4はT形鋼2の表面に取り付けられるエキ
スパンドメタルである。トンネルの上下床版および側壁
には、正負の曲げモーメントが作用するため、トンネル
外面に位置する外殻1の応力状態が必ずしも引張り側と
は限らない。エキスパンドメタル4の役割は、トンネル
内面のコンクリート側が引張り状態となった場合のコン
クリートのひび割れ分散性の向上にある。エキスパンド
メタル4は面積当たりのコストも安く、網目状であるか
ら、任意の位置でフランジとスポット溶接により固定す
ることができ、かつ流動状態のコンクリートが通過でき
るなど作業性もよいが、これに代えて金網、あるいは細
い鉄筋等の各種金網状体を用いてもよい。
【0014】5は外殻1の内側に打設されるコンクリー
トである。ここで、使用されるコンクリート5は普通コ
ンクリートとするが、高流動コンクリートや無収縮また
は膨張コンクリートであってもよい。つぎに、このよう
に構成される沈埋函の組み立て手順について、以下に説
明する。
【0015】まず、下床版部(A部)について説明する
と、はじめに、加工工場において外殻1となる鋼板の内
面に函軸方向のL形鋼3を溶接によって取り付ける。つ
ぎに、函横断方向に配置するT形鋼2のウエブ22にその
長手方向にハニカム状の切欠き23を設け、外殻1の内面
にウエブ22の端部を溶接して接合する。このときハニカ
ム状の切欠き23が函軸方向のL形鋼3との交差部となる
ようにT形鋼2を配置する。L形鋼3とT形鋼2の交差
部はすみ肉溶接にて接合する。これによって、下床版鋼
殻1Aが構成される。
【0016】上床版および側壁部(B部)の鋼殻断面構
造について説明すると、はじめにT形鋼2のフランジ21
面に所要の間隔のボルト孔6をあけ、ウエブ22の長手方
向に上記と同様にハニカム状に切り欠いて切欠き23を設
ける。つぎに、沈埋函の鋼板製の外殻1の内面にT形鋼
2のウエブ22の端部を上記と同様にL形鋼3とともに溶
接して接合する。そして、ねじ切り加工した棒鋼7を前
記フランジ21面のボルト孔6に貫通させ、その中間部を
ナット8で上下から締め付けてフランジ21に定着させ
る。また、棒鋼7の外殻1側の端部には別のナット9を
螺合して点付け溶接し、スタッドとして機能させる。こ
れによって、上床版および側壁鋼殻1Bが構成される。
【0017】この状態まで加工した後に、この上床版お
よび側壁鋼殻1Bを下床版鋼殻1Aの上に立体組み立て
をする。その後、図4(a) に示すように、鋼製型枠10を
図示しないリフタ等で持ち上げて、そのボルト孔11に上
床版鋼殻1BのT形鋼2のフランジ21に取り付けられた
棒鋼7を貫通させ、図4(b) に示すように、鋼製型枠10
の外側から座金12およびナット13にて定着させる。な
お、鋼製型枠10を取り付けるリフタには、約7mの高さ
に対応できるような専用台車を使用するのがよい。ま
た、鋼製型枠10は最初の鋼殻のみ工場加工時に鋼殻に取
り付けてもよい。
【0018】ついで、図4(c) に示すように、コンクリ
ート5を打設する。そして、コンクリート5が硬化後、
ナット13を取り外して鋼製型枠10を撤去する。これによ
ってコンクリート5の充填状況を外面から確認すること
ができる。以上の手順によって、合成構造沈埋函が完成
する。なお、撤去した鋼製型枠10は、次にコンクリート
を打設する箇所に転用する。また、コンクリート内に金
属繊維等のひび割れ防止材を混入させれば、エキスパン
ドメタル4を省略、あるいは使用量を削減することがで
きる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外殻となる鋼板の内面に函横断方向にハニカム状の切欠
きをもつウエブと表面に突起を有するフランジとからな
るT形鋼を溶接するとともに、前記ウエブの切欠きを通
して函軸方向にL形鋼等を溶接した鋼殻を、これを型枠
として打設したコンクリートと一体化させた合成構造で
あり、しかも上床版および側壁部は前記鋼殻の内側にず
れ止め兼型枠定着金具としての棒鋼により鋼製型枠を脱
着可能に取り付け、その間にコンクリートを打設してな
る合成構造であるから、つぎのような効果がある。 (1) 突起付きT形鋼を使用することにより、従来のオー
プンサンドイッチ構造に比べて主鉄筋やスターラップお
よびスタッドを省略することができ、製作・加工手間を
軽減できる。 (2) 沈埋函鋼殻の函横断方向のT形鋼のウエブをハニカ
ム状に切り欠くことにより、函軸方向のL形鋼がT形鋼
により分断されることがなくなり、従来と比較して加工
部材数を低減できる。 (3) T形鋼のウエブをハニカム状に切り欠いた部分を通
して打設したコンクリートが鋼殻全体に充填され易くな
り、コンクリートの品質が向上する。 (4) 上床版および側壁に使用する場合のT形鋼のフラン
ジを貫通させて取り付けた棒鋼が、T形鋼とコンクリー
トとのズレ止めとして機能するほか、コンクリート打設
用鋼製型枠の吊り材としても機能する。 (5) 鋼製型枠を鋼殻に転用可能に吊り下げることで移動
式型枠(トラベラー)等の大がかりな設備を必要とせ
ず、設備費を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の沈埋函の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のA部の断面構造を示す部分斜視図であ
る。
【図3】図1のB部の断面構造を示す(a) 側断面図、
(b) C−C矢視断面図である。
【図4】(a) 〜(c) は本発明の沈埋函の組み立て手順を
示す説明図である。
【図5】従来のサンドイッチ構造の一例を示す斜視図で
ある。
【図6】従来のオープンサンドイッチ構造の一例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 外殻 1A 下床版鋼殻 1B 上床版および側壁鋼殻 2 T形鋼 3 L形鋼 4 エキスパンドメタル 5 コンクリート 6,11 ボルト孔 7 棒鋼 8,9,13 ナット 10 鋼製型枠 12 座金 21 フランジ(突起付き鋼板) 22 ウエブ 23 切欠き

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外殻(1) となる鋼板の内面に函横断方向
    にハニカム状の切欠き(23)を持つウエブ(22)と表面に突
    起を有するフランジ(21)からなるT形鋼(2)を溶接し、
    前記ウエブ(22)の切欠き(23)を通して函軸方向にL形鋼
    (3) を外殻(1) に溶接した下床版鋼殻(1A)、上床版およ
    び側壁鋼殻(1B)により閉断面を構成し、該上床版および
    側壁鋼殻(1B)においてはT形鋼(2) のフランジ(21)面に
    設けたボルト孔(6) にねじ切りした棒鋼(7) を貫通させ
    て、該棒鋼(7) の中間部をナット(8) を用いてフランジ
    (21)に定着させるとともに、前記棒鋼(7) の外殻側端部
    にナット(9) を取り付け、反対側端部にはコンクリート
    打設用の鋼製型枠(10)を着脱可能としたことを特徴とす
    る合成構造沈埋函の鋼殻構造。
  2. 【請求項2】 請求項1の合成構造沈埋函の鋼殻構造に
    コンクリート(5) を打設する際に、上床版および側壁部
    においては外殻(1) と鋼製型枠(10)で仕切られた空間に
    コンクリート(5) を打設し、該コンクリート(5) の硬化
    後に前記鋼製型枠(10)を取り外すようにすることを特徴
    とする合成構造沈埋函の構築方法。
JP8102545A 1996-04-24 1996-04-24 合成構造沈埋函の鋼殻構造およびその構築方法 Pending JPH09287157A (ja)

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