JPH07323884A - 浮体構造物およびその構築方法 - Google Patents

浮体構造物およびその構築方法

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JPH07323884A
JPH07323884A JP13966094A JP13966094A JPH07323884A JP H07323884 A JPH07323884 A JP H07323884A JP 13966094 A JP13966094 A JP 13966094A JP 13966094 A JP13966094 A JP 13966094A JP H07323884 A JPH07323884 A JP H07323884A
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floating
floating body
concrete
units
working compartment
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JP13966094A
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Masayuki Okimoto
眞之 沖本
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型の浮体構造物を構築すべく、ドック等で
建造された浮体ユニットどうしを容易かつ確実に洋上接
合できる構造およびその構築方法を提供する。 【構成】 複数の浮体ユニット1を洋上で連接して、浮
体構造物Aを構築する。浮体ユニット1は、上側床版
2,下側床版3間を鉛直方向の隔壁4で格子状に仕切
り、その内側に複数の隔室5を形成したものである。浮
体ユニット1の外周辺位置には接合面側に開口するチャ
ンバー部6を設け、隣接する浮体ユニット1との洋上接
合により水密な作業用隔室7を形成する。チャンバー部
6の周辺の接合面6aには止水材を取り付けておき、浮
体ユニット1どうしを仮接合して引き寄せることで、止
水材を押圧し、止水性を確保する。その状態で作業用隔
室7内の水を浮体ユニット1は、上側床版2および下側
床版3間を鉛直方向の隔壁4で格子状に仕切り排水し、
水圧を接合部に誘導する。ドライな状態の作業用隔室7
にPC鋼材8を配設し、PC鋼材8の緊張により、浮体
ユニット1どうしを一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水域における係船施設
等を構成する浮体構造物およびその構築方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】浮き消波堤や浮き桟橋等として用いられ
る浮体構造物としては、従来、鉄筋コンクリート製、鋼
製、あるいはFRP製のポンツーン等が一般的である。
ところで、これらの浮体構造物は、ドックあるいはヤー
ド等で建造し、設置現場まで曳航して、チェーン等で係
留する場合が多いが、ドックの大きさや曳航する際の制
約等から、その大きさに限度があり、大規模な浮体構造
物とするためには、浮体ユニットどうしを連結する必要
がある。しかし、洋上で大きな浮体ユニットどうしを一
体の浮体構造物として連結あるいは接合する作業は容易
ではない。また、単に係留チェーン等で連結する場合も
多いが、構造的な一体性が得られず、浮体ユニットどう
しの干渉の問題等も生ずる。従来、このような浮体ユニ
ットどうしを洋上で接合一体化する方法としては、特公
平6−8116号公報に記載されたものがある。同公報
に記載された洋上浮遊構造物の建造方法は、大型で強度
的に安定度が高いコンクリート製浮遊構造物を低コスト
で建造することを目的としたものである。中空のコンク
リートユニットどうしを連結するため、ユニットを比較
的小さなドックまたはヤードで製作することが可能であ
り、またユニットをリング状に連結することで全体とし
ての安定性を確保するようにしている。ユニットどうし
の連結については、ユニットの端部外側に仮緊張支持部
を設けるとともに、接合端面の周縁部に弾性止水パッキ
ンを介在させる構造とし、浮遊させた状態でユニットど
うし突き合わせ、仮緊張支持部間を緊張材で仮結合し、
その後に弾性止水パッキンで囲まれた部分にコンクリー
トを打設するとともに、ユニット間の接合部にPC鋼材
を貫通させ、コンクリートの固化後にPC鋼材を緊張し
一体化するといった方法を採用している。一方、浮体構
造物ではないが、水底トンネル等に用いられる沈埋函の
接合においては、従来、接合部の締切枠内に水中コンク
リートを充填して止水し、内部で継手施工する水中コン
クリート方式の他、接合面の仮隔壁の外側に設けたゴム
ガスケット(弾性止水パッキン)を接合する沈埋函の引
き寄せにより圧縮し、仮隔壁間の水を排水することで接
合部に水圧を誘導して止水を行う水圧利用圧接方式が広
く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した特公平6−8
116号公報記載の方法では、接合部の弾性止水パッキ
ン内にコンクリートを打設した後、PC鋼材を中空のコ
ンクリートユニットの内部から通す必要があり、PC鋼
材の設置状況を直接目視できないことからも、作業性や
信頼性で問題が生ずる。本発明は、大型の浮体構造物を
構築すべく、ドック等で建造された浮体ユニットどうし
を容易かつ確実に洋上接合できる構造およびその構築方
法を提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明は、多角形の平面形状を有する浮体ユニットどうし
を連結接合してなる浮体構造物において、各浮体ユニッ
トの外周辺位置に、隣接する浮体ユニットとの接合によ
り水密な作業用隔室を形成するチャンバー部を設け、こ
の作業用隔室位置に浮体ユニットどうしを連結接合する
ための連結手段を配設してなるものである。浮体ユニッ
トは、中空の鉄筋コンクリート構造のもの、鋼殻構造の
もの、鉄筋コンクリート構造と鋼構造(鋼に限らず他の
金属製のものでもよい)を組み合わせたもの等、特に限
定されない。また、浮体ユニットは、上下が床版等で閉
塞されているものに限定されず、浮体としての浮力が得
られるものであれば、例えば上面が開口しているもので
もよい。チャンバー部はドライチャンバーとして、作業
員がその中に入って、各種連結手段の配設や連結作業等
を行うための作業用隔室を形成するものであり、浮体ユ
ニットどうしの接合面には、通常、チャンバー部を取り
囲む形でガスケット等の止水材を取り付けておく。連結
手段としては、隣接する浮体ユニットどうしを緊結する
ためのPCケーブルや、接合部のコンクリート中に埋め
込む形で配設される鉄筋、その他の鋼材、あるいは鋼材
とグラウト充填によるもの等が利用できる。本発明の請
求項2記載の発明は、請求項1の浮体構造物において、
浮体ユニットの本体部分として、鉛直方向の金属製パイ
プを複数本平行に連続的に配設して閉合させ、金属製パ
イプの両端をコンクリート製の床版で被覆、拘束するこ
とで、内側に前記金属製パイプで囲まれる隔室を形成し
たものを用いたものである。また、本発明の請求項3記
載の発明は、請求項1の浮体構造物において、浮体ユニ
ットの本体部分として、両端を密閉することにより浮体
として所定の浮力を確保可能な寸法を有する金属製パイ
プを鉛直方向に所定間隔をおいて複数本配設し、複数本
の金属製パイプの上下端をコンクリート製の床版で被
覆、拘束したものを用いたものである。さらに、本発明
の請求項4記載の発明は、請求項1、2または3の浮体
構造物において、浮体ユニットの平面形状を六角形とし
たものである。本来、浮体ユニットの平面形状は特に限
定されないが、六角形の浮体ユニットどうしを接合して
行く場合、四角形の浮体ユニットに比べ、洋上接合作業
においてユニットどうしを徐々に引き寄せながら位置決
めできるという利点がある。本発明の請求項5記載の発
明は、請求項1、2、3または4の浮体構造物の構築方
法であり、浮体ユニットどうしのチャンバー部を洋上で
突き合わせて仮接合した後、チャンバー部で形成される
作業用隔室内の水を排水し、ドライチャンバーとしての
作業用隔室部分に鉄筋その他の連結材を配設して浮体ユ
ニットどうしを連結接合することを特徴とするものであ
る。浮体ユニットどうしの連結接合において、接合位置
に直接作業員が入るため、連結材を目視しながら設置す
ることができ、作業性の面でも、連結部の信頼性の面で
も利点が大きい。本発明の請求項6記載の発明は、請求
項5の構築方法において、連結材の設置後、作業用隔室
内にコンクリートを打設するものである。連結材を設置
した連結部の補修があまり必要とならない場合において
有効であり、コンクリートの打設により浮体ユニットど
うしの接合部が強固となり、浮体構造物としての一体性
が高まる。なお、請求項5の構築方法においては、作業
用隔室内にコンクリートを打設しなくてもよく、その場
合、連結材等に関する補修、点検が容易であるという利
点がある。
【0005】
【作用】次に本発明の作用について説明する。本発明に
おいては、浮体ユニットどうしの洋上接合が可能であ
り、大規模な浮体構造物を構築するに当たり、特別なド
ックや広大なヤードを必要としない。また、洋上で浮力
を受けた状態で接合することで、非常に大きな浮体構造
物の構築が可能となる。接合部に形成される水密な作業
用隔室をドライな状態とし、作業員が作業用隔室内で作
業できるため、施工性がよく、接合部の信頼性、構造的
一体性の面でも優れている。請求項2、3の発明の浮体
構造物の場合、浮体ユニットの両端がコンクリート製の
床版で被覆されて拘束される鋼管等の金属製パイプの浮
力、あるいはそれに加え閉合配設された複数本の金属製
パイプの内側に形成される隔室部分で大きな浮力が得ら
れ、係船施設等を構成する浮体構造物として高い安定性
が確保できる。また、金属製パイプは浮体としての機能
と構造部材としての機能を兼ねており、側面からの大き
な水圧に対しても十分な曲げ耐力と水密性を低コストで
得ることができ、配置その他、設計における自由度も高
い。さらに、金属製パイプの両端に配置したコンクリー
ト製の床版が、金属製パイプ相互を拘束して浮体構造物
に高い剛性を与える。その他、コンクリート自体が防食
性を有するため、特に端部の被覆防食が問題となる鋼管
を用いた場合においても、端部全体がコンクリート中に
埋め込まれることで簡易に防食できる。この場合、鋼管
自体については高い防食性能が期待できる高分子系シー
トや耐食性の金属シートを巻き付けた閉合被覆防食や、
複層鋼板からなる鋼管の使用が可能となる。水平面内に
おける金属製パイプの径や配置を適宜設定することで、
様々な波浪モードに対応して高い消波機能を持たせるこ
とができる。床版等を構成するコンクリート部材は、プ
レキャストコンクリート製とすることで、金属製パイプ
とともにプレファブ化が図れ、工場での大量生産や既成
品の使用によるコスト低減が可能である。請求項4の浮
体構造物の場合、浮体ユニットの平面形状を六角形とし
たことで、形状自体がガイドの機能を有し、洋上接合作
業においてユニットどうしを徐々に引き寄せながら位置
決めすることができる。本発明の請求項5の浮体構造物
の構築方法においては、上述の浮体構造物の構造にも関
連して、接合位置の作業用隔室内に直接作業員が入れる
ことなどから、施工性、信頼性に優れている。また本発
明の請求項6の浮体構造物の構築方法では、連結材の設
置後に、作業用隔室内にコンクリートを打設すること
で、浮体ユニット相互の接合部が強固となり、浮体構造
物としての一体性を高めることができる。
【0006】
【実施例】図1〜図3は本発明の第1実施例を示すもの
であって、平面形状が正方形の浮体ユニット1を洋上で
連接することで、浮体構造物Aを形成している。この実
施例における浮体ユニット1は、上側床版2および下側
床版3を鉛直方向の隔壁4で格子状に仕切り、その内側
に複数の隔室5を形成したものである。上側床版2,下
側床版3および隔壁4は鉄筋コンクリート構造である。
正方形の各辺に当たる外周辺位置には接合面側に開口す
るチャンバー部6が設けられており、隣接する浮体ユニ
ット1との洋上での接合により水密な作業用隔室7を形
成する。
【0007】図示しないが、チャンバー部6の周辺の接
合面6aにはゴムガスケット等の止水材を取付けてお
き、浮体ユニット1どうしを仮接合して引き寄せること
で、止水材を押圧し、止水性を確保することができる。
また、その状態でチャンバー部6によって形成される作
業用隔室7内の水をポンプで排水することで、沈埋函に
おける水圧利用圧接方式と同様の原理で、浮体ユニット
1に作用する水圧をこの部分に誘導し、浮遊状態にある
浮体ユニット1どうしを容易に一体化することができ、
かつ作業用隔室7内がドライな作業空間として利用でき
るようになる。
【0008】図1および図3において、8は本接合のた
めのPC鋼材であり、作業員が作業用隔室7の内外から
ドライの状態で設置することができる。また、第1実施
例にはPC鋼材8の施工後に、作業用隔室7の内部に、
コンクリート9を打設して浮体ユニット1相互の一体化
を図っている。その後、PC鋼材8を緊張することで、
接合部にプレストレスを導入することができる。なお、
プレストレスの導入に関し、PC鋼材8はコンクリート
9と付着するボンドタイプの場合と、シース等を有する
アンボンドタイプの場合とが考えられる。あるいは作業
用隔室7の内部にコンクリートを打設せずに、常時、接
合部の点検、補修が可能な構造としてもよい。
【0009】浮体ユニット1の寸法の一例を挙げると、
上下の鉄筋コンクリート製の上側床版2,下側床版3の
一辺の長さが20m、上側床版2の厚さが400mm、
下側床版3の厚さが300mm、隔壁4の厚さが200
mm、下側床版3の下面から上側床版2の上面までの高
さが5m、外周辺のチャンバー部6の奥行きが500m
mとなり、浮体ユニット1どうしの接合により、各辺に
ついて、長さ17.8m、幅1m、高さ4.3メートル
の作業用隔室7が形成される。
【0010】図4〜図6は請求項2の本発明の第2実施
例を示したもので、浮体構造物Bを構成する浮体ユニッ
ト11は、鉛直方向に立てた金属製パイプ14を複数本
平行に連続的に配設して閉合させ、その両端をコンクリ
ート製の上側床版12,下側床版13で被覆、拘束し、
上下の床版12,13間に金属製パイプ14で囲まれる
隔室15を形成したものである。本発明の第2実施例に
おいて、金属製パイプ14としては、太径の鋼管14a
と、鋼管14a間に主に鋼管14aどうしの接合を目的
として細径の半割り鋼管14bを配設している。また、
隔室15内にも補剛と浮力を考慮して鋼管14cを等間
隔で分散配置している。
【0011】平面形状が正方形の浮体ユニット11の外
周辺位置には接合面側に開口するチャンバー部16が設
けられており、隣接する浮体ユニット11との洋上での
接合により水密な作業用隔室17を形成する。なお、こ
のチャンバー部16は上述のような構成の浮体ユニット
11の隅角部において、鋼管14aの外面を覆うように
上下の床版12,13をコンクリート16bでつなぐこ
とによって形成されている。また、チャンバー部16の
周辺の接合面16aには止水材を取り付けておき、接合
時の止水性を確保する。
【0012】本発明の第2実施例の場合は、金属製パイ
プ14として既成品が安価に入手できる鋼管を用いてい
るが、鋼管に限定されるものではない。なお、鋼管の場
合、耐食性が問題となるが、防食処理が難しい端部が耐
食性を有するコンクリートで被覆されるため、閉合させ
た複数本の金属製パイプの外周側面部について、金属製
パイプの外表面のみに防食処理を施せばよい。
【0013】防食処理としては、ウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂等による塗装、ポリエチレン等の高分子材料や金
属系材料による被覆防食があるが、第2実施例では閉合
させた金属製パイプの外周側面部のみ防食すればよいた
め、塗装に比べ高い防食性能が得やすい高分子系シート
や耐食性の金属シートによる閉合被覆が可能であり、簡
単に高い防食性能を得ることができる。
【0014】この他、金属製パイプとしては、ステンレ
ス、チタン等の耐食性金属からなる管や、外表面に耐食
性金属を有する複層鋼板からなる鋼管を用いることで、
防食処理を省略することも可能である。
【0015】寸法の一例を挙げると、コンクリート製の
上側床版2および下側床版3の平面形状は一辺の長さが
20mの正方形で、上側床版12の厚さが400mm、下
側床版13の厚さが300mm。隔室15の外郭をなす
金属製パイプ14としては、外径2500mm、板厚1
0mm、長さ4.6mの鋼管14aと、内側に凸となる
ように配置した外径300mm、板厚10mm、長さ
4.6mの半割り鋼管14bを交互に各24本連設し、
隔室15内には外径1000mm、板厚10mm、長さ
4.6mの鋼管14cを等間隔で25本配置している
(上載荷重は0.5t/m2 程度を想定)。
【0016】図7〜図9は、請求項3の発明に対応する
本発明の第3実施例を示したもので、浮体構造物Cを構
成する浮体ユニット21は、鉛直方向に立てた金属製パ
イプ24を複数本平行に分散配置し、その両端をコンク
リート製の上下床版22,23で被覆して拘束したもの
である。
【0017】前記図7ないし図9の場合は、図4ないし
図6の場合と異なり、各金属製パイプ24がそれぞれ浮
力を得るための隔室25を形成している。浮体ユニット
21の外周辺位置のチャンバー部26は、図8に示すよ
うに外周部を構成する金属製パイプ24をコンクリート
製の隔壁24aでつなぐことによって形成されている。
図8では浮体ユニット21の隅角部にのみ比較的小さな
チャンバー部26を形成する場合について2例をまとめ
て示しているが、隔壁24aの配置、金属製パイプ24
間のつなぎ方によって任意の大きさのチャンバー部26
を形成することができる。金属製パイプ24の材質、防
食等に関しては、前記図4ないし図6に示す本発明の第
2実施例の場合と同様に考えることができる。
【0018】図10ないし図13は、本発明の第4実施
例を浮体構造物の構築方法における浮体ユニットの洋上
ドッキングの概要を示したものである。
【0019】図10は外周辺位置にチャンバー部36を
設け、チャンバー部36外周の接合面36aに止水材3
6bを装着した浮体ユニット31どうしを洋上で接近さ
せて行く様子、図11は洋上でドッキングさせた浮体ユ
ニット31をPC鋼材38で緊結した場合、図12は洋
上でドッキングさせた浮体ユニット31をボルト38’
で結合した場合を示し、図13は多数の浮体ユニット3
1を接合して浮体構造物Dを形成した様子を図11のP
C鋼材緊結方式の場合および図12のボルト結合方式の
場合についてまとめて示したものである。
【0020】本実施例における施工手順は以下のように
なる。 浮体ユニット31を洋上でドッキングさせ、ボルト
あるいは緊張材等を利用して仮結合する。 隣接する浮体ユニット31のチャンバー部36で形
成される作業用隔室37内の水を排水する。このとき、
接合部には浮体ユニット31の側面から作用する水圧が
誘導され、一体性が高まる。 本結合用の連結材として、PC鋼材38(図11の
場合)またはボルト(図12の場合)を設置し、緊結す
る。 必要に応じ、作業用隔室37内にコンクリート39
を打設する(図11参照)コンクリートを打設しない場
合(図12参照)は、作業用隔室37内での連結材のメ
ンテナンスが可能である。
【0021】図14は請求項4の発明を概略的に示した
もので、浮体構造物Eを構成する各浮体ユニット41の
平面形状を正六角形としたことで、洋上で既に接合され
ている浮体ユニット41間に新たな浮体ユニット41を
誘導して行く際、六角形の形状がガイドの機能を果た
し、位置決めが容易となる。浮体ユニット41本体の構
造については、前述の各種浮体ユニットと同様の構造を
適用することができる。また浮体ユニット41本体相互
の連結部の構造については、本発明の請求項1で述べた
各種浮体ユニットと同様の構造を適用することができ
る。図中、47が隣接する浮体ユニットEのチャンバー
部46によって形成される作業用隔室である。図15な
いし図22は接合部における連結方法(本結合)の例を
挙げたものである。
【0022】図15および図16はPC鋼材定着法を示
したもので、作業用隔室57の上下の床版52a,53
aのコンクリート内にPC鋼材58を配置し、PC鋼材
58の緊張により浮体ユニット51どうしを結合してい
る。なお、図15に示した浮体ユニット51は本体が鋼
殻の場合であり、鋼殻の表面には補剛材51aやコンク
リート52a,53aとの一体化を図るためのスタッド
ジベル52b,53bを取り付けてある。図中、56a
は接合面、56bは止水材である。
【0023】図17および図18はラップ鉄筋定着法を
示したもので、鋼殻構造の浮体ユニット61のチャンバ
ー部66によって形成された作業用隔室67内におい
て、上下の床版位置に鉄筋68を格子状に配筋し、コン
クリート62a,63aを後打ちする方法である。
【0024】図19およぶ図20は同じくラップ鉄筋定
着法の例を示したもので、この例では浮体ユニット61
を構成する鋼殻端部のフランジ61aを利用してループ
鉄筋68’を配筋し、コンクリートを後打ちしている。
【0025】図21および図22は膨張圧接合法を示し
たもので、作業用隔室77の上下の床版72a,73a
のコンクリート内に強化プラスチック棒等の補強材78
を配置するための溝または孔72b,73bを形成し、
補強材78を配置した後、溝または孔72b,73b内
に膨張性のグラウト材78aを充填したものである。
【0026】なお、図15ないし図22は、浮体ユニッ
トが鋼殻構造の場合を基づいて説明する。浮体ユニット
どうしの接合部における連結方法は、これらに限定され
るものではなく、また鋼殻構造以外の場合にも適用可能
である。
【0027】
【発明の効果】 浮体ユニットどうしの洋上接合が可能であり、大規
模な浮体構造物を構築するに当たり、特別なドックや広
大なヤードを必要としない。 洋上で浮力を受けた状態で接合することで、非常に
大きな浮体構造物の構築が可能となる。 接合部に形成される水密な作業用隔室をドライな状
態とし、作業員が作業用隔室内で作業できるため、施工
性がよく、接合部の信頼性、構造的一体性の面でも優れ
ている。 請求項2、3の浮体構造物の場合、浮体ユニットの
両端がコンクリート製の床版で被覆、拘束される鋼管等
の金属製パイプの浮力、あるいはそれに加え閉合配設さ
れた複数本の金属製パイプの内側に形成される隔室部分
で大きな浮力が得られ、浮体構造物として高い安定性を
確保することができる。 請求項2、3の浮体構造物の場合、金属製パイプは
浮体としての機能と構造部材としての機能を兼ねてお
り、側面からの大きな水圧に対しても十分な曲げ耐力と
水密性を低コストで得ることができ、配置その他、設計
における自由度も高い。 請求項2、3の浮体構造物の場合、コンクリート自
体が防食性を有するため、特に端部の被覆防食が問題と
なる鋼管を用いた場合においても、端部全体がコンクリ
ート中に埋め込まれることで簡易に防食できる。この場
合、鋼管自体については高い防食性能が期待できる高分
子系シートや耐食性の金属シートを巻き付けた閉合被覆
防食や、複層鋼板からなる鋼管の使用が可能となる。 請求項4の浮体構造物の場合、浮体ユニットの平面
形状を六角形としたことで、形状自体がガイドの機能を
有し、洋上接合作業における引き寄せ、位置決めが容易
である。 本発明の請求項5の構築方法においては、浮体構造
物の構造にも関連して、接合位置の作業用隔室内に直接
作業員が入ることなどから、施工性、信頼性に優れてい
る。 本発明の請求項6の構築方法では、連結材の設置
後、作業用隔室内にコンクリートを打設することで、浮
体ユニットどうしの接合部が強固となり、浮体構造物と
しての一体性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る浮体構造物を示す一
部切欠斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る浮体構造物を示す平
面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る浮体構造物を示す縦
断平面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る浮体構造物を示す切
欠斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る浮体構造物を示す平
面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る浮体構造物を示す縦
断側面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る浮体構造物を示す斜
視図である。
【図8】本発明の第3実施例に係る浮体構造物を示す横
断平面図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る浮体構造物を示す縦
断側面図である。
【図10】本発明の浮体構造物の構築方法における浮体
ユニットの洋上ドッキングの過程を示す一部横断斜視図
である。
【図11】洋上ドッキングにおけるPC鋼材緊結方式の
場合を示す縦断側面図である。
【図12】洋上ドッキングにおけるボルト結合方式の場
合を示す縦断側面図である。
【図13】多数の浮体ユニットを接合した状態を示す横
断面図である。
【図14】正六角形の浮体ユニットを連結して浮体構造
物を形成している状態を示す横断平面図である。
【図15】浮体構造物の接合部における連結方式の一例
としてPC鋼材定着方式を示す縦断側面図である。
【図16】図15における接合部を示す横断平面図であ
る。
【図17】浮体構造物を接合部における連結方式の他の
例を示す他の第1例としてラップ鉄筋定着方式を示す縦
断斜視図である。
【図18】図17における接合部を示す横断平面図であ
る。
【図19】浮体構造物の接合部における連結方式の他の
例を示す縦断側面図である。
【図20】図19における接合部を示す横断平面図であ
る。
【図21】浮体構造物の接合した状態を示すもう1つの
連結部を示す縦断側面図である。
【図22】図21の接合部を示す横断平面図である。
【符号の説明】
1 浮体ユニット 2 上側床版 3 下側床版 4 隔壁 5 隔室 6 チャンバー部 7 作業用隔室 8 PC鋼材 9 コンクリート 10 金属製パイプ 11 浮体ユニット 12 上側床版 13 下側床版 14 金属製パイプ 15 隔室 16 チャンバー部 17 作業用隔室 18 PC鋼材 19 コンクリート 21 浮体ユニット 22 上側床版 23 下側床版 24 金属製パイプ 25 隔室 26 チャンバー部 31 浮体ユニット 35 隔室 36 チャンバー部 37 作業用隔室 38 PC鋼材 39 コンクリート 41 浮体ユニット 45 隔室 46 チャンバー部 47 作業用隔室 A 浮体構造物 B 浮体構造物 C 浮体構造物 D 浮体構造物 E 浮体構造物

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多角形の平面形状を有する浮体ユニット
    1どうしを連結接合してなる浮体構造物において、各浮
    体ユニット1の外周辺位置に、隣接する浮体ユニット1
    との接合により水密な作業用隔室7を形成するチャンバ
    ー部6を設け、前記作業用隔室7位置に浮体ユニット1
    を相互に連結接合するための連結手段を配設してなるこ
    とを特徴とする浮体構造物。
  2. 【請求項2】 浮体ユニット1の本体部分は、鉛直方向
    の金属製パイプ14を複数本平行に連続的に配設して閉
    合させ、前記金属製パイプ14の両端をコンクリート製
    の上側床版12と下側床版13とにより被覆して、拘束
    することにより、内側に前記金属製パイプ14で囲まれ
    る隔室15を形成した請求項1の浮体構造物。
  3. 【請求項3】 浮体ユニット1の本体部分は、両端を密
    閉することにより浮体として所定の浮力を確保可能な寸
    法を有する金属製パイプ1を鉛直方向に所定間隔をおい
    て複数本配設し、前記複数本の金属製パイプの上下端を
    コンクリート製の上側床版22および下側床版23で被
    覆して拘束したものである請求項1の浮体構造物。
  4. 【請求項4】 浮体ユニット1の平面形状が六角形であ
    る請求項1、2または3の浮体構造物。
  5. 【請求項5】 浮体構造物1を構成する浮体ユニット1
    を相互に組み合わせて、チャンバー部を洋上で突き合わ
    せて仮接合した後、前記チャンバー部で形成される作業
    用隔室7内の水を排水し、前記作業用隔室7に連結材を
    配設し、前記浮体ユニット1を相互に連結接合すること
    を特徴とする浮体構造物の構築方法。
  6. 【請求項6】 連結材の設置後に前記作業用隔室内にコ
    ンクリートを打設する請求項5の浮体構造物の構築方
    法。
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