JPH09286179A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH09286179A
JPH09286179A JP8100328A JP10032896A JPH09286179A JP H09286179 A JPH09286179 A JP H09286179A JP 8100328 A JP8100328 A JP 8100328A JP 10032896 A JP10032896 A JP 10032896A JP H09286179 A JPH09286179 A JP H09286179A
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JP8100328A
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Yoshihiro Yamaguchi
能弘 山口
Yasuhisa Tsutsumi
安久 堤
Takashi Matsumoto
隆志 松本
Shuichi Mitamura
修一 三田村
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた熱応答性を有すると同時に地肌のかぶ
り及び白化が少なく、保存安定性、すなわち耐湿度、耐
可塑剤が優れた安価な感熱記録材料を提供する。 【解決手段】 常温で無色又は淡色のロイコ染料と加熱
により該ロイコ染料と反応して発色させる有機酸性物質
とを含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記
録材料において、下記式(1)で表される芳香族ジカル
ボキサミド誘導体の1種又は2種以上と、下記式(2)
で表されるモノアミド誘導体及び下記式(3)で表され
るジフェニルスルホン誘導体から選ばれる1種又は2種
以上とを、該感熱発色層に含有させてなる。 例:(2)′ステアリン酸アミド 例:(3)′ジフェニルスルホン 【効果】 本発明の感熱記録材料は、画像安定性、すな
わち耐湿度性、耐可塑剤性が著しく改善され、かつ、熱
応答性が極めて優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録材料に関し、
特に、記録像の熱応答性が優れ、地肌のかぶりおよび白
化が少なく、保存安定性、すなわち耐湿性、耐可塑剤性
が優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の多用化に伴って情報量が増
大し、これらの情報を記録するための情報記録の分野に
おいても、種々の記録方式及び記録材料が研究され実用
に供されている。なかでも、感熱記録方式は、感熱記
録材料を単に加熱するだけで記録画像を得ることがで
き、繁雑な現像工程を必要としない、感熱記録材料の
製造や保存管理は他の記録材料に比較して容易かつ安価
である、感熱記録材料の支持体として多くの場合に安
価な紙が使用されるが、この場合には、得られた記録材
料が普通紙に近い感触になる等の利点があり、コンピュ
ーターのアウトプット、電卓等のプリンター、各種計測
機器のレコーダー、ファクシミリ、自動発券機、感熱複
写機、ラベル等の多くの分野で採用されている。
【0003】また、フィルム上に記録層を設けたプリペ
イドカ−ドや、透明な感熱記録層を設けたフィルムなど
にも採用されている。さらに、ダイレクトサ−マル方式
は感熱熱転写方式や、ドットインパクト方式の印字シス
テムに比べ、メンテナンスフリ−であること、印字
部に可動部が無いことから印字装置を小型軽量化できる
こと、記録メディアの価格が安価であることなどの利
点が多い。
【0004】しかし、これらのOA機器の普及に伴い、
感熱紙の利用が普及するとともに感熱紙の用途が多様化
しその中で、POSシステムの印字メディアとしてバ−
コ−ドラベルや価格ラベル等に使用されるようになっ
た。このような用途の場合、特にス−パ−マ−ケット等
で使用される感熱紙ラベルは、水、ラップフィルム類、
油類、食品類に接触することが多く、記録画像が著しく
褪色してしまうという欠陥があり、問題視されるように
なった。さらに、POSシステムの新規用途として普及
しはじめているレジのレシ−トなどでは、領収書として
使う場合のため、スタンプインキ、朱肉などで文字が消
えることも問題視されている。また、記録される情報が
金銭に関する場合、特に、銀行のATMレシート、プリ
ペイドカード、レジ用レシ−ト紙、キップ、入場券等の
金券に利用される場合、人間の手の油や、財布などに使
用される合成皮革用の可塑剤などが感熱紙に接触するこ
とが多く、記録画像が著しく褪色してしまうという欠陥
があった。このため、従来どおりに熱応答性が良く安価
で印字画像の安定化ができる薬剤が望まれるようになっ
た。
【0005】そこで、このような従来の感熱記録材料に
おける問題点を解決するための試みとして、その感熱発
色層中に種々の物質を添加し記録画像の保存安定性の向
上を図ることが提案されている。具体的には、顕色剤と
して、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニ
ルスルホンや、2,4’−スルフォニルジフェノ−ル、
4,4’−スルフォニルジフェノ−ル、ビス−(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン等のフェノ
−ル骨格を有するジフェニルスルホン誘導体を含有させ
る方法で、保存安定化を図ることが提案されている。さ
らに、特公平3−48873号公報や特開昭62−28
0075号公報には、顕色剤として、サリチル酸骨格を
有するジカルボキサミド誘導体を含有させる方法が提案
されている。しかしながら、サリチル酸骨格を有するジ
カルボキサミド誘導体では、保存安定化性能が十分では
なく、アルキレン基を有する誘導体では、熱応答性に問
題がある。また、特開昭62−280075号公報に
は、オキシ安息香酸骨格を有するジカルボキサミド誘導
体が提案されているが、熱応答性と保存安定性を同時に
満足できるものではなく、いずれの技術においても保存
安定性は向上するものの、熱応答性と保存安定性を同時
に満足するものとは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる観点
に鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、
優れた熱応答性を有すると同時に地肌のかぶり及び白化
が少なく、保存安定性、すなわち耐湿度、耐可塑剤が優
れた安価な感熱記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、常
温で無色又は淡色のロイコ染料と加熱により該ロイコ染
料と反応して発色させる有機酸性物質とを含有する感熱
発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料において、
下記式(1)で表される芳香族ジカルボキサミド誘導体
の1種又は2種以上と、下記式(2)で表されるモノア
ミド誘導体及び下記式(3)で表されるジフェニルスル
ホン誘導体から選ばれる1種又は2種以上とを、該感熱
発色層に含有させてなることを特徴とする感熱記録材料
である。
【化4】
【化5】 (式中、R1 とR2 は、水素原子、C1 〜C20のアルキ
ル基、アルキル置換芳香族基、フェニル基、アラルキル
基、ハロゲン化フェニル基又はアルコキシ化フェニル基
を表し、R3 は、C1 〜C20のアルキル基、アセチルメ
チル基、アルキル置換芳香族基、ヒドロキシアルキル置
換芳香族基、フェニル基、アラルキル基、ハロゲン化フ
ェニル基又はアルコキシ化フェニル基を表し、それぞれ
同一又は異なってもよい)
【化6】 (式中、R4 とR5 は、水素原子、C1 〜C10のアルキ
ル基、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子、アラルキル基、フェニル基又はアル
キル置換芳香族基を表し、それぞれ同一又は異なっても
よい)
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、発色剤として使用されるロイコ染料は、常温で
無色又は淡色で、加熱により有機酸性物質と反応して発
色する物質である。このようなロイコ染料としては、例
えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−
6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリルメタン系染
料や、例えば、4,4’−ビスジメチルアミノベンズヒ
ドリドベンジルエーテル等のジフェニルメタン系染料
や、例えば、ベンゾイルロイコメチレンブルー等のチア
ジン系染料や、例えば、3−メチルスピロジナフトピラ
ン等のスピロ系染料や、フルオラン系染料、その他のロ
イコオーラミン系、インドリン系、インジゴ系等の各染
料等が挙げられる。これらのロイコ染料は、1種又は2
種以上を使用することができる。
【0009】また、上記ロイコ染料と共に使用される有
機酸性物質は、加熱によりロイコ染料と接触し顕色剤と
なる物質であり、本発明においては、有機酸性物質とし
て、上記式(1)で表される芳香族ジカルボキサミド誘
導体の1種又は2種以上を感熱発色層に含有させる。こ
のような芳香族ジカルボキサミド誘導体の好ましい具体
例としては、下記の化合物1〜化合物9が挙げられる。 〔化合物1:融点=227.5℃〕N,N’−ビス(2
−ヒドロキシフェニル)−1,2−ベンゼンジカルボキ
サミド 〔化合物2:融点=228℃〕N,N’−ビス(3−ヒ
ドロキシフェニル)−1,2−ベンゼンジカルボキサミ
ド 〔化合物3:融点=298℃〕N,N’−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,2−ベンゼンジカルボキサミ
ド 〔化合物4:融点=230℃〕N,N’−ビス(2−ヒ
ドロキシフェニル)−1,3−ベンゼンジカルボキサミ
ド 〔化合物5:融点=237℃〕N,N’−ビス(3−ヒ
ドロキシフェニル)−1,3−ベンゼンジカルボキサミ
ド 〔化合物6:融点=250℃〕N,N’−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,3−ベンゼンジカルボキサミ
ド 〔化合物7:融点=300℃以上〕N,N’−ビス(2
−ヒドロキシフェニル)−1,4−ベンゼンジカルボキ
サミド 〔化合物8:融点=300℃以上〕N,N’−ビス(3
−ヒドロキシフェニル)−1,4−ベンゼンジカルボキ
サミド 〔化合物9:融点=338℃〕N,N’−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミ
【0010】上記の具体例の中で熱応答性に優れる化合
物としては、化合物1、化合物2、化合物3、化合物
4、化合物5及び化合物6が挙げられる。また、画像の
保存安定性が優れる化合物としては、化合物3、化合物
4、化合物5、化合物6、化合物7及び化合物8が挙げ
られる。これらの化合物は、1種のみを使用してよく、
2種以上を使用してもよい。
【0011】これらの化合物は、フタル酸二塩化物類と
アミノフェノ−ル類とをアセトニトリルやTHF等の溶
媒中でトリエチルアミン存在で反応させることで得られ
る。例えば、m−アミノフェノ−ルをトリエチルアミン
存在下アセトニトリル中に溶解しておき、0°Cに冷却
しながらイソフタロイルジクロリドと反応させると、
N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,3−
ベンゼンジカルボキサミドを合成することができる。
【0012】さらに、有機酸性物質として、これらのジ
カルボキサミド誘導体に加え、種々のフェノール化合物
やサリチル酸誘導体等の有機酸類を併用することもでき
る。このような有機酸性物質としては、例えば、ビスフ
ェノールA、ハロゲン化ビスフェノ−ル誘導体、p−オ
クチルフェノ−ル、p−タ−シャリ−ブチルフェノ−
ル、p−フェニルフェノ−ル、没食子酸、1,1−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4’−スル
ホニルジフェノ−ル、4,4’−スルホニルジフェノ−
ル、ビス−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)−
スルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、ビス−(4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、p−ヒド
ロキシ安息香酸ベンジルやp−ヒドロキシ安息香酸メチ
ルベンジル等のヒドロキシ安息香酸エステル誘導体等を
挙げることができる。これらは、上記のうち選ばれた1
種又は2種以上を、ジカルボキサミド誘導体と併用する
ことができる。
【0013】本発明では、感熱発色層に上記式(1)で
表されるジカルボキサミド誘導体と共に、増感剤とし
て、上記式(2)で表されるモノアミド誘導体及び/又
は上記式(3)で表されるジフェニルスルホン誘導体の
1種又は2種以上を配合するものである。
【0014】上記式(2)で表されるモノアミド誘導体
としては、例えば、ステアリン酸アミド、N−アセチル
ジフェニルアミン、N−アセチルベンジルアミン、アセ
トアニリド、メトキシアセトアニリド、エトキシアセト
アニリド、アルキルアセトアニリド誘導体などのアセト
アミド誘導体、N−ベンジルベンズアミド、ベンズアミ
ド、ベンズアニリド、N−メチルベンズアニリドなどの
ベンズアミド誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上を配合する。
【0015】モノアミド誘導体の好ましい具体例として
は、化合物10〜化合物31が挙げられる。これらのう
ち熱応答性が優れる化合物としては、化合物10及び化
合物11が挙げられる。 〔化合物10:融点=109℃〕ステアリン酸アミド 〔化合物11:融点=100℃〕N−アセチルジフェニ
ルアミン 〔化合物12:融点= 61℃〕N−アセチルジベンジ
ルアミン 〔化合物13:融点=104℃〕N−ベンジルベンズア
ミド 〔化合物14:融点=113℃〕アセトアニリド 〔化合物15:融点=124 〕4−メトキシアセトア
ニリド 〔化合物16:融点=134 〕4−エトキシアセトア
ニリド 〔化合物17:融点= 81℃〕アセトアミド 〔化合物18:融点= 85℃〕アセトアセトアニリド 〔化合物19:融点= 96℃〕3,4−ジメチルアセ
トアニリド 〔化合物20:融点= 75℃〕2−フルオロアセトア
ニリド 〔化合物21:融点= 86℃〕3−フルオロアセトア
ニリド 〔化合物22:融点=151℃〕4−フルオロアセトア
ニリド 〔化合物23:融点=113℃〕2−フルオロベンズア
ミド 〔化合物24:融点=129℃〕3−フルオロベンズア
ミド 〔化合物25:融点=154℃〕4−フルオロベンズア
ミド 〔化合物26:融点=104℃〕2−アセトアセトトル
イジド 〔化合物27:融点=161℃〕ベンズアニリド 〔化合物28:融点=122℃〕N−ベンゾイル−m−
トルイジン 〔化合物29:融点= 69℃〕N,N−ジイソプロピ
ルベンズアミド 〔化合物30:融点= 85℃〕o−アセトアセトアニ
シジド 〔化合物31:融点=115℃〕p−アセトアセトアニ
シジド
【0016】また、上記式(3)で表されるジフェニル
スルホン誘導体としては、例えば、ジフェニルスルホ
ン、ビス−(4−メチルフェニル)スルホン、ビス(ヒ
ドロキシ(メチル)フェニル)スルホン等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上を配合する。
【0017】ジフェニルスルホン誘導体の具体例として
は、化合物32〜化合物36が挙げられる。これらのう
ち熱応答性が優れる化合物としては、化合物32が挙げ
られる。 〔化合物32:融点=128℃〕ジフェニルスルホン 〔化合物33:融点=100℃〕ビス−(4−メチルフ
ェニル)スルホン 〔化合物34:融点=147℃〕ビス−(4−クロロフ
ェニル)スルホン 〔化合物35:融点= 98℃〕ビス−(4−フルオロ
フェニル)スルホン 〔化合物36:〕ビス(ヒドロキシ(メチル)フェニ
ル)スルホン
【0018】さらに、熱応答性を向上するためには、モ
ノアミド誘導体やジフェニルスルホン誘導体に加え、p
−ヒドロキシ安息香酸ベンジルやp−ヒドロキシ安息香
酸メチルベンジル等のヒドロキシ安息香酸エステル誘導
体、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル誘導
体、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステ
ル、シュウ酸ジベンジルエステル誘導体、オルトタ−フ
ェニル、メタタ−フェニル、パラタ−フェニル、p−ベ
ンジルビフェニル等のベンジルビフェニル誘導体、アル
キルベンジルビフェニル誘導体及びこれらの水素下物誘
導体、ジベンジルテレフタレ−ト、ジベンジルフタレ−
ト、ジベンジルイソフタレ−ト等のフタル酸エステル誘
導体、2−ベンジルオキシナフタレンや1−ベンジルオ
キシナフタレン等のナフト−ル誘導体、芳香族スルホン
酸エステル誘導体、1,2−ジフェノキシエタン、1,
2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン等の芳香族エ−
テル誘導体、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニ
ル)エタン、1,2−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)エタン、1,2−ビス(2,4,5−トリメチルフ
ェニル)エタン等1、2−ジフェニルエタン誘導体、ジ
フェニルスルホン及びアルキル置換ジフェニルスルホン
誘導体、1−(4−メチルフェニル)−2−フェニルエ
タノン等のフェニルベンジルケトン誘導体等の化合物か
ら、1種又は2種以上を配合するのが好ましい。
【0019】これら有機酸性物質及び増感剤の使用量に
ついては、使用するロイコ染料、有機酸性物質及び増感
剤の種類等によっても異なるが、ロイコ染料1重量部に
対して有機酸性物質及び増感剤は、通常、それぞれ1〜
6重量部、好ましくは1.5〜2.5重量部である。
【0020】また、これらの他、発色部の保存安定性を
はかることを目的に添加されるもので、熱応答性がやや
劣るが、例えば、エポキシ化合物、エポキシ樹脂、フェ
ノ−ル樹脂、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉄、サリ
チル酸亜鉛などの有機酸性物質の金属塩を併用してもよ
い。
【0021】さらに、本発明の感熱記録材料には、その
用途等に応じて種々の添加剤を添加することができる。
このような添加剤としては、例えば、微粒子状に分散し
たロイコ染料と有機酸性物質とを互いに隔離した状態で
固着させる結着剤、例えば、ポリビニルアルコール(P
VA)、ラテックス、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ポリアクリル酸カゼイン、ゼラチン、
デンプンあるいはこれらの誘導体や、感熱発色層の白色
度、筆記具の滑り性、スティッキング防止を目的に添加
される白色顔料、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、カ
オリン、クレー、タルク、酸化チタン等や潤滑剤、例え
ばパラフィンワックスエマルジョンが挙げられる。これ
らの添加剤は、混合されて又は別個に、紙フィルム等の
支持体上に塗布されて感熱発色層を形成する。また、こ
の感熱発色層は、保護層などの他の層を有していてもよ
い。
【0022】
【作用】本発明の感熱記録材料においては、この感熱発
色層を構成するロイコ染料が有機酸性物質により発色し
た際、その感熱発色層中に含有されているジカルボキサ
ミド誘導体が、印字画像の堅牢性を生じさせ、モノアミ
ド誘導体及びジフェニルスルホン誘導体が熱応答性を向
上させると考えられる。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。 実施例1 (1)A液の調製 芳香族ジカルボキサミド〔化合物5〕11.5重量部、
ステアリン酸アミド11.5重量部、5重量%PVA水
溶液46重量部及び水46重量部とを、サンドミルを用
いて粉砕混合し、平均粒径0.6μmのA液を調製し
た。 (2)B液の調製 7’−アニリノ−3’−(ジブチルアミノ)−6’−メ
チルフルオラン5.5重量部及び5重量%PVA水溶液
49.5重量部をペイントシェーカーを用いて粉砕混合
し、平均粒径0.8μmのB液を調製した。 (3)感熱記録紙の調製 A液20重量部、B液10重量部、パラフィンワックス
エマルジョン(中京油脂製 ハイドリンZ−7)1重量
部、パラフィンワックスエマルジョン(中京油脂製 ハ
イドリンP−7)4重量部、50%炭酸カルシウム分散
液10重量部及び10重量%PVA水溶液11.5重量
部を混合して塗液を調製し、この塗液を基紙上に塗布し
て乾燥し、乾燥後の塗布量6g/m2 の感熱記録紙を調
製した。
【0024】このようにして調製した感熱記録紙につい
て、動的発色試験を感度及び耐湿度性試験用に24V、
1.0msで印字を行い、耐可塑剤性試験用に27V、
1.9msで印字を行い、同時に地肌の発色濃度測定を
行った。なお、動的発色試験は印字試験機(大倉電気
製)を使用し、発色濃度をマクベス反射濃度計RD−9
14を使用して測定する方法で行った。耐湿度性試験の
結果を表1に、耐可塑剤性試験の結果を表2に示す。
【0025】(4)耐湿度性試験方法 動的発色試験を行った感熱記録紙を恒温恒湿器(40
℃、相対湿度90%)に10時間保存し、その後印字部
の発色濃度をマクベス反射濃度計RD−914を使用し
て測定する方法で行った。残存率は下記数式(1)によ
り算出した。 残存率=(A−B)/C (1) (式中、Aは耐湿度性試験後の動的発色濃度を示し、B
は耐湿度性試験後の地肌の発色濃度から耐湿度性試験前
の地肌の発色濃度を差し引いた値を示し、Cは耐湿度性
試験前の動的発色濃度を示す。) (5)耐可塑剤性試験方法 動的発色試験を行った感熱記録紙に塩化ビニルラップを
印字面全面に密着させる。この試験用感熱記録紙を乾燥
器(50℃)に24時間保存し、その後印字部の発色濃
度をマクベス反射濃度計RD−914を使用して測定す
る方法で行った。残存率は下記数式(2)により算出し
た。 残存率=(D−E)/F (2) (式中、Dは耐可塑剤試験後の動的発色濃度を示し、E
は耐可塑剤性試験後の地肌の発色濃度から耐可塑剤性試
験前の地肌の発色濃度を差し引いた値を示し、Fは耐可
塑剤性試験前の動的発色濃度を示す。)
【0026】実施例2 実施例1のA液の調製の際に、ステアリン酸アミドに代
えてN−アセチルジフェニルアミンを用いた以外は、実
施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1
と同様に発色試験を行った。耐湿度性試験の結果を表1
に、耐可塑剤性試験の結果を表2に示す。
【0027】実施例3 実施例1のA液の調製の際に、ステアリン酸アミドに代
えてジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例1と全
く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1と同様に発
色試験を行った。耐湿度性試験の結果を表1に、耐可塑
剤性試験の結果を表2に示す。
【0028】実施例4 実施例1のA液の調製の際に、化合物5に代えて化合物
4を用いた以外は、実施例1と全く同様にして感熱記録
紙を調製し、実施例1と同様に発色試験を行った。耐湿
度性試験の結果を表1に、耐可塑剤性試験の結果を表2
に示す。
【0029】実施例5 実施例4のA液の調製の際に、ステアリン酸アミドに代
えてN−アセチルジフェニルアミンを用いた以外は、実
施例1と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1
と同様に発色試験を行った。耐湿度性試験の結果を表1
に、耐可塑剤性試験の結果を表2に示す。
【0030】実施例6 実施例4のA液の調製の際に、ステアリン酸アミドに代
えてジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例1と全
く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1と同様に発
色試験を行った。耐湿度性試験の結果を表1に、耐可塑
剤性試験の結果を表2に示す。
【0031】比較例1 実施例1のA液の調製の際に、ステアリン酸アミドに代
えてパラベンジルビフェニルを用いた以外は、実施例1
と全く同様にして感熱記録紙を調製し、実施例1と同様
に発色試験を行った。耐湿度性試験の結果を表1に、耐
可塑剤性試験の結果を表2に示す。
【0032】比較例2 比較例1のA液の調製の際に、化合物5に代えて化合物
4を用いた以外は、比較例1と全く同様にして感熱記録
紙を調製し、実施例1と同様に発色試験を行った。耐湿
度性試験の結果を表1に、耐可塑剤性試験の結果を表2
に示す。
【0033】比較例3 実施例1のA液の調製の際に、化合物5に代えてビスフ
ェノ−ルA、ステアリン酸アミドに代えてパラベンジル
ビフェニルを用いた以外は、実施例1と全く同様にして
感熱記録紙を調製し、実施例1と同様に発色試験を行っ
た。耐湿度性試験の結果を表1に、耐可塑剤性試験の結
果を表2に示す。
【0034】比較例4 実施例1のA液の調製の際に、化合物5に代えて4−ヒ
ドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、
ステアリン酸アミドに代えてパラベンジルビフェニルを
用いた以外は、実施例1と全く同様にして感熱記録紙を
調製し、実施例1と同様に発色試験を行った。耐湿度性
試験の結果を表1に、耐可塑剤性試験の結果を表2に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、その感熱発色
層に、ジカルボキサミド誘導体を含有させることによっ
て、画像安定性、すなわち耐湿度性、耐可塑剤性が著し
く改善されるとともに、さらに、モノアミド誘導体及び
/又はジフェニルスルホン誘導体を含有させることによ
って、熱応答性が極めて優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 隆志 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 三田村 修一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社技術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で無色又は淡色のロイコ染料と加熱
    により該ロイコ染料と反応して発色させる有機酸性物質
    とを含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記
    録材料において、下記式(1)で表される芳香族ジカル
    ボキサミド誘導体の1種又は2種以上と、下記式(2)
    で表されるモノアミド誘導体及びは下記式(3)で表さ
    れるジフェニルスルホン誘導体から選ばれる1種又は2
    種以上とを、該感熱発色層に含有させてなることを特徴
    とする感熱記録材料。 【化1】 【化2】 (式中、R1 とR2 は、水素原子、C1 〜C20のアルキ
    ル基、アルキル置換芳香族基、フェニル基、アラルキル
    基、ハロゲン化フェニル基又はアルコキシ化フェニル基
    を表し、R3 は、C1 〜C20のアルキル基、アセチルメ
    チル基、アルキル置換芳香族基、ヒドロキシアルキル置
    換芳香族基、フェニル基、アラルキル基、ハロゲン化フ
    ェニル基又はアルコキシ化フェニル基を表し、それぞれ
    同一又は異なってもよい) 【化3】 (式中、R4 とR5 は、水素原子、C1 〜C10のアルキ
    ル基、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ
    基、ハロゲン原子、アラルキル基、フェニル基又はアル
    キル置換芳香族基を表し、それぞれ同一又は異なっても
    よい)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023047676A1 (ja) * 2021-09-21 2023-03-30 ソニーグループ株式会社 記録媒体、カードおよび冊子

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