JPH09283515A - 酸化シリコン膜形成法 - Google Patents

酸化シリコン膜形成法

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JPH09283515A
JPH09283515A JP11702696A JP11702696A JPH09283515A JP H09283515 A JPH09283515 A JP H09283515A JP 11702696 A JP11702696 A JP 11702696A JP 11702696 A JP11702696 A JP 11702696A JP H09283515 A JPH09283515 A JP H09283515A
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JP
Japan
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silicon oxide
oxide film
film
heat treatment
ceramic
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JP11702696A
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Yushi Inoue
雄史 井上
Takahisa Yamaha
隆久 山葉
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Yamaha Corp
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Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素シルセスキオキサン樹脂膜をセラミック
化して酸化シリコン膜を形成する方法において、酸化シ
リコン膜の表面に微小突起が発生するのを防ぐ。 【解決手段】 基板30の表面を覆って回転塗布法等に
より水素シルセスキオキサン樹脂膜を形成した後、該樹
脂膜にN2 雰囲気中で熱処理を施してプレセラミック状
の酸化シリコン膜40を形成する。次に、O2 とN2
含む雰囲気中で250℃以上400℃未満の範囲内の温
度で熱処理を行なうことで膜40をセラミック状の酸化
シリコン膜にする。400℃未満の温度でセラミック化
のための熱処理を行なうと、膜40の表面に微小突起が
発生するのを防げる。膜40は、プレセラミック化工程
なしでセラミック化してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体デバイス
における層間膜、保護膜等の絶縁膜として用いるに好適
な酸化シリコン膜を水素シルセスキオキサン樹脂膜のセ
ラミック化により形成する方法に関し、特にセラミック
化のための熱処理を400℃未満の温度で行なうことに
より酸化シリコン膜の表面に微小突起が発生するのを防
止するようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水素シルセスキオキサン樹脂膜を
用いて酸化シリコン膜を形成することが知られている
(例えば、特開平6−181204号公報参照)。
【0003】このような酸化シリコン膜形成法にあって
は、半導体基板等の基板の表面を覆って水素シルセスキ
オキサン樹脂膜を回転塗布法等により形成した後、樹脂
膜にN2 等の不活性ガス雰囲気中で熱処理を施して樹脂
膜をプレセラミック状の酸化シリコン膜とし、更に酸化
シリコン膜にO2 ガス等の酸化性雰囲気中で熱処理を施
して酸化シリコン膜をセラミック状の酸化シリコン膜と
する。ここで、プレセラミック状の酸化シリコンとは、
セラミック状の酸化シリコンの前駆体であり、セラミッ
ク状の酸化シリコンよりも架橋が進行しておらず、しか
も有機溶剤に対して不溶なものである。
【0004】このような方法によれば、クラックのない
厚さ1μm以上の酸化シリコン膜を得ることができる。
このような酸化シリコン膜は、半導体デバイスにおける
層間膜、保護膜等の絶縁膜として用いるに好適なもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発明者の研究によれ
ば、上記した従来技術には、セラミック状の酸化シリコ
ン膜の表面に直径0.1μm程度の微小突起が発生する
ため、配線形成歩留りの低下を招くという問題点がある
ことが判明した。
【0006】図8〜12は、従来技術を応用した多層配
線形成法を示すもので、この方法に関して問題点を説明
する。
【0007】図8の工程では、半導体基板10の表面を
覆うシリコンオキサイド等の絶縁膜12の上に配線層1
4を形成した後、プラズマCVD(ケミカル・ベーパー
・デポジション)法により絶縁膜12及び配線層14を
覆ってシリコンオキサイドからなる絶縁膜16を形成す
る。そして、水素シルセスキオキサン樹脂をMIBK
(メチル・イソブチル・ケトン)で溶解した溶液を回転
塗布法により基板上面に塗布することにより絶縁膜16
の上に水素シルセスキオキサン樹脂膜18Aを平坦状に
形成する。
【0008】図9の工程では、樹脂膜18Aに不活性ガ
ス雰囲気中で熱処理を施すことにより樹脂膜18Aをプ
レセラミック状の酸化シリコン膜18にする。そして、
酸化シリコン膜18にO2 ガス及び不活性ガスの混合雰
囲気中で熱処理を施すことにより酸化シリコン膜18を
セラミック状の酸化シリコン膜にする。このとき、セラ
ミック状の酸化シリコン膜18の表面には、直径0.1
μm程度の微小突起18aが発生する。
【0009】図10の工程では、プラズマCVD法によ
りセラミック状の酸化シリコン膜18を覆ってシリコン
オキサイドからなる絶縁膜20を形成する。このとき、
絶縁膜20には、酸化シリコン膜18の微小突起18a
を忠実に反映して凸部20aが形成される。
【0010】このようにして形成される微小突起18a
及び凸部20aに関連する問題点の1つは、図11,1
2に示すように接続孔形状が悪化することである。
【0011】図11の工程では、絶縁膜20の上に所望
の接続孔に対応する孔を有するレジスト層22を形成し
た後、レジスト層22をマスクとする選択的ウェットエ
ッチング(等方性エッチング)処理により浅い接続孔2
4aを形成する。接続孔24aは、図11に示す深い接
続孔24bの開口端縁の段差を緩和して配線の段差被覆
性を向上させるためのものである。
【0012】図11のウェットエッチング処理におい
て、エッチング液として、例えばNH4 Fの水溶液とH
Fとを10:1の割合で混合したものを用いると、エッ
チング液は、凸部20aの膜質が疎であり、ウェットエ
ッチレートが速いため、凸部20aを介して微小突起1
8a及びその近傍個所(クロスハッチングを施した個
所)Qに浸入し、該個所を溶解する。
【0013】次に、図12の工程では、レジスト層22
をマスクとする選択的ドライエッチング(異方性エッチ
ング)処理により接続孔24aから配線層14に達する
接続孔24bを形成する。すると、微小突起18a及び
その近傍の溶解個所Qがエッチング除去されるため、接
続孔24bの側壁に凹部Rが生ずる。
【0014】レジスト層22を除去した後、基板上面に
配線材を被着してパターニングすることにより接続孔2
4a,24bを介して配線層14に達する配線層(図示
せず)を形成する。このとき形成される配線層は、接続
孔24bの凹部Rに対応する個所で被覆性が悪化し、信
頼性が低下する。
【0015】微小突起及び凸部に関連する他の問題点
は、図13,14に示すように微小突起18bに対応す
る凸部20bの近傍で配線層間に短絡が生ずることであ
る。微小突起18b及び凸部20bは、それぞれ前述の
微小突起18a及び凸部20aと同様に形成されたもの
である。
【0016】図10の工程の後、基板上面に配線材を被
着し、その被着層を選択エッチング処理によりパターニ
ングして配線層を形成したとき、図13,14に示すよ
うに隣り合う配線層26A,26Bが凸部20bを挟む
形で形成されると、凸部20bの周囲に配線材の一部が
エッチング残部28として残存する。エッチング残部2
8は、配線層26A,26Bを電気的に短絡した状態に
する。
【0017】上記のような問題点を解決するため、発明
者は、プレセラミック状の酸化シリコン膜の上に絶縁膜
を形成した状態でセラミック化のための熱処理を行なう
ことによりセラミック状の酸化シリコン膜の表面に微小
突起が発生するのを防止する方法を発明し、該方法の発
明については本願と同一出願人により既に特許出願(特
願平7−201590号)がなされている。
【0018】しかしながら、先行特許出願に係る方法に
よると、セラミック状の酸化シリコン膜の機械的強度が
低下するという問題点があることが判明した。
【0019】すなわち、図9の工程において、前述した
ようにプレセラミック状の酸化シリコン膜18を形成し
た後、例えばプラズマCVD法により酸化シリコン膜1
8の上に500nmの厚さのシリコンオキサイド膜を形
成してから前述したようにセラミック化のための熱処理
を行なうと、酸化シリコン膜18は、微小突起18aの
発生を伴うことなくセラミック状の酸化シリコン膜18
となる。この後、シリコンオキサイド膜で覆われたセラ
ミック状の酸化シリコン膜18を有する半導体(シリコ
ン)チップを樹脂体でモールド封止し、温度サイクル試
験を行なったところ、酸化シリコン膜18にクラックが
生じ、更にはシリコンオキサイド膜と酸化シリコン膜1
8との界面に剥がれが生ずることが判明した。なお、温
度サイクル試験における温度サイクルの条件は、次の数
1に示す通りであった。
【0020】
【数1】 この発明の目的は、酸化シリコン膜の機械的強度を低下
させることなく微小突起の発生を防止することができる
新規な酸化シリコン膜形成法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明に係る酸化シリ
コン膜形成法は、基板の表面を覆って水素シルセスキオ
キサン樹脂膜を平坦状に形成する工程と、前記水素シル
セスキオキサン樹脂膜に不活性ガス雰囲気中で第1の熱
処理を施すことにより該樹脂膜をプレセラミック状の酸
化シリコン膜にする工程と、前記酸化シリコン膜に酸化
性雰囲気中で第2の熱処理を施すことにより前記酸化シ
リコン膜をセラミック状の酸化シリコン膜にする工程と
を含む酸化シリコン膜形成法であって、前記第2の熱処
理を250℃以上400℃未満の範囲内の温度で行なう
ことを特徴とするものである。
【0022】この発明の方法によれば、セラミック化の
ための熱処理の温度の上限を400℃未満としたので、
微小突起の発生を防止することができる。これは、図7
を参照して後述するように発明者の実験結果に基づくも
のである。また、セラミック化のための熱処理の温度の
下限を250℃としたのは、250℃未満ではセラミッ
ク化が十分でなく、所望の機械的強度が得られないから
である。
【0023】この発明の方法にあっては、プレセラミッ
ク化のための熱処理においても、250℃以上400℃
未満の範囲内の温度にするのが好ましい。この温度範囲
内であれば、1分程度の加熱でプレセラミック化を達成
することができる。
【0024】この発明の方法にあっては、プレセラミッ
ク化のための熱処理を省略し、1回の熱処理で水素シル
セスキオキサン樹脂膜をセラミック状の酸化シリコン膜
にしてもよい。この場合、熱処理の雰囲気は、不活性ガ
ス及び酸素ガスのうち少なくとも一方のものを含む雰囲
気とし、熱処理の温度範囲は、250℃以上400℃未
満とする。この方法によれば、所望の機械的強度を有し
且つ微小突起がないセラミック状の酸化シリコン膜を少
ない工程数で得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1〜6は、この発明に係る多層
配線形成法を示すもので、各々の図に対応する工程
(1)〜(6)を順次に説明する。
【0026】(1)シリコン等の半導体基板30の表面
を覆うシリコンオキサイド等の絶縁膜32の表面には、
常圧CVD法等により厚さ750nmのBPSG(ボロ
ン・リン・ケイ酸ガラス)からなる絶縁膜34を形成
し、絶縁膜34には緻密化を目的としてランプアニール
処理を施す。絶縁膜34の形成は、一例として次のよう
な条件で行なわれた。
【0027】基板温度:400℃ 原料ガス:SiH4 (46.25sccm)+PH3
(8.75sccm)+B26 (7.5sccm)+
2 (7000sccm)+N2 (50000scc
m) また、ランプアニール処理は、一例として次のような条
件で行なわれた。
【0028】基板温度:850℃ 850℃までの昇温時間:10秒 850℃での維持時間:10秒 次に、基板上面にスパッタ法等により配線材を被着し、
その被着層を選択的ドライエッチング処理によりパター
ニングして配線層36A,36Bを形成する。配線材と
しては、一例として下から順にTi(20nm)、Ti
ON(100nm)、Al−Si−Cu(400nm)
及びTiN(40nm)をスパッタ法で被着した。ドラ
イエッチング処理は、一例として次のような条件で行な
われた。
【0029】エッチングガス:Cl2 (30sccm)
+BCl3 (30sccm) エッチング室内圧力:10mTorr 次に、絶縁膜34の上に配線層36A,36Bを覆って
プラズマCVD法により厚さ300nmのシリコンオキ
サイド(SiO2 )からなる絶縁膜38を形成する。絶
縁膜38の形成は、一例として次のような条件で行なわ
れた。
【0030】基板温度:400℃ 原料ガス:SiH4 (240sccm)+N2 O(50
00sccm)+N2 (2800sccm) 反応室内圧力:2.2Torr 次に、絶縁膜38を覆って水素シルセスキオキサン樹脂
膜40Aを平坦状に形成する。樹脂膜40Aの形成は、
一例として、水素シルセスキオキサン樹脂(ダウ・コー
ニング社製で商品名「FOx −15」として販売されて
いるもの)をMIBKに溶解した溶液をスピンコータを
用いて400nmの厚さに塗布することにより行なわれ
た。樹脂膜40Aの厚さは、300〜600nmの範囲
で任意に選定可能である。
【0031】(2)樹脂膜40Aを不活性ガス雰囲気中
で熱処理することにより樹脂膜40Aをプレセラミック
状の酸化シリコン膜40とする。熱処理では、不活性ガ
スとして、例えばN2 ガスを用い、150℃以上400
℃未満の温度で1〜60分間加熱する。一例として、N
2 ガス雰囲気中でホットプレートを用いて150℃1分
間+200℃1分間+300℃1分間の熱処理を行なっ
た。
【0032】なお、加熱温度は、水素シルセスキオキサ
ン樹脂の流動性を保ち且つ微小突起の発生を確実に抑制
するために400℃未満とするのが好ましい。プレセラ
ミック化は、250℃以上400℃未満の範囲内の温度
であれば、1分程度の加熱で十分である。
【0033】プレセラミック化のための熱処理の後、プ
レセラミック状の酸化シリコン膜40をセラミック状の
酸化シリコン膜にするための熱処理を行なう。すなわ
ち、酸素ガス(又は酸素ガスと不活性ガスの混合ガス)
等の酸化性雰囲気中で250℃以上400℃未満の範囲
内の温度で5〜120分間の熱処理を行なう。一例とし
て、O2 及びN2 の混合ガス雰囲気中で385℃60分
の熱処理を行なった。
【0034】このような熱処理の結果として得られるセ
ラミック状の酸化シリコン膜40には、図9の18aの
ような微小突起の発生が認められなかった。
【0035】(3)セラミック状の酸化シリコン膜40
を覆ってプラズマCVD法により厚さ500nmのシリ
コンオキサイド(SiO2 )からなる絶縁膜42を形成
する。絶縁膜42の形成は、一例として次のような条件
で行なわれた。
【0036】基板温度:400℃ 原料ガス:SiH4 (240sccm)+N2 O(50
00sccm)+N2 (2800sccm) 反応室内圧力:2.2Torr (4)絶縁膜42の上に所望の接続孔に対応する孔を有
するレジスト層44を周知のホトリソグラフィ処理によ
り形成した後、レジスト層44をマスクとする選択的ウ
ェットエッチング(等方性エッチング)処理により浅い
接続孔46aを形成する。接続孔46aは、図5に示す
深い接続孔46bの開口端縁の段差を緩和して配線の段
差被覆性を向上させるためのものである。
【0037】ウェットエッチング処理では、エッチング
液として、NH4 Fの水溶液とHFとを10:1の割合
で混合したものを用いた。図3までの工程では、酸化シ
リコン膜40に微小突起が形成されず、しかも絶縁膜4
2にも微小突起に対応する凸部が形成されていないの
で、図11に示したように酸化シリコン膜40の一部が
エッチング液の浸入により溶解することはなかった。
【0038】(5)レジスト層44をマスクとする選択
的ドライエッチング(異方性エッチング)処理により接
続孔46aから配線層36Aに達する接続孔46bを形
成する。酸化シリコン膜40の部分的溶解がないので、
接続孔46bは、図12のRのような凹部を有すること
なく正常な形で形成される。
【0039】(6)基板上面にスパッタ法等により配線
材を被着し、その被着層を選択的ドライエッチング(異
方性エッチング)処理によりパターニングして絶縁膜4
2の上に配線層48A,48Bを形成する。配線層48
Aは、接続孔46a,46bを介して配線層36Aに接
続されるものである。配線材としては、Al−Si−C
u(400nm)をスパッタ法で被着した。ドライエッ
チング処理は、一例として次のような条件で行なわれ
た。
【0040】エッチングガス:Cl2 (30sccm)
+BCl3 (30sccm) エッチング室内圧力:10mTorr 接続孔46a,46bが正常な形で形成されたので、配
線層48Aも段差被覆性よく形成される。また、配線層
48A,48Bが互いに接近して配置されることがあっ
ても、図13,14に示したような微小突起対応の凸部
が形成されないので、配線層48A,48B間が配線材
のエッチング残りで短絡されることもなくなる。
【0041】絶縁膜38を設けると、配線層36A,3
6Bからのヒロック発生を抑制できる利点がある。場合
によっては、絶縁膜38を省略し、絶縁膜34及び配線
層36A,36Bを直接的に覆って前述の水素シルセス
キオキサン樹脂膜40Aを形成することもできる。
【0042】配線層36A,36B及び配線層48A,
48Bの間の層間絶縁膜における最上層の絶縁膜42と
しては、クラックが生じにくいこと、吸湿性が低いこ
と、低温で形成できることなどの条件を満たすものであ
ることが望まれる。プラズマCVD法、スパッタ法等の
段差被覆性が良好でない方法で形成した絶縁膜は、上記
した条件を満たすものであり、絶縁膜42として用いる
のに好適である。
【0043】次に、セラミック化のための熱処理におい
て温度を400℃未満に設定する根拠を説明する。
【0044】微小突起は、直径が0.1μm程度と非常
に小さいので、直接観察するのは困難である。そこで、
次のような実験をして微小突起の発生頻度を定量化し
た。
【0045】図1に示したようなシリコンからなる半導
体基板30の表面にプラズマCVD法により厚さ300
nmのシリコンオキサイド膜を形成した後、このシリコ
ンオキサイド膜の上に前述したと同様にして水素シルセ
スキオキサン樹脂膜(図1の40Aに対応)を形成し
た。このような樹脂膜を有するサンプルを、樹脂膜の厚
さが300〜600nmの範囲内で種々異なるようにし
て多数作製した。
【0046】次に、多数のサンプルに対してN2 ガスを
含む雰囲気中で樹脂膜をプレセラミック化するための熱
処理を施した。この熱処理の条件は、150℃1分間+
200℃1分間+300℃1分間であった。
【0047】次に、多数のサンプルに対してプレセラミ
ック状の酸化シリコン膜をセラミック化するための熱処
理を施した。この場合、多数のサンプルは、樹脂膜の厚
さが同じものを1グループとして複数グループに分け、
各グループ毎に350℃、385℃、400℃、420
℃の4つの温度区分でいずれも60分間ずつ熱処理を行
なった。
【0048】次に、多数のサンプルについてセラミック
状の酸化シリコン膜の上にプラズマCVD法により50
0nmの厚さのシリコンオキサイド膜(図3の42に対
応)を形成した。そして、NH4 Fの水溶液とHFとを
10:1の割合で混合したエッチング液を用いて各サン
プル毎に500nmの厚さのシリコンオキサイド膜を3
50nmの厚さにだけエッチバックした。
【0049】このようなエッチバック処理は、図9の1
8aに示したような微小突起の計数を容易にするために
行なわれるものである。すなわち、セラミック状の酸化
シリコン膜に微小突起が存在すると、その上に形成した
500nmの厚さのシリコンオキサイド膜には図10の
20aに示したような凸部が形成される。この凸部は、
膜質が疎で、エッチレートが速いので、図11のQに示
したようにセラミック状の酸化シリコン膜において微小
突起及びその近傍個所が直径1〜5μmの範囲にわたっ
て溶解する。このように溶解した個所は、金属顕微鏡で
容易に目視して数えることができる。
【0050】図7は、このような方法で各サンプル毎に
溶解個所を数えた結果を示すもので、横軸にはセラミッ
ク化のための熱処理温度を示し、縦軸には溶解個所の発
生率を微小突起発生率として示す。P1 〜P4 は、前述
した4つの温度区分における代表的な微小突起発生率を
示す。
【0051】図7によれば、セラミック化温度が400
℃以上になると、微小突起が発生することがわかる。換
言すれば、400℃未満では微小突起が発生しない。
【0052】原料としての水素シルセスキオキサン樹脂
中のSi−H(シリコン原子結合水素原子)含有率を1
00%としたとき、上記のようにして形成されたセラミ
ック状の酸化シリコン膜中のSi−H含有率は、P1
2 ,P3 ,P4 のサンプルについてそれぞれ70.2
%(N2 流量1[l/min])、63.0%(N2
量3[l/min])、60.5%(N2 流量5[l/
min])、60.5%(N2 流量5[l/min])
であった。このことから、セラミック状の酸化シリコン
膜中のSi−H含有率を80%以下に低下させても、微
小突起の発生が起りうることがわかる。
【0053】なお、P1 〜P4 のような微小突起発生率
は、水素シルセスキオキサン樹脂膜の塗布膜厚に依存し
ないことがわかった。セラミック化のための熱処理時間
については、400℃20分の熱処理でも微小突起の発
生が認められた。また、熱処理雰囲気については、酸化
性雰囲気であっても、不活性ガス雰囲気であっても、4
00℃以上で加熱すれば微小突起が発生することが認め
られた。
【0054】この発明の他の実施形態としては、図1〜
6について前述した実施形態において、図2の工程でプ
レセラミック化のための熱処理を省略し、セラミック化
のための熱処理だけ行なうようにしてもよい。この場
合、熱処理は、不活性ガス雰囲気中又は酸素ガスと不活
性ガスの混合ガス雰囲気中にて250℃以上400℃未
満の範囲内の温度で60分間行なうことができる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、40
0℃未満の温度でセラミック化のための熱処理を行なう
ようにしたので、酸化シリコン膜の表面に微小突起が発
生するのを防止することができる。この発明に係る酸化
シリコン膜を半導体デバイスにおける層間膜や保護膜と
して用いると、接続孔形状の悪化を回避できると共に良
好な平坦性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る多層配線形成法における樹脂
膜形成工程を示す基板断面図である。
【図2】 図1の工程に続くプレセラミック化及びセラ
ミック化工程を示す基板断面図である。
【図3】 図2の工程に続く絶縁膜形成工程を示す基板
断面図である。
【図4】 図3の工程に続くウェットエッチング工程を
示す基板断面図である。
【図5】 図4の工程に続くドライエッチング工程を示
す基板断面図である。
【図6】 図5の工程に続く配線形成工程を示す基板断
面図である。
【図7】 セラミック化温度と微小突起発生率との関係
を示すグラフである。
【図8】 従来の多層配線形成法における樹脂膜形成工
程を示す基板断面図である。
【図9】 図8の工程に続くプレセラミック化及びセラ
ミック化工程を示す基板断面図である。
【図10】 図9の工程に続く絶縁膜形成工程を示す基
板断面図である。
【図11】 図10の工程に続くウェットエッチング工
程を示す基板断面図である。
【図12】 図11の工程に続くドライエッチング工程
を示す基板断面図である。
【図13】 層間絶縁膜の凸部近傍における配線形成状
況を示す基板断面図である。
【図14】 図13の配線構造の上面図である。
【符号の説明】
30:半導体基板、32,34,38,42:絶縁膜、
36A,36B,48A,48B:配線層、40A:水
素シルセスキオキサン樹脂膜、40:酸化シリコン膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の表面を覆って水素シルセスキオキサ
    ン樹脂膜を平坦状に形成する工程と、 前記水素シルセスキオキサン樹脂膜に不活性ガス雰囲気
    中で第1の熱処理を施すことにより該樹脂膜をプレセラ
    ミック状の酸化シリコン膜にする工程と、 前記酸化シリコン膜に酸化性雰囲気中で第2の熱処理を
    施すことにより前記酸化シリコン膜をセラミック状の酸
    化シリコン膜にする工程とを含む酸化シリコン膜形成法
    であって、 前記第2の熱処理を250℃以上400℃未満の範囲内
    の温度で行なうことを特徴とする酸化シリコン膜形成
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1の熱処理を250℃以上400
    ℃未満の範囲内の温度で行なうことを特徴とする請求項
    1記載の酸化シリコン膜形成法。
  3. 【請求項3】基板の表面を覆って水素シルセスキオキサ
    ン樹脂膜を平坦状に形成する工程と、 前記水素シルセスキオキサン樹脂膜に不活性ガス及び酸
    素ガスのうちの少なくとも一方のものを含む雰囲気中で
    熱処理を施すことにより前記水素シルセスキオキサン樹
    脂膜をセラミック状の酸化シリコン膜にする工程とを含
    む酸化シリコン膜形成法であって、 前記熱処理を250℃以上400℃未満の範囲内の温度
    で行なうことを特徴とする酸化シリコン膜形成法。
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