JPH09283047A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

Info

Publication number
JPH09283047A
JPH09283047A JP9496196A JP9496196A JPH09283047A JP H09283047 A JPH09283047 A JP H09283047A JP 9496196 A JP9496196 A JP 9496196A JP 9496196 A JP9496196 A JP 9496196A JP H09283047 A JPH09283047 A JP H09283047A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electron beam
beam passage
electron
grid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9496196A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Sato
和則 佐藤
Osamu Ono
修 小野
Koji Awano
孝司 粟野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9496196A priority Critical patent/JPH09283047A/ja
Publication of JPH09283047A publication Critical patent/JPH09283047A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で電子銃の主レンズを大口径化
し、画面全域にわたりすぐれた解像度を有するカラー受
像管を構成することを目的とする。 【解決手段】 主レンズが相対向する相対的に低電位の
第1電極G3と相対的に高電位の第2電極G4とから構成さ
れ、これら電極に一列配置の3電子ビームが各別に通過
するバーリングのない3個の電子ビーム通過孔が形成さ
れてなる電子銃26を備えるカラー受像管において、その
第1電極の電子ビーム通過孔を円形に、第2電極の電子
ビーム通過孔をほぼ円形または電子ビーム通過孔の配列
方向径に対して直交方向径が小さいトラックフィールド
状に形成し、かつ第1電極内側にその第2電極との対向
面と平行な主面をもち、この主面に3個独立の円形電子
ビーム通過孔が形成された板状の電界補正電極G3S を配
置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー受像管に
係り、特に電子銃から放出される電子ビームのビームス
ポットの形状を良好にして画面全域にわたり、すぐれた
解像度が得られるカラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、外囲器のパネル
内面に3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーンが形成さ
れ、この蛍光体スクリーンに対向して、その内側に多数
の電子ビーム通過孔の形成されたシャドウマスクが配置
されている。一方、ファンネルのネック内に電子銃が配
置されている。そして、この電子銃から放出される3電
子ビームを外囲器の外側に装着された偏向装置の水平、
垂直偏向コイルの発生する水平、垂直偏向磁界により偏
向し、上記シャドウマスクを介して蛍光体スクリーンを
水平、垂直走査することによりカラー画像を表示する構
造に形成されている。
【0003】このようなカラー受像管において、特に電
子銃を、同一水平面上を通るセンタービームおよび一対
のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを放出
する電子銃(インライン型電子銃)としたインライン型
カラー受像管が広く実用化されている。
【0004】このインライン型カラー受像管の電子銃
は、少なくとも3電子ビームの発生を制御し、かつ発生
した電子ビームを加速集束する電子ビーム形成部と、こ
の電子ビーム形成部からの電子ビームを上記蛍光体スク
リーン上に集束、集中する主レンズ部とを有する。
【0005】その3電子ビームを集中する方法として、
米国特許2,957,106号明細書には、カソードか
ら放出される電子ビームを初めから傾斜させて集中させ
る方法が示されている。また米国特許3,772,55
4号明細書には、一列配置の3電子ビームを放出する電
子銃の主レンズ部を形成する電極に設けられた3個の電
子ビーム通過孔のうち、一部電極の一対のサイドビーム
通過孔を電子銃の中心軸から電子ビーム通過孔の配列方
向外側にわずかに偏心させることにより集中させる方法
が示されている。
【0006】さらに、上記のように電子銃を構成して
も、実際のカラー受像管においては、偏向装置の発生す
る磁界により一列配置の3電子ビームを偏向すると、蛍
光体スクリーン上での集中がずれるため、同一水平面上
を通る一列配置の3電子ビームに対して、水平偏向コイ
ルの発生する偏向磁界をピンククッション形、垂直偏向
コイルの発生する偏向磁界をバレル形とする非斉一磁界
にすることにより、蛍光体スクリーンの全面にわたり、
3電子ビームを集中させることが知られている。このカ
ラー受像管は、セルフコンバーゼンス・インライン型カ
ラー受像管として現在カラー受像管の主流となってい
る。
【0007】上述のように現在のカラー受像管は、多く
の開発技術により品位が向上しているが、管の大型化や
高品位化にともなって、さらに電子銃の性能の向上が要
求されている。この電子銃の性能向上には、電子ビーム
を最終的に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズの性
能を向上させることが有効である。
【0008】その主レンズは、一般に同軸に配置された
複数個の電極に所定の電位を付与することにより形成さ
れる静電レンズからなる。このような静電レンズは、電
極構成の相違により、いくつかの種類があるが、基本的
には、電極の電子ビーム通過孔径を大きくした大口径レ
ンズとするか、あるいは電極間距離を長くして、緩やか
な電位勾配の長焦点レンズを形成することにより、レン
ズ性能を向上させることができる。
【0009】しかしカラー受像管の電子銃は、一般に細
い円筒状のネック内に配置されるため、幾何学的に電極
の電子ビーム通過孔が制限される。また電極間に形成さ
れる集束電界がネック内の不所望な電界の影響を受けな
いようにするため、電極間距離も制限される。
【0010】上記主レンズを形成する方法は、色々ある
が、図7に示すように、相対的に低電位の第1電極GA
と相対的に高電位の第2電極GB の各対向面に3個独立
の円形電子ビーム通過孔1a ,1b ,1c ,2a ,2b
,2c が形成されている場合が最も簡単な構造であ
る。この構造では、各電極GA ,GB の電子ビーム通過
孔1a ,1b ,1c ,2a ,2b ,2c のまわりに、各
電極GA ,GB の内側に向かって、電子ビーム通過孔径
の50%程度の高さのバーリング3を形成することが必
要である。
【0011】仮に、図8に示すように、バーリングをな
くして、電子ビーム通過孔1a ,1b ,1c ,2a ,2
b ,2c をできるだけ大きく形成したとすると、これら
電極GA ,GB により形成される主レンズは、水平方向
に3電子ビームに対して共通の電界5が形成され、垂直
方向に対しかなり大きな口径のレンズとなる。その結
果、主レンズの集束側で垂直方向の集束作用が水平方向
の集束作用よりも強くなり、図9に示すように、蛍光体
スクリーン上のビームスポット6は、上下にオーバーフ
ォーカス成分7からなるかなり強烈な非点収差が現れ
る。またバーリングの高さが低い場合は、非点収差の程
度は軽くなるが、やはりバーリングがない場合と同様に
非点収差が現れる。
【0012】しかしバーリングを十分な高さとすること
は、バーリングの精度や電極の製作上困難である。また
バーリング部分の機械的強度を確保するためには、3個
の電子ビーム通過孔1a ,1b ,1c ,2a ,2b ,2
c をある程度離して形成する必要があるが、インライン
型電子銃のように3個の電子ビーム通過孔1a ,1b,
1c ,2a ,2b ,2c が一列配置の場合は、それによ
って電子ビーム通過孔径が制限され、さらにバーリング
を設けることにより孔径を小さくしなければならず、ビ
ームスポットの劣化をまねく。
【0013】またバーリングの高さが不足の場合は、発
生する非点収差を補正する必要がある。その一手段とし
て、特開昭50−17170号公報には、第1、第2電
極に補正電極を設けることが示されている。しかしこの
方法は、バーリングがあるため、電子ビーム通過孔の口
径を大きくできず、また補正電極を2個用いることでバ
ーリングを長くしたと同じ効果を得ることを目的として
いるなどの点から、主レンズの口径を大きくできず、ビ
ームスポットを改善することができない。
【0014】また特公平4−32495号公報には、主
レンズを形成する電極に補正電極を1個または2個設け
た電子銃が示されているが、この電子銃は、補正電極の
電子ビーム通過孔を細長い形状または正方形にすること
により非点収差を補正するものであり、補正電極が主レ
ンズの中心から遠く離れて位置するため、補正電極の電
子ビーム通過孔の形状変化に対する非点収差改善の感度
が低く、場合によっては、電子ビーム通過孔をかなり細
長くする必要がある。そのため、電極の組立てがむつか
しくなるばかりでなく、電極に電子ビームが衝突しやす
くなるなどの問題がある。
【0015】さらに特開平4−218244号公報に
は、図10に示すように、主レンズを形成する電極GA
,GB にバーリングを設けることなく、各電極GA ,
GB の内側に電界補正部材8,9を配置し、水平方向に
対して垂直方向が相対的に強い集束作用と強い発散作用
をもち、またバーリングをなくしたことにより、水平方
向に一列配置の3電子ビームに対して共通の電界10,
11を形成し、それにより水平方向を大口径化した電子
銃が示されている。しかしこのような電子銃は、電界補
正部材8,9を精度よく取付けることがむつかしく、ま
た垂直方向と水平方向との集束、発散作用の差が大きい
ため、垂直、水平方向の非点収差を調整しても、新たに
斜め方向の非点収差が生ずる。そのバランスをとるた
め、相対的に低電位の第1電極GA の第2電極GB との
対向面に、この対向面の電子ビーム通過孔径の10%程
度の厚さの板材12を張付け、ある程度集束側に回転対
称の集束電界成分を残す必要があるが、この第1電極G
A の第2電極GB との対向面は、張付け誤差に対する感
度が高く、ばらつきが生じやすい。また第1電極GA の
第2電極GB との対向面に板材12を張付けると、電界
が浸透しにくくなり、主レンズ口径が小さくなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、カラー
受像管の電子銃の性能を向上させる一手段として、主レ
ンズの大口径化が有効であるが、インライン型カラー受
像管の電子銃では、種々の制約があり、従来の方法で
は、大口径レンズにすることができなかったり、また大
口径レンズを形成することができても、複雑な構造の補
正電極などが必要となり、簡単な構造で精度よく高性能
の主レンズとすることができず、電子銃の性能を十分に
向上させることができないという問題がある。
【0017】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、簡単な構造で電子銃の主レンズを大口径化
し、画面全域にわたり、すぐれた解像度を有するカラー
受像管を構成することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】同一平面上を通る一列配
置の3電子ビームを蛍光体スクリーン上に集束する主レ
ンズが相対向する相対的に低電位が付与される第1電極
と相対的に高電位が付与される第2電極とから構成さ
れ、これら第1、第2電極に3電子ビームが各別に通過
するバーリングのない一列配置の3個の電子ビーム通過
孔が形成されてなる電子銃を備えるカラー受像管におい
て、その第1電極の各電子ビーム通過孔を円形に形成
し、第2電極の各電子ビーム通過孔をほぼ円形または3
個の電子ビーム通過孔の配列方向径に対して直交方向径
が小さいトラックフィールド状に形成し、かつ第1電極
内側にこの第1電極の第2電極との対向面と平行な主面
をもち、この主面に3個独立の円形電子ビーム通過孔が
形成された板状の電界補正電極を配置した。
【0019】また、その電界補正電極を、第1電極の第
2電極との対向面からの管軸方向最短距離をL、電界補
正電極の電子ビーム通過孔径をDとするとき、 0.5 <(L/D)<1.0 の位置に設けた。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。
【0021】図4にその一形態であるカラー受像管を示
す。このカラー受像管は、パネル20およびファンネル
21からなる外囲器を有し、そのパネル20の内面に、
青、緑、赤に発光するストライプ状の3色蛍光体層から
なる蛍光体スクリーン22が設けられ、この蛍光体スク
リーン22に対向して、その内側に多数の電子ビーム通
過孔の形成されたシャドウマスク23が配置されてい
る。一方、ファンネル21のネック24内に、同一水平
面上を通るセンタービーム25G および一対のサイドビ
ーム25B ,25R からなる一列配置の3電子ビーム2
5B ,25G ,25R を放出する後述する電子銃26が
配設されている。そして、この電子銃26から放出され
る3電子ビーム25B ,25G ,25R をファンネル2
1の外側に装着された偏向装置27の発生する水平、垂
直偏向磁界により偏向し、上記シャドウマスク23を介
して蛍光体スクリーン22を水平、垂直走査することに
より、カラー画像を表示する構造に形成されている。
【0022】上記偏向装置27は、この偏向装置27の
発生する磁界により同一水平面上を通る一列配置の3電
子ビーム25B ,25G ,25R を集中させるために、
水平偏向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁界をサド
ル形とする非斉一磁界を発生するものとなっている。
【0023】上記電子銃26は、図1に示すように、水
平方向に一列配置された3個のカソードKB ,KG ,K
R 、これらカソードKB ,KG ,KR を各別に加熱する
3個のヒータ(図示せず)、上記カソードKB ,KG ,
KR から順次蛍光体スクリーン方向に配置された第1乃
至第4グリッドG1 〜G4 およびこの第4グリッドG4
の蛍光体スクリーン側端部に底部を第4グリッドG4 側
として取付けられたコンバーゼンス・カップCからな
り、そのカソードKB ,KG ,KR 、ヒータおよび第1
乃至第4グリッドG1 〜G4 が一対の絶縁支持体(図示
せず)により一体に固定されている。
【0024】その第1および第2グリッドG1 〜G2
は、板状電極からなり、これら電極には、3個のカソー
ドKB ,KG ,KR に対応して、比較的径小の3個の円
形電子ビーム通過孔が水平方向に一列配置に形成されて
いる。
【0025】第3グリッドG3 は、一対のカップ状電極
G31,G32の開放端を突合わせた筒状電極からなり、そ
の第2グリッドG2 側端面(カップ状電極G31の端面)
には、3個のカソードKB ,KG ,KR に対応して、第
2グリッドG2 の電子ビーム通過孔よりも径大な3個の
円形電子ビーム通過孔が水平方向に一列配置に形成され
ている。また第4グリッドG4 側端面(カップ状電極G
32端面)には、3個のカソードKB ,KG ,KR に対
応して、上記第2グリッドG2 側端面の電子ビーム通過
孔よりも径大な3個のバーリングのない円形電子ビーム
通過孔29B ,29G ,29R が水平方向に一列配置に
形成されている。さらにこの第3グリッドG3 の一対の
カップ状電極G31,G32の突合部には、第4グリッドG
4 側端面と平行に図2に示す板状の電界補正電極G3Sが
配置されている。この電界補正電極G3Sの主面には、3
個のカソードKB ,KG ,KR に対応して、上記第4グ
リッドG4 側端面の電子ビーム通過孔29B ,29G ,
29R とほぼ同径の3個の円形電子ビーム通過孔30B
,30G ,30R が水平方向に一列配置に形成されて
いる。
【0026】第4グリッドG4 は、上記第3グリッドG
3 と同様に一対のカップ状電極G41,G42の開放端を突
合わせた筒状電極からなり、その第3グリッドG3 側端
面(カップ状電極G41の端面)には、図3に示すよう
に、3個のカソードに対応して、水平方向径(電子ビー
ム通過孔の配列方向径)が第3グリッドG3 の第4グリ
ッドG4 側端面の電子ビーム通過孔とほぼ同径であり、
この水平方向径に対して垂直方向径が小さい横長のトラ
ックフィールド状の電子ビーム通過孔31B ,31G ,
31R が水平方向に一列配置に形成されている。またこ
の第4グリッドG4 のコンバーゼンス・カップC側端面
には、3個のカソードKB ,KG ,KR に対応して、上
記第3グリッドG3 の第4グリッドG4 側端面の電子ビ
ーム通過孔29B ,29G ,29R とほぼ同径の3個の
円形電子ビーム通過孔が水平方向に一列配置に形成され
ている。
【0027】またコンバーゼンス・カップCの第4グリ
ッドG4 側に位置する底部には、3個のカソードKB ,
KG ,KR に対応して、上記第4グリッドG4 のコンバ
ーゼンス・カップC側端面電子ビーム通過孔と同径同軸
の3個の円形電子ビーム通過孔が水平方向に一列配置に
形成されている。
【0028】具体的には、上記第3グリッドG3 の第4
グリッドG4 側端面の電子ビーム通過孔29B ,29G
,29R は、直径6.2mm程度の円形開孔からなり、
この電子ビーム通過孔29B ,29G ,29R が中心間
隔6.6mm程度、孔まわりの板厚0.5mmに形成されて
いる。また第4グリッドG4 の第3グリッドG3 側端面
の電子ビーム通過孔31B ,31G ,31R は、水平方
向径6.2mm、っvv向径が水平方向径の95%程度の
トラックフィールド状をなし、この電子ビーム通過孔3
1B ,31G ,31R が中心間隔6.8mm程度、孔まわ
りの板厚0.5mm程度に形成されている。
【0029】この電子銃26では、たとえば各カソード
KB ,KG ,KR に150V程度の直流電圧に映像信号
が畳重された電圧が印加され、第1グリッドG1 は接地
される。第2グリッドG2 には約600V、第3グリッ
ドG3 には約8 kVの中電圧、第4グリッドG4 には約
30 kVの高電圧が印加される。この第4グリッドG4
に印加される高電圧は、図1に示したように、ファンネ
ル21に設けられた陽極端子33、ファンネル21の内
面に塗布形成された導電膜34、コンバーゼンス・カッ
プCに取付けられて上記導電膜34に圧接する複数個の
バルブスペーサー(図示せず)およびコンバーゼンス・
カップCを介して供給されるが、その他の電極の電圧
は、ネック24端部を封止するステム36を貫通する複
数本のステムピン37を介して供給される。
【0030】上記電圧の印加により、カソードKB ,K
G ,KR および第1、第2グリッドG1 ,G2 により、
カソードKB ,KG ,KR からの電子放出を制御し、か
つ放出された電子を加速集束して電子ビームを形成する
電子ビーム形成部が形成され、第2、第3グリッドG2
,G3 により、上記電子ビーム形成部からの電子ビー
ムを予備集束するプリフォーカスレンズが形成される。
また第3、第4グリッドG3 ,G4 により、その予備集
束された電子ビームを最終的に蛍光体スクリーンに向か
って加速集束する主レンズが形成される。
【0031】この主レンズでは、相対的に低い中電圧が
印加される第3グリッドG3 側に集束電界が形成され、
相対的に高い高電圧が印加される第4グリッドG4 側に
発散電界が形成される。
【0032】この主レンズの電界は、一般にその集束電
界領域での電子ビームの速度が発散電界領域での速度よ
りも遅く、また電子ビームの径も、集束電界領域の方が
発散電界領域よりも大きいため、第3グリッド側に形成
される集束電界での集束作用が発散電界での発散作用よ
りも支配的となる。このように第3グリッドは主レンズ
に大きな影響を与えるため、この第3グリッドの電子ビ
ーム通過孔は、高い精度が要求される。したがって第3
グリッドは、できる限り簡単な構造、簡単な形状の電子
ビーム通過孔が望まれる。
【0033】この点、上記電子銃26のように第3グリ
ッドG3 の第4グリッドG4 側端面の電子ビーム通過孔
29B ,29G ,29R を円形かつバーリングのない簡
単な形状に形成し、かつ第4グリッドG4 の第3グリッ
ドG3 側端面の電子ビーム通過孔31B ,31G ,31
R も簡素化して簡単な形状にしている。その結果、図5
に示すように、これら第3、第4グリッドG3 ,G4 に
より、水平方向に3個の電子ビーム通過孔29B ,29
G ,29R ,31B ,31G ,31R 共通の電界38が
形成され、3電子ビーム共通の大口径レンズが形成され
る。一方、垂直方向には、浸透電界が第3グリッドG3
内で広がり、口径が各電子ビー通過孔29B ,29G ,
29R の径以上のレンズが形成される。
【0034】しかしこれだけの構造で電子ビームを蛍光
体スクリーン上に集束すると、蛍光体スクリーン上のビ
ームスポットは、図9に示したように、上下方向にオー
バーフォーカス成分からなる強烈な非点収差が現れる。
【0035】しかしこの非点収差は、主レンズの発散側
である第4グリッドG4 の電子ビーム通過孔31B ,3
1G ,31R を横長のトラックフィールド状としたこと
により改善できる。すなわち、上記非点収差は、主レン
ズの発散側で垂直方向の発散を強めれば補正でき、しか
も第4グリッドG4 は、電子ビーム通過孔の口径変化に
対する発散作用の感度が高いので、円形孔の上下をわず
かに切って横長のトラックフィールド状とするだけで、
水平、垂直方向の非点収差を改善することができる。な
お、このような電子ビーム通過孔31B ,31G ,31
R は、円形孔の上下を切るだけで形成でき、第4グリッ
ドG4 を簡単に制作することができるという利点もあ
る。
【0036】しかし上記のように主レンズの発散側の垂
直方向の発散を強めると、図6に示すように蛍光体スク
リーン上のビームスポット40の水平、垂直方向の非点
収差は改善されるが、新たに水平、垂直方向の中間部に
斜め方向に集束しない部分41(非点収差)が生ずる。
しかしこの中間部の集束しない部分41は、第3グリッ
ドG3 の内側に設けられた電界補正電極G3sにより補正
することができる。
【0037】すなわち、上記ビームスポット40の水
平、垂直方向の中間部の集束しない部分41を補正する
ためには、第4グリッドG4 の電子ビーム通過孔の形状
を変えるか、あるいは他の補正手段が必要であるが、第
4グリッドG4 の電子ビーム通過孔の形状を変えて複雑
にすることは、この第4グリッドG4 が第3グリッドG
3 とともに主レンズを形成する電極であるため、主レン
ズの電界に与える精度などの影響が大きく好ましくな
い。しかも上記電子銃26のように、上記他の補正手段
として、第3グリッドG3 の内側に、この第3グリッド
G3 の第4グリッドG4 側端面の電子ビーム通過孔29
B ,29G ,29R と同径の3個の電子ビーム通過孔が
形成された電界補正電極G3sを設けると、この電界補正
電極G3sの作用は、第3グリッドG3 の第4グリッドG
4 側端面からの距離Lが小さいほど、主レンズの集束側
の回転対称性を増やし、蛍光体スクリーン上のビームス
ポットの形状を回転対称に近づける。またそれにより、
第4グリッドG4 の第3グリッドG3 側端面の電子ビー
ム通過孔31B ,31G ,31R をトラックフィールド
状から円形に近づけ、電子銃の組立てや電極の制作を容
易にする。
【0038】しかし回転対称性を増やしすぎると、大口
径レンズの口径が小さくなり、ビームスポットを小さく
することができなくなる。発明者らの研究結果による
と、第3グリッドG3 の第4グリッドG4 側端面の電子
ビーム通過孔29B ,29G ,29R の口径をDとする
とき、 0.5<L/D<1.0 を満足する位置に配置することにより、大口径レンズの
特性を損なわずに、ビームスポットの形状を良好にする
ことができた。
【0039】なお、上記電界補正電極の配置位置は、集
束側の水平方向に形成される共通の電界に主に影響を与
え、その3個の電子ビーム通過孔間のブリッジ幅が重要
な要素となる。
【0040】また、電界補正電極の電子ビーム通過孔の
垂直方向径の蛍光体スクリーン上のビームスポット径に
対する感度は低く、ビームスポット径の変化に対して
は、あまり効果はない。
【0041】また、上記実施の形態では、電界補正電極
の電子ビーム通過孔を円形としたが、これは、できるだ
け簡単な電子ビーム通過孔形状で蛍光体スクリーン上の
ビームスポットを適切な形状とするためであり、特に円
形にこだわるものではない。
【0042】また、蛍光体スクリーン上のビームスポッ
ト径を改善するために、電子ビームが主レンズに入る前
になんらかの補正手段を設けることは任意である。
【0043】
【発明の効果】同一平面上を通る一列配置の3電子ビー
ムを放出する電子銃の主レンズが相対向する相対的に低
電位が付与される第1電極と相対的に高電位が付与され
る第2電極とから構成され、これら第1、第2電極に3
電子ビームが各別に通過するバーリングのない一列配置
の3個の電子ビーム通過孔が形成されてなるカラー受像
管において、その第1電極の3個の電子ビーム通過孔を
円形に、第2電極の3個の電子ビーム通過孔をほぼ円形
または3個の電子ビーム通過孔の配列方向径に対して直
交方向径が小さいトラックフィールド状に形成し、かつ
第1電極内側にこの第1電極の第2電極との対向面と平
行な主面をもち、この主面に3個独立の円形電子ビーム
通過孔が形成された板状の電界補正電極を配置し、また
その電界補正電極を、この電界補正電極の設けられた第
1電極の第2電極との対向面からの管軸方向最短距離を
L、電界補正電極の電子ビーム通過孔径をDとすると
き、 0.5 <(L/D)<1.0 の位置に設けると、電子ビーム通過孔の配列方向に3電
子ビーム共通の電界を形成する大口径レンズを形成する
ことができる。また第2電極のほぼ円形またはトラック
フィールド状の電子ビーム通過孔により水平、垂直方向
の非点収差を改善できる。さらに水平、垂直方向の中間
部に生ずる非点収差を電界補正電極の配置位置により調
整することができる。特にこの電界補正電極の配置位置
は、主レンズを形成する電界のうち、主に水平方向に形
成される共通電界の一部にきくため、形成される大口径
レンズを縮小することなく、蛍光体スクリーン上のビー
ムスポットを良好にすることができる。その結果、従来
にくらべてコストアップすることなく特性の良好なカラ
ー受像管を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の実施の一形態であるカ
ラー受像管の電子銃の構成を示す正面図、図1(b)は
その側面図である。
【図2】上記電子銃の第3グリッドに配置される電界補
正電極の構造を示す平面図である。
【図3】上記電子銃の第4グリッドの第3グリッド側端
面の電子ビーム通過孔の形状を示す図である。
【図4】この発明の実施の一形態であるカラー受像管の
構成を示す図である。
【図5】図5(a)は上記電子銃の第3グリッドと第4
グリッドとにより形成される主レンズの垂直方向の電界
を示す図、図5(b)は水平方向の電界を示す図であ
る。
【図6】上記電子銃の第3グリッドに電界補正電極を配
置しない場合の蛍光体スクリーン上のビームスポットの
形状を示す図である。
【図7】図7(a)は主レンズを形成する電極の電子ビ
ーム通過孔にバーリングが設けられた従来の電子銃の主
レンズの垂直方向の電界を示す図、図7(b)は水平方
向の電界を示す図である。
【図8】図8(a)は主レンズを形成する電極の電子ビ
ーム通過孔にバーリングが設けられていない従来の電子
銃の主レンズの垂直方向の電界を示す図、図8(b)は
水平方向の電界を示す図である。
【図9】図8に示した主レンズにより得られる蛍光体ス
クリーン上のビームスポットの形状を示す図である。
【図10】図10(a)は主レンズを形成する電極の電
子ビーム通過孔にバーリングが設けることなく、各電極
の内側に電界補正部材が設けられた従来の電子銃の主レ
ンズの垂直方向の電界を示す図、図10(b)は水平方
向の電界を示す図である。
【符号の説明】
22…蛍光体スクリーン 25B ,25G ,25R …3電子ビーム 26…電子銃 29B ,29G ,29R …電子ビーム通過孔 30B ,30G ,30R …電子ビーム通過孔 31B ,31G ,31R …電子ビーム通過孔 40…ビームスポット G1 …第1グリッド G2 …第2グリッド G3 …第3グリッド G4 …第4グリッド G3S…電界補正電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一平面上を通る一列配置の3電子ビー
    ムを蛍光体スクリーン上に集束する主レンズが相対向す
    る相対的に低電位が付与される第1電極と相対的に高電
    位が付与される第2電極とから構成され、これら第1、
    第2電極に上記3電子ビームが各別に通過するバーリン
    グのない一列配置の3個の電子ビーム通過孔が形成され
    てなる電子銃を備えるカラー受像管において、 上記第1電極の各電子ビーム通過孔は円形に形成され、
    上記第2電極の各電子ビーム通過孔はほぼ円形または上
    記3個の電子ビーム通過孔の配列方向径に対して直交方
    向径が小さいトラックフィールド状に形成され、かつ上
    記第1電極内側にこの第1電極の第2電極との対向面と
    平行な主面をもち、この主面に3個独立の円形電子ビー
    ム通過孔が形成され板状の電界補正電極が配置されてい
    ることを特徴とするカラー受像管。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカラー受像管において、 電界補正電極は第1電極の第2電極との対向面からの管
    軸方向最短距離をL、上記電界補正電極の電子ビーム通
    過孔径をDとするとき、 0.5 <(L/D)<1.0 の位置に設けられていることを特徴とするカラー受像
    管。
JP9496196A 1996-04-17 1996-04-17 カラー受像管 Pending JPH09283047A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9496196A JPH09283047A (ja) 1996-04-17 1996-04-17 カラー受像管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9496196A JPH09283047A (ja) 1996-04-17 1996-04-17 カラー受像管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09283047A true JPH09283047A (ja) 1997-10-31

Family

ID=14124535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9496196A Pending JPH09283047A (ja) 1996-04-17 1996-04-17 カラー受像管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09283047A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0427656B2 (ja)
JPH07147146A (ja) 受像管装置
JP2673111B2 (ja) ビームスポット歪み防止用電子銃
JPH05290756A (ja) カラー受像管
JP2000048737A (ja) カラーブラウン管装置
JP2002075240A (ja) 陰極線管装置
JPS6258102B2 (ja)
JPH0636706A (ja) カラー受像管
JP3038217B2 (ja) カラー受像管装置
JPH09283047A (ja) カラー受像管
JP3348869B2 (ja) カラー陰極線管
JP3640694B2 (ja) カラー受像管
JP3734327B2 (ja) カラーブラウン管装置
JP2804052B2 (ja) カラー受像管装置
JP2878731B2 (ja) カラー受像管装置
JP2957604B2 (ja) カラー受像管装置
JP3053850B2 (ja) カラー受像管装置
JP2960498B2 (ja) カラー受像管装置
JP2002190260A (ja) 陰極線管装置
JP2758231B2 (ja) カラー受像管装置
JP2001307655A (ja) カラーブラウン管装置
JPH10289671A (ja) カラー受像管
JPH06223738A (ja) カラー受像管装置
JPS6258103B2 (ja)
JPH09223470A (ja) 陰極線管