JPH09281117A - 分注装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で自動的に分注ヘッドの交換を行
える自動分注装置を提供する。 【解決手段】 検体を収容するプレート７と、該プレー
ト７内の検体に注液する試薬等の液体を吸引且つ吐出せ
しめるための複数の分注ヘッド５と、該複数の分注ヘッ
ド５を交換可能に取り付けてなる分注ヘッド駆動部４を
有する分注装置において、前記複数の分注ヘッド５に前
記分注ヘッド駆動部４を離脱可能に連結するチャック機
構５１を夫々設け、前記分注ヘッド駆動部４に該チャッ
ク機構の受部４１を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプレートの検体に試
薬等を自動的に一定量分注する自動分注装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動分注装置において、プレート
内の検体に対して生理食塩水等の液体の分注後に更に試
薬を分注することにより、免疫反応や抗原・抗体を特定
する作業が行われている。

【０００３】上記作業には主として所定量の液体を精度
よく分注できる分注ヘッド（分注ヘッド）が用いられて
いる。ところで液体を吸引・吐出するための分注ヘッド
には、微量な液体、即ち０．５μｌから１０μｌまでの
分注に用いるディスポーザルチップを取り付けて使用す
るものと、５μｌから２００μｌまでのディスポーザル
チップを取り付けて使用するもの等複数種類のサイズの
分注ヘッドがあり、分注量の変化に合わせたチップの交
換に応じて分注ヘッドそのものを交換する必要がある。

【０００４】分注の対象となるマイクロプレートの窪み
は非常に小さいものであって、分注ヘッドの交換には高
精度の位置決め制御が必要とされるため、従来の分注装
置にあっては分注ヘッド駆動部と分注ヘッドの位置関係
を正確に保つためにネジ等による固定がなされており、
交換が容易に行えないという問題点があった。

【０００５】ましてや煩雑で複雑な反応計測やＤＮＡ分
析に用いられる分注装置の用途では、高速性と精密性を
要求されるため、分注ヘッド駆動部を搭載した装置にあ
っては分注ヘッドの自動交換機能が必要である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で自
動的に分注ヘッド駆動部に対して分注ヘッドの交換を高
速且つ高精度に行える分注装置を提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、検体を収容す
るプレートと、該プレート内の検体に注液する試薬等の
液体を吸引且つ吐出せしめるための複数の分注ヘッド
と、該複数の分注ヘッドを交換可能に取り付けてなる分
注ヘッド駆動部を有する分注装置において、前記複数の
分注ヘッドに前記分注ヘッド駆動部を離脱可能に連結す
るチャック機構を夫々設け、前記分注ヘッド駆動部に該
チャック機構の受部を設けたものである。

【０００８】そして、前記チャック機構は、分注ヘッド
上端に設けられ開方向に付勢されたフィンガー部材と、
前記分注ヘッド胴部にスライド可能に取り付けられて前
記フィンガー部材の開閉を制御するスライド部材とより
なる。

【０００９】また、分注ヘッドの上下の移動時において
前記スライド部材の動きを制止し、該スライド部材の分
注ヘッドに対する相対的移動を可能にするレバーを設け
たものである。

【００１０】前記分注ヘッド駆動部に設けられた受部は
前記フィンガー部材の閉動作によって該フィンガー部材
に勘合可能な嵌合凹部である。更に、前記分注ヘッド駆
動部の下端面と前記分注ヘッドの上端面に互いに嵌合可
能なテーパー処理を施した嵌合凹所または嵌合凸部を夫
々設けることにより、連結時の位置ずれの吸収と、連結
後の分注ヘッドにかかる連結部のずれる可能性を低下さ
せることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下本発明の分注装置をその一実
施形態について図面に基づき詳細に説明する。

【００１２】図１は分注装置の側面図である。同図にお
いて１は基台、２は該基台１に載置された３軸テーブ
ル、３は同じく前記基台１に載置されたコントローラ、
４は前記３軸テーブル２に取り付けられた分注ヘッド駆
動部、５は前記分注ヘッド駆動部４に離脱可能に連結さ
れる分注量の異なる複数の分注ヘッド（分注量は０．５
μｌから１０μｌまでと、５μｌから２００μｌまでの
図示しないディスポーザルチップを必要とされる液量に
応じてチップを交換する必要があり、それに応じて分注
ヘッド５自体も交換する必要が生じる）、６は該分注ヘ
ッド部の数に応じて前記基台１の片隅に設けられた前記
分注ヘッド５の置き台、７は前記分注ヘッド５によって
液体を分注される検体の入ったマイクロプレートであ
る。

【００１３】分注ヘッド駆動部４並びに分注ヘッド５の
詳細な構造については図２の要部側面図に開示してい
る。同図において分注ヘッド５の非使用時にこれを保管
する分注ヘッド置き台６は中央に分注ヘッド５を収容す
る凹所６１を有し、スプリング６２により上方に付勢さ
れた中筒６３を有したものである。

【００１４】前記中筒６３には分注ヘッド５の下方移動
時に後述するスライドキャップの移動を阻止するための
ボールプランジャー６４が取り付けられている。前記分
注ヘッド駆動部４には後述するフィンガー部に係合する
嵌合凹部４１が形成されている。

【００１５】前記分注ヘッド５の上端には、前記嵌合凹
部４１に嵌合可能なフィンガー部５１がバネ５２により
開方向に付勢されて設けられ、且つ前記フィンガー部５
１の開閉を制御するスライドキャップ５３が前記分注ヘ
ッド５の胴部に対して摺動可能に取り付けられている。

【００１６】前記スライドキャップ５３には下端に鍔部
５４が形成されており、該鍔部５４は前記中筒６３の上
端面に当接可能に成されている。８は連結解除レバーで
あり、レバー作用力伝達バー８１によりレバー復帰バネ
８２の付勢力に抗して回動する。

【００１７】前記レバー作用力伝達バー８１はその下端
を作用力伝達バー８３の一端に形成された長穴に遊嵌さ
れ、該作用力伝達バー８３の他端は前記スライダー６３
に連結されている。

【００１８】そしてこのスライダー６３の上下動に依存
して前記作用力伝達バー８３、レバー作用力伝達バー８
１、レバー８へと作用力が伝達され、該レバー８が回動
するように成されている。

【００１９】尚、前記連結解除レバー８はスライドキャ
ップ５３の突起５５に当接・離間可能な位置に配設さ
れ、支点９の周りに回動可能になされている。そして、
前記分注ヘッド駆動部４の下端面と前記分注ヘッド５の
上端面に互いに嵌合可能なテーバー処理を施した嵌合凹
所４２、嵌合凸部５６（どちらが凹所、凸部であっても
よい）を夫々設けて、連結時の位置ずれを吸収し、且つ
連結後の状態の安定性を確保している。

【００２０】上記の構成において、図３及び図４の動作
説明図を基に動作を説明する。分注動作の事前操作とし
て、まず分注ヘッド駆動部４に分注ヘッド５を取り付け
る。

【００２１】初期状態では前記分注ヘッド５のチャック
機構としてのフィンガー部５１は開いているので、分注
ヘッド駆動部４を分注ヘッド置き台６の上方位置へ移動
せしめ、その位置で分注ヘッド駆動部４を下降させる
（図２（１）参照）。

【００２２】この操作では中筒６３は移動せず、レバー
８の先端はスライドキャップ５３の突起５５に係合し、
スライダー６３とスライドキャップ５３とは当接状態の
ままである。

【００２３】分注ヘッド駆動部４が下降を続けて分注ヘ
ッド５に当接すると、前記中筒６３の上方付勢力に抗し
て分注ヘッド５を押し下げながら更に下方の位置まで下
降する（図２（２）参照）。この際前記レバー８の先端
及び中筒６３の上端によってスライドキャップ５３はそ
の移動を阻止され、結果として分注ヘッド５に対して相
対的に上方にスライドキャップ５３が移動する。

【００２４】斯かるスライドキャップ５３の分注ヘッド
５に対する移動により、フィンガー部材５１、５２が閉
じられ、該フィンガー部材５１、５２の先端が分注ヘッ
ド駆動部４の嵌合凹部４１に嵌合される。

【００２５】さらにこの位置から分注ヘッド駆動部４を
下降させると、中筒６３とボールプランジャー６４との
係合が解除され、中筒６３がスプリング６２の上方付勢
力に抗して下降する。

【００２６】斯かる中筒６３の下降に伴い、作用力伝達
レバー８３が回動し、レバー作用力伝達レバー８１が同
時に上方へ移動し、これによって連結解除レバー８が左
回りに回動して、該連結解除レバー８とスライドキャッ
プ５３の突起５５との係合が解除される。

【００２７】前記連結解除レバー８とスライドキャップ
５３との係合解除が確認されると分注ヘッド駆動部４は
上昇せしめられる。この際、スライドキャップ５３は先
程の操作にてフィンガー部材５１を閉じた状態を保持せ
しめる。

【００２８】一旦閉じたフィンガー部材５１は次にレバ
ー８によりスライドキャップ５３を分注ヘッド駆動部４
に対して相対移動させるまでは閉じた状態を保持される
（図２（３）参照）。

【００２９】また、分注ヘッド駆動部４の更なる上昇に
よって中筒６３は上昇し、連結解除レバー８は元の状態
に復帰するが、既にスライドキャップ５３の突起は連結
解除レバー８の上方にあり、この位置で係合することは
ない。

【００３０】そして分注ヘッド５が分注ヘッド駆動部４
に連結した状態で分注ヘッド駆動部４は上昇せしめられ
る（図２（４）参照）。こうして分注ヘッド５（及び図
示しないディスポーザルチップ）が連結された分注ヘッ
ド駆動部４は検体に分注すべき試薬等を吸引した後、プ
レート７の上方位置へ３軸テーブル２を介して移動さ
れ、プレート７の窪みの一つ一つの検体に高速で分注を
行う。

【００３１】分注を終えると、図３とは逆の操作で分注
ヘッド５を分注ヘッド駆動部４から切り離す。即ち、分
注ヘッド５の連結された分注ヘッド駆動部４を分注ヘッ
ド受け台６の上方へ移動し、分注ヘッド駆動部４をその
位置から下降させる（図３（１）参照）。

【００３２】このとき、スライドキャップ５３の突起５
５はその傾斜面を利用して連結解除レバー８を回動さ
せ、これを乗り越えて下方へ移動する。スライドキャッ
プ５３の突起５５が連結解除レバー８を乗り越えてしま
うと、該連結解除レバー８は元の状態に復帰する（図３
（２）参照）。

【００３３】従って、この位置から分注ヘッド駆動部４
を上昇させると、レバー８の先端がスライドキャップ５
３の鍔部突起５５に当接し、スライドキャップ５３の移
動を阻止する。

【００３４】このようにしてスライドキャップ５３はそ
のままの位置で分注ヘッド駆動部４のみが上昇し、スラ
イドキャップ５３は分注ヘッド５の上降と逆方向へ相対
移動し、フィンガー部４１がそのバネ５２の付勢力によ
って開き（図３（３）参照）、分注ヘッド駆動部４から
分注ヘッド５は切り離される。

【００３５】

【発明の効果】本発明は以上の説明のように、分注量の
異なる複数の分注ヘッドの交換を自動的に簡単に行え、
大型化を抑制しつつ、分注操作を極めて容易にできる分
注装置を得ることができたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明分注装置の側面図ある。

【図２】分注ヘッド及び分注ヘッド駆動部の詳細を示す
要部拡大図である。

【図３】本発明分注装置の分注ヘッド取り付け動作を説
明する要部側面図である。

【図４】本発明分注装置の分注ヘッド取り外し動作を説
明する要部側面図である。

【符号の説明】

１ 基台 ２ ３軸テーブル ３ コントローラ ４ 分注ヘッド駆動部 ５ 分注ヘッド ６ 分注ヘッド置き台 ７ マイクロプレート ５１ フィンガー部材 ５３ スライドキャップ ４１ 嵌合凹部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 検体を収容するプレートと、該プレート
   内の検体に注液する試薬等の液体を吸引且つ吐出せしめ
   るための複数の分注ヘッドと、該複数の分注ヘッドを交
   換可能に取り付けてなる分注ヘッド駆動部を有する分注
   装置において、前記複数の分注ヘッドに前記分注ヘッド
   駆動部と離脱可能に連結するチャック機構を夫々設け、
   前記分注ヘッド駆動部に該チャック機構の受部を設けた
   ことを特徴とする分注装置。
2. 【請求項２】 前記チャック機構は、分注ヘッド上端に
   設けられ開方向に付勢されたフィンガー部材と、前記分
   注ヘッド胴部にスライド可能に取り付けられて前記フィ
   ンガー部材の開閉を制御するスライド部材とよりなるこ
   とを特徴とする上記請求項１記載の分注装置。
3. 【請求項３】 分注ヘッドの上下の移動時において前記
   スライド部材の動きを制止し、該スライド部材の分注ヘ
   ッド駆動部に対する相対的移動を可能にするレバーを設
   けたことを特徴とする上記請求項２記載の分注装置。
4. 【請求項４】 前記分注ヘッド駆動部に設けられた受部
   は前記フィンガー部材の閉動作によって該フィンガー部
   材に勘合可能な嵌合凹部であることを特徴とする上記請
   求項２または３記載の分注装置。
5. 【請求項５】 前記分注ヘッド駆動部の下端面と前記分
   注ヘッドの上端面に互いに嵌合可能なテーパー処理を施
   した嵌合凹所または嵌合凸部を夫々設けたことを特徴と
   する上記請求項１乃至４記載の分注装置。