JPH09279010A - ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体

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JPH09279010A
JPH09279010A JP11442996A JP11442996A JPH09279010A JP H09279010 A JPH09279010 A JP H09279010A JP 11442996 A JP11442996 A JP 11442996A JP 11442996 A JP11442996 A JP 11442996A JP H09279010 A JPH09279010 A JP H09279010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面固有抵抗を低下させ、かつ表面外観を向
上させた、照明効果に優れてたポリカーボネート樹脂組
成物及びその成形体、を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂、数平均分子量が
2,000〜20,000のポリエーテル、アルキル基
の炭素数平均値が11〜15の範囲内にあるアルキルス
ルホン酸のアルカリ金属塩、及び平均粒径が0.5〜1
0μmの範囲にあるものから選ばれる少なくとも一種以
上の微粒子、からなるポリカーボネート樹脂組成物及び
その成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用照明、施設
照明、店装表示用照明、自動車内外装照明等の各種照明
機器に使用される保護カバー部材用に供給される、帯電
防止性と表面外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物
及びその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた透明性
と表面光沢性、良好な機械的性質、加工性並びに成形品
の美麗さによって、各種照明機器、看板、装飾品、銘板
等に広く使用されている。しかしながら、ポリカーボネ
ート樹脂はその表面固有抵抗が大きいため、接触、摩擦
等で誘起された静電気が消失しにくい性質を有し、ほこ
り等が付着して美観の低下、光学特性の低下をもたらす
という欠点がある。
【0003】従来、このような静電気障害を除く方法と
して、アルキルスルホン酸又はアルキルベンゼンスルホ
ン酸のアルカリ金属塩とグリセリン脂肪酸エステルを配
合する方法(特開平1−197552号公報)、アルキ
ルスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
とチオエーテル系抗酸化剤を配合する方法(特開平4−
68045号公報)等が提案されており、いずれの方法
に於いても樹脂の表面固有抵抗を低下させる効果が実証
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
によって得られるポリカーボネート樹脂組成物を用いて
各種照明機器の保護カバー部材に用いるポリカーボネー
ト樹脂組成物及びその成形体を製造すると、光を拡散さ
せるために配合する光拡散剤や帯電防止剤の分散不良に
起因した表面光沢の低下、表面の微小模様及び凝集体の
発生等の外観不良が生じ、照明効果を低下させ、外観的
に好ましくないという問題が生じる。また、表面外観を
重視すると十分な帯電防止性能が得られないという、相
反する問題が発生する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリカー
ボネート樹脂の表面固有抵抗を低下させ、かつ表面外観
を向上させた、照明効果に優れたポリカーボネート樹脂
組成物及びその成形体を得ることを目的として鋭意研究
を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に、特定分子量の
ポリエーテルと、帯電防止剤としてアルキル基の炭素数
が特定範囲にあるアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩
を、しかも光拡散剤として平均粒径が特定範囲にある微
粒子を特定量配合することにより、ポリカーボネート樹
脂中に光拡散剤と帯電防止剤を一様に分散させ、上記目
的が達成できることを見い出し本発明を完成するに到っ
た。
【0006】即ち、本発明は、(a)ポリカーボネート
樹脂100重量部、(b)下記化3で示される、数平均
分子量が2,000〜20,000のポリエーテル0.
01〜3重量部、
【化3】 (式中、R1 はHまたはCH3 、nは平均分子量により
定まる定数である。)
【0007】(c)下記化4で示される、アルキル基の
炭素数平均値が11〜15の範囲内にあるアルキルスル
ホン酸のアルカリ金属塩0.1〜5重量部、
【化4】 (式中、R2 はC8 〜C18ないし分岐状のアルキル基、
Mはアルカリ金属である。) (d)平均粒径が0.5〜10μmの範囲にあるものか
ら選ばれる少なくとも一種以上の微粒子1〜10重量
部、からなるポリカーボネート樹脂組成物及びその成形
体、である。
【0008】本発明の特徴は、ポリカーボネート樹脂と
アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩のいずれとも相溶
性を有するポリエーテルを添加することによって、アル
キルスルホン酸のアルカリ金属塩、及び微粒子の分散性
を相互に向上させることができ、帯電防止性能と表面外
観を向上させ、照明効果に優れたポリカーボネート樹脂
組成物及びその成形体を得ることにある。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるポリカーボネート樹脂としては、下記化5で表さ
れる繰り返し単位からなる主鎖を有する。
【化5】 (式中、Arは二価の芳香族残基であり、例えば、フェ
ニレン、ナフチレン、ビフィニレン、ピリジレン基や、
下記化6で表されるものが挙げられる。)
【0010】
【化6】 (式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれアリレーン基であ
り、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、
ピリジレン等の基を表し、Yは下記化7及び化8で表さ
れるアルキレン基または置換アルキレン基である。)
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ水素原
子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基であって、場合によりハロゲン原子、アル
コシ基で置換されていてもよく、kは3〜11の整数で
あり、化8の水素原子は、低級アルキル基、アリール
基、ハロゲンとうで置換されてもよい。)
【0013】また、下記化9で示される二価の芳香族残
基を共重合体成分として含有していてもよい。
【化9】 (式中、Ar1 、Ar2 は化6と同じ。Zは単なる結
合、または、−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、
−CO2 −、−CON(R1 )−、(R1 は前記と同
様)等の二価の基である。) これら二価の芳香族残基の例としては、下記化10及び
化11で表されるもの等が挙げられる。
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】 (式中、R5 及びR6 はそれぞれ水素、ハロゲン、C1
〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、C1 〜C
10シクロアルキル基またはフェニル基である。m及びn
は1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R5 はそれ
ぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4
の場合は各R6 はそれぞれ同一でも異なるものであって
もよい。)
【0016】中でも、下記化12で表されるものが好ま
しい一例である。特に、下記化12をArとする繰り返
しユニットを85モル%以上含むものが好ましい。
【化12】
【0017】また、本発明に用いられるポリカーボネー
ト樹脂は、三価以上の芳香族残基を共重合成分として含
有していてもよいし、脂肪族または芳香族のエステル成
分を共重合成分として含有してもよい。ポリマー末端の
分子構造は特に限定されないが、ヒドロキシ基、アリー
ルカーボネート基、アルキルカーボネート基から選ばれ
た1種以上の末端基を結合することができる。アリール
カーボネート末端基は、下記化13で表され、具体例と
しては、例えば、下記化14が挙げられる。
【0018】
【化13】 (式中、Ar3 は一価の芳香族残基で、芳香環は置換さ
れていてもよい。)
【0019】
【化14】
【0020】アルキルカーボネート末端基は、下記化1
5で表され、具体例としては、例えば下記化16等が挙
げられる。
【化15】 (式中、R7 は炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アル
キル基である。)
【0021】
【化16】
【0022】これらの中で、フェニルカーボネート基、
p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフ
ェニルカーボネート基等が好ましく用いられる。また、
ヒドロキシ基末端と他の末端との比率は1:100以上
であることが好ましく、更に好ましくは1:40以上で
ある。本発明に用いられるポリカーボネート樹脂の分子
量は特に限定されないが、ポリカーボネート樹脂に含有
される加水分解可能な塩素は1ppm以下、更に好まし
くは0.5ppm以下であることが好ましい。1ppm
を超える量の塩素がポリカーボネート樹脂中に含有され
ていると、成形加工時等長時間高温下にさらされること
によって着色してしまいポリカーボネート樹脂の特徴で
ある透明感が失われてしまう。
【0023】これらポリカーボネート樹脂は公知の方法
で製造できる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物
とカーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例
えば芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンを水酸化ナト
リウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させ
る界面重合法(ホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合
物とジフェニルカーボネートを反応させるエステル交換
法(溶融法)、結晶化カーボネートプレポリマーを固相
重合する方法(特開平1−158033号公報、特開平
1−271426号公報、特開平3−68627号公
報)等の方法により製造できる。
【0024】本発明で用いられるポリエーテルは、下記
化17で示される構造単位を有する。通常のポリエーテ
ルは、分子鎖末端に水酸基を有するが、両末端あるいは
片末端がメトキシ基のもの、脂肪酸などの有機酸とのエ
ステル型のもの等の誘導体を用いることもできる。
【化17】 (式中、R1 はHまたはCH3 、nは平均分子量により
定まる定数である。)
【0025】具体例としては、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリプロピレングリコール、メトキシポリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、
ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレ
ンオキサイド−ポリプロピレングリコールブロック共重
合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重
合体等を挙げることができる。ポリエーテルの数平均分
子量は2,000〜20,000の範囲にあることが好
ましく、更に好ましくは5,000〜15,000の範
囲である。数平均分子量が2,000未満の場合、アル
キルスルホン酸のアルカリ金属塩との相溶性が低下して
充分な分散促進効果が得られず、逆に分子量が20,0
00を超えるとポリエーテル自体のポリカーボネート樹
脂との相溶性が悪くなり、いずれも表面外観の悪化を生
じ好ましくない。ポリエーテルの添加量は、ポリカーボ
ネート樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部が
好ましく、更に好ましくは0.1〜2重量部の範囲であ
る。該添加量が0.01重量部未満では分散促進効果が
なく、逆に3重量部を超えると耐熱性が低下し好ましく
ない。
【0026】本発明で用いられるアルキルスルホン酸の
アルカリ金属塩は、C8 〜C18の直鎖ないし分枝状のア
ルキル基を有し、その炭素数平均値が11〜15の範囲
内にあることが必要とされる。アルカリ金属には、ナト
リウム、リチウム、カリウム等が好ましく用いられる。
具体例としては、オクチルスルホン酸ナトリウム、オク
チルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸カリウ
ム、イソオクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホ
ン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、デシル
スルホン酸リチウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、
ドデシルスルホン酸リチウム、ヘキサデシルスルホン酸
ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナトリウム、及び
これらの混合物等が挙げられるが、これらの物質に於け
るアルキル基の炭素数はC8 〜C18の範囲内であれば分
布を示していても良い。アルキルスルホン酸のアルカリ
金属塩の添加量は、ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量
部の範囲である。添加量が0.1重量部未満では表面固
有抵抗の低下が認められず、逆に5重量部を超えると表
面の汚れ、べたつき等の副作用を生じ好ましくない。
【0027】本発明で用いる微粒子としては、シリカ、
ガラス、マイカ、タルク等無機物質粉末やスチレン系
(共)重合体、アクリル系(共)重合体、メタクリル系
(共)重合体、シロキサン系(共)重合体等の架橋重合
体粒子などが挙げられる。該微粒子の平均粒径は0.5
〜10μmが好ましく、更に好ましくは1〜8μmの範
囲である。粒子径が0.5μmより小さくなりすぎると
粒子同士の二次凝集を生じ、逆に10μmを越えると樹
脂成形品の表面状態が悪化する。
【0028】該微粒子の添加量は、照明用部材に求めら
れる光学、色調特性に応じて決定されるが、ポリカーボ
ネート樹脂100重量部に対して1〜10重量部が好ま
しくく、更に好ましくは3〜7重量部の範囲である。該
添加量が1重量部未満の場合光の拡散効果がなくなり、
逆に10重量部を越えると樹脂成形品の外観が悪くな
る。本発明のポリカーボネート樹脂組成物及びその成形
体には、その物性を損なわない範囲に於いて他の成分、
例えば、顔料、染料、充填剤、離型剤、熱安定剤、酸化
防止剤、核剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を任
意の過程において含有させることができる。
【0029】本発明に於けるポリカーボネート樹脂組成
物の製造方法は特に限定されないが、ポリカーボネート
樹脂にポリエーテル、アルキルスルホン酸のアルカリ金
属塩、微粒子を同時に混合する方法、或いはポリエーテ
ルとアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩を予め混合し
ておいて、後からポリカーボネート樹脂と微粒子を混合
する方法等により得られる混合物を、通常の押出機で溶
融混練して得ることができる。樹脂組成物中の各成分の
配合量は所定量のままでも良いし、濃度を高くしてマス
ターバッチとしても良い。
【0030】本発明に於けるポリカーボネート樹脂組成
物の成形体の製造方法は特に限定されないが、樹脂組成
物を原料として通常の成形法により得る方法が好ましく
用いられる。成形法は、Tダイによる押出シート成形、
環状ダイによる異形押出成形、ブロー成形、射出成形等
が好ましく用いられる。これらの方法により得られた平
滑、波形、プリズム形等の樹脂板状体を真空成形、圧空
成形、スタンパブル成形等の方法で任意の形状に二次加
工しても良い。
【0031】以上の様にして製造されたポリカーボネー
ト樹脂成形体は、その表面の算術平均粗さ(Ra )が1
μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.8
μm以下である。1μmを超えると目視で表面の凹凸形
状が確認でき外観上好ましくなく、同時に光の表面散乱
が生じて照明効果が低下してしまう。Ra の測定は、J
IS−B0601−1994に準じた方法で市販の測定
機を用いて行うことができる。
【0032】本発明に於けるポリカーボネート樹脂組成
物を、透明樹脂からなる基材部の少なくとも一方の面に
5〜200μm、好ましくは10〜150μmの範囲の
厚さで積層させて得られる多層構造の樹脂成形体も、帯
電防止性能と表面外観を同時に向上させることができる
ため好ましく用いることができる。基材部に使用する透
明樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ル、非晶質ポリオレフィン等の中から選ばれる樹脂が用
いられるが、特にポリカーボネート樹脂が好ましく用い
られる。このような多層構造を有する樹脂成形体を得る
には、共押出法、ラミネート法、プレス熱圧着法等の通
常の方法を用いることができる。多層構造の場合、必要
に応じて任意の面のみに帯電防止性能を付与させること
ができ、かつ表面外観も同時に向上させることができる
ため好ましい。積層部の厚みは5〜200μmにあるこ
とが好ましく、更に好ましくは10〜150μmの範囲
である。5μm未満では充分な表面固有抵抗の低下が認
められず、逆に200μmを超えると厚みを均一にして
製造することが容易ではなくなり好ましくない。
【0033】
【実施例】以下、実施例、比較例などを用いて本発明を
具体的に説明する。なお、各実施例、比較例で用いる評
価及び試験方法は次の通りである。 (1)算術平均粗さ(Ra )の測定:JIS−B060
1−1994に準じて、東京精密社製サーフコム575
A型(商品名)表面粗さ計を用いて、試験片表面の算術
平均粗さ(Ra )を測定する。
【0034】(2)表面固有抵抗値の測定:JIS−K
6911に準じて東亜電波工業社製SM−8210型
(商品名)極超絶縁計を用いて、試験片表面の二つの電
極間に付加した直流電圧を表面層を通して流れる電流で
除した数値を表面固有抵抗値として測定する。試験片は
23℃、50%RHの条件で24時間状態調節した後測
定する。測定値が1013Ω未満であればほこり等の付着
を防ぐことができ、充分な帯電防止性を示すと判断でき
る。
【0035】(3)照明機器への設置評価:2本の蛍光
管を備えた照明光源の前面に試験片を設置し、表面の凹
凸による光散乱、微小な模様、異物及び凝集体等の有無
を判定する。判定基準は、いずれの異常も確認できなけ
れば○、何らかの異常があれば×とし、その理由を記入
する。
【0036】(実施例1〜6、比較例1〜5)ポリカー
ボネート樹脂(商品名:パンライトK1285、帝人化
成製)と、分子量が異なるポリエチレングリコール、及
びアルキル基の炭素数分布が異なるアルキルスルホン酸
ナトリウム、及び平均粒径が異なるシリコーンレジンパ
ウダー(商品名:トレフィル、東レ・ダウコーニング・
シリコーン社製)を表1に示す配合で混合し、ヘンシェ
ルミキサーでブレンドした後ベント付き40mmφ押出
機で樹脂温度290℃にてペレット化して原料組成物を
得る。表1には、ポリエチレングリコールの数平均分子
量、及びアルキルスルホン酸ナトリウムのアルキル基の
炭素数分布から求められる炭素数平均値を示す。得られ
たペレットを押出機(スクリュー径50mmφ、L/D
=32、単軸)、マルチマニホールドダイ、及びポリッ
シングロール3本からなるユニットを用いて押出シート
成形を行い、幅300mmの単層シートを作成する。積
層シートを作成する場合は、第二の押出機(スクリュー
径25mmφ、L/D=32、単軸)を組み合わせて共
押出シート成形を行い、同様に幅300mmの積層シー
トを得ることができる。シートの厚みはポリッシングロ
ールのクリアランスで2.0mmを目標に調整する。積
層シートの積層部の厚みは、二機の押出機の吐出量バラ
ンスで調整する。得られたシートを試験片として上記
(1)〜(3)の評価を行い、表2に示す結果を得る。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例1〜3では、ポリエチレングリコー
ルとアルキルスルホン酸ナトリウムの種類及び添加量を
同一とし、シリコーンレジンパウダーの平均粒径及び添
加量を変えて単層シート試験片を作成し評価を実施し
た。いずれも算術平均粗さは1μm以下であり、表面固
有抵抗値も1012Ωオーダーを示し好ましい。また、照
明機器へ設置しても異常は認められず外観的に好まし
い。実施例4では、アルキル基の炭素数平均値が異なる
アルキルスルホン酸ナトリウムを用いて、単層シート試
験片を作成し評価を実施した。算術平均粗さは1μm以
下、表面固有抵抗値は1011Ωオーダーを示し好まし
い。また、照明機器へ設置しても異常は認められず外観
的に好ましい。
【0040】実施例5〜6では、アルキルスルホン酸ナ
トリウム、シリコーンレジンパウダーの平均粒径及び添
加量を同一とし、ポリエチレングリコールの添加量や数
平均分子量を変えた原料組成物を用いて積層シート試験
片を作成し評価を実施した。算術平均粗さはいずれも
0.7μm、表面固有抵抗値は1011Ωオーダーを示
し、照明機器へ設置しても異常は認められず好ましい結
果を得る。比較例1では、数平均分子量が500のポリ
エチレングリコールを用いて、単層シート試験片を作成
し評価を実施した。算術平均粗さは1.9μmと大きく
表面固有抵抗値も1014Ωオーダーと高く好ましくな
い。また、照明機器へ設置した場合、帯電防止剤の分散
不良による斑点状模様が非常に多く確認され好ましくな
い。
【0041】比較例2では、微粒子に平均粒径15μm
のタルクを使用し、単層シート試験片を作成し評価を実
施した。算術平均粗さは6μmと非常に大きく好ましく
ない。表面固有抵抗値は1013Ωオーダーであるが充分
な帯電防止性能を示すとは言えない。また、照明機器へ
設置すると表面凹凸に起因した光散乱が大きくなり好ま
しくない。比較例3では、微粒子を含まない原料組成物
を用いて、単層シート試験片を作成し評価を実施した。
算術平均粗さは1μmを超え、表面固有抵抗値は1013
Ωオーダーと十分ではない。照明機器へ設置しても光源
が透けて見えたり、帯電防止剤の凝集による表面の斑点
模様が認められ好ましくない。
【0042】比較例4では、アルキルスルホン酸ナトリ
ウムを含まない原料組成物を用いて、単層シート試験片
を作成し評価を実施した。表面固有抵抗値は1014Ωオ
ーダーと高く、算術平均粗さも1μmを超え好ましくな
い。照明機器へ設置して場合は、帯電防止性能が低いた
め埃が付着して暗くなり好ましくない。比較例5では、
ポリエチレングリコールを含まない原料組成物を用い
て、単層シート試験片を作成し評価を実施した。算術平
均粗さは4μm、表面固有抵抗値は1013Ωオーダーを
示し好ましくない。また、照明機器へ設置した場合、表
面凹凸による光散乱及び帯電防止剤の凝集によるライン
状模様が確認され好ましくない。
【0043】
【発明の効果】本発明によって得られるポリカーボネー
ト樹脂組成物及びその成形体は、ポリカーボネート樹脂
の表面固有抵抗を低下させ、かつ表面外観を向上させた
ことにより照明効果に優れており、照明用部材への適用
に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71:02 83:04)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリカーボネート樹脂100重量
    部、(b)下記化1で示される、数平均分子量が2,0
    00〜20,000のポリエーテル0.01〜3重量
    部、 【化1】 (式中、R1 はHまたはCH3 、nは平均分子量により
    定まる定数である。) (c)下記化2で示される、アルキル基の炭素数平均値
    が11〜15の範囲内にあるアルキルスルホン酸のアル
    カリ金属塩0.1〜5重量部、 【化2】 (式中、R2 はC8 〜C18ないし分岐状のアルキル基、
    Mはアルカリ金属である。) (d)平均粒径が0.5〜10μmの範囲にあるものか
    ら選ばれる少なくとも一種以上の微粒子1〜10重量
    部、からなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたポリカーボネート
    樹脂組成物を成形したものであって、少なくとも一方の
    面の算術平均粗さ(Ra )が1μm以下であることを特
    徴とするポリカーボネート樹脂成形体。
  3. 【請求項3】 透明樹脂からなる基材部の少なくとも一
    方の面に、請求項1に記載されたポリカーボネート樹脂
    組成物からなる層を5〜200μmの厚さで積層された
    構造を有することを特徴とする樹脂成形体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された透明樹脂が、ポリ
    カーボネート樹脂であることを特徴とする樹脂成形体。
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