JP3617570B2 - ポリカ−ボネ−ト樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

ポリカ−ボネ−ト樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用照明、施設照明、店装表示用照明、自動車内外装照明等の各種照明機器に使用される保護カバー部材の材料として提供し得る帯電防止性と表面外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物、及び該樹脂組成物を成形してなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、優れた透明性と表面光沢性、良好な機械的性質、加工性並びに成形品の美麗さによって、各種照明機器、看板、装飾品、銘板等に広く使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂はその表面固有抵抗が大きいため、接触、摩擦等で誘起された静電気が消失しにくい性質を有し、ほこり等が付着して美観の低下、光学特性の低下をもたらすという欠点がある。
【0003】
従来、このような静電気障害を除く方法として、アルキルスルホン酸又はアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩とグリセリン脂肪酸エステルを配合する方法(特開平1−197552号公報)、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とチオエーテル系抗酸化剤を配合する方法(特開平4−68045号公報)等が提案されており、いずれの方法に於いても樹脂の表面固有抵抗を低下させる効果が認められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法に於いて得られるポリカーボネート樹脂組成物や、それを用いて各種照明機器の保護カバー部材等の成形体を製造すると、光を拡散させるために配合する光拡散剤や帯電防止剤の分散不良に起因した表面光沢の低下、表面の微小模様及び凝集体の発生等の外観不良が生じ、照明効果を低下させ、外観的に好ましくないという問題が生じる。また、表面外観を重視すると十分な帯電防止性能が得られないという、相反する問題が発生する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリカーボネート樹脂の表面固有抵抗を低下させ、かつ表面外観を向上させた、照明効果に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体を得ることを目的として鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に、特定分子量のポリエーテルと、帯電防止剤としてアルキル基の炭素数が特定範囲にあるアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩を、光拡散剤として重量平均粒径が特定範囲にある無機化合物粒子を特定量配合することにより、ポリカーボネート樹脂中に光拡散剤と帯電防止剤を一様に分散させることが可能となり、上記目的が達成できることを見い出した。
【0006】
すなわち本発明は、
(a)ポリカーボネート樹脂100重量部、
(b)下記化3で示される、数平均分子量が2,000〜20,000のポリエーテル0.01〜3重量部、
【化3】
Figure 0003617570
(式中、RはHまたはCH、nは平均分子量により定まる定数である。)
【0007】
(c)下記化4で示される、アルキル基の炭素数平均値が11〜15の範囲内にあるアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩0.1〜5重量部、
【化4】
Figure 0003617570
(式中、R2 はC8 〜C18 の直鎖ないし分岐状のアルキル基、Mはアルカリ金属である。)
【0008】
(d)重量平均粒径が0.5〜10μmの範囲にあるものから選ばれる少なくとも一種以上の無機化合物粒子1〜10重量部、
からなるポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体である。
本発明の特徴は、ポリカーボネート樹脂とアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩のいずれとも相溶性を有するポリエーテルを添加する事によって、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、及び無機化合物粒子の分散性を相互に向上させることができ、帯電防止性能と表面外観を向上させ、照明効果に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体が得られることにある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、下記化5で表される繰り返し単位からなる主鎖を有する。
【化5】
Figure 0003617570
(式中、Arは二価の芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフィニレン、ピリジレンや、下記化6で表されるものが挙げられる。)
【0010】
【化6】
Figure 0003617570
(式中、Ar及びArはそれぞれアリレーン基である。例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレン等の基を表し、Yは下記化7及び化8で表されるアルキレン基または置換アルキレン基である。)
【0011】
【化7】
Figure 0003617570
【0012】
【化8】
Figure 0003617570
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基であって、場合によりハロゲン原子、アルコシ基で置換されていてもよく、kは3〜11の整数であり、化8の水素原子は、低級アルキル基、アリール基、ハロゲンとうで置換されてもよい。)
【0013】
また、下記化9で示される二価の芳香族残基を共重合体成分として含有していてもよい。
【化9】
Figure 0003617570
(式中、Ar、Arは化6と同じ。Zは単なる結合、または、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CO−、−CON(R)−、(Rは前記と同様)等の二価の基である。)
これら二価の芳香族残基の例としては、下記化10及び化11で表されるもの等が挙げられる。
【0014】
【化10】
Figure 0003617570
【0015】
【化11】
Figure 0003617570
(式中、R及びRはそれぞれ水素、ハロゲン、C〜C10アルキル基、C〜C10アルコキシ基、C〜C10シクロアルキル基またはフェニル基である。m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各Rはそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合は各Rはそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。)
【0016】
中でも、下記化12で表されるものが好ましい一例である。特に、下記化12をArとする繰り返しユニットを85モル%以上含むものが好ましい。
【化12】
Figure 0003617570
【0017】
また、本発明に用いられるポリカーボネート樹脂は、三価以上の芳香族残基を共重合成分として含有していてもよいし、脂肪族または芳香族のエステル成分を共重合成分として含有してもよい。
ポリマー末端の分子構造は特に限定されないが、ヒドロキシ基、アリールカーボネート基、アルキルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基を結合することができる。アリールカーボネート末端基は、下記化13で表され、具体例としては、例えば化14が挙げられる。
【0018】
【化13】
Figure 0003617570
(式中、Arは一価の芳香族残基で、芳香環は置換されていてもよい。)
【0019】
【化14】
Figure 0003617570
【0020】
アルキルカーボネート末端基は、下記化15で表され、具体例としては、例えば下記化16等が挙げられる。
【化15】
Figure 0003617570
(式中、Rは炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基)
【0021】
【化16】
Figure 0003617570
【0022】
これらの中で、フェニルカーボネート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフェニルカーボネート基等が好ましく用いられる。またヒドロキシ基末端と他の末端との比率は1:100以上であることが好ましく、更に好ましくは1:40以上である。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂の分子量は特に限定されないが、ポリカーボネート樹脂に含有される加水分解可能な塩素は好ましくは1ppm以下、更に好ましくは0.5ppm以下である。1ppmを超える量の塩素がポリカーボネート樹脂中に含有されていると、成形加工時等長時間高温下にさらされることによって着色してしまいポリカーボネート樹脂の特徴である透明感が失われてしまう。
【0023】
これらポリカーボネート樹脂は公知の方法で製造できる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンを水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(ホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートを反応させるエステル交換法(溶融法)、結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法(特開平1−158033号公報、特開平1−271426号公報、特開平3−68627号公報)等の方法により製造できる。
【0024】
本発明で用いられるポリエーテルは、下記化17で示される構造単位を有する。通常のポリエーテルは、分子鎖末端に水酸基を有するが、両末端あるいは片末端がメトキシ基のもの、脂肪酸などの有機酸とのエステル型のもの等の誘導体を用いることもできる。
【化17】
Figure 0003617570
(式中、RはHまたはCH、nは平均分子量により定まる定数である。)
【0025】
具体例としては、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレングリコールブロック共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等を挙げることができる。ポリエーテルの数平均分子量は2,000〜20,000の範囲にあることが好ましい。数平均分子量が2,000未満の場合は、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩との相溶性が低下して充分な分散促進効果が得られず、分子量が20,000を超えるとポリエーテル自体のポリカーボネート樹脂との相溶性が悪くなり、いずれも表面外観の悪化を生じ好ましくない。ポリエーテルの添加量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部の範囲が好ましい。添加量が0.01重量部未満では分散促進効果がなく、3重量部を超えると耐熱性が低下し好ましくない。
【0026】
本発明で用いられるアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩は、C〜C18の直鎖ないし分枝状のアルキル基を有し、その炭素数平均値が11〜15の範囲内にあることが必要とされる。アルカリ金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム等が好ましく用いられる。具体例としては、オクチルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸カリウム、イソオクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸リチウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸リチウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらの物質に於けるアルキル基の炭素数はC〜C18の範囲内であり、炭素数の平均値が11〜15であれば分布を示していても良い。アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩の添加量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量部の範囲である。添加量が0.1重量部未満では表面固有抵抗の低下が認められず、5重量部を超えると表面の汚れ、べたつき等の副作用を生じ好ましくない。
【0027】
本発明で用いられる無機化合物は、重量平均粒径が0.5〜10μmの範囲にあるものから選ばれる少なくとも一種以上であれば良い。特に、炭酸カルシウム、硫酸バリウムはポリカーボネート樹脂と混練した場合に光学、色調特性が優れているという点で好ましく、これらの中から選ぶことが好ましい。該無機化合物粒子は、市販品を分球して上記粒径範囲内に入るように調整して使用することができる。一般に粒子径が小さくなりすぎると粒子同士の二次凝集を生じ、大きすぎると樹脂成形品の表面状態が悪化するため、上記の重量平均粒径範囲内にあることが必要である。添加量は、照明用部材に求められる光学、色調特性に応じて決定されるが、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲にあることが好ましい。
【0028】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体には、その物性を損なわない範囲に於いて他の成分、例えば顔料、染料、充填剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、核剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を任意の過程において含有させることができる。
【0029】
本発明に於けるポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、ポリカーボネート樹脂にポリエーテル、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、無機化合物粒子を同時に混合する方法、或いはポリエーテルとアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩を予め混合しておいて、後からポリカーボネート樹脂と無機化合物を混合する方法等により得られる混合物を、通常の押出機で溶融混練して得ることができる。樹脂組成物中の各成分の配合量は所定量のままでも良いし、濃度を高くしてマスターバッチとしても良い。
【0030】
本発明に於けるポリカーボネート樹脂組成物の成形体の製造方法は特に限定されないが、樹脂組成物を原料として通常の成形法により得る方法が好ましく用いられる。成形法は、Tダイによる押出シート成形、環状ダイによる異形押出成形、ブロー成形、射出成形等が好ましく用いられる。これらの方法により得られた平滑、波形、プリズム形等の樹脂板状体を真空成形、圧空成形、スタンパブル成形等の方法で任意の形状に二次加工しても良い。
【0031】
以上の様にして製造されたポリカーボネート樹脂成形体は、その表面の算術平均粗さ(R)が1μm以下であることが好ましい。更に好ましくは0.8μm以下である。1μmを超えると目視で表面の凹凸形状が確認でき外観上好ましくなく、同時に光の表面散乱が生じて照明効果が低下してしまう。Rの測定は、JIS−B0601−1994に準じた方法で市販の測定機を用いて行うことができる。
【0032】
本発明に於けるポリカーボネート樹脂組成物を、透明樹脂からなる基材部の少なくとも一方の面に5〜200μmの厚さで積層させて得られる多層構造の樹脂成形体も、帯電防止性能と表面外観を同時に向上させることができるため好ましく用いることができる。基材部に使用する透明樹脂はポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、非晶質ポリオレフィン等の中から選ばれるが、特にポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。このような多層構造を有する樹脂成形体を得るには、共押出法、ラミネート法、プレス熱圧着法等の通常の方法を用いることができる。多層構造の場合、必要に応じて任意の面のみに帯電防止性能を付与させることができ、かつ表面外観も同時に向上させることができるため好ましい。積層部の厚みは5〜200μmの範囲にあることが必要である。5μm未満では充分な表面固有抵抗の低下が認められず、200μmを超えると厚みを均一にして製造することが容易ではなくなり好ましくない。
【0033】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、各実施例、比較例で用いた評価及び試験方法は次の通りである。
(1)算術平均粗さ(R)の測定:
JIS−B0601−1994に準じて東京精密社製サーフコム575A型表面粗さ計を用いて、試験片表面の算術平均粗さ(R)を測定する。
【0034】
(2)表面固有抵抗値の測定:
JIS−K6911に準じて東亜電波工業社製SM−8210型極超絶縁計を用いて、試験片表面の二つの電極間に付加した直流電圧を表面層を通して流れる電流で除した数値を表面固有抵抗値として測定する。試験片は23℃、50%RHの条件で24時間状態調節した後測定する。測定値が1013Ω未満であればほこり等の付着を防ぐことができ、充分な帯電防止性を示すと判断できる。
(3)照明機器への設置評価:
2本の蛍光管を備えた照明光源の前面に試験片を設置し、表面の凹凸による光散乱、微小な模様、異物及び凝集体等の有無を判定する。判定基準は、いずれの異常も確認できなければ○、何らかの異常があれば×とし、その理由を記入する。
【0035】
(実施例1〜6、比較例1〜5)
ポリカーボネート樹脂(商品名:パンライトK1285、帝人化成製)と、分子量が異なるポリエチレングリコール、及びアルキル基の炭素数分布が異なるアルキルスルホン酸ナトリウム、及び重量平均粒径が異なる炭酸カルシウム、硫酸バリウムを表1に示す配合で混合し、ヘンシェルミキサーでブレンドした後ベント付き押出機40mmφで樹脂温度290℃にてペレット化して原料組成物を得た。表1には、ポリエチレングリコールの数平均分子量、及びアルキルスルホン酸ナトリウムのアルキル基の炭素数分布から求められる炭素数平均値を示す。得られたペレットを押出機(スクリュー径50mmφ、L/D=32、単軸)、マルチマニホールドダイ、及びポリッシングロール3本から成るユニットを用いて押出シート成形を行い、幅300mmの単層シートを作成する。積層シートを作成する場合には、第二の押出機(スクリュー径25mmφ、L/D=32、単軸)を組み合わせて共押出シート成形を行い、同様に幅300mmの積層シートを得ることができる。シートの厚みはポリッシングロールのクリアランスで2.0mmを目標に調整する。積層シートの積層部の厚みは、二機の押出機の吐出量バランスで調整する。得られたシートを試験片として上記(1)〜(3)の評価を行い、表2に示す結果を得る。
【0036】
実施例1〜3では、ポリエチレングリコールとアルキルスルホン酸ナトリウムの種類及び添加量を同一とし、炭酸カルシウムと硫酸バリウムの種類及び添加量を変えて単層シート試験片を作成し評価を実施する。いずれも算術平均粗さは1μm以下であり、表面固有抵抗値も1012Ωオーダーを示し好ましい。また、照明機器へ設置しても異常は認められず外観的に好ましい。
実施例4では、アルキル基の炭素数平均値が異なるアルキルスルホン酸ナトリウムを用いて、単層シート試験片を作成し評価を実施する。算術平均粗さは1μm以下、表面固有抵抗値は1011Ωオーダーを示し好ましい。また、照明機器へ設置しても異常は認められず外観的に好ましい。
【0037】
実施例5〜6では、アルキルスルホン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムの種類及び添加量を同一とし、ポリエチレングリコールの数平均分子量を変えた原料組成物を用いて積層シート試験片を作成し評価を実施する。算術平均粗さはいずれも0.6μm、表面固有抵抗値は1011Ωオーダーを示し、照明機器へ設置しても異常は認められず好ましい結果を得る。
【0038】
比較例1では、数平均分子量が500のポリエチレングリコールを用いて、単層シート試験片を作成し評価を実施する。算術平均粗さは1.7μmと大きく表面固有抵抗値も1014Ωオーダーと高く好ましくない。また、照明機器へ設置した場合、帯電防止剤の分散不良による斑点状模様が非常に多く確認され好ましくない。
比較例2では、無機化合物粒子に平均粒径15μmのタルクを使用し、単層シート試験片を作成し評価を実施する。算術平均粗さは6μmと非常に大きく好ましくない。表面固有抵抗値は1013Ωオーダーであるが充分な帯電防止性能を示すとは言えない。また、照明機器へ設置すると表面凹凸に起因した光散乱が大きくなり好ましくない。
【0039】
比較例3では、無機化合物粒子を含まない原料組成物を用いて、単層シート試験片を作成し評価を実施する。算術平均粗さは1μmを超え、表面固有抵抗値は1013Ωオーダーと十分ではない。照明機器へ設置しても光源が透けて見えたり、帯電防止剤の凝集による表面の斑点模様が認められ好ましくない。
比較例4では、アルキルスルホン酸ナトリウムを含まない原料組成物を用いて、単層シート試験片を作成し評価を実施する。表面固有抵抗値は1014Ωオーダーと高く、算術平均粗さも1μmを超え好ましくない。照明機器へ設置して場合は、帯電防止性能が低いため埃が付着して暗くなり好ましくない。
【0040】
比較例5では、ポリエチレングリコールを含まない原料組成物を用いて、単層シート試験片を作成し評価を実施する。算術平均粗さは3μm、表面固有抵抗値は1013Ωオーダーを示し好ましくない。また、照明機器へ設置した場合、表面凹凸による光散乱及び帯電防止剤の凝集によるライン状模様が確認され好ましくない。
【0041】
【表1】
Figure 0003617570
【0042】
【表2】
Figure 0003617570
【0043】
【発明の効果】
本発明によって得られるポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体は、ポリカーボネート樹脂の表面固有抵抗を低下させ、かつ表面外観を向上させた事により照明効果に優れており、照明用部材への適用に極めて有用である。

Claims (5)

  1. (a)ポリカーボネート樹脂100重量部、
    (b)下記化1で示される、数平均分子量が2,000〜20,000のポリエーテル0.01〜3重量部、
    Figure 0003617570
    (式中、R1 はHまたはCH3 、nは平均分子量により定まる定数である。)
    (c)下記化2で示される、アルキル基の炭素数平均値が11〜15の範囲内にあるアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩0.1〜5重量部、
    Figure 0003617570
    (式中、R2 はC8 〜C18 の直鎖ないし分岐状のアルキル基、Mはアルカリ金属である。)
    (d)重量平均粒径が0.5〜10μmの範囲にあるものから選ばれる少なくとも一種以上の無機化合物粒子1〜10重量部、
    からなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 該無機化合物粒子が、炭酸カルシウム、硫酸バリウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形したものであって、少なくとも一方の面の算術平均粗さ(Ra )が1μm以下であることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形体。
  4. 透明樹脂からなる基材部の少なくとも一方の面に、請求項1又は2記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる層を5〜200μmの厚さで積層させた構造を有することを特徴とする樹脂成形体。
  5. 透明樹脂が、ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項記載の樹脂成形体。
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