JPH09275982A - エステル分解酵素遺伝子およびそれを用いるエステル分解酵素の製造法 - Google Patents

エステル分解酵素遺伝子およびそれを用いるエステル分解酵素の製造法

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JPH09275982A
JPH09275982A JP8091571A JP9157196A JPH09275982A JP H09275982 A JPH09275982 A JP H09275982A JP 8091571 A JP8091571 A JP 8091571A JP 9157196 A JP9157196 A JP 9157196A JP H09275982 A JPH09275982 A JP H09275982A
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esterase
enzyme
gene
amino acid
mutation
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JP8091571A
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Fumiki Nomoto
史樹 野本
Akiko Kuramura
昭子 倉村
Kensaku Uzura
健作 卯津羅
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Nagase and Co Ltd
Original Assignee
Nagase and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Klebsiella oxytoca SNSM-87株の、高い光学
選択性能をもつエステル分解酵素を、安価で大量に供給
できる方法を提供すること 【解決手段】 新規エステル分解酵素遺伝子をクローニ
ングし、このエステル分解酵素を発現する発現ベクター
を構築し、これを微生物に導入することによって、組換
え微生物にエステル分解酵素を大量生産させ、高い光学
選択性能をもつエステル分解酵素を安価に生産する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、新規なエステル
分解酵素、特に光学異性体を有するエステルを選択的に
加水分解する新規酵素、このエステル分解酵素をコード
する遺伝子、このエステル分解酵素を発現する発現ベク
ター、およびこのエステル分解酵素の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生物学的に活性な多くの化合物に光学異
性体が存在することは広く知られている。また生物学的
活性は、通常一方の光学異性体のみに存在し、他方の光
学異性体は所望の生物学的活性を発現しないか、あるい
は毒性を発現するなどの好ましくない生理作用をもつこ
とが知られている。従って、特定の光学異性体が生物学
的に活性な場合、通常、その有用な特定の光学異性体を
分離し、単離して使用する。しかし、特定の光学異性体
のみを選択的に分割する適切な方法がない場合、その光
学異性体の混合物を分割することなく農業及び医薬品な
どの用途に用いられているのが現状である。この場合、
混合物の生物学的活性は半減したり、混合物が毒性を発
現し、望ましくない生理作用をもつことがある。
【0003】この問題を克服するために、光学異性体の
分割法が種々検討されている。それらの方法の一つとし
て、光学異性体の混合物の各種エステル誘導体を調製
し、該エステル誘導体に対して光学選択的にエステルを
加水分解する酵素を作用させ、反応系の溶媒に対する溶
解度の差を利用して分離する方法がある。このエステル
化した光学異性体を高い光学選択性で加水分解するエス
テル分解酵素を生産するKlebsiella oxytoca SNSM-87株
が選抜されている(特開平6-14772)。しかし、この菌
株のエステル分解酵素生産能力は低く、工業規模での利
用は、コスト、純度などの点で困難であった。従って、
光学選択性の高いエステル分解酵素を大量に供給し、特
定の光学異性体を効率よく生産する方法が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記の問題
を解決するためのものであり、その目的とするところ
は: (1)エステル分解酵素をコードする遺伝子をクローン
化した後、高発現可能な発現ベクターに挿入したもの
を、微生物などの適切な宿主に導入することにより、上
記エステル分解酵素を生産する組換え体を得ること; (2)得られた組換え体を適切な条件で培養して、上記
エステル分解酵素の生産効率を向上させること;およ
び、 (3)組換え体培養液から効率良く、高純度でエステル
分解酵素を精製して、同酵素を安価にかつ大量に供給す
ること;にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、配列表の配
列番号1で示されるアミノ酸配列中の1またはそれ以上
のアミノ酸の欠失、置換、あるいは付加による変異を含
むアミノ酸配列を有するエステル分解酵素であって、該
変異を含むエステル分解酵素が、該変異を含まないエス
テル分解酵素と同等またはそれ以上の比活性を有する、
エステル分解酵素に関する。
【0006】本願発明は、また配列表の配列番号2で示
されるアミノ酸配列中の1またはそれ以上のアミノ酸の
欠失、置換、あるいは付加による変異を含むアミノ酸配
列を有するエステル分解酵素であって、該変異を含むエ
ステル分解酵素が、該変異を含まないエステル分解酵素
と同等またはそれ以上の比活性を有する、エステル分解
酵素に関する。
【0007】本願発明は、配列表の配列番号1で示され
るアミノ酸をコードするエステル分解酵素遺伝子に関す
る。
【0008】本願発明は、また配列表の配列番号1で示
されるアミノ酸配列中の1またはそれ以上のアミノ酸の
欠失、置換、あるいは付加による変異を含むアミノ酸配
列をコードするエステル分解酵素であって、該変異を含
む遺伝子によって発現されるエステル分解酵素が、該変
異を含まない遺伝子によって発現されるエステル分解酵
素と同等またはそれ以上の比活性を有する、エステル分
解酵素遺伝子に関する。
【0009】さらに本願発明は、配列表の配列番号2で
示されるアミノ酸をコードするエステル分解酵素遺伝子
に関する。
【0010】本願発明は、配列表の配列番号2で示され
るアミノ酸配列中の1またはそれ以上のアミノ酸の欠
失、置換、あるいは付加による変異を含むアミノ酸配列
をコードするエステル分解酵素であって、該変異を含む
遺伝子によって発現されるエステル分解酵素が、該変異
を含まない遺伝子によって発現されるエステル分解酵素
と同等またはそれ以上の比活性を有する、エステル分解
酵素遺伝子に関する。
【0011】本願発明は、配列表の配列番号3の1127位
のAから2335位のAまでの塩基配列を有するエステル分
解酵素遺伝子に関する。
【0012】本願発明は、配列表の配列番号3の1193位
のGから2335位のAまでの塩基配列を有するエステル分
解酵素遺伝子に関する。
【0013】本願発明は、前記エステル分解酵素遺伝子
を含有する発現ベクターに関する。
【0014】好適な実施態様においては、前記発現ベク
ターは、ラクトース誘導性プロモーターを有する発現ベ
クターである。
【0015】好適な実施態様においては、前記発現ベク
ターは、シグナル配列を有し、エステル分解酵素を分泌
する発現ベクターである。
【0016】本願発明は、前記発現ベクターで形質転換
されれた微生物に関する。
【0017】好適な実施態様においては、前記形質転換
された微生物は原核生物である。
【0018】好適な実施態様においては、前記形質転換
された原核生物はEscherichia coliである。
【0019】好適な実施態様においては、前記形質転換
された微生物は真核生物である。
【0020】好適な実施態様においては、前記形質転換
された真核生物はSaccharomyces cerevisiaeおよび/ま
たはAspergillus nidulansである。
【0021】好適な実施態様においては、前記形質転換
された真核生物は昆虫細胞である。
【0022】好適な実施態様においては、前記形質転換
された昆虫細胞は蚕細胞である。
【0023】本願発明は、前記形質転換された微生物を
培養する工程、および該培養により生産されたエステル
分解酵素を回収する工程を含む、エステル分解酵素の製
造方法に関する。
【0024】好適な実施態様においては、前記製造方法
で用いる形質転換された微生物はEscherichia coliであ
る。
【0025】好適な実施態様においては、前記製造方法
で、Escherichia coliは、培地にプロモーターの誘導物
質を添加しないで培養される。
【0026】好適な実施態様においては、前記製造方法
で、Escherichia coliは、デンプン類を加水分解して得
られる糖類を含む培地で培養される。
【0027】好適な実施態様においては、前記製造方法
は、Escherichia coliが60℃以上の温度で熱処理される
工程を含む。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を詳しく説明す
る。
【0029】本願発明は、配列表の配列番号1または2
で示されるアミノ酸配列中の1またはそれ以上のアミノ
酸の欠失、置換、あるは付加による変異を含むエステル
分解酵素であって、この変異を含むエステル分解酵素が
変異を含まないエステル分解酵素と同等またはそれ以上
の活性を有するエステル分解酵素に関する。このような
変異は、天然に生じるか、あるいは変異原物質の作用ま
たは人為的に部位特異的突然変異導入を用いて生じさせ
得る。また変異の導入の結果、酵素タンパク質の性質に
変化がない場合、または高次構造の変化を生じて基質に
対する反応性または酵素タンパク質の安定性が上昇する
場合に、変異を含まないエステル分解酵素と同等または
それ以上の活性を有し得る。
【0030】また本願発明は、エステル分解酵素をコー
ドする遺伝子、このエステル分解酵素を発現する発現ベ
クター、発現ベクターで形質転換された微生物、形質転
換された微生物を培養した後エステル分解酵素を回収す
る方法に関する。
【0031】本明細書で用いられる用語「エステル分解
酵素」は、エステルを加水分解する酵素をいう。従っ
て、エステル分解酵素としてはリパーゼ、エステラー
ゼ、ホスファターゼ、スルファターゼなどが挙げられ
る。特に好ましくは、光学異性体選択性を有するエステ
ル分解酵素が挙げられる。
【0032】組換えによる生産能力の向上は、目的の遺
伝子のクローン化およびクローン化された遺伝子の発現
により達成される。
【0033】目的の遺伝子のクローン化は、本願発明の
目的の物質であるエステル分解酵素をコードする遺伝子
を含有するライブラリーの作製および目的の遺伝子につ
いてのライブラリーのスクリーニングにより達成され得
る。
【0034】本明細書で用いられる用語「ライブラリ
ー」は、目的の遺伝子を含有するゲノム(染色体)DN
A、およびその断片、cDNAなどの核酸を、プラスミドま
たはファージなどの適切なベクターに結合したものをい
う。ライブラリーの種類が用いられるスクリーニングの
方法に応じて変わり得ることは、当業者に周知である。
特に好ましくは、エステル分解酵素生産微生物であるKl
ebsiella oxytoca SNSM-87株から抽出した染色体DNA
を、制限酵素PstIで消化した後、プラスミドベクターpB
luescript SK+に結合することにより作製され得る。
【0035】本明細書で用いられる用語「スクリーニン
グ」は、ライブラリーから、既に得られている情報に基
づいて目的の遺伝子を単離することをいう。例えば、精
製されたタンパク質から推定された塩基配列に基づいて
合成されたオリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブ
リダイゼーション、目的のタンパク質に対する標識した
抗体を用いる方法などで実施される。特に好ましくは、
ノイゲンHC(第一工業製薬製)で乳化したトリブチリ
ンを含む寒天培地を用い、形質転換株の中から寒天培地
上でクリアーゾーンを形成する株を分離することによ
り、エステル分解酵素遺伝子を含む形質転換株を選択分
離し得る。あるいは、解析されたタンパク質のアミノ酸
配列をもとに合成されたプライマーを用い、エステル分
解酵素生産微生物の染色体DNAなどを鋳型に、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)により直接増幅し得る。
【0036】クローン化された遺伝子の発現は、クロー
ン化DNAを挿入した適切な微生物宿主に適合する発現ベ
クターの構築、発現ベクターの微生物宿主への導入、な
らびに組換え微生物の培養および生産物の回収により達
成される。
【0037】本願発明で用いられる用語「微生物」は、
原核生物および真核生物のいずれをも含む。例えば、原
核生物としてはEscherichia coli、Pseudomonas putid
a、またはBacillus subtilisなどが、真核生物としては
Saccharomyces cerevisiae、Aspergillus属(例えばAsp
ergillus nidulans)、Pichia pastoris、昆虫細胞、好
ましくは蚕細胞、または哺乳動物細胞などが挙げられる
が、本願エステル分解酵素遺伝子を発現するものであれ
ばこれに限定されない。特に好ましい微生物としてEsch
erichia coliが挙げられる。
【0038】本願発明で用いられる用語「発現ベクタ
ー」は、目的遺伝子が、その転写および翻訳に必要な要
素と作動可能に連結されており、さらに微生物宿主内で
の複製および組換え体の選択に必要な因子を備えた媒体
をいう。また、発現産物の分泌生産が意図される場合
は、分泌シグナルペプチドをコードする塩基配列が、目
的のタンパク質をコードするDNAの上流に正しいリーデ
ィングフレームで結合される。発現ベクターの種類が、
使用する微生物宿主に応じて変わり得ることは、当業者
に周知である。
【0039】好ましい発現ベクターとしては、Escheric
hia coli用のpET-21(+)(ノバジェン社製)、グラム陰
性細菌(Escherichia coli、Pseudomonas putidaなど)
用のpJAJ7(ATCC37648)、Bacillus subtilis用のpPL60
8(ATCC37108)、Saccharomyces cerevisiae用のpYES2
(インビトロジェン社製)、Aspergillus nidulans用の
pAB366(ATCC77134)、Pichia pastoris用のpHIL-D2
(インビトロジェン社製)、昆虫細胞用のpAc360(イン
ビトロジェン社製)、哺乳動物細胞用のpDR2(クロンテ
ック社製)などが挙げられる。
【0040】特に好ましい発現ベクターとしては、 Esc
herichia coliでの転写および翻訳に必要な、強力なラ
クトース誘導性tacプロモーター、リボゾーム結合部
位、およびrrnBターミネーター、ならびにマルチクロー
ニング部位、アンピシリン耐性選択マーカー、およびpB
R322複製起点を有するpKK223-3(ファルマシアバイオテ
ック社製)が挙げられる。
【0041】上記発現ベクター内の転写および翻訳に必
要な因子に作動可能に連結するために、目的のエステル
分解酵素遺伝子を加工しなければならない場合がある。
これらは例えばプロモーターとコード領域との間が長す
ぎて転写効率の低下が予想されたり、リボゾーム結合部
位と翻訳開始コドンとの間隔が適切でない場合などであ
る。加工の手段としては、制限酵素による消化、Bal3
1、ExoIIIなどのエキソヌクレアーゼによる消化、ある
いはM13などの一本鎖DNAまたはPCRを使用した部位特異
的突然変異の導入が挙げられる。
【0042】発現ベクターを導入してエステル分解酵素
生産能力を獲得した形質転換株による目的酵素の生産
は、使用する微生物および発現ベクター内の発現を調節
する因子の種類、ならびに発現される物質に応じて適切
な条件が選択される。例えば次の方法で実施し得る。通
常の静置培養、振とう培養、通気撹拌培養などにより連
続的あるいは、間歇的に行うことができる。
【0043】用いる培地は、使用される微生物の生育す
るものであれば特に限定はなく、窒素源としては、例え
ば、ポリペプトン、酵母エキス、肉エキス、大豆粉、コ
ーンスチープリカー、コーンミール等の有機窒素源の
他、硫安、塩安、硝安、リン安等の無機窒素源が必要に
応じて、適宜混合して、または単独で用いられる。
【0044】また、炭素源としては、例えば、デンプ
ン、デンプンの加水分解物、デキストリン、廃糖蜜、転
化糖等の他、資化し得る炭水化物、油脂、脂肪酸等が必
要に応じて、適宜混合して、または単独で用いられる。
デンプンの加水分解物としては、カラスムギデンプン、
甘藷デンプン、小麦デンプン、コメデンプン、サゴヤシ
デンプン、サトイモデンプン、タピオカデンプン、トウ
モロコシデンプン、または馬鈴薯デンプンの加水分解物
が用いられる。
【0045】培地には炭素源、窒素源の他、無機塩例え
ば、リン酸、Mg2+、Ca2+ 、Mn2+、Fe2+ 、Fe3+ 、Z
n2+、Co2+、Ni2+、Na+、K+ 等の塩が必要に応じて、適
宜混合して、または単独で用いられる。また、その他必
要に応じて微生物の生育、酵素の生産に必要な各種無機
物、有機物を添加することもできる。
【0046】培養の温度は用いる微生物の生育に適した
温度を選択すればよく、通常15℃〜60℃、好ましくは25
℃〜40℃で培養するのが適当である。また、培養の時間
は微生物の生育および目的のエステル分解酵素酵素の生
産に十分な時間続行されるが、通常24〜120時間を要す
る。
【0047】誘導性のプロモーターを有する発現ベクタ
ーを使用する場合は、誘導物質の添加、培養温度の変
更、培地成分の調整などにより発現を制御し得る。例え
ば、ラクトース誘導性プロモーターを有する発現ベクタ
ーを使用する場合は、イソプロピル-β-D-チオガラク
トピラノシド(IPTG)を添加することにより発現を誘導
し得る。
【0048】このようにして培養した後、培養物を遠心
分離または濾過することによって微生物細胞を分離して
上清を得る。この上清から通常の手段、例えば、塩析
法、溶媒沈澱(例えばエタノール、アセトン等)によっ
てタンパクを沈澱させる、あるいは、限外濾過(例えば
ダイヤフローメンブレンYC、アミコン社製)により濃
縮させることにより、本願発明のエステル分解酵素を含
む画分を得る。この画分に更に沈澱、濾過あるいは遠心
分離、脱塩処理などの処理を行い粗酵素を得る。更にこ
の粗酵素を、凍結乾燥、等電点沈澱、電気泳動、イオン
交換クロマトグラフィー、晶出等の通常の酵素の精製手
段を適宜組み合わせることによって、比活性の向上した
粗酵素および精製酵素とし得る。
【0049】好ましい実施態様において、培養終了後の
培養液を60℃〜100℃、好ましくは70℃〜90℃、より好
ましくは75℃〜85℃で加熱することにより、エステル分
解酵素を高い比活性で含有する培養液を調製し得る。加
熱処理により、比較的高い熱安定性を有する本願発明の
エステル分解酵素を、細胞画分から培養液中に放出させ
得、また比較的熱に不安定な他のタンパク質を変性させ
て分離し得る。
【0050】以上のように本願発明者らは、目的のエス
テル分解酵素を発現する遺伝子を挿入した発現ベクター
を構築し、これを微生物に導入することによって、微生
物にエステル分解酵素を大量生産させることに成功し、
高い光学選択性能をもつエステル分解酵素を安価に大量
に生産する方法を確立して、本願発明を完成するに至っ
た。
【0051】
【実施例】以下に実施例でエステル分解酵素遺伝子をク
ローン化する方法、このエステル分解酵素を発現する遺
伝子を挿入した発現ベクターを構築する方法、これを微
生物に導入し、組換え微生物にエステル分解酵素を大量
生産させる方法について説明するが、本願発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0052】(実施例1:エステル分解酵素遺伝子のク
ローニング) (1)染色体DNAの調製 エステル分解酵素生産株である、Klebsiella oxytoca S
NSM-87株(微工研寄託番号第12953号)を、100 mlのLB
培地で37℃にて16時間好気的に振とう培養(300rpm、レ
シプロ)を行い、遠心分離(15,000 rpm、5分間、4
℃)により集菌した。菌体を10 mlのA溶液(50 mM Tri
s-HCl, pH8.0、50 mM EDTA)で洗浄し、3mlの15%ショ
糖を含むA溶液に懸濁した。懸濁液を37℃にて30分保温
後、さらに1%N-ラウリルサルコシンを含むA溶液3m
lを添加した。この液に5.4 gの塩化セシウムと臭化エチ
ジウム溶液(10 mg/ml)300 μlを添加し、55,000 rp
m、16時間、20℃にて超遠心分離を行い、染色体DNAを分
画した。得られた染色体DNA画分からn-ブタノール抽出
により臭化エチジウムを除去した後、TE溶液(10 mM Tr
is-HCl,pH8.0、0.1 mM EDTA)に対して16時間、4℃に
て透析し、染色体DNA約1mgを得た。
【0053】(2)ショットガンクローニングによる本
願発明のエステル分解酵素遺伝子を含むDNA断片の検
索。
【0054】約1μgのベクターpBluescript II SK+プ
ラスミドDNA(ストラタジーン社製)及び(1)項で調
製したK. oxytoca SNSM-87株染色体DNA約10μgを、制限
酵素PstIで消化した後、混合し、DNAライゲーションキ
ット(宝酒造社製)を用いて両者を連結させることによ
り、 K. oxytoca SNSM-87株染色体DNA断片を挿入した組
換えプラスミドライブラリーを構築した。次に上記組換
えプラスミドDNAを、E.coli JM109株のコンピテントセ
ル懸濁液200μlに添加し、氷中に40分間放置した後、42
℃で45秒間保温した。このコンピテントセル/DNA混合
液を5mlのLB培地に接種して、37℃で2時間振とうし
た。振とう後、液をアンピシリン100μg/ml、5-ブロモ
-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド
(X-gal )40μg/ml 、イソプロピル-β-D-チオガラク
トピラノシド(IPTG)24μg/ml 、トリブチリン10 mg/m
l、ノイゲンHC5mg/mlを含むLB寒天培地に塗抹し、3
7℃にて12〜72時間保温した。生育したコロニー群
の中からアンピシリン耐性で白色かつ、クリアーゾーン
を形成する(すなわち、エステル分解酵素活性を有す
る)コロニー1株を選抜し、E. coli JM109(pBps-1)
株と命名した。
【0055】(3)クローン化DNA断片の確認 (2)項で得られたE. coli JM109(pBps-1)株から、
次の方法によってプラスミドDNAを抽出した。すなわ
ち、 E. coli JM109(pBps-1)株をLB培地に接種し、37
℃で16時間振とう培養(300 rpm、レシプロ)した後、
培養液1mlを12,000 rpmにおいて5分間遠心分離するこ
とにより集菌した。この菌体を緩衝液(50mMグルコー
ス、25 mM Tris-HCl,pH8.0、10 mM EDTA)100μlに懸濁
して氷中で5分間静置し、次いでSDS溶液(0.2N NaOH、
1%SDS)200μlを加えてよく混和し、3M酢酸カリウム
(pH4.8 )150μlを加え、氷中に5分間静置した後、1
2,000rpmにおいて5分間遠心分離することにより上澄を
採取した。この上澄からフェノール抽出、エタノール沈
澱でプラスミドDNAを回収した。回収したプラスミドDNA
を20μlのTE溶液に溶解し、プラスミドDNA 20μgを得
た。得られたプラスミドDNAをPstIで消化し、その消化
液をλ/Hind III digest-φX174/Hae III digest(東洋
紡績社製)をサイズマーカーとして、アガロースゲル電
気泳動(ゲル濃度1%)し、プラスミドDNA内の挿入断
片の大きさを確認したところ、約5.5 kbpであった。
【0056】(4)エステル分解酵素遺伝子塩基配列の
解析 エステル分解酵素遺伝子を含むと考えられる約5.5 kbp
のDNA断片を各制限酵素により切断し、各DNA断片をpBlu
escript II SK+にサブクローニングしてE. coliJM109株
を形質転換した後、(2)項の記載と同様にしてトリブ
チリン含有のLB寒天培地におけるクリアーゾーンの有無
を調べることにより、エステル分解酵素活性を発現する
ために必要な断片を限定した。その結果、プラスミドpB
pb-1に挿入されたPstI−BamHI断片がエステル分解酵素
活性の発現能力を有することが判明したので、挿入断片
の全塩基配列をA.L.F.DNAシーケンサー(ファルマシア
バイオテック社製)を使用して決定した。決定した2712
bp(配列番号3の4位〜2715位)中の最大のオープン
リーディングフレームは1209 bpの長さを有し、403アミ
ノ酸のタンパク質をコードすることが推定された。この
推定アミノ酸配列の中には、 K. oxytoca SNSM-87株か
ら精製したエステル分解酵素タンパク質のN末端アミノ
酸配列が見出されたので(下記の実施例3で詳細に記載
する)、このオープンリーディングフレームが目的のエ
ステル分解酵素をコードする構造遺伝子であると判断
し、以下の操作に使用した。
【0057】(実施例2:エステル分解酵素遺伝子の発
現) (1)構造遺伝子の発現ベクターへの挿入 実施例1で取得した2712 bpのPstI-BamHI DNA断片から
5'非翻訳領域を除去する目的で以下の操作を実施した。
まず挿入断片をBal-31で部分消化し、得られた種々の大
きさのDNA断片を、EcoRIリンカー(pEcoRI 4740P、宝酒
造社製)と連結した後、あらかじめEcoRIで消化した強
力なラクトース誘導性tacプロモーターを有するE. coli
用発現ベクターであるpKK223-3(ファルマシアバイオテ
ック社製)に連結して、E. coli JM105株を形質転換し
た。形質転換細胞について、実施例1と同様にしてトリ
ブチリン含有のLB寒天培地におけるクリアーゾーンの形
成を調べ、最大のクリアーゾーンを示す株であるKM-1株
を選抜した。KM-1株の保有するプラスミドDNAを抽出し
て塩基配列を決定したところ、目的のオープンリーディ
ングフレームが、pKK223-3内のリボゾーム結合部位の下
流に適切に連結されていることが判明した。
【0058】(2)エステル分解酵素の生産 (1)で得られたエステル分解酵素遺伝子を含むE. col
i KM-1株を、LB培地5mlを含む試験管(24 mm径×200 m
m長)で37℃、16時間、振とう培養(300 rpm、レシプ
ロ)し、下記の方法で活性測定を行ったところ、12 U/m
lのエステル分解活性を有する培養液が得られた。IPTG
による誘導では、生産能を効果的に向上させることは出
来なかった。
【0059】エステル分解酵素活性のアッセーは以下の
方法に従って実施した。0.5 mM酪酸p−ニトロフェニル
水溶液1.5 mlに酵素溶液0.5 mlを加え、37℃にて10分間
反応後、0.5%トリクロロ酢酸を0.1 ml加えて反応を停
止し、反応液に200 mMリン酸緩衝液(pH7)を2.8 mlを
加え、400 nmにおける吸光度を測定する。ブランクは、
酵素液の代わりに酵素を溶解あるいは希釈した緩衝液を
用いて同様に測定する。1単位(U)は1分間に1μmol
のp−ニトロフェノールを遊離する酵素量とした。
【0060】(実施例3:組換えエステル分解酵素の性
質の検討) (1)熱安定性の確認 pH8.0、80℃にて90分間熱処理後の残存活性を測定した
結果は親株同様100%であった。
【0061】(2)(R,S)-2-(4-ヨードフェニ
ル)プロピオン酸メチルの加水分解反応に対する基質特
異性 (R,S)-2-(4-ヨードフェニル)プロピオン酸メ
チル116.0 mg(0.4 mM)と上記のKM-1株の12 U/mlのエ
ステル分解活性を有する培養液160μlを0.6 Mリン酸カ
リウム緩衝液(pH8)160μlに加えた。反応液を45℃で2
4時間振とう撹拌した後、5N硫酸100μl、酢酸エチル
1mlを加えて撹拌し、エステルと生成した酸の混合物を
反応液から抽出した。この酢酸エチル相5μlをHPLCに
より分析したところ、親株と同様に(S)-2-(4-ヨ
ードフェニル)プロピオン酸が99%以上の光学純度で得
られた。HPLCは以下の分析条件で実施した。カラム:OP
TIPAC TA(ウォーターズ社製);移動相:ヘキサン/イ
ソプロピルアルコール=97.5/2.5; 流速:1ml/min;
検出:UV、235 nm。 (3)N末端アミノ酸配列の確認 親株K. oxytoca SNSM-87株の生産するエステル分解酵素
を公知技術(特開平6-14772に記された方法)で精製
し、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度8
%)により分離した後、このゲルからメンブレンフィル
ター(イモビロン、ミリポア社製)にブロッティング
後、473A-プロテインシークエンサー(パーキン−エル
マー社製)を用いてN末端アミノ酸配列を決定した。ま
た、組換え体KM-1株の生産するエステル分解酵素につい
ても同様にN末端アミノ酸配列を決定したところ、両者
において分析し得た17個のアミノ酸のすべてが同一であ
った。
【0062】以上の結果により、実施例1で得られたク
ローンのオープンリーディングフレームが目的のエステ
ル分解酵素をコードすることが確認され、またE. coli
KM-1株の生産する組換えエステル分解酵素が、親株であ
るK. oxytoca SNSM-87株の生産するエステル分解酵素性
質を有することが示された。さらに、塩基配列から推定
された403アミノ酸のアミノ酸配列を、既知のタンパク
質と比較したところ(GENESEQ21.5データベース使
用)、有意な相同性を示すものは無く、本願発明のエス
テル分解酵素が新規であることが明らかとなった。
【0063】(実施例4:培地の改良によるエステル分
解酵素の生産性の向上)実施例2で得たE. coli KM-1株
の生産能力を向上させるために、生産条件の検討を実施
した。甘藷デンプンの加水分解物1%、ペプトン0.8
%、酵母エキス0.3%、KH2PO4 0.52%、K2HPO4 1.08%
よりなる液体培地20リットルを含む30リットルジャーフ
ァーメンターに植菌し、37℃、3日間通気撹拌培養(20
0 rpm、0.5v/v/m)した後、80℃、20分間加熱し、エス
テル分解酵素活性60 U/mlの培養液を得た。この酵素生
産能は、親株K. oxytoca SNSM-87株のエステル分解酵素
生産能の約600倍であり、またE. coli KM-1株のLB培地
中での生産能の約5倍であった。
【0064】(実施例5:エステル分解酵素粉末の製
法)実施例4で得られたエステル分解酵素活性60 U/ml
の培養液を、10,000×gで連続遠心分離することによっ
てエステル分解酵素活性50 U/mlの上清液を得た。次に
マイクローザーPMV-313(旭化成工業社製)により完全
に除菌した後、限外濾過膜FS10-FS-FUYO3A1(ダイセル
化学工業社製)による膜濃縮を行い、8,000 U/ml、100
mlの濃縮酵素液を得た。これに賦型剤としてカゼインを
67 g添加し、凍結乾燥することにより、73 gの酵素粉末
(13,300 U/g)を得た。
【0065】
【発明の効果】本願発明は、自然界より得られたKlebsi
ella oxytoca SNSM-87株の生産する、広いpH領域で安定
であり、耐熱性にすぐれ、高い光学選択性をもつ新しい
エステル分解酵素を、コードする遺伝子をクローン化
し、この遺伝子を発現ベクターに挿入し、微生物を形質
転換した後、形質転換株を培養して本願発明の方法によ
り処理することにより、エステル分解酵素を安価で大量
に提供することができる。
【0066】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:403 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Leu Lys Thr Leu His Ala Phe Il
e Tyr Ile Leu Leu Ile Cys 1 5
10 15 Trp Leu Val Pro Ala Thr Ala Glu Th
r Asn Asn Asn Pro Gln Val 20
25 30 Gln Val Ser Asp Ser Val Ser Tyr Gl
n Leu Ile Tyr Arg Trp Ser 35
40 45 Ser Glu Arg Leu Asn Gln Ile Leu As
n Val Asp Thr Pro Lys Phe 50
55 60 Ala Gly Val Thr Val Lys Tyr Thr Pr
o Ala His Asn Ala Val Asn 65
70 75 Leu Tyr Arg Val Thr Tyr His Ser Va
l Ile Pro Glu Leu Gly Asn 80
85 90 Arg Pro Thr Val Ala Ser Gly Leu Le
u Ala Ile Pro Asp Thr Ala 95
100 105 Gly Lys Thr Phe Pro Leu Val Ser Ty
r Gln His Gly Thr Val Tyr 110
115 120 Gly Lys Tyr Gln Val Pro Ser Phe Pr
o Glu Gln Ser Pro Glu Thr 125
130 135 Gln Leu Met Ile Ala Gln Phe Ala Gl
y Gln Gly Tyr Val Val Ile 140
145 150 Gly Ala Asp Tyr Phe Gly Leu Gly Va
l Ser Thr Glu Pro Glu Gly 155
160 165 Tyr Met Val Lys Gly Ser His Gln Gl
n Ala Thr Tyr Asp Met Leu 170
175 180 Val Ala Ala Gln Ser Val Leu Lys Hi
s Met Gly Leu Ser Asn Asp 185
190 195 Arg Leu Phe Leu Ser Gly Trp Ser Gl
n Gly Gly Phe Val Thr Met 200
205 210 Ala Met Leu Glu Lys Leu Glu Ser Va
l Gly Ile Lys Pro Gln Gly 215
220 225 Thr Thr Thr Ala Ser Ala Pro Val As
p Val Phe Ala Leu Met Asn 230
235 240 Gly Phe Leu Phe Phe Pro Arg Lys Ph
e Asp Ala Ser Trp Leu Asn 245
250 255 Ser Ile Val Ile Leu Ser Ala Phe Al
a Tyr Glu Asn Tyr Tyr Gly 260
265 270 Ile Pro Gly Met Ala Arg Ala Leu Le
u Asn Asp Glu Tyr Tyr Glu 275
280 285 Val Ala Lys Lys Ala Tyr Glu Arg Gl
n Pro Phe Asn Pro Asp Asp 290
295 300 Ile Pro Thr Asp Leu His Lys Leu Il
e Arg Pro Glu Tyr Phe Asn 305
310 315 Pro Gln Tyr Phe Ala Asn Ser Ala Ty
r Gly Lys Leu Ile Ala Thr 320
325 330 Ala Gln Ala Tyr Arg Trp Val Ile Gl
n Ser Pro Val Arg Asn Tyr 335
340 345 Tyr Gly Glu Thr Asp Glu Ala Ile Th
r Val Gly Val Gly Arg Met 350
355 360 Ala Met Thr Tyr Ala Gln Ala Met Gl
y Ser Gly Asn Thr Lys Val 365
370 375 Glu Ala Ile Ser Thr Gly Asp Thr Th
r His Arg Gly Thr Phe Ala 380
385 390 Thr Ala Val Pro Gln Trp Lys Leu Tr
p Phe Asp Ser Lys 395
400 配列番号:2 配列の長さ:381 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:タンパク質 配列 Glu Thr Asn Asn Asn Pro Gln Val Gln
Val Ser Asp Ser Val Ser 1 5 10 15 Tyr Gln Leu Ile Tyr Arg Trp Ser Ser Glu Arg Leu Asn Gln Ile 20 25
30 Leu Asn Val Asp Thr Pro Lys Phe Al
a Gly Val Thr Val Lys Tyr 35
40 45 Thr Pro Ala His Asn Ala Val Asn Le
u Tyr Arg Val Thr Tyr His 50
55 60 Ser Val Ile Pro Glu Leu Gly Asn Ar
g Pro Thr Val Ala Ser Gly 65
70 75 Leu Leu Ala Ile Pro Asp Thr Ala Gl
y Lys Thr Phe Pro Leu Val 80
85 90 Ser Tyr Gln His Gly Thr Val Tyr Gl
y Lys Tyr Gln Val Pro Ser 95
100 105 Phe Pro Glu Gln Ser Pro Glu Thr Gl
n Leu Met Ile Ala Gln Phe 110
115 120 Ala Gly Gln Gly Tyr Val Val Ile Gl
y Ala Asp Tyr Phe Gly Leu 125
130 135 Gly Val Ser Thr Glu Pro Glu Gly Ty
r Met Val Lys Gly Ser His 140
145 150 Gln Gln Ala Thr Tyr Asp Met Leu Va
l Ala Ala Gln Ser Val Leu 155
160 165 Lys His Met Gly Leu Ser Asn Asp Ar
g Leu Phe Leu Ser Gly Trp 170
175 180 Ser Gln Gly Gly Phe Val Thr Met Al
a Met Leu Glu Lys Leu Glu 185
190 195 Ser Val Gly Ile Lys Pro Gln Gly Th
r Thr Thr Ala Ser Ala Pro 200
205 210 Val Asp Val Phe Ala Leu Met Asn Gl
y Phe Leu Phe Phe Pro Arg 215
220 225 Lys Phe Asp Ala Ser Trp Leu Asn Se
r Ile Val Ile Leu Ser Ala 230
235 240 Phe Ala Tyr Glu Asn Tyr Tyr Gly Il
e Pro Gly Met Ala Arg Ala 245
250 255 Leu Leu Asn Asp Glu Tyr Tyr Glu Va
l Ala Lys Lys Ala Tyr Glu 260
265 270 Arg Gln Pro Phe Asn Pro Asp Asp Il
e Pro Thr Asp Leu His Lys 275
280 285 Leu Ile Arg Pro Glu Tyr Phe Asn Pr
o Gln Tyr Phe Ala Asn Ser 290
295 300 Ala Tyr Gly Lys Leu Ile Ala Thr Al
a Gln Ala Tyr Arg Trp Val 305
310 315 Ile Gln Ser Pro Val Arg Asn Tyr Ty
r Gly Glu Thr Asp Glu Ala 320
325 330 Ile Thr Val Gly Val Gly Arg Met Al
a Met Thr Tyr Ala Gln Ala 335
340 345 Met Gly Ser Gly Asn Thr Lys Val Gl
u Ala Ile Ser Thr Gly Asp 350
355 360 Thr Thr His Arg Gly Thr Phe Ala Th
r Ala Val Pro Gln Trp Lys 365
370 375 Leu Trp Phe Asp Ser Lys 380 配列番号:3 配列の長さ:2718 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:genomic DNA 配列 CTGCAGCAAC AAATCGGCGA ATTTGCTCTA TAT
GTTGCGG GCCGTAAGCG CACTGCCCGA 60 CTTCGATCTT CGGTTTGTTG CGCCCATGGA AAT
CGCTGCC GCAGGTAACG AATGCCGCGC 120 GTGCAGTGGC AAAATCATAC AACTGACGAG CCA
GTTCCGG CCCATGGTAA CTGGAGAATA 180 CTTCAACCCC CATCACCCCT GCTTTCAGCA TAC
GCTCAAT CACCTGAGTG TGATCCTGCT 240 TAACGTTGGC ACCGATATGC GCCACGATCG GGA
TGCCACC ATTCTGGCGG ATCACCTCAA 300 CCATGTCGCT CATGGCCGGG TAGGTTACCG GCA
TGTAGCA CACTTTGCCT GGCCCAAAAA 360 AATCCCAGTA AAAGTTGATC AAAGGCATAT CCG
CTCTGGC GCCACCGGCA CGATAAGGAA 420 CCAACAGCGG ATGCTCGTCA TTGCGCTCAT CTT
CCAGTAT CACCTCCCCC ATCTGCTCTT 480 CCTGTGGAAG AGCGCCACCA CACAGCTGCT GCA
ACCGCTG TTCATCCAGA TAGAAATTCA 540 GTTCACGCAG CTTTTCGAAC TTTCTTGGCG TCA
ACTCCCG CTGGATCGCA CTAAAATTCT 600 GGTGGATCGC CACAAAGTCT TCACTGGGGG TAA
AACCATA TCCCAGCAGA TGATAGTTGC 660 GCCCCTCAAA GGTGCAGTCA ATCTCAATAC CGG
ACAACAC ATTCAGGCTG GATGAGGCTA 720 AGGCTTTGGC TGCTGCTACC GAATAAGCGC TGT
TATGGTC GGTTACGGCC AGTGTGCTGA 780 TCCCCTGCTC CTGGCAACGC GCGATCAGCA CGT
CAACCGG GAAGTCCGCA TCATCGCTAT 840 AGTTGGAATG CATGTGCAGA TCAATCTTTT CCA
TCTTATC TCCTCGGTTC CTGCTATCTG 900 ATTCGCACCA TTGATTATGC TGGTTTTATC ACA
GGCCCAT TTGGTCTTTT TGACCAAAGC 960 ACACTATGTT TAACCTGCAA TTGAAGCACT GCG
CTGGCCT GATGAATTTA ATATCCATTG 1020 TATTACGAGA CTAACAAGCC CGTCGGTGAA GTA
CATCTCA GCGATAGCAC ATCATCCGCA 1080 AGGCCCATCT GCGGTTCTAC ACGATGATTA TAT
TGAGGGA ACATCAATGC TAAAAACTCT 1140 TCACGCTTTC ATTTATATTT TGCTGATTTG CTG
GCTGGTT CCTGCCACGG CGGAGACCAA 1200 TAACAACCCT CAAGTTCAGG TAAGCGACAG CGT
TTCTTAT CAGTTGATCT ACCGCTGGAG 1260 CAGTGAGCGG TTAAACCAGA TTCTCAATGT CGA
TACCCCT AAATTTGCCG GAGTGACGGT 1320 TAAATATACC CCGGCCCACA ACGCCGTTAA CCT
GTATCGC GTAACTTATC ATTCGGTGAT 1380 CCCGGAGCTC GGCAACCGGC CAACGGTCGC TTC
AGGCCTG CTGGCGATCC CAGATACCGC 1440 AGGTAAAACA TTCCCACTCG TGTCTTACCA GCA
CGGCACG GTCTATGGAA AATATCAGGT 1500 TCCCTCATTC CCGGAACAGT CACCGGAAAC CCA
GTTGATG ATCGCGCAGT TTGCCGGGCA 1560 AGGCTATGTG GTTATTGGTG CTGACTATTT TGG
CTTAGGT GTTTCTACAG AGCCTGAAGG 1620 CTACATGGTG AAAGGCAGCC ACCAGCAGGC CAC
TTATGAC ATGCTGGTCG CCGCCCAAAG 1680 CGTGCTCAAG CACATGGGGC TGAGCAACGA TCG
TCTGTTC CTTTCCGGCT GGTCACAGGG 1740 CGGTTTTGTG ACCATGGCTA TGCTTGAGAA GCT
GGAGAGT GTCGGCATCA AACCTCAGGG 1800 CACCACCACC GCCAGCGCCC CCGTTGACGT GTT
TGCTTTG ATGAACGGTT TTCTATTTTT 1860 CCCGCGCAAA TTTGACGCAA GTTGGTTGAA CAG
CATCGTG ATCCTATCGG CTTTCGCTTA 1920 CGAGAATTAC TACGGGATTC CAGGGATGGC CCG
CGCATTG CTCAATGACG AATATTACGA 1980 GGTCGCCAAG AAAGCCTATG AGCGCCAACC GTT
CAATCCA GACGATATTC CTACCGATCT 2040 GCACAAACTG ATACGGCCGG AATATTTCAA CCC
GCAATAC TTTGCCAACT CGGCCTACGG 2100 CAAGCTGATC GCTACAGCCC AAGCCTATCG CTG
GGTGATC CAATCACCGG TTCGTAACTA 2160 TTACGGCGAA ACAGACGAAG CCATCACGGT TGG
CGTTGGC CGTATGGCGA TGACCTACGC 2220 ACAAGCGATG GGCTCAGGTA ATACCAAGGT TGA
GGCGATC TCCACGGGGG ATACCACGCA 2280 CCGGGGCACC TTTGCGACCG CCGTGCCGCA GTG
GAAATTG TGGTTCGATA GCAAATAATG 2340 CGCATTAAGC CGTTTGGCTT TCCTGCTAAA CAC
AAGGCCC CGGTAAAGGG GCCTTGTAGC 2400 GATATGGAAA GACGTTGAGC TGATTACTCA GAC
ATCGCCT GATAGGCGGT AGTGACCTTC 2460 CAAAGATAGC GCGGTGCCTG GGGTGCCGGG TGC
TTCTTCT GGATATGTTT GTAAAACTCA 2520 TCCGGGCTCA TCTGGTTAAT ACGGTTTACC GCT
ACGCGCT TATCGGATGA GAATGTGCGC 2580 AGCATCGCCC CGGCGCCATT GACATAGGAA ACA
ATGGTGG CATAGCGAAG CGTTTGTGGA 2640 TCGGTAATCC CGGCTAGCTG CTGGCTTTGA AGA
ATATTGA TATAGGCCGT TCCCAGATCA 2700 ATATTAACCG CCGGATCC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 C12N 9/18 9/18 C12N 5/00 B //(C12N 1/15 C12R 1:66) (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 9/18 C12R 1:19) (C12N 9/18 C12R 1:865) (C12N 9/18 C12R 1:66) (C12N 9/18 C12R 1:91)

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配
    列中の1またはそれ以上のアミノ酸の欠失、置換、ある
    いは付加による変異を含むアミノ酸配列を有するエステ
    ル分解酵素であって、該変異を含むエステル分解酵素
    が、該変異を含まないエステル分解酵素と同等またはそ
    れ以上の比活性を有する、エステル分解酵素。
  2. 【請求項2】配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配
    列中の1またはそれ以上のアミノ酸の欠失、置換、ある
    いは付加による変異を含むアミノ酸配列を有するエステ
    ル分解酵素であって、該変異を含むエステル分解酵素
    が、該変異を含まないエステル分解酵素と同等またはそ
    れ以上の比活性を有する、エステル分解酵素。
  3. 【請求項3】配列表の配列番号1で示されるアミノ酸を
    コードするエステル分解酵素遺伝子。
  4. 【請求項4】配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配
    列中の1またはそれ以上のアミノ酸の欠失、置換、ある
    いは付加による変異を含むアミノ酸配列をコードするエ
    ステル分解酵素であって、該変異を含む遺伝子によって
    発現されるエステル分解酵素が、該変異を含まない遺伝
    子によって発現されるエステル分解酵素と同等またはそ
    れ以上の比活性を有する、エステル分解酵素遺伝子。
  5. 【請求項5】配列表の配列番号2で示されるアミノ酸を
    コードするエステル分解酵素遺伝子。
  6. 【請求項6】配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配
    列中の1またはそれ以上のアミノ酸の欠失、置換、ある
    いは付加による変異を含むアミノ酸配列をコードするエ
    ステル分解酵素であって、該変異を含む遺伝子によって
    発現されるエステル分解酵素が、該変異を含まない遺伝
    子によって発現されるエステル分解酵素と同等またはそ
    れ以上の比活性を有する、エステル分解酵素遺伝子。
  7. 【請求項7】配列表の配列番号3の1127位のAから2335
    位のAまでの塩基配列を有するエステル分解酵素遺伝
    子。
  8. 【請求項8】配列表の配列番号3の1193位のGから2335
    位のAまでの塩基配列を有するエステル分解酵素遺伝
    子。
  9. 【請求項9】請求項3ないし8いずれかの項に記載のエ
    ステル分解酵素遺伝子を含有する発現ベクター。
  10. 【請求項10】前記発現ベクターが、ラクトース誘導性
    プロモーターを有する請求項9に記載の発現ベクター。
  11. 【請求項11】前記発現ベクターが、シグナル配列を有
    し、エステル分解酵素を分泌する請求項10に記載の発
    現ベクター。
  12. 【請求項12】請求項9ないし11いずれかの項に記載
    の発現ベクターで形質転換された微生物。
  13. 【請求項13】前記微生物が原核生物である、請求項1
    2に記載の形質転換された微生物。
  14. 【請求項14】前記原核生物がEscherichia coliであ
    る、請求項13に記載の形質転換された微生物。
  15. 【請求項15】前記微生物が真核生物である、請求項1
    2に記載の形質転換された微生物。
  16. 【請求項16】前記真核生物がSaccharomyces cerevisi
    aeである、請求項15に記載の形質転換された微生物。
  17. 【請求項17】前記真核生物がAspergillus nidulansで
    ある、請求項15に記載の形質転換された微生物。
  18. 【請求項18】前記真核生物が昆虫細胞である、請求項
    15に記載の形質転換された微生物。
  19. 【請求項19】前記昆虫細胞が蚕細胞である、請求項1
    8に記載の形質転換された微生物。
  20. 【請求項20】請求項12ないし19いずれかの項に記
    載の形質転換された微生物を培養する工程、および該培
    養により生産されたエステル分解酵素を回収する工程を
    含む、エステル分解酵素の製造方法。
  21. 【請求項21】前記形質転換された微生物がEscherichi
    a coliである、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】前記Escherichia coliが、培地にプロモ
    ーターの誘導物質を添加しないで培養される、請求項2
    1に記載の方法。
  23. 【請求項23】前記Escherichia coliが、デンプン類を
    加水分解して得られる糖類を含む培地で培養される、請
    求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】前記Escherichia coliが60℃以上の温度
    で熱処理される工程を含む、請求項21ないし23いず
    れかの項に記載の方法。
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