JPH09275911A - 粉末状大豆蛋白の製造法 - Google Patents

粉末状大豆蛋白の製造法

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JPH09275911A
JPH09275911A JP8912796A JP8912796A JPH09275911A JP H09275911 A JPH09275911 A JP H09275911A JP 8912796 A JP8912796 A JP 8912796A JP 8912796 A JP8912796 A JP 8912796A JP H09275911 A JPH09275911 A JP H09275911A
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JP
Japan
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soybean protein
aqueous solution
starch
partial hydrolyzate
water
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JP8912796A
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English (en)
Inventor
Hiroko Abe
宏子 阿部
Yoshinari Kawabata
良成 川端
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温水への良好な溶解性と水への優れた分散
性及び優れた粉体流動性を兼ね備えた粉末状大豆蛋白の
製造法の提供である。 【解決手段】 大豆蛋白成分を含有する水溶液を乾燥し
て、粉末状大豆蛋白を製造するに際し、特定の澱粉部分
加水分解物を乾燥前の当該水溶液に所定量添加すること
により上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品の製造に当たっ
て、広く利用されている粉末状大豆蛋白の製造法に関す
る。また、本発明により製造される粉末状大豆蛋白は低
温溶解性に優れる為、蒲鉾やソーセージに代表される各
種練り製品又はハム用ピックル液において広く利用させ
える。また、本発明の粉末状大豆蛋白は、上述したよう
に低温溶解性に優れる為に蛋白質強化飲料にも使用でき
る極めて汎用性の高い素材である。
【0002】
【従来の技術】粉末状大豆蛋白は、通常大豆蛋白含有水
溶液を噴霧乾燥することにより製造させている。しか
し、この乾燥の際に大豆蛋白が熱による変性を受けるが
為に低温水への溶解性が著しく低下するという問題が生
じる。この粉末状大豆蛋白の低温水への不溶化現象を防
ぐため、以前から乾燥条件にさまざまな工夫が行われて
きた。しかしながら、低温水への溶解性を向上させる
と、逆に得られた粉末製品を水又は水性媒体等に溶解す
るとき粉末の外表面のみ水に湿潤し、粒子の内部にまで
水が浸透せず、水分散性、粉体流動性が非常に悪い状
態、いわゆる「ママコ」を形成し、使用上種々の問題が
生じていた。
【0003】上述したこれらの問題を解決するために種
々の研究がなされてきた。不溶化防止の例として糖類、
ガム類等の使用が報告されているが、これらは乾燥時の
焦げ、最終製品の味や物性への影響が大きく、官能的に
決して好ましいものでは無い。 また、水分散性改善の
例として、特開昭57−52827で示されるように界
面活性剤の添加も検討されている。
【0004】しかしながら、1)溶解性が向上し、2)
水分散性、粉体流動性が向上し、更には3)味、風味等
の官能的にも優れた粉末状大豆蛋白の製造法は現時点で
は確立されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこうし
た現状に鑑み、食品の製造工程において大豆蛋白の機能
を十分に発揮させるため、低温溶解性に優れかつ「ママ
コ」の形成されない水分散性、粉体流動性の良好な粉末
状大豆蛋白の製造法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決する為に鋭意検討を重ねた結果、大豆蛋白含有水溶
液に特定の澱粉部分分解物を所定量添加することによ
り、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成し
た。即ち、本発明は、大豆蛋白成分を含有する水溶液を
乾燥して、粉末状大豆蛋白を製造するに際し、DE値が
5〜30である澱粉の部分加水分解物を乾燥前の当該水
溶液の固形分100重量部に対し、2〜40重量部添加
することを特徴とする、粉末状大豆蛋白の製造法であ
る。尚、本発明に於いて、DE値とは、Dextrose Equiv
alentの略で、澱粉の部分加水分解物(デキストリン)
に含まれる還元糖量をグルコースに換算した時の固形分
に対する還元糖の比率(%)を示す値である。さて、以下
に本発明について詳述する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に於いて、大豆蛋白成分を
含有する水溶液には、大豆若しくは脱脂大豆を原料と
し、水中で磨砕して得た懸濁液又は粉砕物を水に懸濁し
た懸濁液、及びこれらから繊維質等の固形分を分離した
り、さらに酸沈澱により蛋白質を分離した後に中和して
得られる分離蛋白溶液等が含まれる。従って、脱脂大豆
を原料とした分離大豆蛋白のみならず、大豆含有物であ
る繊維分−蛋白質混合製品、糖分−蛋白質混合製品、或
いは糖分−繊維分−蛋白質混合製品等いかなる組成を有
する製品にも適用することができることは言うまでもな
い。
【0008】本発明のポイントは、前記大豆蛋白成分を
含有する水溶液を通常の乾燥方法、例えば噴霧乾燥によ
り粉末状とするに当たり、乾燥前の水溶液にDE値5〜
30の澱粉の部分加水分解物を添加する点にある。さ
て、係る澱粉部分加水分解物の添加の方法としては、粉
のまま添加しても水等に溶解、分散させてから添加して
も良い。尚、大豆蛋白を含有する水溶液は、加熱処理や
他の化学的処理若しくは生化学的な処理を施されていて
も問題ない。また、溶液のpHも特に問題にならない。
【0009】さて、ここで使用する澱粉の部分加水分解
物(デキストリンと称する事もある)としては、通常D
E値が5以上であれば良いが、通常5〜30のものが好
ましい。DE値が5より低すぎると溶解性が上がらず、
また30より高すぎると乾燥時に焦げによる着色が見ら
れるからである。澱粉の部分加水分解物の添加割合は、
前記した大豆蛋白成分を含有する水溶液中の固形分10
0部(重量部:特記しない限り重量部で表記)に対し、
通常2〜40部、好ましくは5〜20部である。添加割
合が2部より少ないと溶解性の向上、水への分散等、所
期の効果が発現せず、また40部より多すぎると得られ
た大豆蛋白を食品工業に利用するにあたって、用途によ
っては機能の発現に影響を及ぼす(たとえば食感の低下
など)ことがあるからである。
【0010】また、噴霧乾燥の条件は特に制限はなく、
従来から用いられている条件で行えばよい。本発明の製
造法により得られた粉末状大豆蛋白は、ピックル液を始
め、水産練製品等に広く利用できるものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明する。勿
論、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、
下記の実施例に於ける低温溶解性とは5℃における水溶
性窒素指数(NSI5と略する)のことであり、以下の
方法に従って測定した。即ち、大豆蛋白粉末素材2.5g
を精ひょうし、三角フラスコにとって純水100mlを加
え、振とう機にて5℃で90分間振とうする。該振とう液
を700gで10分遠心分離した後、東洋濾紙「No.5A」
にてろ過し、得られた濾液の窒素(N)をケルダール法
にて測定した。 水溶性窒素指数(NSI)=SN×100/TN ただし、TN:抽出試料の全窒素分(%) SN:抽出試料の水溶性窒素分(%)
【0012】<実施例1>未変性脱脂大豆1kgを常法
により処理し、分離大豆蛋白水溶液3.6kg(固形分
360g)を得た。これを120℃で2分処理して50
℃に冷却した後4等分し、それぞれにDE値が7〜20
の澱粉部分加水分解物(デキストリン)を大豆蛋白水溶
液の固形分に対して5%添加攪拌し、噴霧乾燥して粉末
状大豆蛋白を得た。また比較として澱粉部分加水分解物
(デキストリン)を添加しないサンプルを作成し、それ
ぞれの低温溶解性を測定、粉体の流動性、及び水への分
散性をそれぞれ比較した。作成サンプル及び結果につい
ては表1に記載する。
【0013】
【表1】
【0014】表1に示したように、澱粉部分加水分解物
(デキストリン)を添加することによって得られた粉末
状分離大豆蛋白は、低温溶解性に優れ、又流動性、分散
性にも優れていた。更に、この本発明による粉末状分離
大豆蛋白を用いた利用評価品は味、風味等の官能面にも
優れていた。
【0015】<実施例2>未変性脱脂大豆1kgを常法
により処理し抽出蛋白水溶液3.3kg(固形分650
g)を得た。これを実施例1と同様に加熱冷却後4等分
し、DE値12.4の澱粉部分加水分解物(デキストリ
ン)を蛋白水溶液の固形分に対して5〜15%添加し、
噴霧乾燥して粉末状大豆蛋白を得た。また比較として澱
粉部分加水分解物(デキストリン)を添加しないサンプ
ルを作成し、それぞれの低温溶解性を測定、粉体の流動
性、及び水への分散性を比較した。
【0016】
【表2】
【0017】表2に示したように、澱粉部分加水分解物
(デキストリン)を添加することによって、低温溶解性
に優れ、さらに流動性、分散性にも優れた濃縮大豆蛋白
が得られた。
【0018】
【発明の効果】このように、所定量の澱粉部分加水分解
物(デキストリン)が添加された大豆蛋白成分を含有す
る水溶液を乾燥することにより得られた粉末状大豆蛋白
は、従来品に比べて、低温水への溶解性が高く、水への
良好な分散性及び優れた粉体流動性を有し、更に優れた
官能特性を併せ持つ優れた素材である。従って、本発明
の製造法で得られた粉末状大豆蛋白は蒲鉾等の各種練り
製品やピックル液、ハム、ソーセージ等に利用し得る極
めて有用な素材である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆蛋白成分を含有する水溶液を乾燥し
    て、粉末状大豆蛋白を製造するに際し、DE値が5〜3
    0である澱粉の部分加水分解物を乾燥前の当該水溶液の
    固形分100重量部に対し、2〜40重量部添加するこ
    とを特徴とする粉末状大豆蛋白の製造法。
JP8912796A 1996-04-11 1996-04-11 粉末状大豆蛋白の製造法 Pending JPH09275911A (ja)

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