JPH0927410A - 磁性粉及びこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents
磁性粉及びこれを用いた磁気記録媒体Info
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- JPH0927410A JPH0927410A JP7173447A JP17344795A JPH0927410A JP H0927410 A JPH0927410 A JP H0927410A JP 7173447 A JP7173447 A JP 7173447A JP 17344795 A JP17344795 A JP 17344795A JP H0927410 A JPH0927410 A JP H0927410A
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- powder
- magnetic powder
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高記録密度の磁気記録媒体の製作に好適な改
良された六方晶系強磁性粉を提供する。 【構成】 表面積30m2 /gを超える六方晶系強磁性
体粉末の表面にイオン半径が1.2Å以下の金属元素の
酸化物や水酸化物の如き無機化合物を被着させ、且つそ
の被着工程において100〜250℃の熱処理を施す。
良された六方晶系強磁性粉を提供する。 【構成】 表面積30m2 /gを超える六方晶系強磁性
体粉末の表面にイオン半径が1.2Å以下の金属元素の
酸化物や水酸化物の如き無機化合物を被着させ、且つそ
の被着工程において100〜250℃の熱処理を施す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性粉に関するものであ
り、特に高密度記録が可能な磁気記録媒体の製造に好適
な、改良された六方晶系強磁性粉に関するものである。
り、特に高密度記録が可能な磁気記録媒体の製造に好適
な、改良された六方晶系強磁性粉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体用の磁性粉として
は、針状磁性粉が主に使用されている。しかし、針状磁
性粉を用いる面内長手方向磁化による記録方式では、高
記録密度化の要望に対応するには限界がある。高記録密
度の磁気記録媒体としては、バリウムフェライト(Ba
Fe12O19)等の六方晶系強磁性粉を用いる垂直磁気記
録方式が推奨されている。六方晶系強磁性粉は平板状で
あり、磁化容易軸が板面に垂直であるため、磁場配向処
理や機械的配向処理により、垂直配向を容易に行ない得
る利点がある。
は、針状磁性粉が主に使用されている。しかし、針状磁
性粉を用いる面内長手方向磁化による記録方式では、高
記録密度化の要望に対応するには限界がある。高記録密
度の磁気記録媒体としては、バリウムフェライト(Ba
Fe12O19)等の六方晶系強磁性粉を用いる垂直磁気記
録方式が推奨されている。六方晶系強磁性粉は平板状で
あり、磁化容易軸が板面に垂直であるため、磁場配向処
理や機械的配向処理により、垂直配向を容易に行ない得
る利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、六方晶系強磁
性粉は、粒子形状が平板状であるため、粒子が積み重な
って凝集体を形成し易い。また粒子が微細であるために
磁性塗料中で分散させるのが困難である。磁性塗料中に
おける磁性粉の分散性を改良する方法として、従来から
γ酸化鉄などの磁性粉では、その表面に非磁性物質を被
着させることが提案されている。しかし六方晶系強磁性
粉は本質的に飽和磁化量が低いので、単にその表面に非
磁性物質を被着させたのでは、飽和磁化量を更に低下さ
せてしまうおそれがある。従って本発明は、分散性がよ
く、且つ飽和磁化量も大きくて、高記録密度の磁気記録
媒体の製造に好適な、改良された六方晶系強磁性粉を提
供せんとするものである。
性粉は、粒子形状が平板状であるため、粒子が積み重な
って凝集体を形成し易い。また粒子が微細であるために
磁性塗料中で分散させるのが困難である。磁性塗料中に
おける磁性粉の分散性を改良する方法として、従来から
γ酸化鉄などの磁性粉では、その表面に非磁性物質を被
着させることが提案されている。しかし六方晶系強磁性
粉は本質的に飽和磁化量が低いので、単にその表面に非
磁性物質を被着させたのでは、飽和磁化量を更に低下さ
せてしまうおそれがある。従って本発明は、分散性がよ
く、且つ飽和磁化量も大きくて、高記録密度の磁気記録
媒体の製造に好適な、改良された六方晶系強磁性粉を提
供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らの検討によれ
ば、比表面積が30m2 /gを超える六方晶系強磁性体
粉末の表面に、イオン半径が1.2Å以下の金属元素の
無機化合物を被着させ、次いで100〜250℃で熱処
理したものは、磁性塗料中での分散性に優れ、飽和磁化
量の低下も少なく、従ってこの磁性塗料を可撓性非磁性
支持体上に塗布して得られる磁気記録媒体は良好な磁気
特性を示すことが判明した。
ば、比表面積が30m2 /gを超える六方晶系強磁性体
粉末の表面に、イオン半径が1.2Å以下の金属元素の
無機化合物を被着させ、次いで100〜250℃で熱処
理したものは、磁性塗料中での分散性に優れ、飽和磁化
量の低下も少なく、従ってこの磁性塗料を可撓性非磁性
支持体上に塗布して得られる磁気記録媒体は良好な磁気
特性を示すことが判明した。
【0005】本発明について更に詳細に説明するに、本
発明で用いる六方晶系強磁性体粉末としては、通常はバ
リウムフェライトやストロンチウムフェライトが用いら
れる。また、これらに各種の元素が内部添加されたもの
も用いることができる。これらの六方晶系強磁性体粉末
の製造法は公知であり、例えば特開昭56−4977
6,56−67904に記載されているガラス結晶化法
や共沈法、共沈−塩触媒法などで製造することができ
る。六方晶系強磁性体粉末の粒径は小さい方が好まし
く、通常は0.05μm以下のものを用いるのが好まし
い。なお粒径は、磁性粉を透過型電子顕微鏡で観察し
て、個々の粒子の最大径を測定し、その算術平均をもっ
て粒径とする。なお粒径の測定に際しては0.01μm
以下の粒子は除外する。
発明で用いる六方晶系強磁性体粉末としては、通常はバ
リウムフェライトやストロンチウムフェライトが用いら
れる。また、これらに各種の元素が内部添加されたもの
も用いることができる。これらの六方晶系強磁性体粉末
の製造法は公知であり、例えば特開昭56−4977
6,56−67904に記載されているガラス結晶化法
や共沈法、共沈−塩触媒法などで製造することができ
る。六方晶系強磁性体粉末の粒径は小さい方が好まし
く、通常は0.05μm以下のものを用いるのが好まし
い。なお粒径は、磁性粉を透過型電子顕微鏡で観察し
て、個々の粒子の最大径を測定し、その算術平均をもっ
て粒径とする。なお粒径の測定に際しては0.01μm
以下の粒子は除外する。
【0006】本発明で用いる六方晶系強磁性体粉末は、
比表面積が30m2 /gを超えるものであることが必要
であり、通常は35〜65m2 /gのものが用いられ
る。30m2 /g以下の比表面積のものでは、本発明方
法により表面改質を施しても高記録密度の磁気記録媒体
に適した磁性粉を得ることは困難である。一般に比表面
積が大きいほど磁気特性に優れた磁性粉が得られ、かつ
これを用いて形成された磁性層の表面特性も向上する
が、他方において磁性塗料中での分散が困難となる傾向
がある。六方晶系強磁性体粉末の好適な比表面積は45
〜55m2 /gである。
比表面積が30m2 /gを超えるものであることが必要
であり、通常は35〜65m2 /gのものが用いられ
る。30m2 /g以下の比表面積のものでは、本発明方
法により表面改質を施しても高記録密度の磁気記録媒体
に適した磁性粉を得ることは困難である。一般に比表面
積が大きいほど磁気特性に優れた磁性粉が得られ、かつ
これを用いて形成された磁性層の表面特性も向上する
が、他方において磁性塗料中での分散が困難となる傾向
がある。六方晶系強磁性体粉末の好適な比表面積は45
〜55m2 /gである。
【0007】本発明では、この六方晶系強磁性体粉末の
表面に、イオン半径が1.2Å以下の金属元素の無機化
合物を被着させる。このような金属元素としてはベリリ
ウム、硼素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素など
があげられるが、特にアルミニウム又はケイ素が好まし
い。また、無機化合物としては、酸化物、水酸化物、窒
化物、炭化物、無機塩など種々のものを用いることがで
きる。しかし通常は酸化物ないしは水酸化物を被着させ
るのが好ましい。被着方法は任意である。例えば六方晶
系強磁性体粉末を水に分散させてスラリーとし、これに
イオン半径が1.2Å以下の金属元素の無機化合物の水
溶液を添加して攪拌しつつ水を蒸発させることにより、
無機化合物を六方晶系強磁性体粉末上に層状に付着させ
ることができる。しかし好ましくは六方晶系強磁性体粉
末の水性スラリーに無機化合物の水溶液を添加して攪拌
し、次いで酸またはアルカリを添加して中和し、六方晶
系強磁性体粉末上に析出物を生成させる。この析出物
は、アルミニウムの場合には水酸化アルミニウムであ
り、ケイ素の場合にはケイ酸ないしは水和した酸化物で
あると考えられる。上記によりイオン半径1.2Å以下
の金属の無機化合物を被着した六方晶系強磁性体粉末
は、次いで100〜250℃で熱処理する。この熱処理
により如何なる変化が生ずるのかは不明であるが、アル
ミニウムの場合には水酸化アルミニウムから水の一部が
脱離していわゆる水和した酸化アルミニウムとなり、ケ
イ素の場合にも同じく水の一部が脱離して水和した酸化
物(SiO2・nH2 O、0<n<2)となるものと考
えられる。いずれにしてもこの範囲外で熱処理したので
は、磁性塗料中での分散性が低下し、また場合によって
は無機化合物の被着量から予想される以上の飽和磁化量
の低下が生ずることがある。
表面に、イオン半径が1.2Å以下の金属元素の無機化
合物を被着させる。このような金属元素としてはベリリ
ウム、硼素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素など
があげられるが、特にアルミニウム又はケイ素が好まし
い。また、無機化合物としては、酸化物、水酸化物、窒
化物、炭化物、無機塩など種々のものを用いることがで
きる。しかし通常は酸化物ないしは水酸化物を被着させ
るのが好ましい。被着方法は任意である。例えば六方晶
系強磁性体粉末を水に分散させてスラリーとし、これに
イオン半径が1.2Å以下の金属元素の無機化合物の水
溶液を添加して攪拌しつつ水を蒸発させることにより、
無機化合物を六方晶系強磁性体粉末上に層状に付着させ
ることができる。しかし好ましくは六方晶系強磁性体粉
末の水性スラリーに無機化合物の水溶液を添加して攪拌
し、次いで酸またはアルカリを添加して中和し、六方晶
系強磁性体粉末上に析出物を生成させる。この析出物
は、アルミニウムの場合には水酸化アルミニウムであ
り、ケイ素の場合にはケイ酸ないしは水和した酸化物で
あると考えられる。上記によりイオン半径1.2Å以下
の金属の無機化合物を被着した六方晶系強磁性体粉末
は、次いで100〜250℃で熱処理する。この熱処理
により如何なる変化が生ずるのかは不明であるが、アル
ミニウムの場合には水酸化アルミニウムから水の一部が
脱離していわゆる水和した酸化アルミニウムとなり、ケ
イ素の場合にも同じく水の一部が脱離して水和した酸化
物(SiO2・nH2 O、0<n<2)となるものと考
えられる。いずれにしてもこの範囲外で熱処理したので
は、磁性塗料中での分散性が低下し、また場合によって
は無機化合物の被着量から予想される以上の飽和磁化量
の低下が生ずることがある。
【0008】熱処理後の六方晶系強磁性体粉末上の無機
化合物の被着量は、強磁性体粉末に対し金属として0.
1〜2重量%、特に0.3〜1.5重量%の範囲が好ま
しい。被着量が少なすぎると磁性塗料中での分散性の改
善効果が不十分となる。また多すぎると飽和磁化量が低
下して、高密度記録に適さなくなる。
化合物の被着量は、強磁性体粉末に対し金属として0.
1〜2重量%、特に0.3〜1.5重量%の範囲が好ま
しい。被着量が少なすぎると磁性塗料中での分散性の改
善効果が不十分となる。また多すぎると飽和磁化量が低
下して、高密度記録に適さなくなる。
【0009】本発明の特に好適な一態様では、六方晶系
強磁性体粉末の水性スラリーにオルトケイ酸、メタケイ
酸などケイ酸のナトリウム、カリウム等の塩の水溶液を
添加し、次いで酸で中和して強磁性体粉末上にケイ素を
含む析出物を生成させる。これを濾過・水洗したのち1
00〜250℃で熱処理する。この熱処理においては析
出物から水酸基の一部を水として脱離させるのが好まし
い。
強磁性体粉末の水性スラリーにオルトケイ酸、メタケイ
酸などケイ酸のナトリウム、カリウム等の塩の水溶液を
添加し、次いで酸で中和して強磁性体粉末上にケイ素を
含む析出物を生成させる。これを濾過・水洗したのち1
00〜250℃で熱処理する。この熱処理においては析
出物から水酸基の一部を水として脱離させるのが好まし
い。
【0010】本発明に係る磁性粉は、常法により結合剤
と混合して磁性塗料とし、これを用いて高密度記録が可
能な磁性層を形成することができる。磁性層中の磁性粉
の含有量は50〜90重量%、特に55〜85重量%が
好ましい。また磁性層中の結合剤の含有量は通常5〜3
0重量%、好ましくは10〜25重量%である。
と混合して磁性塗料とし、これを用いて高密度記録が可
能な磁性層を形成することができる。磁性層中の磁性粉
の含有量は50〜90重量%、特に55〜85重量%が
好ましい。また磁性層中の結合剤の含有量は通常5〜3
0重量%、好ましくは10〜25重量%である。
【0011】結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースジアセテート、ニトロセルロース等のセルロース
系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニル−アクリル
系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体等の各種合成ゴム、エポキシ樹脂、フェノキ
シ樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステル等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、ま
た2種以上を混合して用いることもできる。結合剤の分
子量は1×10 4 〜1×105 が好ましく、分子量が低
すぎると磁性層の強度が低下し、逆に高すぎると粘度が
高くなって磁性塗料の調製が困難となる。これらの結合
剤には、−PO(OM)2 ,−OPO(OM)2 ,−S
O3 M,−OSO3 M,及び−COOM(Mは、水素ま
たはリチウム、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニ
ウム等の陽イオンを示す)から選ばれた少くとも1種の
官能基が存在しているのが好ましい。官能基は結合剤中
に30×10-6〜200×10-6当量/gとなる量で存
在しているのが好ましく、少な過ぎると磁性塗料の調製
に際し磁性粉の分散性が悪化する。逆に官能基が多過ぎ
ると、結合剤が磁性塗料を構成する溶剤に溶解し難しな
る。
エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースジアセテート、ニトロセルロース等のセルロース
系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニル−アクリル
系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体等の各種合成ゴム、エポキシ樹脂、フェノキ
シ樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステル等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、ま
た2種以上を混合して用いることもできる。結合剤の分
子量は1×10 4 〜1×105 が好ましく、分子量が低
すぎると磁性層の強度が低下し、逆に高すぎると粘度が
高くなって磁性塗料の調製が困難となる。これらの結合
剤には、−PO(OM)2 ,−OPO(OM)2 ,−S
O3 M,−OSO3 M,及び−COOM(Mは、水素ま
たはリチウム、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニ
ウム等の陽イオンを示す)から選ばれた少くとも1種の
官能基が存在しているのが好ましい。官能基は結合剤中
に30×10-6〜200×10-6当量/gとなる量で存
在しているのが好ましく、少な過ぎると磁性塗料の調製
に際し磁性粉の分散性が悪化する。逆に官能基が多過ぎ
ると、結合剤が磁性塗料を構成する溶剤に溶解し難しな
る。
【0012】好適な結合剤は、上述の官能基を有する塩
化ビニル系樹脂またはセルロース系樹脂であり、これら
は磁性塗料の調製に際し磁性粉の分散が良好である。ま
たポリウレタン系樹脂も耐摩耗性に優れた磁性層を与え
るので好ましい。従って塩化ビニル系樹脂またはセルロ
ース系樹脂とポリウレタン系樹脂とを併用するのが好ま
しい。
化ビニル系樹脂またはセルロース系樹脂であり、これら
は磁性塗料の調製に際し磁性粉の分散が良好である。ま
たポリウレタン系樹脂も耐摩耗性に優れた磁性層を与え
るので好ましい。従って塩化ビニル系樹脂またはセルロ
ース系樹脂とポリウレタン系樹脂とを併用するのが好ま
しい。
【0013】磁性塗料の調製に際しては、低分子量のポ
リイソシアネート化合物の硬化剤を含有させることによ
り、磁性層内に三次元網目構造を形成させ、その機械的
強度を向上させることができる。そのような低分子ポリ
イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネー
ト、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシア
ネートなどの芳香族系イソシアネート、あるいはヘキサ
メチレンジイソシアネート、レジンイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族
系イソシアネート、またはこれらのイソシアネートと活
性水素化合物との付加体、例えばトリレンジイソシアネ
ートのトリメチロールプロパン付加体等があげられる。
これらのイソシアネート化合物の平均分子量としては1
00−5000の範囲が好ましい。
リイソシアネート化合物の硬化剤を含有させることによ
り、磁性層内に三次元網目構造を形成させ、その機械的
強度を向上させることができる。そのような低分子ポリ
イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネー
ト、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシア
ネートなどの芳香族系イソシアネート、あるいはヘキサ
メチレンジイソシアネート、レジンイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族
系イソシアネート、またはこれらのイソシアネートと活
性水素化合物との付加体、例えばトリレンジイソシアネ
ートのトリメチロールプロパン付加体等があげられる。
これらのイソシアネート化合物の平均分子量としては1
00−5000の範囲が好ましい。
【0014】硬化剤は結合剤に対して5〜100重量%
の割合で使用するのが好ましい。硬化剤の量が少なすぎ
ると所定の機械的強度の向上が果たせない。逆に多すぎ
ると、結合剤本来の機能が損なわれ磁性層の強度、耐久
性が低下することがある。本発明において使用される非
磁性支持体を形成する材料としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレー
ト等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セ
ルロースジアセテート等のセルロース誘導体、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリカーボネート
等を挙げることができる。さらにはアルミ箔などの金属
箔、紙などを用いることもできる。
の割合で使用するのが好ましい。硬化剤の量が少なすぎ
ると所定の機械的強度の向上が果たせない。逆に多すぎ
ると、結合剤本来の機能が損なわれ磁性層の強度、耐久
性が低下することがある。本発明において使用される非
磁性支持体を形成する材料としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレー
ト等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セ
ルロースジアセテート等のセルロース誘導体、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリカーボネート
等を挙げることができる。さらにはアルミ箔などの金属
箔、紙などを用いることもできる。
【0015】前記非磁性支持体の形態は任意であるが、
主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、ディ
スク状、ドラム状などである。また厚みにも特に制約は
ないが、通常3〜100μm、特に5〜75μmである
ことが好ましい。尚、この非磁性支持体は単層構造のも
のであっても多層構造のものであってもよい。また、こ
の非磁性支持体と磁性層との接着性を改善するために、
例えばコロナ放電処理、アルカン、アミン水溶液、トリ
クロル酢酸、フェノール類等の表面改質剤による処理等
の表面処理を施されたものであってもよい。
主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、ディ
スク状、ドラム状などである。また厚みにも特に制約は
ないが、通常3〜100μm、特に5〜75μmである
ことが好ましい。尚、この非磁性支持体は単層構造のも
のであっても多層構造のものであってもよい。また、こ
の非磁性支持体と磁性層との接着性を改善するために、
例えばコロナ放電処理、アルカン、アミン水溶液、トリ
クロル酢酸、フェノール類等の表面改質剤による処理等
の表面処理を施されたものであってもよい。
【0016】また、磁性層の形成に用いる磁性塗料中に
は、更に必要に応じて、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、
分散剤等の各種添加剤を添加することができる。潤滑剤
としては、脂肪族系、フッ素系、シリコーン系又は炭化
水素系等の各種の潤滑剤が使用できる。脂肪族系潤滑剤
としては、例えば脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール等が挙げられる。
は、更に必要に応じて、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、
分散剤等の各種添加剤を添加することができる。潤滑剤
としては、脂肪族系、フッ素系、シリコーン系又は炭化
水素系等の各種の潤滑剤が使用できる。脂肪族系潤滑剤
としては、例えば脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0017】脂肪酸としては、例えばオレイン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。脂肪酸金
属塩としては、例えばこれらの脂肪酸のマグネシウム
塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩等が
挙げられる。
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。脂肪酸金
属塩としては、例えばこれらの脂肪酸のマグネシウム
塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩等が
挙げられる。
【0018】脂肪酸エステルとしては、例えば前記脂肪
酸のブチルエステル、オクチルエステル、ステアリルエ
ステル、オレイルエステル、イソステアリルエステル、
或いはグリセリド等、脂肪酸アミドとしては、例えば上
記脂肪酸のアミドのほか、リノール酸アミド、カプロン
酸アミド等が挙げられる。脂肪族アルコールとしては、
例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パ
ルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイル
アルコール等が挙げられる。フッ素系潤滑剤としては、
例えばパーフルオロアルキルポリエーテル、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロポリエーテル、フ
ルオロカーボンまたは部分的にフッ素を導入したタイプ
の潤滑剤等が挙げられる。シリコーン系潤滑剤として
は、例えばシリコーンオイル、変性シリコーンオイル等
が挙げられる。また、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン等の固形滑剤や燐酸エステル等も使用できる。炭
化水素系潤滑剤としては、例えばパラフィン、スクアラ
ン等が挙げられる。さらには動植物油、鉱油等を使用す
ることもできる。
酸のブチルエステル、オクチルエステル、ステアリルエ
ステル、オレイルエステル、イソステアリルエステル、
或いはグリセリド等、脂肪酸アミドとしては、例えば上
記脂肪酸のアミドのほか、リノール酸アミド、カプロン
酸アミド等が挙げられる。脂肪族アルコールとしては、
例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パ
ルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイル
アルコール等が挙げられる。フッ素系潤滑剤としては、
例えばパーフルオロアルキルポリエーテル、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロポリエーテル、フ
ルオロカーボンまたは部分的にフッ素を導入したタイプ
の潤滑剤等が挙げられる。シリコーン系潤滑剤として
は、例えばシリコーンオイル、変性シリコーンオイル等
が挙げられる。また、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン等の固形滑剤や燐酸エステル等も使用できる。炭
化水素系潤滑剤としては、例えばパラフィン、スクアラ
ン等が挙げられる。さらには動植物油、鉱油等を使用す
ることもできる。
【0019】これらの潤滑剤は単独でも、いくつかを併
用してもよい。潤滑剤の使用量は、磁性層中の含有量が
通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の
範囲とする。なお、磁性層を2層に積層形成する場合に
は、上層と下層とで、潤滑剤の種類、含有量を変えても
良い。研磨剤としては、例えばアルミナ、溶融アルミ
ナ、コランダム、炭化珪素、酸化クロム、窒化珪素等が
挙げられ、これらのうちでも比較的硬度の高いものが好
ましい。その粒子径(数平均粒子径)は、好ましくは2
μm以下である。
用してもよい。潤滑剤の使用量は、磁性層中の含有量が
通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の
範囲とする。なお、磁性層を2層に積層形成する場合に
は、上層と下層とで、潤滑剤の種類、含有量を変えても
良い。研磨剤としては、例えばアルミナ、溶融アルミ
ナ、コランダム、炭化珪素、酸化クロム、窒化珪素等が
挙げられ、これらのうちでも比較的硬度の高いものが好
ましい。その粒子径(数平均粒子径)は、好ましくは2
μm以下である。
【0020】研磨剤の使用量は、磁性層中の含有量が1
〜20重量%の範囲とするのが好ましい。帯電防止剤と
しては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、
インジウム・スズ・オキサイド、金属粉末など導電性金
属および導電性を有する化合物や酸化物の微粉末、サポ
ニン等の天然界面活性剤、アルキレンオキサイド系、グ
リセリン系等のノニオン界面活性剤、高級アルキルアミ
ン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類その
他の複素環塩類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸
基、スルホン酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等が使用される。
これらの帯電防止剤も、単独または混合して用い得る。
〜20重量%の範囲とするのが好ましい。帯電防止剤と
しては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、
インジウム・スズ・オキサイド、金属粉末など導電性金
属および導電性を有する化合物や酸化物の微粉末、サポ
ニン等の天然界面活性剤、アルキレンオキサイド系、グ
リセリン系等のノニオン界面活性剤、高級アルキルアミ
ン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類その
他の複素環塩類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸
基、スルホン酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等が使用される。
これらの帯電防止剤も、単独または混合して用い得る。
【0021】帯電防止剤の使用量は、通常、磁性層中の
含有量が1〜15重量%の範囲である。分散剤として
は、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン
酸、リノール酸等の脂肪酸、これらの脂肪酸のアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩からなる金属石鹸、脂肪
酸アミド、脂肪酸エステル、高級アルコール、脂肪族ア
ミン、ポリアルキレンオキサイド、アルキルリン酸エス
テル、糖類、レシチン等が単独または混合して使用され
る。
含有量が1〜15重量%の範囲である。分散剤として
は、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン
酸、リノール酸等の脂肪酸、これらの脂肪酸のアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩からなる金属石鹸、脂肪
酸アミド、脂肪酸エステル、高級アルコール、脂肪族ア
ミン、ポリアルキレンオキサイド、アルキルリン酸エス
テル、糖類、レシチン等が単独または混合して使用され
る。
【0022】なお、上記の説明からも明らかなように、
潤滑剤、分散剤、帯電防止剤などの添加剤は、例えば潤
滑剤が帯電防止剤としても作用するなど、一つの化合物
が同時にいくつもの効果を奏することもありうる。従っ
て、上記分類により例示した化合物の作用が、上記分類
に限定されないことは言うまでもなく、複数の効果を合
わせ持つ添加剤を用いるときには、その効果を考慮した
上で、使用量が決定される。
潤滑剤、分散剤、帯電防止剤などの添加剤は、例えば潤
滑剤が帯電防止剤としても作用するなど、一つの化合物
が同時にいくつもの効果を奏することもありうる。従っ
て、上記分類により例示した化合物の作用が、上記分類
に限定されないことは言うまでもなく、複数の効果を合
わせ持つ添加剤を用いるときには、その効果を考慮した
上で、使用量が決定される。
【0023】上記各成分を含む磁性塗料の調製に使用す
る溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、グリコールアセテ
ート等のエステル類、モノエチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族系炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、
ニトロプロパン等の脂肪族炭化水素類やその誘導体等が
挙げられる。
る溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、グリコールアセテ
ート等のエステル類、モノエチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族系炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、
ニトロプロパン等の脂肪族炭化水素類やその誘導体等が
挙げられる。
【0024】本発明に係る強磁性粉と結合剤、及び必要
に応じて添加される硬化剤、帯電防止剤、潤滑剤などの
他の添加剤を、溶剤と混合、混練して磁性塗料を調製す
るのは公知の適宜の方法によることができる。また、各
成分の添加順序も任意である。例えば磁性塗料の調製に
用いる混練分散機としては、二本ロールミル、三本ロー
ルミル、ボールミル、サンドミル、サンドグラインダ
ー、コボールミル、高速インペラ−分散機、高速度衝撃
ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超
音波分散機、オープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニ
ーダー等が挙げられる。
に応じて添加される硬化剤、帯電防止剤、潤滑剤などの
他の添加剤を、溶剤と混合、混練して磁性塗料を調製す
るのは公知の適宜の方法によることができる。また、各
成分の添加順序も任意である。例えば磁性塗料の調製に
用いる混練分散機としては、二本ロールミル、三本ロー
ルミル、ボールミル、サンドミル、サンドグラインダ
ー、コボールミル、高速インペラ−分散機、高速度衝撃
ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超
音波分散機、オープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニ
ーダー等が挙げられる。
【0025】こうして調製された磁性塗料は、必要なら
ば適当なフィルターで濾過した後、前述の非磁性支持体
上に塗布される。塗布は支持体上に直接行なうこともで
きるが、接着層、導電層などの中間層を介して塗布する
こともできる。非磁性支持体上に磁性層を塗布する方法
も公知の任意の方法によることができ、例えばグラビア
方式、リバース方式、エクストル−ジョン方式等が挙げ
られる。
ば適当なフィルターで濾過した後、前述の非磁性支持体
上に塗布される。塗布は支持体上に直接行なうこともで
きるが、接着層、導電層などの中間層を介して塗布する
こともできる。非磁性支持体上に磁性層を塗布する方法
も公知の任意の方法によることができ、例えばグラビア
方式、リバース方式、エクストル−ジョン方式等が挙げ
られる。
【0026】非磁性支持体上に塗布された磁性層は、テ
ープ状の磁気記録媒体として用いられる場合には、磁性
層中の強磁性粉末を配向させるため磁場配向処理をおこ
なうのが好ましい。ディスク状の磁気記録媒体として用
いられる場合には、磁気特性の方向依存性を取り除くた
めに、磁場による無配向処理を行なってから乾燥しても
よい。カレンダーによる表面平滑化処理は表面性を向上
させる上で効果があるので実施することが好ましい。さ
らに必要に応じて熱硬化処理、放射線硬化処理を行なっ
た後、適当な形状に裁断して、本発明に係わる磁気記録
媒体を製造する。
ープ状の磁気記録媒体として用いられる場合には、磁性
層中の強磁性粉末を配向させるため磁場配向処理をおこ
なうのが好ましい。ディスク状の磁気記録媒体として用
いられる場合には、磁気特性の方向依存性を取り除くた
めに、磁場による無配向処理を行なってから乾燥しても
よい。カレンダーによる表面平滑化処理は表面性を向上
させる上で効果があるので実施することが好ましい。さ
らに必要に応じて熱硬化処理、放射線硬化処理を行なっ
た後、適当な形状に裁断して、本発明に係わる磁気記録
媒体を製造する。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるもので
はない。なお実施例中の「部」「%」は、すべて「重量
部」「重量%」を示す。
説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるもので
はない。なお実施例中の「部」「%」は、すべて「重量
部」「重量%」を示す。
【0028】実施例1 平板状バリウムフェライト〔保磁力(Hc);1300
Oe、比表面積50m 2 /g〕100gを1900gの
純水中に均一に分散させた。これに7.5%のケイ酸ナ
トリウム(Na2 O:SiO2 =1:2(モル比))水
溶液100gを攪拌しながら添加し、さらに攪拌を続け
て均一なスラリーを得た。攪拌下、このスラリーに0.
3モル/lの希薄硫酸を滴下し、pH7まで中和した。
このスラリーを、水洗−濾過を繰り返してナトリウムイ
オン及び硫酸イオンを除去した後、90℃で12時間予
備乾燥し、さらに150℃で4時間乾燥した。得られた
表面改質バリウムフェライトのケイ素化合物の被着量
は、化学分析の結果、バリウムフェライトに対しケイ素
として重量で0.63%であった。ケイ素化合物の形態
は、水和した二酸化ケイ素(SiO2 ・nH2 O、0<
n<2)と推定される。
Oe、比表面積50m 2 /g〕100gを1900gの
純水中に均一に分散させた。これに7.5%のケイ酸ナ
トリウム(Na2 O:SiO2 =1:2(モル比))水
溶液100gを攪拌しながら添加し、さらに攪拌を続け
て均一なスラリーを得た。攪拌下、このスラリーに0.
3モル/lの希薄硫酸を滴下し、pH7まで中和した。
このスラリーを、水洗−濾過を繰り返してナトリウムイ
オン及び硫酸イオンを除去した後、90℃で12時間予
備乾燥し、さらに150℃で4時間乾燥した。得られた
表面改質バリウムフェライトのケイ素化合物の被着量
は、化学分析の結果、バリウムフェライトに対しケイ素
として重量で0.63%であった。ケイ素化合物の形態
は、水和した二酸化ケイ素(SiO2 ・nH2 O、0<
n<2)と推定される。
【0029】この表面改質バリウムフェライト磁性粉に
ついて、飽和磁化量を測定した。また下記の組成に従っ
て磁性粉、結合剤、硬化剤及び溶剤を配合し、ボールミ
ルで混練分散して磁性塗料を調整した。この塗料を通常
の方法によりポリエチレンテレフタレートフィルム上に
塗布し、硬化させて磁気シートを作製した。この磁性層
の飽和磁化量および表面光沢を測定した。これらの測定
結果を表−1に示す。
ついて、飽和磁化量を測定した。また下記の組成に従っ
て磁性粉、結合剤、硬化剤及び溶剤を配合し、ボールミ
ルで混練分散して磁性塗料を調整した。この塗料を通常
の方法によりポリエチレンテレフタレートフィルム上に
塗布し、硬化させて磁気シートを作製した。この磁性層
の飽和磁化量および表面光沢を測定した。これらの測定
結果を表−1に示す。
【0030】 磁性塗料の組成 表面改質バリウムフェライト 100重量部 −SO3 K基含有塩化ビニル−アクリル共重合体(MR110,日本ゼオン社 製品、極性基含有量63μeq/g、数平均分子量20,000) 20重量部 ポリウレタン樹脂 10重量部 硬化剤(コロネートL,日本ポリウレタン社製品) 5重量部 メチルエチルケトン 165重量部 シクロヘキサノン 150重量部
【0031】実施例2 実施例1において、表面改質バリウムフェライト製造時
の乾燥温度を150℃から200℃にした以外は、実施
例1と同様にして磁性粉を調製し、またこれを用いて磁
気シートを作製した。結果を表−1に示す。
の乾燥温度を150℃から200℃にした以外は、実施
例1と同様にして磁性粉を調製し、またこれを用いて磁
気シートを作製した。結果を表−1に示す。
【0032】実施例3 実施例1において、ケイ酸ナトリウム水溶液の代りに1
5%の硫酸マグネシウム水溶液100gを用い、かつ希
薄硫酸の代りに0.6モル/lの水酸化ナトリウム水溶
液を用いた以外は、実施例1と同様にしてバリウムフェ
ライトの表面に水酸化マグネシウムを析出させた。水洗
−濾過を反復したのち90℃で12時間、次いで200
℃で4時間乾燥した。得られた表面改質バリウムフェラ
イトのマグネシウム化合物の被着量は、化学分析の結
果、バリウムフェライトに対しマグネシウムとして重量
で1.2%であった。この磁性粉を用いて実施例1と同
様にして磁気シートを作製した。結果を表−1に示す。
5%の硫酸マグネシウム水溶液100gを用い、かつ希
薄硫酸の代りに0.6モル/lの水酸化ナトリウム水溶
液を用いた以外は、実施例1と同様にしてバリウムフェ
ライトの表面に水酸化マグネシウムを析出させた。水洗
−濾過を反復したのち90℃で12時間、次いで200
℃で4時間乾燥した。得られた表面改質バリウムフェラ
イトのマグネシウム化合物の被着量は、化学分析の結
果、バリウムフェライトに対しマグネシウムとして重量
で1.2%であった。この磁性粉を用いて実施例1と同
様にして磁気シートを作製した。結果を表−1に示す。
【0033】比較例1〜3 実施例1において、表面改質バリウムフェライト製造時
の乾燥温度を150℃から表−1の温度に変更した以外
は、実施例1と同様にして磁性粉を調製し、またこれを
用いて磁気シートを作製した。結果を表−1に示す。
の乾燥温度を150℃から表−1の温度に変更した以外
は、実施例1と同様にして磁性粉を調製し、またこれを
用いて磁気シートを作製した。結果を表−1に示す。
【0034】比較例4 実施例3において、表面改質バリウムフェライト製造時
の乾燥温度を200℃から300℃にした以外は、実施
例3と同様にして磁性粉を調製し、かつこれを用いて磁
気シートを作製した。結果を表−1に示す。
の乾燥温度を200℃から300℃にした以外は、実施
例3と同様にして磁性粉を調製し、かつこれを用いて磁
気シートを作製した。結果を表−1に示す。
【0035】比較例5および6 実施例1において、保磁力(HC):562Oe、比表
面積30m2 /gの平板状バリウムフェライトを用い、
かつ表面改質バリウムフェライト製造時の乾燥温度を1
50℃から200℃又は300℃にした以外は実施例1
と同様にして磁性粉を調製し、かつこれを用いて磁気シ
ートを作製した。結果を表−1に示す。
面積30m2 /gの平板状バリウムフェライトを用い、
かつ表面改質バリウムフェライト製造時の乾燥温度を1
50℃から200℃又は300℃にした以外は実施例1
と同様にして磁性粉を調製し、かつこれを用いて磁気シ
ートを作製した。結果を表−1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表面光沢:鏡面処理後の磁性層の表面をデ
ジタル変角光沢計を用いて入射角60度、反射角60度
で測定した。数値が大きいほど磁性粉の分散が良好であ
る。 飽和磁化量:磁性粉末を1g/ccの密度で充填した状
態で、磁束密度をVSM(Vibrating Sam
ple Magnetmeter)を用いて最大印加磁
場10kOeにて測定した。塗膜の場合は磁気シートを
所定のサイズにカットし、面内に平行に磁場を印加して
同様に測定した。
ジタル変角光沢計を用いて入射角60度、反射角60度
で測定した。数値が大きいほど磁性粉の分散が良好であ
る。 飽和磁化量:磁性粉末を1g/ccの密度で充填した状
態で、磁束密度をVSM(Vibrating Sam
ple Magnetmeter)を用いて最大印加磁
場10kOeにて測定した。塗膜の場合は磁気シートを
所定のサイズにカットし、面内に平行に磁場を印加して
同様に測定した。
【0038】表−1から明らかなように、同じくケイ素
化合物を被着させた場合でも、被着時の熱処理温度が適
正であった実施例1、2に比較して、熱処理温度が低過
ぎる比較例1は磁性粉の飽和磁化量も若干小さく、また
磁性粉の分散性が良くないので磁性層の飽和磁化も劣っ
ている。逆に熱処理温度が高過ぎる比較例2、3では磁
性粉の飽和磁化量がさらに小さくなり、かつ磁性層の飽
和磁化量も劣っている。
化合物を被着させた場合でも、被着時の熱処理温度が適
正であった実施例1、2に比較して、熱処理温度が低過
ぎる比較例1は磁性粉の飽和磁化量も若干小さく、また
磁性粉の分散性が良くないので磁性層の飽和磁化も劣っ
ている。逆に熱処理温度が高過ぎる比較例2、3では磁
性粉の飽和磁化量がさらに小さくなり、かつ磁性層の飽
和磁化量も劣っている。
【0039】マグネシウム化合物を被着させた実施例3
と比較例4とを比較しても、熱処理温度を200℃から
300℃に上昇させると、磁性粉の飽和磁化量が低下
し、かつ磁性粉の分散性も良くないので磁性層の飽和磁
化量も劣ったものとなる。また、比較例5、6は比表面
積が30m2 /g以下のバリウムフェライトにケイ素化
合物を被着しても効果が無いことを示している。
と比較例4とを比較しても、熱処理温度を200℃から
300℃に上昇させると、磁性粉の飽和磁化量が低下
し、かつ磁性粉の分散性も良くないので磁性層の飽和磁
化量も劣ったものとなる。また、比較例5、6は比表面
積が30m2 /g以下のバリウムフェライトにケイ素化
合物を被着しても効果が無いことを示している。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、六方晶系強磁性体粉末
として30m2 /gを超える比表面積を有するものを用
い、かつ表面改質時の熱処理温度を100〜250℃と
することにより、最小限の飽和磁化量の低下で分散性の
よい磁性粉を製造することができ、この磁性粉を用いる
ことにより高密度記録に好適な磁気記録媒体を容易に作
製することができる。
として30m2 /gを超える比表面積を有するものを用
い、かつ表面改質時の熱処理温度を100〜250℃と
することにより、最小限の飽和磁化量の低下で分散性の
よい磁性粉を製造することができ、この磁性粉を用いる
ことにより高密度記録に好適な磁気記録媒体を容易に作
製することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 比表面積が30m2 /gを超える六方晶
系強磁性体粉末の表面にイオン半径が1.2Å以下の金
属元素の無機化合物を被着させて成り、且つその被着工
程において100〜250℃での熱処理を経ていること
を特徴とする磁性粉。 - 【請求項2】 六方晶系強磁性体粉末の比表面積が、4
5〜55m2 /gであることを特徴とする請求項1記載
の磁性粉。 - 【請求項3】 イオン半径1.2Å以下の金属元素の無
機化合物が、水酸化アルミニウムないしはこれから少く
とも一部の水が脱離した組成のものであることを特徴と
する請求項1または2記載の磁性粉。 - 【請求項4】 イオン半径1.2Å以下の金属元素の無
機化合物が、SiO 2 ・nH2 O(0<n<2)なる組
成のケイ素化合物であることを特徴とする請求項1また
は2記載の磁性粉。 - 【請求項5】 イオン半径が1.2Å以下の金属元素の
無機化合物が、アルミニウム化合物またはケイ素化合物
の水溶液を中和することにより六方晶系強磁性体粉末上
に生成させた析出物を100〜250℃で熱処理するこ
とにより得られたものであることを特徴とする請求項1
または2記載の磁性粉。 - 【請求項6】 可撓性非磁性支持体上に、請求項1ない
し5のいずれかに記載の磁性粉と、分子内に−PO(O
M)2 ,−OPO(OM)2 ,−SO3 M,−OSO3
M及び−COOM(但し、MはH,Li,Na,K,又
はNH4 を示す)からなる群から選ばれた官能基を有す
る結合剤とを含む磁性層を設けてなる磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7173447A JPH0927410A (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | 磁性粉及びこれを用いた磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7173447A JPH0927410A (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | 磁性粉及びこれを用いた磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0927410A true JPH0927410A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=15960650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7173447A Pending JPH0927410A (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | 磁性粉及びこれを用いた磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0927410A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012104765A (ja) * | 2010-11-12 | 2012-05-31 | Komatsu Seiren Co Ltd | 磁性シート及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-07-10 JP JP7173447A patent/JPH0927410A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012104765A (ja) * | 2010-11-12 | 2012-05-31 | Komatsu Seiren Co Ltd | 磁性シート及びその製造方法 |
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