JPH09272987A - 耐熱部材 - Google Patents
耐熱部材Info
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- JPH09272987A JPH09272987A JP2266997A JP2266997A JPH09272987A JP H09272987 A JPH09272987 A JP H09272987A JP 2266997 A JP2266997 A JP 2266997A JP 2266997 A JP2266997 A JP 2266997A JP H09272987 A JPH09272987 A JP H09272987A
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Abstract
熱衝撃性の両特性を共に高めることによって、高温雰囲
気でかつ熱サイクルや熱衝撃等が付加されるような運転
環境下で、長時間の使用に耐え得る耐熱部材が求められ
ている。 【解決手段】 金属基材1上に直接、または金属基材1
上に形成された金属結合層2を介して被覆形成されたセ
ラミックス遮熱層3を具備する耐熱部材である。セラミ
ックス遮熱層3は、金属結合層2(または金属基材1)
上に設けられ、高弾性率および高硬度を有する第1のセ
ラミックス層3aと、この第1のセラミックス層3a上
に設けられ、低弾性率および低硬度を有する第2のセラ
ミックス層3bとを有している。第1のセラミックス層
3aは例えば相対密度が 88%以上の高密度層であり、第
2のセラミックス層3bは相対密度が 88%未満の低密度
層である。
Description
熱衝撃性、さらには耐酸化性等に優れた耐熱部材および
その製造方法に関する。
表される高温機器の高効率化を目指して、機器使用温度
の高温化が進められている。これに伴って、高温機器の
構成部品に使用される材料には、一層高レベルの特性、
例えば高温強度、高温耐食・耐酸化性等が要求されてい
る。
金やCo基超合金の表面に、耐食・耐酸化性の金属コー
ティングを施した部材が幅広く利用されている。また、
さらなる高温環境下での使用を可能にするために、金属
コーティングの表面に熱伝導率の低いセラミックス層を
形成し、基材の冷却効率を高める熱遮蔽コーティングが
開発されている。このような熱遮蔽コーティングを施し
た部材は、既に応力負荷の低いガスタービンの静翼等に
おいて、実機への適用が進められている。
て、基材とセラミックス層との中間に形成される金属層
は、金属コーティングとして耐食・耐酸化性を担うと共
に、基材とセラミックス層との熱膨張率の差に起因する
熱応力を緩和する役割も合せ持っている。このような金
属結合層には、M−Cr−Al−Y合金(MはFe、N
iおよびCoから選ばれる少なくとも 1種の元素)が多
用されている。
は、希土類酸化物やアルカリ土類酸化物を添加して安定
化したジルコニア(安定化ジルコニア)が最も広く使用
されている。これは、安定化ジルコニアは熱膨張係数が
セラミックス材料の中では大きく、加えて熱伝導率が低
いためである。
ーティング技術が適用されている。なかでも、プラズマ
溶射法が広く利用されている。プラズマ溶射法は、コー
ティング材料を幅広く選択することができ、また成膜速
度が速く、厚膜の形成が可能である等の利点を有するた
めである。
ミックス遮熱層は、熱サイクルが生じる環境下で長時間
使用した際に、割れや剥離等が起こりやすいという問題
を有している。これは溶射層の内部に亀裂が生じやすい
ことに加えて、内部で発生した亀裂が進展しやすいため
である。亀裂は、特に熱応力が集中する金属結合層との
界面近傍部分で生じる。この界面近傍部分に生じた亀裂
が、溶射層の割れや剥離等を主として引起こしている。
ミックス遮熱層は、長時間高温酸化性雰囲気下で使用し
た際に、金属結合層の酸化を招きやすいという問題を有
している。これは溶射層特有の組織等に起因するもので
ある。この金属結合層の酸化に伴って応力が発生するた
め、セラミックス遮熱層が金属結合層との界面近傍から
剥離してしまう。
いては、粗大粒子等の衝突による部材の摩耗や損傷が問
題となる。特に、プラズマ溶射法によるセラミックス遮
熱層は、粗大粒子等が衝突した際のダメージが大きく、
セラミックス遮熱層表面の摩耗や損傷が生じやすいとい
う問題を有している。溶射層は一般的に表面の凹凸が大
きく、また層内の粒子同士の結合力が低いためである。
ーム−PVD法(EB−PVD法)に代表される物理的
・化学的蒸着法を利用することも検討されている。しか
し、これらの成膜方法は、溶射法と比較して成膜速度が
おそく、作製コストが高いという欠点を有している。こ
れに加えて、PVD法やCVD法等で形成したセラミッ
クス遮熱層は、それ単独では遮熱効果が低く、また熱衝
撃等により急激な亀裂発生等が生じやすいという問題を
有している。
層として機能するセラミックス層の形成方法としては、
プラズマ溶射法やEB−PVD法に代表される物理的・
化学的蒸着法等が利用されているが、それぞれに長所・
短所を有している。このため、セラミックス遮熱層の耐
熱サイクル特性、耐熱衝撃性、金属結合層等の下層の酸
化抑制、遮熱効果等、さらには耐摩耗性や飛来物の衝突
による損傷に対する抵抗性等を含む全ての性能を同時に
満足するセラミックス遮熱層は得られていないのが現状
である。
になされたもので、耐熱疲労特性および耐熱衝撃性の両
特性に優れるセラミックス遮熱層を用いることにより、
高温雰囲気でかつ熱サイクルや熱衝撃等が付加されるよ
うな運転環境下で、長時間の使用に耐え得る耐熱部材お
よびその製造方法を提供することを目的としている。本
発明の他の目的は、金属結合層等の下層の酸化を抑制す
ることによって、耐熱疲労特性をさらに高めた耐熱部材
およびその製造方法を提供することにある。
求項1に記載したように、金属基材と、前記金属基材上
に直接、または前記金属基材上に形成された金属結合層
を介して被覆形成されたセラミックス遮熱層とを具備す
る耐熱部材において、前記セラミックス遮熱層は、前記
金属基材または前記金属結合層上に設けられ、弾性率E
1 を有する高弾性率の第1のセラミックス層と、前記第
1のセラミックス層上に設けられ、E2<E1 を満足す
る弾性率E2 を有する低弾性率の第2のセラミックス層
とを有することを特徴としている。
したように、金属基材と、前記金属基材上に直接、また
は前記金属基材上に形成された金属結合層を介して被覆
形成されたセラミックス遮熱層とを具備する耐熱部材に
おいて、前記セラミックス遮熱層は、前記金属基材また
は前記金属結合層上に設けられ、硬度H1 を有する第1
のセラミックス層と、前記第1のセラミックス層上に設
けられ、H2 <H1 を満足する硬度H2 を有する第2の
セラミックス層とを有することを特徴としている。
は、請求項7に記載したように、金属基材と、前記金属
基材上に直接、または前記金属基材上に形成された金属
結合層を介して被覆形成されたセラミックス遮熱層とを
具備する耐熱部材を製造するあたり、前記金属基材また
は前記金属結合層上に、PVD法、CVD法およびスピ
ンコーティング法から選ばれる 1種の成膜法により第1
のセラミックス層を形成する工程と、前記第1のセラミ
ックス層上に、溶射法により第2のセラミックス層を形
成する工程とを有することを特徴としている。
記載したように、金属基材と、前記金属基材上に直接、
または前記金属基材上に形成された金属結合層を介して
被覆形成されたセラミックス遮熱層とを具備する耐熱部
材を製造するあたり、前記金属基材または前記金属結合
層上に、細粒粉末を用いた高密度溶射法により第1のセ
ラミックス層を形成する工程と、前記第1のセラミック
ス層上に、粗粒粉末を用いた低密度溶射法により第2の
セラミックス層を形成する工程とを有することを特徴と
している。
は金属結合層上には高弾性率および高硬度の第1のセラ
ミックス層が設けられている。この第1のセラミックス
層は高弾性率や高硬度に由来して、高強度を有するもの
である。よって、セラミックス遮熱層の耐割れ性や耐剥
離性を高めることができる。すなわち、セラミックス遮
熱層への熱応力は、金属基材または金属結合層との界面
近傍に集中する。このような界面近傍部分に高強度を有
する第1のセラミックス層を配置することで、セラミッ
クス遮熱層の界面近傍部分における亀裂や割れ等の発生
を抑制することができる。従って、これらに起因するセ
ラミックス遮熱層の剥離を防止することが可能となる。
率および高硬度を有するセラミックス層で形成すると、
熱サイクル等が印加された際にセラミックス層内で発生
する応力が大きくなるため、熱衝撃や熱応力等により急
激に亀裂が進展して割れ等が発生しやすくなる。これに
対して、本発明では低弾性率および低硬度を有する第2
のセラミックス層を第1のセラミックス層上に形成して
いるため、セラミックス遮熱層全体としての発生応力を
小さくすることができる。従って、熱衝撃や熱応力等に
よるセラミックス遮熱層の割れ等を抑制することが可能
となる。
度に大きく影響される。よって、選択するセラミックス
材料により多少異なるが、第1のセラミックス層を相対
密度が 88%以上の高密度セラミックス層とし、第2のセ
ラミックス層を相対密度が88%未満の低密度セラミック
ス層とすることによって、高弾性率および高硬度の第1
のセラミックス層、および低弾性率および低硬度の第2
のセラミックス層を容易に実現することができる。特
に、上記した相対密度の範囲はセラミックスとしてジル
コニアを使用した場合に好適である。
ジルコニア層を想定したもので、セラミックス層を構成
する物質が異なる場合、すなわち弾性率や熱膨張係数が
異なる場合には、最適な相対密度は変化する。
は、金属基材または金属結合層の酸化抑制に寄与する。
従って、金属基材または金属結合層の酸化に伴って発生
する応力によって、セラミックス遮熱層の界面近傍から
の剥離をより一層有効に抑制することできる。一方、低
密度の第2のセラミックス層は熱遮蔽性に優れる。従っ
て、十分な熱遮蔽効果を得ることができる。
態について説明する。
材の要部構成を示す断面図である。同図において、1は
金属基材であり、この金属基材1としてはFe、Niお
よびCoから選ばれる少なくとも 1種の元素を主成分と
する耐熱合金が挙げられる。金属基材1には、使用用途
等に応じて各種公知の耐熱合金を適宜選択して使用する
ことができる。実用上は、IN738、IN738L
C、IN939、Μar−Μ247、RENE80、C
M−247、CMSX−2、CMSX−4等のNi基超
耐熱合金や、FSX−414、Mar−M509等のC
o基超合金を用いることが有効である。
酸化性に優れ、かつ金属基材1と後述するセラミックス
遮熱層3との中間の熱膨張係数を有する金属結合層2が
被覆形成されている。金属結合層2は例えばM−Cr−
Al−Y合金(MはFe、NiおよびCoから選ばれる
少なくとも 1種の元素である)からなる。なお、図2に
示すように、金属基材1上に直接セラミックス遮熱層3
を被覆形成することも可能である。
層2は、上記したように金属基材1の耐食・耐酸化性を
保証すると同時に、金属基材1/セラミックス遮熱層3
間の熱膨張係数の違いによる熱応力を緩和するものであ
る。M−Cr−Al−Y合金の具体的な組成としては、
上記した性能を総合的に考慮して、一般的には 0.1〜20
重量% のAl、10〜35重量% のCr、 0.1〜 5重量% の
Yを含み、残部がNiおよびCoから選ばれる少なくと
も 1種の元素から実質的ものが好ましく用いられる。さ
らに、用途によってはM−Cr−Al−Y合金に、T
i、Nb、Hf、Zr、TaおよびWから選ばれる少な
くとも 1種の添加元素を 5重量% 以下の範囲で添加して
もよい。
ス炎溶射法(HVOF法)、物理的蒸着法(PVD
法)、化学的蒸着法(CVD法)等の成膜方法によって
形成することができる。実用上はプラズマ溶射法が最も
有効である。特にプラズマ溶射法の中でも、減圧雰囲気
中で溶射プロセスを行う減圧プラズマ溶射法が好まし
い。これにより、成膜時の金属結合層2の酸化を抑制し
て、優れた耐酸化性を付与することができる。
の範囲から用途に応じて選択することができる。例え
ば、ガスタービン翼部では50〜 300μm 程度が酸化寿命
や金属基材1とセラミックス遮熱層3間の応力緩和効果
の観点から適当である。
金属基材1上)には、セラミックス遮熱層3が被覆形成
されている。これらによって、例えば高温機器の構成材
料として使用される耐熱部材4が構成されている。
は、ジルコニア(ZrO2 )、アルミナ(Al
2 O3 )、アルミナ−チタニア系酸化物(Al2 O3 −
TiO2 )、マグネシア(MgO)、スピネル(MgA
l2 O4 )、窒化ケイ素(Si3 N4 )、サイアロン
(Si−Al−O−N)、窒化アルミニウム(Al
N)、窒化チタン(TiO2 )、炭化ケイ素(SiC)
等の種々のセラミックス材料を使用することが可能であ
る。
アは低い熱伝導率と大きな熱膨張係数を有することか
ら、セラミックス遮熱層3の構成材料として好適であ
る。またZrO2 の相変化を抑制するための安定化剤と
しては、Y2 O3 、CaO、MgO等が用いられてい
る。これらの中でもY2 O3 が最も好ましく、特にY2
O3を 8重量% 程度含む部分安定化ジルコニアが極めて
優れた特性を示す。なお、後述する第1のセラミックス
層3aには、後に詳述するように、焼結体の弾性率がジ
ルコニアより大きいアルミナ、アルミナ−チタニア系酸
化物、マグネシア、スピネル等も好ましく用いられる。
の厚さ)は、用途に応じて 100〜3000μm 程度の範囲か
ら適宜選択される。例えば、ガスタービン翼部では 100
〜300μm 程度、燃焼器内面では 200〜2000μm 程度と
することが好ましい。
合層2または金属基材1の直上に設けられ、弾性率E1
を有する高弾性率の第1のセラミックス層3aと、この
第1のセラミックス層3a上に設けられ、E2 <E1 を
満足する弾性率E2 を有する低弾性率の第2のセラミッ
クス層3bとを有している。
第1のセラミックス層3aは高硬度のセラミックス層、
および第2のセラミックス層3bは低硬度のセラミック
ス層と言い換えることもできる。この場合、第1のセラ
ミックス層3aの硬度H1 と第2のセラミックス層3b
の硬度H2 とは、少なくともH1 >H2 を満足させるも
のとする。
する第1のセラミックス層3aを、金属結合層2または
金属基材1の直上に形成することによって、セラミック
ス遮熱層3の耐剥離性や耐割れ性を高めることができ
る。なぜなら、セラミックス遮熱層3に熱サイクル等が
印加された場合、それによる熱応力は金属結合層2また
は金属基材1との界面近傍に集中する。このような界面
近傍部分に、高弾性率および高硬度に基いて高強度を有
する第1のセラミックス層3aを形成することによっ
て、熱応力に起因する亀裂や割れの発生を抑制すること
ができる。従って、界面近傍部分の亀裂や割れ等に起因
するセラミックス遮熱層3の剥離を防止することが可能
となる。
性率および高硬度を有する第1のセラミックス層3aで
形成すると、熱サイクル等が印加された際にセラミック
ス層内で発生する応力σ1 が大きくなるため、熱衝撃や
熱応力等により急激に亀裂が進展して割れ等が発生しや
すくなる。
は、σ=E・△α・△T/(1−ν2 )で表される。式
中、Eは弾性率、△αは熱膨張率の差、△Tは温度差、
νはポアソン比である。条件が一定の場合には△α、△
Tおよびνは定数となるため、セラミックス層の弾性率
Eが大きいほど、発生応力σは大きくなる。このため、
セラミックス遮熱層3全体を第1のセラミックス層3a
で形成した場合には、耐熱衝撃性等が大幅に低下する。
率および低硬度を有しており、その内部に生じる応力σ
2 は小さい。このような第2のセラミックス層3bを第
1のセラミックス層3a上に同じ膜厚で形成した場合、
セラミックス遮熱層3全体としての弾性率Em はおおよ
そEm =(E1 +E2 )/2 で表される。すなわち、そ
れぞれの構成膜厚比によって、セラミックス遮熱層3全
体としての弾性率EmをE2 <Em <E1 に変化させる
ことができる。
しての弾性率Em を、低弾性率の第2のセラミックス層
3bを形成して下げることによって、セラミックス遮熱
層3全体としての発生応力σm を小さくすることができ
る。セラミックス遮熱層3全体としての発生応力σm は
σ2 <σm <σ1 となる。従って、高弾性率および高硬
度を有する第1のセラミックス層3a上に、低弾性率お
よび低硬度の第2のセラミックス層3bを形成すること
によって、熱衝撃や熱応力等により急激に亀裂が進展し
て割れ等が発生することを抑制することができる。
の弾性率、硬度、密度(気孔率)や使用環境条件等によ
って異なるものの、ガスタービンの動静翼に使用する場
合には、上述したような理由から 0.1〜 200μm 程度と
することが好ましい。第1のセラミックス層3aの厚さ
が 0.1μm 未満であると、金属結合層2または金属基材
1に対する十分な密着性が得られないおそれがある。ま
た、金属結合層2または金属基材1の酸化抑制効果も低
下する。一方、第1のセラミックス層3aの厚さが 200
μm を超えると、セラミックス遮熱層3全体としての発
生応力が大きくなるため、逆に割れ等が生じやすくな
り、さらには熱遮蔽性の低下等を招くおそれがある。第
1のセラミックス層3aの厚さは、同層の弾性率や硬度
が大きいほど、薄く設定することが好ましい。
第1のセラミックス層3aの形成範囲や強度を適宜設定
することが好ましい。例えば、耐熱部材4の使用温度が
1073K 以下の場合、発生する熱応力は小さいため、割れ
や剥離等が生じやすい部位は金属結合層2または金属基
材1の直上から 0.1〜 200μm 程度の範囲のセラミック
ス被覆層3内部である。従って、このような範囲に高強
度を有する第1のセラミックス層3aを配置すること
で、セラミックス遮熱層3の耐割れ性や耐剥離性を高め
ることができる。
力が大きく作用する場合には、セラミックス被覆層3の
剥離部位はより金属結合層2または金属基材1との界面
に近い部分となる。具体的には、金属結合層2または金
属基材1の直上から 0.1〜50μm 程度の範囲となる。こ
のような場合には、この大きな応力が作用する部分をよ
り一層高強度化することが望ましい。すなわち、弾性率
および硬度がより大きいセラミックス層をその部分に存
在させることが好ましい。
される破壊応力や必要とされる熱遮蔽性等を考慮して設
定すればよく、具体的には50〜3000μm 程度とすること
が好ましい。第2のセラミックス層3bの厚さが50μm
未満であると、セラミックス遮熱層3全体としての熱衝
撃緩和効果や熱遮蔽性等が低下するおそれがある。一
方、3000μm を超えると耐熱サイクル性の低下等を招く
おそれがある。
うに高弾性率および高硬度を有する層である。第1のセ
ラミックス層3aの弾性率E1 は、基本的には第2のセ
ラミックス層3bの弾性率E2 より高ければよいが、具
体的には45GPa 以上とすることが好ましい。第1のセラ
ミックス層3aの弾性率E1 が45GPa 未満であると、セ
ラミックス遮熱層3の金属結合層2または金属基材1と
の界面近傍部分からの割れや剥離等を十分に抑制するこ
とができないおそれがある。第1のセラミックス層3a
の弾性率E1 は、耐割れ性や耐剥離性等を一層高めるこ
とができる50GPa 以上とすることがより好ましい。
E2 は45GPa 未満であることが好ましい。第2のセラミ
ックス層3bの弾性率E2 が45GPa を超えると、セラミ
ックス遮熱層3全体としての発生応力を十分に小さくす
ることができないおそれがある。第2のセラミックス層
3bの弾性率E2 は、より一層発生応力を低減すること
ができる40GPa 以下とすることがより好ましい。ただ
し、第2のセラミックス層3bの弾性率E2 があまり小
さすぎると、セラミックス層としての本質的な強度が損
われるため、20GPa 以上とすることが好ましい。
率Eとは、各セラミックス層を単独で形成した場合に測
定した値を指すものである。弾性率E(=σ/e)は、
単独で形成したセラミックス層に応力σを加え、その際
の弾性歪みeを測定することにより求める。
1 は、基本的には第2のセラミックス層3bの硬度H2
より高ければよいが、具体的には 650Hv以上であること
が好ましい。第2のセラミックス層3bの硬度H2 は 6
50Hv未満であることが好ましい。これら第1および第2
のセラミックス層3a、3bの硬度H1 、H2 の規定
は、上記した弾性率E1 、E2 と同様な理由に基くもの
である。なお、本発明で言うセラミックス層(断面また
は表面)の硬度Hとは、 200gfの荷重を30秒間保持した
際に得られるビッカース硬度(Hv)を指すものとする。
クス層3aを得る手段としては、まず材料特性としての
弾性率が高い材料を使用することが挙げられる。焼結体
の弾性率が比較的大きいアルミナ、アルミナ−チタニア
複合酸化物、マグネシア、スピネル等は、第1のセラミ
ックス層3aの構成材料として好ましく用いられる。こ
の際、低弾性率の第2のセラミックス層3bには、それ
らより焼結体の弾性率が低く、かつ熱遮蔽性に優れる安
定化ジルコニアが好ましく用いられる。
ち、特にマグネシアは熱膨張率がセラミックス材料とし
ては大きく、かつジルコニアのそれよりも大きいため、
金属結合層2または金属基材1との熱膨張率差(△α)
を低下させることができる。このような物質層を金属結
合層2または金属基材1の直上に形成すると、セラミッ
クス遮熱層3の剥離原因である、熱膨張率差△αに比例
する熱応力を低下させることができるので有利である。
遮蔽性がジルコニアに比べて劣るため、セラミックス遮
熱層3の一部分として用いることが好ましい。例えば、
第1のセラミックス層3aをアルミナ、アルミナ−チタ
ニア系酸化物、マグネシア、スピネル等で構成した場合
には、第2のセラミックス層3bは熱遮蔽性に優れる安
定化ジルコニアを用いることが好ましい。また、第1の
セラミックス層3aの一部として用いてもよい。
係するため、高硬度のセラミックス層は第1のセラミッ
クス層3aとして好適である。さらに、セラミックス層
の弾性率および硬度はその密度や表面粗さに大きく影響
される。従って、セラミックス層の相対密度を高密度化
することによっても、高弾性率および高硬度を有する第
1のセラミックス層3aを得ることができる。第2のセ
ラミックス層3bについては、相対密度を低く設定する
ことによって、低弾性率および低硬度を得ることができ
る。
密度のセラミックス層により実現することができ、また
第2のセラミックス層3bは低密度のセラミックス層に
より実現することができる。この場合、第1のセラミッ
クス層3aの相対密度D1 と第2のセラミックス層3b
の相対密度D2 とは、少なくともD1 >D2 を満足させ
るものとするが、具体的には第1のセラミックス層3a
の相対密度D1 は 88%以上とすることが、また第2のセ
ラミックス層3bの相対密度D2 は 88%未満とすること
が好ましい。
が 88%未満であると、高弾性率および高硬度を達成する
ことができないだけおそれがあるだけでなく、金属結合
層2または金属基材1の酸化を促進して、セラミックス
遮熱層3の界面近傍からの剥離が生じやすくなる。言い
換えると、金属結合層2または金属基材1の直上に、相
対密度D1 が 88%以上の高密度の第1のセラミックス層
3aを形成することにより、金属結合層2または金属基
材1の酸化を抑制することができる。従って、金属結合
層2の酸化等に伴って発生する応力により、セラミック
ス遮熱層3の界面近傍からの剥離をより一層有効に抑制
することが可能となる。第1のセラミックス層3aの相
対密度D1 は、弾性率や硬度、さらには金属結合層2ま
たは金属基材1の酸化抑制の観点から、 90%以上とする
ことがより好ましい。
度D2 が 88%を超えると、低弾性率および低硬度を達成
することができないだけおそれがあるだけでなく、熱遮
蔽性が低下して、セラミックス遮熱層3としての本来の
特性を損うおそれがある。言い換えると、相対密度D2
が 88%未満の低密度の第2のセラミックス層3bを第1
のセラミックス層3a上に形成することによって、十分
な熱遮蔽効果を得ることができる。さらに、第2のセラ
ミックス層3bにより熱遮蔽に必要な膜厚を満すことが
できる。第2のセラミックス層3bの相対密度D2 は、
熱遮蔽性等の観点から 85%以下とすることがより好まし
い。ただし、第2のセラミックス層3bの相対密度D2
があまり小さすぎると、セラミックス層としての本質的
な強度が損われるため、相対密度D2 は 75%以上とする
ことが好ましい。
クス層3aは例えばPVD法、CVD法、スピンコーテ
ィング法等により容易に形成することができる。特に、
PVD法の中でも電子ビームを用いたEB−PVD法を
適用することが好ましい。
な方法で高密度の第1のセラミックス層3aを形成する
場合、金属結合層2または金属基材1に対してa軸また
はc軸のいずれか、またはそれら双方の方向に配向した
セラミックス層とすることが好ましい。このような配向
性を有する高密度ジルコニア層は、金属結合層2または
金属基材1に対して良好な密着性を示す。よって、セラ
ミックス遮熱層3と金属結合層2または金属基材1との
界面で起こる剥離を抑制し、セラミックス遮熱層3の耐
熱疲労特性の向上に効果を発揮する。
用いて例えば安定化ジルコニア層の回折強度I(h,k,l)
を測定した場合に、It/c (200) またはIt (002) (t
は正方晶系、cは立方晶系を意味する)のどちらか、あ
るいはその回折強度の和が、(200)、 (002)またはそれ
らの高次の回折面以外で最も大きい回折強度に対して1.
0倍を超えることを意味する。
クス層3aは、上述した形成法以外に、溶射法によって
も形成することができる。この場合、溶射原料として用
いる粉末は、例えば粒径分布が 0.1〜88μm というよう
な細粒粉末が好ましい。溶射原料粉末の粒径分布は 1〜
60μm の範囲がより好ましく、さらには10〜40μm の範
囲が望ましい。このような細粒粉末を使用した高密度溶
射法によれば、第1のセラミックス層3aを比較的容易
に形成することができる。
末や造粒焼成粉末等よりも溶融粉砕粉末を用いることが
好ましい。溶融粉砕粉末は、セラミックス層の高弾性率
化、高硬度化、高密度化等に寄与するためである。さら
に、高密度の第1のセラミックス層3aを形成する際の
溶射法としては、大気溶射法よりも減圧雰囲気中での溶
射やHVOF法等を適用することが望ましい。
クス層3bは、溶射法により容易に形成することができ
る。適用する溶射法は実用上はプラズマ溶射法が最も有
効である。また、この際に溶射原料として用いる粉末
は、例えば粒径分布が10〜 150μm というような粗粒粉
末が好ましい。溶射原料粉末の粒径分布は44〜 125μm
の範囲がより好ましく、さらには60〜 125μm の範囲が
望ましい。また特に、粗粒状の溶射原料粉末には溶融粉
砕粉末よりも、造粒粉末や造粒焼成粉末を用いることが
好ましい。造粒粉末や造粒焼成粉末は、セラミックス層
の低弾性率化、低硬度化、低密度化等に寄与するためで
ある。
ついては、表面粗さが小さいほど弾性率や硬度を高める
ことができる。従って、第1のセラミックス層3aの表
面粗さは小さくすることが好ましい。逆に、第2のセラ
ミックス層3bの表面粗さは大きくすることが好まし
い。この際、第1のセラミックス層3aの表面粗さR1
と第2のセラミックス層3bの表面粗さR2 とは、少な
くともR1 <R2 を満足させることが好ましい。
さは、十点平均粗さRz をRz ≧55μm 、最大高さR
max をRmax ≧80μm 、中心線平均粗さRa をRa ≧
7.5μmとすることが好ましい。これら表面粗さは少なく
ともその 1つを満足させればよいが、全てを満足させる
ことが望ましい。このような表面粗さを有するセラミッ
クス層は、熱サイクル等により亀裂が発生しにくく、さ
らに亀裂の進展を迂回させることができるため、より一
層耐熱疲労特性の向上を図ることが可能となる。第2の
セラミックス層3bの表面粗さはRz >58μm 、Rmax
>90μm 、Ra >8.0μm とすることがさらに好まし
い。
基材1の直上に形成された高弾性率、高硬度、高密度を
有する第1のセラミックス層3aと、この第1のセラミ
ックス層3b上に形成された低弾性率、低硬度、低密度
を有する第2のセラミックス層3bとで、セラミックス
遮熱層3を構成することによって、熱疲労による割れや
剥離の発生、および熱衝撃等による割れの発生を共に安
定に抑制することが可能となる。従って、この実施形態
の耐熱部材4は、高温雰囲気でかつ熱サイクルや熱衝撃
等が付加されるような運転環境下で、長時間安定して使
用することができるものである。このような耐熱部材4
は、ガスタービンやエンジン等の高温機器の構成材料等
として好適である。
ルコニア層を有する耐熱部材4を、長時間高温酸化性雰
囲気中で使用した場合、その下部の金属結合層2の酸化
を完全に防止することは極めて困難である。そして、こ
の酸化層の形成によって、セラミックス遮熱層3の密着
性が低下して、剥離(酸化物層内での剥離)が生じる場
合がある。
層2上に生成する酸化層の成長速度を抑制するために、
第1のセラミックス層3aを低酸素濃度雰囲気中で作製
したり、また作製後に低酸素濃度雰囲気中で熱処理を施
すことが好ましい。このような成膜および熱処理によれ
ば、第1のセラミックス層3aと金属結合層2との界面
に、緻密なアルミナ層を形成することができる。この熱
処理は相対密度が大きいセラミックス層に対して有効で
あり、特に相対密度 88%以上の開気孔が小さい第1のセ
ラミックス層3aに対して効果的である。
示すように、金属結合層2と第1のセラミックス層3a
との間に予め緻密なアルミナ層5を形成しておく。この
緻密なアルミナ層5は、第1のセラミックス層3aから
金属結合層2への酸素拡散を抑制する。セラミックス遮
熱層3を金属基材1上に直接形成する場合においても、
同様な熱処理が有効である。低酸素濃度雰囲気中で熱処
理を施すことによって、第1のセラミックス層3a特に
ジルコニア層中の酸素欠損量が増加するため、金属結合
層2の酸化に消費される酸素が低減される。これによっ
て、酸化層の成長速度を抑制することができる。
により形成したアルミナ層5は、その成長速度が小さい
ことから高密度化される。この高密度のアルミナ層5は
酸素の拡散を抑制することから、その結果としてさらに
酸化層の成長速度を抑制することができる。これらによ
って、金属結合層2上の酸化層内での亀裂等に伴う第1
のセラミックス層3aの剥離を抑制することが可能とな
る。
濃度は酸素分圧で 0.2気圧以下とすることが好ましい。
また処理温度は、 773〜 1473K程度とすることが好まし
い。雰囲気酸素濃度は小さいほどよく、望ましくは真空
中で行うとよい。熱処理温度に関しては、高温であるほ
ど短時間で第1のセラミックス層3aの酸素欠陥を造出
することができるため、金属基材1や金属結合層2の耐
熱温度を考慮して設定することが好ましい。一方、低温
においては十分にアルミナ層5を形成することができ
ず、酸化層の成長抑制効果が不十分となることから、熱
処理温度は773K以上とすることが好ましい。
ス層3aの形成後に行うものとするが、第2のセラミッ
クス層3bの形成後に行ってもよいし、また第1のセラ
ミックス層3aの形成を低酸素濃度雰囲気中で行っても
ほぼ同様な効果が得られる。次に、本発明の他の実施形
態による耐熱部材について、図4を参照して説明する。
図4に示す耐熱部材6は、前述した実施形態における第
2のセラミックス層3b上に、さらに第1のセラミック
ス層3aと同様な高弾性率、高硬度、高密度を有する第
3のセラミックス層3cが形成されている。セラミック
ス遮熱層3は、これら 3層のセラミックス層3a、3
b、3cで構成されている。それ以外の構成については
前述した実施形態と同様である。
は、弾性率E3 はE3 >E2 を満足させる。硬度H3 は
H3 >H2 を満足させる。相対密度D3 はD3 >D2 を
満足させる。これらの具体的な条件は、前述した第1の
セラミックス層3aと同様とすることが好ましい。
航空機用エンジンの実機使用環境においては、微細な粉
塵や粗粒子がセラミックス遮熱層3に衝突して損傷を与
えるという問題がある。そこで、セラミックス遮熱層3
の最表面に高弾性率、高硬度、高密度の第3のセラミッ
クス層3cを形成する。これによって、飛来物等による
セラミックス遮熱層3の損傷や摩耗を抑制することがで
きる。
ミックス層で構成した場合には、表面の損傷により内部
にまで亀裂や割れが急激に進行し、局部的に酸化が促進
されてセラミックス遮熱層3の剥離等が生じるおそれが
大きい。これに対して、高弾性率、高硬度、高密度の第
1のセラミックス層3a、低弾性率、低硬度、低密度の
第2のセラミックス層3b、および高弾性率、高硬度、
高密度の第3のセラミックス層3cを順に形成したセラ
ミックス遮熱層3においては、中間の第2のセラミック
ス層3bによって、急激な亀裂進展や熱応力が緩和され
るため、セラミックス遮熱層3の剥離等を有効に防止す
ることができる。
ミックス層3aと同様にPVD法、CVD法、スピンコ
ーティング法、細粒粉末を用いた高密度溶射法等により
形成することができる。溶射法のうちでも、特に低真空
溶射法、HVOF法、JP(ジェットプラズマ)法等が
好ましく用いられる。
記した溶射法でセラミックス層を形成した後、レーザ処
理を行って表面のみを高硬度のセラミックス層に改質す
るというような手法を利用してもよい。このような改質
法によれば、さらに高硬度のセラミックス層を得ること
ができる。
は、第1のセラミックス層3aの膜厚にもよるが、 100
μm 以下とすることが好ましい。特に第1のセラミック
ス層3aの膜厚が大きい場合には、第3のセラミックス
層3cに作用する熱応力を増加させないためにも、その
膜厚を小さくすることが好ましい。また逆に、飛来物等
による損傷の抑制効果を高めたい場合には、第1のセラ
ミックス層3aの膜厚を小さくすることが好ましい。特
に、第1のセラミックス層3aと第3のセラミックス層
3cの膜厚の合計は、それぞれの弾性率や硬度にもよる
が、 300μm を超えないことが好ましい。さらに、第1
および第3のセラミックス層3a、3cの膜厚合計は 2
00μm 程度とすることが望ましい。
クス遮熱層を 2層構造または 3層構造とする場合につい
て説明したが、セラミックス遮熱層は 4層以上のセラミ
ックス層で構成することも可能である。例えば、第1の
セラミックス層や第2のセラミックス層をそれぞれ複数
の層で構成してもよい。第3のセラミックス層について
も同様である。
価結果について述べる。
したNi基超合金基材上に、スピンコーティング法で厚
さ30μm の安定化ジルコニア層(8重量% Y2 O3 −Zr
O2 )を形成した。このスピンコーティング法による安
定化ジルコニア層が第1のセラミックス層である。
は 90%であった。また、同一条件で作製した安定化ジル
コニア層の弾性率とビッカース硬度を以下のようにして
測定した。弾性率はRa < 2.0μm のステンレス板上に
安定化ジルコニア層のみを300μm 被覆し、これを50×4
0mmに加工した後、歪ゲージとインストロンを用いて測
定した。ビッカース硬度(Hv)は 200gfの荷重(断面に対
して)を30秒間保持して測定した。その結果、弾性率は
50GPa 、ビッカース硬度は 700Hvであった。次いで、上
記した第1の安定化ジルコニア層上に、同組成の安定化
ジルコニア層をプラズマ溶射法により厚さ 100μm 以下
で形成した。このプラズマ溶射法による安定化ジルコニ
ア層の表面粗さを測定した後、再度プラズマ溶射法によ
り同組成の安定化ジルコニア層をトータルの厚さが 300
μm となるように形成した。このプラズマ溶射法による
安定化ジルコニア層が第2のセラミックス層である。プ
ラズマ溶射法による第2の安定化ジルコニア層の相対密
度は 85%であった。また同一条件のプラズマ溶射法によ
り、安定化ジルコニア層を単層で形成し、この安定化ジ
ルコニア層の弾性率とビッカース硬度を、上記した方法
で測定した。その結果、弾性率は38GPa 、ビッカース硬
度は 480Hvであった。
ニア遮熱層を有する耐熱部材を作製した。なお、第2の
安定化ジルコニア層の最表面の表面粗さはRz ≧55μm
、Rmax ≧80μm 、Ra ≧ 7.5μm であった。
ンコーティング法のみで実施例1と同厚の安定化ジルコ
ニア層を形成した(比較例1)。また、同様にプラズマ
溶射法のみで同厚の安定化ジルコニア層を形成した(比
較例2)。これら比較例1、2による各安定化ジルコニ
ア層は、実施例1と同様な相対密度、弾性率、ビッカー
ス硬度を有するものである。
る各耐熱部材の試験片を、それぞれ1373K× 1時間+298
K× 1時間を 1サイクルとする熱疲労試験に供し、安定
化ジルコニア遮熱層が剥離に至までの熱サイクル数を測
定した。その結果、実施例1の耐熱部材では1000回を超
える熱サイクルに耐え、剥離は認められなかった。一
方、比較例1や比較例2では数10回で亀裂が認められ、
比較例1では 150サイクル、比較例2では 100サイクル
で剥離が生じた。
第2の安定化ジルコニア層の表面粗さがRz <55μm 、
Rmax <80μm 、Ra < 7.5μm の場合には、耐え得る
熱サイクル数に低下が認められた。
r−Al−Y層をプラズマ溶射法で形成した。この金属
結合層上に、EB−PVD法で厚さ 1μm の第1の安定
化ジルコニア層を形成した。安定化ジルコニアの組成は
4〜20重量% Y2 O3 −ZrO2 とした。Y2 O3 濃度
を上記範囲内で変化させて、複数の部材を作製した。こ
れら第1の安定化ジルコニア層の相対密度は、いずれも
90%以上であった。また、実施例1と同様にして、EB
−PVD法による各安定化ジルコニア層の弾性率とビッ
カース硬度を測定した。その結果、弾性率は48〜55GPa
、ビッカース硬度は 650〜 700Hvであった。
0.2気圧の低酸素濃度雰囲気中で1273K×20時間の熱処
理を施した。この段階で、Ni−Co−Cr−Al−Y
層と第1の安定化ジルコニア層との界面には、緻密なア
ルミナ層がそれぞれ生成していることを、SEM観察に
より確認した。また、第1の安定化ジルコニア層はそれ
ぞれa軸またはc軸に配向していることを確認した。
2のセラミックス層として、それぞれプラズマ溶射法で
厚さ 200μm の同組成の安定化ジルコニア層を形成し
た。このようにして、安定化ジルコニア遮熱層を有する
複数の耐熱部材を作製した。プラズマ溶射法による第2
の安定化ジルコニア層の相対密度はいずれも 80%であっ
た。また、実施例1と同様にして、プラズマ溶射法によ
る各安定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を測
定した。その結果、弾性率は28〜40GPa 、ビッカース硬
度は 400〜 580Hvであった。
を、まず大気中 1273Kで 10000時間保持した後、それぞ
れ 1223K× 1時間+298K× 1時間を 1サイクルとする熱
疲労試験に供し、安定化ジルコニア遮熱層が剥離に至ま
での熱サイクル数を測定した。また、試験後のNi−C
o−Cr−Al−Y層と第1の安定化ジルコニア層との
界面近傍の状態をSEM観察により調べた。
階以上のNi−Co−Cr−Al−Y層の酸化は抑制さ
れていた。また、1000回を超える熱サイクル後において
も剥離は認められなかった。なお、実施例2による耐熱
部材において、第1の安定化ジルコニア層の配向性が
(111)や (311)である場合には、耐え得る熱サイクル数
に低下が認められた。
r−Al−Y層を大気溶射法で形成した。この金属結合
層上に、 8重量% Y2 O3 −ZrO2 組成の溶融粉砕粉
末(粒径分布:10〜40μm )を溶射原料として用いて、
大気プラズマ溶射法で厚さ 150μm の第1の安定化ジル
コニア層を形成した。この第1の安定化ジルコニア層の
相対密度は 89%であった。また、実施例1と同様にし
て、溶融粉砕粉末を用いた大気プラズマ溶射法による安
定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を測定し
た。その結果、弾性率は60GPa 、ビッカース硬度は 700
Hvであった。
組成の造粒焼成粉末(粒径分布:10〜88μm )を溶射原
料として用いて、大気プラズマ溶射法で厚さ 100μm の
第2の安定化ジルコニア層を形成した。この第2の安定
化ジルコニア層の相対密度は80%であった。また実施例
1と同様にして、造粒焼成粉末を用いた大気プラズマ溶
射法による安定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬
度を測定した。その結果、弾性率は35GPa 、ビッカース
硬度は 550Hvであった。第2の安定化ジルコニア層の表
面粗さはRz ≧58μm 、Rmax ≧88μm 、Ra ≧ 8.3μ
m であった。
たNi基超合金基材上に、 8重量% Y2 O3 −ZrO2
組成の造粒焼成粉末(粒径分布:10〜88μm )を溶射原
料として用いて、大気プラズマ溶射法で厚さ 150μm の
安定化ジルコニア層を形成した。この安定化ジルコニア
層の相対密度は 88%であった。また、実施例1と同様に
して、造粒焼成粉末を用いた大気プラズマ溶射法による
安定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を測定し
た。その結果、弾性率は32GPa 、ビッカース硬度は 480
Hvであった。
に、同組成の溶融粉砕粉末(粒径分布:10〜40μm )を
溶射原料として用いて、大気プラズマ溶射法で厚さ 100
μm の安定化ジルコニア層を形成した。この安定化ジル
コニア層の相対密度は 90%であった。また、実施例1と
同様にして、溶融粉砕粉末を用いた大気プラズマ溶射法
による安定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を
測定した。その結果、弾性率は55GPa 、ビッカース硬度
は 700Hvであった。溶融粉砕粉末を用いて大気溶射法で
形成した安定化ジルコニア層の表面粗さは、Rz ≦50μ
m 、Rmax ≦70μm 、Ra ≦ 6.8μm であった。
たNi基超合金基材上に、 8重量% Y2 O3 −ZrO2
組成の造粒焼成粉末(粒径分布:10〜88μm )を溶射原
料とした大気プラズマ溶射法で、厚さ 250μm の安定化
ジルコニア層のみを形成した。この安定化ジルコニア層
の相対密度は 79%であった。また、実施例1と同様にし
て、造粒焼成粉末を用いた大気プラズマ溶射法による安
定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を測定し
た。その結果、弾性率は42GPa 、ビッカース硬度は 470
Hvであった。この安定化ジルコニア層の表面粗さは、R
z ≧61μm 、Rmax ≧90μm 、Ra ≧ 7.3μm であっ
た。
たNi基超合金基材上に、 8重量% Y2 O3 −ZrO2
組成の溶融粉砕粉末(粒径分布:10〜40μm )を溶射原
料とした大気プラズマ溶射法で、厚さ 250μm の安定化
ジルコニア層のみを形成した。この安定化ジルコニア層
の相対密度は 92%であった。また、実施例1と同様にし
て、溶融粉砕粉末を用いた大気プラズマ溶射法による安
定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を測定し
た。その結果、弾性率は70GPa 、ビッカース硬度は 750
Hvであった。この安定化ジルコニア層の表面粗さは、R
z ≦53μm 、Rmax ≦60μm 、Ra ≦ 6.2μm であっ
た。
による各耐熱部材の試験片を、それぞれ 1273K× 1時間
+298K× 1時間を 1サイクルとする熱疲労試験に供し、
安定化ジルコニア遮熱層が剥離に至までの熱サイクル数
を測定した。その結果、実施例3の耐熱部材では、7000
回を超える熱サイクルに耐え、剥離は認められなかっ
た。一方、比較例3では 400サイクル、比較例4では50
00サイクル、比較例5では20サイクルで剥離が生じた。
r−Al−Y層を大気プラズマ溶射法で形成した。この
金属結合層上に、MgOの溶融粉砕粉末(粒径分布:10
〜40μm )を用いた大気プラズマ溶射法で、厚さ50μm
のマグネシア層を第1のセラミックス層として形成し
た。このマグネシア層の相対密度は 92%であった。ま
た、実施例1と同様にして、マグネシア層の弾性率とビ
ッカース硬度を測定した。その結果、弾性率は72GPa 、
ビッカース硬度は 730Hvであった。
% Y2 O3 −ZrO2 組成の溶融粉砕粉末(粒径分布:
10〜40μm )を用いた大気プラズマ溶射法で、厚さ 100
μmの安定化ジルコニア層を形成した。続いて、同組成
の造粒焼成粉末(粒径分布:10〜88μm )を用いた大気
プラズマ溶射法で、厚さ 100μm の安定化ジルコニア層
を形成した。
コニア層と造粒焼成粉末を用いた安定化ジルコニア層の
相対密度は、それぞれ 91%、 82%であった。また、実施
例1と同様にして、この 2層構造の安定化ジルコニア層
の弾性率とビッカース硬度を測定した。その結果、弾性
率はそれぞれ 46GPa、 39GPa、ビッカース硬度はそれぞ
れ 690Hv、 540Hvであった。最表面の安定化ジルコニア
層の表面粗さは、Rz≧63μm 、Rmax ≧95μm 、Ra
≧ 8.3μm であった。
r−Al−Y層を大気プラズマ溶射法で形成した。この
金属結合層上に、MgOの溶融粉砕粉末(粒径分布:10
〜40μm )を用いた大気プラズマ溶射法で、厚さ 100μ
m のマグネシア層を第1のセラミックス層として形成し
た。このマグネシア層の相対密度は 85%であった。また
実施例1と同様にして、マグネシア層の弾性率とビッカ
ース硬度を測定した。その結果、弾性率は75GPa 、ビッ
カース硬度は 740Hvであった。
% Y2 O3 −ZrO2 組成の造粒粉末(粒径分布:10〜
88μm )を用いた大気プラズマ溶射法で、厚さ 150μm
の安定化ジルコニア層を形成した。この安定化ジルコニ
ア層の相対密度は 79%であった。また、実施例1と同様
にして、安定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度
を測定した。その結果、弾性率は28GPa 、ビッカース硬
度は 450Hvであった。安定化ジルコニア層の表面粗さ
は、Rz ≧62μm 、Rmax ≧93μm 、Ra ≧ 8.0μm で
あった。
r−Al−Y層を大気プラズマ溶射法で形成した。この
金属結合層上に、Al2 O3 − 10%TiO2 組成の溶融
粉砕粉末(粒径分布:10〜40μm )を用いた大気プラズ
マ溶射法で、厚さ 100μm のAl2 O3 −TiO2 層を
第1のセラミックス層として形成した。このAl2 O3
−TiO2 層の相対密度は 82%であった。また、実施例
1と同様にして、Al2 O3 −TiO2 層の弾性率とビ
ッカース硬度を測定した。その結果、弾性率は60GPa 、
ビッカース硬度は 680Hvであった。
に、 8重量% Y2 O3 −ZrO2 組成の溶融粉砕粉末
(粒径分布:10〜40μm )を用いた大気プラズマ溶射法
で、厚さ50μm の安定化ジルコニア層を形成した。続い
て、同組成の造粒焼成粉末(粒径分布:10〜88μm )を
用いた大気プラズマ溶射法で、厚さ 100μm の安定化ジ
ルコニア層を形成した。
相対密度はそれぞれ 91%、 86%であった。また実施例1
と同様にして、 2層構造の安定化ジルコニア層の弾性率
とビッカース硬度を測定した。その結果、弾性率はそれ
ぞれ43GPa 、35GPa 、ビッカース硬度はそれぞれ 680H
v、 500Hvであった。なお、最表面の安定化ジルコニア
層の表面粗さは、Rz ≧60μm 、Rmax ≧85μm 、Ra
≧ 7.9μm であった。
材の試験片を、それぞれ 1273K×1時間+298K× 1時間
を 1サイクルとする熱疲労試験に供し、セラミックス遮
熱層が剥離に至までの熱サイクル数を測定した。その結
果、実施例4、5、6の各耐熱部材では、7000回を超え
る熱サイクルに耐え、剥離は認められなかった。
のマグネシア層の厚さを 210μm とする以外は、実施例
5と同一構造の耐熱部材を作製した。また参考例2とし
て、上記した実施例6のAl2 O3 −TiO2 層の厚さ
を 220μm とする以外は、実施例6と同一構造の耐熱部
材を作製した。
労試験を同様にして行ったところ、参考例1では 300サ
イクル、参考例2では 100サイクルで剥離が生じた。こ
のように、高弾性率および高硬度の第1のセラミックス
層の膜厚を厚くしすぎると、その内部で割れ等が生じや
すくなることから、十分な熱疲労特性等を得ることがで
きないおそれが生じる。
r−Al−Y層を大気プラズマ溶射法で形成した。この
金属結合層上に、基材温度を 773〜 1153Kに加熱して、
EB−PVD法で厚さ20μm の第1の安定化ジルコニア
層(8重量% Y2O3 −ZrO2 )を形成した。この第1
の安定化ジルコニア層の相対密度は 93%であった。ま
た、実施例1と同様にして、EB−PVD法による第1
の安定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を測定
した。その結果、弾性率は55GPa 、ビッカース硬度は 6
80Hvであった。
ズマ溶射法で、厚さ 100μm の同組成の安定化ジルコニ
ア層を形成した。このプラズマ溶射法による第2の安定
化ジルコニア層の相対密度は 85%であった。また、実施
例1と同様にして、プラズマ溶射法による第2の安定化
ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を測定した。そ
の結果、弾性率は40GPa 、ビッカース硬度は 580Hvであ
った。
磨した後、EB−PVD法で厚さ100μm の同組成の安
定化ジルコニア層を形成した。このEB−PVD法によ
る第3の安定化ジルコニア層の相対密度は 90%であっ
た。また実施例1と同様にして、EB−PVD法による
第3の安定化ジルコニア層の弾性率とビッカース硬度を
測定した。その結果、弾性率は50GPa 、ビッカース硬度
は 670Hvであった。
l−Y層を形成した Ni基超合金基材上に、大気プラズマ溶射法で厚さ 100
μm の安定化ジルコニア層に形成した。また、参考例3
として、厚さ 150μm のNi−Co−Cr−Al−Y層
を形成したNi基超合金基材上に、EB−PVD法で厚
さ20μm の安定化ジルコニア層および大気プラズマ溶射
法で厚さ 200μm の安定化ジルコニア層を順に形成し
た。
による各耐熱部材の試験片に対して、SiC、SiO2
およびAl2 O3 の混合粉末を 25g/minで流した条件下
で、それぞれ1373K × 1時間+298K× 1時間を 1サイク
ルとする熱疲労試験を実施した。その結果、実施例7に
よる耐熱部材では 500回を超える熱サイクルに耐え、ま
た表面の損傷や剥離も認められなかった。一方、比較例
6では表面損傷による亀裂発生によって、 100サイクル
で剥離が生じた。また、参考例3では30サイクルで剥離
損傷が見られ、 150サイクルを超えるとジルコニア層の
大部分が損失する結果となった。
r−Al−Y層を大気プラズマ溶射法で形成した。この
金属結合層上に、 8重量% Y2 O3 −ZrO2組成の溶
融粉砕粉末(粒径分布:10〜40μm )を用いた大気プラ
ズマ溶射法で、厚さ 100μm の第1の安定化ジルコニア
層を形成した。この第1の安定化ジルコニア層の相対密
度は 93%であった。また実施例1と同様にして、大気溶
射法による第1の安定化ジルコニア層の弾性率とビッカ
ース硬度を測定した。その結果、弾性率は50GPa 、ビッ
カース硬度は 680Hvであった。
組成の造粒焼成粉末(粒径分布:10〜88μm )を用いた
大気プラズマ溶射法で、厚さ 100μm の第2の安定化ジ
ルコニア層を形成した。続いて、同組成の溶融粉砕粉末
(粒径分布:10〜40μm )を用いた大気プラズマ溶射法
で、厚さ50μm の第2の安定化ジルコニア層を形成し
た。
7%、第3の安定化ジルコニア層の相対密度は 90%であっ
た。また、これらの弾性率およびビッカース硬度は、弾
性率が40GPa 、49GPa 、ビッカース硬度が 550Hv、 700
Hvであった。測定は実施例1と同様にして行った。第3
の安定化ジルコニア層の表面粗さは、Rz ≦54μm 、R
max ≦75μm 、Ra ≦ 6.4μm であった。
さを 100μm とする以外は、実施例8と同一条件で耐熱
部材を作製した。
さを 200μm とする以外は、実施例8と同一条件で耐熱
部材(参考例4)を作製した。また、上記実施例8にお
いて、第2の安定化ジルコニア層の厚さを 150μm とす
ると共に、第3の安定化ジルコニア層を形成しない以外
は、実施例8と同一条件で耐熱部材(参考例5)を作製
した。
よる各耐熱部材の試験片に対して、粒径約30μm のSi
C粉末を2g/L(空気と混合)で吹き付けながら、それぞ
れ1273K× 1時間+298K× 1時間を 1サイクルとする熱
疲労試験を実施した。その結果、実施例8、9による耐
熱部材ではセラミックス遮熱層の損傷は少なく、7000回
を超える熱サイクル後においても剥離は認められなかっ
た。
損傷は見られなかったが、 300サイクルで剥離が認めら
れた。参考例5では実施例8、9と同様に、7000サイク
ル後においても剥離は認められなかった。しかし、セラ
ミックス遮熱層の表面の損傷が大きく、試験後の断面を
SEM観察したところ、約 100μm 膜厚が減少してい
た。
熱疲労特性および耐熱衝撃性を共に高めた耐熱部材を提
供することができる。さらに、良好な熱遮蔽効果を得た
上で、セラミックス遮熱層の下層の酸化を抑制すること
ができる。これらによって、高温雰囲気でかつ熱サイク
ルや熱衝撃等が付加されるような運転環境下での長時間
の使用に耐え得る耐熱部材を提供することが可能とな
る。
示す断面図である。
を示す断面図である。
面図である。
の構成を示す断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 金属基材と、前記金属基材上に直接、ま
たは前記金属基材上に形成された金属結合層を介して被
覆形成されたセラミックス遮熱層とを具備する耐熱部材
において、 前記セラミックス遮熱層は、前記金属基材または前記金
属結合層上に設けられ、弾性率E1 を有する高弾性率の
第1のセラミックス層と、前記第1のセラミックス層上
に設けられ、E2 <E1 を満足する弾性率E2 を有する
低弾性率の第2のセラミックス層とを有することを特徴
とする耐熱部材。 - 【請求項2】 請求項1記載の耐熱部材において、 前記第1のセラミックス層は 0.1〜 200μm の膜厚を有
し、前記第2のセラミックス層は50〜3000μm の膜厚を
有し、かつ前記第1のセラミックス層と第2のセラミッ
クス層の合計膜厚は 100〜3000μm の範囲であることを
特徴とする耐熱部材。 - 【請求項3】 請求項1記載の耐熱部材において、 前記第1のセラミックス層は表面粗さR1 を有し、かつ
前記第2のセラミックス層はR2 >R1 を満足する表面
粗さR2 を有することを特徴とする耐熱部材。 - 【請求項4】 請求項1記載の耐熱部材において、 前記第1のセラミックス層は細粒粉末を用いた高密度溶
射法により形成されたセラミックス層であり、かつ前記
第2のセラミックス層は粗粒粉末を用いた低密度溶射法
により形成されたセラミックス層であることを特徴とす
る耐熱部材。 - 【請求項5】 請求項1記載の耐熱部材において、 前記金属結合層は、M−Cr−Al−Y合金(ただし、
MはFe、NiおよびCoから選ばれる少なくとも 1種
の元素である)からなり、かつ前記第1のセラミックス
層と前記金属結合層との界面にアルミナ層が生成されて
いることを特徴とする耐熱部材。 - 【請求項6】 金属基材と、前記金属基材上に直接、ま
たは前記金属基材上に形成された金属結合層を介して被
覆形成されたセラミックス遮熱層とを具備する耐熱部材
において、 前記セラミックス遮熱層は、前記金属基材または前記金
属結合層上に設けられ、硬度H1 を有する第1のセラミ
ックス層と、前記第1のセラミックス層上に設けられ、
H2 <H1 を満足する硬度H2 を有する第2のセラミッ
クス層とを有することを特徴とする耐熱部材。 - 【請求項7】 金属基材と、前記金属基材上に直接、ま
たは前記金属基材上に形成された金属結合層を介して被
覆形成されたセラミックス遮熱層とを具備する耐熱部材
を製造するあたり、 前記金属基材または前記金属結合層上に、PVD法、C
VD法およびスピンコーティング法から選ばれる 1種の
成膜法により第1のセラミックス層を形成する工程と、 前記第1のセラミックス層上に、溶射法により第2のセ
ラミックス層を形成する工程とを有することを特徴とす
る耐熱部材の製造方法。 - 【請求項8】 金属基材と、前記金属基材上に直接、ま
たは前記金属基材上に形成された金属結合層を介して被
覆形成されたセラミックス遮熱層とを具備する耐熱部材
を製造するあたり、 前記金属基材または前記金属結合層上に、細粒粉末を用
いた高密度溶射法により第1のセラミックス層を形成す
る工程と、 前記第1のセラミックス層上に、粗粒粉末を用いた低密
度溶射法により第2のセラミックス層を形成する工程と
を有することを特徴とする耐熱部材の製造方法。
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