JPH09272872A - コークス原料炭の事前処理方法 - Google Patents

コークス原料炭の事前処理方法

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JPH09272872A
JPH09272872A JP10636096A JP10636096A JPH09272872A JP H09272872 A JPH09272872 A JP H09272872A JP 10636096 A JP10636096 A JP 10636096A JP 10636096 A JP10636096 A JP 10636096A JP H09272872 A JPH09272872 A JP H09272872A
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coal
coke
temperature
coarse
pulverized coal
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JP10636096A
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Masao Matsunaga
雅雄 松永
Yoshiaki Shimakawa
義明 島川
Kiichiro Kurihara
喜一郎 栗原
Naoto Saito
直人 斎藤
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風力分級後の粗粒炭の破壊、及び微粉炭を造
粒した造粒微粉炭の粘結不足による崩壊を防止して、乾
燥炭搬送時の発塵を抑制すると共に、コークス強度等を
維持して品質の安定したコークスを生産することのでき
るコークス原料炭の事前処理方法を提供する。 【解決手段】 コークス原料炭を風力分級機12に装入
すると共に、80℃以下に加熱された高温空気を風力分
級機12に吹き込んで、前記コークス原料炭を微粉炭と
粗粒炭とに分離した後、混練機14に前記微粉炭とバイ
ンダーとを投入して微粉炭を造粒し、該造粒微粉炭と前
記粗粒炭とをコークス炉17に搬送、装入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコークス炉に装入す
る粉砕された石炭を乾燥するコークス原料炭の事前処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉においては、粘結性等の異な
る多種類の石炭を混合配合して、高品質のコークスを生
産するに際して、石炭に付着した水分を除去してコーク
ス炉の操業を安定的に行うために、コークス炉に装入す
る前のコークス原料炭を予め乾燥、又は予熱して用いる
コークス原料炭の事前処理方法が行われている。例え
ば、特開昭62−192486号公報にはコークス炉に
装入する乾燥、予熱炭の製造において、発塵の原因とな
るサイズの石炭の微粒子部の擬似粒子化物を乾燥、予
熱、及びその後の工程において完全に破壊し、かつ発塵
しないサイズの石炭の粒子部と完全に分離し、さらに前
記発塵の原因となるサイズの石炭にバインダーを添加し
て再集合させたものを前記発塵しないサイズの粒子部に
混合してコークス炉に供給することにより発塵を抑制す
る方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾燥炭
を粗粒炭と微粉炭とに分級して、微粉炭を擬似粒子に粗
大化して発塵を防止する前記特開昭62−192486
号公報に記載の方法では、乾燥炭が必要以上の例えば1
00℃以上の温度に加熱されるため、分級後の粗粒炭が
搬送中に膨張し破壊して、微粉が発生するという問題点
があった。また、微粉炭の温度が高くなると、それに伴
ってバインダー温度も高くなるために擬似粒子化した粒
子同士の粘結力が低下し、微粉炭が元の状態に分離し、
このためにコークス炉に装入するコークス原料炭の装入
密度が低下して、コークス炉で乾留されるコークスのコ
ークス強度(DI)を低下させるという問題点があっ
た。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、
風力分級後の粗粒炭の破壊、及び微粉炭を造粒した造粒
微粉炭の粘結力不足による崩壊を防止して、乾燥炭搬送
時の発塵を抑制すると共に、コークス強度等を維持して
品質の安定したコークスを生産することのできるコーク
ス原料炭の事前処理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のコークス原料炭の事前処理方法は、コークス原料
炭を風力分級機に装入すると共に、80℃以下に加熱さ
れた高温空気を前記風力分級機に吹き込んで、前記コー
クス原料炭を微粉炭と粗粒炭とに分離した後、混練機に
前記微粉炭とバインダーとを投入して微粉炭を造粒し、
該造粒微粉炭と前記粗粒炭とをコークス炉に搬送、装入
する。請求項2記載のコークス原料炭の事前処理方法
は、請求項1記載のコークス原料炭の事前処理方法にお
いて、前記風力分級機に装入されるコークス原料炭の水
分量が4〜6wt%である。請求項3記載のコークス原
料炭の事前処理方法は、請求項1又は2記載のコークス
原料炭の事前処理方法において、前記風力分級機から排
出される粗粒炭の温度を45℃以下とする。請求項4記
載のコークス原料炭の事前処理方法は、請求項1〜3記
載のいずれか1項に記載のコークス原料炭の事前処理方
法において、前記混練機から排出される造粒微粉炭の温
度を45℃以下とする。
【0005】コークス原料炭とは、山元で洗浄され水分
を含む原料炭を、反撥式粉砕機、ハンマクラッシャ、デ
ィスインテグレータ等の破砕機により所定粒度となるよ
うに破砕された原料炭であり、必要に応じて乾燥機を用
いて所定の水分量となるように調整されたものをいう。
風力分級機とは、流動床式分級機のことで、多数の小さ
い孔が開いた床に原料炭を投入し、床の下方から空気等
の流体を吹き付けて、小粒子を空気と共に上方向に運
び、バグフィルター等で小粒子を捕集する。大粒子は床
面に残留するので、傾斜板等を使って、そのまま横移動
させることで大粒子と小粒子を分離する装置である。粗
粒炭とは、例えば粒径300μm以上の粒子を少なくと
も70wt%以上含有するようなコークス原料炭から分
離される粗粒の部分をいう。微粉炭とはコークス原料炭
から前記粗粒炭を除いた微粉部分をいう。バインダーと
は、タール、重油又は有機高分子等を有した液状物であ
り、微粉同士を結合して微粉が結合してなる擬似粒子を
生成するための結合剤である。混練機とは、微粉炭とバ
インダーとを均一に混合すると共に、この混合物を機械
的に撹拌することにより、微粉炭の微粒子同士をバイン
ダーを介して凝集結合させて、擬似粒子を造粒するため
の装置である。コークス炉とは、コークス原料炭を空気
を遮断した状態で加熱し、石炭の乾留ガスとコークスと
を製造する装置である。
【0006】加熱された高温空気とは、温度が大気温度
から80℃の範囲で、且つ室温の大気常温相当の空気を
いう。ここで、高温空気の温度が80℃を越えると、風
力分級機においてコークス原料炭と高温空気とが接触し
たときの水分の蒸発が顕著となるために、粗粒炭と微粉
炭との安定的な分級効果が得られない。また、高温空気
の温度が80℃を越えると、風力分級機から排出される
粗粒炭、及び微粉炭の温度が高くなり過ぎるために、微
粉炭を造粒した造粒微粉炭、及び粗粒炭がコークス炉へ
の搬送過程において破壊されやすくなり、これをコーク
ス炉に装入したときの装入密度を減少させると共に、コ
ークス炉への搬送中における発塵が多くなり好ましくな
い。さらに、高温空気の温度が常温大気温度(室温)よ
り低くなると、コークス原料炭の乾燥効果が得られず、
粒子間の凝集力が強いために粗粒炭と微粉炭との分離効
率が悪くなる。
【0007】風力分級機に装入されるコークス原料炭の
水分量が6wt%より大きくなると、風力分級機内での
高温空気の吹き込みによってコークス原料炭中の水分を
充分に除去することが困難となると共に、風力分級機内
部にコークス原料炭が付着し易くなって粗粒炭と微粉炭
との分離効率が損なわれる。逆に、風力分級機に装入さ
れるコークス原料炭の水分量が4wt%より少なくなる
と、風力分級機に高温空気を装入したときに、石炭(コ
ークス原料炭)が過乾燥となり、粗粒炭の破壊により微
粒炭が発生すると共に、風力分級以降の微粉炭、及び粗
粒炭の各搬送過程で発塵量が多くなるので好ましくな
い。風力分級機から排出される粗粒炭の温度が45℃よ
り高くなると、粗粒炭がコークス炉へ搬送される過程で
膨張、破壊し易くなり、発塵量を増加させる要因となる
他、コークス炉への装入密度を低下させる要因となる。
混練機から排出される造粒微粉炭の温度が45℃より高
くなると、粗粒炭と同様に造粒微粉炭自体がさらに破砕
されやすくなり、以降の搬送過程での発塵量が増加す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の第1の実施
の形態に係るコークス原料炭の事前処理方法を適用する
コークス製造設備10の概略説明図である。コークス製
造設備10は、コークス原料炭を所定の水分量まで乾燥
するための乾燥機11と、乾燥されたコークス原料炭を
粗粒炭と微粉炭とに分離するための風力分級機12と、
風力分級機12から排出される微粉炭を捕集するための
集塵機13と、集塵機13により捕集された微粉炭にバ
インダーを加えて造粒微粉炭とするための混練機14
と、前記粗粒炭と造粒微粉炭とが装入されるコークス炉
17、及び温度データを取得して機器を制御する信号を
送るための制御装置20とを有する。乾燥機11には、
過熱水蒸気の顕熱により装入されるコークス原料炭を乾
燥するための乾燥機用蒸気調整弁25が設けられてお
り、制御装置20を介して必要に応じて乾燥機用蒸気調
整弁25の開度位置を調整することができるようになっ
ている。また、乾燥機11と風力分級機12との間に
は、乾燥機11から排出されるコークス原料炭を風力分
級機12に移送するベルトコンベア等のコークス原料炭
用搬送装置27が設けられていて、制御装置20からの
制御信号を用いて風力分級機12に送るコークス原料炭
の供給量を調整できるようになっている。
【0009】風力分級機12には送気ブロワ19から供
給される空気を蒸気により所定温度に加熱するための加
熱器15が連結して配置され、この加熱器15で加熱さ
れた高温空気が風力分級機12に送入されるようになっ
ており、また、風力分級機12に送入される高温空気の
温度を測定するための高温空気用温度計24が加熱器1
5と風力分級機12の間に配置されている。また、加熱
器15には、加熱器15に熱源となる水蒸気を供給する
ための加熱器用蒸気調整弁26と、加熱器15に空気を
送入するための送気ブロワ19とが連結して設けられて
おり、加熱器用蒸気調整弁26、及び送気ブロワ19を
制御装置20からの信号により制御して、所定の水蒸気
量、及び送入空気量となるように設定することができ
る。そして、風力分級機12より排出される粗粒炭の粗
粒炭温度、集塵機13から排出される微粉炭の温度、及
び混練機14から排出される造粒微粉炭の温度をそれぞ
れ測定するための粗粒炭用温度計21、微粉炭用温度計
22、及び造粒微粉炭用温度計23がそれぞれの排出位
置に設けられており、各温度のデータを制御装置20に
取り込めるようになっている。また、風力分級機12か
ら排出される粗粒炭は粗粒炭搬送装置28を介してコー
クス炉17に搬送されるようになっている。集塵機13
には集塵機13内の空気をフィルターを介して排気する
ための排気ブロワ18と、排気された空気を大気中に放
出する煙突16とが接続されている。
【0010】コークス原料炭は山元で洗浄されたものが
入荷し、入荷したコークス原料炭がアンローダにより運
搬船より降ろされてコンベアで貯炭場に運ばれる。貯炭
場ではスタッカにより銘柄別に積荷され、リクレーマで
払い出される。このようなコークス原料炭をコークス炉
17に投入するまでには、大別して粉砕と配合との2つ
の事前処理工程が必要である。即ち、天然産物である石
炭は不均質であるため石炭の粉砕、配合のやり方によっ
てコークス品質が変化する。このため、粉砕と配合とを
適宜組み合わせることによりコークス原料炭を均質化し
て、コークス炉17で乾留したときの品質の向上を図っ
ている。
【0011】そして、このような事前処理方法にはコ
ークス原料炭を混合配合した後に粉砕する配合粉砕法、
コークス原料炭を種別毎に粉砕してから配合(混合)
する粉砕配合法、粉砕→配合→粉砕の工程を行う2段
粉砕法、コークス原料炭をグループ毎に配合した後に
それぞれ粉砕するグループ配合粉砕法、粉砕→分級→
配合を行う選択粉砕法、及び粉砕したコークス原料炭
をブレンディングヤードに積層させて混合するヤードブ
レンディング法等が知られている。本発明の実施の形態
に係るコークス原料炭の事前処理方法は、上記の選択
粉砕法に属する石炭組織の特性に応じた処理が可能な事
前処理方法であって、所定温度の高温空気を用いてコー
クス原料炭の風力分級を効果的に行う方法である。
【0012】続いて、前記説明したコークス製造設備1
0を用いて、本発明の第1の実施の形態に係るコークス
原料炭の事前処理方法について詳細に説明する。まず、
コークス原料炭を図示しない貯炭場から移送し、図示し
ない破砕機を用いて所定粒度に破砕する。この際に、高
炉での使用に耐える堅牢なコークスを製造するには粘結
性と石炭化度が適当な関係にある石炭が必要であるが、
このような石炭は天然には少ないので、通常は性質の異
なる数種の石炭を配合して調整する。このコークス原料
炭の配合の組合わせを設定するに際しては、コークスの
骨格部分を形成することになる繊維質部分と、接着剤の
ような役目をする粘結部分とのバランスをとるような組
み合わせを決定すればよい。
【0013】そして、この様にして配合された、水分量
8〜10wt%を含むコークス原料炭を約100t/H
rの供給速度で乾燥機11に装入し、過熱水蒸気により
乾燥して、乾燥機11の排出側におけるコークス原料炭
の水分量を4〜6wt%、温度を75℃とする。因み
に、このときのコークス原料炭は粒径300μm以上、
300〜100μm、100μm以下の粒子がそれぞれ
72wt%、14wt%、14wt%となるような粒度
構成を有している。つぎに、風力分級機12にこのコー
クス原料炭を100t/Hrの供給量で装入すると共
に、加熱器用蒸気調整弁26を調整して75℃に加熱し
た高温空気を40000Nm3 /Hrの流量で送入し
た。なお、この時の高温空気の流量制御は制御装置20
を介して送気ブロワ19を調整することにより行われ
る。
【0014】ここで、風力分級機12の中で高温空気を
介してコークス原料炭が粗粒炭と微粉炭とに分離される
と共に、高温空気が水分を含む粗粒炭、及び微粉炭と接
触して、その水分を蒸発させる乾燥操作を同時に進行さ
せることができる。この粗粒炭、及び微粉炭からの水分
の蒸発により、粗粒炭、及び微粉炭の粒子表面には水蒸
気からなる気化膜が形成され、個々の粒子の分離が促さ
れると共に、高温空気の流れに対する粘性抵抗が高くな
るために風力分級をより効果的に行うことができる。し
かし、高温空気の温度が80℃を越えると、水の突沸等
に伴う局部的な気化量が多くなって、前記粒子表面から
の均一な蒸発が行えず、結果として有効な風力分級が困
難となる。従って、ここでは風力分級機12に吹き込む
高温空気の温度を80℃以下でかつ室温より高い温度で
ある75℃とした。このとき、風力分級機12から排出
される粗粒炭、微粉炭の排出量はそれぞれ83t/H
r、17t/Hrであり、粗粒炭用温度計21及び微粉
炭用温度計22で測定される粗粒炭温度は38℃、微粉
炭温度は40℃であった。
【0015】また、このときの粗粒炭の粒度は粒径30
0μm以上、300〜100μm、100μm以下がそ
れぞれ81wt%、16wt%、3wt%であり、一方
の微粉炭の粒度は粒径300μm以上、300〜100
μm、100μm以下がそれぞれ28wt%、4wt
%、68wt%となっていた。なお、風力分級機12か
ら排出される粗粒炭、微粉炭の水分量はそれぞれ2.5
〜4wt%、2〜3wt%であり、風力分級機12に供
給するコークス原料炭の水分量が4〜6wt%であった
のに較べて、約2〜3wt%程度減少しているのが分か
る。
【0016】風力分級機12によりコークス原料炭から
分級された粗粒炭はベルトコンベア等の粗粒炭用搬送装
置28によりコークス炉17へ移送されるが、このよう
な搬送に伴う機械的振動等により脆弱な粗粒炭の一部が
破壊される。図2は粗粒炭用温度計21で測定される粗
粒炭温度と、その粗粒炭温度で風力分級機12から排出
される粗粒炭に機械的振動を負荷したときに粗粒炭が破
壊されて生じる100μ以下の微粉の発生率との関係を
求めたものである。このような測定データは、粗粒炭用
温度計21で測定される粗粒炭温度を一定値となるよう
に維持しておき、風力分級機12から粗粒炭用搬送装置
28を介してコークス炉17に装入される直前の粗粒炭
を採取し、この採取試料の粒度を測定することにより得
ることができる。また、実験による測定方法としては、
風力分級機12から排出される粗粒炭の一定量を採取し
て、この採取試料を粗粒炭温度に相当する所定温度の下
で、所定強度の振動を負荷した後、前記採取試料を10
0μmの篩いにより処理して、篩いを通過する粒子の重
量を測定してもよい。
【0017】図2に示されるように、粗粒炭温度が45
℃以下のレベルでは微粉の発生率が実質的に零に近く、
粗粒炭はほぼ原形のままで維持されるが、45℃を越え
ると、粗粒炭の熱膨張又は水分の蒸発に伴う亀裂等の影
響により粒子破壊が発生することが分かる。従って、本
実施の形態においては、風力分級機12に供給されるコ
ークス原料炭の温度、水分量及び供給量に応じて、高温
空気の温度及び供給流量とを制御して、粗粒炭温度を4
5℃より低い平均38℃のレベルに維持してコークス製
造設備10の操業を行うことにより、粗粒炭の搬送工程
に伴う粗粒破壊を抑制して、搬送中の発塵を最小限度に
抑えることができる。ここで、粗粒炭用搬送装置28近
傍の粗粒炭搬送経路の数カ所において測定した発塵濃度
の平均値は実質的に零に近い3mg/Nm3 であった。
因みに、粗粒炭温度を70℃とした場合には、発塵濃度
は100mg/Nm3であり、図2で予測されるように
粗粒炭温度を制御して発塵量を効果的に抑制できること
が分かる。
【0018】一方、風力分級機12から排出される微粉
炭は、吸引される空気等と共に集塵機13内に取り込ま
れて捕集され、この捕集された微粉炭はベルトコンベア
により混練機14に装入される。混練機14では、バイ
ンダーの一例であるタールを所定量、例えば10wt%
となるように添加して、粘性を付加した混合物として、
この混合物を回転羽根を用いて機械的に混練、混合する
ことにより微粉炭同士がタールを介して次第に結合、凝
集して、所定粒度の造粒微粉炭が作成されるようになっ
ている。この造粒微粉炭は、例えば粒径100μm以上
の粒子が97wt%、100μm未満の粒子がわずかに
3wt%となるようなレベルに造粒される。なお、この
ような機械的混練に伴う摩擦熱又は混練機14のヒータ
からの熱により混練機14内の温度は上昇するので、混
練機14から排出されるときの造粒微粉炭の温度を所定
範囲に維持することが必要である。即ち、前記造粒微粉
炭の温度が高すぎると、造粒微粉炭が崩壊し易くなり、
以降のコークス炉17への搬送過程で発塵量を増加させ
る要因となると共に、コークス炉17への装入密度等が
低下したり、装入密度が変動したりして、コークスの品
質にばらつきを生じる要因となる。
【0019】図3はこの混練機14から排出されるとき
の造粒微粉炭(微粉擬似粒子)温度と、造粒微粉炭に所
定量の機械的振動を負荷して、微粉擬似粒子の崩壊によ
り生じる100μm以下の微粉の発生率との関係を表示
したものであり、造粒微粉炭温度が変化した場合の造粒
微粉炭の崩壊のし易さの程度を示している。なお、実際
的にはコークス炉17に装入する直前の粗粒炭と造粒微
粉炭との混合物を採取して、この混合物を100μmの
篩いにかけて分級して、篩いを通過する微粒子の割合を
測定して、これを微粉の発生率とみなしてもよい。図3
より明らかなように、造粒微粉炭温度が45℃以下のレ
ベルでは微粉の発生率が実質的に零に近く、造粒微粉炭
がほぼ原形のままで維持されるが、45℃を越えると、
造粒微粉炭の熱膨張又は水分の気化に伴う亀裂等の影響
により造粒微粉炭の粒子破壊が発生することが分かる。
従って、本実施の形態においては、風力分級機12に供
給されるコークス原料炭の温度、水分量、及び供給量に
応じて、高温空気の温度、供給流量、及び混練条件等を
制御して、造粒微粉炭温度を45℃に維持してコークス
製造設備10の操業を行うことにより、造粒微粉炭の搬
送工程に伴う造粒微粉炭の破壊を抑制して、搬送中の発
塵を最小限度に抑えることができると共に、コークス炉
17への石炭の装入密度のばらつきが少なくなって、品
質の安定したコークスの生産が可能となる。ここで、造
粒微粉炭の搬送経路の数カ所において測定した発塵濃度
の平均値は実質的に零に近い3mg/Nm3 であった。
表1は、前記説明した本発明の第1の実施の形態に係る
コークス原料炭の事前処理方法と従来法との諸元を比較
したものである。造粒微粉炭温度を71℃とした従来例
の場合には、発塵濃度は100mg/Nm3 であり、図
3で予測されるように造粒微粉炭温度を制御して発塵量
を効果的に抑制できることが分かる。
【0020】
【表1】
【0021】次に、図1で説明したものと同一のコーク
ス製造設備10を用いる、本発明の第2の実施の形態に
係るコークス原料炭の事前処理方法について説明する。
まず、水分量8〜10wt%を含むコークス原料炭を所
定の供給速度で乾燥機11に装入し、過熱水蒸気により
乾燥して、乾燥機11の排出側におけるコークス原料炭
の水分量を4〜6wt%とする。因みに、このときのコ
ークス原料炭は粒径300μm以上、300〜100μ
m、100μm以下の粒子がそれぞれ72wt%、14
wt%、14wt%となるような粒度構成を有してい
る。つぎに、風力分級機12に、このコークス原料炭を
所定の供給量で装入すると共に、加熱器用蒸気調整弁2
6を調整して加熱された高温空気を送入した。なお、こ
の時の高温空気の流量制御は制御装置20を介して送気
ブロワ19の出力を調整することにより行うことができ
るようになっている。
【0022】図4(a)、(b)、(c)及び(d)は
それぞれ、前記説明したコークス製造設備10の高温空
気用温度計24、粗粒炭用温度計21、微粉炭用温度計
22、及び造粒微粉炭用温度計23によりそれぞれ測定
される、操業時における高温空気温度、粗粒炭温度、微
粉炭温度、及び造粒微粉炭温度の時間変化を示す説明図
である。図4(a)に示すように時刻t1 における高温
空気温度が80℃を越えるような場合には、加熱器用蒸
気調整弁26の開度位置を後退させるか、又は送気ブロ
ワ19の出力を上げて高温空気の風力分級機12への供
給量を増加させることにより、高温空気温度が80℃以
下となるように調整する。次の時刻t2 において、高温
空気温度が予め設定してある室温より高い最低基準温
度、例えば60℃より低くなったときには、前記と逆の
操作により例えば、加熱器用蒸気調整弁26の開度位置
を進めて高温空気温度を上昇させる。そして、このよう
な操作を繰り返すことにより高温空気温度を所定の範囲
に維持することができる。
【0023】また、粗粒炭温度、又は微粉炭温度が45
℃を上回るような時刻t3 (図4(b))、時刻t4
5 (図4(c))のときには、コークス原料炭用搬送
装置27、又は乾燥機用蒸気調整弁25を制御装置20
により調整して、例えばコークス原料炭の風力分級機1
2への供給量を増加させることにより、高温空気温度を
所定のレベルに維持したままで、しかも粗粒炭温度又は
微粉炭温度を45℃以下のレベルに復帰させることが可
能である。更に、造粒微粉炭温度が所定の45℃を越え
るような時刻t5 (図4(d))のときには、前述のよ
うな操作により微粉炭温度を低下させるか、又は混練機
14自体を冷却水により冷却する等の手段により造粒微
粉炭温度を45℃以下の範囲に収めることができる。そ
して、以上のような操作を継続して、高温空気温度、粗
粒炭温度、微粉炭温度、及び造粒微粉炭温度を所定の範
囲内に制御し、コークス製造設備10の運転を行うこと
により、第1の実施の形態において説明したように粗粒
炭、及び造粒微粉炭の崩壊が防止され、操業中の発塵の
発生が抑制されると共に、品質の安定したコークスを生
産することが可能となる。
【0024】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、微粉炭
用温度計22を集塵機13の後に設けて、集塵機13か
ら排出される微粉炭の温度を測定するようにしたが、微
粉炭用温度計22を風力分級機12と集塵機13の間に
設けることもできる。
【0025】
【発明の効果】請求項1〜4記載のコークス原料炭の事
前処理方法においては、コークス原料炭を風力分級機に
装入すると共に、80℃以下に加熱された高温空気を風
力分級機に吹き込むので、高温空気の顕熱によりコーク
ス原料炭の乾燥と、コークス原料炭の効率的な分級とを
同時に行うことができ、しかも、コークス原料炭が分級
されて得られる粗粒炭の風力分級機からの排出温度及び
造粒微粉炭の混練機からの排出温度を限度以下の温度に
規制することができる。そして、前記コークス原料炭を
微粉炭と粗粒炭とに分離した後、該微粉炭にバインダー
を添加して混練機により造粒される造粒微粉炭と前記粗
粒炭とをコークス炉に装入するので、操業中における粗
粒炭と造粒微粉炭とが崩壊して生じる発塵が抑制される
と共に、コークス炉への装入密度が安定化して、品質の
ばらつきの少ないコークスの生産が可能である。
【0026】特に、請求項2記載のコークス原料炭の事
前処理方法においては、風力分級機に装入されるコーク
ス原料炭の水分量が4〜6wt%に規制されているの
で、風力分級における分級効率を安定化させることがで
き、風力分級機の制御を容易にすることができる。ま
た、請求項3記載のコークス原料炭の事前処理方法にお
いては、風力分級機から排出される粗粒炭の温度を45
℃以下としているので、粗粒炭がコークス炉へ搬送され
る過程での粗粒炭粒子の崩壊をさらに効果的に防止する
ことができる。請求項4記載のコークス原料炭の事前処
理方法においては、混練機から排出される造粒微粉炭の
温度を45℃以下とすることにより、機械的振動等によ
る造粒微粉炭の崩壊を抑制して、コークス製造設備の操
業中における発塵量をさらに減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るコークス原料
炭の事前処理方法を適用するコークス製造設備の説明図
である。
【図2】粗粒炭温度と粗粒破壊による100μm以下の
微粉の発生率との関係を示した図である。
【図3】造粒微粉炭温度と微粉擬似粒子崩壊による10
0μm以下の微粉の発生率との関係を示した図である。
【図4】(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞ
れ、高温空気温度、粗粒炭温度、微粉炭温度、及び造粒
微粉炭温度の各時間変化を示す説明図である。
【符号の説明】
10 コークス製造設備 11 乾燥機 12 風力分級機 13 集塵機 14 混練機 15 加熱器 16 煙突 17 コークス
炉 18 排気ブロワ 19 送気ブロ
ワ 20 制御装置 21 粗粒炭用
温度計 22 微粉炭用温度計 23 造粒微粉
炭用温度計 24 高温空気用温度計 25 乾燥機用
蒸気調整弁 26 加熱器用蒸気調整弁 27 コークス
原料炭用搬送装置 28 粗粒炭用搬送装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 直人 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス原料炭を風力分級機に装入する
    と共に、80℃以下に加熱された高温空気を前記風力分
    級機に吹き込んで、前記コークス原料炭を微粉炭と粗粒
    炭とに分離した後、混練機に前記微粉炭とバインダーと
    を投入して微粉炭を造粒し、該造粒微粉炭と前記粗粒炭
    とをコークス炉に搬送、装入することを特徴とするコー
    クス原料炭の事前処理方法。
  2. 【請求項2】 前記風力分級機に装入されるコークス原
    料炭の水分量が4〜6wt%である請求項1記載のコー
    クス原料炭の事前処理方法。
  3. 【請求項3】 前記風力分級機から排出される粗粒炭の
    温度を45℃以下とする請求項1又は2記載のコークス
    原料炭の事前処理方法。
  4. 【請求項4】 前記混練機から排出される造粒微粉炭の
    温度を45℃以下とする請求項1〜3記載のいずれか1
    項に記載のコークス原料炭の事前処理方法。
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