JPH09272570A - 食品用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子レンジなどにおいて各種食品を加熱
しても、加熱が不要な食品を加熱することがなく、特定
の食品の賞味に影響が出ることがないようにするととも
に、一度に全体を加熱しても、各食品の特性に応じて加
熱の程度を変化させることができるようにした食品用容
器を提供すること。 【解決手段】 各種食品を収納した食品用容器における
食品収納部の一部をアルミニウム箔１１などにより被覆
してマイクロ波などの高周波を遮断することに着目した
もので、食品を収納する少なくとも第１の食品収納部５
および第２の食品収納部６を備えた容器本体２と、第１
の食品収納部５あるいは第２の食品収納部６のいずれか
一方のみを被覆する高周波遮蔽部材１１と、を有するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は食品用容器にかかる
もので、とくにマイクロ波加熱による電子レンジなどの
高周波加熱調理容器内において各種の食品を加熱するこ
とができる食品用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、パック容器に食品を収納して
電子レンジなどにより加熱することができるようにした
ものがあるが、収納されている食品の種類によっては加
熱する必要がないものまで加熱してしまうことがある。

【０００３】たとえば、パック弁当などにおいては、ご
飯類、おかず類は暖めることが好ましいが、サラダ類、
おしんこ類、および醤油やソースなどは、暖められると
かえって臭いが鼻についたり柔らかくなってしまって本
来の味を損ねるという問題がある。なお電子レンジなど
では、より冷えた状態の食品が高周波加熱の影響を受け
やすく、こうした問題が助長される傾向にある。

【０００４】とくに小売り店において販売されているパ
ック弁当などは、購入客からの注文に応じて店頭で迅速
に加熱して販売を行う場合があるが、サラダ類、おしん
こ類および醤油やソースを別にして加熱するという手間
を取ることが困難である。したがって、加熱が不要な食
品が収納されていてもパック全体を一度に加熱しても支
障のないようにすることが要請されており、こうした要
請に応ずることができる食品用容器が要望されている。

【０００５】なおまた、食品の種類ないし組み合わせに
よっては加熱の程度を変えた方が好ましい場合があり、
こうした場合にも各種の食品を一緒に収納した食品用容
器全体を一度に加熱することができれば便利である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、電子レンジなどの高
周波加熱調理機器において各種食品を加熱しても、簡単
な構造で、特定の食品の賞味に影響が出ることがないよ
うにした食品用容器を提供することを課題とする。

【０００７】また本発明は、加熱が不要な食品が収納さ
れていてもこの食品を加熱することがないようにするこ
とができる食品用容器を提供することを課題とする。

【０００８】また本発明は、一度に全体を加熱しても、
各食品の特性に応じて加熱の程度を変化させることがで
きるようにした食品用容器を提供することを課題とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、各種
食品を収納した食品用容器における食品収納部の一部を
アルミニウム箔などにより被覆してマイクロ波などの高
周波を遮断することに着目したもので、収納した食品を
高周波加熱により加熱することができる食品用容器であ
って、上記食品を収納する少なくとも第１の食品収納部
および第２の食品収納部を備えた容器本体と、これら第
１の食品収納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一
方のみを被覆する高周波遮蔽部材と、を有することを特
徴とする食品用容器である。

【００１０】上記高周波遮断部材は、これをアルミニウ
ム箔その他の金属箔から構成することができる。

【００１１】上記高周波遮断部材は、上記第１の食品収
納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一方を滑らか
に、つまり平面的ないし立体的な鋭利部分がないように
被覆することが望ましい。かくすることにより、電子レ
ンジが動作中に高周波遮断部材における放電を回避する
ことができる。

【００１２】上記高周波遮断部材は、上記第１の食品収
納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一方の表面お
よび裏面を被覆するなどして、高周波遮断部材の取付け
部位を比較的容易な部分とし、製造を簡単に行うととも
に、比較的有効に高周波加熱の影響を遮断することがで
きる。

【００１３】なお、当該高周波遮断部材を設ける位置な
いし面としては、食品収納部の全体を被覆することが好
ましいが、食品用容器の表面側、側面側あるいは裏面
側、さらには外側面あるいは内側面のいずれであっても
よく、少なくとも表面側および裏面側を被覆するように
構成することが望ましい。また、高周波遮断部材の取付
け部位が複数箇所にわたる場合には、それぞれの取付け
部位の間で放電が発生しないような間隔を空ければよ
い。

【００１４】上記高周波遮断部材は、上記第１の食品収
納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一方の一部を
被覆することができる。たとえば、高周波遮断部材の大
きさを調整すること、所定数の貫通孔を空けること、あ
るいは高周波遮断部材自体を網目状とすることなどによ
り、高周波遮断部材による被覆の程度を調整して、食品
収納部における食品の種類ないし特性に応じて加熱の程
度を調節することができる。

【００１５】なお、高周波遮断部材に最低必要数の貫通
孔を空けること、あるいは高周波遮断部材自体を網目状
とすることなどにより、その内容物をより確認しやすく
することができる。

【００１６】上記高周波遮断部材は、上記第１の食品収
納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一方の全部を
被覆することにより、高周波加熱の影響をほとんど受け
ないようにすることができる。

【００１７】本発明による食品用容器においては、食品
収納部の一部をアルミニウム箔などの高周波遮断部材に
より被覆するようにしたので、この被覆部分にたとえば
パック弁当などのサラダ類ないしおしんこ類や醤油、ソ
ースなどを収納するようにすれば、電子レンジなどによ
りパック弁当全体を加熱してもこの被覆部分における食
品には電磁波（マイクロ波などの高周波）の影響による
発熱を抑制することができ、加熱が必要な食品と加熱が
不必要な食品とが同一容器内に収納してあって一度に全
体を加熱しても、その加熱程度を調節することができ
る。

【００１８】したがって、加熱が不必要な食品を別途取
り出してから加熱するなどの手間を省いて、一度にかつ
迅速な加熱操作を行うことができるとともに、収納され
ている食品の特性を損なうことなく賞味することができ
る。

【００１９】もちろん本発明は、パック弁当に限らず、
収納されている食品ごとに加熱の程度を変えたい任意の
食品用容器について適用可能である。

【００２０】

【発明の実施の形態】つぎに本発明について、以下、パ
ック弁当に適用した場合を例に取って、まず本発明の第
１の実施の形態による食品用容器１を図１および図２に
もとづき説明する。図１は、食品用容器１の平面図、図
２は、同、断面図であって、食品用容器１は、容器本体
２を有する。容器本体２は、とくに図２に示すように、
たとえば発泡スチロールなどの発泡材料からなる収納本
体部３と、たとえば透明なプラスチック材料からなる蓋
部４と、からこれを構成してある。

【００２１】収納本体部３は、第１の食品収納部５と、
第２の食品収納部６と、第３の食品収納部７と、を有し
ている。第１の食品収納部５にはご飯類８を、第２の食
品収納部６にはサラダ類９（あるいはおしんこ類さらに
醤油やソースなど、ともに賞味のためには加熱が好まし
くない食品類）を、第３の食品収納部７にはおかず類１
０をそれぞれ収納してある。

【００２２】とくに容器本体２における第２の食品収納
部６の表面および裏面には、蓋部４の部分の表面側にア
ルミニウム箔１１（高周波遮断部材）を張り付け、収納
本体部３の部分の裏面側に同アルミニウム箔１１を張り
付けてある。

【００２３】なお図２中に仮想線で示すように、蓋部４
および収納本体部３の内側にそれぞれアルミニウム箔１
１を張り付けるようにしてもよい。さらに、蓋部４およ
び収納本体部３にあらかじめ印刷工程により装備するこ
ともできる。

【００２４】さらに、高周波遮断部材としては、アルミ
ニウム箔以外にも任意の金属箔を採用することができ
る。また、これらを平面的ないし立体的な鋭角部がない
ように滑らかに容器本体２に設けるようにすれば、電子
レンジ内における高周波加熱によっても放電などを生ず
るおそれはない。

【００２５】こうした構成の食品用容器１において、そ
れぞれの食品（ご飯類８、サラダ類９、おかず類１０）
を収納したままで食品用容器１全体を電子レンジ（図示
せず）内において高周波加熱を行っても、第２の食品収
納部６の部分のみが表面および裏面側のアルミニウム箔
１１により高周波を遮断するので、他の第１の食品収納
部５および第３の食品収納部７の部分より加熱の程度を
低く押さえることができ、何も遮蔽物がない場合に比較
してはるかに加熱されることがなく、冷えたままの状態
でサラダ類９を賞味することができる。

【００２６】なお、第２の食品収納部６においては、容
器本体２の側面部からは高周波の影響を受けることにな
るが、パック弁当（食品用容器１）の収納本体部３は一
般に底が浅く、この影響は少なく、サラダ類９の加熱の
程度はご飯類８およびおかず類１０に比較してきわめて
小さいものである。

【００２７】本発明においては、第２の食品収納部６の
構造が異なっていても適用可能である。以下、図１およ
び図２と同様の部分には同一の符号を付し、その詳述は
これを省略して説明する。すなわち、図３は、本発明の
第２の実施の形態による食品用容器２０の平面図、図４
は、同、断面図であって、食品用容器２０においては、
第２の食品収納部６としてサラダ類９を収納した小容器
２１を備えている。この小容器２１の小容器本体部２２
および小蓋部２３の外側（表面および裏面）にアルミニ
ウム箔１１をそれぞれ張り付けてある。

【００２８】こうした構成の食品用容器２０において
も、電子レンジによる加熱操作を行っても、小容器２１
の部分に収納されているサラダ類９の加熱の程度を低く
抑えることができる。

【００２９】なお、アルミニウム箔１１を小容器２１に
直接一体に張り付け、容器本体２とは別途の構成とした
ので、容器本体２の任意の部分にこの小容器２１を配置
することができる。

【００３０】本発明においては、第２の食品収納部６の
表面および裏面以外にも高周波遮断部材を設けることが
できる。すなわち、図５は、本発明の第３の実施の形態
による食品用容器３０の平面図、図６は、同、断面図で
あって、食品用容器３０は、容器本体３１を有する。容
器本体３１は、深底の収納本体部３２と、円形状の蓋部
３３と、からこれを構成してある。

【００３１】深底の収納本体部３２は、仕切り板３４に
より図中左右に仕切った第１の食品収納部３５と、第２
の食品収納部３６と、を有する。第２の食品収納部３６
における蓋部３３の表面と、収納本体部３２の裏面およ
び外側面と、仕切り板３４の第２の食品収納部３６側に
アルミニウム箔１１をそれぞれ張り付けてある。

【００３２】こうした構成の食品用容器３０において
は、第２の食品収納部３６の周囲および上下をすべてア
ルミニウム箔１１により被覆しているので、深底の収納
本体部３２であっても、電子レンジによる加熱の程度を
食品用容器１（図１）および食品用容器２０（図３）の
場合よりさらに低下させることができる。

【００３３】本発明は、さらにある食品収納部における
高周波加熱の程度を加減することができる。すなわち、
図７は、本発明の第４の実施の形態による食品用容器４
０の平面図、図８は、同、断面図であって、食品用容器
４０においては、食品用容器１（図１）における第３の
食品収納部７にもアルミニウム箔１１に相当するアルミ
ニウム箔４１を張り付けてある。

【００３４】ただし、このアルミニウム箔４１には、円
形状の貫通孔４２を所定数だけ開口してある。もちろ
ん、この貫通孔４２の数を調節することができるし、ア
ルミニウム箔４１全体を網目状のものとすることができ
る。

【００３５】こうした構成の食品用容器４０において
は、電子レンジによる加熱の程度がアルミニウム箔１１
を張り付けた第２の食品収納部６が最も低く、第３の食
品収納部７が中間程度であり、第１の食品収納部５が通
常の加熱状態となり、それぞれ適切な加熱状態ないし非
加熱状態を得ることができる。

【００３６】本発明においては、アルミニウム箔１１に
よりサラダ類９自体を包み込んでおくこともできる。す
なわち図９は、本発明の第５の実施の形態による食品用
容器５０の平面図、図１０は、同、断面図であって、食
品用容器５０においては、食品用容器１（図１）におけ
るサラダ類９全体を袋状のアルミニウム箔１１により完
全に包み込んである。このように、図３および図４の小
容器２１に代わって、袋状の、あるいは丸みのある容器
形状としたアルミニウム箔１１により、サラダ類９を直
接包むようにすることも可能である。

【００３７】こうした構成の食品用容器５０において
も、電子レンジなどによる加熱操作に際し、サラダ類９
を完全に高周波加熱の作用から遮断して、これを冷えた
ままの状態の保持することができる。

【００３８】さらに本発明は、上述の各実施の形態の各
要素を必要に応じて組み合わせることにより、食品およ
び容器の特性に合わせて必要な食品用容器とすることが
できる。

【００３９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、容器本体
の必要部分をアルミニウム箔などの高周波遮断部材によ
り被覆するようにしたので、加熱必要部分と加熱不要部
分とにおいて加熱の程度を異ならせることができるの
で、とくにパック弁当など食品の種類に応じて適正な加
熱温度ないし非加熱温度（冷却温度）を得ることができ
る。

【００４０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態による食品用容器１
の平面図である。

【図２】同、断面図である。

【図３】本発明の第２の実施の形態による食品用容器２
０の平面図である。

【図４】同、断面図である。

【図５】本発明の第３の実施の形態による食品用容器３
０の平面図である。

【図６】同、断面図である。

【図７】本発明の第４の実施の形態による食品用容器４
０の平面図である。

【図８】同、断面図である。

【図９】本発明の第５の実施の形態による食品用容器５
０の平面図である。

【図１０】同、断面図である。

【符号の説明】

１ 食品用容器（パック弁当）（第１の実施の形態、図
１） ２ 容器本体 ３ 収納本体部 ４ 蓋部 ５ 第１の食品収納部 ６ 第２の食品収納部 ７ 第３の食品収納部 ８ ご飯類 ９ サラダ類（あるいはおしんこ類さらに醤油やソース
など、ともに賞味のためには加熱が好ましくない食品
類） １０ おかず類 １１ アルミニウム箔（高周波遮断部材） ２０ 食品用容器（パック弁当）（第２の実施の形態、
図３） ２１ 小容器 ２２ 小容器本体部 ２３ 小蓋部 ３０ 食品用容器（パック弁当）（第３の実施の形態、
図５） ３１ 容器本体 ３２ 深底の収納本体部 ３３ 円形状の蓋部 ３４ 仕切り板 ３５ 第１の食品収納部 ３６ 第２の食品収納部 ４０ 食品用容器（パック弁当）（第４の実施の形態、
図７） ４１ アルミニウム箔（高周波遮断部材） ４２ 円形状の貫通孔 ５０ 食品用容器（パック弁当）（第５の実施の形態、
図９）

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納した食品を高周波加熱により加熱
   することができる食品用容器であって、 前記食品を収納する少なくとも第１の食品収納部および
   第２の食品収納部を備えた容器本体と、 これら第１の食品収納部あるいは第２の食品収納部のい
   ずれか一方のみを被覆する高周波遮蔽部材と、 を有することを特徴とする食品用容器。
2. 【請求項２】 前記高周波遮断部材は、これを金属箔
   から構成したことを特徴とする請求項１に記載の食品用
   容器。
3. 【請求項３】 前記高周波遮断部材は、前記第１の食
   品収納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一方を滑
   らかに被覆することを特徴とする請求項１に記載の食品
   用容器。
4. 【請求項４】 前記高周波遮断部材は、前記第１の食
   品収納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一方の表
   面および裏面を被覆することを特徴とする請求項１に記
   載の食品用容器。
5. 【請求項５】 前記高周波遮断部材は、前記第１の食
   品収納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一方の一
   部を被覆することを特徴とする請求項１に記載の食品用
   容器。
6. 【請求項６】 前記高周波遮断部材は、前記第１の食
   品収納部あるいは第２の食品収納部のいずれか一方の全
   部を被覆することを特徴とする請求項１に記載の食品用
   容器。