JPH0927244A - 薄膜スイッチおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜スイッチおよびその製造方法

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JPH0927244A
JPH0927244A JP8203343A JP20334396A JPH0927244A JP H0927244 A JPH0927244 A JP H0927244A JP 8203343 A JP8203343 A JP 8203343A JP 20334396 A JP20334396 A JP 20334396A JP H0927244 A JPH0927244 A JP H0927244A
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insulating
thin film
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Yuuki Kikuchi
優基 菊地
Yoshiyuki Nakai
良幸 中井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 組立て作業性、耐久性、スイッチ特性、およ
び美観に優れた薄膜スイッチを低コストにて提供する。 【解決手段】 下部フィルム2と上部フィルム4の各電
極1,3を除く部分にスクリーン印刷法などの手段によ
って絶縁ペースト11a,11bを印刷し、これを加熱
して溶融ゲル化させることで、乾燥した絶縁スペーサ1
1を形成する。次に、絶縁スペーサ11上に接着層12
をスクリーン印刷法などの手段によって積層する。次
に、下部フィルム2と上部フィルム4の接続部を折り曲
げ、各電極1,3を精度良く位置決めした状態で両方の
接着層12を重ね合せ、しかる後、この積層体を下部フ
ィルム2および上部フィルム4の熱変形温度よりも低い
温度で加熱して溶融ゲル化させると、接着層12が硬化
して薄膜スイッチが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極パターンが形
成された2枚のフィルムを絶縁スペーサを介して貼り合
せた薄膜スイッチ(メンブレンスイッチ)に係り、特
に、両フィルムの貼り合せ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の薄膜スイッチとし
て、図5と図6に示す貼り合せ構造を採用したのものが
知られている。
【0003】まず、図5に示す薄膜スイッチについて説
明すると、この薄膜スイッチは、上面に下部電極1が印
刷形成された下部フィルム2と下面に上部電極3が印刷
形成された上部フィルム4との間に、両面接着剤付きフ
ィルムを型抜きして成るスペーサフィルム5を介在さ
せ、このスペーサフィルム5の表裏両面に積層された接
着層6を介して、前記下部フィルム2および上部フィル
ム4を貼り合わせてある。前記接着層6を構成する接着
剤としては、常温で各部材を貼り合せることができ、貼
り合せに際して特別な加熱工程を必要としないことか
ら、感圧性接着剤、所謂粘着剤が用いられている。な
お、前記スペーサフィルム5のもとになる両面接着剤付
きフィルムは、ロール状に形成されたフィルムの表裏両
面に粘着剤を連続してコーティングし、乾燥後、各粘着
層の表面に剥離紙を貼付して成る。
【0004】一方、図6に示す薄膜スイッチは、下部フ
ィルム2の下部電極1を除いた部分に絶縁性の印刷イン
クを印刷して絶縁スペーサ7を形成し、この絶縁スペー
サ7の上面と上部フィルム4の上部電極3形成面とを接
着層6を介して貼り合わせてある。この接着層6も前記
と同様の理由から粘着剤が用いられるが、その形成方法
が異なり、まず、絶縁スペーサ7の上に接着乾燥型の粘
着剤を印刷し、続いて、加熱乾燥工程により溶剤を揮発
させるという方法が採られている。
【0005】このように構成された薄膜スイッチでは、
いずれも下部フィルム2と上部フィルム4との間にスペ
ーサフィルム5や絶縁スペーサ7を介在させることによ
って、下部電極2と上部電極3との間に空隙9を形成
し、この空隙9を介して下部電極1と上部電極3とを常
時離反状態に保持している。従って、上部フィルム4の
上方から手指等で上部電極3の形成部を下方に押圧する
と、可撓性を有する上部フィルム4が弾性変形し、所定
のストローク下降した段階で上部電極3と下部電極1と
が接触してスイッチオン状態となる。また、この押圧力
を除くと、上部フィルム4の可撓性により、図5または
図6に示す初期状態にそれぞれ復帰し、上部電極3と下
部電極1とが離反してスイッチオフ状態となる。
【0006】しかしながら、これら薄膜スイッチは、下
部フィルム2と上部フィルム4を貼り合せる接着層6が
粘着剤から成るため、以下のような不都合がある。すな
わち、図5に示される薄膜スイッチでは、接着層6とし
て流動性が低い粘着剤を用いているため、接着時に各フ
ィルム2,4,5の間に気泡が入り易く、また、接着作
業の前に粘着剤の表面に貼付された剥離紙を剥離しなけ
ればならず、かかる剥離紙は製品に使用されないもので
あるため、作業性が悪くコスト高になるという問題があ
る。一方、図6に示される薄膜スイッチでは、溶剤乾燥
型の粘着剤を印刷して接着層6を形成しているため、粘
着剤の接着強度が低く、時間の経過とともに粘着剤の印
刷性が悪化するという難点があり、また、不所望の部分
に粘着剤が付着した場合、溶剤の揮発とともに粘着剤の
粘着性が大きくなるため、除去が困難になるという問題
がある。
【0007】そこで本出願人は、このように粘着剤を用
いた従来の薄膜スイッチが有する問題を解消すべく、粘
着剤を用いずに両フィルムを貼り合せることができる薄
膜スイッチを、実開昭62−53535号において先に
提案した。図7はかかる薄膜スイッチを示す断面図であ
り、この薄膜スイッチは、下部フィルム2および上部フ
ィルム4のうち、いずれか一方のフィルムの電極形成面
に熱可塑性樹脂を主成分とする絶縁ペーストを印刷して
絶縁スペーサ8を形成してあり、この絶縁スペーサ8を
加熱、加圧することによって、下部フィルム2と絶縁ス
ペーサ8および上部フィルム4が一体化されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、本出
願人が先に提案した薄膜スイッチによれば、予め下部フ
ィルム2や上部フィルム4に印刷形成した絶縁スペーサ
8を加熱、加圧することにより、下部フィルム2と絶縁
スペーサ8および上部フィルム4の三者を一体化するこ
とができ、粘着剤を用いずに済むという利点を有する
が、問題がない訳ではない。
【0009】すなわち、前記絶縁スペーサ8は塩化ビニ
ル等の熱可塑性樹脂を主成分としたプラスチゾルタイプ
のものから成り、下部フィルム2や上部フィルム4に印
刷した状態では流動性を有する絶縁ペーストであるた
め、下部フィルム2と上部フィルム4に絶縁ペーストを
印刷したままの状態で、下部フィルム2に上部フィルム
4を重ね合わせると、上部フィルム4の自重によって絶
縁ペーストが押し潰されてしまい、絶縁スペーサ8に必
要とされる膜厚を確保できなくなる。このため、下部フ
ィルム2と上部フィルム4に絶縁ペーストを印刷した
後、この絶縁ペーストを乾燥させるべく加熱して溶融ゲ
ル化させ、かかる乾燥工程を経た後に両フィルム2,4
を重ね合わせ、乾燥した絶縁スペーサ8を再度加熱して
溶融ゲル化させる必要がある。その際、絶縁スペーサ8
を溶融ゲル化しただけでは両フィルム2,4を十分に接
合することができないため、両フィルム2,4を加熱す
るのと同時に加圧しなければならず、この加熱加圧する
工程によって作業性が極めて煩雑になるという問題があ
った。
【0010】また、このように下部フィルム2と上部フ
ィルム4とを絶縁スペーサ8を介して加圧下で加熱して
接合する時に、接着温度たる絶縁スペーサ8の溶融ゲル
化温度と両フィルム2,4の熱変形温度が近いため、適
切な加熱条件および加圧条件を厳守しないと、下部フィ
ルム2や上部フィルム4が熱変形するおそれがあり、特
に、下部フィルム2上に印刷形成された絶縁スペーサ8
と上部フィルム4とを直接接合する場合、上部フィルム
4の接合部に接合痕が形成され、製品の美観が劣化する
という問題があった。
【0011】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
みてなされたもので、その目的は、組立て作業性、耐久
性、スイッチ特性、および美観に優れた薄膜スイッチを
低コストにて提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による薄膜スイッチは、下部フィルムに設け
られた下部電極と上部フィルムに設けられた上部電極と
が絶縁スペーサを介して接離可能に対向して成る薄膜ス
イッチにおいて、前記下部フィルムの下部電極形成面お
よび上部フィルムの上部電極形成面に熱可塑性樹脂を主
成分としたプラスチゾルから成る絶縁スペーサを印刷形
成し、これら2面の絶縁スペーサの対向面を前記熱可塑
性樹脂を含んだ樹脂を主成分とし、かつ、接着可能温度
が前記下部フィルムおよび上部フィルムの熱変形温度よ
りも低いプラスチゾル接着剤にて接着したことを特徴と
するものである。
【0013】上記の構成において、前記下部フィルムと
上部フィルムは別体であっても良いが、これら下部フィ
ルムと上部フィルムを連続した1枚のフィルムで形成す
ると、前記絶縁スペーサを下部フィルムと上部フィルム
に同時に印刷形成することができ、印刷工程が簡略化さ
れる。
【0014】また、上記目的を達成するために、本発明
による薄膜スイッチの製造方法は、下部フィルムに設け
られた下部電極と上部フィルムに設けられた上部電極と
が絶縁スペーサを介して接離可能に対向して成る薄膜ス
イッチの製造方法において、前記下部フィルムの下部電
極形成面および上部フィルムの上部電極形成面のそれぞ
れに熱可塑性樹脂を主成分としたプラスチゾルから成る
絶縁スペーサを印刷形成した後、これら絶縁スペーサを
加熱して溶融ゲル化させ、しかる後、前記下部フィルム
および上部フィルムに形成した各絶縁スペーサの少なく
とも一方の面上に、前記熱可塑性樹脂を含んだ樹脂を主
成分とし、かつ、その接着可能温度が前記下部フィルム
および上部フィルムの熱変形温度よりも低いプラスチゾ
ル接着剤を積層し、その後、前記下部フィルムおよび上
部フィルムに形成された前記絶縁スペーサ間に前記プラ
スチゾル接着剤が位置するように前記下部フィルムと上
部フィルムとを重ね合わせ、しかる後、前記接着剤を加
熱することにより、前記絶縁スペーサ同士を接着したこ
とを特徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明の薄膜スイッチでは、下部フィルムの下
部電極形成面および上部フィルムの上部電極形成面に熱
可塑性樹脂を主成分としたプラスチゾルから成る絶縁ス
ペーサを印刷形成し、これら2面の絶縁スペーサの対向
面を前記熱可塑性樹脂を含んだ樹脂を主成分とし、か
つ、接着可能温度が前記下部フィルムおよび上部フィル
ムの熱変形温度よりも低いプラスチゾル接着剤にて接着
してあるため、絶縁スペーサと接着剤とのなじみが良
く、絶縁スペーサ同士の接着強度を高めることができ
る。また、前記接着剤は、熱可塑性樹脂を含んだ樹脂を
主成分としたプラスチゾル接着剤であるため、加熱前に
はゲル化することはなく、加熱により溶融ゲル化が起こ
るもの、換言すれば、加熱することにより初めて接着可
能となるものである。そして、この接着剤の溶融ゲル化
温度たる接着可能温度が下部フィルムおよび上部フィル
ムの熱変形温度よりも低いため、接着時に下部フィルム
と上部フィルムが変形するおそれがなく、しかも、接着
時に加圧を必要としないので、作業性を高めることがで
きる。
【0016】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1は本発明の一実施例に係る薄膜スイッチの断面図で
あって、11は絶縁スペーサ、12は接着層を示してい
る。なお、その他の下部電極1、下部フィルム2、上部
電極3、上部フィルム4については先に説明した従来の
ものと同様であるので、同一番号を付することで説明は
省略する。
【0017】本実施例では、下部フィルム2の上面のう
ち下部電極1を除く部分、および上部フィルム4の下面
のうち上部電極3を除く部分に絶縁スペーサ11を印刷
技術により形成し、これら絶縁スペーサ11の対向面を
接着層12にて貼り合せることによって薄膜スイッチを
構成している。
【0018】前記絶縁スペーサ11は、熱可塑性樹脂を
主成分とする絶縁ペーストを下部フィルム2および上部
フィルム4の両方に印刷形成したのち、これを加熱する
ことによって形成される。この絶縁ペーストとしては、
例えばDOP(ジオクチルフタレイト)等の液状可塑剤
に塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂粉末を分散させ、さ
らに必要に応じて安定剤、増粘剤、顔料などを添加した
プラスチゾルタイプのものが好適である。すなわち、か
かるプラスチゾルは、有機溶媒を分散媒とするオルガノ
ゾルなどに比べて液中の成膜固形分が著しく高いため、
1回の印刷での膜厚を厚くすることができ、印刷回数を
著しく低減することができる。
【0019】また、前記接着層12を構成する接着剤と
しては、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体を主成分と
し、これに可塑剤と、さらに必要に応じて安定剤と増粘
剤とを添加したプラスチゾル接着剤が用いられる。な
お、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体としては、塩化
ビニルと酢酸ビニルの混合物を乳化剤および水溶性重合
開始剤の存在下に乳化、重合したペーストレンジ、また
は、分散剤および油溶性重合開始剤の存在下、塩化ビニ
ルと酢酸ビニルの混合物の全量または一部を機械的に微
分散したのち重合する、微細懸濁重合法によって製造さ
れるペーストレジンを用いることができる。また、これ
らのペーストレジンに、通常の懸濁重合によって製造さ
れた粒径の大きな塩化ビニル樹脂を、前記ペーストゾル
の粘度、流動性、加工性等に悪影響を及ぼさない範囲で
混入したものを用いることもできる。また、前記可塑剤
としては、例えば前記DOPなどのフタル酸系可塑剤、
アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪酸エステ
ル系可塑剤、アジピン酸ポリエステルなどの脂肪酸ポリ
エステル系可塑剤、リン酸トリブチルなどのリン酸エス
テル系可塑剤、エポキシ化大豆油などのエポキシ系可塑
剤を挙げることができる。また、安定剤としては、鉛白
や塩基性ケイ酸塩などの無機金属化合物、ラウリン酸や
各種金属塩などの有機化合物、カルシウム−亜鉛系ある
いはバリウム−亜鉛系などの有機酸液状複合安定剤など
を用いることができる。
【0020】以下に、本発明に適用可能なプラスチゾル
接着剤の組成の一具体例を示す。 ペースト状塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(数平均重合度=1350); 100重量部 可塑剤; 50〜60重量部 安定剤; 3〜6重量部 増粘剤; 1〜2重量部 次に、前記薄膜スイッチの製造方法を、図2〜図4に基
づいて説明する。
【0021】まず、図2に示すように、下部電極1がパ
ターン形成された下部フィルム2と、上部電極3がパタ
ーン形成された上部フィルム4とを準備する。次に、図
3に示すように、下部フィルム2と上部フィルム4の各
電極1,3を除く部分にスクリーン印刷法などの手段に
よって絶縁ペースト11a,11bを印刷し、これを加
熱して溶融ゲル化させる工程を経て、絶縁ペースト11
a,11bを乾燥させる。
【0022】さらに、図4に示すように、乾燥した前記
絶縁ペースト(絶縁スペーサ)11a,11b上に接着
層12をスクリーン印刷法などの手段によって積層す
る。なお、本実施例においては両方の絶縁ペースト(絶
縁スペーサ)11a,11b上に接着層12を積層した
場合について図示したが、いずれか一方の絶縁ペースト
上にのみ接着層を積層することもできる。
【0023】次に、下部フィルム2と上部フィルム4の
接続部を折り曲げ、下部フィルム2と上部フィルム4に
それぞれ穿設された多数の位置決め孔2a,4aによっ
て各電極1,3を精度良く位置決めした状態で、両方の
接着層12を重ね合せる。しかる後、図示しない加熱器
によって前記積層体を下部フィルム2および上部フィル
ム4の熱変形温度よりも低い温度で加熱すると、接着層
12に反応が起こって溶融ゲル化し、かかる加熱を除去
すると接着層12が硬化して、図1に示す薄膜スイッチ
が得られる。
【0024】前記実施例の薄膜スイッチは、接着層12
を構成する接着剤として、塩化ビニルと酢酸ビニルの共
重合体を主成分とする流体のプラスチゾル接着剤を用い
たので、印刷によって所望の面に所望のパターンの接着
層を形成することができる。よって、剥離紙および抜き
型を必要とせず、薄膜スイッチの低コスト化を図ること
ができる。また、絶縁スペーサへのぬれ性が良好なた
め、気泡を巻き込みにくく、作業性および量産性に優れ
る。なお、この接着剤は、粘度を100〜1000ポイ
ズ、より好ましくは100〜500ポイズに調整するこ
とによって、印刷性に優れ、また貼り合せ易い塗膜を得
ることができる。
【0025】また、前記接着剤は加熱によって溶融ゲル
化するもので、加熱前にはゲル化することがなく、不要
部分に付着した接着剤の除去が容易である。また、硬化
後はタックがないため、作業性の悪化を与えることがな
くまた、容易に削り取ることができる。
【0026】また、前記接着剤中には揮発し易い溶剤分
をほとんど含まないため、粘度の安定性が高く、長時間
印刷しても印刷性がほとんど悪化しない。例えば溶剤乾
燥型の粘着剤を用いた場合、100〜200ショット毎
に粘度を調整しなくてはならないのに対し、前記実施例
の接着剤の場合には1000〜2000ショット以上の
連続印刷が可能である。ただし、比較的蒸発しにくい希
釈剤を0〜5%、通常は1%以下添加することによっ
て、より印刷性を高めることもできる。
【0027】また、かように、この接着剤は成膜成分が
ほぼ100%であるため、安価なテフロンメッシュと軽
量の枠体とを用いて所望の膜厚を得ることができ、製造
設備の低廉化を図ることができる。
【0028】また、絶縁スペーサを熱可塑性樹脂である
塩化ビニルを主成分としたプラスチゾルにて形成し、こ
れらを同じ塩化ビニル系である塩化ビニルと酢酸ビニル
の共重合体を主成分としたプラスチゾルの接着剤にて接
着するようにしたので、換言すれば、接着剤の主成分た
る前記共重合体が塩化ビニルを含んでいるので、絶縁ス
ペーサと接着剤とのなじみが良く、接着強度を高めるこ
とができる。すなわち、T型剥離強度で、2.5〜5k
g25mmの剥離強度をもち、58℃1000時間また
は60℃95%RH1000時間の耐候性試験後も剥離
強度の劣化がみられない。
【0029】また、絶縁スペーサの溶融ゲル化の後に、
絶縁スペーサ上に接着剤を積層しているので、接着剤の
積層後に上部フィルムと下部フィルムとを重ね合わせる
際、仮りに両フィルム間に力が加わったとしても、上部
電極と下部電極間のギャップは溶融ゲル化を経た絶縁ス
ペーサにより保たれる。さらに、接着剤は硬化前である
ので、上部フィルムと下部フィルムとを重ね合わせるだ
けで、接着剤自身の粘性により両フィルムがくっついた
状態が保たれるので、接着剤を乾燥させるために加圧さ
せる必要がなく、接着工程の作業性を向上させることが
できる。このように、加圧下で上部フィルム、接着剤、
下部フィルムの積層体を加熱する必要はなく、しかも、
プラスチゾル接着剤が、上部フィルムおよび下部フィル
ムの熱変形温度よりも低い温度で溶融ゲル化して接着す
ることができるものであるため、接着の際に、上部及び
下部フィルムが熱変形するのを防止でき、美観に優れた
薄膜スイッチを提供することができる。
【0030】さらに、接着層の印刷および硬化に特別な
装置を必要とせず、薄膜スイッチの製造設備が高価にな
ったり、複雑化することがない。
【0031】なお、前記実施例の要旨は、絶縁スペーサ
の対向面を絶縁スペーサの主成分たる熱可塑性樹脂(塩
化ビニル)を含んだ同種(塩化ビニル系)の樹脂(塩化
ビニルと酢酸ビニルの共重合体)を主成分としたプラス
チゾル接着剤にて接着した点にあるのであって、前記共
重合体の製造方法、可塑剤および安定剤の種類、下部フ
ィルムおよび上部フィルムの材質、それに電極、絶縁ス
ペーサ、および接着層の形成方法については、前記実施
例のものに限定されるものではない。これらについて
は、必要に応じて適宜のものまたは方法を用いることが
できる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
下部フィルムの下部電極形成面および上部フィルムの上
部電極形成面に熱可塑性樹脂を主成分としたプラスチゾ
ルから成る絶縁スペーサを印刷形成し、これら2面の絶
縁スペーサの対向面を前記熱可塑性樹脂を含んだ樹脂を
主成分とし、かつ、接着可能温度が前記下部フィルムお
よび上部フィルムの熱変形温度よりも低いプラスチゾル
接着剤にて接着してあるため、絶縁スペーサと接着剤と
のなじみが良く、絶縁スペーサ同士の接着強度を高める
ことができ、また、前記接着剤の溶融ゲル化温度たる接
着可能温度が下部フィルムおよび上部フィルムの熱変形
温度よりも低いため、接着時に下部フィルムと上部フィ
ルムが変形するおそれがなく、しかも、接着時に加圧を
必要としないので、作業性を高めることができる等、種
々の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る薄膜スイッチの断面図
である。
【図2】図1の薄膜スイッチの製造工程を示す説明図で
ある。
【図3】図1の薄膜スイッチの製造工程を示す説明図で
ある。
【図4】図1の薄膜スイッチの製造工程を示す説明図で
ある。
【図5】薄膜スイッチの従来例を示す断面図である。
【図6】薄膜スイッチの他の従来例を示す断面図であ
る。
【図7】薄膜スイッチのさらに他の従来例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 下部電極 2 下部フイルム 3 上部電極 4 上部フイルム 11 絶縁スペーサ 11a,11b 絶縁ペースト 12 接着層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部フィルムに設けられた下部電極と上
    部フィルムに設けられた上部電極とが絶縁スペーサを介
    して接離可能に対向して成る薄膜スイッチにおいて、前
    記下部フィルムの下部電極形成面および上部フィルムの
    上部電極形成面に熱可塑性樹脂を主成分としたプラスチ
    ゾルから成る絶縁スペーサを印刷形成し、これら2面の
    絶縁スペーサの対向面を前記熱可塑性樹脂を含んだ樹脂
    を主成分とし、かつ、接着可能温度が前記下部フィルム
    および上部フィルムの熱変形温度よりも低いプラスチゾ
    ル接着剤にて接着したことを特徴とする薄膜スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記下部フィルムと上部フィルムとが1
    枚のフィルムを折り曲げた連続体から成ることを特徴と
    する請求項1に記載の薄膜スイッチ。
  3. 【請求項3】 下部フィルムに設けられた下部電極と上
    部フィルムに設けられた上部電極とが絶縁スペーサを介
    して接離可能に対向して成る薄膜スイッチの製造方法に
    おいて、前記下部フィルムの下部電極形成面および上部
    フィルムの上部電極形成面のそれぞれに熱可塑性樹脂を
    主成分としたプラスチゾルから成る絶縁スペーサを印刷
    形成した後、これら絶縁スペーサを加熱して溶融ゲル化
    させ、しかる後、前記下部フィルムおよび上部フィルム
    に形成した各絶縁スペーサの少なくとも一方の面上に、
    前記熱可塑性樹脂を含んだ樹脂を主成分とし、かつ、そ
    の接着可能温度が前記下部フィルムおよび上部フィルム
    の熱変形温度よりも低いプラスチゾル接着剤を積層し、
    その後、前記下部フィルムおよび上部フィルムに形成さ
    れた前記絶縁スペーサ間に前記プラスチゾル接着剤が位
    置するように前記下部フィルムと上部フィルムとを重ね
    合わせ、しかる後、前記接着剤を加熱することにより、
    前記絶縁スペーサ同士を接着したことを特徴とする薄膜
    スイッチの製造方法。
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