JPH09271545A - アイアンセット - Google Patents

アイアンセット

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JPH09271545A
JPH09271545A JP8108355A JP10835596A JPH09271545A JP H09271545 A JPH09271545 A JP H09271545A JP 8108355 A JP8108355 A JP 8108355A JP 10835596 A JP10835596 A JP 10835596A JP H09271545 A JPH09271545 A JP H09271545A
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JP
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iron
count
head
center
gravity
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JP8108355A
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English (en)
Inventor
Norio Sumitomo
教郎 住友
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイアンセットに於て、インパクト直前まで
コックをためて一気にリストターンを行うタイプのゴル
ファーに対応して、ナイスショットを出易くする。 【解決手段】 バックフェース2にキャビティ3が凹設
されたヘッド1を有する。バックフェース2のキャビテ
ィ周囲壁部4のトウ側部位5とヒール側部位6の重量配
分を、シャフト軸心Lからの重心距離dが低番手になる
につれて小さくなるように、番手毎に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブのア
イアンセットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数本のアイアンゴルフクラブよ
り成るアイアンセットについては、特に近年、それぞれ
の番手の役割に注目したいわゆる「番手別機能設計」と
いう設計手法が多く用いられている。これらの手法の中
で最近よく見られるのが、ヘッドの返り易さ・返り難さ
に関するものである。周知の通り、ゴルフスイングにお
いては、インパクト近傍に於てリストターンが行われ、
開いているクラブフェースがインパクトの際にスイング
軌道に対して直角の向きに戻ることにより、ボールが真
っ直ぐ飛ぶナイスショットが生まれるが、リストターン
が遅れてフェースが開いてボールに当たった場合にはス
ライスボールとなり、また、過度のリストターンにより
フェースが閉じて当たった場合にはフックボールのミス
となることが知られている。
【0003】ここで、アイアンの番手とフェースの返り
易さ・返り難さとの関係を考えると、ロングアイアンほ
どフェースが返り難くてスライスのミスが出易く、また
ショートアイアンになればなるほど逆にフェースが返り
易くなり、フックや引っかけのミスが出易くなるという
ことが一般的に知られている。このことは各番手のクラ
ブ長さ及びヘッドの構造に起因するもので、経験的及び
理論的に明らかである。
【0004】上述のアイアンの番手とフェースの返り易
さ・返り難さとの関係をふまえて、従来のアイアンセッ
トは、一般に、ロングアイアンほどヘッドの重心をトウ
寄りにしてヘッドを返り易くし、ショートアイアンほど
重心をヒール寄りにしてヘッドを返り難くするという設
計が施されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアイア
ンセットの設計の前提となっているのは、重心がトウ側
にあるほどヘッドが返り易く、重心がヒール側にあるほ
どヘッドが返り難いという理論であり、世間一般にこの
ことが受け入れられてきたが、理論的な説明はほとんど
無く、主観的あるいは一部のゴルファーの経験的な主張
であった。
【0006】また、コックがたまって(手首が折れ曲が
って)フェースが開いた状態をインパクト直前まで保
ち、そこから一気にリストターンを行ってインパクトを
迎えるタイプのゴルファーの場合は、上記従来のアイア
ンセットを使用すると、ロングアイアンに於て、リスト
ターンがしきれず打球が右にずれ易いという事実があっ
た。
【0007】このため、アイアンの番手とフェースの返
り易さ・返り難さとの関係を検証すべく、本発明者等が
各種の実験と考察を行ったところ、コックをためるタイ
プのゴルファーの場合は、従来の理論とは全く逆に、ロ
ングアイアンほどヘッドの重心をヒール寄りにし、ショ
ートアイアンほど重心をトウ寄りにした場合に、ナイス
ショットが出易いという事実を本発明者等は発見した。
【0008】そこで、本発明は、インパクト直前までコ
ックをためて一気にリストターンを行うタイプのゴルフ
ァーに対応して、ナイスショットが出易いアイアンセッ
トを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明に係るアイアンセットは、シャフト軸心から
の重心距離が低番手になるにつれて小さくなるように、
番手毎に変化させたものである。また、バックフェース
にキャビティが凹設されたヘッドを有するアイアンセッ
トに於て、バックフェースのキャビティ周囲壁部のトウ
側部位とヒール側部位の重量配分を、シャフト軸心から
の重心距離が低番手になるにつれて小さくなるように、
番手毎に変化させたものである。
【0010】また、本発明に係るアイアンセットは、バ
ックフェースにキャビティが凹設されたヘッドを有する
アイアンセットに於て、キャビティ底壁部のトウ側領域
の肉厚を低番手になるにつれて小さくすると共にヒール
側領域の肉厚を低番手になるにつれて大きくして両領域
の重量配分を、シャフト軸心からの重心距離が低番手に
なるにつれて小さくなるように、番手毎に変化させたも
のである。
【0011】また、本発明に係るアイアンセットは、シ
ャフト軸心からの重心距離が低番手になるにつれて小さ
くなるように、ネック部の長さ寸法を低番手になるにつ
れて大きく設定したものである。
【0012】また、本発明に係るアイアンセットは、ヘ
ッドのトウ側部位の比重及び/又はヒール側部位の比重
を、シャフト軸心からの重心距離が低番手になるにつれ
て小さくなるように、番手毎に変化させると共に、残部
の比重を一定としたものである。
【0013】なお、フェースの長さ寸法を、低番手にな
るにつれて小さく設定するのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基き本発明を
詳説する。
【0015】図1と図2と図3は、本発明に係るアイア
ンセットの内の3番アイアンと6番アイアンと9番アイ
アンのヘッド1を、夫々バックフェース側(打球面と反
対側)から見た図である。このアイアンセットは、3番
アイアン〜9番アイアン、及び、ピッチングウェッジ
(PW)とサンドウェッジ(SW)の合計9本のセット
であり、図1は3番アイアン、図2は6番アイアン、図
3は9番アイアンのヘッドを示す。なお、10はネック
部、11はヒール、12はトウ、Gは重心である。
【0016】なお、アイアンセットは、一般に、7本〜
11本程度のアイアンクラブから成り、各番手のアイアン
クラブは、低番手から高番手へと順に1番アイアン〜9
番アイアン、ピッチングウェッジ(PW)、サンドウェ
ッジ(SW)、と呼ばれている。また、1番アイアン
は、アイアンセットから省略される場合が多い。
【0017】本発明では、1番、2番、3番アイアンを
ロングアイアンと呼び、4番、5番、6番アイアンをミ
ドルアイアンと呼び、7番、8番、9番アイアン、及
び、ピッチングウェッジ(PW)、サンドウェッジ(S
W)をショートアイアンと呼ぶこととする。
【0018】しかして、このアイアンセットは、バック
フェースにキャビティ3が凹設されたヘッド1を有し、
バックフェース2のキャビティ周囲壁部4のトウ側部位
5とヒール側部位6の重量配分を、シャフト軸心Lから
の重心距離dが低番手になるにつれて小さくなるよう
に、番手毎に変化させたものである。
【0019】具体的には、キャビティ周囲壁部4のトウ
側部位5の幅寸法をAとし、ヒール側部位6の幅寸法を
Bとしたときに、A/Bの値を、低番手になるにつれて
小さくなるように設定する。
【0020】これにより、シャフト軸心Lからの重心距
離dが低番手になるにつれて小さくなる。言い換えれ
ば、ショートアイアンから、ミドルアイアン、ロングア
イアンへと順に重心距離dが小さくなる。そして、ヘッ
ド1のシャフト軸心Lに関する慣性モーメントIzは低
番手になるにつれて小さくなる。なお、重心Gを通りシ
ャフト軸心Lと平行な軸心Kに関するヘッド1の慣性モ
ーメントをIgとし、ヘッド重量をmとすると、Iz=
Ig+md2 の式が成立する。
【0021】次に、図4と図5と図6と図7は、キャビ
ティ底壁部7のトウ側領域8の肉厚T1 を低番手になる
につれて小さくすると共にヒール側領域9の肉厚T2
低番手になるにつれて大きくして両領域8,9の重量配
分を、シャフト軸心Lからの重心距離dが低番手になる
につれて小さくなるように、番手毎に変化させたもので
ある。
【0022】しかして、図5は、図4のX−X線断面図
であり、3番アイアンを例示する。この3番アイアンの
ヘッド1では、キャビティ底壁部7のトウ側領域8の肉
厚T1 をヒール側領域9の肉厚T2 よりも小さく設定す
る。トウ側領域8とヒール側領域9の間には、段付部14
を形成する。
【0023】また、図6は、6番アイアンの断面図を示
し、キャビティ底壁部7のトウ側領域8の肉厚T1 をヒ
ール側領域9の肉厚T2 よりも小さく設定しているが、
3番アイアン(図5)と比較して、トウ側領域8の肉厚
1 を増加させ、ヒール側領域9の肉厚T2 を減少させ
ている。図7は、9番アイアンの断面図を示し、キャビ
ティ底壁部7のトウ側領域8の肉厚T1 をヒール側領域
9の肉厚T2 よりも大きく設定し、かつ、6番アイアン
(図6)と比較して、トウ側領域8の肉厚T1を増加さ
せ、ヒール側領域9の肉厚T2 を減少させている。な
お、ミドルアイアンに於て、肉厚T1 ,T2 を同一の値
に設定してもよい場合がある。
【0024】次に、図8は、シャフト軸心Lからの重心
距離dが低番手になるにつれて小さくなるように、ネッ
ク部10の長さ寸法Mを低番手になるにつれて大きく設定
したものであり、アイアンセットを構成する任意のアイ
アンクラブのヘッド1を示す。つまり、ショートアイア
ンから、ミドルアイアン、ロングアイアンへと順にネッ
ク部10の長さ寸法Mを大きくする。
【0025】ここで、ネック部10の長さ寸法Mとは、ヘ
ッド1をライ角通りに置いたときのソールの接線Jとシ
ャフト軸心Lの交点からネック部10の上端面までの長さ
のことである。このように構成したことにより、ヒール
11側の重量配分が低番手になるにつれて大きくなると共
に、重心距離dが低番手になるにつれて小さくなる。
【0026】また、図9は、ヘッドのトウ側部位15の比
重ρ1 を、シャフト軸心Lからの重心距離dが低番手に
なるにつれて小さくなるように、番手毎に変化させると
共に、残部の比重ρ2 を一定としたものであり、アイア
ンセットを構成する任意のアイアンクラブのヘッド1を
示す。
【0027】具体的には、バックフェース2のトウ側部
位15に切欠部を形成し、その切欠部に、ヘッド1の基本
材質を成す金属と異なる金属───即ち基本材質を成す
金属の比重とは異なる比重を有する金属───から成る
ウエイト部材17を、接着する。
【0028】また、ウエイト部材17の材質として、ロン
グアイアンではアルミニウムを使用し、ミドルアイアン
ではステンレスを使用し、ショートアイアンではタング
ステンを使用する。ヘッド1の基本材質を成す金属はス
テンレスとする。
【0029】ここで、金属の比重の大きさは、大きいも
のから小さいものへと順に、タングステン、ステンレ
ス、アルミニウムとなる。従って、ロングアイアンでは
重心Gがヒール11側に寄って重心距離dが小さくなり、
ミドルアイアンでは重心Gが中間部付近に位置して重心
距離dはロングアイアンの場合よりも大きくなり、ショ
ートアイアンでは重心Gがトウ12側に寄って重心距離d
がミドルアイアンの場合よりも大きくなる。
【0030】なお、ヘッド1のヒール側部位16の比重ρ
3 を、シャフト軸心Lからの重心距離dが低番手になる
につれて小さくなるように、番手毎に変化させると共
に、残部の比重ρ2 を一定とするのも好ましい。その場
合は、図示省略したが、バックフェースのヒール側部位
に切欠部を形成してその切欠部にウエイト部材を接着
し、残部をステンレス等の単一の金属とすればよい。
【0031】また、ヘッド1のトウ側部位15の比重ρ1
とヒール側部位16の比重ρ3 の両方を、シャフト軸心L
からの重心距離dが低番手になるにつれて小さくなるよ
うに、番手毎に変化させると共に、残部の比重ρ2 を一
定とするのも好ましい。その場合は、図示省略したが、
バックフェースのトウ側部位とヒール側部位の両方に切
欠部を形成してその切欠部に夫々ウエイト部材を接着
し、残部をステンレス等の単一の金属とすればよい。
【0032】なお、ヘッド1の基本材質を成す金属にウ
エイト部材17を固着する方法としては、接着以外にも、
圧入、焼きばめ等があげられる。また、基本材質を成す
金属は、ステンレス以外の金属としてもよい場合があ
り、例えば、軟鉄、チタン合金等があげられる。さら
に、ウエイト部材17を成す金属は、上述のアルミニウ
ム、ステンレス、タングステン以外の金属とするも自由
であり、例えば、チタン合金、銅合金等があげられる。
【0033】また、本発明のアイアンセットは、上記9
本セット以外にも、7本、8本、10本セットとするのも
自由であり、あるいは、11本セットとする場合もある。
また、(図示省略したが)バックフェース2にキャビテ
ィ3の無い形状のヘッドであっても良い。
【0034】また、図1〜図9に示したアイアンセット
に於て、ヘッド1のフェース13の長さ寸法Cを、低番手
になるにつれて小さく設定するのが好ましい。なお、フ
ェース13の長さ寸法Cとは、フェース13の平面部の左右
方向の長さのことである(図8参照)。このようにすれ
ば、ヘッド1のシャフト軸心Lに関する慣性モーメント
Izを低番手になるにつれて効果的に小さくすることが
できる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施品の一例と、従
来品のアイアンセットについて、3番アイアン(♯
3)、6番アイアン(♯6)、9番アイアン(♯9)の
3種類のアイアンクラブのスペックを、表1に示す。な
お、全アイアンセットについて、シャフトは同一のもの
を装着した。
【0036】
【表1】
【0037】上記表1に於て、本発明品1は、図1〜図
3に示したアイアンセットに対応したものである。ま
た、従来品1は、特に番手別の重心位置設計が施され
ず、かつ、キャビティを有していないアイアンセットで
ある。従来品2は、キャビティを有し、かつ、ロングア
イアンほど重心距離を大きくすると共にショートアイア
ンほど重心距離を小さくした───即ち低番手になるに
つれて重心距離を小さくした───アイアンセットであ
り、♯3と♯9の重心距離dの差が従来例1のものより
も大きくなっている。
【0038】この表1から分かるように、本発明品1で
は、重心距離dが低番手になるにつれて小さくなってい
る。また、従来品1,2では、重心距離dが低番手にな
るにつれて大きくなっている。
【0039】また、ヘッドの重心Gを通るシャフト軸心
Lと平行な軸心Kに関する慣性モーメントIg、及び、
ヘッド重量mは、各アイアンセットの番手毎に同一の値
となっている。ここで、Iz=Ig+md2 が成立する
ので、重心距離dが大きいほどシャフト軸心に関する慣
性モーメントIzも大きい。
【0040】次に、上記表1の各アイアンクラブについ
て、スイングの癖が相違する3人のテスターにより実打
テストを行った。表2は、各テスターO,P,Qのスイ
ングにおけるインパクト直前0.09秒〜0.01秒の間のコッ
ク(手首の折れ)の角度を測定したものである。
【0041】
【表2】
【0042】なお、コック角度の測定は、各テスターの
ほぼ正面からスイングを撮影し、その画像から測定した
ものであり、コック角度は、(右打ちの)テスターの左
腕とアイアンクラブのシャフトとのなす角度θ(度)を
求めて、180 (度)からその角度θ(度)を減じた値で
ある。コック角度が大きいほど、手首の折れの度合いが
大きく、いわゆるコックがたまった状態であることを示
す。
【0043】また、変化率は、単位時間内におけるコッ
ク角度の減少の角速度(アンコックの速さ)を示したも
のであり、この変化率の値が大きいほど、コックをほど
く速さ(アンコックの速さ)が高速であることを示す。
【0044】表2から分かるように、テスターOはイン
パクトの直前までコックをためて、そこから素早くヘッ
ドを返して行くタイプのゴルファーであり、テスターQ
は、逆にダウンスイングの初期段階よりコックをほどい
て行くタイプのゴルファーである。また、テスターP
は、コックの使い方に関してテスターOとテスターQの
中間的なタイプのゴルファーである。
【0045】上記表2に示した3人のテスターO,P,
Qによる、表1に示した本発明品1、及び、従来品1,
2のアイアンクラブの実打テストの結果を、次の表3に
示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3の実打テストの値は、各クラブにおけ
る各テスターの打球の内、ダフリやトップ等の打ち損じ
を除いた有効打球10球の平均値をとった。また、「ズ
レ」とは、打球が目標とする方向から左右に何ヤードず
れたかを示すものであり、(+)の値は右に、(−)の
値は左にずれたことを示す。
【0048】しかして、表3から分かるように、コック
をためるタイプのテスターOの場合、本発明品1では従
来品1,2に比して「ズレ」の絶対値が小さくなってい
る。これにより、コックをためるタイプのゴルファーで
は、本発明品1は、従来品1,2に比して、各番手とも
打球が左右にずれ難いと言える。これは、ヘッドの返り
づらい♯3を比較的ヒール重心とすることでヘッドが返
り易くなり、ヘッドが返って引っかけ易い♯9を比較的
トウ重心とすることによりヘッドが返り難くなったた
め、アイアンセット内に於ける各番手間のヘッドの返り
の違和感が無くなったことによると考えられる。
【0049】なお、従来品1のアイアンセットでは、♯
3のショットが右に、♯9のショットが左にずれる傾向
が見られる。また、従来品2では、♯3のショットが右
に、♯9のショットが左にずれる傾向が一層顕著であ
る。これは、コックをためるゴルファーOが、もともと
ヘッドが返りづらいロングアイアンをトウ重心にすれ
ば、さらにヘッドが返りづらくなることを示していると
いえる。
【0050】次に、コックを早くほどくタイプのテスタ
ーQでは、テスターOの場合と全く逆に、従来品2でシ
ョットの左右のずれが最も小さく、次いで従来品1であ
り、本発明品1ではショットの左右のずれが最も大きく
なっている。また、テスターPでは、テスターO,Qの
中間的な結果となっている。
【0051】これにより、本発明品1は、コックをため
てからヘッドを素早く返して行くタイプのゴルファーに
対して有効にショットのずれを小さくすることができ、
コックをほどくのが早いゴルファーには向いていないと
いうことができる。
【0052】また、各番手に於て、本発明品1のIz
が、従来品1のIzよりも大きいにもかかわらず(表1
参照)、コックをためるテスターOの場合、♯3に於
て、従来品1の方が本発明品1よりも打球が右にずれ易
いという結果が出ており、本発明者等が実打テスト前に
考えていた理論とは異なる結果である。
【0053】ここで、本発明者等が実打テスト前に考え
ていた理論とは、コックがたまってフェースが開いた状
態をインパクト直前まで保ち、そこから一気にリストタ
ーンを行ってインパクトを迎えるタイプのゴルファー
は、ロングアイアンの場合、トウ側重心であるほど──
─シャフト軸心に関する慣性モーメントIzが大きいほ
ど───、リストターンしきれずヘッド(フェース)が
返り難くなり、(右打ちでは)打球が右へずれ易くなる
という理論である。
【0054】この結果は、本実打テストの方法と密接な
関係があると考えられる。即ち、本実打テストは、各セ
ットについてそれぞれ事前に十分練習打撃を行った後、
各セット毎に♯3から♯9、または、♯9から♯3まで
の実打を行ったものであり、各番手毎には行っていな
い。このテスト方法は、クラブの実際の使用を考えての
ことであるが、これによりテスターは練習によって各セ
ットにおけるヘッドの返りの度合いを感じとって、ある
程度それに合わせたスイングを自然に行ったものと考え
られる。
【0055】このことより、アイアンセットの性能を考
える場合、セット内における番手間のヘッドの返りの違
和感が重要ということであり、本発明品1は、テスター
Oの様なコックをためるタイプのゴルファーにとって、
ヘッドの返りに関して番手間の違和感の少ない方向性の
安定したアイアンセットであると言うことができる。
【0056】次に、表4は、本発明品2の主要スペック
を示し、キャビティ底壁部のトウ側領域の肉厚T1 を低
番手になるにつれて小さくすると共にヒール側領域の肉
厚T2 を低番手になるにつれて大きくして両領域の重量
配分を、シャフト軸心からの重心距離dが低番手になる
につれて小さくなるように、番手毎に変化させて作製し
たものである。このアイアンセットを構成するクラブの
ヘッドは、図4と図5と図6と図7のヘッド1に対応す
る。
【0057】
【表4】
【0058】また、表5は、本発明品3の主要スペック
を示し、シャフト軸心からの重心距離dが低番手になる
につれて小さくなるように、ネック部の長さ寸法Mを低
番手になるにつれて大きく設定して作製したものであ
る。
【0059】
【表5】
【0060】表6は、本発明品4の主要スペックを示
し、シャフト軸心からの重心距離dが低番手になるにつ
れて小さくなるように、バックフェースのトウ側部位に
ヘッドの基本材質を成す金属と異なる金属から成るウエ
イト部材を、接着もしくは圧入して作製したものであ
る。このアイアンセットを構成するクラブのヘッドは、
図9のヘッド1に対応する。
【0061】
【表6】
【0062】表7は、本発明品5の主要スペックを示
し、フェースの長さ寸法Cを、低番手になるにつれて小
さく設定して作製したものである。
【0063】
【表7】
【0064】上記表4,5,6,7から明らかなよう
に、何れのアイアンセットについてもシャフト軸心から
のヘッドの重心距離dが低番手になるにつれて小さくな
っている。これにより、本発明品2,3,4,5は、表
1に示した本発明品1と同様に、コックをためるタイプ
のゴルファーにとって、ヘッドの返りに関して番手間の
違和感の少ない方向性の安定したアイアンセットである
と推定できる。
【0065】
【発明の効果】本発明は上述の構成により、次のような
著大な効果を奏する。
【0066】請求項1,2,3,4及び5記載のアイア
ンセットによれば、従来に無い斬新な設計により、コッ
クをためるタイプのゴルファーにとって、ヘッドの返り
に関して番手間の違和感の少ない方向性の安定したアイ
アンセットを実現できる。即ち、コックをためるタイプ
のゴルファーが、番手を変えてもヘッドの返り具合が同
じように感じられるので、どの番手のアイアンクラブで
も同じようなタイミングでジャストミートすることにな
り、番手毎に打ち方を変える必要が無く、実際にゴルフ
プレイ(ラウンド)する場合に於てナイスショットが出
る確率が極めて高くなる。
【0067】請求項6記載のアイアンセットによれば、
シャフト軸心Lからの重心距離dを低番手になるにつれ
て小さくさせるための設計の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアイアンセットの実施の一形態の3番
アイアンのヘッドの説明図である。
【図2】6番アイアンのヘッドの説明図である。
【図3】9番アイアンのヘッドの説明図である。
【図4】本発明のアイアンセットの他の実施の形態に於
ける3番アイアンのヘッドの説明図である。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】6番アイアンのヘッドの断面図である。
【図7】9番アイアンのヘッドの断面図である。
【図8】本発明のアイアンセットの別の実施の形態に於
ける任意のアイアンのヘッドの正面図である。
【図9】本発明のアイアンセットのさらに別の実施の形
態に於ける任意のアイアンのヘッドの説明図である。
【符号の説明】
1 ヘッド 2 バックフェース 3 キャビティ 4 キャビティ周囲壁部 5 トウ側部位 6 ヒール側部位 7 キャビティ底壁部 8 トウ側領域 9 ヒール側領域 10 ネック部 13 フェース 15 トウ側部位 16 ヒール側部位 C 長さ寸法 d 重心距離 K 軸心 T1 肉厚 T2 肉厚 ρ1 比重 ρ2 比重 ρ3 比重

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフト軸心Lからの重心距離dが低番
    手になるにつれて小さくなるように、番手毎に変化させ
    たことを特徴とするアイアンセット。
  2. 【請求項2】 バックフェース2にキャビティ3が凹設
    されたヘッド1を有するアイアンセットに於て、バック
    フェース2のキャビティ周囲壁部4のトウ側部位5とヒ
    ール側部位6の重量配分を、シャフト軸心Lからの重心
    距離dが低番手になるにつれて小さくなるように、番手
    毎に変化させたことを特徴とするアイアンセット。
  3. 【請求項3】 バックフェース2にキャビティ3が凹設
    されたヘッド1を有するアイアンセットに於て、キャビ
    ティ底壁部7のトウ側領域8の肉厚T1 を低番手になる
    につれて小さくすると共にヒール側領域9の肉厚T2
    低番手になるにつれて大きくして両領域8,9の重量配
    分を、シャフト軸心Lからの重心距離dが低番手になる
    につれて小さくなるように、番手毎に変化させたことを
    特徴とするアイアンセット。
  4. 【請求項4】 シャフト軸心Lからの重心距離dが低番
    手になるにつれて小さくなるように、ネック部10の長さ
    寸法Mを低番手になるにつれて大きく設定したことを特
    徴とするアイアンセット。
  5. 【請求項5】 ヘッド1のトウ側部位15の比重ρ1 及び
    /又はヒール側部位16の比重ρ3 を、シャフト軸心から
    の重心距離dが低番手になるにつれて小さくなるよう
    に、番手毎に変化させると共に、残部の比重ρ2 を一定
    としたことを特徴とするアイアンセット。
  6. 【請求項6】 フェースの長さ寸法Cが、低番手になる
    につれて小さく設定されている請求項1,2,3,4又
    は5記載のアイアインセット。
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