JPH09268480A - ホットカーペット - Google Patents

ホットカーペット

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JPH09268480A
JPH09268480A JP7406296A JP7406296A JPH09268480A JP H09268480 A JPH09268480 A JP H09268480A JP 7406296 A JP7406296 A JP 7406296A JP 7406296 A JP7406296 A JP 7406296A JP H09268480 A JPH09268480 A JP H09268480A
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圭吾 吉川
Shinichi Yoshioka
真一 吉岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防滑性、ホットカーペット製造時のホットプレ
ス離型性、フォームの圧縮回復性、収納時によるフォー
ム面同士の耐湿熱ブロッキング性、塩化ビニルクッショ
ンフロア・フローリングとの耐湿熱ブロッキング性等に
優れ、防滑剤加工時のクラック発生のない及び加工後長
期収納時の耐屈曲性のよいホットカーペットを提供す
る。 【解決手段】ゲル分率95%以上のMBR系合成樹脂ラ
テックス(A)25〜95重量%とゲル分率40%以上
95%未満のMBR系合成樹脂ラテックス(B)5〜7
5重量%とを含み、さらに固形分換算で該ラテックス
(A)と該ラテックス(B)との合計100重量部に対
し、ブロッキング防止剤(C)0.5〜10重量%と、
全MBR系合成樹脂のカルボキシル基に対し1〜5倍当
量のエポキシ基を有するエポキシ架橋剤(D)とを含む
防滑用組成物を基材に塗工したホットカーペットに関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットカーペット
に関し、さらに詳細には、防滑剤のフォーム加工におけ
る乾燥工程時のクラック発生、ホットカーペット製造時
の加熱プレス離型性及びフォーム層のプレス圧縮回復
性、長期折り畳み収納時におけるフォーム面同志の耐湿
熱ブロッキング性及びフォーム層折れ部分の耐屈曲性、
長期敷設時に起こりうる塩化ビニルクッションフロア、
フローリングとの耐湿熱ブロッキング性、床用ワック
ス、家庭用洗剤に含まれる皮膜物質との耐接着性等、種
々の問題点を解決した、防滑用組成物を基材に塗布した
ホットカーペットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からホットカーペットは、防滑処理
をしていないので、人が上を歩くことによる敷設後の移
動・ズレ、また特に掃除機によるめくれや移動・ズレ等
が問題になっている。
【0003】しかし最近では、この移動・ズレを解消す
るために、両面粘着テープでの固定やホットカーペット
裏面への合成樹脂のドット加工、また樹脂フィルムを貼
付したものが登場してきている。この中で最も好ましい
方法としては、ホットカーペット裏面への樹脂加工であ
る。粘着テープによる固定は、埃による粘着性のダウ
ン、床への粘着成分の転写、剥離・敷設の繰り返しが困
難であること、またドット加工では十分な防滑性が得ら
れないこと、更に樹脂フィルムの貼付ではコスト高であ
ることと断熱性に乏しいためである。
【0004】樹脂加工の中でも、特にラテックスコンパ
ウンドを使用する場合は、比較的安価で簡単に加工する
ことができる。即ち、ホットカーペット裏面にラテック
スフォーム層を形成させると、防滑性だけでなく、断熱
性、吸音性、クッション性に優れたものを得ることがで
きる。ラテックスフォーム層の形状については、コス
ト、防滑性及びその他の物性のバランスに応じて平面、
筋引き(凹凸)、ドット状を選択できる。
【0005】またプレス離型性、耐塩ビブロッキング
性、フォーム面同士の耐ブロッキング性等の改善は、従
来は硫黄架橋やマイクロカプセルによる熱発泡を行って
いた。しかしながら、上述した従来のラテックスコンパ
ウンドでは、臭気や圧縮回復性、防滑性が良くなく、ホ
ットカーペット用防滑剤として前記要求物性の全てを満
たすことができなかった。
【0006】すなわち、フォーム加工時の乾燥工程に発
生するクラック、ホットカーペット製造時の熱プレスに
よるフォームの変形・型離れ性、屋内倉庫貯蔵時のフォ
ーム面同士のブロッキング、床へ敷設後の床とのブロッ
キング、シーズンオフ収納時におけるフォーム面同士の
ブロッキング、折り畳んだ折れ部分の割れ発生等の問題
があった。
【0007】この中でクラックに関しては、乾燥温度の
ダウン、低Tg・低モジュラスラテックスのブレンドで
解決は可能である。しかし、ホットカーペットの製造で
は、電熱線をニードルパンチ不織布(ホットカーペット
表面材)とフォーム層を付与したニードルパンチ不織布
(ホットカーペット裏面材)とで、サンドイッチ状に熱
プレス(150℃、1kg/cm2、90秒)するた
め、通常のラテックスフォームでは、脱型時にプレスに
粘着し、無理に剥すとフォーム層で材破する場合もあ
る。更にフォーム層が圧縮によりエンボスされ、元の形
状に回復しないことが多い。この場合の解決法として
は、硫黄による加硫が非常に効果的だが、用途がホット
カーペットだけに、臭気及び毒性の面からも加硫は不可
能である。またかかる過酷な条件下では、架橋や充填剤
の添加等のみでは、解決が不可能であり、ラテックス組
成そのものを改良する必要がある。
【0008】フォーム加工したホットカーペットを、フ
ォーム面を合わせて折り畳んだ状態、また更に、その上
に他の収納物を積み重ね圧力を加えた状態で、長期間収
納・保管すると、ラテックスフォーム面同士でブロッキ
ングが発生し、最悪のケースでは再剥離時に材破する場
合がある。この傾向は保管場所が高温多湿である程顕著
である。
【0009】この解決策としては、フォーム面を加熱に
より再キュアするか剥離剤を塗布すれば良いのだが、現
実には無理である。また同時に収納時、長期に渡って折
り畳んだ状態でいるため、折れ目に割れが生じることが
ある。
【0010】この現象については、フォーム乾燥工程時
のクラックと同様、低Tg・低モジュラスラテックスを
ブレンドすることで解決できるが、ブロッキングとは相
反する傾向であることに留意しなければならない。
【0011】ホットカーペット用防滑組成物に関して最
も重大な問題は、床材とのブロッキング、または接着等
のトラブルである。特に、塩化ビニルのクッションフロ
アとの接着、ブロッキングは必ずといって起こり得る。
場合によってはフローリングともブロッキング、接着が
生じるケースもある。これらは、通常の場合では殆ど起
こり得ないが、結露が生じたり、また何らかの理由で、
フォーム面と床との間に水が介在した場合に起こる。
【0012】塩化ビニルの場合は、ホットカーペットの
熱で可塑剤がブリードするために起こり、通常のラテッ
クスではTgに関係なく、剥離時に必ずといって良い
程、フォーム層は材破する。同様の現象で床用ワックス
やつや出し洗剤の様に、皮膜成分を含有する液状物質が
半乾きの状態でホットカーペットを敷設すると、フォー
ムと床が容易に接着し、無理に剥すとフォーム層で材破
する。
【0013】ワックスには、皮膜成分の他に溶剤も含ま
れているので、改善策として、耐溶剤性の良好なNBR
をブレンドし、亜鉛華の添加で皮膜強度をアップするな
どの手段を採ることができる。しかし、NBRは、耐熱
性、特に耐候性が非常に劣るので、ホットカーペットの
防滑剤としては、不適当である。
【0014】以上のように、従来は、上記問題点を改善
するラテックス組成物を塗工したホットカーペットは知
られていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を解決し、しかも優れた防滑性、防音性、ク
ッション性、断熱性と美観を有する防滑組成物を塗工し
たホットカーペットを提供することを目的とする。
【0016】即ち本発明は、特定の組成の防滑剤を使用
することにより、ホットカーペット製造時の加熱プレス
離型性、プレス圧縮回復性、ホットカーペット折り畳み
長期収納時における防滑面同士の耐湿熱ブロッキング
性、またホットカーペット敷設時における塩化ビニル製
クッションフロア、フローリングとの耐湿熱接着性また
は耐湿熱ブロッキング性、皮膜強度(耐摩耗性)、また
床ワックス等の皮膜物質との耐接着性、更には、フォー
ム加工における乾燥工程時に発生するクラック、長期折
り畳み収納時に生じるフォーム層折れ部分の割れ、即ち
耐屈曲性等の問題を解決したホットカーペットを提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、鋭意検討を重ねた結果、高分子量のM
BR系合成樹脂ラテックス、低分子量の合成樹脂ラテッ
クス、ブロッキング防止剤、架橋剤、充填剤等を含む防
滑用組成物を使用すれば、課題が解決できることを発見
し、本発明を完成させるにいたった。
【0018】すなわち本発明は、ゲル分率95%以上の
MBR系合成樹脂ラテックス(A)25〜95重量%と
ゲル分率40%以上95%未満のMBR系合成樹脂ラテ
ックス(B)5〜75重量%とを含み、さらに固形分換
算で該ラテックス(A)と該ラテックス(B)との合計
100重量部に対し、ブロッキング防止剤(C)0.5
〜10重量%と、全MBR系合成樹脂のカルボキシル基
に対し1〜5倍当量のエポキシ基を有するエポキシ架橋
剤(D)とを含有してなる防滑用組成物を基材に塗工し
てなるホットカーペットに関するものであり、好ましく
はMBR系合成樹脂ラテックス(A)及びMBR系合成
樹脂ラテックス(B)が、脂肪族共役ジエン45〜70
重量%、メタアクリル酸エステル27〜55重量%、エ
チレン系不飽和ジカルボン酸0.5〜3重量%を主要成
分として、水性媒体中で共重合してなるものであり、ま
た好ましくは防滑用組成物が、さらに固形分換算でMB
R系合成樹脂ラテックス100重量部に対し、充填剤を
100重量%未満含有してなるホットカーペットに関す
るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のMBR系合成樹脂ラテッ
クスは、ゲル分率95%以上のMBR系合成樹脂ラテッ
クスとゲル分率40%以上95%未満のMBR系合成樹
脂ラテックスとからなる。
【0020】本発明のMBR系合成樹脂ラテックスにお
けるゲル分率とは、2cm(縦)×2cm(横)×0.
5cm(厚み)のラテックスフィルムを、トルエン/ア
セトン:1/1の混合溶媒中に25℃で24時間浸漬
し、フィルムの不溶分を完全乾燥させたときの重量を不
溶分重量とすると、(不溶分重量)/(元のラテックス
フィルムの重量)×100の(%)値をいう。
【0021】本発明のMBR系合成樹脂ラテックスは、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体、エチレン系不飽
和ジカルボン酸単量体及び脂肪族共役ジエン単量体を主
成分として用いた、メタクリル酸エステルー脂肪族共役
ジエン単量体系ラテックス、特に(メタ)アクリル酸メ
チルーブタジエン系ラテックスである。その他にスチレ
ン−ブタジエン系ラテックス、アクリロニトリル−ブタ
ジエン系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系エマルジ
ョン、酢酸ビニルエマルジョン、クロロプレン、イソプ
レン、ポリブタジエンエマルジョン、アクリルエマルジ
ョン、ウレタンエマルジョン、ポリエステルエマルジョ
ン等をブレンドしても構わないが、各種物性のバランス
面から、MBR系ラテックスを単独で使用した方が好ま
しい。脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、
1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3
−ブタジエンなどが挙げられるが、これらの内、1,3
−ブタジエンが好ましい。この脂肪族共役ジエン系単量
体の使用量は、特に制限されないが、45〜70重量%
の範囲で用いるのが好ましい。脂肪族共役ジエンが45
重量%以下では、フォーム面同士の自己湿熱ブロッキン
グは良好となるが、加工時のクラックが多く、また折り
畳み時の耐屈曲性が劣り、更には塩化ビニルと湿熱ブロ
ッキングし易くなる。また70重量%以上では、皮膜強
度が弱くなることおよび粘着性が増すので好ましくな
い。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例
えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸−2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチルメ
タクリレート、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アミノエチルメタクリレート、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシルヒドロキシエチルアクリレート、ア
ミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリ
レート、ジエチルアミノエチルアクリレート等が挙げら
れる。これらの単量体のうち、メタクリル酸メチルが最
も好ましい。これらの単量体の使用量は、27〜55重
量%の範囲で用いる。(メタ)アクリル酸エステルが2
7重量%以下では耐候性が劣り、また55重量%以上で
は耐可塑剤性が劣る。
【0022】エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体とし
ては、例えば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等が
挙げられる。これらの単量体に各ジカルボン酸のハーフ
エステルやメタアクリル酸やアクリル酸、クロトン酸等
の不飽和モノカルボン酸を併用しても良いが、不飽和ジ
カルボン酸のみ使用した方が耐熱性の点で好ましい。こ
れらのジカルボン酸単量体の使用量は0.5〜3重量%
の範囲が好ましい。0.5重量%以下ではコンパウンド
安定性及び機会的安定性が著しく悪化し、3重量%以上
では、架橋剤との反応点が多く皮膜強度の点では有利で
あるが、加工時のクラック、耐熱性においてはマイナス
要因となる。
【0023】本発明のMBR系合成樹脂ラテックスは、
上記の単量体の他に、これらの単量体と共重合可能な単
量体を共重合成分として使用することができる。共重合
可能な単量体としては、例えばアクリルアミド、メタク
リルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、クロルス
チレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、メタアクリロニ
トリル、アクリロニトリル、アクリル酸エステル等が挙
げられる。これらの共重合可能な単量体の1種又は2種
以上を用いることができる。
【0024】また湿熱ブロッキング性を改善するため
に、ラテックス粒子の内部架橋剤を使用することができ
る。内部架橋剤としては、例えばN−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、グリシ
ジルメタアクリレート、ジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタアクリレート、ジアセトンアクリルアミ
ド等を挙げることができる。これらの内部架橋剤を共重
合しても何等問題ないが、フォーム加工時のクラック及
び風合いの変化に注意が必要である。
【0025】本発明のMBR系合成樹脂ラテックスに使
用する重合開始剤としては例えば、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系開
始剤、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド等の有機過酸化物、過酸化水素等使用できる。重
合開始剤の使用量は、単量体混合物の0.03〜2.5
重量%で、好ましくは0.05〜1.0重量%である。
また、乳化重合を促進させるために、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グルコース、
ホルムアルデヒド、L−アスコルビン酸、ナトリウムス
ルホキシレート等の還元剤、グリシン、アラニン、エチ
レンジアミン四酢酸アンモニウム塩等キレート剤を併用
することもできる。
【0026】乳化重合に使用する乳化剤としては、例え
ば脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、
ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハ
ク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオ
ン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン
オキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン乳化
剤が挙げられる。アニオン系またはノニオン系乳化剤の
いずれか単独または両者の組み合わせて使用することが
でき、またノニオン系とアニオン系のいずれかを複数用
いこれらをさらに併用することもでき、さらにノニオン
系、アニオン系反応性乳化剤の使用することができる。
いずれの場合も機械的にも化学的にも安定なラテックス
が得られれば、その使用法は何等限定されるものではな
い。また乳化剤の使用量は、通常、単量体混合物の0.
2〜5重量%であり、特に0.5〜3重量%の範囲が好
ましい。乳化剤の使用量が0.2重量%未満では、共重
合体の製造時に凝集物が発生するなど、重合安定性が悪
くなり、一方5重量%を越えると得られる共重合体ラテ
ックスの平均粒子径が小さくなり、フォームバッキング
剤調製時の充填剤の分散性及び調製後の粘度に経時変化
を生じさせる。
【0027】本発明のホットカーペットに使用する2種
類のMBR系合成樹脂ラテックスは、前記の単量体組成
をベースとするが、特定のゲル分率にするためには、重
合時に連鎖移動剤及び重合停止剤等の分子量調整剤また
は重合率調整剤を適宜使用することができる。
【0028】本発明はゲル分率40以上95%未満のM
BR系合成樹脂ラテックスを使用することにより、ホッ
トカーペットフォーム加工時における樹脂組成物のクラ
ック、加工後長期収納時における耐屈曲性を改善するこ
とができる。必要に応じて連鎖移動剤及び重合停止剤を
使用してゲル分率を調整することができる。
【0029】またゲル分率95%以上のMBR系合成樹
脂ラテックスを使用することにより、種々のブロッキン
グ、皮膜強度、反発弾性(圧縮回復性)等を改善するこ
とができる。これらの改善には、高分子量で且つブタジ
エンの架橋による三次元構造が重要なので、特に上記連
鎖移動剤及び重合停止剤を必要とせず、使用しても非常
に少量であることが必要である。
【0030】連鎖移動剤としては、通常の重合で使用さ
れるものを使用することができる。例えばt−ドデシル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメ
ルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキ
シルメルカプタン等のメルカプタン類、テルピノーレ
ン、t−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー、エ
チルキサントゲンジスルフィド、テトラエチルチウラム
ジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンスルフィ
ド、アミノフェニルスルフィド等が挙げられ、これらの
1種または2種以上を使用することもできる。連鎖移動
剤の使用量は、各連鎖移動剤の連鎖移動定数により全く
異なる。例えばt−ドデシルメルカプタンを例に挙げる
と、ゲル分率95%以上のMBR系合成樹脂ラテックス
の場合、単量体混合物の1.0重量%以下、好ましくは
0.3重量%以下であり、ゲル分率40%以上で95%
未満のMBR系合成樹脂ラテックスの場合、単量体混合
物の0.01〜2.5重量%、好ましくは0.05〜
1.0重量%である。
【0031】また重合停止剤としては、例えば、ハイド
ロキノン(フェノール)系、アミン系、硫黄系、硫酸ヒ
ドロキシルアミン、アンモニア、苛性ソーダ、苛性カリ
等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用するこ
とができる。その使用量は重合停止剤の種類及び単量体
との反応性比により全く異なるが、例えば硫酸ヒドロキ
シルアミンを例に挙げると、ゲル分率95%以上のMB
R系合成樹脂ラテックスの場合、単量体混合物の5.0
重量%以下、好ましくは3.0重量%以下であり、重合
率98%以上を確認した後に加えるのが好ましく、ゲル
分率40%以上で95%未満のMBR系合成樹脂ラテッ
クスの場合、単量体混合物の0.1〜5.0重量%、好
ましくは0.2〜3.0重量%であり、重合率96%以
上に達した時点での添加が好ましい。この理由は、ゲル
分率95%以上のMBR系合成樹脂ラテックスでは、重
合率98%以上でないと、高分子量且つブタジエンの三
次元架橋による高ゲル分率のものが得られないからであ
る。またゲル分率95%未満のMBR系合成樹脂ラテッ
クスでは、特にブタジエン含有量が多い場合、低分子量
成分が非常に多くゲル分率が40%未満になり易く、こ
の場合には粘着によるブロッキングを発現し易いからで
あり、重合率97%以上になると、ブタジエンの架橋、
高分子量化が進みゲル分率が高く(95%以上)なり易
く、耐クラック性及び耐屈曲性を改善する成分になり難
いからである。
【0032】本発明の防滑用組成物において、ゲル分率
95%以上のMBR系合成樹脂ラテックスでは連鎖移動
剤、重合停止剤を添加しなくてもよく、また併用しても
よく、ゲル分率40%以上で95%未満のMBR系合成
樹脂ラテックスでは、それぞれ単独で使用してもよく、
また併用してもよい。方法如何を問わず、結果的に本発
明のMBR系合成樹脂ラテックスは、特定のゲル分率の
ものが得られればよく、その重合率は、任意の(%)値
でもよい。
【0033】本発明のMBR系合成樹脂組成物の製造方
法については、従来公知の方法は用いることができる。
例えば、単量体混合物100重量部に対して、水100
〜300重量部と乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤等を
上記した範囲内の量で使用し、5〜90℃の温度で5〜
30時間乳化重合すればよい。必要とあらば、任意の重
合率にて停止剤を添加し、反応を完結すればよい。
【0034】上記重合乳化剤、連鎖移動剤、重合開始
剤、重合停止剤の他、必要に応じて各種電解質、pH調
整剤、シードラテックス等を併用することができる。本
発明で使用するMBR系合成樹脂ラテックスは、前記の
単量体組成をベースとするが、ゲル分率95%以上にな
るように分子量を調整したMBR系合成樹脂ラテックス
(A)とゲル分率が40%以上95%未満になるように
分子量を調整したMBR系合成樹脂ラテックス(B)
を、重量比で25〜95:5〜75の範囲で混合したも
のである。または、一方のMBR系合成樹脂ラテックス
をシードとして、他方のMBR系合成樹脂ラテックス単
量体混合物をコア−シェル重合しても良い。
【0035】高ゲル分率MBR系ラテックス(A)の比
率が多い程加工時のクラック、折り畳み時の割れには不
利になるが、他の前記した物性面では有利になり、逆に
低−中ゲル分率MBR系ラテックス(B)の比率が多く
なると、自己ブロッキング、床材とのブロッキングを起
こし易くなり、更に熱プレス時の型離れ性、圧縮回復性
が不良となる。
【0036】また、本発明のMBR系合成樹脂ラテック
スは、脂肪族共役ジエン45〜70重量%、(メタ)ア
クリル酸エステル27〜55重量%、エチレン系不飽和
ジカルボン酸0.5〜3重量%及びその他共重合重合可
能なエチレン性不飽和単量体を、水性媒体中で共重合し
てなるものが好ましい。また脂肪族共役ジエンの含有量
が多い程皮膜強度、フォーム面同士の耐湿熱ブロッキン
グ性及びフローリングとの耐湿熱ブロッキング性が劣
り、(メタ)アクリル酸エステル単量体が多くなると塩
ビとの耐湿熱ブロッキング性、耐屈曲性、耐クラック
性、圧縮回復性(反発弾性)等が劣る。
【0037】本発明の防滑用組成物では、上記合成樹脂
ラテックスに、ブロッキング防止剤及びエポキシ架橋剤
を加えることが必要である。本発明のブロッキング防止
剤としては、例えばステアリルステアレート、ステアリ
ン酸塩系、カルナバワックス、ロジン系ワックス、パラ
フィン系ワックス、シリコンワックス、ステアリン酸亜
鉛等、フッ素系活性剤等が挙げられる。これらのうち、
ステアリルステアレートが好ましい。このブロッキング
防止剤の使用量は0.5〜10重量%の範囲である。こ
の添加量が多い程、熱プレス時の型離れ性及び耐自己ブ
ロッキング性が良好となるが、10重量部以上使用して
も効果に変化が無く、かえって皮膜強度を低下させるの
で好ましくはない。極力少量添加するのが好ましい。
【0038】本発明のエポキシ架橋剤は、エポキシ当量
の多いもの、できれば架橋剤1モル当たり最低3モル以
上のエポキシ基を含有する架橋剤が好ましい。エポキシ
架橋剤の添加量は、ラテックスのカルボキシル基の1.
0〜5.0倍当量が最も好ましい。1.0倍以下では、
架橋速度が遅く、また架橋せずに失活する場合があるた
め、皮膜強度が弱くなり物性面で不利になる。逆に5.
0倍以上では、架橋しなかった余分の架橋剤が空気中の
水分を吸収し易くなるためブロッキング面で不利にな
る。つまり、1.0〜5.0倍当量以外では自己湿熱ブ
ロッキングや床材との湿熱ブロッキングを起こし易い。
【0039】本発明の防滑用組成物には、その他充填
剤、発砲剤、増粘剤を添加することができる。充填剤と
しては例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシュ
ウム、炭酸マグネシュウム、硫酸バリウム、重質炭酸カ
ルシュウム、タルク、クレー、シリカ、カーボンブラッ
ク、酸化チタン等が挙げられる。その他の無機添加剤を
添加しても良く、更にこれらを併用しても構わない。こ
れらのうち水酸化アルミニウムが好ましく、0〜150
重量%の範囲で使用する。水酸化アルミニウム150重
量%以上では、著しく皮膜強度を低下させ、折り畳時に
割れ易くなるが、それ以下では添加量と共に乾燥時のク
ラックが少なくなること、床とのブロッキング、フォー
ム面同士のブロッキングに有利になる。
【0040】発泡剤は、ステアリン酸アモニウム及びジ
アルキルスルホコハク酸塩が好ましいが、何等限定する
ものではない。増粘剤としては、例えば、ポリアクリル
酸ソーダ、ポリアクリル酸アンモニウム、カルボキシル
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシルプロポキシルメチルセルロ
ース、ポバール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオ
キサイド、澱粉、酸化澱粉等が挙げられ、これらを単独
または複数併用しても構わない。
【0041】本発明の防滑用組成物の他の添加剤として
は、例えば、有機顔料、無機顔料、キレート剤、分散
剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、起泡剤、
整泡剤、撥水・撥油剤、感熱ゲル化剤、難燃剤、酸化亜
鉛、硫黄、加硫促進剤、圧縮回復剤、消泡剤、殺菌剤、
防腐剤、湿潤剤等を挙げることができる。かかる添加剤
の選択、添加量、添加順序等は、ラテックス組成物の製
造条件、作業性、安定性、更に加工適性、塗布量等を考
慮して、適宜に決定されれば良い。しかし固形分につい
ては、フォームの成型性、乾燥性、またクラックにも僅
かであるが影響を及ぼすので、60〜90重量%の範囲
が好適である。
【0042】このようにして得られたホットカーペット
防滑用組成物は、任意の発泡倍率で基材である不織布
(フェルト)表面に、種々の形状のドクターナイフ(歯
形または適当な形)により塗布し乾燥する事により、種
々の形状に加工される。このフォーム加工した不織布と
ホットカーペット上面になる不織布との間に、電熱線が
サンドウイッチした状態で、150℃、1kg/cm2
の圧力で90秒間ホットプレスする事により、裏面に優
れた防滑性を有するフォーム層を形成したホットカーペ
ットが得られる。
【0043】本発明の基材としては、上記不織布の他
に、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル、レーヨ
ン、ポリプロピレン、ビニロン等の繊維、更にホットメ
ルト系繊維からなる不織布が挙げられ、スパンボンド等
とニードルパンチしても良い。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。なお、実施例中における部及び%は特に断らない限
り、重量基準である。
【0045】実施例における各種の試験方法は、下記の
通りである。 (1)プレス離型性及び圧縮回復性 フォーム加工したホットカーペットを150℃で90秒
間、1kg/cm2の圧力下でプレスし、プレス圧を除
いた後プレス面に並行に不織布を引きずり出す。この時
の抵抗はプレス離型性を示し抵抗が大きい程、離型性が
悪いことを表す。同時に、プレスにより変形したフォー
ムが1時間以内にもとの形状に回復するかを、目視によ
り確認する。 (2)フォーム面同士の耐湿熱ブロッキング性(促進試
験法) フォーム加工したホットカーペットを水に浸漬し、充分
に水をフォーム内にしみ込ませたものを二つ折りにし、
フォーム面同士を重ね、一定の荷重をかけ、高温雰囲気
下、一定時間放置する。冷却後、フォーム面を剥離し、
材破するか否かで判断する。 (3)塩化ビニル・フローリングとの耐湿熱ブロッキン
グ性(促進試験法) フォーム加工したホットカーペットを水に浸漬し、充分
に水をフォーム内にしみ込ませ、フォーム面と塩ビまた
はフローリングの面を合わせ、一定の荷重をかけ、高温
雰囲気下、一定時間放置する。冷却後、フォーム面を剥
離し、材破するか否かで判断する。 (4)ワックス・つや出し洗剤との耐ブロッキング性 フローリング上にワックスを塗布し、半乾き状態(指紋
が付く程度)で、フォーム面と合わせ、一定の荷重をか
け 高温雰囲気下、一定時間放置する。冷却後、フォー
ム面を剥離し、材破するか否かで判断する。
【0046】(5)クラックの確認 フォームを凹凸状(筋引き)に加工し、190℃、5分
の乾燥を行い、クラックの発生を目視により確認する。
但し乾燥機の風はフォーム面に垂直に当て、風量は、最
大で行う。 (6)耐屈曲性 凹凸フォーム面が両外側になるよう(不織布側を合わせ
る)に、ホットカーペットを二つ折りにし一定の荷重を
6ヶ月間掛けた状態で放置する。6ヶ月後に凹凸フォー
ムの折れ部分にクラックが発生しているか否かを目視に
て確認する。
【0047】実施例1〜24 表1及び表2に記載のとおりの配合組成のカルボキシル
変性MMA−ブタジエン系合成ゴムラテックス(A)、
(B)の全固形分100重量部に対して、ポリジメチル
シロキサンNBAー1[大日本インキ化学工業(株)
製]1部、発泡剤DC100A[サンノプコ(株)製]
2部、酸化防止剤マ−クLX−802[旭電化工業
(株)製]0.5部及び表1及び表2に示す種々の添加
物[乾燥水酸化アルミ:日本軽金属(株)製B−53、
ブロッキング防止剤:サンノプコ(株)製LB−55
0)を所定量添加、混合して、ラテックス組成物を調製
した。このラテックス組成物にエポキシ架橋剤CR−5
L[大日本インキ化学工業(株)製]3部、適当量の増
粘剤アロンA20P[東亜合成化学工業(株)製]及び
セロゲンWSC[第一工業製薬(株)製]の6/4混合
物を添加し、粘度を15000cps(ブルックフィー
ルド型、4号ローター、12rpm、25℃)、固形分
65%に調製した。実施例の各配合及びラテックス組成
を表1及び表2に示す。このラテックス組成物を3倍発
泡し、ホットカーペット裏面(ポリエステル不織布)に
凹凸状ドクターナイフにて塗布し、190℃の温度の熱
風乾燥機内で5分間加熱乾燥し、凹凸フォームを付与し
たホットカーペット裏面を得た。このフォーム加工した
ホットカーペット裏面について、(1)〜(5)の方法
によって各物性を測定した。結果を表3及び表4に示
す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】 (注) [ブロッキング及びプレス離型性] [耐屈曲性] ◎ ──── 粘着性が全く無い。
【0053】 ○ ──── 少し粘着性が有る。 全く割れが発生しない。 ○− ──── 粘着性があるが材破しない。 表面のみが極僅かに割れる。 △ ──── 部分的に接着し材破する。 少し割れる。
【0054】 × ──── 完全に接着し材破する。 完全に割れる。 [圧縮回復性] [クラック] ◎ ──── プレス後即戻る。
【0055】 ○ ──── 10分以内に戻る。 全く無し。 ○− ──── 1時間以内に戻る。 極僅か生じる。 △ ──── 少し生じる。
【0056】 × ──── 熱成形されて全く戻らない。 多数生じる。 比較例1〜32 表5〜表8に記載のとおりの配合組成のカルボキシル変
性MMA−ブタジエン系合成ゴムラテックス(A)、
(B)の固形分100重量部に対して、ポリジメチルシ
ロキサンNBA−1[大日本インキ化学工業(株)製]
1部、発泡剤DC100A[サンノプコ(株)製]2
部、酸化防止剤マ−クLX−802[旭電化工業(株)
製]0.5部及び第5〜8表に示す種々の添加物を所定
量添加、混合して、ラテックス組成物を調製した。この
ラテックス組成物にエポキシ架橋剤(大日本インキ化学
工業(株)製:CR−5L)3部、適当量の増粘剤アロ
ンA20P[東亜合成化学工業(株)製]及びセロゲン
WSC[第一工業製薬(株)製]6/4混合物を添加
し、粘度を15000cps(ブルックフィールド型、
4号ローター、12rpm、25℃)、固形分65%に
調製した。実施例の各配合及びラテックス組成を表5〜
表8に示す。このラテックス組成物を3倍発泡し、ホッ
トカーペット裏面(ポリエステル不織布)に凹凸状ドク
ターナイフにて塗布し、190℃の温度の熱風乾燥機内
で5分間加熱乾燥し、凹凸フォームを付与したホットカ
ーペット裏面を得た。このフォーム加工したホットカー
ペット裏面について、(1)〜(5)の方法によって各
物性を測定した。結果を表9〜表12に示す。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】 表3及び表4の結果のごとく、実施例1〜24では、物
性項目中に△または×が一つも無く、全ての物性を満足
する組成物が得られた。
【0061】表5に示す比較例1〜8はMBR(A)、
(B)の組成が、請求項2記載の範囲内ではあるが、M
BR(A)、(B)のブレンド比が、請求項1記載の範
囲外の場合で、結果を表9に示す。結果よりブレンド比
が請求項1記載の範囲外では、全ての物性は満足できな
かった。
【0062】表6に示す比較例9〜16は、MBR
(B)のゲル分率が請求項1記載の値を下回る場合で、
結果を表10に示す。結果より、トータルのゲル分率が
低すぎたため、特にブロッキング面で劣っていた。
【0063】表7に示す比較例17〜24は、MBR
(A)のゲル分率が請求項1記載の値を下回る場合で、
結果を表11に示す。結果より、比較例9〜16と同
様、特にブロッキング面が非常に劣っていた。
【0064】表8に示す比較例25〜32は、MBR
(B)のゲル分率が請求項1記載の値を上回る場合で、
結果を表12に示す。結果より、ブロッキングに非常に
優れてはいるが、ゲル分率が高すぎるために耐屈曲性、
耐クラック性の点で劣っていた。
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】
【表11】
【0068】
【表12】
【0069】
【発明の効果】本発明のホットカーペットは、防滑用ラ
テックス組成物が含有するMBR系合成樹脂ラテックス
(A)が、その高分子量、ブタジエンの三次元架橋構造
及びカルボキシル基とのエポキシ架橋故に高ゲル分率を
有し、耐可塑剤性、耐溶剤性、耐水性、圧縮回復性、皮
膜強度、反発弾性、非粘着性、ドライタッチ感等に非常
に優れており、エポキシ硬化剤及びブロッキング防止剤
を併用すると、ホットカーペット用防滑剤としての要求
物性、即ち、防滑性、ホットカーペット製造時のホット
プレス離型性、フォームの圧縮回復性、収納時によるフ
ォーム面同士の耐湿熱ブロッキング性、塩化ビニルクッ
ションフロア・フローリングとの耐湿熱ブロッキング
性、床ワックス・皮膜形成タイプつや出し洗剤の半乾き
状態での耐ブロッキング性・耐接着性に非常に優れる。
【0070】更に、低ゲル分率MBR系合成樹脂ラテッ
クス(B)をブレンドすることにより、防滑剤加工時の
クラック発生及び加工後長期収納時の耐屈曲性が大幅に
改善でき、この防滑用組成物をもちいて防滑フォーム加
工を行うことにより、クラックの無い上記物性全てを満
足するホットカーペットが得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】すなわち本発明は、ゲル分率95%以上の
MBR系合成樹脂ラテックス(A)25〜95重量%と
ゲル分率40%以上95%未満のMBR系合成樹脂ラテ
ックス(B)5〜75重量%とを含み、さらに固形分換
算で該ラテックス(A)と該ラテックス(B)との合計
100重量部に対し、ブロッキング防止剤(C)0.5
〜10重量%と、全MBR系合成樹脂のカルボキシル基
に対し1〜5倍当量のエポキシ基を有するエポキシ架橋
剤(D)とを含有してなる防滑用組成物を基材に塗工し
てなるホットカーペットに関するものであり、好ましく
はMBR系合成樹脂ラテックス(A)及びMBR系合成
樹脂ラテックス(B)が、脂肪族共役ジエン45〜70
重量%、メタアクリル酸エステル27〜55重量%、エ
チレン系不飽和ジカルボン酸0.5〜3重量%を主要成
分として、水性媒体中で共重合してなるものであり、ま
た好ましくは防滑用組成物が、さらに固形分換算でMB
R系合成樹脂ラテックス100重量部に対し、充填剤を
150重量%未満含有してなるホットカーペットに関す
るものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】本発明の防滑用組成物の他の添加剤として
は、例えば、有機顔料、無機顔料、キレート剤、分散
剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、起泡剤、
整泡剤、撥水・撥油剤、感熱ゲル化剤、難燃剤、酸化亜
鉛、硫黄、加硫促進剤、圧縮回復剤、消泡剤、殺菌剤、
防腐剤、湿潤剤等を挙げることができる。かかる添加剤
の選択、添加量、添加順序等は、ラテックス組成物の製
造条件、作業性、安定性、更に加工適性、塗布量等を考
慮して、適宜に決定されれば良い。しかし固形分につい
ては、フォームの成型性、乾燥性、またクラックにも僅
かであるが影響を及ぼすので、50〜80重量%の範囲
が好適である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】実施例1〜24 表1及び表2に記載のとおりの配合組成のカルボキシル
変性MMA−ブタジエン系合成ゴムラテックス(A)、
(B)の全固形分100重量部に対して、ポリジメチル
シロキサンNBAー1[大日本インキ化学工業(株)
製]1部、発泡剤DC100A[サンノプコ(株)製]
2部、酸化防止剤マ−クLX−802[旭電化工業
(株)製]0.5部及び表1及び表2に示す種々の添加
物[乾燥水酸化アルミ:日本軽金属(株)製B−53、
ブロッキング防止剤:サンノプコ(株)製LB−55
0)を所定量添加、混合して、ラテックス組成物を調製
した。このラテックス組成物にエポキシ架橋剤CR−5
L[大日本インキ化学工業(株)製]3部、適当量の増
粘剤アロンA20P[東亜合成化学工業(株)製]及び
セロゲンWSC[第一工業製薬(株)製]の6/4混合
物を添加し、粘度を15000cps(ブルックフィー
ルド型、4号ローター、12rpm、25℃)、固形分
55〜70%に調製した。実施例の各配合及びラテック
ス組成を表1及び表2に示す。このラテックス組成物を
3倍発泡し、ホットカーペット裏面(ポリエステル不織
布)に凹凸状ドクターナイフにて塗布し、190℃の温
度の熱風乾燥機内で5分間加熱乾燥し、凹凸フォームを
付与したホットカーペット裏面を得た。このフォーム加
工したホットカーペット裏面について、(1)〜(5)
の方法によって各物性を測定した。結果を表3及び表4
に示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】 × ──── 熱成形されて全く戻らない。 多数生じる。 比較例1〜32 表5〜表8に記載のとおりの配合組成のカルボキシル変
性MMA−ブタジエン系合成ゴムラテックス(A)、
(B)の固形分100重量部に対して、ポリジメチルシ
ロキサンNBA−1[大日本インキ化学工業(株)製]
1部、発泡剤DC100A[サンノプコ(株)製]2
部、酸化防止剤マ−クLX−802[旭電化工業(株)
製]0.5部及び第5〜8表に示す種々の添加物を所定
量添加、混合して、ラテックス組成物を調製した。この
ラテックス組成物にエポキシ架橋剤(大日本インキ化学
工業(株)製:CR−5L)3部、適当量の増粘剤アロ
ンA20P[東亜合成化学工業(株)製]及びセロゲン
WSC[第一工業製薬(株)製]6/4混合物を添加
し、粘度を15000cps(ブルックフィールド型、
4号ローター、12rpm、25℃)、固形分55〜7
0%に調製した。実施例の各配合及びラテックス組成を
表5〜表8に示す。このラテックス組成物を3倍発泡
し、ホットカーペット裏面(ポリエステル不織布)に凹
凸状ドクターナイフにて塗布し、190℃の温度の熱風
乾燥機内で5分間加熱乾燥し、凹凸フォームを付与した
ホットカーペット裏面を得た。このフォーム加工したホ
ットカーペット裏面について、(1)〜(5)の方法に
よって各物性を測定した。結果を表9〜表12に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上川 道治 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲル分率95%以上のMBR系合成樹脂ラ
    テックス(A)25〜95重量%とゲル分率40%以上
    95%未満のMBR系合成樹脂ラテックス(B)5〜7
    5重量%とを含み、さらに固形分換算で該ラテックス
    (A)と該ラテックス(B)との合計100重量部に対
    し、ブロッキング防止剤(C)0.5〜10重量%と、
    全MBR系合成樹脂のカルボキシル基に対し1〜5倍当
    量のエポキシ基を有するエポキシ架橋剤(D)とを含ん
    でなる防滑用組成物を基材に塗工してなるホットカーペ
    ット。
  2. 【請求項2】MBR系合成樹脂ラテックス(A)及びM
    BR系合成樹脂ラテックス(B)が、脂肪族共役ジエン
    45〜70重量%、(メタ)アクリル酸エステル27〜
    55重量%及びエチレン系不飽和ジカルボン酸0.5〜
    3重量%を主要成分として、水性媒体中で共重合してな
    ることを特徴とする請求項1記載のホットカーペット。
  3. 【請求項3】防滑用組成物が、さらに固形分換算で全M
    BR系合成樹脂ラテックス100重量部に対し、充填剤
    を150重量%未満含有してなることを特徴とする請求
    項1又は2記載のホットカーペット。
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WO2021071165A1 (ko) * 2019-10-11 2021-04-15 에스케이이노베이션 주식회사 에틸렌-카르복실산 공중합체를 포함하는 수분산 조성물

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