JPH09268394A - 線材の処理方法 - Google Patents

線材の処理方法

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JPH09268394A
JPH09268394A JP10467096A JP10467096A JPH09268394A JP H09268394 A JPH09268394 A JP H09268394A JP 10467096 A JP10467096 A JP 10467096A JP 10467096 A JP10467096 A JP 10467096A JP H09268394 A JPH09268394 A JP H09268394A
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JP
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pickling
chemical conversion
liquid
wire
treatment
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JP10467096A
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Masahiro Jo
昌博 條
Masaki Hosomi
正樹 細見
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属の線材に付着している錆等の酸化物皮
膜、スケールの除去を効果的に行うことができ、かつ、
スケやムラがない化成皮膜を形成することができる線材
の処理方法を提供する。 【解決手段】 金属の線材を酸洗槽に浸漬することによ
り酸洗する工程(1)、及び、化成処理槽に浸漬するこ
とにより化成処理する工程(2)よりなる線材の処理方
法において、上記酸洗する工程(1)は、上記酸洗槽内
の液体が、上記酸洗槽内に設けられた振動攪拌手段によ
って攪拌されており、上記線材が浸漬される範囲内の液
体を、下記の式で表される平均加速度aが8cm/se
2 以上となるように流動攪拌しながら処理するもので
ある線材の処理方法。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属の線材を線束
のまま処理するのに適した線材の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の線材に伸線加工、鍛造加工等の加
工を施す場合、線材としては、一般に、表面にリン酸塩
被膜を形成させたものが使用されている。しかしなが
ら、金属の線材、特に、鉄鋼線材の表面には、錆等の酸
化物被膜、スケールが付着しており、そのままでは良好
なリン酸塩被膜が得られないので、これらを除去する必
要がある。これらの除去には、硫酸、塩酸、リン酸、硝
酸、フッ酸、シュウ酸、クエン酸等の酸の水溶液を用い
て洗浄する酸洗が行われている。
【0003】このような線材の酸洗としては、従来よ
り、コイル状に巻き重ね結束した線材を線束のまま酸洗
槽中に懸吊して酸洗液に浸漬し、加振装置により線束を
振動させながら処理する方法が行われている。この方法
は、線束の全体的振動により酸洗液に攪拌効果を与え
て、スケール等を除去するものであった。しかし、この
方法では、線材が結束線で強く結束されているので、線
束の内側部分、すなわち線材同士が接触している部分に
は酸洗液が侵入しにくく、スケール等の除去を充分に行
うことができなかった。
【0004】特公昭59−20753号公報には、線束
の上下振動とともに線束中の各線材に共振を起こさせな
がら、酸洗する方法が開示されている。しかしながら、
この方法では、酸洗槽内での酸洗液の振動が大きくない
ので、線束内側の線材ではスケール等の除去が充分に行
えない欠点があった。また、このような振動装置を設け
る場合、設備コストが高くなってしまう問題点があっ
た。
【0005】特開平5−255874号公報には、酸洗
液組成に酸洗促進剤を添加して酸洗を促進する方法が開
示されている。しかしながら、この酸洗液を用いて酸洗
を行っても、従来の酸洗装置に使用されているポンプ攪
拌程度の攪拌では酸洗液の流動が不充分であり、線束内
部では、酸洗液との接触がないので、スケール等の除去
が不充分であった。
【0006】一方、化成処理の工程においては、線束を
化成処理槽に浸漬する方法が一般に行われている。しか
しながら、従来の化成処理方法では、線束内部における
化成処理液が充分に攪拌されず、均一でかつ良好な処理
を行うことができなかった。例えば、リン酸塩被膜化成
処理の場合、線束内部の線材に形成されたリン酸塩被膜
にスケ、黄錆等が発生し、潤滑性に優れたリン酸塩被膜
を形成することができない問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、金属の線材に付着している錆等の酸化物被膜、スケ
ールの除去を効果的に行うことができ、かつ、スケやム
ラがない化成被膜を形成することができる線材の処理方
法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の線材の処理方法
は、金属の線材を酸洗槽に浸漬することにより酸洗する
工程(1)、及び、化成処理槽に浸漬することにより化
成処理する工程(2)よりなる線材の処理方法におい
て、上記酸洗する工程(1)は、上記酸洗槽内の液体
が、上記酸洗槽内に設けられた振動攪拌手段によって攪
拌されており、上記線材が浸漬される範囲内の液体を、
下記の式で表される平均加速度aが8cm/sec2
上となるように流動攪拌しながら処理することを特徴と
するものである。
【0009】
【数3】
【0010】式中、X、Y、Zの単位はcm/sec2
であり、これらの値は液体の流動状態の測定場所におい
て、互いに直交する3軸X、Y、Zの各軸方向の液体の
流速を同時に測定し60秒間の流速変化の加速度を平均
した値である。以下に本発明を詳述する。
【0011】本発明の線材の処理方法は、金属の線材を
酸洗槽に浸漬することにより酸洗する工程(1)(以
下、「工程(1)」という。)、及び、化成処理槽に浸
漬することにより化成処理する工程(2)(以下、「工
程(2)」という。)からなる。
【0012】上記工程(1)で使用される酸洗液として
は、無機酸及び有機酸のうち少なくとも一種を1〜50
重量%含有するものであれば特に限定されない。上記無
機酸としては特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、リ
ン酸、フッ酸、硝酸等を挙げることができる。上記有機
酸としては特に限定されず、例えば、酢酸、シュウ酸、
クエン酸、ギ酸、酒石酸、リンゴ酸等を挙げることがで
きる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0013】上記工程(1)における処理温度として
は、室温(20℃)〜70℃の範囲内で適宜選択するこ
とができ、処理時間としては、8分以上が好ましく、よ
り好ましくは、10〜15分間である。
【0014】上記工程(1)において、上記酸洗液は、
酸洗槽内に設けられた振動攪拌手段により攪拌される。
上記振動攪拌手段としては、例えば、振動板を酸洗槽内
の液体中に設け、上記振動板を振動させることにより攪
拌する超振動攪拌装置等が挙げられる。上記振動板は、
使用する酸洗槽の大きさに応じて複数枚縦方向に配列し
て設けることができる。上記振動板の形状は、酸洗槽の
大きさ、所望する攪拌強度等に応じて設定することがで
きる。上記振動板の振動は、一般には振動モーターの振
動を伝達することにより行う。上記振動攪拌手段は、所
望する攪拌強度に応じて、酸洗槽内に複数箇所設けても
よい。
【0015】上記振動攪拌手段による攪拌は、平均加速
度aが8cm/sec2 以上となるように設定される。
平均加速度aが8cm/sec2 未満であると、均一で
良好な処理を行うことが困難になるので、上記範囲に限
定される。好ましくは、10cm/sec2 以上であ
る。ただし、上記平均加速度aが大きくなり過ぎると、
酸洗槽から酸洗液が飛散又は溢れ、処理ムラが発生する
おそれがあるので、10〜50cm/sec2 がより好
ましい。
【0016】上記平均加速度aは、液体の流動状態の測
定場所において、互いに直交する3軸X、Y、Zの各軸
方向の液体の流速を同時に測定し60秒間の流速変化の
加速度(cm/sec2 )を平均した値(X、Y、Z)
をもとに、下記の式により算出することができる。
【0017】
【数4】
【0018】このような液体の流速は、ファラデーの電
磁誘導の法則を測定原理とする三次元電磁流速計等によ
り測定することができる。このような流速計を用いる場
合、X方向、Y方向及びZ方向の各方向成分における6
0秒間の流速変化の平均加速度を求め、三次元的な平均
加速度aとすることができる。
【0019】従来の酸洗処理方法は、酸洗槽内の酸洗液
をポンプ攪拌等により攪拌するものであったが、その攪
拌強度は最初から設定できるものではなく、酸洗による
スケールの除去性等の処理結果を一度確認した後、好ま
しい攪拌強度を設定しなければならなかった。しかし、
本発明の処理方法を用いると、上述したように、3軸方
向X、Y及びZの流速を測定することにより処理結果を
判断することができるので、いったん処理を行って結果
を確認することなく、好ましい攪拌強度を設定すること
ができる。
【0020】上記工程(1)においては、酸洗槽内に上
記振動攪拌手段を備えているので、酸洗槽内の酸洗液の
流動が大きく、線束の表面部分だけではなく内側まで、
常に新鮮な酸洗液に置換され、線束の内側の線材に付着
しているスケール等を除去することが容易になる。ま
た、上記振動攪拌手段による酸洗液の振動が線束に伝わ
り、線束自体も振動するため、線材の重なり部分にわず
かにズレが生じ、新鮮な酸洗液と接触することができる
ので、線束内部のスケール除去性が向上する。
【0021】更に、上記振動攪拌手段は、従来より使用
されている酸洗槽内に、超振動攪拌装置等の装置を設置
するだけでよく、設備自体を改造する必要がないので、
低コストで設置することができる。
【0022】上記工程(2)で使用される化成処理液の
組成としては特に限定されないが、本発明においては、
亜鉛イオン、リン酸イオン、硝酸イオン及び亜硝酸イオ
ンを含有する組成であるリン酸亜鉛処理液を使用するこ
とが好ましい。
【0023】上記亜鉛イオンの含有量は、0.4〜2重
量%が好ましい。0.4重量%未満であると、リン酸塩
被膜にスケや黄錆が発生するおそれがあり、2重量%を
超えても、より以上の格別の効果を得ることができず、
経済的に不利なものとなる。
【0024】上記リン酸イオンの含有量は、0.6〜3
重量%が好ましい。0.6重量%未満であると、化成処
理液組成の変動が大きくなり、安定して良好なリン酸塩
被膜を形成できなくなるおそれがあり、3重量%を超え
ても、より以上の格別の効果の向上がなく、経済的に不
利なものとなる。
【0025】上記硝酸イオンの含有量は、0.6〜5重
量%が好ましい。0.6重量%未満であると、安定して
良好なリン酸塩被膜を形成できなくなるおそれがあり、
5重量%を超えても、より以上の格別の効果を得ること
ができず、経済的に不利なものとなる。
【0026】上記亜硝酸イオンの含有量は、0.002
〜0.012重量%が好ましい。0.002重量%未満
であると、良好なリン酸塩被膜を形成できなくなるおそ
れがあり、0.012重量%を超えても、より以上の格
別の効果を得ることができず、経済的に不利なものとな
る。
【0027】上記化成処理液中は、必要に応じて、カル
シウム、ニッケル、鉄、フッ素等のイオンを含有してい
てもよい。
【0028】上記工程(2)における処理温度として
は、70〜90℃の範囲内で適宜選択することができ、
処理時間としては、3分以上が好ましく、より好ましく
は、5〜6分間である。
【0029】上記工程(2)は、化成処理槽内の化成処
理液が、化成処理槽内に設けられた振動攪拌手段によっ
て攪拌されており、上記線材が浸漬される範囲内の液体
を、上記の式で表される平均加速度aが8cm/sec
2 以上となるように流動攪拌しながら処理するものであ
ることが好ましい。
【0030】上記攪拌の平均加速度aが、8cm/se
2 未満であると、均一で良好な処理を行うことが困難
になる。より好ましくは、10cm/sec2 以上であ
り、更に好ましくは、10〜50cm/sec2 であ
る。
【0031】上記工程(2)において、化成処理槽内の
化成処理液を振動攪拌手段によって攪拌することによ
り、線束の外側だけでなく、内側の線材表面にもスケや
ムラのない化成被膜を形成することができる。
【0032】本発明の線材の処理方法において、金属の
線材は、線束として処理される。上記線束としては、巻
き重ねられたコイル状のものであっても、線材を単に束
ねたものであってもよい。
【0033】本発明の線材の処理方法によれば、工程
(1)の酸洗槽内に振動攪拌手段を備えているので、酸
洗槽内の酸洗液の流動が大きく、線束の内側まで、常に
新鮮な酸洗液に置換されるとともに、酸洗液の振動が線
束に伝わり、線束自体も振動するため、線材の重なり部
分にずれが生じ、線束内部のスケール除去性が向上す
る。更に、工程(2)の化成処理槽内にも振動攪拌手段
を備えることにより、スケやムラのない化成被膜を形成
することができる。また、上記振動攪拌手段は、各処理
槽内に設置するための設備改造の必要がなく、振動板を
処理槽内に入れるだけでよいので、低コストで設置する
ことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面を参照して詳
述する。図1及び図2は、本発明の線材の処理方法の一
実施形態において用いられる酸洗槽及び化成処理槽を示
す図である。図1は平面図を示し、図2は側方から見た
断面図を示す。処理槽1の大きさは特に限定されない
が、例えば、幅2000mm、高さ2000mm、長さ
3000mmがよい。
【0035】図1及び図2に示すように本実施形態の酸
洗槽及び化成処理槽である処理槽1においては、長さ方
向の両端部に振動攪拌手段としての超振動攪拌装置8,
9が設けられている。超振動攪拌装置8,9は、振動棒
4,5に取り付けられた振動板2,3を、処理槽1内で
振動させることにより、処理槽1内の処理液を攪拌する
ものである。本実施形態においては、振動板2,3とし
て、例えば、それぞれ23枚の振動板が取り付けられて
おり、各振動板は、例えば、約50mm間隔で取り付け
られている。
【0036】振動板2,3の振動数及び振動幅は、線材
が浸漬される範囲内での処理液10の流動状態における
平均加速度aが8cm/sec2 以上となるように調整
し設定する。また振動板の形状及び大きさも適宜調整す
る。本実施形態においては、超振動攪拌装置は、処理槽
1内に2台設置されているが、使用する処理槽の大き
さ、所望する攪拌強度等に応じて、設置台数を変更する
ことができる。
【0037】線材は、浸漬される範囲内での処理液10
の流動状態における平均加速度aが8cm/sec2
上となるように超振動攪拌装置8,9により攪拌され、
酸洗処理、化成処理がなされる。このような線材の処理
液10内での浸漬時間は、酸洗処理においては、一般に
10分間程度、化成処理においては、一般に5分間程度
である。
【0038】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0039】実施例1 素材SUJ2φ6mmの線棒の7本を輪ゴムで束ねて線
束を作成し、図1及び図2に示す処理槽を酸洗槽として
使用して酸洗を行った。線束を浸漬する前に、処理時と
同様の攪拌状態にし、図3に示す各箇所A〜Iにおける
流速及び流速変化を測定した。流速計としては、三次元
電磁流速計(アレック電子社製、ACM300−A)を
用い、測定するX方向、Y方向及びZ方向が図4に示す
ような方向となるように測定した。すなわち、X方向は
処理槽の長さ方向とし、Y方向は処理槽の幅方向とし、
Z方向は処理槽の高さ方向となるように設定した。な
お、Z方向は処理槽の底部の方向をZ+ 方向とし、液面
方向をZ- 方向とした。
【0040】各測定点において、X方向、Y方向及びZ
方向の流速を0.5秒毎に測定し、その記録チャートか
ら加速度を測定した。図5は、流速の記録チャートの一
例を示す図である。記録チャートにおいて、ピークとな
る点から次のピークとなる点までの流速の変化及びその
時間を測定し、流速の変化を時間で除することにより加
速度を算出した。図5においては、A〜B間、B〜C
間、C〜D間、D〜E間のようにピーク間の流速の変化
及び時間を測定し、平均加速度を算出した。平均加速度
は60秒間の平均加速度とした。
【0041】以上のようにして、X方向、Y方向及びZ
方向の平均加速度が計算されるので、これを次式により
三次元方向の平均加速度aの値を求めた。
【0042】
【数5】
【0043】X方向、Y方向、Z方向及び平均加速度a
の値を表1に示した。酸洗液としては、15%塩酸(第
一鉄イオン量5%)を用い、40℃で10分間浸漬した
後、水洗して線束内のスケールの除去率を評価した。ス
ケールの除去率は、すべての線棒の表面に付着したスケ
ールのうち除去されたものの割合を算出した。結果を表
1に示した。 実施例2 超振動攪拌のX方向、Y方向及びZ方向の流速を変更
し、平均加速度X、Y、Zの値がそれぞれ7.1、7.
2、8.7(cm/sec2 )となるようにしたこと以
外は実施例1と同様にして酸洗を行った。なお、平均加
速度X、Y、Zより求められる平均加速度aの値は、表
1に示した。実施例1と同様にスケールの除去率を評価
した。結果を表1に示した。
【0044】比較例1 超振動攪拌をしなかったこと以外は実施例1と同様にし
て酸洗を行った。実施例1と同様にスケールの除去率を
評価した。結果を表1に示した。 比較例2 超振動攪拌のX方向、Y方向及びZ方向の流速を変更
し、平均加速度X、Y、Zの値がそれぞれ2.9、3.
1、1.5(cm/sec2 )となるようにしたこと以
外は実施例1と同様にして酸洗を行った。なお、平均加
速度X、Y、Zより求められる平均加速度aの値は、表
1に示した。実施例1と同様にスケールの除去率を評価
した。結果を表1に示した。 比較例3 超振動攪拌のX方向、Y方向及びZ方向の流速を変更
し、平均加速度X、Y、Zの値がそれぞれ4.0、3.
0、2.3(cm/sec2 )となるようにしたこと以
外は実施例1と同様にして酸洗を行った。なお、平均加
速度X、Y、Zより求められる平均加速度aの値は、表
1に示した。実施例1と同様にスケールの除去率を評価
した。結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】実施例3 実施例1で酸洗処理した線束を用いて、図1及び図2に
示す処理槽を化成処理槽として使用して化成処理を行っ
た。線束を浸漬する前に、実施例1と同様にして超振動
攪拌装置による攪拌のX方向、Y方向、Z方向及び平均
加速度aの値を算出した。結果を表2に示した。化成処
理液としては、亜鉛イオン1重量%、リン酸イオン1.
5重量%、硝酸イオン1.5重量%、亜硝酸イオン0.
008重量%からなる処理液(サーフドロウ10S、全
酸度30ポイント、遊離酸度5.0ポイント、日本ペイ
ント社製)を使用し、80℃で3分間処理し、水洗した
後、乾燥した。処理後の線棒の表面に形成された化成被
膜を肉眼及び光学顕微鏡で観察し、スケ部分面積を測定
し、全面積に対する割合を算出した。結果を表2に示し
た。
【0047】実施例4 超振動攪拌のX方向、Y方向及びZ方向の流速を変更
し、平均加速度X、Y、Zの値がそれぞれ7.1、7.
2、8.7(cm/sec2 )となるようにしたこと以
外は実施例3と同様にして化成処理を行った。なお、平
均加速度X、Y、Zより求められる平均加速度aの値
は、表2に示した。実施例3と同様に化成被膜のスケ部
分面積を測定し、全面積に対する割合を算出した。結果
を表2に示した。
【0048】比較例4 超振動攪拌をしなかったこと以外は実施例3と同様にし
て化成処理を行った。実施例3と同様に化成被膜のスケ
部分面積を測定し、全面積に対する割合を算出した。結
果を表2に示した。 比較例5 超振動攪拌のX方向、Y方向及びZ方向の流速を変更
し、平均加速度X、Y、Zの値がそれぞれ3.1、3.
0、1.4(cm/sec2 )となるようにしたこと以
外は実施例3と同様にして化成処理を行った。なお、平
均加速度X、Y、Zより求められる平均加速度aの値
は、表2に示した。実施例3と同様に化成被膜のスケ部
分面積を測定し、全面積に対する割合を算出した。結果
を表2に示した。 比較例6 超振動攪拌のX方向、Y方向及びZ方向の流速を変更
し、平均加速度X、Y、Zの値がそれぞれ4.0、3.
0、2.3(cm/sec2 )となるようにしたこと以
外は実施例3と同様にして化成処理を行った。なお、平
均加速度X、Y、Zより求められる平均加速度aの値
は、表2に示した。実施例3と同様に化成被膜のスケ部
分面積を測定し、全面積に対する割合を算出した。結果
を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】表1及び表2の結果から明らかなように、
本発明に従い、酸洗する工程(1)及び化成処理する工
程(2)において線束が浸漬される範囲内での平均加速
度aを8cm/sec2 以上とすることにより、スケー
ルの除去率が向上し、かつ、良好な化成被膜を形成する
ことができることがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明の線材の処理方法は上述のとおり
であり、平均加速度aが8cm/sec2 以上となるよ
うに攪拌しながら処理することにより、線材の表面に付
着している錆等の酸化物被膜、スケールの除去を効果的
に行うことができ、かつ、スケやムラがない化成被膜を
形成することができるので、線束のまま行う線材の処理
方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態において用いる処理槽を示
す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態において用いる処理槽を側
方から見た断面図である。
【図3】本発明の一実施形態において用いる処理槽の線
束の浸漬範囲内における線束の浸漬箇所及び平均加速度
aの測定点を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態において用いる処理槽の線
束の浸漬範囲内における流速測定のX方向、Y方向及び
Z方向を示す斜視図である。
【図5】実施例1における流速の測定チャートを示す図
である。
【符号の説明】
1 処理槽 2,3 振動板 4,5 振動棒 8,9 超振動攪拌装置 10 線材の浸漬範囲

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の線材を酸洗槽に浸漬することによ
    り酸洗する工程(1)、及び、化成処理槽に浸漬するこ
    とにより化成処理する工程(2)よりなる線材の処理方
    法において、前記酸洗する工程(1)は、前記酸洗槽内
    の液体が、前記酸洗槽内に設けられた振動攪拌手段によ
    って攪拌されており、前記線材が浸漬される範囲内の液
    体を、下記の式で表される平均加速度aが8cm/se
    2 以上となるように流動攪拌しながら処理するもので
    あることを特徴とする線材の処理方法。 【数1】 式中、X、Y、Zの単位はcm/sec2 であり、これ
    らの値は液体の流動状態の測定場所において、互いに直
    交する3軸X、Y、Zの各軸方向の液体の流速を同時に
    測定し60秒間の流速変化の加速度を平均した値であ
    る。
  2. 【請求項2】 化成処理する工程(2)は、前記化成処
    理槽内の液体が、前記化成処理槽内に設けられた振動攪
    拌手段によって攪拌されており、前記線材が浸漬される
    範囲内の液体を、下記の式で表される平均加速度aが8
    cm/sec2以上となるように流動攪拌しながら処理
    するものである請求項1記載の線材の処理方法。 【数2】 式中、X、Y、Zの単位はcm/sec2 であり、これ
    らの値は液体の流動状態の測定場所において、互いに直
    交する3軸X、Y、Zの各軸方向の液体の流速を同時に
    測定し60秒間の流速変化の加速度を平均した値であ
    る。
  3. 【請求項3】 平均加速度aは、10〜50cm/se
    2 である請求項1又は2記載の線材の処理方法。
JP10467096A 1996-04-01 1996-04-01 線材の処理方法 Pending JPH09268394A (ja)

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JP10467096A Pending JPH09268394A (ja) 1996-04-01 1996-04-01 線材の処理方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112276484A (zh) * 2020-09-30 2021-01-29 无锡市力达金属制品有限公司 一种材料电池钢壳的加工工艺

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