JPH09268076A - 亜鉛成分含有フェライト材の焼成用治具 - Google Patents

亜鉛成分含有フェライト材の焼成用治具

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JPH09268076A
JPH09268076A JP8077359A JP7735996A JPH09268076A JP H09268076 A JPH09268076 A JP H09268076A JP 8077359 A JP8077359 A JP 8077359A JP 7735996 A JP7735996 A JP 7735996A JP H09268076 A JPH09268076 A JP H09268076A
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JP
Japan
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firing
ferrite material
zinc
coating layer
zinc component
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Pending
Application number
JP8077359A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Baba
龍夫 馬場
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】亜鉛成分含有フェライト材の焼成用治具であっ
て、耐久性が高く、かつ焼成工程での製品不良率の発生
の少ない焼成用治具を提供する。 【解決手段】無機質の治具本体の表面に酸化亜鉛99〜
50重量%とアルナ1〜50重量%の粉末混合物がコー
ティングされて焼成され、同治具本体の表面に厚み20
〜300μmのコーティング層が形成されている焼成用
治具であり、コーティング層中の亜鉛成分の揮発により
焼成雰囲気中の亜鉛成分の蒸気圧を高めて、フェライト
材からの亜鉛成分の揮発を抑制し、かつコーティング層
中の亜鉛成分の作用によりフェライト材中の亜鉛成分と
の反応を阻止してフェライト材からの脱亜鉛現象を防止
する。コーティング層は、酸化亜鉛のこのような作用を
長期間維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ni−Znフェラ
イト材、Mn−Znフェライト材等、亜鉛成分含有フェ
ライト材を、焼成雰囲気中で受承して焼成させるため
の、亜鉛成分含有フェライト材の焼成用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】無機質材料からなる成形物等無機質材を
焼成炉中で焼成する場合、無機質材を焼成雰囲気中でセ
ッター、棚板、匣鉢等の焼成用治具に受承させて焼成に
供することがあるが、焼成用治具としては、一般にアル
ミナ質、ジルコニア質の焼成用治具が使用される。
【0003】ところで、Ni−Znフェライト材、Mn
−Znフェライト材等の亜鉛成分含有フェライト材の焼
成において、焼成用治具としてアルミナ質の焼成用治具
を採用する場合には、フェライト材と焼成用治具とが接
触している部位においてフェライト材中の亜鉛成分とア
ルミナが反応して、フェライト材から脱亜鉛現象が生じ
る。また、焼成雰囲気中の亜鉛の蒸気圧が低いと、フェ
ライト材中の亜鉛成分が揮発して脱亜鉛現象が生じる。
【0004】また、亜鉛成分含有フェライト材の焼成に
おいて、焼成用治具としてジルコニア質の焼成用治具を
採用する場合には、アルミナ質の焼成用治具のごとき、
フェライト材中の亜鉛成分が焼成用治具と反応して脱亜
鉛現象は生じることはないが、焼成雰囲気中の亜鉛の蒸
気圧が低いと、フェライト材中の亜鉛成分が揮発して脱
亜鉛現象が生じる。
【0005】これらの脱亜鉛現象に対処すべく、特開平
3−129293号公報には、亜鉛成分含有フェライト
材の焼成用治具として、アルミナ質の治具本体に酸化亜
鉛を含有させてなる焼成用治具が提案されている。
【0006】当該焼成用治具は、フェライト材の焼成工
程においては、含浸されている亜鉛成分が揮発して焼成
雰囲気中の亜鉛の蒸気圧を高めるため、フェライト材中
の亜鉛成分の揮発が抑制されて、フェライト材からの脱
亜鉛現象が防止されるとともに、含浸されている亜鉛成
分が、焼成用治具の構成成分であるアルミナとフェライ
ト材中の亜鉛成分との反応を阻止して、フェライト材か
らの脱亜鉛現象が防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、当該焼成用
治具は、アルミナ質の治具本体を4〜8重量%の酸化亜
鉛のスラリーに含浸して乾燥させたものであり、酸化亜
鉛の焼成用治具の治具本体への含浸量は極めて少なく、
また治具本体に対する固着強度も極めて低くて、フェラ
イト材からの脱亜鉛現象の防止作用が低いとともに、同
防止作用が長続きしない。
【0008】従って、本発明の目的は、フェライト材か
らの脱亜鉛現象の防止作用が高いとともに防止作用が長
続きし、焼成された製品の焼成歩留りの高い焼成用治具
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、亜鉛成分含有
フェライト材を焼成雰囲気中で受承して焼成させるため
の焼成用治具であって、当該焼成用治具は、無機質材料
の治具本体の表面に酸化亜鉛99〜50重量%とアルミ
ナ1〜50重量%の粉末混合物がコーティングされて焼
成され、同治具本体の表面に厚み20〜300μmのコ
ーティング層が形成されていることを特徴とするもので
ある。
【0010】
【発明の作用・効果】かかる構成の焼成用治具において
は、亜鉛成分含有フェライト材を焼成雰囲気中で受承し
て焼成させるもので、焼成工程においては、治具本体を
被覆するコーティング層を構成している亜鉛成分が揮発
して焼成雰囲気中の亜鉛の蒸気圧を高め、亜鉛成分含有
フェライト材中の亜鉛成分の揮発を抑制して、フェライ
ト材からの脱亜鉛現象を防止するとともに、コーティン
グ層を構成している亜鉛成分が同コーティング層と亜鉛
成分含有フェライト材中の亜鉛成分との反応を阻止し
て、フェライト材からの脱亜鉛現象を防止する。このた
め、焼成された製品の焼成歩留まりが高い。
【0011】しかして、当該焼成用治具においては、亜
鉛成分含有フェライト材からの脱亜鉛現象の防止に作用
する亜鉛成分は酸化亜鉛の状態で、治具本体の表面に強
固に固着するコーテイング層中に存在し、かつコーテイ
ング層中ではアルミナと焼成された一体の状態で大量に
存在しているため、フェライト材からの脱亜鉛現象の防
止作用が極めて高いとともに、防止作用が長期間持続す
る。
【0012】当該焼成用治具において、コーテイング層
を構成する酸化亜鉛とアルミナの各成分比は、酸化亜鉛
が99〜50重量%、アルミナが1〜50重量%であ
り、またコーテイング層の厚みは20〜300μmであ
る。これら両成分は好ましくは純度99.5%以上の高
純度のものを使用する。
【0013】コーティング層を構成する成分中のアルミ
ナは、コーティング層それ自体を強固な層にすべく機能
するとともに、コーティング層を治具本体の表面に強固
に固着すべく機能するもので、アルミナの混合比が1重
量%未満であると、コーティング層の強度、およびコー
ティング層の治具本体に対する固着強度が低下して長期
間の使用に耐えられない。しかしながら、アルミナの混
合比が50重量%を越えると、コーティング層からの亜
鉛成分の揮発量が十分でなくて、焼成工程における亜鉛
成分含有フェライ材からの亜鉛成分の揮発を十分に抑制
することができくなる。
【0014】また、コーティング層の厚みは、コーテイ
ング層の治具本体と亜鉛成分含有フェライト材との遮断
作用に影響し、コーティング層の厚みが20μm未満で
あると、遮断作用が低くて亜鉛成分含有フェライト材に
対する治具本体の影響が現れる。しかしながら、コーテ
ィング層の厚みが300μmを越えると、コーティング
層の厚みが必要以上に厚くなって、焼成の繰り返しによ
りコーティング層が治具本体から剥離し、またはコーテ
ィング中にクラックが発生して耐久性の低いものとな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る焼成用治具は、セッ
ター、棚板、匣鉢等の形態にて使用されるもので、治具
本体の表面の全面を被覆するコーティング層を備えてい
るものである。コーテイング層は、酸化亜鉛とアルミナ
の両成分からなるもので、これら両成分の粉末混合物を
治具本体の表面にスプレー等の手段によりコーティング
し、1400℃以上の温度で熱処理(焼成)して形成さ
れているものである。
【0016】治具本体は、アルミナ質、ムライト質、コ
ージライト質等の比較的安価な適宜の無機質のもので、
採用する酸化亜鉛およびアルミナは純度が99.5%以
上の高純度の粉末状のもの、例えば99.8%の純度の
粉末が好ましい。酸化亜鉛およびアルミナの両成分の混
合物中の成分比は、酸化亜鉛が99〜50重量%、アル
ミナが1〜50重量%であって、これらの成分比におい
て適宜選定されるが、アルミナは好ましくは5〜40重
量%の範囲とし、従って酸化物亜鉛は95〜60重量%
とする。
【0017】また、焼成して形成されるコーティング層
の厚みは20〜300μmであり、この範囲において適
宜選定されるが、好ましくは50〜200μmとする。
【0018】
【実施例】第1実験では、治具本体としてセラミック焼
成用の一般的なアルミナ質の焼成用治具(縦横300m
m、厚み10mmの方形)を多数準備し、これらの治具
本体の表面に、純度99.8%の工業用酸化亜鉛と、純
度99.8%のアルミナの粉末を各種の配合比に混合し
てなる各種の粉末混合物をスプレーしてコーティング
し、これらのコーティング層を1400℃の温度で熱処
理して、厚み100μmの焼成されたコーティング層で
被覆された各種の焼成用治具を作成した。得られた各種
の焼成用治具を使用して、Ni−Znフェライト材の焼
成実験を行った。
【0019】Ni−Znフェライト材の焼成実験におい
ては、同フェライト材を各種の焼成用治具にてそれぞれ
受承して焼成炉内に挿入し、焼成炉内にて1時間当り2
00℃の昇温速度で1200℃まで昇温して、1200
℃の温度を4時間維持し、その後室温まで冷却した。焼
成実験終了後に、焼成用治具の耐久性と、焼成されたフ
ェライト材の製品不良率の算出を行った。得られた結果
を表1に示す。
【0020】なお、焼成用治具の耐久性は、上記した焼
成実験を繰り返し行ってコーテイング層の剥離、コーテ
ィング層内でのクラックの発生等により使用できなくな
るまでの回数で示す。また、製品特性は、同一のフェラ
イト材を上記した焼成条件で繰り返し20回焼成した場
合の不良品の割合で示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1を参照すると、コーティング層の厚み
を100μmの一定にした場合、焼成用治具の耐久性の
点からすれば、酸化亜鉛が99.5〜50重量%、アル
ミナが0.5〜50重量%の範囲の成分比がよく、また
製品不良率の点からすれば、酸化亜鉛99〜50重量
%、アルミナが1〜50重量%の範囲の成分比がよい。
耐久性および製品不良率の両方の点からすれば、より好
ましくし、酸化亜鉛95〜60重量%、アルミナが5〜
40重量%の範囲の成分比である。
【0023】第2実験では、治具本体としてセラミック
焼成用の一般的な焼成用治具であるアルミナ質の焼成用
治具(縦横300mm、厚み10mmの方形)を多数準
備し、これらの治具本体の表面に、純度99.8%の工
業用酸化亜鉛90重量%と、純度99.8%のアルミナ
10重量%を混合してなる粉末混合物をスプレーしてコ
ーティングし、これらのコーティング層を1400℃の
温度で熱処理して、各種の厚みの焼成されたコーティン
グ層で被覆された各種の焼成用治具を作成した。得られ
た各種の焼成用治具を使用して、上記した第1実験の焼
成条件と同一条件でNi−Znフェライト材の焼成実験
を行い、同様に焼成用治具の耐久性、および製品不良率
を算出した。得られた結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2を参照すると、コーティング層の成分
比を酸化亜鉛90重量%、アルミナ10重量%の一定と
した場合、コーテイング層の厚みは、焼成用治具の耐久
性の点からすれば10〜300μmの範囲がよく、また
製品不良率の点からすれば20〜350μmの範囲がよ
い。耐久性および製品不良率の両方の点からすれば、コ
ーティング層の厚みは、より好ましくは50〜300μ
m、一層好ましくは50μm以上200μm未満であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛成分含有フェライト材を焼成雰囲気中
    で受承して焼成させるための焼成用治具であり、無機質
    材料の治具本体の表面に酸化亜鉛99〜50重量%とア
    ルミナ1〜50重量%の粉末混合物がコーティングされ
    て焼成され、同治具本体の表面に厚み20〜300μm
    のコーティング層が形成されていることを特徴とする亜
    鉛成分含有フェライト材の焼成用治具。
JP8077359A 1996-03-29 1996-03-29 亜鉛成分含有フェライト材の焼成用治具 Pending JPH09268076A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011046562A (ja) * 2009-08-27 2011-03-10 Nec Tokin Corp セラミックグリーンシート焼成用セッター
CN115448711A (zh) * 2022-09-27 2022-12-09 北京七星飞行电子有限公司 一种抑制MnZn高磁导率铁氧体中ZnO挥发的烧结方法

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