JPH11314984A - 焼成用道具材 - Google Patents

焼成用道具材

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JPH11314984A
JPH11314984A JP10123253A JP12325398A JPH11314984A JP H11314984 A JPH11314984 A JP H11314984A JP 10123253 A JP10123253 A JP 10123253A JP 12325398 A JP12325398 A JP 12325398A JP H11314984 A JPH11314984 A JP H11314984A
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JP
Japan
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intermediate layer
sic
thermal spraying
layer
film
Prior art date
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Pending
Application number
JP10123253A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Okada
裕 岡田
Shigeki Niwa
茂樹 丹羽
Toshiyuki Suzuki
利幸 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Ceramics Co Ltd filed Critical Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、SiC基材の表面に3Al23
・2SiO2 に外率で3〜20重量%のAlを混合した
原料を中間層として溶射することによって、酸化雰囲気
や弱還元性雰囲気で使用してもAl23 皮膜の耐剥離
性及びSiC基材の高温での優れた特性を十分に生かし
て耐用性に優れた焼成用道具材を得ようとするものであ
る。 【解決手段】SiCが90重量%以上からなる基材の一
部又は全面に、3Al23 ・2SiO2 に外率で3〜
20重量%のAlを混合した原料を溶射した中間層を形
成し、さらにその表面に純度98%以上のAl23
溶射して形成した皮膜を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子部品などの
機能性セラミックスなどの焼成や粉末の熱処理などに用
いられる焼成用道具材に関する。
【0002】
【従来の技術】焼成用道具材は、電子部品などの機能性
セラミックスの焼成工程で用いられるもので、これには
各種の材料が使用されているが、SiCもこれに使用さ
れる材料の中の一つである。
【0003】SiCは、低熱膨張率、高熱伝導率を有し
て耐熱衝撃性に優れ、また熱間でのベントクリープ性に
も優れており、電子部品用の機能性セラミックスその他
の焼成工程に使用される道具材の材料として適した性質
をもっている。
【0004】しかしながら、SiCは、反面被焼成物と
反応しやすいという欠点を有しており、そこでSiCの
上に難反応性のAl23 やZrO2 の別のセッターを
敷いて使用したり、或いはSiCの表面をAl23
ZrO2 でコーティングして使用している。特に、この
コーティングしたものは扱いやすく、被焼成物の積み下
ろしや搬送などの工程の自動化にも対応しやすくてその
使用量が増大する傾向にある。
【0005】しかしながら、このSiCの表面にAl2
3 やZrO2 をコーティングしたものも問題が無い訳
ではなく、繰り返し使用しているとSiC基材が損傷す
る以前に皮膜が剥離したり、また皮膜の膨れや亀裂が発
生するなどの不具合が生じて道具材が使用できないこと
があった。かかる場合は再コーティングしたり場合によ
っては破棄したりしていた。
【0006】こうした皮膜の剥離や膨れの原因として
は、基材SiCとコーティング材のAl23 やZrO
2 との熱膨張差、大気中や弱還元雰囲気で使用された場
合の皮膜との界面で生じるSiCの酸化の進行などが考
えられている。
【0007】一般に、SiCの酸化は長年の課題であり
SiC皮膜の酸化防止を目的とする提案も数多い。ま
た、SiCの表面に形成した皮膜の耐用性を改善する方
法としては、(1)皮膜とSiCの中間に、これらの材
料の熱膨張率の中間の熱膨張率をもつ材料で中間層を形
成するなどにより熱膨張率の差による応力を緩和する方
法、(2)コーティング界面への酸素の進入を抑制して
界面でのSiCの酸化を抑制する方法、(3)アンカー
効果などによって皮膜と基材との物理的結合を強化する
方法などである。
【0008】さらに、SiCのコーティング層を形成す
る先行技術としては各種のものがあるが、その代表的な
ものを列挙すると次の3種となる。即ち、炭化珪素質か
らなる窯道具の外表面にアルミナ、窒化珪素からなる耐
酸化性コーティング膜を形成しこれを2回焼成処理する
もの(特開平5−85870)、炭化珪素の両面にムラ
イトもしくはアルミナの三層構造をした棚板で表面層に
溝を形成するもの(特開平7−198266)、炭化珪
素質成形体の表面に、酸化物溶射皮膜層と炭化珪素との
中間の熱膨張率の下地被覆層を設けるもの(特開昭58
−167482)などである。
【0009】これらの中では、溶射により皮膜を形成す
る方法が、耐用性ととともに各種の形状に対応できる点
ですぐれているが、それでも酸化雰囲気や弱還元雰囲気
の用途では皮膜の早期の剥離、膨れといった問題は解消
されず、SiCが低熱膨張率、高熱伝導率などの優れた
特性を有するにもかかわらずその性能を十分に発揮する
ことが出来なかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、SiC基
材の表面に3Al23 ・2SiO2 に外率で3〜20
重量%のAlを混合した原料を中間層として溶射するこ
とによって、酸化雰囲気や弱還元性雰囲気で使用しても
Al23 皮膜の耐剥離性及びSiC基材の高温での優
れた特性を十分に生かして耐用性に優れた焼成用道具材
を得ようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、SiCが7
5重量%以上からなる基材の一部又は全面に、3Al2
3 や2SiO2 に外率で3〜20重量%のAlを混合
した原料を溶射した中間層を形成し、さらにその表面に
純度98%以上のAl23 を溶射して形成した表面層
を有することを特徴とする焼成用道具材である。
【0012】
【発明の実施の態様】この発明は、SiCの基材表面
に、3Al23 ・2SiO2 にAlを少量添加した原
料で溶射中間層を形成し、さらにその表面にAl23
を溶射して形成した表面層を有する焼成用道具材であ
る。
【0013】基材のSiCは、SiC純度が75%以上
が好ましく、さらに好ましくは85%以上でこれ未満で
は所望の特性が得られない恐れがある。基材の表面が滑
らかな場合はサンドブラストやエッチング処理などを行
って表面を粗くして中間層との界面の面積を大きくして
おくことが好ましい。また、基材を型成形で造る場合な
どは、予め型に凹凸を付けておくと、得られた基材表面
が粗くなってこれをそのまま使用することも可能であ
る。
【0014】基材の上には3Al23 ・2SiO2
中間層を形成する。3Al23 ・2SiO2 は、熱膨
張率(×10-6/K)が、SiC(4〜5)とAl2
3 (6〜9)の中間の4.5〜6であるので、ここに3
Al23 ・2SiO2 の中間層を設けることによっ
て、高温下での使用による熱膨張差に起因する応力を分
散することが可能である。
【0015】中間層は被焼成物と直接接触しないため
に、使用する原料の純度は表面層の成分ほどの高純度は
必要ないが、道具材を高温で長時間使用していると中間
層の不純物が表面層側に移動することがあるので、使用
条件によっては中間層の原料中の不純物などにも考慮す
ることが必要である。
【0016】中間層の原料にはAlを外率で3〜20重
量%添加して用いる。中間層に低融点のAl(融点66
0℃)を混合した原料を用いこれを基材に溶射すること
で、中間層は緻密な層が形成されて酸素が透過し難くな
ってSiC基材と表面層界面でのSiCの酸化が抑制さ
れることになる。
【0017】さらに、中間層に点在するAlが皮膜を透
過してきた酸素に対しても優先的に酸化して、この酸素
が基材と表面層界面のSiCの酸化を抑制し、これに起
因する皮膜の剥離を防止する役目を果たすことになる。
【0018】Alの添加量は3〜20重量%とする。こ
れが3重量%未満では上記の作用を期待することができ
ない。また、低融点のAlの添加量が多すぎると中間層
の強度劣化を招き、また熱膨張率も増加してAl23
の熱膨張率に近づき、基材と表面層との熱膨張差による
応力を緩和する効果がなくなってしまう恐れがある。
【0019】中間層は、上記の原料を基材に溶射する
が、そのために所定の粒度に調製される。その場合の粒
度は溶射方法による歩留まりなどによって選択される
が、比較的大粒子でも溶射が可能とされる水プラズマ溶
射法でも、粒径が200μmを超えると歩留まりはかな
り低下する。また、粒径が細かすぎると輸送が難しくな
る。このため、通常は10〜10μmのものが使用され
る。これより粒の小さいものに造粒することにより上記
の粒度範囲に調整する。
【0020】造粒した原料の調製は、それぞれを別個に
調製したものを、それらの造粒体が潰れないように、例
えばドラムミキサーなどを用いて混合してもよいが、造
粒する前の粉末の各原料を混合してこの混合原料を所定
の粒度にしてもよい。なお、造粒に際して有機バインダ
ーを使用するときは、原料を溶射する前に予め加熱して
有機バインダーを除去しておくことが好ましい。
【0021】中間層の上に溶射される皮膜層のAl2
3 は、被焼成物と直接接触するために純度が98%以上
の高純度であることが好ましい。表面層のAl23
料の純度が98%未満であると、皮膜と被焼成物との付
着、反応が起こりやすい。特に、Al23 原料に含ま
れやすいNa2 O、SiO2 は、被焼成物に悪影響を及
ぼすことが多く極力少ない方が好ましい。
【0022】この発明での溶射は、溶射する原料の融点
(Al23 は2050℃、3Al23 ・2SiO2
は1830℃)が高いため、高温の得られるプラズマ溶
射法が好ましい。溶射はAlの酸化を考慮すると、真空
中または不活性ガス中での溶射が好ましいが、大気中で
の溶射でも酸化される量は少ないので充分に可能であ
る。
【0023】中間層を形成した後、続いて同じように表
面層を溶射して形成する。中間層とその上の表面層の厚
さは、用途にもよるがいずれも最低でも50μmは必要
である。皮膜は厚いほど酸素の侵入を抑制して、被焼成
物成分との反応による組織変化の影響を軽減するが、反
面で皮膜が厚くなると皮膜の熱膨張差により発生する応
力が大きくなり皮膜が剥離し易くなる。皮膜の合計の厚
さは1000μm以下が好ましく、さらに好ましくは2
00〜500μmである。
【0024】
【実施例】(実施例1)純度98%のSiCで、サイズ
(250mm×250mm×5mm)の平板状の棚板基材を準
備した。このSiC基材と中間層との接触面積を増加さ
せるためにSiC砥石( 220)を用いて基材表面を
ブラスト処理した。中間層の原料として、粒径10〜7
5μmの3Al23 ・SiO2 に対して、平均粒径3
μmのAl粉末を外率で10重量%加えてボールミルを
用いて攪拌混合を行って用意した。この原料をガスプラ
ズマ溶射法で上記の基材の片面に溶射して厚さ150μ
mの中間層を形成した。さらに、この中間層の上に、粒
径が10〜75μmの純度99.9%のAl23 を中
間層と同じ方法で溶射し厚さ150μmの表面層を形成
し焼成用道具材を得た。
【0025】この焼成用道具材について電気炉を用いて
大気中で加熱試験を行った。試験は焼成用道具材を大気
中1400℃で25時間加熱した後、道具材を炉外に取
出し外観を観察して皮膜のふくれ、剥離などの不具合が
ないかを評価した。その結果、焼成用道具材の皮膜表面
の色は変色していたが皮膜には何ら不具合は認められな
かった。その後、再度同じ加熱を繰り返し、1400℃
での加熱時間が総計で50時間、75時間、100時
間、125時間で炉外に取出したものの評価を行ったと
ころ、いずれも何ら不具合は認められなかった。さらに
同様の加熱を行ったところ、加熱時間が150時間を超
えると皮膜が一部剥離することが認められたのでその時
点で試験は中止した。この結果を表1にしめした。 (実施例2〜4)表1に示す基材の上に、表中に示すよ
うな各種の中間層を溶射して、その上に更に表にあるよ
うな表面層で皮膜層を形成した。この焼成用道具材を実
施例1と同様にして加熱試験を行いその結果を表1に示
した。
【0026】
【表1】
【0027】(比較例1)実施例1と同じ基材に、ガス
プラズマ溶射法で実施例1と同じAl23 層を300
μmの厚さに形成した。この焼成用道具材を実施例1と
同様の加熱試験を実施した。加熱温度が1300℃で
も、1500℃でも何れも25時間加熱した時点で皮膜
は全面にわたり剥離してしまった。この結果を表2に示
した。
【0028】(比較例2〜4)表2に示すSiC基材の
上に、表中に示すような各種の中間層を溶射して、その
上に更に欄外あるようなAl23 で表面層を形成し
た。この焼成用道具材を実施例1と同様にして加熱試験
を行いその結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明による焼成用道
具材は、酸化雰囲気、還元性雰囲気の使用においてもA
23 皮膜の優れた耐剥離性によって、SiC基材の
高温での優れた特性を充分に生かすことができて耐用性
の非常に優れたものとすることが出来る。
【0031】本発明品は、基材にAl23 に皮膜を形
成して従来から比較的耐用性のあるとされている道具材
の4〜5倍の耐用性、また基材にAlを含まない3Al
23 ・2SiO2 の中間層を形成してその上にAl2
3 皮膜を形成した道具材の2〜3倍の耐用性を有する
ものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiCが75重量%以上からなる基材の
    一部又は全面に、3Al23 ・2SiO2 に外率で3
    〜20重量%のAlを混合した原料を溶射した中間層を
    形成し、さらにその表面に純度98%以上のAl23
    を溶射して形成した表面層を有することを特徴とする焼
    成用道具材。
JP10123253A 1998-05-06 1998-05-06 焼成用道具材 Pending JPH11314984A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278685A (ja) * 2000-01-24 2001-10-10 Toshiba Ceramics Co Ltd 炭化珪素部材およびその製造方法
JP2014172767A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd 炭化珪素複合材およびその製造方法
WO2020166565A1 (ja) * 2019-02-14 2020-08-20 日本碍子株式会社 焼成治具

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