JPH09268045A - 非開削工法用流動性組成物 - Google Patents

非開削工法用流動性組成物

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JPH09268045A
JPH09268045A JP8082196A JP8219696A JPH09268045A JP H09268045 A JPH09268045 A JP H09268045A JP 8082196 A JP8082196 A JP 8082196A JP 8219696 A JP8219696 A JP 8219696A JP H09268045 A JPH09268045 A JP H09268045A
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勉 山川
Takeaki Sasage
剛明 捧
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い流動性を有し、水中分離抵抗性に優れ、
かつ、高いチクソトロピー性を有する非開削工法用流動
性組成物を提供する。 【解決手段】 セメント等の水硬性物質とヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース等の非イオン性のセルロースエ
ーテルおよび凝集性物質である、(ウエランガム等の水
溶性多糖類、ポリアクリルアミド等の水溶性アクリル誘
導体、ヒドロキシプロピル化澱粉等の水溶性澱粉誘導
体)から選択される少なくとも1種の物質を必須成分と
し、水溶性セルロースエーテルと凝集性物質の割合が、
99:1から20:80であることを特徴とする非開削
工法用流動性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非開削工法であるシー
ルド工法、推進工法等に用いられる加泥材、滑材および
裏込め材等として使用される流動性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】地中にパイプ等を埋設する方法として
は、直接、地面を開削し、パイプ等を埋め、土を埋め戻
す方法と非開削工法であるシールド工法、推進工法の2
種類がある。近年、道路事情等の点で開削工法の施工が
困難となり、また、一般に、開削工法よりも非開削工法
の方が工期短縮となることから、非開削工法が広く用い
られている。シールド工法、推進工法では掘削時の切羽
の安定化、掘削土砂の排出等のために、加泥材が、ま
た、地山との間に生じる摩擦を低減するために滑材が用
いられる。加泥材にはベントナイト等の粘土、カルボキ
シメチルセルロース(CMC)等の増粘剤が使用され
る。
【0003】また、シールド工法、推進工法では地山と
の間に生じる空隙に裏込め材を注入する必要がある。一
般に、裏込め材は当初、流動性を有し、最終的には固化
する必要があり、硬化発現材として、セメント、高炉ス
ラグ・石灰系等が使用され、これに水ガラス等のゲル化
剤、骨材、ベントナイト等の粘土鉱物等で構成されてい
る。また、場合によっては起泡剤、凝結遅延剤、シリカ
ゾル、水溶性セルロースエーテル等の増粘剤等が添加さ
れる。加泥材、滑材および裏込め材は比較的細い管を用
いて所定の場所に供給され、また、必要な箇所では高い
充填性が要求される。したがって、流動性の良いものと
なっているが、工事箇所に湧水がある場合では水との接
触により、その流動性故に、これらが流出することがあ
る。これに対し、増粘剤として、ベントナイト、CMC
等が用いられるが、これらはセメント等が配合された系
では凝集し、その効果は著しく低減する。さらに、砂礫
層の場合にはある程度のチクソトロピー性を必要とする
が、セメントに対して比較的安定な水溶性セルロースエ
ーテルを用いても必要なチクソトロピー性は得られな
い。
【0004】また、滑材としては潤滑性が重要であり、
特開平6−180094号公報には高吸水性樹脂と増粘
剤の組み合わせが、特公平7−37631号公報にはベ
ントナイト、高吸水性樹脂とメチルセルロースの組み合
わせ紹介されている。また、水溶性高分子と硼素化合物
の組み合わせも特公平7−51880号公報に開示され
ている。ここで、滑材には潤滑性以外に、湧水箇所での
水中不分離性、砂礫層でのチクソトロピー性が必要であ
る。これに対して、前記特許の組成物はすべてを満足す
るものにはなっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来、湧
水箇所、 砂礫層でも十分な効果を発揮することのでき
る、加泥材、滑材、裏込め材等の非開削工法用流動性組
成物はなく、その実現が強く待たれていた。本発明は、
上記事情に対してなされたもので、湧水箇所、砂礫層で
も十分な効果を発揮することのできる、加泥材、滑材、
裏込め材等の非開削工法用流動性組成物を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、非開削工法用流動性
組成物であって、水硬性物質と、非イオン性の水溶性セ
ルロースエーテルと、水溶性アクリル誘導体、水溶性多
糖類及び水溶性澱粉誘導体から成る群から選ばれる少な
くとも一種の化合物とを必須成分としたことを特徴とす
る。請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の非
開削工法用流動性組成物において、非イオン性水溶性セ
ルロースエーテルと、水溶性アクリル誘導体、水溶性多
糖類及び水溶性澱粉誘導体から成る化合物の群から選ば
れる少なくとも一種の化合物との割合が99:1から2
0:80(重量比)であることを特徴とする。
【0007】水溶性セルロースエーテルは水に溶解する
と増粘し、セメント系でもこの性質は変わらないため、
水中不分離性コンクリートの分離防止剤として使用さ
れ、水中打設の際のセメント等の分離を防止するのに使
用されている。また、潤滑性も有するため、滑材として
も使用可能である。湧水箇所、砂礫層で問題なき打設す
るためには高いチクソトロピー性が必要である。本発明
に必要なチクソトロピーについては、水溶性セルロース
エーテル単独では若干のチクソトロピー性を示すにすぎ
ない。ウエランガム等の水溶性多糖類、ポリアクリルア
ミド等の水溶性アクリル誘導体、ヒドロキシプロピル化
澱粉等の水溶性澱粉誘導体は水に溶解すると増粘する
が、セメント系では多少はあるがいずれも凝集傾向を示
す。これらを単独でセメント系に使用するとその凝集性
のために流動性に劣り、充填性に劣る材料となってしま
う。本発明では水溶性セルロースエーテルと凝集性のあ
る物質を併用することにより、流動性を保ちつつ、高い
水中分離防止効果を有し、高いチキソトロピー性を発揮
することができることを見い出した。つまり、これらを
併用した組成物は剪断力をかけると流動しやすくなり、
流動性のあるその組成物をしばらくの間、静止させると
組成物は高い粘性を呈するようになる。流動性、水中分
離防止及びチクソトロピー性を兼ね備えた組成物は、前
述の特開平6−180094号公報、特公平7−376
31号公報、特公平7−51880号公報では得られな
い特性である。上記二つの水溶性物質をある特定の割合
で併用すると本発明のような流動性を保ちつつ、高い水
中分離防止効果を有し、高いチキソトロピー性を発揮す
ることができる。また、セメント等の水硬性物質を含む
ため、自硬性の滑材、加泥材等とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いることができるセメ
ントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通ポ
ルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸
熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、
超早強ポルトランドセメント)を挙げることがてでき
る。この他にも、混合セメント(高炉セメント、シリカ
セメント、フライアッシュセメント)、特殊セメント
(アルミナセメント、膨張セメント)等が挙げられ、こ
れらから選ばれる1種または2種以上の混合物が使用で
きる。
【0009】上記のようなセメントとともに用いる非イ
オン性の水溶性セルロースエーテルとしては、例えば、
メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)
等のアルキルセルロースを挙げることができる。この他
にも、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロ
キシプロピルセルロース(HPC)等のヒドロキシアル
キルセルロースを挙げることができ、また、ヒドロキシ
エチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチル
エチルセルロース(HEEC)等のヒドロキアルキルア
ルキルセルロースを挙げることもできる。特に、ヒドロ
キシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキル
セルロースが好ましい。これらのものは、セメント系で
の粘度発現性に優れ、このためセメントモルタルでの保
水性に優れているからである。これらは1種または2種
以上の混合物として使用することができる。また、その
粘度は特にに限定されないが、1%粘度が10〜50,
000cPであることが望ましい。粘度が10cP以下
では必要なレオロジー特性が得られない。また、50,
000cP以上は経済的に工業的生産が困難である。こ
のような水溶性セルロースエーテルの使用量は、流動
性、材料分離防止の程度、用途、チクソトロピー性要求
度等によっても異なるが、通常、水量に対して0.01
重量%〜30重量%、好ましくは0.05重量%〜15
重量%が望ましい。
【0010】これら、非イオン性セルロースエーテルは
空気連行性があり、空気量のコントロールが必要な場合
には、コンクリートやモルタルに使用されている消泡剤
である、トリブチルフォスフェート(C1227
4 P)、プルロニック系消泡剤[プルロニックL 61
(旭電化工業製)等]、シリコーン系消泡剤[KM 7
3(信越化学工業製)等]、アセチレングリコール誘導
体[サーフィノール(日信化学工業製)等]等が使用で
きる。
【0011】本発明では、上記のようなセメント等の水
硬性物質や水溶性セルロースエーテル等と共に、セメン
トに対して凝集性のある物質を添加する。凝集性のある
物質としては、水溶性多糖類、水溶性アクリル誘導体、
水溶性澱粉誘導体がある。水溶性多糖類としては、次頁
の化学式で示される、ウエランガム(Welangu
m)、ラムザンガム(Rhamsan gum)また
は、ジェランガム(Gellan gum)等のスフィ
ンガン・ガム・グループ(SphinganGum G
roup)が好ましい。
【化1】 [式中GluはD−グルコース、GluAはD−グルク
ロン酸、RhaはL―ラムノース、XはL−マンノース
(Man)又はL−ラムノース(Rha)を表す。]
【0012】ウエランガムは、ヘテロ多糖類を生成する
アルカリジェネス(Alcaligenes)属のバク
テリア ATCC 31555の菌種(菌体番号Alc
aligenes ATCC 31555)をもって製
造させれば良い。例えば、それを炭水化物、窒素源およ
びその他の適当な栄養素を含む培地に散布し、完全培養
発酵させればバクテリアの細胞外に生成してくるガムと
して得ることができる。ラムザンガムは、類似のバクテ
リアである菌体番号AlcaligenesATCC
31961を用い、ジェランガムは、菌体番号Pseu
domonas ATCC 31461を用い、ウエラ
ンガムと同様にして得ることができる。このような水溶
性多糖類の使用量は、必要なチクソトロピー性にもよる
が、通常、水量に対して0.001重量%〜30重量
%、好ましくは、0.01重量%〜15重量%が望まし
い。
【0013】水溶性アクリル誘導体としては、ノニオン
系、アニオン系、カチオン系のいずれもが使用可能であ
り、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドとアクリ
ル酸ソーダの共重合物、ポリアクリルアミド部分加水分
解物、スルホン基を導入したスルホン化ポリアクリルア
ミド等が挙げられる。このような水溶性アクリル誘導体
の使用量は、必要なチクソトロピー性にもよるが、通
常、水量に対して0.0001重量%〜10重量%、好
ましくは、0.001重量%〜5重量%が望ましい。
【0014】水溶性澱粉誘導体としては、ヒドロキシプ
ロピル化澱粉のようなヒドロキシアルキル化澱粉等が挙
げられる。このような水溶性澱粉誘導体の使用量は、必
要なチクソトロピー性にもよるが、通常、水量に対して
0.001重量%〜30重量%、好ましくは、0.01
重量%〜15重量%が望ましい。
【0015】水溶性セルロースエーテルの使用割合を過
度に多くすると、流動性は問題ないが、チクソトロピー
性は低下するという欠点がある。一方、凝集性物質であ
る水溶性多糖類、水溶性アクリル誘導体、水溶性澱粉誘
導体の使用割合を過度に多くすると、チクソトロピー性
には問題がないが、流動性に劣り、結果として施工時に
加えなければならない水分の量が多くなり、強度低下、
材料分離等の問題を引き起こす恐れがあり、好ましくな
い。さらに、本発明では、非イオン性水溶性セルロース
エーテルと、水溶性アクリル誘導体、水溶性多糖類及び
水溶性澱粉誘導体から成る化合物の群から選ばれる少な
くとも一種の化合物との割合が重量比で、(非イオン性
水溶性セルロースエーテル):(後者の化合物)=9
9:1〜20:80となるようにする。非イオン性水溶
性セルロースエーテルが、この範囲を超えると、必要な
チクソトロピー性が得られないという欠点がある。ま
た、水溶性アクリル誘導体、水溶性多糖類及び水溶性澱
粉誘導体から成る化合物の群から選ばれる少なくとも一
種の化合物の割合がこの範囲を超えると、凝集性が強く
なりすぎ、流動性が劣るといった欠点がある。
【0016】本発明の流動性組成物は、この他にもさら
に、通常、骨材として川砂、山砂、珪砂、また、滑材と
して高吸水性ポリマー、ベントナイト等を用いると良
い。また、一般に、コンクリートやモルタル等に使用さ
れている減水剤(高性能減水剤、高性能AE減水剤、A
E減水剤等)も必要に応じて使用することができる。こ
の減水剤としては、高縮合トリアジン系化合物、メラミ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリカルボン酸塩
系誘導体、変性リグニンスルホン酸塩系化合物、アミノ
スルホン酸系高分子化合物、ナフタレンスルホン酸塩の
ホルマリン縮合物、イソプレン系化合物等が挙げられ
る。非イオン性セルロースエーテルを用いた場合には、
これらの内では、高縮合トリアジン系化合物[NL−4
000(ポゾリス物産製)等]、メラミンスルホン酸塩
のホルマリン縮合物[SMF(日産化学工業製)等]、
ポリカルボン酸塩系誘導体[SP−8S(ポゾリス物産
製)等]、イソプレン系化合物[ダイナフロー(日本合
成ゴム製)等]が好ましい。凝結遅延剤、凝結促進剤等
の硬化調整剤もその要求に応じて使用することができ
る。さらに、起泡剤を用い、エアーモルタルとしても使
用できる。
【0017】本発明の非開削工法流動性組成物は、前記
のような組成にさらに水を加えて混練し、流動化させ、
流動状態で必要箇所に打設される。流動化にあたって、
添加する水の量は、打設しやすい軟らかさに水硬性組成
物がなるまで、徐々に、加減しながら加えていって決め
れば良いが、通常、水硬性物質100重量部あたり、5
0重量部〜500重量部が好ましい。混練に当たって
は、水も入った全成分を、例えば、モルタルミキサー等
を使って混練すれば良い。水溶性高分子物質は粉末のま
までセメント中等に添加して混合しても良いが、水の影
響で部分的に粒状に固まって不均一化するような場合に
は防止剤として、グリオキザール等を添加しても良い。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 1.チクソトロピー性、流動性および水中不分離性の評
価 チクソトロピー性、流動性および水中不分離性の評価を
以下の物質を用い、以下の試験方法により行った。 (1)水溶性セルロースエーテル:ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、粘度6,300cP[濃度1%]
(商品名:メトローズ、信越化学工業製、以下「HPM
C」と略す。) (2)水溶性多糖類:ウエランガム(モンサント社ケル
コ事業部製、以下「WG」と略す。) (3)水溶性アクリル誘導体:アニオン性ポリアクリル
アミド(ハイモ製、以下「PAAm」と略す。) (4)水溶性澱粉誘導体:ヒドロキシプロピル化澱粉
(日澱化学製、以下「HPS」と略す。)
【0019】(5)セメント:普通ポルトランドセメン
ト(日本セメント製) (6)高炉スラグ:セラメント(第一セメント製) (7)配合 セメント 10重量部 高炉スラグ 90重量部 増粘剤 4重量部 水 変量 (8)練り混ぜ 上記の配合(7)に指定された物質をJIS R 52
01に準拠したモルタルミキサーを用い、粉体のみでの
空練り1分、注水後3分練り混ぜ、所定の流動性組成物
を得た。なお、水量は、JIS R 5201に規定さ
れたフロー試験で、落下運動を与えず、自然流動させた
場合(0打フロー)の値で、150mm±10mmとな
る量とした。
【0020】(9)測定 ・フロー試験 JIS R 5201のフロー試験で、落下運動を与え
ず、自然流動させた場合(0打フロー)の拡がりをその
直角方向の直径で測定し、平均した値を求めた。 ・粘度特性 外筒回転型粘度計、DPV−1型粘度計(協和科学製)
で、10rpmと100rpmの見掛け粘度を測定し、
その比(見掛け粘度(10rpm)/見掛け粘度(10
0rpm))をチクソトロピー性指数として求めた(チ
クソトロピー性指数の大きなものの方がチクソトロピー
性が大きい)。 ・練り上がり温度 アルコール温度計にて測定した。 ・水中分離度 土木学会、水中不分離性コンクリート設計施工指針
(案)、土木学会規準、コンクリート用水中不分離性混
和剤品質規格(案)の水中分離度測定(付属書2)に準
じた。800mLの水中に試料500gを投入し、その
上澄み液の懸濁物質量をJIS K 0102に準じて
測定した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表1は本発明にかかる実施例に相当する場
合の結果を示す。実施例1〜3は水溶性セルロースエー
テルと凝集性物質の割合が75:25、実施例4、5は
50:50の場合で、本発明の割合で水溶性セルロース
エーテルと凝集性物質を併用しているため、流動性があ
り、しかも高いチクソトロピー性を示し、かつ、水中分
離防止効果にも優れる。
【0024】表2は比較例の結果を示す。比較例1〜4
はそれぞれの配合材を単独で用いた場合である。比較例
1、4は水溶性セルロースエーテル、水溶性澱粉誘導体
を用いた場合であり、チクソトロピー性が低く、また、
比較例4では水中分離防止効果に劣る。比較例2、3は
水溶性多糖類、水溶性アクリル誘導体を単独で使用した
場合であり、いずれも流動性を得るのに多くの水量を必
要とし、実用上、好ましくない。比較例5は本発明の割
合以外で両物質を用いた場合(99.5:0.5)であ
り、水中分離 防止効果は問題ないが、十分なチクソト
ロピー性が得られないという欠点がある。比較例6は水
溶性アクリル誘導体の割合が80%を越えた場合であ
り、必要な流動性を得るのに多くの水量を必要とし、実
用上、好ましくない。
【0025】2.裏込め材 下記の配合の裏込め材を用いて現場にてその効果を確認
した。 配合 普通ポルトランドセメント 200kg/m3 (日本セメント製) フライアッシュ 100kg/m3 (日本セメント製) 細骨材 270kg/m3 (信濃川産川砂) HPMC 3kg/m3 PAAm 1kg/m3 水 750kg/m3 上記配合の裏込め材を用いた結果、ポンプ圧送性、水中
分離抵抗性等に優れ、充填性にも問題はなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明の非開削工法用流動性組成物は、
上記のような構成でできていることから、シールド工法
や推進工法で従来使用されていた加泥材、滑材、裏込め
材が持っていた各種特性をそのまま有しており、その上
で、湧水等で分離がなく、施工時に必要なチクソトロピ
ー性を有するため、湧水箇所や砂礫層等でも問題なく打
設できる。しかも場合によっては自硬性を有することも
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硬性物質と、非イオン性の水溶性セル
    ロースエーテルと、水溶性アクリル誘導体、水溶性多糖
    類及び水溶性澱粉誘導体から成る群から選ばれる少なく
    とも一種の化合物とを必須成分としたことを特徴とする
    非開削工法用流動性組成物。
  2. 【請求項2】 非イオン性水溶性セルロースエーテル
    と、水溶性アクリル誘導体、水溶性多糖類及び水溶性澱
    粉誘導体から成る化合物の群から選ばれる少なくとも一
    種の化合物との割合が99:1から20:80であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の非開削工法用流動性組
    成物。
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