JPH09208287A - セメントモルタル組成物 - Google Patents

セメントモルタル組成物

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JPH09208287A
JPH09208287A JP1492796A JP1492796A JPH09208287A JP H09208287 A JPH09208287 A JP H09208287A JP 1492796 A JP1492796 A JP 1492796A JP 1492796 A JP1492796 A JP 1492796A JP H09208287 A JPH09208287 A JP H09208287A
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water
cement
soluble
cement mortar
cellulose ether
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JP1492796A
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Tsutomu Yamakawa
勉 山川
Takeaki Sasage
剛明 捧
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工塗布した表面の液垂れ防止を図り、か
つ、施工塗布時の作業性を改善したセメントモルタル組
成物を提供する。 【解決手段】 セメント100重量部に対して、非イオ
ン性のセルロースエーテル0.02重量部〜3重量部と
スフィンガン・ガム・グループの水溶性多糖類0.00
1重量部〜1重量部とを添加してなるセメントモルタル
組成物とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施工塗布した表面
の液垂れ防止を図り、かつ、施工塗布時の作業性を改善
したセメントモルタル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントモルタル組成物は、水とともに
硬化し、広く建造物の主体構造材あるいは内装材となり
得る。例えば、壁体等構造物のむき出し部分に厚塗し、
断熱効果を持たせている場合もあり、また、特有の接着
性を利用して内装、外装タイル、モザイクタイル等のタ
イル類を壁に接着するとき、事実上の接着剤として、さ
らに、軽量骨材を添加し、下地調整塗材として用いるこ
とである。
【0003】セメントモルタル組成物には、より優れた
機能を発揮させるため、用途に応じて、しばしば、種々
の添加物を添加する。セメントモルタル組成物は原則と
して、セメント・骨材・水の組み合わせで混練して使用
するが、特開昭63−315547号公報は添加物にウ
ェランガムを使用する例を紹介している。ウェランガム
をセメント組成物に添加するセメント粒子が懸濁しやす
くなり、混練時、必要な水の量も減らせるようになると
されている。
【0004】タイル張り等の接着剤として使用する場
合、セメントモルタル組成物にはヒドロキシプロピルメ
チルセルロース等の水溶性セルロースエーテルを添加す
る。水溶性セルロースエーテルを添加しないと、施工し
ようとする下地の性質次第でセメントの接着性が著しく
下がることがある。例えば、下地の吸水性が大きいとセ
メントモルタル組成物は水分を吸い取られ、凝結不良や
可塑化を引き起こす。こうなると、十分な接着力を得る
ことは困難になる。従来のセメントモルタル組成物はセ
ルロースエーテル等の水溶性添加物を加えることで下地
の性質に左右されない優れた接着性を備えている。
【0005】このようなセメントモルタル組成物ではあ
っても、最近、新たな問題の存在が分かってきた。例え
ば、生乾きの段階でモルタルにいったん張り付けたタイ
ルが、モルタルの乾く前にずり落ちてしまうことがあ
る。タイルは通常、水分を含んだ懸濁状態のセメントモ
ルタル組成物を何らかの下地材に塗布した後、生乾きの
時点で直張りで張り付け、モルタルが乾くのを待って固
定する。ところが、最近では、張り付けようとするそれ
らのタイルが大型化して重くなってきている。その一
方、断熱補修工事が増加し、比較的モルタルを厚塗りし
なければならない場合が多くなってきて、モルタルの乾
きに一層、時間がかかるようになってきた。乾きが遅く
て、タイルがずり落ちるというようなトラブルが起きる
工期は長期化する。したがって、そのようなトルブルの
起きないセメントモルタル組成物の実現が要求されるよ
うになってきた。
【0006】ところで、タイルのずり落ちという問題
は、セメントモルタル組成物の表面の液垂れという別の
大きな問題に密接にかかわってくる。表面の液垂れは壁
や柱等、建造物のむき出し部分にモルタル厚塗しなけれ
ばならないような場合に発生する。タイルのずり落ち
は、表面の液垂れを引き起こすおそれのある、そのよう
な場合、その表面にタイル張りすると発生する。モルタ
ル施工の表面部分の液垂れを十分防止できなければ、タ
イルのずり落ちは基本的に防ぐことはできない。
【0007】液垂れを防ごうとする試みはこれまでもあ
った。従来、セメントモルタル組成物の表面部の液垂れ
を防止する添加材として、石綿(アスベスト)、パルプ
繊維、ビニロン等の有機合成繊維等の繊維類、水酸化ア
ルミニウム[Al(OH)3 ]等のゼラチン性水酸化
物、硫酸アルニウム[Al2 (SO4 3 ]等の硫酸金
属塩等がある。これらは特開昭53−104641号公
報に記載されている。この他にも、特定の水溶性セルロ
ースエーテルを組み合わせて、液垂れ防止を図る技術が
特開昭58−52946号公報に記載がある。ベントナ
イトやセピオライトを使う例は特公平3−13184号
公報に記載がある。ポリアクリルアミド等は特公平3−
13183号公報等に記載がある。
【0008】このうち、石綿は発癌作用があるため、使
用を制限する方向にある。パルプ繊維や有機合成繊維等
は、施工後のセメントモルタル組成物の表面が液垂れし
なくなるまで添加すると、セメントモルタル組成物の中
で繊維が偏在する場合があり、そうなるとむき出し施工
部分は仕上げ感が悪くなって好ましくない。水酸化アル
ミニウム等のゼラチン性水酸化物は、液垂れ防止上、効
果が小さい。しかも、硬化後のモルタルの強度低下や白
華の原因ともなるので好ましくない。硬質アルミニウム
等の金属塩にはセメントモルタルの硬化を促進する働き
がある。そのため、これを混ぜるとセメントモルタルは
急激に硬化して使いづらくなり、硬化したモルタルには
クラックが生じるという問題がある。
【0009】水溶性セルロースエーテルの場合は、微量
では効果がなく、液垂れしなくなるまで大量に添加する
と別の新たな問題を引き起こす。すなわち、大量に添加
し、その上で、水溶性セルロースエーテルがそれまで結
合していた水分を消失すると、施工作業中でも組成物全
体の粘度が増加し、施工の作業性を悪くする。施工中に
大量に添加して水分も多い場合、水との混練作業中に大
量の空気泡を巻き込むようになり、硬化後にモルタルに
強度低下を引き起こす。
【0010】ベントナイトはチキソトロピー性を示す。
チキソトロピー性それ自体はセメントモルタル組成物の
液垂れを防ぐ作用がある。ところが、ベントナイトは、
セメントモルタル中のカルシウムイオンに会合すると、
チキソトロピー性が減少する。仮に、セメントモルタル
中のカルシウムイオン量に打ち勝つまでベントナイトを
大量に添加するとチキソトロピー性は回復するが、施工
時、添加する水の量を多くしなければならなくなる。添
加する水の量が増えればその分で硬化後にクラックが多
くなったり、強度低下が生じたりする。セピオライト等
の鎖状粘土鉱物はベントナイトと比較して、セメントモ
ルタル中のカルシウムイオンの影響は小さいが、少量で
は液垂れ防止の上で十分な効果がなく、添加量を多くす
れば程度の差はあってもベントナイトと同様の問題を引
き起こす。
【0011】ポリアクリルアミドにはセメント粒子を凝
集させてその液垂れを防止させる働きがある。ところ
が、ポリアクリルアミドはセメント粒子を凝集させる力
が強すぎ、混練条件や添加方法次第で、液垂れ防止作用
に大きなバラツキがある。このため、このものからは安
定した信頼効果を得ることができない。また、ポリアク
リルアミドはセメントが含むアルカリの作用で加水分解
しやすい。もし、凝集力を発揮する前に加水分解してし
まえば、初期の効果を得ることはできない。こうしたこ
とから、ポリアクリルアミドは非常に使いにくいという
問題がある。
【0012】このように、従来、生乾き状態での液垂れ
が少なく、施工時の作業性の良い使いやすいセメントモ
ルタル組成物は事実上ないに等しく、そのようなセメン
トモルタル組成物の実現が強く待たれていた。本発明
は、前記の課題を解決するため、従来のセメントモルタ
ル組成物が持っていた優れた接着性、強度をそのまま有
しており、その上で、表面の液垂れもなく、タイル等を
張り付けてもモルタルが施工時に生乾きの状態でずり落
ちることもほとんどなく、鏝塗り等の作業性に優れたセ
メントモルタル組成物を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載された発明は、セメントモルタル組
成物であって、セメント100重量部に対して、非イオ
ン性の水溶性セルロースエーテル0.02重量部〜3重
量部と水溶性多糖類0.001重量部〜1重量部とを添
加することを特徴とする。請求項2に記載された発明
は、請求項1に記載のセメントモルタル組成物におい
て、非イオン性水溶性セルロースエーテルが、アルキル
セルロースとヒドロキシアルキルセルロースとヒドロキ
シアルキルアルキルセルロースとからなる群の中から選
ばれる少なくとも1種であり、また、水溶性多糖類が下
記の構造式で表されるスフィンガン・ガム・グループの
群の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
する。
【化2】 [式中GluはD−グルコース、GluAはD−グルク
ロン酸、XはL−マンノース(Man)又はL−ラムノ
ース(Rha)を表す。]
【0014】水溶性セルロースエーテルは保水性を持つ
増粘剤である。適当量のセルロースエーテルを加えて水
と会合させると混練時に適当な量の空気を巻き込み、混
合物に可塑性を与えて作業性を向上させる。したがっ
て、塗布する時に鏝切れも良くなって、従来のように1
回の施工で、厚塗りも可能となり、ぼた落ちも少ない。
そればかりか、保水性があるから混練時の水の必要量を
減らすことができる。水の必要量が減れば、モルタルの
表面部分の水分が先に消失して内部に水分が残っている
場合にしばしば発生する皮張りを防ぎ、むき出し塗り部
分の表面の仕上がりを良くする。さらに、硬化後に空孔
の発生も少なく、強度低下やクラックを防止する。水溶
性セルロースエーテルは水と一緒になると適度の粘性を
発揮する。そのため、タイル施工に当たっては、タイル
の接着性を良くしてタイルの張り付け工事を容易にし、
タイル張りの仕上がりを良くする。水溶性多糖類は水に
溶解すると独特のチキソトロピー性を発揮する。水、セ
メントとともに、多糖類を少量添加し、その混合物に剪
断力をかけると混合物全体が流動しやすくなる。流動性
のあるその混合物をしばらくの間、静止させると混合物
は高い粘性を呈するようになる。水溶性多糖類を含んだ
混合物を仮に垂直部分に塗布しても混合物は液垂れしに
くくなり、ぼた落ちもしにくくなる。さらに、水溶性多
糖類としてスフィンガン・ガム・グループに属するもの
を使用した場合、これらはセメントモルタルにおいて、
粘度発現性を示すと共に弱い凝集性を示すという理由か
ら、水溶性セルロースエーテルと併用することにより、
鏝塗りなどの作業性に優れた特性を発揮することができ
る。本発明のセメントモルタル組成物は、このような水
溶性セルロースエーテル及び水溶性多糖類、さらにその
他の配合剤をセメントに添加する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いることができるセメ
ントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通ポ
ルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸
熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、
超早強ポルトランドセメント)を挙げることができる。
この他にも、混合セメント(高炉セメント、シリカセメ
ント、フライアッシュセメント)、特殊セメント(アル
ミナセメント、膨張セメント)等が挙げられ、これらか
ら選ばれる1種又は2種以上の混合物が使用できる。
【0016】上記のようなセメントとともに用いる非イ
オン性の水溶性セルロースエーテルとしては、例えば、
メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)
等のアルキルセルロースを挙げることができる。この他
にも、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロ
キシプロピルセルロース(HPC)等のヒドロキシアル
キルセルロースを挙げることができ、また、ヒドロキシ
エチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチル
エチルセルロース(HEEC)等のヒドロキシアルキル
アルキルセルロースを挙げることができる。特に、ヒド
ロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキ
ルセルロースが好ましい。これらのものは、セメント系
での粘度発現性に優れ、このためセメントモルタルでの
保水性に優れているからである。
【0017】これらは1種又は2種以上の混合物として
使用することができる。また、その粘度は特に限定され
ないが、1%粘度が10〜50,000cPであること
が望ましい。粘度が10cP以下では必要なレオロジー
特性が得られない。また、50,000cP以上は経済
的に工業的生産が困難である。このような水溶性セルロ
ースエーテルの使用量は、下地、施工場所の気象条件、
用途等によっても異なるが、比較的保水性が必要な場合
には、セメント100重量部あたり0.3重量部〜3重
量部、保水性を必要としない場合には、0.02重量部
〜0.3重量部の範囲が好ましい。
【0018】これら、非イオン性セルロースエーテルは
空気連行性があり、空気量のコントロールが必要な場合
には、コンクリートやモルタルに使用されている消泡剤
である、トリブチルフォスフェート(C1227
4 P)、プルロニック系消泡剤[プルロニックL61
(旭電化工業製)等]、シリコーン系消泡剤[KM73
(信越化学工業製)等]、アセチレングリコール誘導体
[サーフィノール(日信化学工業製)等]等が使用でき
る。
【0019】本発明では、上記のようなセメントや水溶
性セルロースエーテル等と共に、水溶性多糖類を用い
る。水溶性多糖類としては、ウェランガム(Welan gum)
、ラムザンガム(Rhamsan gum) 又は、ジェランガム(Ge
llan gum)等の以下の一般式で表されるスフィンガン・
ガム・グループ(Sphingan gum Group)が好ましい。
【化3】 [式中GluはD−グルコース、GluAはD−グルク
ロン酸、XはL−マンノース(Man)又はL−ラムノ
ース(Rha)を表す。] ウェランガム、ラムザンガムは、特開平4−36754
9号公報にセメントモルタル組成物への応用が開示され
ているが、これらよりも本発明で取り上げた物質の1つ
であるジェランガムの方がより優れている。
【0020】ウェランガムは、ヘテロ多糖類を生成する
アルカリジェネス( Alcaligenes)属のバクテリア ATCC
31555 の菌種(菌体番号Alcaligenes ATCC 31555) をも
って製造させれば良い。例えば、それを炭水化物、窒素
源及びその他の適当な栄養素を含む培地に散布し、完全
培養発酵させればバクテリアの細胞外に生成してくるガ
ムとして得ることができる。ラムザンガムは、類似のバ
クテリアである菌体番号Alcaligenes ATCC 31961を用
い、ジェランガムは、菌体番号Pseudomonas ATCC 3146
1 を用い、ウェランガムと同様にして得ることができ
る。
【0021】このような水溶性多糖類の使用量は、予想
される液垂れの程度にもよるが、通常、セメント100
重量部あたり、0.001重量部〜1重量部、好ましく
は、0.01重量部〜0.5重量部が望ましい。水溶性
多糖類の使用量を多くすると施工時に加えなければなら
ない水分の量が多くなり、結果的に将来、施工部分でク
ラックや接着強度の低下等の不都合が生じる恐れがあ
り、好ましくない。
【0022】本発明のセメントモルタル組成物は、この
他にもさらに、通常、骨材として川砂、山砂、珪砂、寒
水砂、軽量骨材等を用いると良い。特に、珪砂は液垂れ
を防止する働きがあって好ましい。骨材の他にも、半水
石膏、消石灰、炭酸カルシウム、ドロマイトプラスタ
ー、粘土等も併用すると好ましい。この他、粉末エマル
ジョン、繊維物質等を配合することは差し支えない。ま
た、初期タック(粘着力)を特に必要とする場合、水溶
性ポリビニルアルコールを併用しても良い。
【0023】また、一般に、コンクリートやモルタル等
に使用されている減水剤(高性能減水剤、高性能AE減
水剤、AE減水剤等)も必要に応じて使用することがで
きる。この減水剤としては、高縮合トリアジン系化合
物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリカ
ルボン酸塩系誘導体、変性リグニンスルホン酸塩系化合
物、アミノスルホン酸系高分子化合物、ナフタレンスル
ホン酸塩のホルマリン縮合物、イソプレン系化合物等が
挙げられる。非イオン性セルロースエーテルを用いた場
合には、これらの内では、高縮合トリアジン系化合物
[NL−4000(ポゾリス物産製)]、メラミンスル
ホン酸塩のホルマリン縮合物[SMF(日産化学工業
製)]、ポリカルボン酸塩系誘導体[SP−8S(ポゾ
リス物産製)]、イソプレン系化合物[ダイナフロー
(日本合成ゴム製)]が好ましい。
【0024】本発明のセメントモルタル組成物は、上記
のような組成にさらに水を加えて混練して流動化させ、
流動状態で必要箇所に、例えば、鏝塗りして塗布し、む
き出し状態でしばらくおいて直接硬化させるか、例え
ば、さらに化粧タイル等を張り付けて時をおいて硬化さ
せる。
【0025】流動化にあたって、添加する水の量は、塗
布しやすい軟らかさにセメントモルタル組成物がなるま
で、徐々に、加減しながら加えていって決めれば良い
が、通常、セメント100重量部あたり、40重量部〜
60重量部が好ましい。混練に当たっては、水も入った
全成分を、例えば、モルタルミキサー等を使って混練す
れば良い。水溶性高分子物質は粉末のままでセメント中
等に添加して混合しても良いが、水の影響で部分的に粒
状に固まって不均一化するような場合には防止剤とし
て、グリオキザール等を添加しても良い。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本実施例
では、水溶性セルロースエーテルと水溶性多糖類と粉末
エマルジョンとについて以下の物質を用いた。 1) 水溶性セルロースエーテル:ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、粘度4,300cP 〔濃度2%〕(商品
名:メトローズ、信越化学工業株式会社製、以下〔MC〕
と略す) 2) 水溶性多糖類: a)ウェランガム(モンサント社ケルコ事業部製、以下
〔WG〕と略す) b)ラムザンガム(モンサント社ケルコ事業部製、以下
〔RG〕と略す) c)ジェランガム(モンサント社ケルコ事業部製、以下
〔GG〕と略す) 3) 粉末エマルジョン:エチレン−酢酸ビニル共重合
体の粉末エマルジョン
【0027】実施例1、2、3(タイルモルタル) 表1に示す配合比で、水も加えた流動状態のセメントモ
ルタル組成物を調整し、垂直に立てた下地材に5mm厚
にセメントモルタルを塗布した。次いで、得られた塗布
面が硬化する前に2丁掛けタイルを張り、張り付けたタ
イルがずれ落ちた距離を測定した。さらに、材齢28日
でタイルの接着強度を測定した。結果を表1に示す。な
お、添加水量は、モルタルを塗布する時に組成物が最も
塗りやすい軟らかさになるよう、加減しながら決め、テ
ーブルフロー(JIS R5201 に準拠)160mm±5mm
及び180mm±5mmの2水準で行った(接着強度は
テーブルフロー160mm±5mmのみ)。
【表1】 実施例1〜3は、いずれも水溶性多糖類を併用したもの
であり、液垂れが少なく、タイルのずれも少ない。実施
例1は水溶性多糖類としてウェランガムを用いたもの、
実施例2はラムザンガムを用いたもの、実施例3はジェ
ランガムを用いたものであり、ジェランガムを用いたも
のが最もずれが小さい。
【0028】これに対して、比較例1は、水溶性多糖類
無添加のもので、実施例と比較してずれが大きい。比較
例2は、水溶性セルロースエーテル及び水溶性多糖類無
添加のもので、ずれが大きいとともに、タイルの接着強
度が実施例と比較して低い。比較例3は、石綿を添加し
たものであり、ずれも大きく、また、水量が大きいた
め、ひび割れの問題が起こる恐れがある。比較例4は、
水溶性多糖類であるジェランガムの添加量がセメントに
対して1を越える場合であり、水量が大きいため、タイ
ルの接着強度が低く、また、ヒビ割れの問題が起こるお
それがある。
【0029】実施例4、5(軽量セメントモルタル) 表2に示す配合比で水も加えた流動状態のセメントモル
タル組成物を調整し、下地材に5mm厚にセメントモル
タル組成物を鏝塗りした。その際の作業性について、表
3に示す官能試験により、鏝塗り作業性を評価した。
(テーブルフローは160mm±5mm) なお、セメント及び混和剤(水溶性セルロースエーテ
ル、水溶性多糖類)以外の軽量配合物は以下のものを用
いた。 軽量配合物:(普通ポルトランドセメント100重量部
に対する重量比で示す) 三河珪砂5・6号 77重量部 パーライト4号 16重量部 発泡スチレンビーズ 1重量部 発泡EVA 6重量部 ビニロン繊維 0.2重量部
【表2】
【表3】
【0030】実施例4、5は、いずれも水溶性多糖類を
併用したものであり、作業性に優れる。実施例4は水溶
性多糖類としてウェランガムを用いたもの、実施例5は
ジェランガムを用いたものであり、ジェランガムを用い
たものの方がより作業性に優れる。これに対して、比較
例6は、水溶性多糖類無添加のもので、水溶性セルロー
スエーテルの粘りがでて、作業性に劣る。比較例6は、
水溶性多糖類であるジェランガムの添加量がセメントに
対して1を越える場合であり、モルタルにのびがなく、
作業性は必ずしも良くない。また、水量が大きいため、
ひび割れの問題が起こる恐れがある。
【0031】
【発明の効果】本発明のセメントモルタル組成物は、上
記のような構成でできていることから、従来のセメント
モルタル組成物が持っていた優れた接着性、強度をその
まま有しており、その上で、施工時に表面の液垂れもな
く、タイル等を張り付けてもセメントが生乾きの状態で
ずり落ちることもほとんどない。また、鏝塗り等の作業
性に優れている。その結果、施工作業がしやすく、仕上
がり感も良い。施工中あるいは施工後に液垂れを生じる
ことがなく、作業性が良いことから厚塗りすることも容
易である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント100重量部に対し、非イオン
    性の水溶性セルロースエーテル0.02重量部〜3重量
    部と水溶性多糖類0.001重量部〜1重量部とを添加
    することを特徴とするセメントモルタル組成物。
  2. 【請求項2】 非イオン性水溶性セルロースエーテル
    が、アルキルセルロースとヒドロキシアルキルセルロー
    スとヒドロキシアルキルアルキルセルロースとからなる
    群の中から選ばれる少なくとも1種であり、また、水溶
    性多糖類が下記の構造式で表されるスフィンガン・ガム
    ・グループの群の中から選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1に記載のセメントモルタル組
    成物。 【化1】 [式中GluはD−グルコース、GluAはD−グルク
    ロン酸、XはL−マンノース(Man)又はL−ラムノ
    ース(Rha)を表す。]
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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