JPH07121824B2 - セメントモルタル組成物 - Google Patents
セメントモルタル組成物Info
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- JPH07121824B2 JPH07121824B2 JP3140401A JP14040191A JPH07121824B2 JP H07121824 B2 JPH07121824 B2 JP H07121824B2 JP 3140401 A JP3140401 A JP 3140401A JP 14040191 A JP14040191 A JP 14040191A JP H07121824 B2 JPH07121824 B2 JP H07121824B2
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Description
垂れ防止を図ったセメントモルタル組成物に関する。
化し、広く建造物の主体構造材あるいは内装材となりう
る。例えば、壁体など建造物のむき出し部分に厚塗し、
断熱効果を持たせて用いる場合もあり、また、特有の接
着性を利用して内装・外装タイル、モザイクタイルなど
のタイル類を壁に接着するとき、事実上の接着剤として
用いることもある。
機能を発揮させるため用途に応じてしばしば添加物を添
加する。セメントモルタル組成物は原則として、セメン
ト・骨材・水の組み合わせで混練して使用するが、特開
昭63−315547号公報は添加物にウエランガムを使用する
例を紹介している。ウエランガムをセメント組成物に添
加するとセメント粒子が懸濁しやすくなり、混練時、必
要な水の量も減らせるようになる。
合、セメントモルタル組成物にはヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの水溶性セルロースエーテルを添加
する。水溶性セルロースエーテルを添加しないと施工し
ようとする下地の性質次第でセメントの接着性が著しく
下がることがある。例えば、下地の吸水性が大きいとセ
メントモルタル組成物は水分を吸い取られ、凝結不良や
可塑化を引き起こす。こうなると十分な接着力を得るこ
とは困難になる。従来のセメントモルタル組成物はセル
ロースエーテルなどの水溶性添加物を加えることで、下
地の性質に左右されない優れた接着性を備えている。
っても、最近、新たな問題の存在が分かってきた。例え
ば、生乾きの段階でモルタルにいったんはり付けたタイ
ルが、モルタルの乾く前にずり落ちてしまうことがあ
る。タイルは通常、水分を含んだ懸濁状態のセメントモ
ルタル組成物を何らかの下地材に塗布した後、生乾きの
時点で直張りではり付け、モルタルが乾くのを待って固
定する。ところが、最近でははり付けようとするそれら
のタイルが大型化して重くなってきている。その一方、
断熱補修工事が増加し、比較的モルタルを厚塗りしなけ
ればならない場合が多くなってきて、モルタルの乾きに
一層時間がかかるようになってきた。乾きが遅くてタイ
ルがずり落ちるというようなトラブルが起きると工期は
長期化する。したがって、そのようなトラブルの起きな
いセメントモルタル組成物の実現が要求されるようにな
ってきた。
セメントモルタル組成物の表面の液垂れという別の大き
な問題と密接に係ってくる。表面の液垂れは壁や柱など
建造物のむき出し部分にモルタルを厚塗しなければなら
ないような場合に発生する。タイルのずり落ちは、表面
の液垂れを引き起こすおそれのあるそのような場合、そ
の表面にタイルばりすると発生する。モルタル施工の表
面部分の液垂れを十分防止できなければ、タイルのずり
落ちは基本的には防ぐことができない。
った。
液垂れを防止する添加材として、石綿(アスベスト)、
パルプ繊維、有機合成繊維などの繊維類、水酸化アルミ
ニウム〔Al(OH)3 〕などのゼラチン性水酸化物、硫酸ア
ルミニウム〔Al2(SO4)3 〕などの硫酸金属塩などがあ
る。これらは特開昭53−104641号公報に開示がある。
テルを組み合わせて液垂れ防止を図る技術が特開昭58-5
2946号公報に開示がある。
公平3-13184号公報に開示がある。ポリアクリルアミド
などは特公平3-13183号公報などに開示がある。
用を制限する方向にある。パルプ繊維や有機合成繊維な
どは、施工後のセメントモルタル組成物の表面が液垂れ
しなくなるまで添加すると、セメントモルタル組成物の
中で繊維が偏在する場合があり、そうなるとむき出し施
工部分の仕上げ感が悪くなって好ましくない。
化物は液垂れ防止上、効果が小さい。しかも、硬化後の
モルタルの強度低下や白華の原因ともなるので好ましく
ない。硫酸アルミニウムなどの金属塩にはセメントモル
タルの硬化を促進する働きがある。そのため、これを混
ぜるとセメントモルタルは急激に硬化して使いづらくな
り、硬化したモルタルにはクラックが生じるという問題
がある。
では効果が無く、液垂れしなくなるまで大量に添加する
と別の新たな問題を引き起こす。すなわち、大量に添加
し、その上で水溶性セルロースエーテルがそれまで結合
していた水分を消失すると、施工作業中でも組成物全体
の粘度が増加し、施工の作業性を悪くする。施工中に大
量に添加して水分も多い場合、水との混練作業中に大量
の空気泡を引き込むようになり、硬化後にモルタルに強
度低下を引き起こす。
キソトロピー性それ自体はセメントモルタル組成物の液
垂れを防ぐ作用がある。ところがベンナイトは、セメン
トモルタル中のカルシウムイオンに会合するとチキソト
ロピー性が減少する。仮に、セメントモルタル中のカル
シウムイオン量に打ち勝つまでベンナイトを大量に添加
するとチキソトロピー性は回復するが、施工時、添加す
る水の量を多くしなければならなくなる。添加する水の
量が増えればその分で硬化後にクラックが多くなったり
強度低下が生じたりする。
ナイトと比較してセメントモルタル中のカルシウムイオ
ンの影響は小さいが、少量では液垂れ防止の上で十分な
効果がなく、添加量を多くすれば程度の差はあってもベ
ントナイトと同様の問題を引き起こす。
集させてその液垂れを防止させる働きがある。ところ
が、ポリアクリルアミドはセメント粒子を凝集させる力
が強すぎ、混練条件や添加方法次第で液垂れ防止作用に
大きなばらつきが起こる。このためこのものからは安定
した信頼効果を得ることができない。また、ポリアクリ
ルアミドはセメントが含むアルカリの作用で加水分解し
やすい。もし、凝集力を発揮する前に加水分解してしま
えば初期の効果を得ることはできない。こうしたことか
らポリアクリルアミドは非常に使いにくいという問題が
ある。
少なく、施工時の作業性のよい使いやすいセメントモル
タル組成物は事実上無いに等しく、そのようなセメント
モルタル組成物の実現が強く待たれていた。
を解決するため、従来のセメントモルタル組成物が持っ
ていた優れた接着性、強度、作業性をそのまま有してお
り、その上で、表面の液垂れもなく、タイルなどをはり
つけてもモルタルが施工時に生乾きの状態でずり落ちる
こともほとんどないセメントモルタル組成物を提供する
ことを目的とする。
め本発明のセメントモルタル組成物は、セメント100重
量部に対し、水溶性セルロースエーテル0.02重量部〜3
重量部と水溶性多糖類0.001 重量部〜1重量部とを添加
してなる。水溶性多糖類はウエランガムとラムサンガム
とのうちの少なくともいずれか一方が使用される。
ロピー性を発揮する。水、セメントとともに多糖類を少
量添加し、その混合物にせん断力をかけると混合物全体
は流動しやすくなる。流動性のあるその混合物をしばら
くの間静止させると混合物は高い粘性を呈するようにな
る。水溶性多糖類を含んだ混合物を仮に垂直部分に塗布
しても混合物は液垂れしにくくなり、ぼた落ちもしにく
くなる。
る。適当量のセルロースエーテルを加えて水と会合させ
ると混練時に適当な量の空気を巻き込み、混合物に可塑
性を与えて作業性を向上させる。したがって、塗布する
時にコテ切れも良くなって従来のように1回の施工で厚
塗りも可能となってぼた落ちも少ない。そればかりか保
水性があるから混練時の水の必要量を減らすことができ
る。水の必要量が減れば、モルタルの表面部分の水分が
先に消失して内部に水分が残っている場合にしばしば発
生する皮張りを防ぎ、むき出し塗り部分の表面の仕上が
りを良くする。更に、硬化後に空孔の発生も少なく、強
度低下やクラックを防止する。
ると適度の粘性を発揮する。そのためタイル施工に当た
ってはタイルの接着性を良くしてタイルのはり付け工事
を容易にし、タイルばりの仕上がりを良くする。
セルロースエーテルなどをセメントに添加する。本発明
で用いることができるセメントとしては、例えば、普通
ポルトランドセメントを挙げることができる。この他に
も、早強セメント、フライアッシュセメント、アルミナ
セメントなどの水硬性セメントを挙げることができる。
性セルロースエーテルとしては、例えば、メチルセルロ
ース(MC)、エチルセルロース(EC)などのアルキ
ルセルロースを挙げることができる。この他にも、ヒド
ロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピ
ルセルロース(HPC)などのヒドロキシアルキルセル
ロースを挙げることができ、また、ヒドロキシエチルメ
チルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチルセ
ルロース(HEEC)などのヒドロキシアルキルアルキ
ルセルロースを挙げることもできる。このような水溶性
セルロースエーテルの中でも、特に、ヒドロキシアルキ
ルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース
が好ましい。
用量は、下地、施工場所の気象条件、用途などによって
も異なるが、比較的保水性が必要な場合には、セメント
100重量部あたり0.3 重量部〜3重量部、保水性を必要
としない場合には、0.02重量部〜0.3 重量部の範囲が好
ましい。
アルカリジェネス(Alcaligenes )属のバクテリアATCC
31555をもって製造させればよい。例えばそれを、炭水
化物、窒素源およびその他の適当な栄養素を含む培地に
散布し、完全培養発酵させればバクテリアの細胞外に生
成してくるガムとして得ることができる。ラムサンガム
は、類似のバクテリアであるATCC31961 を用い、ウエラ
ンガムとほとんど同様にして得ることができる。
される液垂れの程度にもよるが、通常、セメント100 重
量部あたり0.001 重量部〜1重量部、好ましくは0.01重
量部〜0.5 重量部が望ましい。水溶性多糖類の使用量を
多くし過ぎると施工時に加えなければならない水分の量
が多くなり、結果的に将来、施工部分でクラックや接着
強度の低下などの不都合が生じるおそれがあり好ましく
ない。
にも更に、通常、骨材として川砂、山砂、珪砂、寒水
砂、計量骨材などを用いるとよい。特に砂は液垂れを防
止する働きがあって好ましい。
ルシウム、ドロマイトブラスター、粘度なども併用する
と好ましい。その他、粉末エマルジョン、繊維物質など
を配合することは差し支えない。また、初期タック(粘
着力)を特に必要とする場合、水溶性ポリビニルアルコ
ールを併用してもよい。
のような組成に更に水を加えて混練して流動化させ、流
動状態で必要箇所に例えばこて塗りして塗布し、むき出
し状態でしばらくおいて直接硬化させるか、例えば更に
化粧タイルなどをはり付けて時をおいて硬化させる。
しやすい柔らかさにセメントモルタル組成物がなるま
で、徐々に加減しながら加えていって決めればよいが、
通常、セメント100 重量部あたり40重量部〜60重量部が
好ましい。混練に当たっては水も入った全成分を例えば
モルタルミキサーなどを使って混合すればよい。水溶性
高分子物質は粉末のままでセメント中などに添加して混
合しても良いが、水の影響で部分的に粒状に固まって不
均一化するような場合には防止剤としてグリオキザール
などを追加してもよい。
のような構成でできていることから、従来のセメントモ
ルタル組成物が持っていた優れた接着性、強度、作業性
をそのまま有しており、その上で、施工時に表面の液垂
れもなく、タイルなどをはりつけてもセメントが生乾き
の状態でずり落ちることもほとんどない。その結果、施
工作業がしやすく仕上がり感も良い。施工中あるいは施
工後に液垂れを生じることがないから厚塗りすることも
容易である。
と水溶性多糖類と粉末エマルジョンとについて以下の物
質を用いた。
ロキシプロピルメチルセルロース(商品名;メトロー
ズ、信越化学工業株式会社製、以下、「MC」と略す) (2) 水溶性多糖類: (a)ウエランガム(メルク社ケルコ事業部製、以下、
「WG」と略す) (b)ラムサンガム(メルク社ケルコ事業部製、以下、
「RG」と略す) (3) 粉末エマルジョン:エチレン−酢酸ビニル共重
合体の粉末エマルジョン 実施例1、2 第1表に示す配合比で水も加えた流動状態のセメントモ
ルタル組成物を調製し、垂直に立てた下地材に5mm厚に
セメントモルタルを塗布した。次いで、得られた塗布面
が硬化する前に2丁掛けタイルをはり、はり付けたタイ
ルが垂れ落ちた距離を測定した。更に、材令28日目でタ
イルの接着強度を測定した。
組成物が最も塗りやすい軟らかさになるよう加減しなが
ら決めた。
ルタル組成物を調製し、垂直に立てたコンクリート平板
に液垂れが生じるまで厚塗りし、液垂れが生じ始める厚
みを測定した。
クラックの発生を調べた。
例1、2と同様の考えで決めた。
多糖類を添加しないとセメントモルタル組成物は液垂れ
しやすくなり、水溶性多糖類を添加すると従来のセメン
トモルタル組成物が有している優れた諸性質を失うこと
なく液垂れも防ぎ、また、はり付けたタイルのずり落ち
も防止できることが分かった。ただし、水溶性多糖類の
添加量が多すぎると接着強度が低くなり、クラックが発
生しやすくなるなどの悪影響があることも分かった。
Claims (2)
- 【請求項1】 セメント100 重量部に対し、水溶性セル
ロースエーテル0.02重量部〜3重量部と、ウエランガム
およびラムサンガムのうちの少なくともいずれか一方の
水溶性多糖類0.001 重量部〜1重量部とを添加してある
ことを特徴とするセメントモルタル組成物。 - 【請求項2】 水溶性セルロースエーテルが、アルキル
セルロースとヒドロキシアルキルセルロースとヒドロキ
シアルキルアルキルセルロースとでなる群の中から選ば
れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に
記載のセメントモルタル組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3140401A JPH07121824B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | セメントモルタル組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3140401A JPH07121824B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | セメントモルタル組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04367549A JPH04367549A (ja) | 1992-12-18 |
JPH07121824B2 true JPH07121824B2 (ja) | 1995-12-25 |
Family
ID=15267923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3140401A Expired - Lifetime JPH07121824B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | セメントモルタル組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07121824B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3507201B2 (ja) * | 1995-07-13 | 2004-03-15 | 太平洋セメント株式会社 | セメント組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6172663A (ja) * | 1984-09-13 | 1986-04-14 | 信越化学工業株式会社 | だれ抵抗性セメントモルタル組成物 |
JPH03285857A (ja) * | 1989-07-19 | 1991-12-17 | Takeda Chem Ind Ltd | 水硬性組成物及び水硬性無機粉体成形物 |
-
1991
- 1991-06-12 JP JP3140401A patent/JPH07121824B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04367549A (ja) | 1992-12-18 |
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