JP3499094B2 - 非開削工法用流動性組成物 - Google Patents

非開削工法用流動性組成物

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JP3499094B2
JP3499094B2 JP21559896A JP21559896A JP3499094B2 JP 3499094 B2 JP3499094 B2 JP 3499094B2 JP 21559896 A JP21559896 A JP 21559896A JP 21559896 A JP21559896 A JP 21559896A JP 3499094 B2 JP3499094 B2 JP 3499094B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールド工法又は
推進工法といった非開削工法に、加泥材、滑材又は裏込
め材等として使用される高溶解性を備えた非開削工法用
流動性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】地中にパイプなどを埋設する方法として
は、直接地面を開削し、パイプ等を埋め、土を埋め戻す
開削工法と、シールド工法又は推進工法といった非開削
工法の二種類がある。近年、道路事情等の点で開削工法
の施工が困難となり、また、一般に、開削工法のほうが
工期短縮になることから、非開削工法が広く用いられて
いる。シールド工法又は推進工法といった非開削工法で
は、掘削時の切羽の安定化、掘削土砂の排出等のために
加泥材が用いられる。加泥材には、ベントナイト等の粘
土、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤
が使用される。しかし、増粘剤として、ベントナイト、
CMC等を用いた場合、これらは、セメント等の水硬性
物質が配合された系では凝集し、その効果は著しく低減
する。したがって、このようなセメント等が配合された
系では、従来の加泥材を用いることは不適当とされてい
た。
【0003】また、地山との間に生じる摩擦を低減する
ために滑材が用いられる。滑材としては潤滑性が必要で
あり、パイプ挿入の際、滑材との摩擦力が少ないほど、
単位時間あたりの推進距離が長くとれ、工期短縮につな
がりコスト低減となる。特開平6−180094号公報
には高吸水性樹脂と増粘剤の組み合わせが、特公平7−
37631号公報にはベントナイト、高吸水性樹脂とメ
チルセルロースの組み合わせが紹介されている。また、
水溶性高分子と硼素化合物の組み合わせも特公平7−5
1880号公報に開示されているが、これらの滑材は、
要求される特性を満足するものにはなっていない。
【0004】また、非開削工法では、地山との間に生じ
る空隙に裏込め材を注入する必要がある。一般に、裏込
め材は、当初、流動性を有し、最終的には固化する必要
があり、硬化発現材として、セメント、高炉スラグ・石
灰系等が使用され、これに水ガラス等のゲル化剤、骨
剤、ベントナイト等の粘土鉱物等が混合されている。ま
た、場合によっては起泡剤、凝結遅延剤、シリカゾル、
水溶性セルロースエーテル等の増粘剤等が添加される。
しかし、前記したように、ベントナイトを用いた場合、
これは、セメント等が配合された系では凝集し、その効
果は著しく低減する。加泥材と同様、裏込め材も、セメ
ント等が配合された系では、従来使用することが適当で
はなかった。さらに、加泥材、滑材又は裏込め材等の非
開削工法用流動性組成物は、いずれも比較的細い管を用
いて所定の場所に供給されるので、高い充填性が要求さ
れる。このため、一般的に流動性が良くなるように配合
されているが、工事箇所に湧水がある場合では水との接
触により、このような流動性のゆえに、流出することが
ある。これを防止するために、増粘剤として、ベントナ
イト、CMC等が用いられるが、これらは、前記したよ
うにセメント等が配合された系では凝集し、その効果は
著しく低減する。さらに、砂礫層の場合にはある程度の
チキソトロピー性を必要とするが、満足できるチキソト
ロピー性を備えたものは従来なかった。したがって、こ
れらのような特性についても、従来の非開削工法用流動
性組成物は、満足できる特性を備えていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、湧水箇
所、砂礫層でも充分な効果を発揮することのできる加泥
材、滑材又は裏込め材等の非開削工法用流動性組成物
は、従来なく、その実現が強く待たれていた。したがっ
て、本発明の目的は、湧水箇所、砂礫層でも充分な効果
を発揮することのできる、加泥材、滑材又は裏込め材等
の非開削工法用流動性組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載された発明は、非開削工法用流動性
組成物であって、水硬性物質と、非イオン性水溶性セル
ロースエーテルと、75μm 以下の粒径の割合を50%
以下に調整した水溶性アクリル誘導体とを含むことを特
徴とする。
【0007】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載の非開削工法用流動性組成物において、非イオン性
水溶性セルロースエーテルと、水溶性アクリル誘導体か
らなる化合物との割合が99:1から20:80である
ことを特徴とする。請求項3に記載された発明は、請求
項1に記載の非開削工法用流動性組成物において、上記
非イオン性水溶性セルロースエーテルが、75μm 以下
の粒径の割合を50%以下に調整したものであることを
特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】非イオン性水溶性セルロースエー
テルは、水に溶解すると増粘し、セメント系でもこの性
質は変わらないため、水中不分離性コンクリートなどの
分離防止剤として使用され、水中打設の際のセメント等
の分離を防止するのに使用されている。また、潤滑性も
有するため、滑材としても使用が可能である。しかしな
がら、湧水箇所、砂礫層で問題なく打設するためには高
いチキソトロピー性が必要である。水溶性セルロースエ
ーテル単独では若干のチキソトロピー性を示すにすぎな
い。一方、ポリアクリルアミド等の水溶性アクリル誘導
体は水に溶解すると増粘するがセメント系では凝集傾向
を示す。これを単独でセメント系に使用するとその凝集
性のために流動性に劣り、充填性に劣る材料となってし
まう。
【0009】本発明では、非イオン性水溶性セルロース
エーテルと、粒径75μm 以下を50%以下の範囲に調
整した水溶性アクリル誘導体とを併用することにより、
その溶解速度をコントロールし、混練物中の未溶解物を
著しく低減させ、また、完全に溶解させることにより、
流動性を保ちつつ、高い水中分離防止効果を有し、高い
チキソトロピー性を発揮することができることを見い出
した。すなわち、本発明にかかる非開削工法用流動性組
成物組成物は、剪断力をかけると流動しやすくなり、流
動性のある組成物をしばらくの間静止させると高い粘性
を呈するようになる。流動性、水中分離防止および、チ
キソトロピー性を兼ね備えた組成物は、前述の特開平6
−180094号公報、特公平7−37631号公報、
特公平7−51880号公報では得られない特性であ
る。上記2つの水溶性物質である非イオン性水溶性セル
ロースエーテルと、粒径75μm 以下を50%以下の範
囲に調整した水溶性アクリル誘導体とを、ある特定の割
合で併用すると、流動性を保ちつつ、高い水中分離防止
効果を有し、高いチキソトロピー性を発揮することがで
きる。
【0010】本発明で用いることができる水硬性の物質
としてはセメントが一般的である。使用することができ
るセメントとしては、例えばポルトランドセメント(普
通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、
中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメン
ト、超早強ポルトランドセメント)を挙げることができ
る。この他にも、混合セメント(高炉セメント、シリカ
セメント、フライアッシュセメント)、特殊セメント
(アルミナセメント、膨張セメント)等が挙げられ、こ
れから選ばれる1種または2種以上の混合物を使用する
こともできる。
【0011】上記のようなセメントとともに用いる非イ
オン性水溶性セルロースエーテルとしては、例えば、メ
チルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)等
のアルキルセルロースを挙げることができる。この他に
も、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキ
シプロピルセルロース(HPC)等のヒドロキシアルキ
ルセルロースを挙げることができ、またヒドロキシエチ
ルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチ
ルセルロース(HEEC)等のヒドロキシアルキルアル
キルセルロースを挙げることもできる。特に、ヒドロキ
シアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセ
ルロースが好ましい。これらのものは、セメント系での
粘度発現性に優れ、このためセメントモルタルでの保水
性に優れているからである。これらは、1種または2種
以上の混合物として使用することができる。また、その
粘度は特に限定されないが、1%粘度が10〜5000
0mPa・sであることが好ましい。粘度が10mPa
・s未満では、必要なレオロジー特性が得られない。ま
た粘度が50000mPa・sを超えると経済的に工業
的生産が困難である。このような水溶性セルロースエー
テルの使用量は、流動性、材料分離防止の程度、用途、
チキソトロピー性お要求度等によっても異なるが、通常
水量に対して0.01重量%〜30重量%、好ましくは
0.05%〜15重量%が好ましい。すなわち、水10
0重量部に対して0.01重量部〜30重量部、好まし
くは0.05重量部〜15重量部が好ましい。
【0012】これら、非イオン性水溶性セルロースエー
テルには空気連行性があり、空気量のコントロールが必
要な場合には、コンクリートやモルタルに使用されてい
る消泡剤である、トリブチルフォスフェート(C1227
4 P)、プルロニック系消泡剤[プルロニックL61
(旭電化工業製)等]、シリコーン系消泡剤[KM73
(信越化学工業製)等]、アセチレングリコール誘導体
[サーフィノール(日信化学工業製)等]等が使用でき
る。
【0013】本発明では、上記のようなセメント等の水
硬性物質や水溶性セルロースエーテルとともに、セメン
トに対して凝集性のある水溶性アクリル誘導体を添加す
る。水溶性アクリル誘導体としては、ノニオン系、アニ
オン系、カチオン系のいずれもが使用可能であり、ポリ
アクリルアミド、ポリアクリルアミドとアクリル酸ソー
ダの共重合物、ポリアクリルアミドの部分加水分解物、
スルホン基を導入したスルホン化ポリアクリルアミド等
が挙げられる。水溶性アクリル誘導体は、粒径が75μ
m 以下のものが50%を超えると、溶解速度が非常に早
いため、流動性組成物を混練する際にママコが発生し、
混練物中に未溶解物が存在するようになり、その性能発
揮が不充分となる。したがって、粒径が75μm 以下の
ものが50%以下であることが好ましい。また、水溶性
アクリル誘導体の使用量は、必要なチキソトロピー性に
もよるが、通常、水量に対して0.001〜30重量
%、好ましくは、0.01〜15重量%が好ましい。す
なわち、水100重量部に対して0.001〜30重量
部、好ましくは、0.01〜15重量部が好ましい。
【0014】水溶性セルロースエーテルの使用割合を過
度に多くすると、流動性は問題ないが、チキソトロピー
性が低下するといった欠点がある。一方、水溶性アクリ
ル誘導体の使用割合を過度に多くすると、チキソトロピ
ー性には問題ないが、流動性に劣り、結果として施工時
に加えなければならない水分の量が多くなり、強度低
下、材料分離等の問題を引き起こすおそれがあり、好ま
しくない。そこで、本発明では非イオン性水溶性セルロ
ースエーテルと、水溶性アクリル誘導体の割合が重量比
で、(非イオン水溶性セルロースエーテル):(後者の
化合物)=99:1〜20:80となるようにする。非
イオン性水溶性セルロースエーテルがこの範囲を超える
と、必要なチキソトロピー性が得られないといった欠点
がある。また、水溶性アクリル誘導体の割合がこの範囲
を超えると、凝集性が強くなりすぎ、流動性に劣るとい
った欠点がある。また、非イオン性水溶性セルロースエ
ーテルの粒径を、75μm 以下のものを50%以下に調
整することにより、さらなる性能向上が認められる。
【0015】本発明においては、水溶性アクリル誘導体
と、非イオン性水溶性セルロースエーテルの粒度を規定
するものであるが、その測定方法は次のとおりである。
まず、試料100gを採取し、これをJIS Z 88
01に定めてある標準篩を網目の細かい順に重ねた篩の
上段にいれ、受器上段に蓋をして、下段に関西金網社製
429型ロータップ式振盪器にセットした後、振盪数2
00回/分、打数156回/分、振盪幅500mmの条
件で30分振盪する。篩上の残留物を刷毛を用いて掃き
集め、0.1gまではかり、次式により計算された各標
準篩網目上の%を粒度の尺度とする。 式:篩上(%)=篩上の残留物(g)/試料<100>
g×100 本発明は、目開き75μm の標準篩の篩上重量%を求
め、粒度を規定した。
【0016】本発明の流動性組成物は、この他にも骨材
として川砂、山砂、珪砂、また滑材として高吸水性ポリ
マー、ベントナイト等を用いてもよい。また一般にコン
クリートやモルタル等に使用されている減水剤(高性能
減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤等)も必要に応
じて使用することができる。この減水剤としては、高縮
合トリアジン系化合物、メラミンスルホン酸塩のホルマ
リン縮合物、ポリカルボン酸塩系誘導体、変成リグニン
スルホン酸塩系化合物、アミノスルホン酸系高分子化合
物、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、イソ
プレン系化合物等が挙げられる。非イオン性水溶性セル
ロースエーテルを用いた場合には、これらのうちでは、
高縮合トリアジン系化合物[NL−4000、UC−1
50(ポゾリス物産製)等]、メラミンスルホン酸塩の
ホルマリン縮合物[SMF(日産化学工業製)等]、ポ
リカルボン酸塩系誘導体[SP−8S、SP−8N、S
P−8HS(ポゾリス物産製)等]イソプレン系化合物
[ダイナフロー(日本合成ゴム製)等]が好ましい。凝
結遅延剤、凝結促進剤等の硬化調整剤もその要求に応じ
て使用することができる。さらに、起泡剤を用いエアー
モルタルとしても使用できる。
【0017】本発明の非開削工法用流動性組成物は、前
記のような組成にさらに水を加えて混練し、流動化さ
せ、流動状態で必要箇所に打設される。流動化にあたっ
て、添加する水の量は、打設しやすい軟らかさに水硬性
組成物がなるまで、徐々に加減しながら加えていって決
めればよいが、通常、水硬性物質100重量部あたり5
0重量部〜500重量部が好ましい。混練にあたって
は、水も入った全成分を、例えば、グラウトミキサー等
を使用して混練すればよい。水溶性高分子物質は、粉末
のままでセメント中等に添加して混合してもよいが、水
の影響で部分的に粒状に固まって不均一化するような場
合には防止剤として、グリオキザール等を添加してもよ
い。
【0018】本発明にかかる非開削工法用流動性組成物
は、滑材、加泥材、又は裏込材等として使用することが
できる。滑材として使用する場合、高吸水性樹脂等を配
合しても良く、加泥材として水硬性物質を用いない場合
は、ベントナイト等の粘度鉱物を配合するのが好まし
い。また、裏込材として使用する場合、必要によって
は、パルプ等の繊維質を配合しても良く、エアーを混入
して、エアーグラウト等とすることも可能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 1.チキソトロピー性、流動性および水中不分離性の評
価 チキソトロピー性、流動性および水中不分離性の評価を
以下の物質を用い、以下の試験方法により行なった。 (1)非イオン性水溶性セルロースエーテル:ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、粘度6300mPa・s
[1%濃度](商品名:メトローズ、信越化学工業製、
以下「HPMC」と略す。) 粒径の範囲 HPMC−A:75μm 以下が23.9% HPMC−B:75μm 以下が62.5% (2)水溶性アクリル誘導体 アニオン性ポリアクリルアミド(ハイモ製、以下「PA
Am」と略す。) 粒径の範囲 PAAm−A:75μm 以下が10.5% PAAm−B:75μm 以下が64.1%
【0020】(3)セメント: 普通ポルトランドセメント(日本セメント製) (4)高炉スラグ: セラメント(第一セメント製) (5)配合 セメント 10重量部(実施例1−4 及び比較例1−6 で同じ) 高炉スラグ 90重量部(実施例1−4 及び比較例1−6 で同じ) 増粘剤 変量(実施例1−4 及び比較例1−6 で同じ) 水 変量 (6)練り混ぜ 上記の配合(7)に指定された物質をJIS R 520
1に準拠したモルタルミキサーを用い、粉体のみでの空
練り1分、注水後3分間練り混ぜ、所定の流動性組成物
を得た。なお、水量は、JIS R 5201に規定され
たフロー試験で、落下運動を与えず(0打フロー)の値
で150±10mmとなる量とした。
【0021】(7)測定 ・フロー試験 JIS R 5201のフロー試験で落下運動を与えず
(0打フロー)の拡がりをその直角方向の直径で測定
し、平均した値を求めた。 ・粘度特性 外筒回転型粘度計、DPV−1型粘度計(協和科学製)
で、10rpmと100rpmの見掛け粘度を測定し、
その比(見掛け粘度(10rpm)/見掛け粘度(10
0rpm))をチキソトロピー性指数として求めた。
(チキソトロピー性指数の大きなものの方がチキソトロ
ピー性が大きい。) ・練り上がり温度 棒状アルコール温度計にて測定した。 ・水中分離度 土木学会、水中不分離性コンクリート設計施工指針
(案)、土木学会規準、コンクリート用水中不分離性混
和剤規格(案)の水中分離度測定(附属書2)に準じ
た。800ミリリットルの水中に試料300gを投入
し、その上澄み液の懸濁物質量をJIS K 0102に
準じて測定した。 ・未溶解物重量 試料を所定の混練時間混練した後、直ちに、目開き1.
7mmの篩を通過させ、その篩上の重量を測定し、未溶
解物の重量/混練物全体の重量%を求めた。
【0022】
【表1】
【表2】
【0023】表1は本発明にかかる実施例に相当する場
合の結果を示す。実施例1〜4は非イオン性水溶性セル
ロースエーテルとその他の水溶性高分子の割合がそれぞ
れ75:25、50:50、20:80、99:1で、
非イオン性水溶性セルロースエーテルと水溶性アクリル
誘導体の粒径が本発明の範囲内のものを使用した場合で
ある。いずれの場合も、本発明の割合で非イオン性水溶
性セルロースエーテルと水溶性アクリル誘導体を併用し
ているため、混練物中の未溶解物の量が少なく、優れた
チキソトロピー性、水中分離防止効果を示す。
【0024】表2は比較例の結果を示す。比較例1、2
は、非イオン性水溶性セルロースエーテルとその他の水
溶性高分子の割合は本発明の範囲内であるが、粒径を本
発明の範囲外とした場合であり、水溶性アクリル誘導体
も粒径が本発明より細かい部分があると混練物中の未溶
解物が多くなり、必要なチキソトロピー性が得られない
ばかりでなく、混練物中で有効に働く水溶性高分子が少
なくなるため、懸濁物質量が非常に多くなり、水中分離
抵抗性に劣ることがわかる。比較例3、4は、水溶性ア
クリル誘導体は、本発明の範囲内とし、非イオン性水溶
性セルロースエーテルとその他の水溶性高分子の割合を
本発明の割合以外で両物質を用いた場合(各々、15:
85、99.5:0.5)とした場合であり、未溶解物
は存在しないものの、チキソトロピー性に劣る。比較例
5、6は、非イオン性水溶性セルロースエーテルの粒径
を本発明の範囲外とした場合で、水溶性アクリル誘導体
の粒径が本発明の範囲外の時ほど顕著ではないが、未溶
解物が存在する。
【0025】2.裏込め材 下記の配合の裏込め材を用いて現場にてその効果を確認
した。 配合 普通ポルトランドセメント 200kg/m3 (日本セメント製) フライアッシュ 100kg/m3 (日本セメント製) 細骨材 270kg/m3 (信濃川産川砂) HPMC−A 3kg/m3 PAAm−A 1kg/m3 上記配合の裏込め材を用いた結果、ポンプ圧送性、摩擦
力低減効果も優れ、充填性にも問題はなかった。
【0026】
【発明の効果】上記したところから明かなように、本発
明によれば、非開削工法用流動性組成物が、上記のよう
な構成でできていることから、シールド工法や推進工法
で従来使用されていた加泥材、滑材、裏込め材が持って
いた各種特性をそのまま有しており、水溶性アクリル誘
導体と非イオン性水溶性セルロースエーテルの粒径を調
整することによって、混練時の溶解速度をコントロール
することができるため、流動性に優れ、湧水等で分離が
なく、施工時に必要なチキソトロピー性をさらに高性能
化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 17/48 C09K 17/48 P E21D 11/00 E21D 11/00 A // C09K 103:00 C09K 103:00 (72)発明者 森谷 二郎 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地 の1 信越化学工業株式会社 合成技術 研究所内 (56)参考文献 特開 平6−294118(JP,A) 特開 平6−192650(JP,A) 特開 平5−59886(JP,A) 特開 平6−298559(JP,A) 特開 平7−232949(JP,A) 特開 平4−185691(JP,A) 特開 昭63−265991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 17/44 C09K 17/48 B01F 17/52 B01F 17/56 E21D 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硬性物質と、非イオン性水溶性セルロ
    ースエーテルと、75μm 以下の粒径の割合を50%以
    下に調整した水溶性アクリル誘導体とを含むことを特徴
    とする非開削工法用流動性組成物。
  2. 【請求項2】 非イオン性水溶性セルロースエーテル
    と、水溶性アクリル誘導体からなる化合物との割合が9
    9:1から20:80であることを特徴とする請求項1
    に記載の非開削工法用流動性組成物。
  3. 【請求項3】 上記非イオン性水溶性セルロースエーテ
    ルが、75μm 以下の粒径の割合を50%以下に調整し
    たものであることを特徴とする請求項1に記載の非開削
    工法用流動性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102004013158A1 (de) * 2004-03-17 2005-10-06 Construction Research & Technology Gmbh Polymere Zusammensetzung und deren Verwendung als Zusatzmittel in wässrigen Baustoffsystemen sowie in wasserbasierenden Anstrich- und Beschichtungssystemen

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