JP2558577B2 - コンクリートの耐凍害性を改善する方法 - Google Patents

コンクリートの耐凍害性を改善する方法

Info

Publication number
JP2558577B2
JP2558577B2 JP4148643A JP14864392A JP2558577B2 JP 2558577 B2 JP2558577 B2 JP 2558577B2 JP 4148643 A JP4148643 A JP 4148643A JP 14864392 A JP14864392 A JP 14864392A JP 2558577 B2 JP2558577 B2 JP 2558577B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
water
fluidity
agent
cement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4148643A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05319885A (ja
Inventor
正義 柿崎
保彦 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP4148643A priority Critical patent/JP2558577B2/ja
Publication of JPH05319885A publication Critical patent/JPH05319885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2558577B2 publication Critical patent/JP2558577B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/0068Ingredients with a function or property not provided for elsewhere in C04B2103/00
    • C04B2103/0082Segregation-preventing agents; Sedimentation-preventing agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/30Water reducers, plasticisers, air-entrainers, flow improvers
    • C04B2103/304Air-entrainers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/40Surface-active agents, dispersants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/76Use at unusual temperatures, e.g. sub-zero

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,分離低減材として水溶
性セルロースエーテルを用いたコンクリートの耐凍害性
を改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分離低減材を用いたコンクリートが各種
の分野で適用されている。分離低減材としてはセルロー
ス系のものとアクリル系のものが良く知られており,い
ずれも水溶性の高分子である。
【0003】かような分離低減材を用いたコンクリート
の一つに,特開平3-237049号公報に提案されたような高
い流動性を示すコンクリートがある。これは,普通ポル
トランドセメント, 高炉スラグ, フライアッシュ, およ
び膨張材からなる結合材に,分離低減材と高性能(A
E)減水剤を適量配合することによって, 材料分離を起
こすことなく,高い流動性を示すようにしたものであ
る。
【0004】この系統のコンクリートは,バイブレータ
ーなどの振動締固めが不要なほど流動性および充填性が
優れるという特徴があり,作業性の向上と建築物の高品
質化に寄与するものと期待され,その開発研究が盛んに
進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コンクリートの耐凍害
性を確保するためには,コンクリートの空気量が4〜6
%である事が望ましいが,セルロース系の分離低減材を
用いた高流動性コンクリートでは,一般に径が大きく脆
弱な気泡を大量に抱き込み易くなる。練上げ直後の見掛
けの空気量は6〜9%と大きいが時間の経過とともに急
激に失われ,また残った気泡も径が大きいため,耐凍害
性にあまり寄与しない。
【0006】そのため,これまでは練まぜ前に消泡剤を
入れ,また通常の空気を連行するために既往のAE剤を
添加していた。しかし,温度および他の材料との相性を
考慮しながら消泡剤,AE剤の添加量を調節することは
非常に困難であった。
【0007】本発明は,かような問題を解決し,分離低
減材として水溶性セルロースエーテルを用いた場合のコ
ンクリートの耐凍害性の改善を目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明者は,分離低減
材として水溶性セルロースエーテルを用いたコンクリー
トの耐凍害性が,変成ロジン酸化合物系の界面活性剤
(本願細書では,これをロジン酸化合物と略称する)か
らなるAE剤を添加することによって改善できることを
見出した。とくに,分離低減材として水溶性セルロース
エーテルを配合したうえ,高性能減水剤を配合した高流
動性・高充填性コンクリートにおいて,ロジン酸化合物
の添加は空気量3〜6%に保持した状態で優れた耐凍害
性を示すことがわかった。このような高流動性コンクリ
ートに対するロジン酸化合物からなるAE剤の好ましい
添加量はセメント結合材に対して0.0001〜0.0
5重量%の範囲である。したがって,本発明によれば,
分離低減材として水溶性セルロースエーテルをセメント
結合材に対して0.01〜0.6重量%配合し且つ高性
能減水剤をセメント結合材に対して0.5〜6.0重量
%配合してなるスランプフロー値が61cm以上の高流
動性・高充填性コンクリートにおいて,変成ロジン酸化
合物系の界面活性剤からなるAE剤をセメント結合材に
対して0.0001〜0.05重量%配合し,空気量を
3〜6%に調整することを特徴とする未だ固まらない該
コンクリートの耐凍害性を改善する方法を提供する
【0009】
【作用】コンクリート混和剤の1種であるAE剤には,
多くのものが知られているが,分離低減材として水溶性
セルロースエーテルを用いたコンクリート,特に高性能
減水剤を併用した流動性コンクリートにおいて,数ある
AE剤のうち,ロジン酸化合物系のAE剤は該コンクリ
ートの耐凍害性を著しく向上させるという作用を供す
る。
【0010】同じAE剤でも,天然樹脂酸系や界面活性
剤系のものは,コンクリート中の空気量を3〜6%とな
るように添加した場合に,コンクリートの耐凍害性を若
干向上させる傾向は見られるものの,ロジン酸化合物系
のAE剤のような著しい向上作用は示さない。
【0011】本発明が対象とするコンクリートは,分離
低減材として水溶性セルロースエーテルを用いたコンク
リートであるが,特に,この分離低減材と高性能減水剤
を配合することによって高流動性・高充填性を示すコン
クリートの耐凍害性の改善に有益である。
【0012】このような高流動性・高充填性を示すコン
クリート組成物は,後記の実施例に示したように,コン
クリート1m3当たり普通ポルトランドセメント 290〜4
50kgおよび水 180±5kgを含有し,水溶性セルロースエ
ーテルをセメント結合材に対して0.01〜0.6重量%,高
性能減水剤をセメント結合材に対して0.5〜6.0 重量
%,ロジン酸化合物からなるAE剤をセメント結合材に
対して0.0001〜0.05重量%配合したものである。また,
この組成物に対して,AE減水剤または減水剤をセメン
ト結合材に対して0.1〜2.0 重量%配合することがで
き,さらに,フライアッシュをセメントに対する重量割
合で15〜60%配合することもできる。
【0013】このコンクリートは,練り混ぜ直後におい
て,スランプ値:26.5cm以上, スランプフロー値:61cm
以上の高流動性・高充填性を示し,スランプ値およびス
ランプフロー値の経時変化も少なく,空気量の経時変化
も少ない。そして,ロジン酸化合物系のAE剤を配合し
たことにより,JIS A 6204に基づく凍結融解試験におい
て,2週間標準水中養生した後の凍結融解サイクル30
0回での相対動弾性係数(耐久性指数)が80%以上を
保持する。
【0014】以下に,この高流動性・高充填性コンクリ
ート組成物についての各配合材料の作用を個別に説明す
る。 a)分離低減材について 分離低減材としての水溶性セルロースエーテルは,スラ
ンプ値が26〜28cmおよびスランプ試験におけるコンクリ
ートの拡がりが500〜800mmと大きくなっても,コンクリ
ートを分離させない作用と充填性を向上させる作用を供
する。これらの作用は,本発明コンクリートでは,水溶
性セルロースエーテルをセメント結合材に対して0.01〜
0.6重量%の範囲(コンクリート1m3当たりでは 0.1〜
0.7 kg)で配合することによって供される。
【0015】使用する水溶性セルロースエーテルは,そ
の粘度が, B型回転粘度計を用いて測定した1%水溶液
粘度で100〜10,000cPの範囲,好ましくは500〜5,000cP
のものである。粘度100cP以下のものでは骨材沈降抑制
に必要な粘度が得られず本発明の効果を十分に発揮する
ことができない。このような低粘度のものでも添加量を
多くすれば骨材沈降抑制に必要な粘度が得られるが, 添
加量が多くなると耐凍害性が低下するようになる。した
がって,耐凍害性の改善の面からも,1%水溶液粘度で
100〜10,000cPの範囲,好ましくは500〜5,000cPのもの
を,セメント結合材に対して0.01〜0.6重量%の範囲で
使用するのがよい。
【0016】b)高性能減水剤について 高性能減水剤は,スランプやコンクリートの拡がりを大
きくすることによる単位水量の増加分を少なくすること
ができ,このために,高性能減水剤を適量添加して,所
要のコンシステンシーやワーカビリチーを確保する。ま
た高性能減水剤の添加によって単位水量の増加を抑える
ことでコンクリートの乾燥収縮量の低減や耐久性向上効
果を奏する。このような効果は,例えば高縮合トリアジ
ン系化合物を使用する場合,セメント結合材に対して0.
5〜6.0 重量%配合することによって得られる。
【0017】高性能減水剤としては高縮合トリアジン系
化合物,メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物,ポ
リカルボン酸塩系誘導体,変性リグニンスルホン酸塩系
などが使用可能であるが,本発明のコンクリート組成物
において特に好ましいものは高縮合トリアジン系化合物
とメラミンスルホン酸塩系化合物である。
【0018】c)AE減水剤または減水剤について AE減水剤もしくは減水剤は,コンクリートのコンシス
テンシーを向上させる作用があるが,本発明では,水溶
性セルロースエーテルおよび高性能減水剤と組合わせる
ことによって,フレッシュコンクリートの高流動性を長
時間保たせる効果と空気量を安定化する効果が奏せられ
る。本発明で使用するAE減水剤として特に好ましいの
はリグニンスルフォン酸化合物系やリグニンフルフォン
酸ポリオール複合物系であり,セメント結合材に対して
0.1〜2.0 重量%配合することによって該効果が奏され
る。
【0019】d)AE剤について コンクリート中の空気量が3〜6%の目標となるように
AE剤を添加する。水溶性セルロースエーテルを用いた
該コンクリート組成物の凍結融解抵抗性は,ロジン酸化
合物系のAE剤によって著しく向上させることができ,
この点が本発明の特徴である。この場合,ロジン酸化合
物系のAE剤をセメント結合材に対して0.0001〜0.05重
量%配合する。AE剤としては通常のコンクリートに使
用されている天然樹脂酸系,アルキルベンゼンスルホン
酸系なども使用可能であるが,耐凍害性についてはロジ
ン酸化合物系のような顕著な効果は示さない。
【0020】e)フライアッシュについて フライアッシュは,アルカリ骨材反応の抑制,コンクリ
ートのコンシンテンシーの向上,乾燥収縮量の低減,耐
久性を向上させる作用がある。この作用を得るには,単
位セメント量に対してフライアッシュ量を15〜60%添加
すればよい。
【0021】以下に本発明者が行った代表的な試験結果
を実施例として挙げる。
【0022】
【実施例】
(1)試験に用いた材料 セメント(OPC) :普通ポルトランドセメント, 比重3.16 粗骨材 (G) :砕石 (最大寸法20mm 伊豆産) 細骨材 (S) :陸砂 (鹿島産) (S1と呼ぶ) :砕砂 (栃木産) (S2と呼ぶ) 混和材 :フライアッシュ (FA) , 比重2.24
【0023】混和剤の種類 分離低減材 :水溶性セルロースエーテル (WSPと
呼ぶ) 信越化学工業社製 高性能減水剤 :高縮合トリアジン系化合物 日曹マス
タービルダース社製 (AE)減水剤 :リグニンスルフォン酸化合物 (ポリオ
ール複合物も含む) ,日曹マスタービルダース社製 AE剤 :ロジン酸化合物 (A剤と呼ぶ) 日曹マ
スタービルダース社製 :アルキルアリルスルホン酸化合物系陰イオン界面活性
剤 (B剤と呼ぶ) 日曹マスタービルダース社製
【0024】(2)コンクリートの調合 表1にコンクリートの調合基準を示した。
【0025】(3)コンクリートの練り混ぜ 表1の調合基準に従って, 表示の水セメント比(W/
C)および細骨材率(s/a)のフレッシュコンクリー
トを作った。練り混ぜに当たっては(G+S+C+WS
P)を予め練り混ぜた上で15〜20秒後に (0.9×水+(A
E)減水剤+AE剤) を添加し, さらに15〜20秒後に
(0.1×水+高性能減水剤) を添加して2分間練り混ぜ
た。
【0026】(4)評価試験 得られたフレッシュコンクリートのスランプ試験をJIS
A 1101に従って練り混ぜ直後から60分間間隔で120分ま
で測定し,同時にコンクリートの拡がり (スランプフロ
ー値) も測定して, それらの経時変化を調べた。練り混
ぜ直後の値を表2に経時変化後の値を表3に示した。
【0027】スランプフローの試験は,水中不分離性コ
ンクリート・マニュアル(付録1,水中不分離性コンク
リートの試験,スランプフロー試験)に準じて行った。
すなわちJIS A 1101コンクリートのスランプ試験方法に
従い,図1に示したように試験コンクリート1を装填し
たスランプコーン2を持ち上げたときの5min後の鉄板
3上での拡がり距離を測定した。
【0028】またJIS A 1128により, 練り混ぜ直後から
60分間隔で120分まで空気量を測定し,練り混ぜ直後の
値を表2に,経時変化を表3に示した。さらに,JIS A
1123に従ってブリージング試験を行ない,ブリージング
量を表2示した。。また目視により骨材などの材料分離
の程度を判定し,分離が見られなかったものを○,分離
が認められたものを×印で評価し,表2の骨材沈降の欄
に示した。
【0029】また,コンクリートの充填性を鉄筋透過率
によって評価した。これは図2に示したように,底部に
目開き50mmの鉄筋網4 (鉄筋はD-16) を取り付けた318
mm×318 mm×高さ400 mmの容器5に, 30リットルのコン
クリートを詰め, 鉄筋網4を通過する排出量を測定し,
次式によって鉄筋透過率を求めた。それらの値を表2に
示した。 鉄筋透過率 (%) =(排出量/充填量)×100 充填量=当初の試料重量
【0030】(6)試験結果
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】表2および表3の結果から次のことがわか
る。
【0035】実施例1〜5のいずれのフレッシュコンク
リートもスランプ値:26.5cm以上,スランプフロー値:6
10mm以上を有し, 超流動性を示している。
【0036】そのうち実施例1〜3は単位セメント量を
変化させたものであるが,単位セメントが多い方がスラ
ンプフロー値および鉄筋透過率が高くなり,流動性およ
び充填性に優れる。
【0037】また実施例1〜3および5は,減水剤を添
加しているのに対し,実施例4は減水剤は添加していな
い。その結果,表3に見られるように,実施例4ではス
ランプ値,スランプフロー値および空気量が時間を経る
と低下しているのに対し,実施例1〜3および5では2
時間経過後でも低下の程度が極めて少ないか或いは殆ん
ど変化しない。すなわち減水剤は本発明のコンクリート
組成物においてスランプロスの防止並びに空気量低下防
止の作用を供する。
【0038】実施例5はフライアッシュを使用した例で
あるが,セメント300kg/m3 とフライアッシュ60kg
/m3 の合計360kg/m3 の結合材を用いたものである。
同じ360kg/m3 のセメントを用いた実施例2と対比す
ると明らかなように,フライアッシュの使用によって,
スランプ値,スランプフロー値,空気量,鉄筋透過率は
いずれも向上し,良好な流動性・充填性を示し,コンシ
ステンシーが向上することがわかる。このフライアッシ
ュの作用はセメント300kg/m3 の実施例1と対比する
と一層明らかである。
【0039】比較例1と2は水溶性セルロースエーテル
を添加しない例である。表2の結果から,比較例1のよ
うに一般の流動化コンクリートと同等のスランプフロー
では鉄筋透過率が低く充填性が劣ることがわかる。また
比較例2のように高性能減水剤を多く添加することによ
って,スランプフローを大きくすることは可能である
が,骨材分離が多く実用に適さない。さらに比較例1,
2共にブリージングが多い。
【0040】比較例3は高性能減水剤添加量を低くした
以外は実施例2と同様の配合のものであるが,表2の結
果に見られるように,鉄筋透過率が0%であり,流動
性, 充填性共に劣る。
【0041】(7)耐凍害性の評価試験 表1のコンクリートについて,JIS A 6204に基いて凍結
融解試験を行った。すなわち該コンクリートを2週間標
準水中養生した後に凍結融解試験を開始した。試験は凍
結と融解のサイクルを300サイクル行い,相対動弾性係
数による耐久性指数で評価した。また,材令7日の圧縮
強度と材令28日の圧縮強度も併せて測定した。これら
の結果を表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】表4の結果に見られるように,AE剤とし
てロジン酸化合物(A剤)を用いた実施例1〜5のコン
クリートは耐久性指数が80以上(殆んど90以上)と
高く,耐凍害性に非常に優れている。
【0044】これに対して,比較例4はAE剤としてア
ルキルアリルスルホン酸化合物系陰イオン界面活性剤
(B剤)を用いたものであるが,実施例1〜5のように
ロジン酸化合物(A剤)を用いたものと比較すると,耐
久性指数が低く, 耐凍害性に劣る。また表3の結果に見
られるように,比較例4のものはスランプ値やスランプ
フローは良好であるものの,空気量の経時的な低下が大
きい。他方,比較例5はAE剤を用いない例であるが,
この場合には耐久性指数が極端に低くなり,耐凍害性に
劣る。
【0045】すなわち,比較例4と5は,表1の調合表
に見られるように,分離低減材,高性能減水剤(さらに
は減水剤)の添加量は実施例2と同様であり,表3に見
られるように, 練り混ぜ直後のスランプ値やスランププ
ロー値も十分な値を示している。だが,このような高流
動性コンクリートであっても,凍結融解抵抗が低く耐久
性が劣るという問題がある。この問題は実施例1〜5の
ものではほぼ完全に解決されている。
【0046】このように,AE剤としてロジン酸化合物
(A剤)を用いたコンクリートは耐凍害性が著しく向上
し,また,該コンクリートは例えば比較例1のような一
般的な流動化コンクリートと比較して,スランプフロー
値,鉄筋透過率共に高い数値を示し,骨材などの材料沈
降も見られず,ブリージングも極めて低い良好な高充填
性コンクリートであることがわかる。
【0047】このため,寒冷地帯や温度差が大きな環境
下での打設においても耐久性が劣化するようなことはな
く,また充填性よく打設できるものである。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によればコ
ンクリートの耐凍害性を著しく高めることができ,特に
分離低減材として水溶性セルロースエーテルを用いたコ
ンクリートにおいてその効果が優れる。このため,水溶
性セルロースエーテルと高性能減水剤を用いた高流動性
・高充填性コンクリートの現場打ち施工での耐凍害性が
改善され,このコンクリートの冬期施工或いは寒冷地で
の施工において,充填性よく耐久性のよい高品質コンク
リート構造物を作ることができるので,この分野に多大
の貢献ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スランプフロー値を求める試験方法を示した略
断面図である。
【図2】充填性の評価のための鉄筋透過率を求める試験
具を示す透視斜視図である。
【符号の説明】
1 未だ固まらないコンクリート 2 スランプコーン 3 鉄板 4 鉄筋網 5 コンクリート装填容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24:30 24:18 24:34) 103:44 103:60 111:76

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離低減材として水溶性セルロースエー
    テルをセメント結合材に対して0.01〜0.6重量%
    配合し且つ高性能減水剤をセメント結合材に対して0.
    5〜6.0重量%配合してなるスランプフロー値が61
    cm以上の高流動性・高充填性コンクリートにおいて
    変成ロジン酸化合物系の界面活性剤からなるAE剤を
    メント結合材に対して0.0001〜0.05重量%配
    合し,空気量を3〜6%に調整することを特徴とする
    だ固まらない該コンクリートの耐凍害性を改善する方
    法。
  2. 【請求項2】 高流動性・高充填性コンクリートは,コ
    ンクリート1m 当たり普通ポルトランドセメント29
    0〜450kg,水180±5kgを含有する請求項1
    に記載の方法
  3. 【請求項3】 高流動性・高充填性コンクリートは,フ
    ライアッシュを単位セメント量に対して15〜60%配
    合したものである請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 高流動性・高充填性コンクリートは,J
    IS A 6204に基づく凍結融解試験において,2
    週間標準水中養生した後の凍結融解サイクル300回で
    の相対動弾性係数(耐久性指数)が80%以上を保持す
    るものである請求項12または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 高流動性・高充填性コンクリートは,変
    成ロジン酸化合物系の界面活性剤のほかに,通常のAE
    減水剤または減水剤をセメント結合材に対して0.1〜
    2.0重量%配合したものである請求項1,2,3また
    は4に記載の方法。
JP4148643A 1992-05-16 1992-05-16 コンクリートの耐凍害性を改善する方法 Expired - Lifetime JP2558577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4148643A JP2558577B2 (ja) 1992-05-16 1992-05-16 コンクリートの耐凍害性を改善する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4148643A JP2558577B2 (ja) 1992-05-16 1992-05-16 コンクリートの耐凍害性を改善する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05319885A JPH05319885A (ja) 1993-12-03
JP2558577B2 true JP2558577B2 (ja) 1996-11-27

Family

ID=15457388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4148643A Expired - Lifetime JP2558577B2 (ja) 1992-05-16 1992-05-16 コンクリートの耐凍害性を改善する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2558577B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5875858B2 (ja) * 2011-12-27 2016-03-02 ミヨシ油脂株式会社 セメント組成物用空気連行安定型体積変化抑制剤及びセメント組成物
CN109081656B (zh) * 2018-10-30 2021-06-01 中国十七冶集团有限公司 一种用于墙面甩浆的浆料及其制备方法
CN111285639B (zh) * 2020-03-16 2021-11-19 乐清市凡山电器有限公司 一种盐碱化地区专用抗冻抗侵蚀混凝土及其制备方法
CN111960778A (zh) * 2020-09-03 2020-11-20 梁伟虹 一种抗冻混凝土及其制备方法
CN117049814B (zh) * 2023-08-15 2024-03-19 阿克苏市恒泰新型建材有限公司 一种混凝土引气剂的制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1337360C (en) * 1989-06-27 1995-10-17 Willis A. Weigand Additives for hydraulic cement compositions
JPH03153223A (ja) * 1989-11-10 1991-07-01 Asahi Optical Co Ltd リモコン装置を有するカメラ
JPH03199151A (ja) * 1989-12-27 1991-08-30 Showa Denko Kk モルタル添加用組成物
JP2635884B2 (ja) * 1991-06-25 1997-07-30 日本国土開発株式会社 コンクリート組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05319885A (ja) 1993-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2635884B2 (ja) コンクリート組成物
WO2001058823A1 (en) Method for producing a blended cementitious composition
JP2001294466A (ja) 水硬性組成物用混和剤及び水硬性組成物
JP2558577B2 (ja) コンクリートの耐凍害性を改善する方法
JP3534586B2 (ja) 急結材及び急結性吹付セメントコンクリート
KR100587178B1 (ko) 다목적 시멘트 혼화재 및 이를 이용한 시멘트 경화체의제조방법
JP4244080B2 (ja) 急結性吹付セメントコンクリート及びそれを用いた吹付工法
JP2001270762A (ja) プレパックドコンクリート用注入モルタル組成物
JP2000086320A (ja) グラウト組成物及びグラウト材用混和材
JP3253925B2 (ja) 湿式吹付け施工方法
JPH1161125A (ja) 地盤注入材
JP2567322B2 (ja) 現場打ち用の高充填性フレッシュコンクリート
JP3806420B2 (ja) シラスを用いた低強度モルタル充填材
JPH09295843A (ja) 高性能減水剤組成物及びそれを使用したセメント組成 物
JP2000072514A (ja) 吹付材料及び吹付工法
JP2942749B2 (ja) 高流動型湿式吹付けコンクリート
JP4737794B2 (ja) アンカー定着工法
JPH08188458A (ja) 水中不分離性コンクリート組成物
JP2839771B2 (ja) 充填性と流動性に優れたコンクリート組成物
JP3151121B2 (ja) ダムコンクリートの製造方法
JP2839770B2 (ja) 充填性と流動性に優れたコンクリート組成物
JPH11157895A (ja) 遅硬性固化材用刺激材及びそれを含む遅硬性固化材
JPS5992952A (ja) 強度遅効型混合セメント及び同混合セメントを用いた水硬性組成物
JP2001206754A (ja) 高流動コンクリート
JPH05286746A (ja) マスコンクリート構造物用締固め不要コンクリート組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 16