JP3151121B2 - ダムコンクリートの製造方法 - Google Patents

ダムコンクリートの製造方法

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JP3151121B2
JP3151121B2 JP07835995A JP7835995A JP3151121B2 JP 3151121 B2 JP3151121 B2 JP 3151121B2 JP 07835995 A JP07835995 A JP 07835995A JP 7835995 A JP7835995 A JP 7835995A JP 3151121 B2 JP3151121 B2 JP 3151121B2
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尚樹 田島
斉 大内
昇 坂田
昌義 南
政人 吉崎
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,温度応力に関与する単
位セメント量を減らしても,十分な強度とワーカビリテ
ィを保持するダムコンクリートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように,ダムコンクリートはマス
コンクリートであるため,セメントの水和熱による温度
応力(温度ひび割れ)が問題となる。この問題に対して
従来より,材料配合を考慮したり,或いは強制的に冷却
するといった対策が講じられてきた。強制冷却としては
液体窒素等の液化ガスを材料混練時に投入する方法等が
試みられている。
【0003】材料配合の面からは,低発熱型セメントの
使用や極力単位セメント量を少なくすることによって温
度上昇を抑制することが行われてきた。一般にダムコン
クリートでは低スランプの硬練コンクリートで施工され
るので,単位水量を少なくできるという特質があり,し
たがって,単位セメント量を少なくしても水セメント比
は大きくならないので,十分な強度が得られる。
【0004】例えば,アーチダム本体や重量式ダムの外
部に用いられるダムコンクリートでは,セメントや骨材
の品質によっても異なるが,一般に単位水量:90〜1
10Kg/m3,単位セメント量:210〜240Kg
/m3が現状である。しかしこれよりもさらに温度上昇
を抑制させることが,打設したコンクリートの品質向上
の観点から要求されている。
【0005】その一つの方法として,さらに単位セメン
ト量を減らすことが考えられるが,単位セメント量をあ
まり減らすと,所要の強度が得られない;コンクリート
のワーカビリティが悪くなる;品質のばらつきが大きく
なる;等の問題が生じる。
【0006】このうち,ワーカビリティの低下に対して
はフライアッシュをセメントに混入する方法がある。フ
ライアッシュは粒子が球状であるためワーカビリティが
良好となるからである。しかし,最近では公害防止等の
観点から良質のフライアッシュが製造され難くなってお
り,このために,ダムコンクリートの品質のばらつきを
大きくするという問題が新たに生じる。
【0007】さらに最近では,石灰石粉を混入すること
によってコンクリート中の粉体量を多くし,適度なワー
カビリティ(施工性)を確保する方法が実施されてい
る。しかし,この方法では,セメントと石粉を別々に取
扱う場合には,計量サイロが2つ必要となる等の問題が
生じる。また,セメントと石粉をプレミックスする場合
には,石粉が水分を持っているのでセメントを風化させ
る可能性が高くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように,ダムコン
クリートの材料配合の面から温度応力を抑制しようとす
る従来の対策では限界があり,一層の温度応力低下を実
現することは困難であった。すなわち,温度上昇を抑制
するために,単位セメント量を現状よりも10〜20K
g/m3減らすと,所要のスランプ(使用されるコンク
リートに応じて定められており,ダムコンクリートでは
一般に0〜6cm程度)を得るための単位水量は変わら
ないので強度が小さくなり,また単位セメント量が少な
くなることでコンクリートの粘性が乏しくなってワーカ
ビリティ(施工性)が悪くなると共にこのために強度等
の品質のばらつきが大きくなるという問題がある。
【0009】このような背景のもとで本発明は,単位セ
メント量を現状より減らしても十分な強度とワーカビリ
ティを保持するダムコンクリートの開発を目的としたも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,目標強
度のダムコンクリートを必要な単位セメント量とスラン
プ値0〜6cmの配合設計のもとで練り混ぜるダムコン
クリートの製造にさいし,単位セメント量を前記の設計
配合よりも10Kg/m3以上少なくし,高性能減水剤
もしくは高性能減水剤とウエランガムを混和剤として配
合して前記と同等のスランプ値で同等の目標強度を得る
ことを特徴とする温度応力を抑制したダムコンクリート
の製造方法を提供する。
【0011】より具体的には,高性能減水剤を単位セメ
ント量に対し0.01〜1.0重量%の範囲,ウエランガ
ムを単位水量に対し0〜0.1重量%の範囲で配合し,
単位セメント量は210Kg/m3以下と通常の範囲よ
りも少なくしてダムコンクリートを製造する。
【0012】
【作用】高性能減水剤とウエランガムをコンクリートに
添加することによって所定のスランプを得るための単位
水量を5〜10Kg/m3程度少なくできる。これによ
って単位セメント量を10〜20Kg/m3程度少なく
しても水セメント比は大きくならず,したがって,圧縮
強度は小さくならない。また,セメント量が少なくなる
ことによる粘性の低下は,単位水量を減らせることとウ
エランガムの作用によってある程度抑制できる。
【0013】このように単位セメント量を減らし,その
代りとして高性能減水剤とウエランガムを適量添加する
ことによって,強度やワーカビリティをさほど低下させ
ることなく,マスコンクリートの温度上昇を抑制でき
る。また,配合にもよるが,高性能減水剤とウエランガ
ムは比較的安価であるので,これら混和剤使用による費
用増加分は単位セメント量削減分で相殺して余りあり,
全体としてはコストダウンも図れる。
【0014】ウエランガムの添加量は単位水量に対し0
〜0.1重量%とする。最適添加量は単位水量に対し0.
005〜0.020重量%程度である。ウェランガムは
菌体番号 Alcaligenes ATCC 31555 の菌によって産出さ
れるバイオポリマーであり,その詳細な分子構造は例え
ば Carbohydrate Res-each 139(1985), P217〜223, Els
evier Science Publishers B.V.,Amsterdam に記載され
ている。かようなウエランガムは市場で入手可能であ
る。
【0015】コンクリート混和剤としての高性能減水剤
にはβ−ナフタリンスルホン酸塩,メラミンスルホン酸
塩,ポリカリボン酸塩,アルキルアリルスルホン酸塩,
リグニンスルホン酸塩等が良く知られているが,これら
のものが本発明でも使用できる。このうち特にβ−ナフ
タリンスルホン酸塩が本発明において良好な結果が得ら
れる。高性能減水剤の添加量は, これを粉体として見た
場合, 単位セメント量に対し0.01〜1.0重量%, 好
ましくは0.02〜0.1%程度である。
【0016】混和剤(高性能減水剤+ウエランガム)の
添加にさいしては,高性能減水剤とウエランガムを使用
量に応じてプレミックスした粉体を生コン工場あるいは
ダム工事のバッチャープラントの混和剤タンクにおいて
500〜2000倍程度の水で溶かして水溶液とし,こ
の水溶液をミキサーに添加すればよい。このようにする
ことによって,常用のAE減水剤のタンクや計量装置を
そのまま利用することができる。
【0017】なお,本発明のダムコンクリートは,従来
のダムコンクリートに通常添加されている混和剤例えば
AE減水剤やAE助剤などを従来どおり添加することが
できることはもちろんである。
【0018】
【実施例】下記の使用材料を,表1の配合のもとで,1
00リットル傾胴ミキサを用いて80リットルのコンク
リートを練り混ぜた。
【0019】〔使用材料〕 セメント:中庸熱ポルトランドセメント(日本セメント
株式会社,比重3.20) 細骨材:川砂(比重 2.58, 吸水率 2.08, 粗粒率 2.6
4 ) 粗骨材:川砂利(骨材最大寸法 150mm,比重 2.69, 粗
粒率 8.29) 水:河川水 AE減水剤:ポゾリスNo.8(ポゾリス物産株式会社
製:リグニンスルホン酸化合物) AE助剤 :ポゾリスNo.775S(ポゾリス物産株式
会社製) 高性能減水剤:マイティ100(花王株式会社製:ナフ
タリンスルホン酸塩) ウエランガム:市販の粉体品 ただし,高性能減水剤とウエランガムは,各粉体を9
5:5にプレミックスしたものを使用した。
【0020】表1の配合において,ケース1(従来例)
はアーチダム本体コンクリートの標準例である。この従
来例の配合設計値は次のとおりである。 目標スランプ:3±1cm, 目標空気量:3±1%, 設計基準強度:325kgf/cm2, 配合強度390kgf/cm2
【0021】ケース2(比較例)は,単位セメント量を
ケース1よりも20kg/m3削減したものであり,単
位水量はスランプが3±1cmとなるように調整した。
【0022】ケース3(本発明例)は,単位セメント量
をケース1よりも10kg/m3削減し,且つ高性能減
水剤とウエランガムを合計量で0.1kg/m3添加した
ものであり,単位水量はスランプが3±1cmとなるよ
うに調整した。
【0023】ケース4(本発明例)は,単位セメント量
をケース1よりも20kg/m3削減し,且つ高性能減
水剤とウエランガムを合計量で0.2kg/m3添加した
ものであり,単位水量はスランプが3±1cmとなるよ
うに調整した。
【0024】各ケース配合のフレッシュコンクリートの
試験結果(スランプ,空気量および温度)と各コンクリ
ートの圧縮強度試験結果を表2に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表2の結果に見られるように,ケース2で
は粘性が低く材料分離抵抗性も小さく,強度面でも材令
91日強度で配合強度を下回った。これに対し,本発明
に従うケース3と4では単位セメント量を削減したにも
拘わらず,ケース1と同程度のワーカビリティを確保し
ながら,強度面でも390Kgf/m3をクリヤーし
た。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
マスコンクリートの温度応力に関与する単位セメント量
を低減しても,目標強度とワーカビリティが同時に達成
できるダムコンクリートが得られる。したがって,強度
並びに施工性を損なうことくダム構造体の温度ひび割れ
を材料面からの対策によって防止できるという優れた効
果を発揮する。また単位セメント量の低減により経済的
にも有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 斉 新潟県新潟市万代1丁目3番4号 鹿島 建設株式会社 北陸支店内 (72)発明者 坂田 昇 新潟県新潟市万代1丁目3番4号 鹿島 建設株式会社 北陸支店内 (72)発明者 南 昌義 大阪府大阪市中央区北浜東1番29号 三 晶株式会社内 (72)発明者 吉崎 政人 大阪府大阪市中央区北浜東1番29号 三 晶株式会社内 (56)参考文献 特表 平8−511486(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 22/00 - 28/36 B28C 1/00 - 9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標強度のダムコンクリートを必要な単
    位セメント量とスランプ値0〜6cmの配合設計のもと
    で練り混ぜるダムコンクリートの製造にさいし,単位セ
    メント量を前記の設計配合よりも10Kg/m3以上少
    なくし,高性能減水剤もしくは高性能減水剤とウエラン
    ガムを配合して前記と同等のスランプ値で同等の目標強
    度を得ることを特徴とする温度応力を抑制したダムコン
    クリートの製造方法。
  2. 【請求項2】 ウエランガムは単位水量に対し0〜0.
    1重量%の範囲,高性能減水剤は単位セメント量に対し
    0.01〜1.0重量%の範囲で配合する請求項1に記載
    のダムコンクリートの製造方法。
  3. 【請求項3】 単位セメント量は210Kg/m3以下
    である請求項1または2に記載のダムコンクリートの製
    造方法。
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