JP3901319B2 - 急結材、急結性吹付セメントコンクリート、及び吹付工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、道路、鉄道、及び導水路等のトンネルにおいて、露出した地山面へ吹付ける時に使用する急結材及び急結性吹付セメントコンクリートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するために急結材をコンクリートに配合した急結性吹付コンクリートの吹付工法が行われている(特公昭60−4149号公報)。
この工法は、通常、掘削工事現場に設置した計量混合プラントで、セメント、骨材、及び水を混合して吹付コンクリートを調製し、アジテータ車で運搬し、コンクリートポンプで圧送し、その途中に設けた合流管で、他方から圧送した急結材と混合し、急結性吹付コンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹付ける工法である。この吹付工法に使用する急結材としては、カルシウムアルミネートに、アルカリ金属アルミン酸塩やアルカリ金属炭酸塩等を混合したものが使用されていた。
【0003】
この急結性吹付コンクリートは、凝結が速く、コンクリートが速やかに硬化するので、崩落の危険がある地山面を保護できるが、材齢28日後の長期強度は、急結材を添加しない吹付コンクリートと比較すると、30%前後低下するという課題があった。
このように、急結材の添加により強度低下が起こるが、比較的安定した地山においては地山を保護するのには充分な強度であり、かなり不安定な地山においては、吹付厚さを厚くすることにより対処されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吹付厚さを大きくすることは、吹付材料の使用量が多くなるので経済的に好ましくないという課題があった。又、強度発現性を大きくするために急結材の使用量を多くする必要があるので、急結材の添加装置が大型になってしまい、粉塵量も多く、作業時間も長くなってしまうという課題があった。
【0005】
近年、大断面トンネルの施工においては、地山の露出面積が大きくなり、吹付材料の使用量も多く必要とすることから、より高い強度発現性が期待できる急結材及びそれを用いた吹付材料の需要が大きくなりつつある。そして、長期強度の低下がなく、粉塵量が少なく、作業性のよい高強度吹付コンクリートが求められるようになった。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の吹付工法用急結材を使用し吹付けを行うことにより、上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、下記(1)〜(3)を含有してなる急結材を、固形分換算で、セメント100重量部に対して、5〜30重量部使用してなる吹付工法であって、
セメントコンクリートの圧送中に、(2)硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーを添加し、次いで(1)カルシウムアルミネートと(3)アルカリ金属アルミン酸塩の混合物を添加してなる吹付工法であり、
(1)カルシウムアルミネート、
(2)固形分濃度が10〜70重量%の硫酸塩水溶液又は硫酸塩スラリーを、カルシウムアルミネート100重量部に対して、固形分換算で2〜300重量部、及び
(3)アルミン酸塩の強熱減量が10重量%以下であるアルカリ金属アルミン酸塩を、カルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対して、固形分換算で2〜50重量部
下記(1)〜(3)を含有してなる急結材を、固形分換算で、セメント100重量部に対して、5〜30重量部使用してなる吹付工法であって、
セメントコンクリートの圧送中に、(2)硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリー(カルシウムアルミネートを含まない)を添加し、次いで(1)カルシウムアルミネートと(3)アルカリ金属アルミン酸塩の混合物(硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーを含まない)を添加してなる吹付工法であり、
(1)カルシウムアルミネート、
(2)固形分濃度が10〜70重量%の硫酸塩水溶液又は硫酸塩スラリーを、カルシウムアルミネート100重量部に対して、固形分換算で2〜300重量部、
(3)アルミン酸塩の強熱減量が10重量%以下であるアルカリ金属アルミン酸塩を、カルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対して、固形分換算で2〜50重量部
セメントコンクリートの水の使用量が、水/セメント比で35重量%以上である該吹付工法であり、硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーの硫酸塩が硫酸アルミニウムである該吹付工法であり、硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーの硫酸塩がセッコウである該吹付工法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明では、ペースト、セメントモルタル、及びコンクリートを総称してセメントコンクリートという。
【0008】
本発明で使用するセメントとしては、通常市販されている普通、早強、中庸熱、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、並びに、これらのポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグ等を混合した各種混合セメント等が挙げられ、これらを微粉末化して使用してもよい。吹付けに要求されるリバウンド率や粉塵量の低減、圧送性、強度発現性、及び施工条件等により適したセメントを選択できるが、一般的に使用できる普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントが好ましい。
【0009】
又、フルオロカルシウムアルミネートを含有するフルオロセメントも使用できる。さらに、CaOをC、Al2O3 をA、SiO2 をS、及びFe2 O3 をFとすると、C2 S、C3 S、C3 A、及びC4 AFと示されるセメント中の鉱物組成の含有量を変更して焼成したクリンカーに、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、及び硫酸ナトリウム等の硫酸塩を併用した特殊セメントも使用できる。
【0010】
本発明で使用するカルシウムアルミネートとは、CaO原料やAl2O3 原料等を混合したものを、キルンで焼成したり、電気炉で溶融したりする等の熱処理をして得られるものをいい、初期にセメントコンクリートの凝結を起こさせる急結成分である。
【0011】
カルシウムアルミネートとしては、C3 A、C12A7 、CA、及びCA2 等の鉱物組成で示されるカルシウムアルミネート熱処理物が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。又、これらを粉砕したものであってもよく、さらに、その他の成分として、ナトリウム、カリウム、及びリチウム等のアルカリ金属を一部含有したカルシウムアルミネート等も使用できる。これらの中では、反応活性の点で、非晶質のカルシウムアルミネートが好ましく、C12A7 組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートがより好ましい。
【0012】
又、本発明で使用するカルシウムアルミネートとしては、SiO2 成分を含有するアルミノケイ酸カルシウム、C12A7 の1つのCaOをCaF2 等のハロゲン化物で置き換えたC11A7 ・ CaX2 (Xはフッ素等のハロゲン)、SO3 成分を含有するC4 A3 ・ SO3 も同様に使用できる。更に、アルミナセメントも同様に使用できる。
又、本発明で使用するカルシウムアルミネートとしては、Na2 Oを添加して焼成する結晶質のカルシウムアルミネートの1種で、カルシウムアルミネートの合計が70重量%以上、アルミン酸ナトリウムが20重量%以下、及び未反応のCaOが10重量%以下であるCaO−Na2 O−Al2O3 系焼成物も含まれる。
【0013】
カルシウムアルミネートの粒度は、ブレーン値で5000cm2 /g以上が好ましい。5000cm2 /g未満だと急結性や初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0014】
本発明で使用する硫酸塩水溶液又は硫酸塩スラリー(以下硫酸塩水溶液等という)は、硫酸塩を水に溶解させた水溶液又は硫酸塩を水に懸濁させたスラリーである。硫酸塩は、強度発現性を向上するために使用するものである。硫酸塩水溶液等を使用することにより、粉塵の発生がなくなり、作業環境が好ましくなるという効果がある。
【0015】
硫酸塩としては、硫酸ナトリウムや硫酸カリウム等のアルカリ金属硫酸塩、硫酸マグネシウムやセッコウ等のアルカリ土類金属硫酸塩、並びに、硫酸アルミニウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を併用してもよい。硫酸塩水溶液としては、硫酸ナトリウムや硫酸カリウム等のアルカリ金属硫酸塩や硫酸アルミニウムを使用した場合に得られやすく、硫酸塩スラリーとしては、硫酸マグネシウムやセッコウ等のアルカリ土類金属硫酸塩を使用した場合に得られやすい。これらの中では、強度発現性の点で、セッコウが好ましい。
【0016】
本発明で使用するセッコウは、強度発現性を向上するために使用するものである。セッコウとしては、無水セッコウ、半水セッコウ、及び二水セッコウ等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を併用してもよい。これらの中では、強度発現性の点で、無水セッコウが好ましい。
【0017】
硫酸塩の粒度は、強度発現性の点で、ブレーン値で2500cm2 /g以上が好ましく、5000cm2 /g以上がより好ましい。2500cm2 /g未満だと強度発現性が低下するおそれがある。
【0018】
硫酸塩水溶液等の濃度は、各物質により水に対する溶解度が異なるため、特に限定されるものではないが、できるだけ高い濃度であることが好ましい。濃度が低いと、水溶液中又はスラリー中の水の割合がそれだけ大きく、効果を得るために水溶液又はスラリーを多く使用する必要があり、その分、水の使用量も増加し、強度発現性を阻害するおそれがある。そのため、固形分濃度としては、10〜70重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。10重量%未満だと効果は少なく、70重量%を越えると水溶液又はスラリーの粘性が高くなるために、圧送性が低下するおそれがある。
【0019】
硫酸塩の使用量は、カルシウムアルミネート100重量部に対して、固形分換算で2〜300重量部が好ましく、50〜150重量部がより好ましい。2重量部未満だと強度発現性が小さく、300重量部を越えると初期凝結が遅れ、地山に対する付着性が小さくなるおそれがある。
【0020】
本発明で使用するアルカリ金属アルミン酸塩(以下アルミン酸塩という)は、セメントの初期凝結を促進するもので、水酸化アルミニウムとアルカリ金属水酸化物を混合溶解し、乾燥して粉末状として得られるものである。又、液状のものを使用してもよい。
【0021】
アルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、及びアルミン酸リチウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。これらの中では、凝結性の点で、アルミン酸ナトリウムが好ましい。
【0022】
アルミン酸塩の90%粒子径は0.3mm以下が好ましく、0.05〜0.2mmがより好ましい。0.05mm未満だと吸湿して貯蔵安定性が小さくなるおそれがあり、0.3mmを越えると急結性が低下するおそれがある。
【0023】
これらのアルミン酸塩は、製造条件により無水物又はこれらに結晶水を持つもの等が調製でき、いずれも使用できるが、カルシウムアルミネートと混合したときの貯蔵安定性が向上する点で、アルミン酸塩の強熱減量が10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。10重量%を越えるとカルシウムアルミネートと混合した場合に貯蔵安定性が低下し、品質が低下するおそれがある。
【0024】
アルミン酸塩の使用量は固形分換算で、カルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対して50重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、2〜8重量部が最も好ましい。50重量部を越えると長期強度発現性が低下するおそれがある。
【0025】
急結材の使用量は固形分換算で、セメント100重量部に対して、5〜30重量部が好ましく、7〜20重量部がより好ましい。5重量部未満だと初期凝結が十分に得られないおそれがあり、30重量部を越えると、長期強度発現性が低下したり、配管等が閉塞したりし、経済的に不利になるおそれがある。
【0026】
本発明では、必要に応じて、さらに、減水剤や増粘剤等を使用してもよい。
【0027】
本発明で使用する減水剤とは、セメントコンクリートの流動性や急結材の分散安定性を改善するために使用するものをいい、特に硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーの濃度が大きい場合に好適である。減水剤としては液状や粉状のものいずれも使用できる。減水剤としては、ポリオール誘導体、リグニンスルホン酸塩やその誘導体、及び高性能減水剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を併用してもよい。これらの中では、高強度発現性や分散安定性の点で、高性能減水剤が好ましい。高性能減水剤により、急結材の使用量を少なくでき、又、粉塵の発生量、及びリバウンド率が極めて少なくできる。
【0028】
高性能減水剤としては、アルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、及びポリカルボン酸系高分子化合物等が挙げられ、液状や粉状のものいずれも使用でき、これらの一種又は二種以上を併用してもよい。これらの中では、効果が大きい点で、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、及びポリカルボン酸系高分子化合物が好ましい。
【0029】
本発明で使用する増粘剤とは、セメントコンクリートに粘性を与え、吹付直後のダレを防止し、リバウンド率を小さくし、粉塵発生を抑制するものをいう。増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシエチルエチルセルロース等のセルロース類、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、β−1,3グルカン、プルラン、グアガム、カゼイン、及びウェランガム等の多糖類、酢酸ビニル、エチレン、塩化ビニル、メタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、及び不飽和カルボン酸等のビニル重合体やこれらの共重合体、並びに、酢酸ビニル重合体やその共重合体をケン化しポリビニルアルコール骨格に変性したもの等のエマルジョン類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を併用してもよい。これらの中では、初期凝結を阻害しにくい点で、セルロース類が好ましい。
【0030】
さらに、本発明では、セメントコンクリートの凝結時間を遅延させるために、有機酸又はその塩、有機酸又はその塩と炭酸塩の混合物、リン酸塩、ホウ酸又はその塩、及びアルコール類等の凝結遅延剤を使用してもよい。又、超微粉や繊維を使用してもよい。
又、急結材の急結性を向上させるために、アルカリ金属炭酸塩やアルカリ土類金属水酸化物を使用してもよい。
【0031】
本発明の水の使用量は、強度発現性の点で、水/セメント比で35%以上が好ましく、40〜55%がより好ましい。35%未満だとセメントコンクリートが十分に混合できず、55%を越えると強度発現性を阻害するおそれがある。なお、ここでいう水の使用量にはセメントコンクリートと硫酸塩水溶液等の両方に含有する水を含む。
【0032】
本発明で使用する骨材は吸水率が低くて、骨材強度が高いものが好ましく、細骨材率や骨材の最大寸法は吹付けできれば特に制限されるものではない。
細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂、及び珪砂等が使用でき、粗骨材としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が使用できる。
【0033】
本発明の吹付工法においては、従来使用の吹付設備等が使用できる。
本発明の吹付工法としては、要求される物性、経済性、及び施工性等に応じた種々の吹付工法が可能である。
本発明の吹付工法としては、乾式吹付工法も施工できるが、粉塵量が多くなるおそれがあるので、急結材を使用する前に予め水をセメントコンクリート側に加えて混練りした湿式吹付工法を使用することが好ましい。
湿式吹付工法としては、セメント、細骨材、粗骨材、及び水を加えて混練し、空気圧送し、途中にY字管を設け、その一方から急結材供給装置により急結材を空気圧送し、合流混合して急結性湿式吹付コンクリートとしたものを吹付ける方法が挙げられる。
【0034】
減水剤や増粘剤は、セメントコンクリート側、急結材側のどちら側にも添加でき、片側のみに添加してもよく、両側に添加してもよいが、強度向上、リバウンド防止、及び凝結コントロールの点で、セメントコンクリート側に添加することが好ましい。特に、減水剤としてナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物を、増粘剤としてセルロース類を併用した場合に、その効果は大きい。
なお、減水剤は、単位水量を小さくし、強度発現性を向上させる点で、予めセメントコンクリート側に添加して使用することが好ましい。又、セメントコンクリート、急結材、硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーの全てに予め減水剤や増粘剤を添加した場合、吹付時の作業性が良く、リバウンド率や粉塵量を小さくできる。
最終的にこれらの材料を混合した急結性吹付セメントコンクリートが吹付けられれば問題はない。
【0035】
本発明の吹付工法においては、従来使用の吹付設備等が使用できる。通常、吹付圧力は2〜5kg/cm2 、吹付速度は4〜20m3 /hである。
吹付設備は吹付けが十分に行われれば、特に限定されるものではなく、例えば、吹付セメントコンクリートの圧送にはアリバー社商品名「アリバー280」等が、急結材の圧送には急結材圧送装置「ナトムクリート」等が、それぞれ使用できる。
【0036】
硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーの添加方法は以下のように行う。セメントコンクリートの圧送中にまず、予めバッチ式ミキサーで所定量攪拌して硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーとしたものを添加し、次いでカルシウムアルミネートとアルカリ金属アルミン酸塩を予め混合したものを添加することが好ましい。又、硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーを、カルシウムアルミネートとアルカリ金属アルミン酸塩の混合物にまず添加し、次いでセメントコンクリートに添加してもよい。さらに、カルシウムアルミネートとアルカリ金属アルミン酸塩の混合物に、硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーを加圧噴霧して急結材をスラリー化し、セメントコンクリートに添加してもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
【0038】
実施例1
各材料の単位量を、セメントa450kg/m3 、細骨材1002kg/m3 、粗骨材671kg/m3 、及び水225kg/m3 として吹付コンクリートを調製し、これをコンクリート圧送機「アリバー280」により空気圧送した。
吹付コンクリートの空気圧送の途中にY字管を2個設けた。急結材添加装置「ナトムクリート」を用いて、第1のY字管の一方より、カルシウムアルミネート100重量部に対して固形分換算で表1に示す量の硫酸塩水溶液等を吹付コンクリートに添加し、次いで第2のY字管の一方より、カルシウムアルミネート100重量部と、カルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対してアルミン酸塩▲1▼5重量部との混合物を吹付コンクリートに添加して急結性吹付コンクリートを調製した。最終的には、カルシウムアルミネート、硫酸塩水溶液等、及びアルカリ金属アルミン酸塩水溶液からなる急結材を、セメント100重量部に対して固形分換算で10重量部となるように調製した。
この急結性吹付コンクリートについて評価した。結果を表1に示す。
【0039】
(使用材料)
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3200cm2 /g、比重3.16
細骨材:新潟県青海産石灰砂、表面水率3.1%、比重2.64
粗骨材:新潟県糸魚川市姫川産川砂利、表乾状態、比重2.65、最大寸法10mm
カルシウムアルミネート:C12A7 組成に対応するもの、非晶質、ブレーン値6050cm2 /g
硫酸塩水溶液等a:市販無水セッコウの粉砕品(ブレーン値5900cm2 /g)を水と混合した硫酸塩濃度50%スラリー
硫酸塩水溶液等b:市販二水セッコウの粉砕品(ブレーン値5200cm2 /g)を水と混合した硫酸塩濃度50%スラリー
硫酸塩水溶液等c:市販硫酸アルミニウムの粉砕品(ブレーン値5900cm2 /g)を水に溶解した硫酸塩濃度50%水溶液
硫酸塩水溶液等d:市販硫酸ナトリウムを水に溶解した硫酸塩濃度50%水溶液
アルミン酸塩▲1▼:アルミン酸ナトリウム、市販品、強熱減量2.1重量%、90%粒子径0.2mm
【0040】
(測定方法)
圧縮強度:材齢1時間の圧縮強度は幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠に設置したピンを、プルアウト型枠表面から急結性吹付コンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引き抜き、その時の引き抜き強度を求め、(圧縮強度)=(引き抜き強度)×4/(供試体接触面積)の式から圧縮強度を算出した。材齢1日以降の圧縮強度は幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急結性吹付コンクリートを吹付け、採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を20トン耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
強熱減量:アルミン酸塩を電気炉中で1000℃、24時間加熱し、〔1−(加熱後の重量)/(加熱前の重量)〕×100(重量%)の式から算出した。
【0041】
【表1】
【0042】
実施例2
カルシウムアルミネート100重量部、硫酸塩水溶液等aを固形分換算で100重量部、及びカルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対して表2に示す量のアルミン酸塩からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部使用して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0043】
(使用材料)
アルミン酸塩▲2▼:アルミン酸カリウム、市販品、強熱減量2.1%、90%粒子径0.2mm
【0044】
【表2】
【0045】
実施例3
カルシウムアルミネート100重量部、表3に示す濃度の硫酸塩水溶液等を固形分換算で100重量部、及びカルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対してアルミン酸塩▲1▼5重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部使用して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0046】
(使用材料)
硫酸塩水溶液等:市販無水セッコウの粉砕品(ブレーン値5900cm2 /g)の濃度を変更したスラリー
【0047】
(測定方法)
圧送性:急結性吹付コンクリートを4m3 /hの吹付速度、4kg/cm2 の吐出圧力で、30分間圧送管を用いて吹付け、圧送管内の圧力を測定した。圧送管内の圧力が4.0〜5.5kg/cm2 である場合を◎、圧送管内が閉塞しやすくなる6.0kg/cm2 以上になっても、圧送管に衝撃を与えることにより4.0〜5.5kg/cm2 になる場合を○、圧送管が閉塞し、圧送管に衝撃を与えても4.0〜5.5kg/cm2 とならない場合を×とした。
【0048】
【表3】
【0049】
実施例4
カルシウムアルミネート100重量部、硫酸塩水溶液等aを固形分換算で100重量部、及びカルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対してアルミン酸塩▲1▼5重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して表4に示す量使用して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】
本発明の急結材を使用することにより、粉塵量が少なく、作業性が良く、材齢28日後の強度が低下しにくい吹付材料とすることができ、高強度化することができる。従って、不安定な地山への吹付材料として最適であり、吹付厚さを薄くできるので経済的である。
Claims (5)
- 下記(1)〜(3)を含有してなる急結材を、固形分換算で、セメント100重量部に対して、5〜30重量部使用してなる吹付工法であって、
セメントコンクリートの圧送中に、(2)硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーを添加し、次いで(1)カルシウムアルミネートと(3)アルカリ金属アルミン酸塩の混合物を添加してなる吹付工法。
(1)カルシウムアルミネート、
(2)固形分濃度が10〜70重量%の硫酸塩水溶液又は硫酸塩スラリーを、カルシウムアルミネート100重量部に対して、固形分換算で2〜300重量部、
(3)アルミン酸塩の強熱減量が10重量%以下であるアルカリ金属アルミン酸塩を、カルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対して、固形分換算で2〜50重量部 - 下記(1)〜(3)を含有してなる急結材を、固形分換算で、セメント100重量部に対して、5〜30重量部使用してなる吹付工法であって、
セメントコンクリートの圧送中に、(2)硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリー(カルシウムアルミネートを含まない)を添加し、次いで(1)カルシウムアルミネートと(3)アルカリ金属アルミン酸塩の混合物(硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーを含まない)を添加してなる吹付工法。
(1)カルシウムアルミネート、
(2)固形分濃度が10〜70重量%の硫酸塩水溶液又は硫酸塩スラリーを、カルシウムアルミネート100重量部に対して、固形分換算で2〜300重量部、
(3)アルミン酸塩の強熱減量が10重量%以下であるアルカリ金属アルミン酸塩を、カルシウムアルミネートと硫酸塩の合計100重量部に対して、固形分換算で2〜50重量部 - セメントコンクリートの水の使用量が、水/セメント比で35重量%以上である請求項1又は2記載の吹付工法。
- 硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーの硫酸塩が硫酸アルミニウムである請求項1又は2記載の吹付工法。
- 硫酸塩水溶液や硫酸塩スラリーの硫酸塩がセッコウである請求項1又は2記載の吹付工法。
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