JP4160496B2 - 急結性吹付セメントコンクリートの混合方法 - Google Patents
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Description
本発明で使用するセメントとしては、通常市販されている普通、早強、中庸熱、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、並びに、これらのポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグ等を混合した各種混合セメント等が挙げられ、これらを微粉末化して使用してもよい。吹付けに要求されるリバウンド率や粉塵量の低減、圧送性、強度発現性、及び施工条件等の性能により適したセメントを選択できるが、一般的に使用できる普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントが好ましい。
各材料の単位量を、セメント450kg/m3、細骨材1002kg/m3、粗骨材671kg/m3、及び水225kg/m3として吹付コンクリートを調製し、これをコンクリート圧送機「アリバー280」により空気圧送した。吹付コンクリートの空気圧送の途中に設けたY字管の一方より、表1に示す量のカルシウムアルミネートとセッコウ、及びカルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対してアルミン酸塩6重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部となるように、急結材添加装置「ナトムクリート」により吹付コンクリートに添加して急結性吹付コンクリートを調製した。この急結性吹付コンクリートについて評価した。結果を表1に示す。
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3200cm2/g、比重3.16
細骨材:新潟県青海産石灰砂、表面水率3.1%、比重2.64
粗骨材:新潟県糸魚川市姫川産川砂利、表乾状態、比重2.65、最大骨材寸法10mm
カルシウムアルミネート:C12A7組成に対応するもの、非晶質、ブレーン値6050cm2/g
セッコウa:市販無水セッコウの粉砕品、ブレーン値5900cm2/g
セッコウb:市販二水セッコウの粉砕品、ブレーン値5200cm2/g
硫酸塩c :市販硫酸アルミニウムの粉砕品、ブレーン値5900cm2/g
アルミン酸塩:アルミン酸ナトリウム、市販品、強熱減量2.1重量%、90%粒子径0.2mm
圧縮強度:材齢1時間の圧縮強度は幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠に設置したピンを、プルアウト型枠表面から急結性吹付コンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引き抜き、その時の引き抜き強度を求め、(圧縮強度)=(引き抜き強度)×4/(供試体接触面積)の式から圧縮強度を算出した。材齢1日以降の圧縮強度は幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急結性吹付コンクリートを吹付け、採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を20トン耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
カルシウムアルミネート50重量部、セッコウa50重量部、及びカルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対して表2に示す量のアルミン酸塩からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部使用して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
カルシウムアルミネート50重量部、セッコウa50重量部、及びカルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対してアルミン酸塩6重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して表3に示す量を使用して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
セメント100重量部に対して、減水剤を表4に示す量混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート50重量部、セッコウa50重量部、及びカルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対してアルミン酸塩6重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行い、スランプを測定した。結果を表4に示す。
減水剤ア:市販ナフタレンスルホン酸塩系ホルマリン縮合物
減水剤イ:市販ポリカルボン酸系高分子化合物
スランプ:JIS A 1101に準じた。
セメント100重量部に対して、増粘剤を表5に示す量混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート50重量部、セッコウa50重量部、及びカルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対してアルミン酸塩6重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行い、粉塵量、ダレ、及び圧送性を測定した。結果を表5に示す。
増粘剤i:メチルセルロース
増粘剤ii:ヒドロキシプロピルセルロース
粉塵量:急結性吹付コンクリートを4m3/hの吹付速度で30分間、鉄板でアーチ状に製作した高さ3.5m、幅2.5mの模擬トンネルに吹付けた。10分毎に吹付場所より 3mの定位置で粉塵量を測定し、得られた測定値の平均値を示した。
ダレ:急結性吹付コンクリートを4m3/hの吹付速度で30分間、鉄板でアーチ状に製作した高さ3.5m、幅2.5mの模擬トンネルに吹付けた後の状態を観察した。ダレが生じなかったものを◎とし、ダレが少し生じたものをOとし、ダレが多く生じたものを×とした。
圧送性:急結性吹付コンクリートを4m3/hの吹付速度、4kg/cm2の吐出圧力で、30分間圧送管を用いて吹付け、圧送管内の圧力を測定した。圧送管内の圧力が4.0〜5.5kg/cm2である場合を◎、圧送管内が閉塞しやすくなる6.0kg/cm2以上になっても、圧送管に衝撃を与えることにより4.0〜5.5kg/cm2になる場合を○、圧送管が閉塞し、圧送管に衝撃を与えても4.0〜5.5kg/cm2とならない場合を×とした。
セメント100重量部に対して、超微粉を表6に示す量混合して吹付コンクリートと、カルシウムアルミネート50重量部、セッコウa50重量部、及びカルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対してアルミン酸塩6重量部からなる急結材とを、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行い、リバウンド率を測定した。結果を表6に示す。
超微粉α:市販シリカフューム、平均粒径10μm以下
超微粉β:市販メタカオリン、平均粒径10μm以下
リバウンド率:急結性吹付コンクリートを4m3/hの吹付速度で30分間、高さ3.5m、幅2.5mの模擬トンネルに吹付けた。吹付終了後、付着せずに落下した急結性吹付コンクリートの量を測定し、(リバウンド率)=(吹付けの際に模擬トンネルに付着せずに落下した急結性吹付コンクリートの重量)/(吹付に使用した急結性吹付コンクリートの重量)×100(%)の式より算出した。
コンクリート100容量部中表7に示す量の繊維状物質を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート50重量部、セッコウa50重量部、及びカルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対してアルミン酸塩6重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行い、耐衝撃性を測定した。結果を表7に示す。
繊維状物質A:ビニロン繊維、繊維長10mm
繊維状物質B:スチール繊維、繊維長30mm
耐衝撃性:材齢1時間後の吹付けコンクリートを幅20cm、長さ20cm、厚さ2cmの型枠に吹付けし、底面を取り外し、平らにならした標準砂の上に置き、重さ50gの球体を50cmの高さから落下させた。落下回数が5回以内でひびが入って破壊したら×、ひびは入ったが破壊しなかったらO、ひびが入らなかったら◎とした。
セメント100重量部に対して、減水剤イ0.5重量部、表8に示す量の増粘剤iと超微粉α、及び、コンクリート100容量部中表8に示す量の繊維状物質Aを混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート50重量部、セッコウa50重量部、及びカルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対してアルミン酸塩6重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行い、スランプ、リバウンド率、及び耐衝撃性を測定した。結果を表8に示す。
セメント450kg/m3、細骨材率60%、及び吹付コンクリート中の水の使用量をセメント100重量部に対して表9に示す量とし、セメント100重量部に対して、減水剤イ0.5重量部とを混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート50重量部、セッコウa50重量部、及びカルシウムァルミネートとセッコウの合計100重量部に対してアルミン酸塩6重量部からなる急結材を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は実施例1と同様に行い、スランプを測定した。結果を表9に示す。
Claims (4)
- カルシウムアルミネート、セッコウ、及び粉末状アルカリ金属アルミン酸塩を含有してなり、カルシウムアルミネートとセッコウの割合が、カルシウムアルミネート40〜60重量%、セッコウ60〜40重量%であり、粉末状アルカリ金属アルミン酸塩が、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対して、10重量部未満、1重量部以上である吹付材料用急結材と、セメント及び水を混合してなるセメントコンクリートとを混合することを特徴とする急結性吹付セメントコンクリートの混合方法。
- カルシウムアルミネート、セッコウ、及び粉末状アルカリ金属アルミン酸塩を含有してなり、カルシウムアルミネートとセッコウの割合が、カルシウムアルミネート40〜60重量%、セッコウ60〜40重量%であり、粉末状アルカリ金属アルミン酸塩が、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100重量部に対して、10重量部未満、1重量部以上である吹付材料用急結材と、セメント及び水を混合してなるセメントコンクリートとを混合することを特徴とする急結性吹付セメントコンクリートの湿式混合方法。
- 前記吹付材料用急結材及び/又は前記セメントコンクリートに、さらに減水剤、増粘剤、超微粉、及び繊維状物質からなる群より選ばれる一種又は二種以上の混和材を添加することを特徴とする請求項1記載の急結性吹付セメントコンクリートの混合方法。
- 前記吹付材料用急結材及び/又は前記セメントコンクリートに、さらに減水剤、増粘剤、超微粉、及び繊維状物質からなる群より選ばれる一種又は二種以上の混和材を添加することを特徴とする請求項2記載の急結性吹付セメントコンクリートの湿式混合方法。
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