JP2008156229A - 急結性吹付けセメントコンクリート組成物、急結性吹付けセメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、アルカリ金属アルミン酸塩、及び高性能減水剤を含有してなり、セッコウが、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100部中、40〜60部であり、高性能減水剤が、セメント100部に対して、0.05〜3部である急結性吹付けセメントコンクリート組成物。
【選択図】 なし
Description
また、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
減水剤の使用量は、セメント100部に対して、0.05〜3部が好ましく、0.1〜2部がより好ましい。0.05部未満では効果が得られなくなるおそれがあり、3部を超えるとセメントコンクリートの流動性は大きくなるが、セメントコンクリートの骨材が分離しやすく、コンクリートポンプの圧送性が低下したり、強度が低下したりするおそれがある。
高性能減水剤は、急結剤に添加することも可能であるが、単位水量を小さくし、強度発現性を向上させる点で、あらかじめセメントコンクリート側に添加することが好ましい。
各材料の単位量を、セメント450kg/m3、細骨材1,002kg/m3、粗骨材671kg/m3、及び水225kg/m3として、吹付けコンクリートを調製し、これをコンクリート圧送機「アリバー280」により空気圧送した。
一方、表1に示す量のカルシウムアルミネートとセッコウ、並びに、カルシウムアルミネートとセッコウからなる急硬成分100部に対して、6部のアルミン酸塩からなる急結剤を調製した。
吹付けコンクリートの空気圧送の途中に設けたY字管の一方より、調製した急結剤を、セメント100部に対して、10部となるように、急結剤添加装置「ナトムクリート」により吹付けコンクリートに添加して急結性吹付けコンクリートを調製した。この急結性吹付けコンクリートについて評価した。結果を表1に示す。
セメント :普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3,200cm2/g、比重3.16
細骨材 :新潟県青海産石灰砂、表面水率3.1%、比重2.64
粗骨材 :新潟県糸魚川市姫川産川砂利、表乾状態、比重2.65、最大骨材寸法10mm
カルシウムアルミネート:C12A7組成に対応するもの、非晶質、ブレーン値6,050cm2/g
セッコウa:市販無水セッコウの粉砕品、ブレーン値5,900cm2/g
セッコウb:市販二水セッコウの粉砕品、ブレーン値5,200cm2/g
セッコウc:市販硫酸アルミニウムの粉砕品、ブレーン値5,900cm2/g
アルミン酸塩:アルミン酸ナトリウム、市販品、強熱減量2.1%、90%粒子径0.2mm
圧縮強度 :材齢1時間の圧縮強度は、幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠に設置したピンを、プルアウト型枠表面から急結性吹付けコンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引き抜き、その時の引き抜き強度を求め、(圧縮強度)=(引き抜き強度)×4/(供試体接触面積)の式から圧縮強度を算出した。材齢1日以降の圧縮強度は、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急結性吹付けコンクリートを吹き付け、採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を20トン耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
カルシウムアルミネート50部、セッコウa50部、及び急硬成分100部に対して、表2に示す量のアルミン酸塩からなる急結剤を、セメント100部に対して、10部使用して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
カルシウムアルミネート50部、セッコウa50部、及び急硬成分100部に対して、6部のアルミン酸塩からなる急結剤を、セメント100部に対して、表3に示す量を使用して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
セメント100部に対して、表4に示す高性能減水剤を混合して吹付けコンクリートとし、カルシウムアルミネート50部、セッコウa50部、及び急硬成分100部に対して、6部のアルミン酸塩からなる急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、スランプを測定した。結果を表4に示す。
高性能減水剤ア:市販ナフタレンスルホン酸塩系ホルマリン縮合物系高性能減水剤
高性能減水剤イ:市販ポリカルボン酸系高性能減水剤
スランプ :JIS A 1101に準じた。
セメント100部に対して、表5に示す増粘剤を混合して吹付けコンクリートとし、急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、粉塵量、ダレ、及び圧送性を測定した。結果を表5に示す。
増粘剤i :メチルセルロース
増粘剤ii :ヒドロキシプロピルセルロース
粉塵量 :急結性吹付けコンクリートを4m3/hの吹付け速度で30分間、鉄板でアーチ状に製作した高さ3.5m、幅2.5mの模擬トンネルに吹き付けた。10分毎に吹付け場所より3mの定位置で粉塵量を測定し、得られた測定値の平均値を示した。
ダレ :急結性吹付けコンクリートを模擬トンネルに吹き付けた後の状態を観察した。ダレが生じなかったものを優とし、ダレが少し生じたものを良とし、ダレが多く生じたものを不良とした。
圧送性 :急結性吹付けコンクリートを4m3/hの吹付け速度、0.4MPaの吐出圧力で、30分間圧送管を用いて吹き付け、圧送管内の圧力を測定した。圧送管内の圧力が0.4〜0.55MPaである場合を優、圧送管内が閉塞しやすくなる0.6MPa以上になっても、圧送管に衝撃を与えることにより0.4〜0.55MPaになる場合を良、圧送管が閉塞し、圧送管に衝撃を与えても0.4〜0.55MPaとならない場合を不良とした。
セメント100部に対して、表6に示す超微粉を混合して吹付けコンクリートを調製し、急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、リバウンド率を測定した。結果を表6に示す。
超微粉α :市販シリカフューム、平均粒径10μm以下
超微粉β :市販メタカオリン、平均粒径10μm以下
リバウンド率:急結性吹付けコンクリートを4m3/hの吹付け速度で30分間、模擬トンネルに吹き付けた。吹付け終了後、付着せずに落下した急結性吹付けコンクリートの量を測定し、(リバウンド率)=(吹付けの際に模擬トンネルに付着せずに落下した急結性吹付けコンクリートの重量)/(吹付けに使用した急結性吹付けコンクリートの重量)×100(%)の式より算出した。
コンクリート100容量部中、表7に示す量の繊維物質を混合して吹付けコンクリートとし、急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、耐衝撃性を測定した。結果を表7に示す。
繊維物質A:ビニロン繊維、繊維長10mm
繊維物質B:スチール繊維、繊維長30mm
耐衝撃性 :混練1時間後の吹付けコンクリートを、幅20cm、長さ20cm、厚さ2cmの型枠に吹き付けし、底面を取り外し、平らにならした標準砂の上に置き、重さ50gの球体を50cmの高さから落下させた。落下回数が5回以内でひびが入らなかったら優、ひびは入ったが破壊しなかったら良、ひびが入って破壊したら不良とした。
セメント100部に対して、高性能減水剤イ0.5部、表8に示す増粘剤iと超微粉α、並びに、コンクリート100容量部中、表8に示す量の繊維物質Aを混合して吹付けコンクリートとし、カルシウムアルミネート50部、セッコウa50部、及び急硬成分100部に対して、アルミン酸塩6部からなる急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例1と同様に行い、スランプ、リバウンド率、及び耐衝撃性を測定した。結果を表8に示す。
セメント450kg/m3、細骨材率60%、及びセメント100部に対して、表9に示す水を用い、セメント100部に対して、高性能減水剤イ0.5部を混合して吹付けコンクリートとし、急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、スランプを測定した。結果を表9に示す。
Claims (4)
- セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、アルカリ金属アルミン酸塩、及び高性能減水剤を含有してなり、セッコウが、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100部中、40〜60部であり、高性能減水剤が、セメント100部に対して、0.05〜3部である急結性吹付けセメントコンクリート組成物。
- セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、アルカリ金属アルミン酸塩、及び高性能減水剤を含有してなり、セッコウが、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100部中、40〜60部であり、カルシウムアルミネート、セッコウ、及びアルカリ金属アルミン酸塩の合計が、セメント100部に対して、5〜30部であり、高性能減水剤が、セメント100部に対して、0.05〜3部である急結性吹付けセメントコンクリート組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載の急結性吹付けセメントコンクリート組成物と、水とを含有してなる急結性吹付けセメントコンクリート。
- 請求項3記載の急結性吹付けセメントコンクリートを使用してなる吹付け材料。
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2008
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