JP2008156229A - 急結性吹付けセメントコンクリート組成物、急結性吹付けセメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け材料 - Google Patents

急結性吹付けセメントコンクリート組成物、急結性吹付けセメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け材料 Download PDF

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Isao Terajima
勲 寺島
Kenkichi Hirano
健吉 平野
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Abstract

【課題】道路、鉄道、及び導水路等のトンネルにおいて、露出した地山面へ吹き付けるときに使用する急結性吹付けセメントコンクリート組成物、急結性吹付けセメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け材料を提供する。
【解決手段】 セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、アルカリ金属アルミン酸塩、及び高性能減水剤を含有してなり、セッコウが、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100部中、40〜60部であり、高性能減水剤が、セメント100部に対して、0.05〜3部である急結性吹付けセメントコンクリート組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、道路、鉄道、及び導水路等のトンネルにおいて、露出した地山面へ吹き付けるときに使用する急結性吹付けセメントコンクリート組成物、急結性吹付けセメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け材料に関する。
従来、トンネルを掘削して露出した地山の崩落を防止するためなどに、急結剤をコンクリートに配合した急結性吹付けコンクリートの吹付け工法が行われている(特許文献1など参照)。
この吹付け工法は、通常、掘削工事現場に設置した計量混合プラントで、セメント、骨材、及び水を混合して吹付けコンクリートを調製し、アジテータ車で運搬し、コンクリートポンプで圧送し、その途中に設けた合流管で、他方から圧送した急結剤と混合し、急結性吹付けコンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹き付ける工法である。
この吹付け工法で使用する急結剤としては、カルシウムアルミネートに、アルカリ金属アルミン酸塩やアルカリ金属炭酸塩等を混合したものが使用されていた。
この急結性吹付けコンクリートは、凝結が速く、コンクリートが速やかに硬化するので、崩落の危険がある地山面を保護できるが、材齢28日後の長期強度は、急結剤を添加しない吹付けコンクリートと比較すると、30%前後低下するという課題があった。
このように、急結剤の添加により強度低下が起こるが、比較的安定した地山では、地山を保護するのには充分な強度であり、かなり不安定な地山においては、吹付け厚さを厚くすることにより対処されてきた。
特公昭60−004149号公報
しかしながら、吹付け厚さを大きくすることは、セメントや急結剤等の吹付け材料の使用量が多くなるので経済的に好ましくなく、作業時間も長くなるという課題があった。
近年、大断面トンネルの施工においては、地山の露出面積が大きくなり、吹付け材料の使用量も多く必要とすることから、より高い強度発現性が期待できる急結剤やそれを用いた吹付け材料の需要が大きくなりつつあり、長期強度低下のない高強度の急結性吹付けコンクリートが求められるようになった。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定のセメントコンクリート組成物を使用し吹付けを行うことにより、上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、アルカリ金属アルミン酸塩、及び高性能減水剤を含有してなり、セッコウが、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100部中、40〜60部であり、高性能減水剤が、セメント100部に対して、0.05〜3部である急結性吹付けセメントコンクリート組成物であり、カルシウムアルミネート、セッコウ、及びアルカリ金属アルミン酸塩の合計が、セメント100部に対して、5〜30部である該セメントコンクリート組成物であり、該セメントコンクリート組成物を用いた急結性吹付けセメントコンクリートであり、該セメントコンクリートを用いた吹付け材料である。
本発明の急結性吹付けセメントコンクリート組成物を使用することにより、材齢28日後の強度が低下しにくい吹付け材料とすることができ、高強度化することができる。従って、不安定な地山への吹付け材料として最適であり、吹付け厚さを薄くできるので経済的である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明ではペースト、モルタル、及びコンクリートを総称してセメントコンクリートという。
また、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明で使用するセメントとしては、通常市販されている普通、早強、中庸熱、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、並びに、これらのポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグなどを混合した各種混合セメントなどが挙げられる。また、これらを微粉末化して使用することも可能である。吹付けに要求されるリバウンド率や粉塵量の低減、圧送性、強度発現性、及び施工条件等の性能・条件に、より適したセメントの選択が可能であるが、一般的に使用できる普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントが好ましい。
また、フルオロカルシウムアルミネートを含有するフルオロセメントも使用可能である。さらに、CaOをC、AlをA、SiOをS、及びFeをFとすると、CS、CS、CA、及びCAFと示されるセメント中の鉱物組成の含有量を変更して焼成したクリンカーに、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、及び硫酸ナトリウムなどの硫酸塩を併用した特殊セメントも使用可能である。
本発明で使用するカルシウムアルミネートとは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料等を混合して、キルンでの焼成や電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaOとAlとを主たる成分とする、水和活性を有するものである。
カルシウムアルミネートの中では、反応活性の点で、非晶質のカルシウムアルミネートが好ましく、12CaO・7Al(C12)組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートがより好ましい。
カルシウムアルミネートの粒度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で5,000cm/g以上が好ましい。5,000cm/g未満では急結性や初期強度発現性が低下するおそれがある。
カルシウムアルミネートの使用量は、カルシウムアルミネートとセッコウの合計(以下、急硬成分という)100部中、40〜60部が好ましく、45〜55部がより好ましい。40部未満では初期凝結が遅れ、地山に対する付着性が小さくなるおそれがあり、60部を超えると長期強度発現性が小さくなるおそれがある。
本発明で使用するセッコウは、強度発現性を向上するために使用するもので、具体的には、無水セッコウ、半水セッコウ、及び二水セッコウなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することも可能である。これらの中では、強度発現性の点で、無水セッコウが好ましい。
セッコウの粒度は、強度発現性の点で、ブレーン値で2,500cm/g以上が好ましく、5,000cm/g以上がより好ましい。2,500cm/g未満では強度発現性が低下するおそれがある。
セッコウの使用量は、急硬成分100部中、40〜60部が好ましく、45〜55部がより好ましい。40部未満では長期強度発現性が小さくなるおそれがあり、60部を超えると初期凝結が遅れ、地山に対する付着性が小さくなるおそれがある。
本発明で使用するアルカリ金属アルミン酸塩(以下、アルミン酸塩という)は、セメントの初期凝結を促進するもので、例えば、水酸化アルミニウムとアルカリ金属水酸化物を混合溶解し、乾燥して粉末状として得られるものである。
アルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、及びアルミン酸リチウムなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することが可能である。これらの中では、凝結性の点で、アルミン酸ナトリウムが好ましい。
アルミン酸塩の90%粒子径は、0.3mm以下が好ましく、0.05〜0.2mmがより好ましい。0.05mm未満では吸湿して貯蔵安定性が小さくなるおそれがあり、0.3mmを超えると急結性が低下するおそれがある。
これらのアルミン酸塩は、製造条件により無水物又は結晶水を持つものなどが調製でき、いずれも使用可能であるが、カルシウムアルミネートと混合したときの貯蔵安定性が向上する点で、無水物が好ましい。
特に、カルシウムアルミネートと混合したときの貯蔵安定性が向上する点で、アルミン酸塩の強熱減量は10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。10%を超えるとカルシウムアルミネートと混合した場合に貯蔵安定性が低下し、品質が低下するおそれがある。なお、強熱減量とは、アルミン酸塩を電気炉中で1,000℃、24時間加熱し、〔1−(加熱後の重量)/(加熱前の重量)〕×100(%)の式から算出したものをいう。
アルミン酸塩の使用量は、長期強度発現性向上のため急硬成分100部に対して、10部未満が好ましく、2〜6部がより好ましい。
カルシウムアルミネート、セッコウ、及びアルカリ金属アルミン酸塩の合計(以下、急結剤という)は、セメント100部に対して、5〜30部が好ましく、7〜20部がより好ましい。5部未満では初期凝結が充分に得られないおそれがあり、30部を超えると、長期強度発現性が低下し、配管等が閉塞し、経済的に不利になるおそれがある。
本発明で使用する高性能減水剤は、セメントコンクリートの流動性や急結剤の分散安定性を改善するために使用するもので、単位水量を小さくし、高強度発現性や分散安定性を付与するものであり、高性能減水剤により、急結剤の使用量を少なくでき、粉塵の発生量やリバウンド率を極めて少なくすることが可能である。
高性能減水剤としては、アルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物系高性能減水剤、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物系高性能減水剤、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物系高性能減水剤、及びポリカルボン酸系高性能減水剤等が挙げられ、液状や粉状のいずれも使用でき、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。これらの中では、効果が大きい点で、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物系高性能減水剤、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物系高性能減水剤、及びポリカルボン酸系高性能減水剤が好ましい。
高性能減水剤の使用量は、セメント100部に対して、0.05〜3部が好ましく、0.1〜2部がより好ましい。0.05部未満では効果が得られなくなるおそれがあり、3部を超えるとセメントコンクリートの流動性は大きくなるが、セメントコンクリートに粘性が生じ、セメントコンクリートが圧送管の内面や、ミキサーの回転羽根に付着して施工性が低下したり、強度が低下したりするおそれがある。
本発明で必要に応じて使用する骨材は、吸水率が低くて、骨材強度が高いものが好ましく、細骨材率や骨材の最大寸法は吹付けできれば特に制限されるものではない。
細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂、及び珪砂等が使用でき、粗骨材としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が使用可能である。
本発明おける水の使用量は、強度発現性の点で、水/セメント比35%以上が好ましく、40〜60%がより好ましい。35%未満ではセメントコンクリートが充分に混合できなくなるおそれがあり、60%を超えると強度発現性が小さくなるおそれがある。
本発明では、さらに、セメントコンクリートの凝結硬化前のスランプなどの特性や凝結硬化後の強度特性等を改善するために、減水剤、増粘剤、超微粉、及び繊維物質からなる群より選ばれる一種又は二種以上の混和材を使用することが可能である。
減水剤とは、セメントコンクリートの流動性や急結剤の分散安定性を改善するために使用する高性能減水剤以外のものをいい、液状や粉状のものいずれも使用可能である。減水剤としては、ポリオール誘導体やリグニンスルホン酸塩やその誘導体等が挙げられる。
減水剤の使用量は、セメント100部に対して、0.05〜3部が好ましく、0.1〜2部がより好ましい。0.05部未満では効果が得られなくなるおそれがあり、3部を超えるとセメントコンクリートの流動性は大きくなるが、セメントコンクリートの骨材が分離しやすく、コンクリートポンプの圧送性が低下したり、強度が低下したりするおそれがある。
増粘剤とは、セメントコンクリートに粘性を与え、吹付け直後のダレを防止し、リバウンド率を小さくし、粉塵発生を抑制するものをいう。
増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシエチルエチルセルロースなどのセルロース類、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、β−1,3−グルカン、プルラン、グアガム、カゼイン、及びウェランガムなどの多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、及びポリブチレンオキサイドなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。これらの中では、初期凝結を阻害しにくい点で、セルロース類やポリエチレンオキサイドが好ましい。
増粘剤の使用量は、セメント100部に対して、0.001〜0.5部が好ましく、0.005〜0.3部がより好ましい。0.001部未満ではセメントコンクリートの粘性が小さく、吹き付けたときにダレが生じ、リバウンド率が大きくなるおそれがあり、0.5部を超えるとセメントコンクリートの粘性が大きくなり、セメントコンクリートの圧送性に支障を生じ、強度発現性を阻害するおそれがある。
超微粉とは、平均粒径10μm以下のものをいい、セメント量、粉塵量、及びリバウンド率を低減し、セメントコンクリートの圧送性を向上する効果がある。
超微粉としては、微粉スラグ、微粉フライアッシュ、ベントナイト、メタカオリオン、及びシリカフュームなどが挙げられ、これらの中では、強度発現性の点でシリカフュームが好ましい。
超微粉の使用量は、セメント100部に対して、1〜50部が好ましく、2〜30部がより好ましい。1部未満では効果が得られなくなるおそれがあり、50部を超えると凝結や硬化が遅延するおそれがある。
繊維物質とは、セメントコンクリートの耐衝撃性や弾性を向上させるものであり、無機質や有機質いずれも使用可能である。
無機質の繊維物質としては、ガラス繊維、炭素繊維、ロックウール、石綿、セラミック繊維、及び金属繊維等が挙げられ、有機質の繊維物質としては、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリル繊維、セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、パルプ、麻、木毛、及び木片等が挙げられる。これらの中では経済性の点で、金属繊維やビニロン繊維が好ましい。
繊維物質の長さは、圧送性や混合性等の点で、50mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましい。50mmを超えると圧送中にセメントコンクリートが圧送管等を閉塞するおそれがある。
繊維物質の使用量は、セメントコンクリート100容量部中、0.5〜3容量部が好ましく、0.7〜2容量部がより好ましい。0.5容量部未満では効果が得られなくなるおそれがあり、3容量部を超えると圧送性が低下し、効果がなくなるおそれがある。
さらに、本発明では、セメントコンクリートの凝結時間を遅延させるために、有機酸又はその塩、有機酸又はその塩と炭酸塩の混合物、リン酸塩、ホウ酸又はその塩、並びに、アルコール類等の凝結遅延剤を使用することも可能である。
本発明において、各材料の混合方法は特に限定されるものではないが、セメント、高性能減水剤、及び水を含有するセメントコンクリートを調製し、急結剤と混合して急結性吹付けセメントコンクリートとすることが好ましい。
高性能減水剤は、急結剤に添加することも可能であるが、単位水量を小さくし、強度発現性を向上させる点で、あらかじめセメントコンクリート側に添加することが好ましい。
また、混和材は、セメントコンクリート側、急結剤側のどちらにも添加でき、片側のみに使用してもよく、両側に併用してもよいが、強度向上、リバウンド防止、及び凝結コントロールの点で、セメントコンクリート側に添加することが好ましい。
本発明の吹付け工法においては、従来使用の吹付け設備等の使用が可能である。
本発明の吹付け工法としては、要求される物性、経済性、及び施工性等に応じた種々の吹付け工法が可能である。
本発明の吹付け工法としては、乾式吹付け工法も施工できるが、粉塵量が多くなるおそれがあるので、急結剤を使用する前にあらかじめ水をセメントコンクリート側に加えて混練りした湿式吹付け工法を使用することが好ましい。
湿式吹付け工法としては、例えば、セメント、細骨材、粗骨材、及び水を加えて混練して吹付けコンクリートとしたものを空気圧送し、途中にY字管などの合流管を設け、その一方から急結剤供給装置により急結剤を空気圧送し、合流混合して急結性吹付けコンクリートとしたものを吹き付ける方法が挙げられる。
本発明の吹付け工法においては、従来使用の吹付け設備等が使用可能である。通常、吹付け圧力は、0.2〜0.5MPa、吹付け速度は、4〜20m/hが好ましい。
吹付け設備は吹付けが充分に行われれば特に限定されるものではなく、例えば、吹付けセメントコンクリートの圧送には、アリバー社製商品名「アリバー280」などが、急結剤の圧送には急結剤圧送装置「ナトムクリート」などが、それぞれ使用可能である。
以下、実験例に基づき本発明を詳細に説明する。
実験例1
各材料の単位量を、セメント450kg/m、細骨材1,002kg/m、粗骨材671kg/m、及び水225kg/mとして、吹付けコンクリートを調製し、これをコンクリート圧送機「アリバー280」により空気圧送した。
一方、表1に示す量のカルシウムアルミネートとセッコウ、並びに、カルシウムアルミネートとセッコウからなる急硬成分100部に対して、6部のアルミン酸塩からなる急結剤を調製した。
吹付けコンクリートの空気圧送の途中に設けたY字管の一方より、調製した急結剤を、セメント100部に対して、10部となるように、急結剤添加装置「ナトムクリート」により吹付けコンクリートに添加して急結性吹付けコンクリートを調製した。この急結性吹付けコンクリートについて評価した。結果を表1に示す。
<使用材料>
セメント :普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3,200cm/g、比重3.16
細骨材 :新潟県青海産石灰砂、表面水率3.1%、比重2.64
粗骨材 :新潟県糸魚川市姫川産川砂利、表乾状態、比重2.65、最大骨材寸法10mm
カルシウムアルミネート:C12組成に対応するもの、非晶質、ブレーン値6,050cm/g
セッコウa:市販無水セッコウの粉砕品、ブレーン値5,900cm/g
セッコウb:市販二水セッコウの粉砕品、ブレーン値5,200cm/g
セッコウc:市販硫酸アルミニウムの粉砕品、ブレーン値5,900cm/g
アルミン酸塩:アルミン酸ナトリウム、市販品、強熱減量2.1%、90%粒子径0.2mm
<測定方法>
圧縮強度 :材齢1時間の圧縮強度は、幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠に設置したピンを、プルアウト型枠表面から急結性吹付けコンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引き抜き、その時の引き抜き強度を求め、(圧縮強度)=(引き抜き強度)×4/(供試体接触面積)の式から圧縮強度を算出した。材齢1日以降の圧縮強度は、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急結性吹付けコンクリートを吹き付け、採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を20トン耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
実験例2
カルシウムアルミネート50部、セッコウa50部、及び急硬成分100部に対して、表2に示す量のアルミン酸塩からなる急結剤を、セメント100部に対して、10部使用して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実験例3
カルシウムアルミネート50部、セッコウa50部、及び急硬成分100部に対して、6部のアルミン酸塩からなる急結剤を、セメント100部に対して、表3に示す量を使用して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
実験例4
セメント100部に対して、表4に示す高性能減水剤を混合して吹付けコンクリートとし、カルシウムアルミネート50部、セッコウa50部、及び急硬成分100部に対して、6部のアルミン酸塩からなる急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、スランプを測定した。結果を表4に示す。
(使用材料)
高性能減水剤ア:市販ナフタレンスルホン酸塩系ホルマリン縮合物系高性能減水剤
高性能減水剤イ:市販ポリカルボン酸系高性能減水剤
<測定方法>
スランプ :JIS A 1101に準じた。
実験例5
セメント100部に対して、表5に示す増粘剤を混合して吹付けコンクリートとし、急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、粉塵量、ダレ、及び圧送性を測定した。結果を表5に示す。
<使用材料)
増粘剤i :メチルセルロース
増粘剤ii :ヒドロキシプロピルセルロース
<測定方法>
粉塵量 :急結性吹付けコンクリートを4m/hの吹付け速度で30分間、鉄板でアーチ状に製作した高さ3.5m、幅2.5mの模擬トンネルに吹き付けた。10分毎に吹付け場所より3mの定位置で粉塵量を測定し、得られた測定値の平均値を示した。
ダレ :急結性吹付けコンクリートを模擬トンネルに吹き付けた後の状態を観察した。ダレが生じなかったものを優とし、ダレが少し生じたものを良とし、ダレが多く生じたものを不良とした。
圧送性 :急結性吹付けコンクリートを4m/hの吹付け速度、0.4MPaの吐出圧力で、30分間圧送管を用いて吹き付け、圧送管内の圧力を測定した。圧送管内の圧力が0.4〜0.55MPaである場合を優、圧送管内が閉塞しやすくなる0.6MPa以上になっても、圧送管に衝撃を与えることにより0.4〜0.55MPaになる場合を良、圧送管が閉塞し、圧送管に衝撃を与えても0.4〜0.55MPaとならない場合を不良とした。
実験例6
セメント100部に対して、表6に示す超微粉を混合して吹付けコンクリートを調製し、急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、リバウンド率を測定した。結果を表6に示す。
<使用材料>
超微粉α :市販シリカフューム、平均粒径10μm以下
超微粉β :市販メタカオリン、平均粒径10μm以下
<測定方法>
リバウンド率:急結性吹付けコンクリートを4m/hの吹付け速度で30分間、模擬トンネルに吹き付けた。吹付け終了後、付着せずに落下した急結性吹付けコンクリートの量を測定し、(リバウンド率)=(吹付けの際に模擬トンネルに付着せずに落下した急結性吹付けコンクリートの重量)/(吹付けに使用した急結性吹付けコンクリートの重量)×100(%)の式より算出した。
実験例7
コンクリート100容量部中、表7に示す量の繊維物質を混合して吹付けコンクリートとし、急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、耐衝撃性を測定した。結果を表7に示す。
<使用材料>
繊維物質A:ビニロン繊維、繊維長10mm
繊維物質B:スチール繊維、繊維長30mm
<測定方法>
耐衝撃性 :混練1時間後の吹付けコンクリートを、幅20cm、長さ20cm、厚さ2cmの型枠に吹き付けし、底面を取り外し、平らにならした標準砂の上に置き、重さ50gの球体を50cmの高さから落下させた。落下回数が5回以内でひびが入らなかったら優、ひびは入ったが破壊しなかったら良、ひびが入って破壊したら不良とした。
実験例8
セメント100部に対して、高性能減水剤イ0.5部、表8に示す増粘剤iと超微粉α、並びに、コンクリート100容量部中、表8に示す量の繊維物質Aを混合して吹付けコンクリートとし、カルシウムアルミネート50部、セッコウa50部、及び急硬成分100部に対して、アルミン酸塩6部からなる急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例1と同様に行い、スランプ、リバウンド率、及び耐衝撃性を測定した。結果を表8に示す。

実験例9
セメント450kg/m、細骨材率60%、及びセメント100部に対して、表9に示す水を用い、セメント100部に対して、高性能減水剤イ0.5部を混合して吹付けコンクリートとし、急結剤を、セメント100部に対して、10部混合して急結性吹付けコンクリートとしたこと以外は実験例2と同様に行い、スランプを測定した。結果を表9に示す。
本発明の急結剤を使用することにより、材齢28日後の強度が低下しにくい吹付け材料とすることができ、高強度化することができる。従って、不安定な地山への吹付け材料として最適であり、吹付け厚さを薄くできるので経済的である。

Claims (4)

  1. セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、アルカリ金属アルミン酸塩、及び高性能減水剤を含有してなり、セッコウが、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100部中、40〜60部であり、高性能減水剤が、セメント100部に対して、0.05〜3部である急結性吹付けセメントコンクリート組成物。
  2. セメント、カルシウムアルミネート、セッコウ、アルカリ金属アルミン酸塩、及び高性能減水剤を含有してなり、セッコウが、カルシウムアルミネートとセッコウの合計100部中、40〜60部であり、カルシウムアルミネート、セッコウ、及びアルカリ金属アルミン酸塩の合計が、セメント100部に対して、5〜30部であり、高性能減水剤が、セメント100部に対して、0.05〜3部である急結性吹付けセメントコンクリート組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の急結性吹付けセメントコンクリート組成物と、水とを含有してなる急結性吹付けセメントコンクリート。
  4. 請求項3記載の急結性吹付けセメントコンクリートを使用してなる吹付け材料。



JP2008011917A 1997-10-17 2008-01-22 急結性吹付けセメントコンクリート組成物、急結性吹付けセメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け材料 Pending JP2008156229A (ja)

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