JPH09267779A - 三角形状走行履帯装置、および、その三角形状走行履帯装置を装着した建設機械 - Google Patents

三角形状走行履帯装置、および、その三角形状走行履帯装置を装着した建設機械

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JPH09267779A
JPH09267779A JP35288896A JP35288896A JPH09267779A JP H09267779 A JPH09267779 A JP H09267779A JP 35288896 A JP35288896 A JP 35288896A JP 35288896 A JP35288896 A JP 35288896A JP H09267779 A JPH09267779 A JP H09267779A
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JP
Japan
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sprocket
idler
track
vehicle body
triangular
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JP35288896A
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Inventor
Kazutoshi Hori
一俊 堀
Haruhiro Tsubota
晴弘 坪田
Tatsuo Yamashita
辰雄 山下
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不整地で走行可能に揺動自在で不整地に密着
性が良く、かつ、揺動を係止できて被牽引力が大きいと
ともに、外観形状が大きくならないで重い重量を受けら
れる三角形状走行履帯装置と、接地圧が低い、実牽引力
の大きい、振動が少なく安定性の良い、高速走行が可能
で、かつ、作業性の優れた三角形状走行履帯装置を装着
した建設機械を提供する。 【解決手段】 車体側からの動力により回転自在のスプ
ロケットと、スプロケットの軸芯を中心としてスプロケ
ットに軸受を介して揺動自在に支持されるとともに、ス
プロケットの下方で、かつ、スプロケットの軸芯わ通る
垂直線に対して前後方向にほぼ等しい長さを有するトラ
ックフレームと、トラックフレームに装着されたスプロ
ケット、前方アイドラ、及び後方アイドラに巻装された
履帯とからなる三角形状走行履帯装置において、トラッ
クフレームを支持する軸受をスプロケットに対して車体
外側に配置下ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三角形状走行履帯
装置、および、その三角形状走行履帯装置を装着した建
設機械に係わり、特には、不整地で走行可能に揺動自在
で、かつ、揺動を係止できるとともに、外観形状が大き
くならないで重い重量を受けられる三角形状走行履帯装
置と、その三角形状走行履帯装置を装着した不整地で走
行性能、あるいは、作業性の優れた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般道路、及び、泥ねい地、積雪地、原
野等においても走行するのに好適な操舵式クローラ車に
係わるものとして、特開平4−8682号公報及び特開
平6−305456号公報が提案されている。特開平4
−8682号公報の操舵式クローラ車には、車両本体の
前輪軸及び後輪軸に車輪ハブを介して、クローラを取付
ける。クローラは、履帯と、この履帯を駆動する駆動輪
と、履帯とともに転がる少なくとも二個の転輪と、この
転輪の間にあって接地方向にその取付け位置を調整自在
に取付けた中間軸とからなる。また、駆動輪は車輪ハブ
の端部に配置した軸受に支持され、かつ、軸受の車体の
外方に取着されている。これにより、履帯の長手方向の
接地圧力分布が中間の転輪部分に集中できるので操舵時
に受ける旋回抵抗モーメントを小さくでき、所要操舵力
も小さくできることが記載されている。
【0003】また、特開平6−305456号公報の回
転防止付操舵式クローラ車には、車軸の駆動力を伝達す
るスプロケットと、車軸まわりに回転するよう取付けら
れた転輪板と、それに固定された転輪及びストッパと、
ストッパと転輪まわりに装着された履帯と、ストッパの
回転を制限する車体側に固定された制限用ブラケットと
からなる。これにより、転輪大相当の凹地があってもク
ローラは落ちることなく通過が可能となり、凹凸の激し
い不整地における走破性が一段と向上することが記載さ
れている。
【0004】また、低振動及び脱輪に係わるものとし
て、特開平7−101365号公報が提案されている。
同公報によれば、前後で一対とされた内転輪と外転輪が
取り付けられた揺動ブラケットを、内転輪と外転輪とが
相反的に上下するように一対の内転輪と外転輪の前後途
中部で車体に回動自在に連結する。この揺動ブラケット
の回動軸と内転輪の車軸との前後水平方向の距離が、揺
動ブラケットの回動軸と外転輪の車軸との前後水平方向
の距離よりも大きくなるよう配置されている。これによ
り、車体の振動は揺動ブラケットの回動軸の上下方向変
位によって生ずるものであり、揺動ブラケットの回動軸
と内転輪と車軸との前後水平方向の距離が、揺動ブラケ
ットの回動軸と外転輪の車軸との前後水平方向の距離よ
りも大きくされているため、可及的に揺動ブラケットの
回動軸の上下方向変位が減少され、したがつて、可及的
に振動低減が図られることとなる。また、内転輪と外転
輪とが取り付けられた揺動ブラケットは車体に対して回
動自在であるから、これら内転輪及び外転輪が共に接地
するように揺動ブラケットが回動するため、内転輪は無
端帯の内周側を常時転動し、脱輪防止をする。
【0005】また、クローラに対してスプロケットが空
転を防止するのに係わるものとして、特開平7−205
851号公報が提案されている。同公報によれば、スプ
ロケット、アイドラー及びその間に備えられるローラー
と、これらに巻き掛けられる単突起駆動型ゴムクローラ
走行装置であって、ゴムクローラの内周面より突出する
単突起の左右を支持する二枚の大径の円板を間隔を隔て
て固定したアイドラーと、単突起の左右を転動する二枚
の小径の円板を間隔を隔てて固定したローラーと、二枚
の大径の円板を間隔を隔てて固定し円板間に駆動ピンを
間隔もって多数備え、駆動ピンと単突起とを係合して駆
動力を伝達するスプロケットとからなる。これにより、
駆動ピンがゴム突起に接触して駆動力を付与することと
なり、好ましくは一対の駆動ピンが左右同時にゴム突起
の左右に接触することとなるのであり、ピンの交換時に
あっても取り替え作業が楽に行えるようになったもので
あることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
特開平4−8682号公報では、駆動輪は車輪ハブの端
部に配置した軸受に支持され、かつ、軸受の車体の外方
に取着されているため、左右の駆動輪の幅のケージ間隔
が大きくなり、車体の幅が広くなる。また、このために
偏荷重となり、負荷荷重が大きい建設機械では、軸受、
軸が大きくなり、それに伴い外形形状が大きくなる。ま
た、所要操舵力を小さくするために、履帯の長手方向の
接地圧力分布は中間の転輪部分に集中する必要があり、
このために転輪の取付け位置を接地方向に調整してい
る。このため、取付け位置を調整する装置が必要となり
構造が複雑になるとともに、その操作は車体の重量がか
かるため面倒であり、また、その工数が多くかかる。
【0007】特開平6−305456号公報では、車軸
まわりに回転するよう取付けられた転輪板に装着された
ストッパと、ストッパの回転を制限する車体側に固定さ
れた制限用ブラケットとからなり、凹地では転輪がスト
ッパに当接して下方に回動することがなくなり、転輪大
相当の凹地があってもクローラは落ちることなく通過が
可能である。しかし、転輪が下方に回動しないため、突
起物があるゴム履帯をスプロケットと転輪に巻き付ける
ことは非常に困難である。
【0008】特開平7−101365号公報では、車体
に装着された二つの回動軸のそれぞれに揺動ブラケット
が装着され、その揺動ブラケットに回動軸から外転輪が
内転輪よりも近くの距離に装着されているため、車体の
重量が外転輪に多くかかる。このため外転輪が芯金上に
あるときと、芯金間にあるときでは、外転輪の位置が上
下方向に変動するとともに、揺動ブラケットが揺動する
ために距離の離れている内転輪の振動が大きくなり、履
帯の上下の振幅が大きくなる。このため、車体が振動す
るとともに、履帯の上下の振幅が大きくなりため、耐久
性が低下する。また、車体の左右方向の傾斜地では、同
公報の図3に示すように転輪が一方のゴム履帯に当接す
るため、ゴム履帯と地面との密着性が低下し、牽引力が
低下する。
【0009】特開平7−205851号公報では、二枚
の大径の円板を間隔を隔てて固定し円板間に駆動ピンを
間隔もって多数備え、この駆動ピンがゴム突起に接触し
て駆動力を付与する。また、二枚の大径の円板とゴムク
ローラの内周面の接触部の摩擦により駆動力を付与す
る。しかし、建設機械では車体重量及びその作業の負荷
荷重が大きいため、大きな駆動力が必要となり付与する
駆動力がまだ小さいという問題がある。
【0010】本発明は上記従来の問題点に着目し、三角
形状走行履帯装置、及び、その三角形状走行履帯装置を
装着した建設機械に係わり、特には、不整地で走行可能
に揺動自在で不整地に密着性が良く、かつ、揺動を係止
できて被牽引力が大きいとともに、外観形状が大きくな
らないで重い重量を受けられる三角形状走行履帯装置
と、それを用いて、接地圧が低い、実牽引力の大きい、
振動が少なく安定性の良い、高速走行が可能で、かつ、
作業性の優れた三角形状走行履帯装置を装着した建設機
械を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために本発明に係る三角形状走行履帯装置の第1の
発明では、車体側からの動力により回転自在のスプロケ
ットと、スプロケットの軸芯を中心としてスプロケット
に軸受を介して揺動自在に支持されるとともに、スプロ
ケットの下方で、かつ、スプロケットの軸芯を通る垂直
線に対して前後方向にほぼ等しい長さを有するトラック
フレームと、トラックフレームの前方端部に設けられた
前方アイドラと、トラックフレームの後方端部に設けら
れた後方アイドラと、スプロケット、前方アイドラ、及
び後方アイドラに巻装された履帯とからなる三角形状走
行履帯装置において、トラックフレームを支持する軸受
をスプロケットに対して車体外側に配置したことを特徴
とする。これにより、トラックフレーム部の揺動を支持
するトラックフレーム用の軸受は、スプロケットの車体
外方に配置したため、車体内方に配置したときよりもゴ
ム履帯のゲージ幅を小さくできる。このため、車体の幅
もまた小さくでき、狭い場所への進入、及び運搬性が向
上する。
【0012】三角形状走行履帯装置の第1の発明を主体
とする第2の発明では、トラックフレームを支持する二
つの軸受と、二つの軸受を収納する所定の外径、及び、
二つの軸受を収納する車体の左右方向に所定の幅を有す
るトラックフレームと一体で、かつ、スプロケットに対
して車体外側に配置されたトラックケースと、履帯を駆
動する所定の外径を有する歯あるいはリングを有するス
プロケットと、スプロケットにより駆動される所定の幅
を有する履帯とからなり、トラックケースは、軸受を収
納する所定の外径がスプロケットの歯あるいはリングの
所定の外径よりも小さく、かつ、トラックケースはスプ
ロケットの外側に配置されるとともに、左右方向の所定
の幅は履帯の幅内に収納されたことを特徴とする。これ
により、トラックフレーム用の軸受は、スプロケットの
車体外方に配置するとともに、遊星歯車等の減速機の直
径方向の外方に配置したため車体幅が小さくなる。ま
た、遊星歯車等の減速機の直径方向の外方とスプロケッ
トの外径以下の間に配置したため、軸受の負荷容量が大
きくでき高負荷を必要とする建設機械でも耐久性の良い
揺動可能な三角形状走行履帯装置が得られる。また、ト
ラックケースをスプロケットの外側に配置したが、無限
履帯のゴム履帯を組付けるときにも、トラックケースの
外径はスプロケットの駆動歯の歯底径よりも小さくした
ため、組立性、及び整備性が良い。
【0013】三角形状走行履帯装置の第3の発明では、
車体側からの動力により回転自在のスプロケットと、ス
プロケットの下方に配置され、かつ、スプロケットの軸
芯を通る垂直線に対して前後方向にほぼ等しい長さを有
するトラックフレームと、トラックフレームの前方端部
に設けられた前方アイドラと、トラックフレームの後方
端部に設けられた後方アイドラと、スプロケット、前方
アイドラ、及び後方アイドラに卷装された履帯とからな
る三角形状走行履帯装置において、シリンダボトム部、
あるいはピストンロッド先端部を車体に揺動自在に取着
され、ピストンロッド先端部、あるいはシリンダボトム
部をトラックフレームの前方アイドラ近傍に揺動自在に
取着されてトラックフレーム前部を車体に支持する第1
油圧シリンダと、シリンダボトム部、あるいはピストン
ロッド先端部を車体に揺動自在に取着され、ピストンロ
ッド先端部、あるいはシリンダボトム部をトラックフレ
ームの後方アイドラ近傍に揺動自在に取着されてトラッ
クフレーム後部を車体に支持する第2油圧シリンダと、
第1油圧シリンダのボトム側と第2油圧シリンダのボト
ム側とを連通する第1油圧回路と、第1油圧シリンダの
ヘッド側と第2油圧シリンダのヘッド側とを連通する第
2油圧回路とを備えた構成としたことを特徴とする。こ
れにより、前進走行中に前方アイドラが地表の障害物等
に衝突した場合、第1油圧シリンダは短縮されて前方ア
イドラは上方に押し上げられるとともに、第1油圧シリ
ンダのボトム側の油は第1油圧回路を通って第2油圧シ
リンダのボトム側に至り、第2油圧シリンダを伸長して
後方アイドラを下方に押し下げる。このため、前方アイ
ドラの位置は高くなって障害物等を容易に乗り越えて走
行することができる。また、第1油圧シリンダと第2油
圧シリンダのボトム側の圧力は常に同一である。したが
って履帯の接地圧は均等化され、軟弱地での走行性が良
い。
【0014】三角形状走行履帯装置の第3の発明を主体
とする第4の発明では、前記第1油圧シリンダのボトム
側と前記第2油圧シリンダのボトム側とを連通する第1
油圧回路上にアキュムレータを介装したことを特徴とす
る。これにより、前方アイドラが地表の障害物等に衝突
した場合、その衝撃力はアキュムレータに吸収され、乗
り心地を向上することができる。
【0015】三角形状走行履帯装置の第5の発明では、
車体側からの動力により回転自在のスプロケットと、ス
プロケットの軸芯を中心としてスプロケットに軸受を介
して揺動自在に支持されるとともに、スプロケットの下
方で、かつ、スプロケットの軸芯に対して前後方向にほ
ぼ等しい長さを有するトラックフレームと、トラックフ
レームの前方端部に設けられた前方アイドラと、トラッ
クフレームの後方端部に設けられた後方アイドラと、前
方アイドラと後方アイドラとの間に配設された複数のト
ラックローラと、スプロケット、前方アイドラ、ロー
ラ、及び後方アイドラに巻装された履帯とからなる三角
形状走行履帯装置において、前方アイドラとその横のロ
ーラとの間、後方アイドラとその横のローラとの間、及
び、前後アイドラ間のピッチPを P=〔(0.5±0.2)+N〕×LP ただし、N=整数、 LP=履帯ピッチ とすることを特徴とする。これにより、前方側アイドラ
あるいはその横のローラのいずれか、及び、後方側アイ
ドラあるいはその横のローラのいずれかが芯金間の突起
部に乗っている。このため、前方側アイドラあるいは後
方側アイドラのいずれかが芯金間で突起部から落ちてト
ラックフレーム部のフレームが円筒状ケースを中心とし
て回動しても、アイドラの隣にある最終のトラックロー
ラは芯金間の突起部に乗っているため、ここでこの回動
を支える。したがって、その回動量δは少なくなる。ま
た、スプロケットは、前方側アイドラ部と後方側アイド
ラ部とのほぼ中間に配置されているため、前方側では前
方側アイドラあるいはその横のトラックローラのいずれ
か、また、後方側では後方側アイドラあるいは最終のト
ラックローラのいずれかが、芯金間の突起部に乗ってい
るためにフレームが上下に移動する移動量が少なくな
る。このため、走行時の振動は少なくなる。
【0016】三角形状走行履帯装置の第6の発明では、
車体側からの動力で無限履帯を回転するスプロケットを
上方の頂点に、かつ、上方のスプロケットを中心として
車体の前後方向に回動するとともに、車体側からの操向
力を受けて車体の左右方向に揺動する三角形状の走行履
帯装置のトラックフレームと、車体側からの操向力を受
けてトラックフレームを車体の左右方向に揺動するナッ
クルアームとを有する三角形状走行履帯装置において、
ナックルアームにトラックフレームの車体の前後方向の
回動量を規制する規制部材、あるいは/及び、ナックル
アームにトラックフレームの車体の前後方向の回動を停
止するブレーキを配設したことを特徴とする。これによ
り、揺動するトラックフレームを車体の前後方向で任意
の位置でブレーキを用いて、回動を停止できるので定置
して作業を行う建設機械では、揺動を係止できて被牽引
力が大きいとともに、凹凸した不整地でもその地面にな
らって車両を定置して作業ができるので、作業性及び車
体の安定性が向上する。三角形状走行履帯装置とともに
揺動するナックルアームに規制部材、あるいは/及び、
ブレーキを付設したために、簡単な構成により確実に規
制できる。
【0017】三角形状走行履帯装置の第7の発明では、
車体側からの動力により回転自在のスプロケットと、ス
プロケットの軸芯を中心としてスプロケットに軸受を介
して揺動自在に支持されるとともに、スプロケットの下
方で、かつ、スプロケットの軸芯を通る垂直線に対して
前後方向にほぼ等しい長さを有するトラックフレーム
と、トラックフレームの前方端部に設けられた前方アイ
ドラと、トラックフレームの後方端部に設けられた後方
アイドラと、トラックフレームの下方で、かつ、前方ア
イドラと後方アイドラとの間に設けられた複数のローラ
と、スプロケット、前方アイドラ、ローラ及び後方アイ
ドラに巻装された履帯とからなる三角形状走行履帯装置
において、前方アイドラとローラ、及び、後方アイドラ
とローラとをそれぞれL字形状のアームの端部に取着す
るとともに、アームの中間部を揺動自在に軸を介してト
ラックフレームに取着したことを特徴とする。これによ
り、前方アイドラとローラ、及び、後方アイドラとロー
ラとをアイドラボギーとして揺動自在とするとともに、
前方アイドラと後方アイドラとの間のほぼ中間部に揺動
支点を設けているため、不整地でも前方アイドラ、ロー
ラ、及び後方アイドラは地面に良く密着するため、建設
機械のように重量が大きい車両でも接地圧が低い泥ねい
地、積雪地、原野等においても安定して走行できるのは
勿論のこと、作業も行える。また、地面に良く密着する
ため、実牽引力の大きい、振動が少なく安定性の良い、
及び作業性の優れた三角形状走行履帯装置が得られる。
また、凹凸の不整地に三角形状走行履帯装置が行くと、
ゴム履帯は凹凸地に沿うため周長が長くなるため、履帯
は、ゴムベルトの張り、及び履帯張り調整装置から力を
受けるので履帯は緩むことがない。
【0018】三角形状走行履帯装置の第7の発明を主体
とする第8の発明では、軸の中心に対する前方アイドラ
及び後方アイドラの中心の距離をローラの中心の距離よ
りも大きくしたことを特徴とする。これにより、アイド
ラとの中心の距離をローラの中心の距離よりも大きく離
間することにより、接地圧力分布はローラの下が接地圧
力は高くなる。これにより、三角形状走行履帯装置で、
かつ、操向装置を有する車両においては、簡単な構成で
ステアリング力を小さくできる。
【0019】三角形状走行履帯装置の第7の発明あるい
は第8の発明を主体とする第9の発明では、軸と前方ア
イドラあるいは軸と後方アイドラとの間のいずれかに履
帯張り手段を設けたことを特徴とする。これにより、凹
凸の不整地に三角形状走行履帯装置が行くと、履帯は、
ゴムベルトの張り、及び履帯張り調整装置から力を受け
るのでゴム履帯は凹凸地に沿う周長が長くなるため、履
帯は緩むことがない。また、履帯張り調整装置は、内周
に突起物のあるゴムベルトを三角形状走行履帯装置に組
付けるときに、履帯張り調整装置を短くすることにより
容易に装着できる。
【0020】三角形状走行履帯装置の第1の発明あるい
は第9の発明を主体とする第10の発明では、内方に突
出した突起物を有する無限履帯と、無限履帯を駆動する
所定の外径のリング、及び、そのリングに固定し、か
つ、リングより外方に突出したピンを有するスプロケッ
トとからなる。これにより、リングに固定されたピンは
ゴムベルトを回転駆動するとき、ゴムベルトを突出した
距離だけゴムを圧縮して回転駆動している。突出した距
離だけゴムベルトを圧縮するためスベリが少なくなり摩
擦力が増大し回転駆動力を増すことができる。特に、固
定されたピンで圧縮するため、スベリが少なくなり摩擦
力が増大するとともに、リング及び歯先に固定している
ため構造が簡単になる。また、摩擦力を増大したため、
建設機械等の負荷が増してもゴムベルト及びスプロケッ
トの耐久性が向上する。
【0021】三角形状走行履帯装置の第1の発明から第
10の発明を主体とする第11の発明では、前方アイド
ラ及び後方アイドラとを緩衝手段を用いて連結したこと
を特徴とする。これにより、前方から衝撃、あるいは、
負荷を受けた時には、前方側アイドラ部と後方側アイド
ラ部と履帯張り調整装置とが一体となり後方に移動す
る。このため、履帯は前方側アイドラ部から力を受けた
とき、後方側アイドラ部が共に後方に移動するので履帯
は緩むことがない。したがって、履帯は前方側アイドラ
部、後方側アイドラ部、及び、トラックローラから外れ
ることがなくなる。また、後方側アイドラ部から後方か
ら衝撃あるいは、負荷を受けた時も、同様に一体となり
後方に移動するので、履帯は緩むことがない。また、衝
撃、あるいは、負荷を受けた時には張り調整用シリンダ
で受けるので油で衝撃荷重を受けるため、前方側アイド
ラ部、後方側アイドラ部、及びゴム履帯に及ぼす衝撃を
減少できる。
【0022】三角形状走行履帯装置の第7の発明から第
11の発明を主体とする第12の発明では、内方に突出
した突起物を有する無限履帯と、無限履帯を駆動する所
定の外径を有する歯あるいは所定の外径をリング及びリ
ングより外方に突出し無限履帯と噛み合う突起物を有す
る固定したピンを有するスプロケットと、アームの時計
方向及び反時計方向の揺動量を規制するストッパとから
なり、無限履帯を組付け時、アームとストッパとを当接
したときに、ストッパは、スプロケットと前方アイドラ
と後方アイドラの無限履帯が接する外径の長さと、スプ
ロケットと前方アイドラ、スプロケットと後方アイド
ラ、及び、前方アイドラと後方アイドラ、との接線の長
さを加えた周長が、アームとストッパが当接しないとき
の周長よりも短くなるようトラックフレームに付設した
ことを特徴とする。これにより、内方の突起物部分があ
る無限履帯を三角形状走行履帯装置に組付け時に、スト
ッパとトラックローラ用サポート部材とを当接すること
により、無限履帯を三角形状走行履帯装置に容易に組付
けることができる。また、このとき、三角形状走行履帯
装置を浮かせると、アイドラの重量によりストッパに容
易に当接できるので、作業性、整備性が向上する。
【0023】三角形状走行履帯装置を有する建設機械の
第1の発明では、動力源からの動力を車体の左右に伝え
るアクスル装置と、アクスル装置からの動力を受けて無
限履帯を回転する左右のスプロケットと、アクスル装置
と左右のスプロケットとの間に配設されて動力を伝える
左右の出力軸と、スプロケットを上方の頂点に、かつ、
上方のスプロケットを中心として車体の前後方向に回動
する三角形状の走行履帯装置を有する建設機械におい
て、出力軸、あるいは、アクスル装置に外部からの指令
で左右の出力軸をそれぞれ逆方向に回転させる超信地旋
回手段を付設したことを特徴とする。これにより、オペ
レータは、超信地旋回したい場合には信地旋回用指令ス
イッチを、右旋回あるいは左旋回の旋回したい方向に操
作することにより、アクスル装置が外部からの指令によ
り逆転し容易に超信地旋回が可能になる。
【0024】三角形状走行履帯装置を有する建設機械の
第1の発明を主体とする第2の発明では、超信地旋回手
段は、左右の出力軸のいずれかに付設したギヤとアクス
ルケースに付設した油圧モータ、あるいは、アクスル装
置及びアクスル装置とアクスルケースとの間に付設した
クラッチからなることを特徴とする。これにより、アク
スル装置に油圧モータ、あるいは、クラッチを付加する
ことにより行えるため構成が簡単になるとともに、信地
旋回用指令スイッチを操作するだけでよく操縦が簡単
で、容易に超信地旋回ができる。
【0025】三角形状走行履帯装置を有する建設機械の
第3の発明では、車体側からの動力で無限履帯を回転す
るスプロケットを上方の頂点に、かつ、上方のスプロケ
ットを中心として揺動する三角形状の走行履帯装置を下
部走行体として有するとともに、下部走行体に取着され
た車体に掘削、搭載、及び、吊り荷等の作業を行う作業
装置を有する三角形状走行履帯装置を装着した建設機械
において、車体の前後左右に配設された4個の三角形状
走行履帯装置の揺動を係止して作業を行うことを特徴と
する。これにより、建設機械の前後方向の凹凸あるいは
段差をトラックフレームの揺動により前後方向の段差を
吸収できるので安心して運転ができるとともに、車両の
反力を受けるスプロケットの中心の距離が大幅に長くな
り、バケットによる掘削力を大幅に増加することができ
る。
【0026】三角形状走行履帯装置を有する建設機械の
第4の発明では、車体側からの動力で無限履帯を回転す
るスプロケットを上方の頂点に、かつ、上方のスプロケ
ットを中心として揺動する三角形状の走行履帯装置の下
部走行体と、下部走行体を駆動するアクスル装置と、ア
クスル装置に取着された車体と、車体に掘削、搭載、及
び、吊り荷等の作業を行う作業装置を有する三角形状走
行履帯装置を装着した建設機械において、車体とアクス
ル装置とを連結して車体に対して三角形状走行履帯装置
を上下方向に移動する揺動装置と、車体とアクスル装置
とを連結して車体に対して三角形状走行履帯装置を上下
方向、あるいは/及び左右方向に移動するとともに、衝
撃を吸収するサスシリンダ装置と、車体とアクスル装置
とを連結して車体に対して三角形状走行履帯装置を左右
方向に揺動自在に傾動する連結リンク装置と、アクスル
装置に揺動自在に連結するとともに、その揺動を停止す
るブレーキとを有する車体の前後左右に配設された4個
の三角形状走行履帯装置と、からなることを特徴とす
る。これにより、前後方向にも不整地を走行する場合に
は、アクスル連結装置及びサスシリンダ装置により車両
の左右方向の凹凸あるいは段差を吸収できるとともに、
トラックフレームの揺動により前後方向の段差を吸収で
きるので、車体は傾くことなく走行できる。このため、
傾くことなく走行できるので安心して運転ができるとと
もに、さらに、サスシリンダ装置及びアイドラボギー部
により振動が吸収されるため乗り心地が大幅に良好にな
る。また、車体の前後左右に揺動自在な履帯を装着した
ため土が湿地帶のような柔らかい所でも走行できるのは
勿論のこと、三角形状走行履帯装置の走行面の全体が土
が密着するので、建設機械のように重量が重い車両でも
土が湿地帶のような柔らかい所でも走行できる。また、
三角形状走行履帯装置の走行面の全体が土が密着するの
で固い土では牽引力が増し、不整地の走行、あるいは、
作業機の大きな反力を受けるため、作業性が向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る建設機械の
三角形状走行履帯装置の実施例について、図面を参照し
て詳述する。図1は、三角形状走行履帯装置を装着した
建設機械の実施例の側面図であり、建設機械1は車体2
の上に上部旋回体3が装着され、上部旋回体3にはバケ
ット等を有する作業機4が付設されている。また車体2
には走行装置である三角形状走行履帯装置5が配設さ
れ、車体2の後方には駆動装置を有する三角形状走行履
帯装置5Aが、また車体2の前方には操向装置を有する
三角形状走行履帯装置5Bが配設されている。この三角
形状走行履帯装置5は、スプロケットを中心として揺動
自在であるとともに、その揺動を係止する後述する係止
装置が配設されている。また、スプロケットを停止する
後述する停止装置が配設されている。
【0028】図2は三角形状走行履帯装置5の第1実施
例の側面図、図3は平面図(ただし、履帯は断面図で示
している。)、図4は図2のA−A断面図、図5は図2
のA−B−A−C−D断面図、図6は図2のE−E断面
図、図7は図5のYA矢視図である。図2、図3、図4
及び図5において、第1実施例の三角形状走行履帯装置
10は、駆動装置11と、スプロケット部20と、トラ
ックフレーム部30と、前方側アイドラ部50と、後方
側アイドラ部55と、履帯張り調整装置60、ブレーキ
装置70と、トラックフレーム揺動抑制装置80と、ト
ラックローラ90と、及び、ゴム履帯100とからな
る。駆動装置11は建設機械1の車体2の円筒状ケース
2aに取着され、車体2の出力軸2bからの動力をスプ
ロケット部20に伝達する。スプロケット部20は車体
2の円筒状ケース2aに軸受21を介して支持されると
ともに、駆動装置11に連結して動力を受けゴム履帯1
00を回転駆動する。トラックフレーム部30は、車体
2の円筒状ケース2a(出力軸2b)に対してほぼ中央
部で連結されるとともに、スプロケット部20に軸受3
4を介して支持され、かつ、車体2の円筒状ケース2a
(出力軸2b)を中心として揺動する。前方側アイドラ
部50はトラックフレーム部30の前方に配設され、か
つ、トラックフレーム部30に対して前後に摺動する。
後方側アイドラ部55はトラックフレーム部30の後方
に配設されている。ブレーキ装置70はスプロケット部
20及び車体2に連結され、かつ、車体2に対してスプ
ロケット部20の回転を抑制する。トラックフレーム揺
動抑制装置80はトラックフレーム部30及び車体2に
連結され、かつ、車体2に対してトラックフレーム部3
0の揺動を抑制する。トラックローラ90はトラックフ
レーム部30の下方に配置されている。ゴム履帯100
はスプロケット部20、前方側アイドラ部50、後方側
アイドラ部55、及び、トラックローラ90に巻装さ
れ、スプロケット部20により回転駆動される。
【0029】次に各装置について構成を説明する。図4
において、駆動装置11は遊星歯車減速機11Aよりな
る。遊星歯車減速機11Aは、リングギヤー12と、サ
ンギャ13と、プラネタリピニオン14と、及び、カバ
ー15とからなる。リングギヤー12は、車体2に固着
された円筒状ケース2aの端部に固定して取着されてい
る。サンギャ13は、円筒状ケース2aの内部を挿通す
る出力軸2bの端部に取着され、車体側からの動力を受
けてプラネタリピニオン14に伝達する。プラネタリピ
ニオン14は、リングギヤー12とサンギャ13とに噛
み合い、かつ、サンギャ13からの動力を後述するカバ
ー15を介してスプロケット部20に伝達する。カバー
15は、プラネタリピニオン14を支持するとともにサ
ンギャ13及びリングギヤー12を覆い、かつ、プラネ
タリピニオン14とともにサンギャ13からの動力をス
プロケット部20に伝達する。なお、減速機には、プラ
ネタリピニオン14に接続するキャリア出力の遊星歯車
減速機を用いたリングギヤー12出力の遊星歯車減速機
でも良く、また、歯車を組み合わせた通常の減速機でも
良い。
【0030】図4において、スプロケット部20は、ス
プロケット用軸受21と、スプロケットボス22と、第
1スプロケット23と、及び、ハブ24とからなる。2
個のスプロケット用軸受21は、1個の内径部が円筒状
ケース2aの外径部に、また、他の1個の内径部がリン
グギヤー12を取着する円筒状ケース2aの端部の外方
のリングギヤー12の外径部に挿入され、かつ、2個の
外径部がスプロケットボス22に挿入されている。2個
のスプロケット用軸受21は、スプロケットボス22を
回転自在に支持している。スプロケットボス22は、内
径部に2個のスプロケット用軸受21が挿入されて円筒
状ケース2aに支持され、かつ、スプロケットボス22
のほぼ中央部の外径部は後述する第1スプロケット23
を取着している。第1スプロケット23は、スプロケッ
トボス21に遊星歯車減速機11Aのカバー14ととも
に取着され、かつ、外周部には複数の駆動歯23aが等
間隔に形成されている。複数の駆動歯23aは、ゴム履
帯100の芯金102に1歯毎に噛み合い、車体側から
の動力によりゴム履帯100を回転駆動する。ハブ24
は円筒状に形成され、その内方部には遊星歯車減速機1
1A及びそのカバー14を収納し、かつ、車体の内方側
で第1スプロケット23とカバー14とスプロケットボ
ス22とに取着されている。
【0031】図2、図3、図4及び図5において、トラ
ックフレーム部30は、前方側に前方側アイドラ部50
を、後方側に後方側アイドラ部55を取着するととも
に、前方側アイドラ部50と後方側アイドラ部55との
間の長手方向の中間部で、かつ、上部側にスプロケット
部20を配置している。トラックフレーム部30は、ト
ラックフレーム31、及び、フレーム用軸受34とから
なる。トラックフレーム31は、フレーム32と、フレ
ーム32と一体のトラックケース33とからなり、フレ
ーム32は、前方側アイドラ部50及び後方側アイドラ
部55を取着する中空四角形状の断面のフレームからな
る。フレーム32の前方及び後方には、図3の平面図で
示すように、前方側アイドラ部50及び後方側アイドラ
部55用のU字形状の切欠部32aが形成され、かつ、
フレーム32の前後の側面内側には前方側アイドラ部5
0及び後方側アイドラ部55が前後方向に摺動するカイ
ド溝32bが形成されている。
【0032】トラックケース33は、フレーム32の長
手方向のほぼ中央部で、かつ、中空四角形状の断面のフ
レーム32の中央部より車体2の外側に円筒形状で形成
されるとともに、フレーム32に接続されフレーム32
と一体に形成されている。トラックケース32の内方に
はフレーム用軸受34が収納され、フレーム用軸受34
がスプロケット部20のハブ24を支持している。本実
施例では、第1スプロケット23は、フレーム32の中
空四角形状の断面のほぼ中央部に位置している。フレー
ム用軸受34は、第1スプロケット23に対して車体の
外方に配置されている。また、フレーム用軸受34は、
トラックケース32とハブ24とで形成された軸受室B
aに収納されている。また、フレーム用軸受34が収納
するトラックケース33の外径Dcaは、後述するゴム
履帯100を駆動する第1スプロケット23の駆動歯2
3aの歯底径Dcbよりも小さく形成されている。
【0033】上記構成のように、トラックフレーム部3
0の揺動を支持するフレーム用軸受34は、第1スプロ
ケット23の車体外方に配置したため、車体内方に配置
したときよりもゴム履帯100のゲージ幅Gaを小さく
できる。また、フレーム用軸受34は遊星歯車等の減速
機の直径方向の外方に配置したため車体幅が小さくなる
とともに、軸受の負荷容量が大きくでき高負荷を必要と
する建設機械でも耐久性の良い揺動可能な三角形状走行
履帯装置が得られる。また、トラックケース33を第1
スプロケット23の外側に配置したが、無限履帯のゴム
履帯100を組付けるときにも、トラックケース33の
外径Dcaは第1スプロケット23の駆動歯23aの歯
底径Dcbよりも小さくしたため、組立性、及び整備性
が良い。また、車体の幅方向においてもトラックケース
33の外側の幅Byが履帯の幅Bxの幅内に収納されて
いるため、履帯が干渉しない場所に車両が干渉なく入
る。この無限履帯のゴム履帯100を組付けるときに
は、後述する履帯張り調整装置60を最小にして、か
つ、車体の外側から同時に第1スプロケット23、前方
側アイドラ部50及び後方側アイドラ部55にゴム履帯
100を容易に組付けることができる。
【0034】図2、図3及び図6において、前方側アイ
ドラ部50は、アイドラ部51及び履帯張り調整装置6
0からなる。図6において、アイドラ部51は、アイド
ラ53と、ブッシュ54と、サポート56と、フローテ
ィングシール57と、及び、アイドラシャフト58とか
らなる。アイドラ53にはブッシュ54が嵌入され、ブ
ッシュ54にはアイドラシャフト58が回転自在に挿入
され、アイドラ53はアイドラシャフト58により保持
されている。アイドラシャフト58はサポート56に挿
入されて支持され、また、サポート56はフレーム32
のカイド溝に摺動自在に支持されている。アイドラ53
とサポート56との間には、フローティングシール57
が配設され、土砂等の侵入を防止している。
【0035】後方側アイドラ部55は、前方側アイドラ
部50と同一の構造により構成され、車体の進行方向の
後方のトラックフレーム部30に配置されている。
【0036】図2及び図3において、履帯張り調整装置
60は、ロッド61と、リコイルスプリング62と、前
側リコイルスプリング受け63と、後側リコイルスプリ
ング受け64と、及び、張り調整用シリンダ65とから
なる。ロッド61は、一端が前方側アイドラ部50のサ
ポート56に接続され、かつ、他端は張り調整用シリン
ダ65のピストン65aに接続している。また、ロッド
61は、前側リコイルスプリング受け63に接続してい
る。ピストン65aは張り調整用シリンダ65のチュー
ブ65b内に慴動自在により枢密に挿入され、チューブ
65bはフレーム32に当接して保持されている。張り
調整用シリンダ65及びリコイルスプリング62は、前
方側アイドラ部50を前方に押し出してゴム履帯100
に張力を与えている。リコイルスプリング62は、フレ
ーム32の内方に収納され、かつ、一端は前側リコイル
スプリング受け63に、他端は後側リコイルスプリング
受け64に当接して所定の張力で当接している。前側リ
コイルスプリング受け63はロッド61に当接して、リ
コイルスプリング62による張力をゴム履帯100に与
えている。リコイルスプリング62は、前側リコイルス
プリング受け63及び後側リコイルスプリング受け64
により所定の張力を与えられて挟着され、前側リコイル
スプリング受け63及びロッド61を介して前方側アイ
ドラ部50を押し出し、また、その反力は後側リコイル
スプリング受け64を介してフレーム32で受けられて
いる。
【0037】図5及び図7において、ブレーキ装置7
0、デイスクブレーキ板71と、及び、デイスクパッド
部72とからなり、第1スプロケット23に対して車体
内方側に配置されている。デイスクブレーキ板71は、
スプロケットボス22の車体内方側の端部に固設されて
いる。デイスクパッド部72は、デイスクブレーキ板7
1を挟んでいるとともに、車体2に取着されている。
【0038】図5において、トラックフレーム揺動抑制
装置80は、フレーム用デイスクブレーキ板81と、及
び、フレーム用デイスクパッド部82とからなり、第1
スプロケット23に対して車体内方側に配置されてい
る。フレーム用デイスクブレーキ板81は、トラックフ
レーム部30のフレーム32に固設されている。フレー
ム用デイスクパッド部82は、フレーム用デイスクブレ
ーキ板81を挟んでいるとともに、車体2に取着されて
いる。また、反対に、フレーム用デイスクパッド部82
をトラックフレーム部30のフレーム32に取着し、フ
レーム用デイスクブレーキ板81を車体2に固設しても
良い。上記構成によれば、ディスクブレーキ板81及び
ディスクパッド部82を用いて、しかも、第1スプロケ
ット23の内側に配置することにより構造が簡単にな
る。また、油圧シリンダ等によりブレーキをかける場合
と異なり、ディスクブレーキ板81及びフレーム用ディ
スクパッド部82を用いているため、ストロークで制限
されることなく任意の位置で係止できる。
【0039】図5において、トラックローラ90はトラ
ックフレーム部30のフレーム32の下方に配置され、
サポート91と、ローラ92と、ローラシャフト93
と、ブッシュ94と、及び、フローティングシール95
とからなる。ローラ92にはブッシュ94が嵌入され、
ブッシュ94にはローラシャフト93が回転自在に挿入
され、ローラ92はローラシャフト93により保持され
ている。ローラシャフト93はサポート91に挿入され
て支持され、また、サポート91はフレーム32の下面
に固設されている。サポート91とローラ92との間に
は、フローティングシール95が配設され、土砂等の侵
入を防止している。図14において、前方側アイドラ5
3Aとその横のトラックローラ90との第1間隔LP
a、及び、最終のトラックローラ90とその隣の後方側
アイドラ53Bとの最終間隔LPz、さらに、前方側ア
イドラ53Aと後方側アイドラ53Bとの最終間隔LP
nは、LPa=LPz=LPn={〔(0.5±0.
2)+N〕×Lp}に配置されている。これについての
詳細は後述する。
【0040】図8、図9及び図10はゴム履帯100で
あり、図8は断面図(図9のR−Rの断面図)、図9は
平面図、及び図10は側面図を示す。図8、図9及び図
10において、ゴム履帯100は、ゴムベルト101
と、芯金102と、及び、芯線103とからなる。ゴム
部材からなるゴムベルト101の内部の長手方向に芯金
102が順次等間隔に並べて埋設している。芯金102
は、ゴムベルト101の幅方向の中央部に間隔をあけて
対向する突起部102a、102bがピン部102cで
連結されて設けられ、また、その突起部102a、10
2bの幅方向の外側には一対の翼部102d、102e
が隣接する突起部102a、102bと一体に形成され
ている。これら芯金102の左右一対の突起部102
a、102bは、頂面がローラ92の転動面となるよう
にゴムベルト101の内周面側に突出している。突起部
102aの頂面長さLaと突起部102bの頂面長さL
bとは同一長さにしている。ゴムベルト101の周方向
中央部には互いに隣接する芯金102のピン部102c
の間に、等間隔で芯金102の数と同数の孔104が設
けられている。ゴムベルト101の長手方向の各突起部
102aの間には、間隙δ1が設けられている。芯線1
03は、ゴムベルト101の補強材として、複数本の芯
線103が芯金102の外周側のゴムベルト101内に
埋設されている。このゴム履帯100は、第1スプロケ
ット23の駆動歯に1歯毎に噛み合う芯金102が順次
等間隔に並べて埋設している。上記構成では、ゴム履帯
100を用いて説明したが、金属の履帯100を用いて
も良い。
【0041】次に、作動について説明する。車体側の出
力軸2bからの動力をサンギャ13が受けてプラネタリ
ピニオン14に伝達する。プラネタリピニオン14の動
力は、カバー15、及びスプロケット部20のスプロケ
ットボス22を経て第1スプロケット23に伝える。第
1スプロケット23は伝えられた動力によりゴム履帯1
00を回転駆動する。このときの走行状態では、ブレー
キ装置70は作動せずに解除され、デイスクパッド部7
2はデイスクブレーキ板71を押圧していない状態にあ
り、ゴム履帯100は抵抗を受けずに回転駆動してい
る。また、この走行状態では、トラックフレーム揺動抑
制装置80は作動せずに解除され、フレーム用デイスク
パッド部82はフレーム用デイスクブレーキ板81を押
圧していない状態にあり、トラックフレーム部30は抵
抗を受けずに円筒状ケース2a(出力軸2b)を中心と
して揺動自在であるとともに、その揺動を係止する後述
する三角形状走行履帯装置揺動制限部材に当接するまで
揺動できる。建設機械を停止し、オペレータがブレーキ
装置70を作動させると、デイスクパッド部72はデイ
スクブレーキ板71を押圧する状態にあり、ゴム履帯1
00は抵抗を受けて回転駆動しない。また、図1に示す
ような停止状態でバケットで掘削する等の作業を行う建
設機械では、オペレータは、トラックフレーム揺動抑制
装置80を作動させトラックフレーム部30の揺動を停
止するとともに、ブレーキ装置70も作動させ、第1ス
プロケット23の回転を停止することもできる。これに
ついての詳細は後述する。
【0042】走行中、あるいは、作業中にゴム履帯10
0が回動するとき石を噛んだり、また、起動時にゴム履
帯100に力が作用したときにゴム履帯100が緩まな
いように、前記第1実施例では前方側アイドラ部50に
は、履帯張り調整装置60が配設されていた。次の他の
実施例では、前方側アイドラ部50と後方側アイドラ部
55とを緩衝装置を介して連結するとともに、前方側ア
イドラ部50と後方側アイドラ部55との間に履帯復帰
機構からなる履帯調整装置60Aを配設している。図1
3は他の実施例の履帯調整装置60Aを示す図である。
図11、図12は、他の履帯調整装置60Aの作動を説
明するための模式図である。図11は通常の走行時の模
式側面図であり、図12は前方から衝撃を受けた時の模
式側面図である。
【0043】図13において、履帯調整装置60Aは、
履帯戻り装置60Bと第1張り調整用シリンダ67とか
らなる。履帯戻り装置60Bは、皿バネ62Aと、前側
皿バネ受け63Aと、後側皿バネ受け受け64Aと、調
整ネジ66と、及び、バネ受け箱68からなる。第1張
り調整用シリンダ67はロッド61Aと、ピストン67
aと、及び、シリンダチューブ67bとからなる。ロッ
ド61Aは、一端が前方側アイドラ部50のサポート5
6に接続され、かつ、他端は第1張り調整用シリンダ6
7のピストン67aを構成している。また、ロッド61
Aの中間部には調整ネジ66を係止するネジ部が設けら
れている。ピストン67aは、シリンダチューブ67b
に摺動自在に枢密に挿入され、シリンダチューブ67b
は後方側アイドラ部55のサポート56に接続されてい
る。第1張り調整用シリンダ67は、第1張り調整用シ
リンダ67のピストン67aと、後方側アイドラ部55
のサポート56に接続するチューブ67bとにより構成
されている。チューブ67bの中間部には突起が設けら
れ、この突起には後側皿バネ受け受け64Aが当接して
いる。
【0044】前側皿バネ受け63A及び後側皿バネ受け
64Aは、共に一端側で皿バネ62Aに当接して皿バネ
62Aを挟み込むとともに、他端側がバネ受け箱68に
当接し、かつ、シリンダチューブ67bに摺動自在に挿
入されている。また、前側皿バネ受け63Aと後側皿バ
ネ受け64Aと皿バネ62Aとは共にバネ受け箱68に
収納されている。バネ受け箱68はフレーム32の内方
に収納されるとともに、フレーム32に固設されてい
る。前方側アイドラ部50と後方側アイドラ部55との
間には第1張り調整用シリンダ67が配設され、第1張
り調整用シリンダ67は、内部のグリースが加圧された
ときロッド61A及びチューブ67bを介して前方側ア
イドラ部50及び後方側アイドラ部55の間を伸張さ
せ、共に押し出してゴム履帯100に張力を与えてい
る。なお、図13では、後述する第2スプロケット12
3の図面を表示しているが、第1スプロケット23でも
良い。また、第1張り調整用シリンダ67は油、特に、
グリースを用いたが、ゴム、合成ゴム、合成樹脂、シリ
コンオイル等の高粘度流体、スプリング、及び、皿バネ
等の弾性を有する緩衝材料でも良い。また、本実施例の
履帯戻り装置60Bと第1張り調整用シリンダ67とか
らなる履帯調整装置60Aは、三角形状走行履帯装置に
装着する例で説明したが、これに囚われることなく、ト
ラックフレームの一端にアイドラが、他端にスプロケッ
トが配設された普通の形状の走行履帯装置に用いること
ができる。
【0045】次に、作動について説明する。ゴム履帯1
00を第1スプロケット23、前方側アイドラ部50及
び後方側アイドラ部55に巻装するときには、まず、前
方側アイドラ部50及び後方側アイドラ部55とが最短
距離になるように、第1張り調整用シリンダ67は加圧
しないでおく。このとき、調整ネジ66はロッド61A
に挿入して置き図示の左側に移動させて置く。また、後
方側アイドラ部55を押し込み、チューブ67bの突起
と後側皿バネ受け64Aとは当接しておくと良い。また
は、ゴム履帯100を巻装することによりチューブ67
bの突起と後側皿バネ受け64Aとを当接させても良
い。前方側アイドラ部50は第1張り調整用シリンダ6
7を加圧しないことにより図示の右側に移動している。
この状態で車体の外側のトラックケース33側より、ゴ
ム履帯100を第1スプロケット23、前方側アイドラ
部50及び後方側アイドラ部55に巻装する。ゴム履帯
100を巻装した後に、作業者は第1張り調整用シリン
ダ67にグリースを注入し加圧する。これにより、前方
側アイドラ部50は図示の左側に移動し、ゴム履帯10
0は押し出され張力を生ずる。このとき、前方側アイド
ラ部50及び後方側アイドラ部55とは、第1スプロケ
ット23に対してほぼ中央部にあるため、後方側アイド
ラ部55はチューブ67bの突起と後側皿バネ受け64
Aとが当接したままで前方側アイドラ部50は図示の左
側に移動する。所定の長さ、あるいは、所定の圧力で張
り出されたら、作業者は調整ネジ66を右側に移動させ
て前側皿バネ受け63Aと調整ネジ66とを当接させる
とともに、その位置でロッド61Aに固定する。これに
より、調整ネジ66、前側皿バネ受け63A、皿バネ6
2A、後側皿バネ受け64A、及び、チューブ67bの
突起とはスキマのない状態で組み立てられる。
【0046】この状態で、図12に示すように前方から
衝撃、あるいは、負荷を受けた時には、皿バネ62Aが
撓み、前方側アイドラ部50と後方側アイドラ部55と
履帯調整装置60Aとが第1張り調整用シリンダ67を
介して一体となり後方に移動する。このため、履帯10
0は前方側アイドラ部50から力FAを受けたとき、後
方側アイドラ部55が共に後方に移動するので履帯10
0は緩むことがない。したがって、履帯100は前方側
アイドラ部50、後方側アイドラ部55、及び、トラッ
クローラ90から外れることがなくなる。前方から衝
撃、あるいは、負荷がなくなると、撓んだ皿バネ62A
は元に戻り、前側皿バネ受け63Aと後側皿バネ受け6
4Aの両方がバネ受け箱68に当接する位置まで復元す
る。これにより、前方側アイドラ部50及び後方側アイ
ドラ部55は通常の位置に戻る。また、後方側アイドラ
部55から後方から衝撃あるいは、負荷を受けた時も受
けた時も、同様に前方側アイドラ部50と後方側アイド
ラ部55と履帯調整装置60Aとが一体となり後方に移
動するので、履帯100は緩むことがない。なお、上記
において、調整ネジ66、前側皿バネ受け63A、皿バ
ネ62A、後側皿バネ受け64A、及び、チューブ67
bの突起とはスキマのない状態で組み立てられることで
説明したが、少しのスキマを設けて組み立て、衝撃、あ
るいは、負荷を受けた時には当初に第1張り調整用シリ
ンダ67で受けて、その後に皿バネ62Aで受けても良
い。このときには、当初から機械的に受けず油で衝撃荷
重を受けるため、前方側アイドラ部50、後方側アイド
ラ部55、及びゴム履帯100に及ぼす衝撃を減少でき
る。
【0047】また、ゴム履帯100は第1スプロケット
23の回転力により回動するときに、トラックローラ9
0のローラ92及びアイドラ53はゴム履帯100の踏
み面である芯金102の突起部102aの上を転動す
る。このとき、ローラ92及びアイドラ53は芯金10
2間の突起部102aの間隙δ1(図10に示す)より
下方に落ちる。これにより、トラックフレーム部30
は、前後方向及び上下方向に揺動し、走行時の振動の起
振源となる。このため本発明では、振動が少なくなるよ
うにトラックローラ90が配置されている。トラックロ
ーラ90の配置について図14の本発明の模式図、及
び、図15の作動を用いて説明する。図14において、
トラックフレーム部30のフレーム32の前方に前方側
アイドラ53Aが、後方に後方側アイドラ53Bが配置
され、その間には前方側アイドラ53Aからフレーム3
2の下方に、順次トラックローラ90a、90b、90
c、・・・最終のトラックローラ90zが後方側アイド
ラ53Bに向けて配列されている。また、前方側アイド
ラ53Aと後方側アイドラ53Bとの間で、フレーム3
2の上方には第1スプロケット23配設されている。履
帯100は履帯が履帯ピッチLpで配列されている。こ
のとき、前方側アイドラ53Aとその横のトラックロー
ラ90aとの第1間隔LPa、及び、最終のトラックロ
ーラ90zとその隣の後方側アイドラ53Bとの最終間
隔LPzと、さらに、前方側アイドラ53Aと後方側ア
イドラ53Bとの最終間隔LPnは、LPa=LPz=
LPn={〔(0.5±0.2)+N〕×Lp}に配置
されている。また、前記したように、第1スプロケット
23は、前方側アイドラ部50と後方側アイドラ部55
とのほぼ中間に配置されている。
【0048】次に作動について説明する。図15は、前
方側アイドラ53A、後方側アイドラ53B、トラック
ローラ90a、及び、トラックローラ90zとの関係を
示した図であり、二点鎖線はその揺動を示している。同
図において、前方側アイドラ53Aは芯金102間の突
起部102aに乗っているが、後方側アイドラ53Bは
芯金102間の突起部102aの間隙δ1より下方に落
ちている。このため、トラックフレーム部30のフレー
ム32は円筒状ケース2a(出力軸2b)を中心として
回動する。しかし、このとき、その隣にある最終のトラ
ックローラ90zは芯金102間の突起部102aに乗
っているため、ここでこの回動を支える。したがって、
その回動量θAは少なくなる。また、第1スプロケット
23は、前方側アイドラ部50と後方側アイドラ部55
とのほぼ中間に配置されているため、前方側では前方側
アイドラ53Aあるいはその横のトラックローラ90a
のいずれか、また、後方側では後方側アイドラ53Bあ
るいは最終のトラックローラ90zのいずれかが、芯金
102間の突起部102aに乗っているためにフレーム
32が上下に移動する移動量が少なくなる。
【0049】これに対して、例えば、図15で第1スプ
ロケット23が後方側アイドラ53Bの中心の上側に配
置されていると、後方側アイドラ53Bが突起部102
aのスキマより下方に落ちると、第1スプロケット23
に車体の重量が掛かっているために、第1スプロケット
23は第1スプロケット23の中心を支点として時計方
向に回動するともに、この回動により第1スプロケット
23の中心は下方にさがる。次に、この状態から、芯金
102間の突起部102aに乗ると、今度は第1スプロ
ケット23の中心は上方にあがる。このため、フレーム
32が回動するとともに、上下に移動し、走行時の振動
の起振源となる。
【0050】次に、三角形状走行履帯装置5の第2実施
例について説明するが、第1実施例と同一部品には同一
符号を付して説明は省略する。図16は三角形状走行履
帯装置600の第2実施例の構成を示す側面図、図17
は図16のN−N断面図である。図16、及び図17に
おいて、第2実施例の三角形状走行履帯装置600は、
スプロケット部20と、トラックフレーム部630と、
前方側アイドラ部50と、後方側アイドラ部55と、前
方懸架装置610と、後方懸架装置620と、およびゴ
ム履帯100とからなる。前方懸架装置610の第1油
圧シリンダ611のシリンダ612のボトム側は、車体
2に固設されたブラケット601に第1ピン614によ
り揺動自在に取着されている。第1油圧シリンダ611
のピストンロッド613の先端部に固設された二股部材
615は、前方側アイドラ軸616に揺動自在に取着さ
れている。すなわち、車体2と前方側アイドラ部50と
は第1油圧シリンダ611を介して連結されている。後
方懸架装置620の第2油圧シリンダ621も前方懸架
装置610の第1油圧シリンダ611と同様に、車体2
に固設されたブラケット602と後方側アイドラ部55
とを連結している。上記とは逆に、図16に示す1油
圧シリンダ611のシリンダ612のピストンロッド6
13の先端部を、車体2に固設されたブラケット601
に第1ピン614により揺動自在に取着しても良い。ま
た、第1油圧シリンダ611のシリンダ612のボトム
側を前方側アイドラ軸616に揺動自在に取着するよう
にしても良い。さらに、上記と同様に第2油圧シリンダ
621のピストンロッドの先端部を、車体に固設された
ブラケットに第1ピンにより揺動自在に取着しても良
い。また、第2油圧シリンダ621のシリンダのボトム
側を後方側アイドラ軸に揺動自在に取着するようにして
も良い。第1油圧シリンダ611のボトム側と第2油圧
シリンダ621のボトム側とは、第1油圧回路640に
より接続されている。そして、第1油圧シリンダ611
のヘッド側と第2油圧シリンダ621のヘッド側とは第
2油圧回路641により接続されている。
【0051】次に、作動について説明する。図18に示
すように、走行中、前方アイドラ部50が地表の障害物
Rに衝突したような場合には前方アイドラ部50には外
力FBが加わり、第1油圧シリンダ611を短縮する。
第1油圧シリンダ611のボトム側の油は第1油圧回路
640を経て第2油圧シリンダ621のボトム側に至
り、第2油圧シリンダ621を伸長させる。第2油圧シ
リンダ621のヘッド側の油は第2油圧回路641を経
て第1油圧シリンダ611のヘッド側に至る。したがっ
て、上記の状態においては、前方側アイドラ部50は上
昇し、後方側アイドラ部55は下降することとなり、障
害物Rを容易に乗り越えることができる。また、第1油
圧シリンダ611と第2油圧シリンダ621の内部圧力
は常にバランスするようにトラックフレーム部630は
スイングするため、接地圧が常に均等化される。
【0052】次に、三角形状走行履帯装置の第3実施例
について、図19に基づいて説明するが、アキュムレー
タ642以外の部分の構成および部品の符号は第2実施
例と同一なので説明は省略し、異なる部分についてのみ
説明する。図19において、第1油圧シリンダ611の
ボトム側と、第2油圧シリンダ621のボトム側とを接
続する第1油圧回路640上には、アキュムレータ64
2が介装されている。走行中前方側アイドラ50が障害
物に衝突した場合の作動は第2実施例と同様であるが、
前方アイドラ部50が障害物に衝突したときの衝撃力を
アキュムレータ642が吸収して乗り心地を向上するこ
とができる。なお、油圧シリンダをエアシリンダに置き
換えることにより、走行時の乗り心地を向上することが
できる。
【0053】次に、三角形状走行履帯装置の第4実施例
について説明するが、第2実施例とは第1油圧シリンダ
611および第2油圧シリンダ621とトラックフレー
ム631との連結部以外は同一であるので、同一の部品
には同一符号を付して説明は省略し、異なる部分につい
てのみ説明する。図20は三角形状走行履帯装置700
の第4実施例の構成を示す側面図、図21は図20のP
−P断面図である。図20、図21において、車体2に
固設されたブラケット601には、前方懸架装置710
の第1油圧シリンダ611のシリンダ612のボトム側
がピン614により揺動自在に取着され、第1油圧シリ
ンダ611のピストンロッド613の先端部は、トラッ
クフレーム631の前方アイドラ50近傍に固設された
ブラケット701にピン702により揺動自在に取着さ
れている。後方懸架装置720の第2油圧シリンダ62
1も前方懸架装置710の第1油圧シリンダ611と同
様に、車体2に固設されたブラケット602と、トラッ
クフレーム631の後方アイドラ55近傍に固設された
ブラケット703とを連結している。第1油圧シリンダ
611のボトム側と第2油圧シリンダ621のボトム側
とは第1油圧回路640により接続され、第1油圧シリ
ンダ611のヘッド側と第2油圧シリンダ621のヘッ
ド側とは第2油圧回路641により接続されている。作
動については第2実施例と同一なので説明は省略する。
【0054】次に、三角形状走行履帯装置5の第5実施
例について説明するが、第1実施例と同一部品には同一
符号を付して説明は省略する。図22は三角形状走行履
帯装置200の第2実施例の側面図、図23は平面図
(ただし、履帯は断面図で示している。)、図24は図
22のG−H−G断面図、図25は図22のJ−J断面
図、図26は図22の前方側アイドラボギー部150の
拡大図、図27は図22の後方側アイドラボギー部17
0の拡大図、及び、図28は図27のK−L−K断面図
である。図22、図23、及び、図24において、第5
実施例の三角形状走行履帯装置200は、駆動装置11
と、スプロケット部120と、トラックフレーム部13
0と、前方側アイドラボギー部150と、後方側アイド
ラボギー部170と、ブレーキ装置70と、トラックフ
レーム揺動抑制装置80と、及び、ゴム履帯190とか
らなる。第1実施例と同様に、駆動装置11は建設機械
1の車体2の円筒状ケース2aに取着され、車体2の出
力軸2bからの動力をスプロケット部120に伝達す
る。スプロケット部120は車体2の円筒状ケース2a
に軸受21を介して支持されるとともに、駆動装置11
に連結して動力を受けゴム履帯190を回転駆動する。
トラックフレーム部130は、車体2の円筒状ケース2
a(出力軸2b)に対してほぼ中央部で連結され、か
つ、スプロケット部120に軸受34を介して支持され
て車体2の円筒状ケース2a(出力軸2b)を中心にし
て揺動する。前方側アイドラボギー部150はトラック
フレーム部130の前方に配設され、かつ、トラックフ
レーム部130に対して支点ZAを中心として回動す
る。後方側アイドラボギー部170はトラックフレーム
部130の後方に配設され、かつ、トラックフレーム部
130に対して支点ZBを中心として回動する。ブレー
キ装置70はスプロケット部120及び車体2に連結さ
れ、かつ、車体2に対してスプロケット部120の回転
を抑制する。トラックフレーム揺動抑制装置80はトラ
ックフレーム部130及び車体2に連結され、かつ、車
体2に対してトラックフレーム部130の揺動を抑制す
る。ゴム履帯190はスプロケット部120、前方側ア
イドラボギー部150、及び、後方側アイドラボギー部
170に巻き付けられ、スプロケット部120により回
転駆動される。
【0055】次に各装置について構成を説明する。図2
4において、駆動装置11は、第1実施例と同様に構成
され、車体側からの動力を受けてサンギャ13、プラネ
タリピニオン14、及び、カバー15を介して動力をス
プロケット部120に伝達する。図22及び図24にお
いて、スプロケット部120は、第1実施例に対してス
プロケットの構造が異なるのみであり、スプロケット用
軸受21、スプロケットボス22、第2スプロケット1
23、及び、ハブ24とからなる。第2スプロケット1
23は、円板プレート123aと、円筒状のピン123
bと、薄肉円筒状のリング123cと、及び、リブ12
3dとから形成されている。円板プレート123aは、
スプロケットボス22に遊星歯車減速機11Aのカバー
14とともに取着され、かつ、外周部にはゴム履帯19
0に1歯毎に噛み合う駆動歯123aaが等間隔に形成
されている。この駆動歯123aaの先端の平面部には
幅方向に所定の長さの円筒状のピン123bが固設され
ている。ピン123bのそれぞれの両端部には、一部ピ
ン123bの端部と重合して薄肉円筒状のリング123
cが固設されている。図25において、この薄肉円筒状
のリング123cの外径Daは各駆動歯123aの先端
部に固設されたピン123bの外径Dbより小さく、す
なわち、円筒状のリング123cの外径Daはピン12
3bの外径Dbより距離Lcだけ引っ込んで小さく形成
されている。また、二つの円筒状のリング123cの外
側の幅Bzは、履帯の幅Bxより小さく形成されてい
る。
【0056】所定の厚さのリブ123dは、外周側の円
板プレート123aと円筒状のリング123cの内径側
で、かつ、ピン123bの位置と同位置に第2スプロケ
ット123の中心に向けて固設されている。第2スプロ
ケット123の駆動歯123aは、ゴム履帯190の後
述する突起物192に1歯毎に噛み合い、車体側からの
動力を受けてゴム履帯190を回転駆動する。上記構成
により、リング123c及び駆動歯123aに固定され
たピン123bはゴムベルト191を回転駆動すると
き、ゴムベルト191を突出した距離Lcだけゴムを圧
縮して回転駆動している。このため、突出した距離Lc
だけゴムベルト191が圧縮されるため、スベリが少な
くなり摩擦力が増大し回転駆動力を増すとができる。ま
た、ゴムベルト191の回転駆動力は、ゴム履帯190
の突起物192のゴムの剪断力と前記摩擦力とを併用し
ているためゴムベルト191及び第2スプロケット12
3の耐久性が向上する。
【0057】図22、図23及び図24において、トラ
ックフレーム部130は、前方側に前方側アイドラボギ
ー部150を、後方側に後方側アイドラボギー部170
を取着するとともに、前方側アイドラボギー部150と
後方側アイドラボギー部170との間の長手方向のほぼ
中間部で、かつ、上部側にスプロケット部120を配置
している。トラックフレーム部130は、トラックフレ
ーム131と、及び、フレーム用軸受34とからなる。
トラックフレーム131は、フレーム132と、フレー
ム132と一体のトラックケース133とからなる。ま
た、フレーム132は、半円弧状のフレーム部132
a、前方ブラケット部132b、後方ブラケット部13
2c、前方側アイドラ用ストッパ132d、及び、後方
側アイドラ用ストッパ132eとからなる。半円弧状の
フレーム部132aは、第2スプロケット123の外径
部の外方に所定間隔離間して配置されるとともに、車体
の外側の一端側がトラックケース133に接続する中空
箱形形状からなる。
【0058】図25において、前方ブラケット部132
bは、半円弧状のフレーム部132aに固設される円筒
形ブラケット132ba及び半円弧状のフレーム部13
2aに脱着自在に取着されるブラケット132bbとよ
りなり、前方側アイドラボギー部150を揺動自在に支
持する。後方ブラケット部132cは、前方ブラケット
部132bと同様に構成され、半円弧状のフレーム部1
32aに固設される円筒形ブラケット132ba及び半
円弧状のフレーム部132aに脱着自在に取着されるブ
ラケット132bbとよりなり、後方側アイドラボギー
部170を揺動自在に支持する。
【0059】図22において、前方側アイドラ用ストッ
パ132dは、半円弧状のフレーム部132aに固設さ
れ、かつ、前方側アイドラボギー部150の上下の回動
揺動量を規制する上回動用ストッパ134及び下回動用
ストッパ135の二つのストッパからなる。後方側アイ
ドラ用ストッパ132eは、半円弧状のフレーム部13
2aに固設され、かつ、後方側アイドラボギー部150
の上下の回動揺動量を規制する上回動用ストッパ136
及び下回動用ストッパ137の二つのストッパからな
る。上回動用ストッパ134、136は、半円弧状のフ
レーム部132aの幅方向の略中央部で、かつ、前端部
及び後端部に固設されている。また、下回動用ストッパ
135、137は半円弧状のフレーム部132aの幅方
向の略中央部で、かつ、半円弧状のフレーム部132a
の下面に固設されている。
【0060】トラックケース133は、フレーム132
の長手方向のほぼ中央部で、かつ、中空四角形状の断面
のフレーム132の中央部より車体2の外側に円筒形状
で形成されるとともに、フレーム132に接続されフレ
ーム132と一体に形成されている。トラックケース1
32の内方にはフレーム用軸受34が収納され、フレー
ム用軸受34がスプロケット部120のハブ24を支持
している。本実施例では、第2スプロケット123は、
フレーム132の幅方向のほぼ中央部に位置している。
フレーム用軸受34は、第1実施例と同様に、第2スプ
ロケット123に対して車体の外方に配置されている。
また、フレーム用軸受34が収納するトラックケース1
33の外径Dcaは、後述するゴム履帯190を駆動す
る駆動歯123aの内径Dcbよりも小さく形成されて
いる。また、フレーム用軸受34は、トラックケース1
32とハブ24とで形成された軸受室Bbに収納されて
いる。
【0061】図22、図25、及び図26において、前
方側アイドラボギー部150は、取着連結部151と、
アイドラ部152と、及び、トラックローラ部153と
からなる。取着連結部151は、シャフト155と、軸
受156と、ボス157と、サポート部材158と、及
び、ケース159とからなる。シャフト155は、一端
側が前方ブラケット部132bの円筒形ブラケット13
2baに挿入されて固着し、かつ、他端側はケース15
9を介して前方ブラケット部132bのブラケット13
2bbに取着され、前方側アイドラボギー部150を支
持する。軸受156は、内径部がシャフト155の外径
部に、かつ、外径部はボス157の内径部に挿入され
て、ボス157を回動自在に支持している。軸受156
は、二つのケース159aとケース159b及びボス1
57で形成された軸受室Bcに収納されている。
【0062】ボス157は円筒形状により形成され、そ
の内径部には軸受156が挿入されるとともに、外径部
にはサポート部材158が固設されている。サポート部
材158は、ほぼ逆V字形状で、かつ、その断面は中空
四角形状に形成されるとともに、その中央部にはボス1
57が固設され、かつ、その前方側の端部にはアイドラ
部152を取着する円筒形状のアイドラ用ボス158a
が、また、後方側の端部にはトラックローラ部153を
取着する円筒形状のローラ用ボス158bが固設されて
いる。ケース159は、シャフト155が貫通する孔を
有するU字形状のケース159a及びケース159bと
よりなり、一つのケース159aはシャフト155の一
端側に、他の一つのケース159bはシャフト155の
他端側に配置され、かつ、互いに向き合うようシャフト
155に取着されている。
【0063】アイドラ部152は、後述する後方側アイ
ドラボギー部170と同様に構成されているため、図2
8を用いて説明する。アイドラ部152は、軸受161
と、アイドラシャフト162と、及び、二つのアイドラ
163、164とからなる。軸受161の外径部はサポ
ート部材158(図26に示す)のアイドラ用ボス15
8aに挿入されている。軸受161の内径部にはアイド
ラシャフト162が挿入され、アイドラシャフト162
は、その中間部が軸受161により回転自在に支持され
ている。二つのアイドラ163、164は、それぞれU
字形状により形成され、U字形状の開口部が互いに外側
に向けてアイドラシャフト162の両端部に取着されて
いる。また、二つのアイドラ163、164は、それぞ
れ開口部の反対側の端面には履帯の突起物を導くテーパ
部163a、164aが設けられている。軸受161は
二つのアイドラ163、164とアイドラ用ボス158
aで形成された軸受室Bdに収納されている。
【0064】図24において、トラックローラ部153
は、軸受166と、ローラ用シャフト167と、及び、
二つのトラックローラ168、169とからなる。軸受
166の外径部はサポート部材158のローラ用ボス1
58bに挿入されている。軸受166の内径部にはロー
ラ用シャフト167が挿入され、ローラ用シャフト16
7は、その中間部が軸受166により回転自在に支持さ
れている。二つのトラックローラ168、169は、そ
れぞれU字形状により形成され、U字形状の開口部が互
いに外側に向けてローラ用シャフト167の両端部に取
着されている。また、二つのトラックローラ168、1
69は、それぞれ開口部の反対側の端面には履帯の突起
物を導くテーパ部168a、169aが設けられてい
る。軸受166は二つのトラックローラ168、169
とローラ用ボス158bで形成された軸受室Beに収納
されている。
【0065】図27及び図28において、後方側アイド
ラボギー部170は、取着連結部171と、アイドラ部
172と、履帯張り調整装置173、及び、トラックロ
ーラ部174とからなる。なお、アイドラ部172及び
トラックローラ部174は、前方側アイドラボギー部1
50のアイドラ部152及びトラックローラ部153が
ほぼ同様に構成されている。このため、第1実施例と同
一部品には同一符号を付して説明は省略する。取着連結
部171は、シャフト155と、軸受156と、ボス1
76と、アイドラ用サポート部材177と、トラックロ
ーラ用サポート部材178と、及び、ケース159とか
らなる。図25に示すように、シャフト155は、一端
側が後方ブラケット部132cの円筒形ブラケット13
2baに挿入されて固着し、かつ、他端側はケース15
9を介して後方ブラケット部132cのブラケット13
2bbに取着され、後方側アイドラボギー部170を支
持する。ボス176は円筒形状により形成され、その内
径部には軸受156が挿入されるとともに、外径部には
アイドラ用サポート部材177及びトラックローラ用サ
ポート部材178が固設されている。
【0066】図27において、アイドラ用サポート部材
177は、円筒形状のパイプ177a、177bと、及
び、アイドラ用ボス177cとからなる。パイプ177
aは一端部がボス176に固設されるとともに、他端側
の円筒形状のパイプ177aの内径部には、円筒形状の
パイプ177bが摺動自在に枢密に挿入されている。ま
た、円筒形状のパイプ177bの先端部にはアイドラ用
ボス177cが固設され、アイドラ用ボス177cはア
イドラ部172を支持している。また、円筒形状のパイ
プ177bの内方には、後述する履帯張り調整装置17
3が収納されている。トラックローラ用サポート部材1
78は、断面が中空四角形状のパイプ178a及びトラ
ックローラ用ボス178bとからなる。パイプ178a
は、一端部がボス176に取着されるとともに、他端部
にはトラックローラ用ボス178bに固設され、そのト
ラックローラ用ボス178bはトラックローラ部174
を支持している。履帯張り調整装置173は、チューブ
173aとロッド173bとからなる張り調整用シリン
ダで形成されている。チューブ173aは、一端がボス
176に固設されるとともに、他端側のチューブ173
aの内径部には、ロッド173bが摺動自在に枢密に挿
入されている。また、ロッド173bは、アイドラ用ボ
ス177cに取着されるとともに、他端に油圧力を受け
て伸張してアイドラ用サポート部材177を外方に押し
出すとともに、アイドラ部172からの力を受ける。
【0067】図28において、アイドラ部172は、前
方側アイドラボギー部150のアイドラ部152と同様
に、軸受161、アイドラシャフト162、及び、二つ
のアイドラ163、164とからなり、アイドラシャフ
ト162は、軸受161を介してアイドラ用ボス177
cに支持されている。また、二つのアイドラ163、1
64はロッド173bは、履帯張り調整装置173から
の力を受け外方に押し出されている。トラックローラ部
174は、前方側アイドラボギー部150のアイドラ部
152と同様に、軸受166、ローラ用シャフト16
7、及び、二つのトラックローラ168、169とから
なり、ローラ用シャフト167は軸受166を介してト
ラックローラ用ボス178bに支持されている。
【0068】トラックフレーム揺動抑制装置80は、第
1実施例のアイドラ部152と同様に、フレーム用デイ
スクブレーキ板81、及び、フレーム用デイスクパッド
部82とからなり、第1スプロケット23に対して車体
内方側に配置されている。フレーム用デイスクブレーキ
板81は、トラックフレーム部130のフレーム132
に固設されている。フレーム用デイスクパッド部82
は、フレーム用デイスクブレーキ板81を挟んでいると
ともに、車体2に取着されている。
【0069】図28において、ゴム履帯190は、ゴム
ベルト191と、突起物192と、及び、芯線193と
からなる。ゴム部材からなるゴムベルト191はリング
状に連続しており、その内側の表面には、長手方向に沿
って第2スプロケット123の駆動歯123と噛み合う
突起物192が所定間隔離間して形成されている。芯線
193は、ゴムベルト191の補強材として、複数本の
芯線193がゴムベルト191内に埋設されている。ゴ
ムベルト191の内面は、第2スプロケット123の円
筒状のピン123b、及び、薄肉円筒状のリング123
cに当接して回転するとともに、そのときピン123b
の突出した距離Lcだけ圧縮されている。(図25に示
す。)
【0070】上記のゴム履帯190を三角形状走行履帯
装置5に組み込むときを説明するゴム履帯190を第2
スプロケット123、前方側アイドラ部150及び後方
側アイドラ部170に巻装するときには、まず、前方側
アイドラ部150は、トラックローラ用サポート部材1
78とトラックフレーム131の第1下回動用ストッパ
135とを当接するように回動させて置く。また、同様
に、後方側アイドラ部170は、パイプ178aとトラ
ックフレーム131の第2下回動用ストッパ137とを
当接するように回動させて置くとともに、履帯張り調整
装置173が最短距離になるように加圧しないでおく。
このとき、下回動用ストッパ135、137とトラック
ローラ用サポート部材178、178aとの当接は、三
角形状走行履帯装置5を浮かせると、アイドラ163、
164の重量により矢印(aa)のように回動し当接す
る。この状態で車体の外側のトラックケース33側よ
り、ゴム履帯190を第2スプロケット123、前方側
アイドラ部150及び後方側アイドラ部170に巻装す
る。このとき、図29に示すように、第2スプロケット
123の円板プレート123aの外径と、前方側アイド
ラ部150のアイドラ163、164の外径と、及び、
後方側アイドラ部170の外径との接線でなす長さの周
長LTaが、少なくとも、ゴムベルト191の内側の突
起物192でなす長さの周長LTbよりも大きくなるよ
うに、下回動用ストッパ135、137を設定してい
る。また、ストッパの位置は、周長LTaが、トラック
ローラ用サポート部材178とトラックフレーム131
の第1下回動用ストッパ135、及び、パイプ178a
とトラックフレーム131の第2下回動用ストッパ13
7が当接していないときよりも、当接しているときの方
が短くなっている。したがって、ゴム履帯190は車体
の外側から同時に第2スプロケット123、前方側アイ
ドラ部150及び後方側アイドラ部170に容易に組付
けることができる。ゴム履帯190を巻装した後に、作
業者は履帯張り調整装置173にグリースを注入し加圧
する。これにより、後方側アイドラ部170は図示の右
側に移動し、二点鎖線で示すようにゴム履帯190は押
し出され張力を生ずる。
【0071】次に作動について説明する。第1実施例と
同様に、車体側の出力軸2bからの動力をサンギャ13
が受けてプラネタリピニオン14に伝達する。プラネタ
リピニオン14の動力は、カバー15、及びスプロケッ
ト部120のスプロケットボス22を経て第2スプロケ
ット123に伝える。第2スプロケット123は伝えら
れた動力によりゴム履帯190を回転駆動する。このと
きの走行状態では、ブレーキ装置70は作動せずに解除
され、デイスクパッド部72はデイスクブレーキ板71
を押圧していない状態にあり、ゴム履帯190は抵抗を
受けずに回転駆動している。また、この走行状態では、
トラックフレーム揺動抑制装置80は作動せずに解除さ
れ、フレーム用デイスクパッド部82はフレーム用デイ
スクブレーキ板81を押圧していない状態にあり、トラ
ックフレーム部130は抵抗を受けずに第2スプロケッ
ト123を中心として回動自在であるとともに、その回
動を係止する後述する三角形状走行履帯装置揺動制限部
材に当接するまで回動する。
【0072】ゴム履帯190は、第2スプロケット12
3、前方側アイドラボギー部150、及び、後方側アイ
ドラボギー部170に巻装されおり、第2スプロケット
123から起動トルクを受けるとともに、前方側アイド
ラボギー部150及び後方側アイドラボギー部170に
導かれて回動する。このとき、前方側アイドラボギー部
150及び後方側アイドラボギー部170は、路面の凹
凸に密着し、かつ、つまづき(例えば、アイドラが下方
に回動し前進のときに後方に押しやられる)、あるいは
逆転しないように配設されている。この、前方側アイド
ラボギー部150及び後方側アイドラボギー部170の
配置について、図30の本発明の模式図を用いて説明す
る。図31、図32は凹凸のある地面の走行時の模式側
面図である。また、図30には本発明は実線(Va)及
び従来は点線(Vb)で接地圧力分布を説明している。
前方側アイドラボギー部150には、前方アイドラ部1
52Aと前方トラックローラ部153Aが所定間隔離間
して配置されている。この間隔は、履帯190が水平状
態で取着連結部151の中心に対して前方アイドラ部1
52Aはアイドラ距離LPmで、前方トラックローラ部
153Aはローラ距離LPnで離間している。
【0073】後方側アイドラボギー部170には、後方
アイドラ部172Aに履帯張り調整装置173を有する
とともに、後方アイドラ部172Aと後方トラックロー
ラ部174Aが所定間隔離間して配置されている。この
間隔は、取着連結部151の中心に対して後方アイドラ
部172Aはアイドラ距離LPqで、後方トラックロー
ラ部173Aはローラ距離LPrだけ離間している。こ
の前方側アイドラボギー部150は取着連結部151
を、また、後方側アイドラボギー部170は取着連結部
171を中心として前後方向に回動する。また、上記の
アイドラ距離LPm、LPqはローラ距離LPn、LP
rよりも、LPm>LPn、LPq>LPrで離間して
いる。
【0074】この配置において、ゴム履帯190は前方
アイドラ部152Aと前方トラックローラ部153A、
及び、後方アイドラ部172Aと後方トラックローラ部
173Aとが水平の状態にある位置でゴム履帯190の
周長が最も短かくなるように設定されている。この状態
で履帯張り調整装置173はゴム履帯190に一定の張
力を与えている。この状態から、図31、図32に示す
ように、凹凸地に三角形状走行履帯装置5が行くと、ゴ
ム履帯190は凹凸地に沿うため周長が長くなるため、
履帯190は、ゴムベルトの張り、及び履帯張り調整装
置173から力を受けるので履帯190は緩むことがな
い。したがって、履帯100は前方側アイドラ部152
A、及び、後方アイドラ部172Aから外れることがな
くなる。また、アイドラ距離LPm、LPqをローラ距
離LPn、LPrよりも大きく離間することにより、接
地圧力分布は図30の実線(Va)の台形形状となる。
これにより、従来の点線(Vb)で示す長方形形状の接
地圧力Vpは前方アイドラ部152A及び後方アイドラ
部172Aの下で、実線(Va)の接地圧力Vrよりも
高くなる。これにより、本発明のアイドラボギー部を用
いた三角形状走行履帯装置5で、かつ、操向装置を有す
る車両においては、ステアリング力を小さくできる。
【0075】次に、三角形状走行履帯装置と接続してい
るアクスル装置について説明する。図33は、第1アク
スル装置300の実施例の断面図を示す。図33におい
て、第1アクスル装置300は、従来から周知のデファ
レンシャルを用いたアクスル装置301と、本発明の超
信地旋回用駆動部320と、及び、パーキングブレーキ
330とからなる。アクスル装置301は、ベベルピニ
オン302と、ベベルギヤー303と、デファレンシャ
ルギヤーケース304と、十字軸305と、ピニオンギ
ヤー306と、サイドギヤー307と、出力軸2bと、
及び、アクスルハウジング309とからなる。構造の説
明については説明を省略する。超信地旋回用駆動部32
0は、信地旋回用ベベルギヤー321と、信地旋回用ギ
ヤー322と、油圧モータ323と、電磁切換弁324
と、油圧ポンプ325と、及び、信地旋回用指令スイッ
チ326からなる。信地旋回用ベベルギヤー321は、
左右の出力軸2bのいずれかに出力軸2bと一体に回転
するように取着されている。信地旋回用ギヤー322
は、油圧モータ323のモータ出力軸323aに取着さ
れるとともに、信地旋回用ベベルギヤー321と噛み合
っている。油圧モータ323は、アクスルハウジング3
09に設けられた孔309aに取着されるとともに、そ
のモータ出力軸323aには、信地旋回用ベベルギヤー
321と噛み合う信地旋回用ギヤー322が取着されて
いる。油圧モータ323は、油圧ポンプ325からの圧
油を電磁切換弁324を介して受け、左右のいずれかの
方向に回転する。電磁切換弁324は、信地旋回用指令
スイッチ326からの指令により作動し、油圧ポンプ3
25からの圧油を指令に応じた油圧モータ323の回転
方向のいずれかのポートに供給する。
【0076】次に、作動について説明する。オペレータ
は、超信地旋回したい場合には信地旋回用指令スイッチ
326を、右旋回あるいは左旋回の旋回したい方向に操
作する。信地旋回用指令スイッチ326からの信号を受
けた電磁切換弁324は中立位置Npから操作位置Nm
あるいはNnに切り換わり、油圧ポンプ325からの圧
油を油圧モータ323に送る。このとき、図示しないパ
ーキングブレーキ操作レバーを操作してパーキングブレ
ーキを作動させる。これにより、ベベルピニオン302
の回転は停止する。このとき、油圧モータ323は回転
し、モータ出力軸323a、信地旋回用ギヤー322、
及び、信地旋回用ベベルギヤー321を介して右の出力
軸2bmを回転させる。これにより、右の出力軸2bm
はそのまま駆動装置11を介して右側の第2スプロケッ
ト123を選択した所定の方向に回転する。また、右の
出力軸2bmの回転は、サイドギヤー307、ピニオン
ギヤー306、及びサイドギヤー307を介して左の出
力軸2bnを右の出力軸2bmと反対の方向に回転させ
る。左の出力軸2bnは、駆動装置11を介して左側の
第2スプロケット123を右側の第2スプロケット12
3と反対の方向に回転させる。これにより、車両は選択
した方向に超信地旋回する。このように、デファレンシ
ャルの出力軸の一方に外部より回転駆動を与えることに
より、容易に超信地旋回が行える。
【0077】図34は、第2アクスル装置340の実施
例の断面図を示す。第2アクスル装置340は、第2ア
クスル装置341と、制御装置350とからなる。図3
4において、第2アクスル装置341は、ベベルピニオ
ン302と、ベベルギヤー342と、デファレンシャル
ギヤーケース343と、十字軸305と、ピニオンギヤ
ー306と、サイドギヤー307と、出力軸2bと、ア
クスルハウジング309と、第1クラッチ344と、第
2クラッチ345と、第3クラッチ346と、第1軸受
347と、第2軸受348と、及び、第3軸受349と
からなる。構造は、従来と異なる所についての説明を行
う。ベベルピニオン302と噛み合うベベルギヤー34
2の外径側は、第1軸受347を介してアクスルハウジ
ング309により回転自在に支持されている。また、ベ
ベルギヤー342の内径側は第2軸受348を介して出
力軸2bを回転自在に支持している。デファレンシャル
ギヤーケース343は、ベベルピニオン302側の一端
ではサイドギヤー307を介して出力軸2bに、また、
他端側では第3軸受349を介してアクスルハウジング
309に支持されている。ベベルギヤー342とデファ
レンシャルギヤーケース343との間には第1クラッチ
344が、また、ベベルギヤー342と出力軸2bとの
間には第2クラッチ345が、また、デファレンシャル
ギヤーケース343とアクスルハウジング309との間
には第3クラッチ346が、それぞれ配置されている。
【0078】制御装置350は、第1電磁弁351と、
第2電磁弁352と、第3電磁弁353と、油圧ポンプ
354と、コントローラ355と、及び、信地旋回用指
令スイッチ326とからなる。第1クラッチ344は第
1電磁弁351に、第2クラッチ345は第2電磁弁3
52に、また、第3クラッチ346は第3電磁弁353
にそれぞれ接続され、各電磁弁は油圧ポンプ354に接
続するとともに、コントローラ355に接続している。
コントローラ355には、信地旋回用指令スイッチ32
6が接続している。また、制御装置350は前進、後進
が選択できる変速機360に接続されている。
【0079】
【表1】
【0080】次に、作動について説明する。 表1に
は、出力軸2bの回転に対して、車両の通常の前進と後
進の場合、及び、超信地旋回の場合についてのクラッチ
の接続、及び断絶を記載しているオペレータが信地旋回
用指令スイッチ326で中立の通常の走行状態を選択す
ると、制御装置350は第1電磁弁351のみに指令を
出力して切り換え、第1クラッチ344に圧油を送り第
1クラッチ344を接続(ON)する。これにより、ベ
ベルピニオン302から入力された回転は、ベベルギヤ
ー342、デファレンシャルギヤーケース343、十字
軸305、ピニオンギヤー306、及びサイドギヤー3
07により、左右の出力軸2bm、2bnを同方向に回
転する。次に、超信地旋回で右旋回する場合には信地旋
回用指令スイッチ326を、右旋回方向に操作する。信
地旋回用指令スイッチ326からの信号を受けた御装置
350は第2電磁弁352及び第3電磁弁353に指令
を出力して切り換え、第2クラッチ345及び第3クラ
ッチ346に圧油を送り接続(ON)する。また、御装
置350は変速機360に、例えば、右旋回の場合に前
進方向の回転を与えるギヤー列を接続する指令を出力す
る。これにより、ベベルピニオン302は右回転を行
う。ベベルピニオン302の右回転は、ベベルギヤー3
42、及び第2クラッチ345を介して、右の出力軸2
bmを回転させる。これにより、右の出力軸2bmはそ
のまま駆動装置11を介して右側の第2スプロケット1
23を選択した右回転する。また、右の出力軸2bmの
回転は、サイドギヤー307、ピニオンギヤー306、
及びサイドギヤー307を介して左の出力軸2bnを右
の出力軸2bmと反対の方向の左に回転させる。左の出
力軸2bnは、駆動装置11を介して左側の第2スプロ
ケット123を右側の第2スプロケット123と反対の
方向に左回転させる。これにより、車両は選択した右方
向に超信地旋回する。
【0081】反対に左旋回する場合には、信地旋回用指
令スイッチ326を左旋回の方向に操作する。信地旋回
用指令スイッチ326からの信号を受けた御装置350
は、右旋回と同様に、第2クラッチ345及び第3クラ
ッチ346を接続する。また、御装置350は変速機3
60に、後進方向の回転を与えるギヤー列を接続する指
令を出力する。これにより、ベベルピニオン302は左
回転を行う。ベベルピニオン302の左回転は、ベベル
ギヤー342、及び第2クラッチ345を介して、右の
出力軸2bmを左回転させる。これにより、右の出力軸
2bmはそのまま駆動装置11を介して右側の第2スプ
ロケット123を選択した左に回転する。また、右の出
力軸2bmの回転は、サイドギヤー307、ピニオンギ
ヤー306、及びサイドギヤー307を介して左の出力
軸2bnを右の出力軸2bmと反対の方向に右回転させ
る。左の出力軸2bnは、駆動装置11を介して左側の
第2スプロケット123を右側の第2スプロケット12
3と反対の方向の右回転させる。これにより、車両は選
択した左方向に超信地旋回する。このように、デファレ
ンシャルにクラッチを併用し、クラッチの断続を制御手
段からの選択された指令により行うことにより、自動的
に超信地旋回が行える。
【0082】次に、アクスル装置と車体との接続する第
1実施例の構成について説明する。図35は、第1アク
スル連結装置400の実施例の側面図を、図36は図3
5のYc視図を、図37は平面図を、図38はステアリ
ング装置470の一部平面図を、図39は図35のM−
M断面図を、図40はキングピン部480の一部断面図
を示す。図39において、以下では、ピンWに球面軸受
Xが挿入された例は図39のM−M断面図とほぼ同一構
成のため、球面軸受の番号のみを記し図面には番号を付
与しない。図35、図36及び図37において、第1ア
クスル連結装置400は、第1サスシリンダ装置401
と、第1揺動装置430と、第1連結リンク装置460
と、及び、ステアリング装置470とからなる。図35
において、第1サスシリンダ装置401は、第1上部ブ
ラケット部402と、第1下部ブラケット部410と、
及び、第1サスシリンダ部420とからなる。第1上部
ブラケット部402は、第1上部ブラケット403及び
第1ピン404とからなる。第1上部ブラケット403
はU字形状からなり、車体2のメインフレーム2cの側
面に取着されている。第1ピン404は第1上部ブラケ
ット403のピン孔に挿入されるとともに、その中央部
で第1サスシリンダ420を支持している。
【0083】第1下部ブラケット部410は、第1上ブ
ラケット411と、第1下ブラケット412と、第1連
結ボルト413と、及び、第2ピン414とからなる。
第1上ブラケット411は、プレート411aと、プレ
ート411aに立設した4枚のプレート411b、41
1c、411dとからなり、プレート411aがアクス
ルハウジング309に当接して第1下ブラケット412
とともにアクスルハウジング309を支持する。また、
その真ん中の2枚のプレートプレート411b、411
cにはピン孔が明けられている。第1下ブラケット41
2はT字形状のプレート412a、412bとからな
り、プレート412aがアクスルハウジング309に当
接して第1上ブラケット411とともにアクスルハウジ
ング309を支持する。第1連結ボルト413は、アク
スルハウジング309の上面に当接する第1上ブラケッ
ト411のプレート411aと、アクスルハウジング3
09の下面に当接する第1下ブラケット412のプレー
ト412aとを貫通し、その間にアクスルハウジング3
09を挟んで第1上ブラケット411と第1下ブラケッ
ト412とを固定している。第2ピン414は真ん中の
2枚のプレート411b、411cのピン孔に挿入され
るとともに、その中央部で第1サスシリンダ420を支
持している。
【0084】第1サスシリンダ部420は、第1サスシ
リンダ421と、及び球面軸受422とからなる。第1
サスシリンダ421のボトム側及びロッド側の端部には
球面軸受422a、422bが取着され、ボトム側の球
面軸受422aは第1上部ブラケット部402の第1ピ
ン404に、また、ロッド側の球面軸受422bは第1
下部ブラケット部410の第2ピン414に挿入され、
第1サスシリンダ421を傾動、回動自在に支持してい
る。
【0085】図35において、第1揺動装置430は、
揺動用第1ブラケット部431と、揺動用第2ブラケッ
ト部440と、及び、第1の四節リンク装置450とか
らなる。揺動用第1ブラケット部431は、揺動用第1
ブラケット432と、第3ピン433と、及び、第4ピ
ン434とからなる。揺動用第1ブラケット432は車
体前方向きのコ字形状からなり、車体2のメインフレー
ム2cの側面に取着されている。第3ピン433及び第
4ピン434は揺動用第1ブラケット432の上下方向
に所定間隔離間したピン孔に挿入されるとともに、その
中央部で第1の四節リンク装置450を支持している。
揺動用第2ブラケット部440は、揺動用第2ブラケッ
ト441、第5ピン442、及び、第6ピン443とか
らなる。揺動用第2ブラケット441は横向きのU字形
状からなり、第1下部ブラケット部410の上ブラケッ
ト部411のプレート411d及び下ブラケット部41
2のプレート412bに取着されている。第5ピン44
2及び第6ピン443は揺動用第2ブラケット441の
上下方向に所定間隔離間したピン孔に挿入されるととも
に、その中央部で第1の四節リンク装置450を支持し
ている。
【0086】第1の四節リンク装置450は、第1リン
ク451と、第2リンク452と、及び球面軸受453
とからなる。第1リンク451及び第2リンク452
は、断面四角形状の直線形状のロッドよりなり、その両
端部に球面軸受453が装着されている。第1リンク4
51は球面軸受453を介して、一端部が揺動用第1ブ
ラケット432の第3ピン433に、また、他端部が揺
動用第2ブラケット441の第5ピン442に傾動、回
動自在に取着されている。第2リンク452は球面軸受
453を介して、一端部が揺動用第1ブラケット432
の第4ピン434に、また、他端部が揺動用第2ブラケ
ット441の第6ピン443に傾動、回動自在に取着さ
れている。
【0087】図36において、第1連結リンク装置46
0は、リンク用第1ブラケット461と、リンク用第2
ブラケット462と、第3リンク463と、第7ピン4
64と、第8ピン465と、及び、球面軸受466とか
らなる。リンク用第1ブラケット461は下向きのU字
形状からなり、左右のメインフレーム2cのいずれかの
下面に取着されている。リンク用第2ブラケット462
は上向きのU字形状からなり、リンク用第1ブラケット
461が取着されている左右のメインフレーム2cの反
対側のメインフレーム2cの下部に配置されているアク
スルハウジング309Aを支持する第1下部ブラケット
部410に取着されている。本実施例では、第1下部ブ
ラケット部410の上ブラケット部411と一体に形成
されている。第7ピン464はリンク用第1ブラケット
461のピン孔に、また、第8ピン465はリンク用第
2ブラケット462のピン孔に挿入されるとともに、そ
の中央部で第3リンク463を傾動、回動自在に支持し
ている。第3リンク463は球面軸受466を介して、
一端部がリンク用第1ブラケット461の第7ピン46
4に、また、他端部がリンク用第2ブラケット462の
第8ピン465に傾動、回動自在に取着されている。
【0088】図37及び図38において、ステアリング
装置470は、ステアリングシリンダ部471と、キン
グピン部480と、及び、ステアリング用リンク部49
0とからなる。ステアリングシリンダ部471は、ステ
アリング用ブラケット472、ステアリングシリンダ4
73、第9ピン474、第10ピン475、及び、軸受
476とからなる。ステアリング用ブラケット472は
横向きのU字形状からなり、ステアリング用ブラケット
472は左右いずれかの第1上ブラケット411に取着
されている。本実施例では左側のステアリング用ブラケ
ット472は第1上ブラケット411のプレート411
aと一体に形成されている。第9ピン474はステアリ
ング用ブラケット472のピン孔に挿入されるととも
に、その中央部でステアリングシリンダ473を傾動、
回動自在に支持している。ステアリングシリンダ473
は、ボトム側及びロッド側に軸受476が挿入され、そ
のボトム側の軸受476には第9ピン474が、また、
ロッド側の軸受476には第10ピン475が挿入され
ている。第10ピン475はキングピン部480に連結
されている。
【0089】図40において、キングピン部480は、
キングピン481A、481Bと、ナックルアーム48
2と、三角形状走行履帯装置揺動制限部材483と、ス
テアリング用レバー484、ブレーキ装置70(図38
に示す)、及び、トラックフレーム揺動抑制装置80と
からなる。アクスルハウジング309Aの端部は二股に
分割され、その各々に孔309Aaが明けられている。
この分割された空間には、一方が遊星歯車減速機11A
側の出力軸2bに繋がり、他の一方がアクスル装置30
1の出力軸2eに繋がるユニバーサルジョイント2dが
配設されている。アクスルハウジング309Aの上下の
各孔309Aaにはキングピン481A、481Bが回
動自在に挿入され、そのキングピン481A、481B
には、トラックフレーム部30、130に繋がる一体の
ナックルアーム482が固設されている。図38に示す
ように、ナックルアーム482にはステアリング用レバ
ー484が固設され、ステアリング用レバー484には
ステアリング装置470の第10ピン475が取着され
ている。第10ピン475には、前記の通り、ステアリ
ングシリンダ473が連結されている。
【0090】また、ナックルアーム482にはステアリ
ングロッド用レバー482Aが一体に形成されている。
ステアリングロッド用レバー482Aには、後述するス
テアリング用リンク部490の第11ピン492が取着
され、第11ピン492はロッド491に連結されてい
る。また、ナックルアーム482は、図4及び図24に
示す円筒状ケース2aとボルトにより固着されている。
この構成により、ステアリングシリンダ473からの力
によりステアリング用レバー484を回動し、これによ
り、ステアリング用レバー484に固着している図示左
側のステアリングロッド用レバー482Aa(区別する
ため文字aを添付する。)を回動する。このナックルア
ーム482の回動は、ボルトにより一体に形成されてい
る円筒状ケース2aを回動し、これによりトラックフレ
ーム部30、130を回動する。このとき、ナックルア
ーム482の回動は、ステアリング用リンク部490を
介して反対側の図示右側のステアリングロッド用レバー
482Abを回動する。ナックルアーム482の回動に
伴いトラックフレーム部30、130を介して三角形状
走行履帯装置5を左右に回動して車両の方向を変える。
【0091】下側のキングピン481Bには、三角形状
走行履帯装置揺動制限部材483が付設されている。三
角形状走行履帯装置揺動制限部材483は平面視でほぼ
U字形状で、かつ、側面視でほぼV字形状に形成され、
キングピン481を中心としてナックルアーム482と
ともに取着されている。三角形状走行履帯装置揺動制限
部材483は、揺動時にトラックフレーム部30、13
0に当接してトラックフレーム部30、130の最大揺
動量を規制している。同様に、キングピン用リンク48
1Bには、トラックフレーム揺動抑制装置80のフレー
ム用デイスクパッド部82が付設されている。図38に
おいて、ステアリング用リンク部490は、ロッド49
1と、及び、第11ピン492とからなる。ロッド49
1は第11ピン492を介してステアリングロッド用レ
バー482Aに連結されている。第10ピン492はス
テアリングロッド用レバー482Aの孔に取着され、ロ
ッド491を回動自在に支持している。また、ロッド4
91は、後述するステアリングロッド用レバー482A
aからの力を受けて反対側のステアリングロッド用レバ
ー482Abに力を伝え、左右のトラックフレーム部3
0、130を共に同方向に回動する。
【0092】次に、作動について説明する。建設機械1
が不整地を走行するとき、石及び窪みなどにより急激に
下方から突き上げられることがある。このとき、第1サ
スシリンダ部420により衝撃を吸収できる。また、な
だらかな凹凸がある不整地を走行するときには、第1の
四節リンク装置450及び第1サスシリンダ部420に
より、アクスル装置は車体のメインフレーム2cに対し
て平行に上下動するため、メインフレーム2cの上下動
は少なくなる。これにより、上部旋回体3は傾くことが
少なくなり運転者は安心して運転ができる。また、車体
の左右方向に傾斜がある所を走行するときには、メイン
フレーム2cとアクスル装置を連結する第1連結リンク
装置460及び第1サスシリンダ部420が作動し、メ
インフレーム2cに対して三角形状走行履帯装置5が傾
く。これにより、上部旋回体3は左右に傾くことが少な
くなり運転者は安心して運転ができる。
【0093】また、タイヤを装着した建設機械1に比べ
て、履帯を装着したため土が湿地帶のような柔らかい所
でも走行できるのは勿論のこと、特に、本発明では、車
体が前後方向及び左右方向にも揺動するため、三角形状
走行履帯装置5の走行面の全体が土が密着するので、建
設機械1のように重量が重い車両でも土が湿地帶のよう
な柔らかい所でも走行できる。また、三角形状走行履帯
装置5の走行面の全体が土が密着するので固い土では牽
引力が増し、不整地の走行、あるいは、作業機の大きな
反力を受けるため、作業性が向上する。特に、アイドル
ボギーを装着した三角形状走行履帯装置5では、上記の
効果が大きいとともに、軽いアイドラ163、164及
びトラックローラ168、169と、芯金102を用い
ていない軽いゴム履帯190を装着することにより高速
で走行ができる。
【0094】オペレータが建設機械1を曲がるため図示
しないステアリングハンドルにより操向操作すると、ス
テアリング装置470を作動させ左右の三角形状走行履
帯装置5を共に車体の左右方向に揺動する。また、左右
の三角形状走行履帯装置5は不整地にならって第2スプ
ロケット123を中心として前後方向に揺動する。この
とき三角形状走行履帯装置5の揺動量を規制する三角形
状走行履帯装置揺動制限部材483は、ナックルアーム
482に付設してあるため車体が左右方向に揺動して
も、三角形状走行履帯装置揺動制限部材483は三角形
状走行履帯装置5とともに揺動する。このように、三角
形状走行履帯装置揺動制限部材483はナックルアーム
482に付設したため、三角形状走行履帯装置5の揺動
量を簡単な構成により確実に規制できる。
【0095】また、同様に、トラックフレーム揺動抑制
装置80は、ナックルアーム482に付設されているた
め、三角形状走行履帯装置5とともに揺動する。このよ
うに、トラックフレーム揺動抑制装置80によりトラッ
クフレームはどの位置でも確実に停止されるとともに、
簡単な構成になる。また、狭い場所で旋回したい場合に
は、信地旋回用指令スイッチ326を操作することによ
り、アクスル装置が逆転することにより容易に超信地旋
回が可能になる。これは、アクスル装置に油圧モータ、
あるいは、クラッチを付加することにより行えるため構
成が簡単になるとともに、信地旋回用指令スイッチ32
6を操作するだけでよく操縦が簡単になる。
【0096】次に、アクスル装置と車体との接続する第
2実施例の構成について説明する。図41は、第2実施
例の第2アクスル連結装置500の側面図を、図42は
図41のYv矢視図を、図43は平面図を示す。図4
1、図42において、第2実施例の第2アクスル連結装
置500は、第2サスシリンダ装置501と、第2揺動
装置530と、及び、第2連結リンク装置560とから
なる。第2サスシリンダ装置501は、第2上部ブラケ
ット部502と、第2下部ブラケット部510と、及
び、第2サスシリンダ部520とからなる。第2上部ブ
ラケット部502は、第2上部ブラケット503及び第
12ピン504とからなる。第2上部ブラケット503
は横向きU字形状からなり、車体2のメインフレーム2
cの側面に取着されている。第12ピン504は第2上
部ブラケット503のピン孔に挿入されるとともに、そ
の中央部で第2サスシリンダ520を支持している。
【0097】第2下部ブラケット部510は、上ブラケ
ット部511と、下ブラケット部512と、第2連結ボ
ルト513と、及び、第13ピン514とからなる。第
2上ブラケット511は、上向きU字形状からなり、ア
クスルハウジング309に当接して第2下ブラケット5
12とともにアクスルハウジング309を支持する。ま
た、第2上ブラケット511にはピン孔が明けられてい
る。第2下ブラケット512はT字形状のプレート51
2a、512bとからなり、プレート512aがアクス
ルハウジング309に当接して第2上ブラケット511
とともにアクスルハウジング309を支持する。第2連
結ボルト513は、アクスルハウジング309の上面に
当接する第2上ブラケット511と、アクスルハウジン
グ309の下面に当接する第2下ブラケット512のプ
レート512aとを貫通し、その間にアクスルハウジン
グ309を挟んで第2上ブラケット511と第2下ブラ
ケット512とを固定している。第13ピン514は第
2上ブラケット511のピン孔に挿入されるとともに、
その中央部で第2サスシリンダ520を支持している。
また、第2下ブラケット512のプレート512の端部
には、三角形状走行履帯装置揺動制限部材516が付設
されている。三角形状走行履帯装置揺動制限部材516
は平面視でほぼU字形状で、かつ、側面視でほぼV字形
状に形成され、揺動時にトラックフレーム部30、13
0に当接してトラックフレーム部30、130の最大揺
動量を規制している。
【0098】第2サスシリンダ部520は、第2サスシ
リンダ521と、及び球面軸受522とからなる。第2
サスシリンダ521のボトム側及びロッド側の端部には
球面軸受522a、522bが取着され、ボトム側の球
面軸受522aは第2上部ブラケット部502の第12
ピン504に、また、ロッド側の球面軸受522bは第
2下部ブラケット部510の第13ピン514に挿入さ
れ、第2サスシリンダ521を傾動、回動自在に支持し
ている。
【0099】第2揺動装置530は、揺動用第3ブラケ
ット部531と、揺動用第4ブラケット部540と、及
び、第2の四節リンク装置550とからなる。揺動用第
3ブラケット部531は、揺動用第3ブラケット532
と、第14ピン533と、及び、第15ピン534とか
らなる。揺動用第3ブラケット532は車体後方向きの
U字形状からなり、車体2のメインフレーム2cの側面
に取着されている。第14ピン533及び第15ピン5
34は揺動用第3ブラケット532の上下方向に所定間
隔離間したピン孔に挿入されるとともに、その中央部で
第2の四節リンク装置550を支持している。
【0100】揺動用第4ブラケット部540は、揺動用
第4ブラケット541、第16ピン542、及び、第1
7ピン543とからなる。揺動用第4ブラケット541
は横向きのU字形状からなり、第2下部ブラケット部5
10の第2上ブラケット511及び第2下ブラケット5
12のプレート512bに取着されている。第16ピン
542及び第17ピン543は揺動用第4ブラケット5
41の上下方向に所定間隔離間したピン孔に挿入される
とともに、その中央部で第2の四節リンク装置550を
支持している。第2の四節リンク装置550は、第4リ
ンク551と、第5リンク552と、及び球面軸受55
3とからなる。第4リンク551及び第5リンク552
は、断面四角形状の直線形状のロッドよりなり、その両
端部に球面軸受553が装着されている。第4リンク5
51は球面軸受553を介して、一端部が揺動用第3ブ
ラケット532の第14ピン533に、また、他端部が
揺動用第4ブラケット541の第16ピン542に傾
動、回動自在に取着されている。第5リンク552は球
面軸受553を介して、一端部が揺動用第3ブラケット
532の第15ピン534に、また、他端部が揺動用第
4ブラケット541の第17ピン543に傾動、回動自
在に取着されている。
【0101】図43において、第2連結リンク装置56
0は、リンク用第3ブラケット561と、リンク用第4
ブラケット562と、第6リンク563と、第18ピン
564と、第19ピン565と、及び、球面軸受566
とからなる。リンク用第3ブラケット561は下向きの
U字形状からなり、左右のメインフレーム2cのいずれ
かの下面に取着されている。リンク用第4ブラケット5
62は上向きのU字形状からなり、リンク用第3ブラケ
ット561が取着されている左右のメインフレーム2c
の反対側のメインフレーム2cの下部に配置されている
アクスルハウジング309を支持するリンク用第4ブラ
ケット562に取着されている。本実施例では、リンク
用第4ブラケット562は第2下部ブラケット部510
と一体に形成されている。第18ピン564はリンク用
第3ブラケット561のピン孔に、また、第19ピン5
65はリンク用第4ブラケット562のピン孔に挿入さ
れるとともに、その中央部で第6リンク563を傾動、
回動自在に支持している。第6リンク563は球面軸受
566を介して、一端部がリンク用第3ブラケット56
1の第18ピン564に、また、他端部がリンク用第4
ブラケット562の第19ピン565に傾動、回動自在
に取着されている。
【0102】次に、作動について説明する。第1実施例
と同様に、建設機械1が不整地を走行するとき、石及び
窪みなどにより急激に下方から突き上げられることがあ
る。このとき、第2サスシリンダ部520により衝撃を
吸収できる。また、なだらかな凹凸がある不整地を走行
するときには、第2の四節リンク装置550及び第2サ
スシリンダ部520により、アクスル装置は車体のメイ
ンフレーム2cに対して平行に上下動するため、メイン
フレーム2cの上下動は少なくなる。これにより、上部
旋回体3は傾くことが少なくなり運転者は安心して運転
ができる。また、車体の左右方向に傾斜がある所を走行
するときには、メインフレーム2cとアクスル装置を連
結する第2の四節リンク装置550及び第1サスシリン
ダ部520が作動し、メインフレーム2cに対して三角
形状走行履帯装置5が傾く。これにより、上部旋回体3
は左右に傾くことが少なくなり運転者は安心して運転が
できる。
【0103】次に、本発明の三角形状走行履帯装置及び
アクスル連結装置を取着し、かつ、車両が停止した状態
で掘削、積載等の作業を行う建設機械1Aの実施例につ
いて説明する。図44は、バケットを搭載した作業機4
を有する建設機械1Aであり、その建設機械1Aの側面
図である。同図において、建設機械1Aの下部走行体6
00には、車体2の前方に第1アクスル連結装置400
が、後方に第2アクスル連結装置500が取着されてい
る。前方の第1アクスル連結装置400には前方用三角
形状走行履帯装置200Aが、また、後方の第2アクス
ル連結装置500には後方用三角形状走行履帯装置20
0Bが取着されている。この実施例の場合には、前方用
三角形状走行履帯装置200Aの前方側にアイドラボギ
ー152Aが、また、後方用三角形状走行履帯装置20
0Bの後方側にアイドラボギー172Aが用いられてい
る。
【0104】次に、作動について説明する。オペレータ
は、作業する場所で建設機械1を停止するとともに、前
方用三角形状走行履帯装置200A及び後方用三角形状
走行履帯装置200Bのトラックフレーム揺動抑制装置
80を作動させトラックフレーム部30、130の揺動
を停止する。また、ブレーキ装置70も作動させ、第2
スプロケット123の回転を停止する。また、第1アク
スル連結装置400の第1サスシリンダ装置401及び
第2アクスル連結装置500の第2サスシリンダ装置5
01を図示しないロック装置を作動させて、サスシリン
ダ装置が作動しないようにする。これにより、作業機で
作業してもサスシリンダ装置による上下動はなくなる。
例えば、このとき、簡単に説明するために平地で作業す
る場合を例にすると、作業機4のバケットで掘削した反
力を受ける距離は、トラックフレーム揺動抑制装置80
を作動させることにより、前方用三角形状走行履帯装置
200Aの前方のアイドラ152Aと、後方用三角形状
走行履帯装置200Aの後方のアイドラ172Aとの間
隔LPMになる。これは、トラックフレーム揺動抑制装
置80を有しない、すなわち、トラックフレームが揺動
する従来の車両の反力を受けるスプロケットの中心の距
離のLPnに比べると大幅に長くなる。このため、バケ
ットによる掘削力を大幅に増加することができる。
【0105】また、この建設機械1Aで、図45に示す
ように左右方向に傾きがあるとともに、前後方向にも不
整地を走行する場合には、第1アクスル連結装置400
の第1サスシリンダ装置401及び第2アクスル連結装
置500の第2サスシリンダ装置501により車両の左
右方向の凹凸あるいは段差を吸収できるとともに、トラ
ックフレームの揺動により前後方向の段差を吸収できる
ので、上部旋回体3は傾くことなく走行できる。このた
め、傾くことなく走行できるので安心して運転ができる
とともに、さらに、サスシリンダ装置及びアイドラボギ
ー部により振動が吸収されるため乗り心地が大幅に良好
になる。上記実施例では、前方の第1アクスル連結装置
400には前方用三角形状走行履帯装置200Aが、ま
た、後方の第2アクスル連結装置500には後方用三角
形状走行履帯装置200Bが取着されて例を示したが、
これに囚われることなく、後方にも第1アクスル連結装
置400を、また、前方及び後方に三角形状走行履帯装
置10を用いても良い。さらに、第1スプロケット、第
2スプロケット、ゴム履帯100、及びゴム履帯190
の組み合わせを変更して用いても良い。また、金属の履
帯を装着しても良い。
【0106】
【発明の効果】本発明は以上詳述したような構成とした
ため、トラックフレーム用の軸受はスプロケットの車体
外方に配置したため、ゴム履帯のゲージ幅を小さくでき
るため、車体の幅もまた小さくでき、狭い場所への進
入、及び運搬性が向上する。また、トラックケースは、
軸受を収納する所定の外径がスプロケットの歯あるいは
リングの所定の外径よりも小さく、かつ、トラックケー
スはスプロケットの外側に配置されるとともに、左右方
向の所定の幅は履帯の幅内に収納されたため、軸受の負
荷容量が大きくでき高負荷を必要とする建設機械でも耐
久性の良い揺動可能な三角形状走行履帯装置が得られ
る。また、トラックケースをスプロケットの外側に配置
したが、無限履帯のゴム履帯を組付けるときにも、トラ
ックケースの外径はスプロケットの駆動歯の歯底径より
も小さくしたため、組立性、及び整備性が良い。前方ア
イドラとその横のローラとの間、及び、後方アイドラと
その横のローラとの間のピッチPをいずれかが芯金の突
起部に乗っているようにしたため、トラックフレーム部
の回動量δは少なくなる。また、トラックフレーム部の
上下に移動する移動量が少なくなり、走行時の振動は少
なくなる。
【0107】揺動するトラックフレームを車体の前後方
向で任意の位置でブレーキを用いて、回動を停止できる
ので定置して作業を行う建設機械では、揺動を係止でき
て被牽引力が大きいとともに、凹凸した不整地でもその
地面にならって車両を定置して作業ができるので、作業
性及び車体の安定性が向上する。三角形状走行履帯装置
とともに揺動するナックルアームに規制部材、あるいは
/及び、ブレーキを付設したために、簡単な構成により
確実に規制できる。
【0108】車体とトラックフレームの前部、及び、後
部とをそれぞれ油圧シリンダで連結してトラックフレー
ムを支持し、各油圧シリンダのボトム側、及び、ヘッド
側をそれぞれ連通させたため、地表の障害物に衝突した
ような場合、前方アイドラは上昇し、後方アイドラは下
降して容易に障害物を乗り越えることができる。また、
トラックフレームは各油圧シリンダの内部圧力がバラン
スするように揺動するため、接地圧が均等化され、軟弱
地での作業性が良い。
【0109】前方アイドラとローラ、及び、後方アイド
ラとローラとをアイドラボギーとして揺動自在とし、か
つ、そのほぼ中間部に揺動支点を設けているため、不整
地でも前方アイドラ、ローラ、及び後方アイドラは地面
に良く密着し、泥ねい地、積雪地、原野等においても安
定して走行できるのは勿論のこと、作業もおこなえる。
また、地面に良く密着するため、実牽引力の大きい、振
動が少なく安定性の良い、及び作業性の優れた三角形状
走行履帯装置が得られるとともに、ゴム履帯は凹凸地に
沿うため周長が長くなるため、履帯は、ゴムベルトの張
り、及び履帯張り調整装置から力を受けるので履帯は緩
むことがない。また、アイドラとの中心の距離をローラ
の中心の距離よりも大きく離間することにより、接地圧
力分布はローラの下が接地圧力は高くなり、簡単な構成
でステアリング力を小さくできる。また、内周に突起物
のあるゴムベルトを三角形状走行履帯装置に組付けると
きに、履帯張り調整装置を短くすることにより容易に装
着できる。内方の突起物部分がある無限履帯を三角形状
走行履帯装置に組付け時に、ストッパとトラックローラ
用サポート部材とを当接することにより、無限履帯を三
角形状走行履帯装置に容易に組付けることができる。ま
た、このとき、三角形状走行履帯装置を浮かせると、ア
イドラの重量によりストッパに容易に当接できるので、
作業性、整備性が向上する。
【0110】衝撃、あるいは、負荷を受けた時には、前
方側アイドラ部と後方側アイドラ部と履帯張り調整装置
とが一体となり移動し、履帯は緩むことがない。また、
張り調整用シリンダで受けるので油で衝撃荷重を受ける
ため、前方側アイドラ部、後方側アイドラ部、及びゴム
履帯に及ぼす衝撃を減少できる。スプロケットの駆動歯
に固定されたピンはゴムベルトを回転駆動するとき、ゴ
ムベルトを突出した距離だけ圧縮して回転駆動し、スベ
リが少なくなり摩擦力が増大し回転駆動力を増すことが
でき、特に、固定されたピンで圧縮ですることにより、
スベリが少なくなり摩擦力が増大するとともに、歯先に
固定しているため構造が簡単になる。また、摩擦力を増
大したため、建設機械等の負荷が増してもゴムベルト及
びスプロケットの耐久性が向上する。
【0111】オペレータは、超信地旋回したい場合には
信地旋回用指令スイッチを、右旋回あるいは左旋回の旋
回したい方向に操作することにより、アクスル装置が外
部からの指令により逆転し容易に超信地旋回が可能にな
るとともに、アクスル装置に油圧モータ、あるいは、ク
ラッチを付加することにより行えるため構成が簡単にで
きる。トラックフレーム部の揺動、あるいは/及び、ス
プロケットにブレーキをかけることにより、建設機械は
不整地に密着するので安心して運転ができるとともに、
車両の反力を受けるスプロケットの中心の距離が大幅に
長くなり、バケットによる掘削力を大幅に増加すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】三角形状走行履帯装置を装着した建設機械の実
施例の側面図である。
【図2】本発明の三角形状走行履帯装置の第1実施例の
側面図である。
【図3】本発明の三角形状走行履帯装置の第1実施例の
平面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】図2のA−B−A−C−D断面図である。
【図6】図2のE−E断面図である。
【図7】図5のYA矢視図である。
【図8】ゴム履帯100の断面図である。
【図9】ゴム履帯100の平面図である。
【図10】ゴム履帯100の側面図である。
【図11】前方側アイドラ部50と後方側アイドラ部5
5と履帯張り調整装置60との関係を模式図である。
【図12】前方側アイドラ部50と後方側アイドラ部5
5と履帯張り調整装置60との関係の作動図を示す模式
図である。
【図13】本発明の他の履帯張り調整装置60Aを示す
図である。
【図14】本発明のトラックローラの配置を説明するた
めの模式図である。
【図15】本発明のトラックローラの配置の作動を説明
するための図である。
【図16】本発明の三角形状走行履帯装置の第2実施例
の構成を示す側面図である。
【図17】図16のN−N断面図である。
【図18】障害物乗り越え時の状態を説明するための図
である。
【図19】本発明の三角形状走行履帯装置の第3実施例
の構成を示す側面図である。
【図20】本発明の三角形状走行履帯装置の第4実施例
の構成を示す側面図である。
【図21】図20のP−P断面図である。
【図22】本発明の三角形状走行履帯装置の第5実施例
の側面図である。
【図23】本発明の三角形状走行履帯装置の第5実施例
の平面図である。
【図24】図16のG−H−G断面図である。
【図25】図16のJ−J断面図である。
【図26】図16の前方側のアイドラボギー部の拡大図
である。
【図27】図16の後方側のアイドラボギー部の拡大図
である。
【図28】図21のK−L−K断面図である。
【図29】履帯を装着するときの説明の図である。
【図30】接地圧力の分布を説明するための図である。
【図31】凸部の接地状態を説明するための図である。
【図32】凹部の接地状態を説明するための図である。
【図33】第1アクスル装置の実施例の断面図である。
【図34】第2アクスル装置の実施例の断面図である。
【図35】第1アクスル連結装置の実施例の側面図であ
る。
【図36】図29のYc視図である。
【図37】第1アクスル連結装置の実施例の平面図であ
る。
【図38】ステアリング装置の実施例の一部平面図であ
る。
【図39】図28のM−M断面図である。
【図40】キングピン部の断面図である。
【図41】第2アクスル連結装置の実施例の側面図であ
る。
【図42】第2アクスル連結装置の実施例の一部平面図
である。
【図43】図35のYv視図である。
【図44】建設機械の作業を説明するための側面図であ
る。
【図45】建設機械の傾斜地の状態を説明するための側
面図である。
【符号を説明する】
1…建設機械、2…車体、2a…円筒状ケース、2b…
出力軸、2c…メインフレーム、4…作業機、5、10
…三角形状走行履帯装置、11…駆動装置、11A…遊
星歯車減速機、20、120…スプロケット部、21…
スプロケット用軸受、23…第1スプロケット、23a
…第1スプロケットの駆動歯、30、130…トラック
フレーム部、31、131…トラックフレーム、33、
133…トラックケース、34…フレーム用軸受、50
…前方側アイドラ部、51、152…アイドラ部、53
…アイドラ、55…後方側アイドラ部、60、60A、
200…履帯張り調整装置、60A…履帯調整装置、6
2A…皿バネ、65…張り調整用シリンダ、67…第1
張り調整用シリンダ、70…ブレーキ装置、71…デイ
スクブレーキ板、72…デイスクパッド部、80…トラ
ックフレーム揺動抑制装置、81…フレーム用デイスク
ブレーキ板、82…フレーム用デイスクパッド部、90
…トラックローラ、92…ローラ、100、190…ゴ
ム履帯、101、191…ゴムベルト、102…芯金、
102a、102b、192…突起部、103…芯線、
123…第2スプロケット、123a…円板プレート、
123b…円筒状のピン、123c…円筒状のリング、
132b…前方ブラケット部、132c…後方ブラケッ
ト部、132d…前方側アイドラ用ストッパ、132e
…後方側アイドラ用ストッパ、134、136…上回動
用ストッパ、135、137…下回動用ストッパ、13
5…第1下回動用ストッパ、137…第2下回動用スト
ッパ、150…前方側アイドラボギー部、151…取着
連結部、152A…前方アイドラ部、153…トラック
ローラ部、153A…前方トラックローラ部、158…
サポート部材、163、164…アイドラ、168、1
69…トラックローラ、170…後方側アイドラボギー
部、171…取着連結部、172A…後方アイドラ部、
173…履帯張り調整装置、174…トラックローラ
部、174A…後方トラックローラ部、177…アイド
ラ用サポート部材、178、178a…トラックローラ
用サポート部材、300…第1アクスル装置、301…
アクスル装置、309、309A…アクスルハウジン
グ、320…アクスル装置、323…油圧モータ、32
6…信地旋回用指令スイッチ、330…パーキングブレ
ーキ、340…第2アクスル装置、341…第2アクス
ル装置、344…第1クラッチ、345…第2クラッ
チ、346…第3クラッチ、350…制御装置、400
…第1アクスル連結装置、401…第1サスシリンダ装
置、420…第1サスシリンダ、430…第1揺動装
置、450…第1の四節リンク装置、460…第1連結
リンク装置、470…ステアリング装置、471…ステ
アリングシリンダ部、473…ステアリングシリンダ、
480…キングピン部、482…ナックルアーム、48
3…三角形状走行履帯装置揺動制限部材、500…第2
アクスル連結装置、501…第2サスシリンダ装置、5
16…三角形状走行履帯装置揺動制限部材、530…第
2揺動装置、560…第2連結リンク装置、610…前
方懸架装置、611…第1油圧シリンダ、620…後方
懸架装置、621…第2油圧シリンダ、640…第1油
圧回路、641…第2油圧回路、642…アキュムレー
タ。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側からの動力により回転自在のスプ
    ロケットと、スプロケットの軸芯を中心としてスプロケ
    ットに軸受を介して揺動自在に支持されるとともに、ス
    プロケットの下方で、かつ、スプロケットの軸芯を通る
    垂直線に対して前後方向にほぼ等しい長さを有するトラ
    ックフレームと、トラックフレームの前方端部に設けら
    れた前方アイドラと、トラックフレームの後方端部に設
    けられた後方アイドラと、スプロケット、前方アイド
    ラ、及び後方アイドラに巻装された履帯とからなる三角
    形状走行履帯装置において、トラックフレームを支持す
    る軸受をスプロケットに対して車体外側に配置したこと
    を特徴とする三角形状走行履帯装置。
  2. 【請求項2】 トラックフレームを支持する二つの軸受
    と、二つの軸受を収納する所定の外径、及び、二つの軸
    受を収納する車体の左右方向に所定の幅を有するトラッ
    クフレームと一体で、かつ、スプロケットに対して車体
    外側に配置されたトラックケースと、履帯を駆動する所
    定の外径を有する歯あるいはリングを有するスプロケッ
    トと、スプロケットにより駆動される所定の幅を有する
    履帯とからなり、トラックケースは、軸受を収納する所
    定の外径がスプロケットの歯あるいはリングの所定の外
    径よりも小さく、かつ、トラックケースはスプロケット
    の外側に配置されるとともに、左右方向の所定の幅は履
    帯の幅内に収納されたことを特徴とする請求項1記載の
    三角形状走行履帯装置。
  3. 【請求項3】 車体側からの動力により回転自在のスプ
    ロケットと、スプロケットの下方に配置され、かつ、ス
    プロケットの軸芯を通る垂直線に対して前後方向にほぼ
    等しい長さを有するトラックフレームと、トラックフレ
    ームの前方端部に設けられた前方アイドラと、トラック
    フレームの後方端部に設けられた後方アイドラと、スプ
    ロケット、前方アイドラ、及び後方アイドラに卷装され
    た履帯とからなる三角形状走行履帯装置において、シリ
    ンダボトム部、あるいはピストンロッド先端部を車体に
    揺動自在に取着され、ピストンロッド先端部、あるいは
    シリンダボトム部をトラックフレームの前方アイドラ近
    傍に揺動自在に取着されてトラックフレーム前部を車体
    に支持する第1油圧シリンダと、シリンダボトム部、あ
    るいはピストンロッド先端部を車体に揺動自在に取着さ
    れ、ピストンロッド先端部、あるいはシリンダボトム部
    をトラックフレームの後方アイドラ近傍に揺動自在に取
    着されてトラックフレーム後部を車体に支持する第2油
    圧シリンダと、第1油圧シリンダのボトム側と第2油圧
    シリンダのボトム側とを連通する第1油圧回路と、第1
    油圧シリンダのヘッド側と第2油圧シリンダのヘッド側
    とを連通する第2油圧回路とを備えたことを特徴とする
    三角形状走行履帯装置。
  4. 【請求項4】 前記第1油圧シリンダのボトム側と前記
    第2油圧シリンダのボトム側とを連通する第1油圧回路
    上にアキュムレータを介装したことを特徴とする請求項
    3記載の三角形状走行履帯装置。
  5. 【請求項5】 車体側からの動力により回転自在のスプ
    ロケットと、スプロケットの軸芯を中心としてスプロケ
    ットに軸受を介して揺動自在に支持されるとともに、ス
    プロケットの下方で、かつ、スプロケットの軸芯に対し
    て前後方向にほぼ等しい長さを有するトラックフレーム
    と、トラックフレームの前方端部に設けられた前方アイ
    ドラと、トラックフレームの後方端部に設けられた後方
    アイドラと、前方アイドラと後方アイドラとの間に配設
    された複数のトラックローラと、スプロケット、前方ア
    イドラ、ローラ、及び後方アイドラに巻装された履帯と
    からなる三角形状走行履帯装置において、前方アイドラ
    とその横のローラとの間、後方アイドラとその横のロー
    ラとの間、及び、前後アイドラ間のピッチPを P=〔(0.5±0.2)+N〕×LP 但し、N=整
    数、LP=履帯ピッチ とすることを特徴とする三角形状走行履帯装置。
  6. 【請求項6】 車体側からの動力で無限履帯を回転する
    スプロケットを上方の頂点に、かつ、上方のスプロケッ
    トを中心として車体の前後方向に回動するとともに、車
    体側からの操向力を受けて車体の左右方向に揺動する三
    角形状の走行履帯装置のトラックフレームと、車体側か
    らの操向力を受けてトラックフレームを車体の左右方向
    に揺動するナックルアームとを有する三角形状走行履帯
    装置において、ナックルアームにトラックフレームの車
    体の前後方向の回動量を規制する規制部材、あるいは/
    及び、ナックルアームにトラックフレームの車体の前後
    方向の回動を停止するブレーキを配設したことを特徴と
    する三角形状走行履帯装置。
  7. 【請求項7】 車体側からの動力により回転自在のスプ
    ロケットと、スプロケットの軸芯を中心としてスプロケ
    ットに軸受を介して揺動自在に支持されるとともに、ス
    プロケットの下方で、かつ、スプロケットの軸芯を通る
    垂直線に対して前後方向にほぼ等しい長さを有するトラ
    ックフレームと、トラックフレームの前方端部に設けら
    れた前方アイドラと、トラックフレームの後方端部に設
    けられた後方アイドラと、トラックフレームの下方で、
    かつ、前方アイドラと後方アイドラとの間に設けられた
    複数のローラと、スプロケット、前方アイドラ、ローラ
    及び後方アイドラに巻装された履帯とからなる三角形状
    走行履帯装置において、前方アイドラとローラ、及び、
    後方アイドラとローラとをそれぞれL字形状のアームの
    端部に取着するとともに、アームの中間部を揺動自在に
    軸を介してトラックフレームに取着したことを特徴とす
    る三角形状走行履帯装置。
  8. 【請求項8】 請求項5の三角形状走行履帯装置におい
    て、軸の中心に対する前方アイドラ及び後方アイドラの
    中心の距離をローラの中心の距離よりも大きくしたこと
    を特徴とする三角形状走行履帯装置。
  9. 【請求項9】 請求項5あるいは請求項6の三角形状走
    行履帯装置において、軸と前方アイドラあるいは軸と後
    方アイドラとの間のいずれかに履帯張り手段を設けたこ
    とを特徴とする三角形状走行履帯装置。
  10. 【請求項10】 内方に突出した突起物を有する無限履
    帯と、無限履帯を駆動する所定の外径のリング、及び、
    そのリングに固定し、かつ、リングより外方に突出した
    ピンを有するスプロケットとからなる請求項5あるいは
    請求項7記載の三角形状走行履帯装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項8のいずれかの三
    角形状走行履帯装置において、前方アイドラ及び後方ア
    イドラとを緩衝手段を用いて連結したことを特徴とする
    三角形状走行履帯装置。
  12. 【請求項12】 内方に突出した突起物を有する無限履
    帯と、無限履帯を駆動する所定の外径を有する歯あるい
    は所定の外径をリング及びリングより外方に突出し無限
    履帯と噛み合う突起物を有する固定したピンを有するス
    プロケットと、アームの時計方向及び反時計方向の揺動
    量を規制するストッパとからなり、無限履帯を組付け
    時、アームとストッパとを当接したときに、ストッパ
    は、スプロケットと前方アイドラと後方アイドラの無限
    履帯が接する外径の長さと、スプロケットと前方アイド
    ラ、スプロケットと後方アイドラ、及び、前方アイドラ
    と後方アイドラ、との接線の長さを加えた周長が、アー
    ムとストッパが当接しないときの周長よりも短くなるよ
    うトラックフレームに付設したことを特徴とする請求項
    5から請求項9のいずれかの三角形状走行履帯装置。
  13. 【請求項13】 動力源からの動力を車体の左右に伝え
    るアクスル装置と、アクスル装置からの動力を受けて無
    限履帯を回転する左右のスプロケットと、アクスル装置
    と左右のスプロケットとの間に配設されて動力を伝える
    左右の出力軸と、スプロケットを上方の頂点に、かつ、
    上方のスプロケットを中心として車体の前後方向に回動
    する三角形状の走行履帯装置を有する建設機械におい
    て、出力軸、あるいは、アクスル装置に外部からの指令
    で左右の出力軸をそれぞれ逆方向に回転させる超信地旋
    回手段を付設したことを特徴とする三角形状走行履帯装
    置を有する建設機械。
  14. 【請求項14】 超信地旋回手段は、左右の出力軸のい
    ずれかに付設したギヤとアクスルケースに付設した油圧
    モータ、あるいは、アクスル装置及びアクスル装置とア
    クスルケースとの間に付設したクラッチからなることを
    特徴とする請求項12記載の三角形状走行履帯装置を有
    する建設機械。
  15. 【請求項15】 車体側からの動力で無限履帯を回転す
    るスプロケットを上方の頂点に、かつ、上方のスプロケ
    ットを中心として揺動する三角形状の走行履帯装置を下
    部走行体として有するとともに、下部走行体に取着され
    た車体に掘削、搭載、及び、吊り荷等の作業を行う作業
    装置を有する三角形状走行履帯装置を装着した建設機械
    において、車体の前後左右に配設された4個の三角形状
    走行履帯装置の揺動を係止して作業を行うことを特徴と
    する三角形状走行履帯装置を装着した建設機械。
  16. 【請求項16】 車体側からの動力で無限履帯を回転す
    るスプロケットを上方の頂点に、かつ、上方のスプロケ
    ットを中心として揺動する三角形状の走行履帯装置の下
    部走行体と、下部走行体を駆動するアクスル装置と、ア
    クスル装置に取着された車体と、車体に掘削、搭載、及
    び、吊り荷等の作業を行う作業装置を有する三角形状走
    行履帯装置を装着した建設機械において、車体とアクス
    ル装置とを連結して車体に対して三角形状走行履帯装置
    を上下方向に移動する揺動装置と、車体とアクスル装置
    とを連結して車体に対して三角形状走行履帯装置を上下
    方向、あるいは/及び左右方向に移動するとともに、衝
    撃を吸収するサスシリンダ装置と、車体とアクスル装置
    とを連結して車体に対して三角形状走行履帯装置を左右
    方向に揺動自在に傾動する連結リンク装置と、アクスル
    装置に揺動自在に連結するとともに、その揺動を停止す
    るブレーキとを有する車体の前後左右に配設された4個
    の三角形状走行履帯装置と、からなることを特徴とする
    三角形状走行履帯装置を装着した建設機械。
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