JPH09265258A - 熱圧着型マーキングフィルム - Google Patents

熱圧着型マーキングフィルム

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JPH09265258A
JPH09265258A JP7578796A JP7578796A JPH09265258A JP H09265258 A JPH09265258 A JP H09265258A JP 7578796 A JP7578796 A JP 7578796A JP 7578796 A JP7578796 A JP 7578796A JP H09265258 A JPH09265258 A JP H09265258A
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JP
Japan
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film
thermocompression
marking film
press plate
bonding type
Prior art date
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Application number
JP7578796A
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English (en)
Inventor
Masakazu Ishibashi
正和 石橋
Toru Hayashi
亨 林
Reikichi Nakano
礼吉 中野
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス板18で加熱押圧して被着体9に貼着
される熱圧着型マーキングフィルムにおいて、加熱押圧
後にプレス板12を離そうとしたときに、そのプレス板
12に密着し難くなるようにし、もって、加熱押圧時の
良好な作業性を維持しつつ、そのようなプレス板への密
着に起因する接着不良を未然に防止できるようにする。 【解決手段】 マーキングフィルムMを、その所定方向
の両端側部分がプレス板12から離れる断面弯曲状に予
めカールさせておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、文字や図柄等を
表示する形状にカットされて布等の被着体に熱プレスに
より貼着される熱圧着型マーキングフィルムに関し、特
に熱プレス時の接着不良対策に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のマーキングフィルムは、例えば
スポーツ関係のユニフォームにチーム名や各自の背番号
を表示したり、Tシャツ等の衣料品に文字や図柄等を表
示したりする際に用いられるものであって、カッティン
グマシンで所定の形状にカットして熱プレスするだけで
文字等を鮮やかな色彩でくっきりと、しかも強固に表示
できるものとして知られている。
【0003】このものは、図9に模式的に示すように、
所定の色を呈するように設けられたフィルム本体aと、
このフィルム本体aの一方の表面(同図下側の表面)に
一体に積層されたホットメルト接着剤層bと、上記フィ
ルム本体aの他方の表面(同図上側の表面)に剥離可能
に一体に積層された透明の支持体層cとを備えてなって
いる。そして、カッティングマシンにより、上記支持体
層cを除くフィルム本体a及びホットメルト接着剤層b
の部分を所定の形状にカッティングしてその不要部分を
取り除いた後、ホットメルト接着剤層bが布地等の被着
体dに接合するように該被着体d上に重ね合わせて位置
合せした状態で支持体層cの側からプレス板Pで加熱し
つつ押圧することで、被着体dに貼着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱圧着型マーキングフィルムでは、図10に模式的にか
つ誇張して示すように、プレス板Pで加熱押圧した後、
プレスを解除してそのプレス板Pを上昇させたときに、
静電気等の影響で支持体層cがプレス板Pに密着してし
まって離れ難いために、被着体dに接着しているホット
メルト接着剤層bが部分的(特にフィルムのコーナー
部)に材料破壊を起こし、このことで、被着体dに未接
着の部分が生じ易いという不具合がある。
【0005】また、上記支持体層cが、PET(ポリエ
チレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)等の
ように静電気の受け影響を受け易い材料からなるもので
ある場合には特に密着し易いことから、上記の不具合は
顕著である。
【0006】このような不具合は、加熱押圧時に予めマ
ーキングフィルムの上に当て布をしておき、その当て布
を介してプレス板で加熱押圧するようにすれば略確実に
防止できることであるが、実際の加熱押圧作業において
は、その分だけ手間が余計にかかるようになり、したが
って、そのような対策は採用し難い。また、プレス板に
冷却装置を組み込んでおき、ホットメルト接着剤層が十
分に冷却固化した後にプレスを解除できるようにするこ
とも考えられるが、その場合には、ホットメルト接着剤
層の冷却固化に要する分だけ作業時間が長くなるのみな
らず、設備コストがアップすることになるので、やはり
採用は困難である。
【0007】この発明は斯かる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、プレス板で加熱押圧して被
着体に貼着される熱圧着型マーキングフィルムにおい
て、その断面形状に工夫を加えることで、加熱押圧後の
プレス解除時にプレス板を離そうとしたときに、そのプ
レス板に密着し難くなるようにし、もって、加熱押圧時
の良好な作業性を維持しつつ、そのようなプレス板への
密着に起因する接着不良を未然に防止できるようにする
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、プレスを解除する際に、マーキン
グフィルムが断面弯曲状にカールするようにし、そのカ
ールしようとする変形力によりプレス板から離れ易くな
るようにした。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、フィル
ム本体と、このフィルム本体の一方の表面に一体に積層
されたホットメルト接着剤層と、上記フィルム本体のホ
ットメルト接着剤層とは反対側の表面に剥離可能に一体
に積層された支持体層とを備えていて、ホットメルト接
着剤層が被着体に接合するように該被着体上に重ね合わ
された状態で支持体層側からプレス板で加熱されつつ押
圧されて被着体に貼着されるようにした熱圧着型マーキ
ングフィルムが前提である。そして、少なくとも上記プ
レス板による加熱押圧時に、一部がプレス板から離れる
状態にカールするように構成されているものとする。上
記の構成において、熱圧着型マーキングフィルムは、ホ
ットメルト接着剤層が被着体に対面するように該被着体
上に載置された状態で、その支持体層の側からプレス板
により被着体に向けて加熱されつつ押圧されることによ
り上記被着体に貼着され、その後、プレスが解除されて
上記プレス板がマーキングフィルムから離れようとす
る。このとき、上記熱圧着型マーキングフィルムは、そ
の一部がプレス板から離れる状態にカールしようとし、
その際の変形力により全体としてプレス板から離れ易く
なる。よって、プレス解除時に熱圧着型マーキングフィ
ルムがプレス板に密着することに起因して生じる接着不
良は未然に防止される。
【0010】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、熱圧着型マーキングフィルムは、予めカール
した状態に設けられているものとする。上記の構成にお
いて、熱圧着型マーキングフィルムは、予めカールして
いるので、プレス板による加熱押圧後のプレス解除時に
は元のカール状態に変形しようとし、その際の変形力に
より全体としてプレス板から離れ易くなる。よって、上
記請求項1の発明での作用が具体的に営まれる。
【0011】請求項3の発明では、上記請求項1の発明
において、熱圧着型マーキングフィルムは、常温時には
略フラットであり、プレス板による加熱押圧時にカール
するように構成されているものとする。上記の構成にお
いて、熱圧着型マーキングフィルムは、プレス板による
加熱押圧時にカールしてプレス板に密着し難くなる。一
方、常温時には略フラットであるので、カッティングマ
シンによるカッティング作業及び被着体上での位置合せ
作業は共に支障なく従来どおりに行えることとなり、上
記請求項2の発明のように予めカールさせておく場合に
比べてそれぞれ作業性は向上する。
【0012】請求項4の発明では、上記請求項3の発明
において、支持体層のフィルム本体とは反対側の表面
に、該支持体層と熱収縮率の異なる樹脂層が一体に積層
されているものとする。上記の構成において、プレス板
による加熱押圧時に、支持体層及び樹脂層はそれぞれ熱
収縮する。このとき、支持体層及び樹脂層の各熱収縮率
が互いに異なっているので、熱圧着型マーキングフィル
ムは全体としてカールすることとなる。よって、上記請
求項3の発明での熱圧着型マーキングフィルムのカール
動作が具体的に営まれる。
【0013】請求項5の発明では、上記請求項3の発明
において、支持体層は、プレス板による加熱押圧時にフ
ィルム本体に対し所定方向に伸長するように設けられて
いるものとする。上記の構成において、プレス板による
加熱押圧時、支持体層がフィルム本体に対し所定方向に
伸長することで、熱圧着型マーキングフィルムは、上記
所定方向の両端側部分がプレス板から離れる断面弯曲状
にカールする。よって、この発明においても、上記請求
項3の発明での熱圧着型マーキングフィルムのカール動
作が具体的に営まれる。さらに、上記所定方向の中央部
分がプレス板から離れる断面弯曲状にカールさせるよう
にする場合よりも、両端位置におけるホットメルト接着
剤層の破壊が生じ難く、その上、上記の場合には両端部
の2箇所が共にプレス板に接しているのに比べて中央部
の1箇所だけでプレス板に接することになるので、それ
らの分だけプレス板に密着することに起因して生じる密
着不良は効率よく防止される。
【0014】請求項6の発明では、上記請求項5の発明
において、支持体層は、所定方向と直交する方向に引っ
張られつつ加熱されることで上記所定方向に収縮してな
る支持体をフィルム本体に積層することにより設けられ
ていて、プレス板による加熱押圧時に所定方向に伸長し
て復元するように構成されているるものとする。上記の
構成において、プレス板による加熱押圧時、支持体層は
所定方向に伸長して復元し、その際の復元力により熱圧
着型マーキングフィルムはカールする。よって、上記請
求項5の発明に係る熱圧着型マーキングフィルムが具体
的にかつ適正に得られる。
【0015】請求項7の発明では、上記請求項1の発明
と同じ前提に立ち、支持体層のフィルム本体とは反対側
の表面に、プレス板からの離型性を有する離型層が一体
に設けられているものとする。上記の構成において、熱
圧着型マーキングフィルムは、支持体層のフィルム本体
とは反対側の表面に一体に設けられた離型層により、プ
レス板からの離型性が付与される。よって、この発明に
おいても、プレス板に対する密着し難さは高くなり、プ
レス解除時に熱圧着型マーキングフィルムがプレス板に
密着することに起因して生じる接着不良は未然に防止さ
れる。
【0016】請求項8の発明では、上記請求項7の発明
において、支持体層のフィルム本体とは反対側の表面
に、離型層に代えて、多数の微細な凹凸を有する凹凸面
が形成されているものとする。上記の構成において、熱
圧着型マーキングフィルムは、支持体層のフィルム本体
とは反対側の表面に一体に設けられた凹凸面により、プ
レス板に対する密着し難さが高められる。よって、この
発明においても、上記請求項7の発明の場合と同じ作用
が営まれる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。 (実施形態1)図1は、この発明の実施形態1に係る熱
圧着型マーキングフィルムMの構成を模式的にかつ誇張
して示し、このマーキングフィルムMは、例えば各種運
動用ユニフォームのチーム名や番号等の表示、衣料や
鞄、袋物等への文字ないし図柄の表示を行うために用い
られる。
【0018】上記熱圧着型マーキングフィルムMは、主
成分のウレタン樹脂に顔料等の着色剤が含有されてなる
フィルム本体1と、このフィルム本体1の一方の表面
(図1の下方の表面)に一体に積層されたウレタン系の
ホットメルト接着剤層2と、上記フィルム本体1のホッ
トメルト接着剤層2とは反対側の表面(同図の上方の表
面)に剥離可能に一体に積層されたPETフィルムから
なる支持体層3とを備えてなっており、カッティングマ
シンにて所定形状にカッティングされた後、上記ホット
メルト接着剤層2が被着体としての布地9に接合するよ
うに該布地9上に重ね合わされて位置合せされた状態で
支持体層3側からプレス板12で加熱されつつ押圧され
ることで布地9に貼着されるようになされている。
【0019】そして、この実施形態では、上記熱圧着型
マーキングフィルムMは、所定方向(図1の左右方向)
の両端側部分がプレス板12から離れる断面弯曲状(逆
U字状)に予めカールしている。
【0020】具体的には、上記マーキングフィルムM
は、図2に示すように支持体層3が下側となる向きで水
平台10上に載置された状態において、同図の左右方向
の長さが100mmであるときのその長さ方向の両端の
水平台10からの平均浮上り寸法が、6〜25mmの範
囲に設定されている。この範囲の意味について説明する
と、先ず、平均浮上り寸法とは、一端側(図2の左端
側)の浮上り寸法〔mm〕をa、他端側(同図の右端
側)の浮上り寸法〔mm〕をbとしたときの平均値(a
+b)/2であって、熱圧着型マーキングフィルムMの
カール度を示すものであり、この平均浮上り寸法が6m
m未満であると、カール度が低過ぎてカールによるプレ
ス板12への十分な密着し難さは得られず、一方、25
mmを超えると、今度は、カール度が高過ぎて、カッテ
イングマシンでのカッティング作業及び布地9上での位
置合せ作業にそれぞれ支障をきたすようになる。
【0021】次に、上記熱圧着型マーキングフィルムM
の使用方法を、図3(a)〜(d)に基づいて説明す
る。先ず、図外のカッティングマシンを用いて、図3
(a)に示すように、マーキングフィルムMを所定の文
字形状にカッティングする。この例では、アルファベッ
トの「H」の形状とされている。その際に、カッティン
グマシンのカッタはホットメルト接着剤層2の側(同図
の上側)から入刃されてホットメルト接着剤層2及びフ
ィルム本体1のみをカットし、支持体層3はカットしな
い。そして、図3(b)に示すように、ホットメルト接
着剤層2及びフィルム本体1の不要部分を取り除く。
【0022】次いで、図3(c)に示すように、固定配
置された下側プレス板11と、この下側プレス板11の
上方に昇降移動可能に配置されたプレス板としての上側
プレス板12とを備えてなる熱プレス装置を用い、上記
下側プレス板11の上に布地9を載置し、その上に図3
(b)のマーキングフィルムMを重ね合わせる。その際
に、ホットメルト接着剤層2の側が布地9に接合するよ
うに載置される。つまり、支持体層3が上側に位置する
ように配置される。そして、上側プレス板12を下降移
動させてマーキングフィルムMを上方から加熱しつつ押
圧する。これにより、ホットメルト接着剤層2は、布地
9に押し付けられた状態で支持体層3及びフィルム本体
1を介して加熱されることで上記布地9に溶着する。
【0023】その後、上側プレス板12を上昇移動させ
てプレスを解除し、下側プレス板11上の布地9及びマ
ーキングフィルムMを取り出す。かくして、支持体層3
をフィルム本体1から剥離させることで、図3(d)に
示すように、アルファベットの「H」が表示された布地
9を得ることができる。
【0024】そして、上記プレス解除時には、マーキン
グフィルムMは、その一部が上側プレス板12から離れ
る状態にカールしようとし、その際の変形力により全体
としてプレス板12から離れ易くなるので、上昇する上
側プレス板12にマーキングフィルムMが密着して持ち
上げられることは防止される。
【0025】その際に、上記マーキングフィルムMは、
その両端側部分が上側プレス板12から離れる断面弯曲
状(逆U字状)にカールするので、例えば中央部分がプ
レス板12から離れる断面弯曲状(U字状)にカールさ
せるようにする場合よりも、両端位置におけるホットメ
ルト接着剤層2の破壊は生じ難く、その上、上記の場合
には両端部の2箇所が共にプレス板12に接しているの
に比べて中央部の1箇所だけでプレス板12に接するこ
とになるので、それらの分だけプレス板12に密着する
ことに起因して生じる密着不良は効率よく防止される。
【0026】したがって、この実施形態1によれば、熱
圧着型マーキングフィルムMを、その両端側部分が上側
プレス板12から離れる断面弯曲状に予めカールさせて
おくようにしたので、プレス解除時にカールしようとす
る変形力によりマーキングフィルムMを上側プレス板1
2に対し密着し難くさせることができ、よって、そのよ
うな密着に起因するマーキングフィルムMの布地9から
の剥離を未然にかつ効率よく防止することができる。
【0027】また、そのカール度について、所定方向の
長さが100mmでありかつ支持体層3が下側となる向
きで水平台10上に載置されたときの上記所定方向の両
端の水平台10からの平均浮上り寸法を、6〜25mm
の範囲に設定するようにしたので、カッティング作業及
び位置合せ作業に共に大きく支障をきたすことなく、プ
レス板12に対する十分な密着し難さを得ることができ
る。
【0028】尚、上記実施形態1では、熱圧着型マーキ
ングフィルムMを、その両端側部分が上側プレス板12
から離れる断面弯曲状に予めカールさせておくようにし
ているが、中央部分が上側プレス板から離れる断面弯曲
状にカールさせておくようにしてもよい。
【0029】(実施形態2)図5は、この発明の実施形
態2に係る熱圧着型マーキングフィルムMを模式的にか
つ誇張して示している。尚、上記実施形態1の場合と同
じ部分には同じ符号を付して示し、その説明は省略す
る。
【0030】この実施形態では、上記マーキングフィル
ムMは、図5に実線で示すように常温時には略フラット
であって、プレス板12による加熱押圧時に、同図に仮
想線で示すように、所定方向(同図の左右方向)の中央
部分がプレス板12から離れる断面弯曲状(U字状)に
カールするようになされている。
【0031】具体的には、支持体層3のフィルム本体1
とは反対側の表面(図5の上側の表面)に、支持体層3
よりも熱収縮率の大きい樹脂層としてのUVコート層4
が一体に積層されており、これら支持体層3及びUVコ
ート層4間の熱収縮率の違いによってマーキングフィル
ムMをカールさせるようになっている。尚、この場合
に、上記支持体層3の熱収縮率は、フィルム本体1の熱
収縮率よりも大きくなるようにされている。
【0032】したがって、この実施形態2によれば、プ
レス板12による加熱押圧時にカールさせるようにした
ので、実施形態1の場合と同様にプレス板12に密着し
難くして接着不良を未然に防止することができる一方、
常温時には略フラットであるので、カッティング作業及
び位置合せ作業を従来どおりに行うことができ、よっ
て、上記実施形態1の場合よりも作業性を向上させるこ
とができる。
【0033】尚、上記実施形態2では、UVコート層4
により樹脂層を構成するようにしているが、樹脂層は、
支持体層3との熱収縮率の違いによってマーキングフィ
ルムをカールさせることができるものであればよい。
【0034】また、上記実施形態2では、マーキングフ
ィルムMを、その中央部分がプレス板12から離れる断
面弯曲状にカールさせるようにしているが、両端側部分
がプレス板から離れる断面弯曲状(逆U字状)にカール
させるようにしてもよい。
【0035】(実施形態3)図6は、この発明の実施形
態3に係る熱圧着型マーキングフィルムMを模式的にか
つ誇張して示している。尚、上記実施形態1の場合と同
じ部分には同じ符号を付して示し、その説明は省略す
る。
【0036】この実施形態では、実施形態2の場合と異
なり、フィルム本体1に対する支持体層3の熱変化のみ
によってカールさせるようになされている。すなわち、
支持体層3を構成する支持体フィルムを、所定方向と直
交する方向に引っ張りつつ加熱して上記所定方向に強制
的に収縮させ、その収縮した状態でフィルム本体1に積
層することにより上記支持体層3が設けられていて、こ
の支持体層3は、プレス板6による加熱押圧時に所定方
向に伸長して復元するようになされている。こうするこ
とで、上記マーキングフィルムMは、図6に実線で示す
ように常温時には略フラットであって、プレス板12に
よる加熱押圧時に、同図に仮想線で示すように、所定方
向(同図の左右方向)における両端側部分がプレス板1
2から離れる断面弯曲状(逆U字状)にカールする。
【0037】具体的には、上記支持体層3は、厚さが1
00μmであるPETフィルムからなっていて、そのP
ETフィルムに160〜190℃の熱を加えつつ3〜8
kgの張力でロール状に巻き取ることで幅方向に強制的
に収縮させ、その収縮した状態でフィルム本体1に一体
に積層されてなっている。尚、上記加熱温度が160℃
未満であるとPETフィルムが均一に軟らかくならない
ので伸び難く、一方、190℃を超えるとPETフィル
ムが溶けて破断したり孔が開いたりする。
【0038】したがって、この実施形態3によっても、
上記実施形態2と同じ効果を得ることができる他、実施
形態2のように中央部分がプレス板12から離れる断面
弯曲状にカールさせるようにする場合よりも両端位置に
おけるホットメルト接着剤層2の破壊が生じ難く、その
上、上記の場合には両端部の2箇所が共にプレス板12
に接しているのに比べて中央部の1箇所だけでプレス板
12に接することになるので、それらの分だけプレス板
12に密着することに起因して生じる密着不良を効率よ
く防止することができる。
【0039】(実施形態4)図7は、この発明の実施形
態4に係る熱圧着型マーキングフィルムMを模式的にか
つ誇張して示している。尚、上記実施形態1の場合と同
じ部分には同じ符号を付して示し、その説明は省略す
る。
【0040】この実施形態では、支持体層3のフィルム
本体1とは反対側の表面(図7の上側の表面)に、上側
プレス板12からの離型性を有する離型層5が一体に設
けられている。具体的には、上記離型層5は、シリコン
やフッ素等の表面処理により形成されている。尚、その
他の構成は実施形態1の場合と同じであるので説明は省
略する。
【0041】したがって、この実施形態4によれば、離
型層5によってプレス板12からの離型性を付与するこ
とができ、プレス板12に対する密着し難さを高くする
ことができるので、上記実施形態1の場合と同様に、プ
レス解除時に熱圧着型マーキングフィルムMがプレス板
12に密着することに起因して生じる接着不良を未然に
防止することができる。
【0042】尚、上記実施形態4では、離型層5のみに
よってプレス板12に対する密着し難さを高めるように
しているが、これに、上記実施形態1〜3を併用させる
ようにしてもよい。
【0043】(実施形態5)図8は、この発明の実施形
態5に係る熱圧着型マーキングフィルムMを模式的にか
つ誇張して示している。尚、上記実施形態1の場合と同
じ部分には同じ符号を付して示し、その説明は省略す
る。
【0044】この実施形態では、支持体層3のフィルム
本体1とは反対側の表面(図8の上側の表面)に、実施
形態4の離型層に代えて、多数の微細な凹凸を有する凹
凸面6が設けられている。この凹凸面6は、例えばサン
ドブラスト処理により形成されている。尚、その他の構
成は実施形態1の場合と同じであるので、説明は省略す
る。
【0045】したがって、この実施形態5によれば、支
持体層3の凹凸面6によってプレス板12に対する密着
し難さを高めることができるので、上記実施形態4の場
合と同じ効果を得ることができる。
【0046】尚、上記実施形態5では、凹凸面6のみに
よってプレス板12に対する密着し難さを高めるように
しているが、これに、上記実施形態1〜4を併用させる
ようにしてもよい。
【0047】−実験例− ここで、上記実施形態1の熱圧着型マーキングフィルム
について、そのカール度が互いに異なる6種類の実施例
1〜6を作成し、それらについて、プレス板に対する密
着し難さ、カッティング作業性及び位置合せ作業性につ
いてそれぞれ行った実験について説明する。
【0048】上記各々のマーキングフィルムにおいて、
フィルム本体のウレタン樹脂には、大日精化工業株式会
社製のものを用いた。ホットメルト接着剤には、日本マ
タイ株式会社製のものを用い、その接着剤層の厚さは7
0μmとした。また、支持体層には、ユニチカ株式会社
製であって厚さが100μmであるPETフィルムを用
いた。
【0049】上記カール度は、各マーキングフィルムを
10×10cmの正方形とし、上記実施形態1で説明し
た両端の平均浮上り寸法〔mm〕によって定めた。ま
た、比較のために、全くフラットなマーキングフィルム
を作成して比較例とし、この比較例についても同じ実験
を行った。以上の結果を、次表1に併せて示す。尚、表
1において、「○」は良を、「△」は可を、また「×」
は不可をそれぞれ基本的に示すが、特に「プレス板への
密着し難さ」においては、「○」はプレス解除後にプレ
ス板が上昇する際にそのプレス板と共にマーキングフィ
ルムが上昇しないことを、「△」はマーキングフィルム
が瞬間的に上昇して一部のコーナー部において僅かに接
着不良となったことを、また「×」はマーキングフィル
ムがプレス板に密着して共に上昇したことをそれぞれ示
している。
【0050】
【表1】
【0051】上記の表1から判るのは、カール度が高い
ほど、プレス板への密着のし難さは向上するが、5mm
以下では効果はない。したがって、平均浮上り寸法は6
mm以上にする必要がある。
【0052】一方、カール度が高くなると、それに応じ
てカッティング作業性及び位置合せ作業性は共に低下す
ることになるが、25mmを超えると、各作業にそれぞ
れ著しい支障をきたすようになる。
【0053】これらのことから判るのは、平均浮上り寸
法は、6〜25mmの範囲で設定されることが望まし
い。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、フィルム本体と、該フィルム本体の一方の表面
に一体に積層されたホットメルト接着剤層と、上記フィ
ルム本体のホットメルト接着剤層とは反対側の表面に剥
離可能に一体に積層された支持体層とを備え、ホットメ
ルト接着剤層が被着体に接合するように該被着体上に重
ね合わされた状態で支持体層側からプレス板で加熱され
つつ押圧されて被着体に貼着されるようにした熱圧着型
マーキングフィルムとして、少なくとも上記プレス板に
よる加熱押圧後のプレス解除時に、一部がプレス板から
離れる状態にカールするように構成されているものとし
たので、そのカールしようとする変形力によりプレス板
に対する密着し難さを高めることができ、よって、プレ
ス解除時に熱圧着型マーキングフィルムがプレス板に密
着することに起因する接着不良を未然に防止することが
できる。
【0055】請求項2の発明によれば、上記熱圧着型マ
ーキングフィルムを、予めカールした状態に設けておく
ようにしたので、上記請求項1の発明による効果を具体
的に得ることができる。
【0056】請求項3の発明によれば、上記熱圧着型マ
ーキングフィルムを、常温時には略フラットであり、プ
レス板による加熱押圧時にカールするようにしたので、
上記請求項2の発明の場合に比べて、カッティング作業
性及び位置合せ作業性を共に向上させることができる。
【0057】請求項4の発明によれば、上記支持体層の
フィルム本体とは反対側の表面に、該支持体層と熱収縮
率の異なる樹脂層を一体に積層するようにしたので、上
記請求項3の発明による効果を具体的に得ることができ
る。
【0058】請求項5の発明によれば、上記支持体層
を、プレス板による加熱押圧時に所定方向に伸長するよ
うに設けることとしたので、上記請求項4の発明による
効果を具体的に得ることができる他、所定方向の両端側
部分がプレス板から離れる断面弯曲状にカールさせるこ
とができ、よって、上記方向の中央部分がプレス板から
離れる断面弯曲状にカールさせるようにする場合より
も、接着不良を効果的に防止することができる。
【0059】請求項6の発明によれば、上記支持体層
を、所定方向と直交する方向に引っ張られつつ加熱され
ることで上記所定方向に収縮してなる支持体をフィルム
本体に積層して設け、この支持体層がプレス板による加
熱押圧時に所定方向に伸長する際の復元力により熱圧着
型マーキングフィルムをカールさせるようにしたので、
上記請求項5の発明による効果を具体的にかつ適正に得
ることができる。
【0060】請求項7の発明によれば、上記支持体層の
フィルム本体とは反対側の表面に、プレス板からの離型
性を有する離型層を一体に設けるようにしたので、この
発明によっても、プレス板に対する密着し難さを高める
ことができ、プレス解除時に熱圧着型マーキングフィル
ムがプレス板に密着することに起因して生じる接着不良
を未然に防止することができる。
【0061】請求項8の発明によれば、上記支持体層の
フィルム本体とは反対側の表面に、上記離型層に代え
て、凹凸面を形成するようにしたので、この発明によっ
ても、上記請求項7の発明の場合と同じ効果を奏するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1に係る熱圧着型マーキン
グフィルムの構成を示す模式図である。
【図2】熱圧着型マーキングフィルムのカール度として
の長さ方向両端の平均浮上り寸法を説明するための模式
図である。
【図3】熱圧着型マーキングフィルムの貼着方法を段階
的に示す概略図である。
【図4】プレス解除時における熱圧着型マーキングフィ
ルムのプレス板に対する密着し難さを示す模式図であ
る。
【図5】この発明の実施形態2に係る熱圧着型マーキン
グフィルムを示す図1相当図である。
【図6】この発明の実施形態3に係る熱圧着型マーキン
グフィルムを示す図1相当図である。
【図7】この発明の実施形態4に係る熱圧着型マーキン
グフィルムを示す図1相当図である。
【図8】この発明の実施形態5に係る熱圧着型マーキン
グフィルムを示す図1相当図である。
【図9】従来の熱圧着型マーキングフィルムを示す図1
相当図である。
【図10】プレス解除時における熱圧着型マーキングフ
ィルムのプレス板に対する密着し易さを示す図4相当図
である。
【符号の説明】
1 フィルム本体 2 ホットメルト接着剤層 3 支持体層 4 UVコート層(樹脂層) 5 離型層 6 凹凸面 9 布地(被着体) 12 上側プレス板(プレス板)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム本体と、該フィルム本体の一方
    の表面に一体に積層されたホットメルト接着剤層と、上
    記フィルム本体のホットメルト接着剤層とは反対側の表
    面に剥離可能に一体に積層された支持体層とを備え、ホ
    ットメルト接着剤層が被着体に接合するように該被着体
    上に重ね合わされた状態で支持体層側からプレス板で加
    熱されつつ押圧されて被着体に貼着されるようにした熱
    圧着型マーキングフィルムであって、 少なくとも上記プレス板による加熱押圧後のプレス解除
    時に、一部がプレス板から離れる状態にカールするよう
    に構成されていることを特徴とする熱圧着型マーキング
    フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱圧着型マーキングフィ
    ルムにおいて、 予めカールした状態に設けられていることを特徴とする
    熱圧着型マーキングフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱圧着型マーキングフィ
    ルムにおいて、 常温時には略フラットであり、プレス板による加熱押圧
    時にカールするように構成されていることを特徴とする
    熱圧着型マーキングフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱圧着型マーキングフィ
    ルムにおいて、 支持体層のフィルム本体とは反対側の表面に、該支持体
    層と熱収縮率の異なる樹脂層が一体に積層されているこ
    とを特徴とする熱圧着型マーキングフィルム。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の熱圧着型マーキングフィ
    ルムにおいて、 支持体層は、プレス板による加熱押圧時にフィルム本体
    に対し所定方向に伸長するように設けられていることを
    特徴とする熱圧着型マーキングフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の熱圧着型マーキングフィ
    ルムにおいて、 支持体層は、所定方向と直交する方向に引っ張られつつ
    加熱されることで上記所定方向に収縮してなる支持体を
    フィルム本体に積層することにより設けられていて、プ
    レス板による加熱押圧時に所定方向に伸長して復元する
    ように構成されていることを特徴とする熱圧着型マーキ
    ングフィルム。
  7. 【請求項7】 フィルム本体と、該フィルム本体の一方
    の表面に一体に積層されたホットメルト接着剤層と、上
    記フィルム本体のホットメルト接着剤層とは反対側の表
    面に剥離可能に一体に積層された支持体層とを備え、ホ
    ットメルト接着剤層が被着体に接合するように該被着体
    上に重ね合わされた状態で支持体層側からプレス板で加
    熱されつつ押圧されて被着体に貼着されるようにした熱
    圧着型マーキングフィルムであって、 上記支持体層のフィルム本体とは反対側の表面に、プレ
    ス板からの離型性を有する離型層が一体に設けられてい
    ることを特徴とする熱圧着型マーキングフィルム。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の熱圧着型マーキングフィ
    ルムにおいて、 支持体層のフィルム本体とは反対側の表面に、離型層に
    代えて、多数の微細な凹凸を有する凹凸面が形成されて
    いることを特徴とする熱圧着型マーキングフィルム。
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