JPH09264619A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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JPH09264619A
JPH09264619A JP7548296A JP7548296A JPH09264619A JP H09264619 A JPH09264619 A JP H09264619A JP 7548296 A JP7548296 A JP 7548296A JP 7548296 A JP7548296 A JP 7548296A JP H09264619 A JPH09264619 A JP H09264619A
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Yoshinori Kobayashi
義典 小林
Takayuki Izeki
貴之 井関
Keisuke Morita
恵介 森田
Hiroshi Matsunaga
寛 松永
Shizuo Otaki
鎮雄 大瀧
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒としてハイドロカーボン(HC)を主成
分とする冷媒を使用しながら冷凍機油との相溶性を考慮
して適度な粘度を維持することにより、地球環境に優し
く、かつ機器としての信頼性が高い冷凍サイクル装置を
提供する。 【解決手段】 冷媒の圧縮工程に高圧型圧縮機2を用い
て冷凍サイクルを構成するものであって、冷媒としてハ
イドロカーボン(HC)を主成分とする冷媒を用い、冷
凍機油として、冷媒に対して相溶性を有するとともに、
粘度が40℃における動粘性係数で46cSt以上とな
る冷凍機油を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として空気調和
機、除湿装置、冷蔵装置などに用いる冷凍サイクル装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、この種の冷凍装置におい
ては、冷媒としてクロロフルオロカーボン(CFC)で
あるR12冷媒等や、ハイドロクロロフルオロカーボン
(HCFC)であるR22冷媒等を使用し、冷凍機油と
して鉱物油を使用していた。
【0003】また、例えば特開平5−157379号公
報に記載する技術においては、ハイドロフルオロカーボ
ン(HFC)であるR134a冷媒を用いて冷凍装置を
構成し、圧縮機の冷凍機油として、冷媒に対して相互溶
解性がないハードアルキルベンゼン油(非相溶系)を使
用することにより、冷凍機油の粘度を規定して圧縮機の
潤滑性を確保している。
【0004】ところで、CFCやHCFCはオゾン破壊
係数(ODP)の値が0以上であるために、1995年
モントリオール議定書改定に基づき、CFCは1995
年末に全廃し、HCFCも1996年から規制を開始
し、2020年に全廃することが規定されており、CF
C/HCFCの代替冷媒としてHFCが注目されてい
る。しかし、HFCは地球温暖化係数(GWP)の値が
大きく、地球環境保護のため、将来的に規制される可能
がある。そこで、HFCの次世代冷媒としては、ODP
=0であるばかりでなく、GWP≒Oであるプロパンや
ブタン等のハイドロカーボン(HC)が有力候補の一つ
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ハイドロカー
ボン(HC)は分子極性が小さいために、冷凍機油とし
ての鉱物油に対する相溶性が、従来使用していたCFC
/HCFCに比べて、大きい性状を有しており、圧縮機
内のように、冷媒と冷凍機油が共存する状態において
は、冷媒の冷凍機油への溶け込みが多くなって冷凍機油
の粘度が低下し、圧縮機の機械的な潤滑性が低下するこ
とによって機器の信頼性が低下する。
【0006】一方、冷凍機油として粘度の高い油を使用
すると、蒸発器などの低温部において温度条件によって
は冷凍機油の粘度が高くなり過ぎることがある。このた
めに、冷凍機油が冷媒と共に冷凍サイクル内に吐出され
ると、蒸発器などの低温部で冷凍機油の粘度が高くなり
過ぎて、圧縮機に戻って来ない可能性が考えられる。結
果として、圧縮機内の冷凍機油が不足し、圧縮機の機械
的な潤滑性が損なわれるに伴って摩耗が進行し、あるい
は熱交換器内に滞留した冷凍機油が伝熱を阻害して伝熱
効率が低下することが考えられる。
【0007】また、冷凍サイクルを長時間低温環境下に
放置すると、圧縮機内の温度も低温になり、オイル粘度
が上昇するために、始動時に大きな始動トルクが必要と
なり、モータに過大トルクがかかり、運転できなくなる
恐れがある。
【0008】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、冷媒としてハイドロカーボン(HC)を使用しなが
ら冷凍機油との相溶性を考慮して適度な粘度を維持する
ことにより、地球環境に優しく、かつ機器としての信頼
性が高い冷凍サイクル装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の請求項1に記載する冷凍サイクル装置
は、冷媒の圧縮工程に高圧型圧縮機を用いて冷凍サイク
ルを構成するものであって、冷媒としてハイドロカーボ
ン(HC)を主成分とする冷媒を用い、冷凍機油とし
て、冷媒に対して相溶性を有するとともに、粘度が40
℃における動粘性係数で46cSt以上となる冷凍機油
を用いる構成としたものである。
【0010】冷凍サイクル装置の圧縮機において、信頼
性を確保するためには、機械的な摩耗ならびに高温の発
生を抑制することが必要であり、摩耗ならびに高温発生
を抑制するためには冷凍機油によって潤滑性を保って金
属部材相互間の円滑な接触運動を維持する必要がある。
冷凍機油の粘度が低下すると金属部材の表面において形
成する油膜厚が減少するので、冷凍機油の粘度の低下は
金属部材の円滑な接触運動を損なわせる因子として作用
する。
【0011】ところで、冷凍機油はハイドロカーボン
(HC)系の冷媒に対して相溶性を有し、相溶性は圧力
と温度によって変化し、一般に圧力が高い程に相溶性
(溶解度)が大きくなり、また、温度が高い程に相溶性
が小さくなる。一方で、冷凍機油の粘度は温度と相溶性
(溶解度)によって変化し、温度が高い程に粘度が低く
なり、相溶性(溶解度)が大きい程に粘度が低くなる。
【0012】したがって、圧力隔壁(シェル)内に吐出
圧力が作用し、冷凍機油が高温・高圧下で、冷媒と共存
する高圧型圧縮機においては、冷媒の冷凍機油への溶け
込みが多くなって冷凍機油の粘度が低下する傾向にある
ので、使用する冷凍機油はある程度高い粘度に調質する
必要がある。
【0013】この冷凍機油の粘度の適値を実験的に求め
ると、40℃における動粘性係数で46cSt以上とな
り、この値以上の粘度グレードにおいては金属部材の接
触運動面における摩耗量が、従来の経験則における許容
摩耗限界である20μm以下となり、圧縮機の信頼性が
向上する。
【0014】ここで、冷凍機油としては、パラフィン系
炭化水素、ナフテン系炭化水素、カーボネイトオイル、
アルキルベンゼン、アルキレングリコールの単品あるい
はそれらの混合油、等々を使用する。
【0015】本発明の請求項2に記載する冷凍サイクル
装置は、冷媒の圧縮工程に低圧型圧縮機を用いて冷凍サ
イクルを構成するものであって、冷媒としてハイドロカ
ーボン(HC)を主成分とする冷媒を用い、冷凍機油と
して、冷媒に対して相溶性を有するとともに、粘度が4
0℃における動粘性係数で15cSt以上となる冷凍機
油を用いる構成としたものである。
【0016】圧力隔壁(シェル)内に吸入圧力が作用す
る低圧型圧縮機においては、冷凍機油が高圧型圧縮機に
比べて低温・低圧下に存在するので、高圧型圧縮機に比
して冷凍機油の粘度が低い値でも圧縮機内では十分な潤
滑性を保つことができる。
【0017】この冷凍機油の粘度の適値を実験的に求め
ると、40℃における動粘性係数で15cSt以上とな
り、この値以上の粘度グレードにおいては金属部材の接
触運動面における摩耗量が、従来の経験則における許容
摩耗限界である20μm以下となり、圧縮機の信頼性が
向上する。
【0018】また、冷凍機油は、圧縮機内における使用
最高温度での粘度が動粘性係数で1cSt以上となるよ
うに調質する。この値以上の粘度グレードにおいては金
属部材の接触運動面における摩耗量が、従来の経験則に
おける使用最高温度下での許容摩耗限界である3μm以
下となり、圧縮機の信頼性が向上する。ここで、使用最
高温度とは圧縮機から吐出する冷媒の吐出温度が最も高
くなる温度であり、最高で約125℃程度である。
【0019】また、冷凍機油は、冷媒の蒸発工程を担う
熱交換器の使用最低蒸発温度での粘度が動粘性係数で2
200cSt以下となるように調質する。この値以下の
粘度グレードにおいては、冷凍機油が蒸発器内に滞留す
ることなく円滑に圧縮機に戻ることにより、低温下にお
いても圧縮機における冷凍機油の不足を防止できる。さ
らに、熱交換器において、冷凍機油の滞留に起因して伝
熱効率が阻害されることを防止できる。
【0020】また、冷凍機油は、装置停止時の装置周囲
温度下で冷媒に相溶する状態における粘度が動粘性係数
で40cSt以下となるように調質する。冷凍サイクル
装置を長時間にわたって低温環境下に放置する、所謂
「寝込み」状態では、圧縮機内の温度も低温になり、冷
凍機油の粘度が上昇する。この場合に、冷凍機油に冷媒
がいくらか溶け込んでいるが、圧縮機起動時に粘度が高
すぎると、圧縮機の寝込み始動時の始動トルクが大きく
なり、場合によっては過大なトルクが作用して運転でき
なくなる。しかし、装置停止時の装置周囲温度下で冷媒
に相溶する状態における粘度を、動粘性係数で40cS
t以下に調質することにより、寝込み始動時において
も、速やかに圧縮機の始動を行うことができる。
【0021】また、高圧型圧縮機における冷凍機油とし
て、40℃において46cSt以上の動粘性係数を有
し、熱交換器の使用最低蒸発温度において2200cS
t以下の動粘性係数を有するように調質することによ
り、あるいは低圧型圧縮機における冷凍機油として、4
0℃において15cSt以上の動粘性係数を有し、熱交
換器の使用最低蒸発温度において2200cSt以下の
動粘性係数を有するように調質することにより、稼働時
の圧縮機の信頼性が向上するとともに、冷凍機油が蒸発
器内に滞留することなく円滑に圧縮機に戻ることによ
り、低温下においても圧縮機における冷凍機油の不足を
防止でき、さらには、熱交換器において冷凍機油の滞留
に起因して伝熱効率が阻害されることを防止でき、冷凍
サイクルの装置全体としての信頼性が向上する。
【0022】また、高圧型圧縮機における冷凍機油とし
て、40℃において46cSt以上の動粘性係数を有
し、装置停止時の装置周囲温度下で40cSt以下の動
粘性係数を有するように調質することにより、あるいは
低圧型圧縮機における冷凍機油として、40℃において
15cSt以上の動粘性係数を有し、装置停止時の装置
周囲温度下で40cSt以下の動粘性係数を有するよう
に調質することにより、圧縮機の稼働中および始動時に
おいて不具合がなく、また装置としての信頼性が向上す
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1において、冷凍サイクル装置1
の冷房運転時には、実線で示すように、圧縮機2から吐
出する高温・高圧の冷媒ガスが四方弁3を経て凝縮器
(放熱器)をなす室外熱交換器4に流入し、凝縮(放
熱)により液相となる。この液相となった冷媒は、減圧
部5を通って蒸発器(吸熱器)をなす室内熱交換器6に
流入し、蒸発(吸熱)により気相となる。この気相とな
った冷媒ガスは、四方弁3およびアキュームレータ7を
経て再び圧縮機2へ流入する。
【0024】暖房運転時は、波線で示すように、四方弁
3が切り換わり、室内熱交換器6が凝縮器(放熱器)と
なり、室外熱交換器4が蒸発器(吸熱器)となる。一
方、圧縮機2には高圧型と低圧型があり、高圧型は圧力
隔壁(シェル)内に吐出圧力が作用し、冷凍機油4が高
温・高圧下に滞留するもので、低圧型は圧力隔壁(シェ
ル)内に吸入圧力が作用し、冷凍機油が吸入圧下に滞留
するものである。
【0025】図2に高圧型の圧縮機2の一例を示す。図
2において、冷媒ガスはアキュームレータ7へ流入し、
その後に圧縮部21に流入する。圧縮部21では、モー
タ22によって駆動するピストンにより冷媒を圧縮し、
シェル23で形成する内部空間内へ圧縮した高温・高圧
の冷媒ガスを吐出する。この高温・高圧の冷媒ガスは、
シェル23の内部に滞留した後に、吐出管24から冷凍
サイクル内へ吐出される。
【0026】このとき、シェル23に滞留する冷凍機油
25を回転軸26の回転に伴って圧縮部21に汲み上げ
る一方で、冷凍サイクル内を冷媒に溶解して循環してき
た冷凍機油25がアキュームレータ7から冷媒ガスとと
もにシリンダ室内に流入し、冷凍機油25が圧縮部21
におけるシリンダとピストンの間の潤滑性を保って両者
の円滑な接触運動を維持し、さらには他の軸受部等の摺
接部における潤滑性を確保する。
【0027】図3に低圧型の圧縮機2の一例を示す。図
3において、冷媒ガスは、シェル31で形成する内部空
間内へ流入し、吸入圧下において滞留する。シェル31
の内部に滞留する冷媒ガスは、圧縮部32を構成する固
定スクロールと旋回スクロールの間に流入し、モータ3
3によって旋回スクロールが旋回することより圧縮さ
れ、吐出チャンバ34を通って吐出管35から冷凍サイ
クル内へ吐出される。
【0028】このとき、シェル31の下方に滞留する冷
凍機油36が回転軸37の回転にともなってオイルポン
プ等により圧縮部32に汲み上げられ、冷凍機油36が
固定スクロールと旋回スクロールの間の潤滑性を保って
両者の円滑な接触運動を維持し、さらには他の軸受部等
の摺接部における潤滑性を確保する。
【0029】ところで、冷凍機油は粘度が低下すると金
属部材の表面において形成する油膜厚が減少するので、
冷凍機油の粘度の低下は金属部材の円滑な接触運動を損
なわせる因子として作用する。
【0030】このために、図2に示した圧縮工程に高圧
型圧縮機を用いた冷凍サイクルにおいては、冷媒として
プロパン等のハイドロカーボン(HC)を主成分とする
冷媒を用いており、冷凍機油25として、冷媒に対して
相溶性を有するとともに、粘度が40℃における動粘性
係数で46cSt以上となる冷凍機油25を用いてい
る。
【0031】冷凍機油25はハイドロカーボン(HC)
系の冷媒に対して相溶性を有しており、図4に示すよう
に、一般に相溶性は圧力と温度によって変化し、圧力が
高い程に相溶性(溶解度)が大きくなり、温度が高い程
に相溶性が小さくなる。一方で、図5に示すように、冷
凍機油25の粘度は温度と相溶性(溶解度)によって変
化し、温度が高い程に粘度が低くなり、相溶性(溶解
度)が大きい程に粘度が低くなる。したがって、シェル
23の内部に吐出圧力が作用し、冷凍機油25が高温・
高圧下に曝される高圧型圧縮機においては、温度が高
く、相溶性も大きいために、冷凍機油25の粘度が低下
する傾向にあるので、潤滑性確保のためには使用する冷
凍機油25はある程度高い粘度に調質する必要がある。
【0032】この冷凍機油25の粘度の適値を実験的に
求めると、40℃における動粘性係数で46cSt以上
となる。図6に、冷媒にプロパン(R290)を使用
し、冷凍機油25に鉱物油を使用した場合における摩耗
量と純粋な冷凍機油の粘度グレード(動粘度)との相関
を示す。図6に示すように、46cSt以上の粘度グレ
ードにおいては金属部材の接触運動面における摩耗量
が、従来の経験則における許容摩耗限界である20μm
以下となり、圧縮機の信頼性が向上する。この冷凍機油
としては、例えばパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭
化水素、カーボネイトオイル、アルキルベンゼン、アル
キレングリコールの単品、あるいはそれらの混合油、等
々がある。
【0033】一方、図3に示したように、シェル31の
内部に吸入圧力が作用する低圧型圧縮機においては、冷
凍機油36が、高圧型圧縮機の場合に比べて、低温・低
圧下に存在するので、上述の高圧型圧縮機に比して冷凍
機油36の粘度グレードが低くても必要な粘性を保つこ
とができる。このために、冷凍機油36として、冷媒に
対して相溶性を有するとともに、粘度が40℃における
動粘性係数で15cSt以上となるものを使用してい
る。この値は実験的に求めたものであり、図7に、冷媒
にプロパン(R290)を使用し、冷凍機油36に鉱物
油を使用した場合における摩耗量と純粋な冷凍機油の粘
度グレード(動粘度)との相関を示す。図7に示すよう
に、低圧型圧縮機の場合、15cSt以上の粘度グレー
ドにおいては金属部材の接触運動面における摩耗量が従
来の経験則における許容摩耗限界である20μm以下と
なり、圧縮機の信頼性が向上する。
【0034】また、冷凍機油25,36は圧縮機2の内
部における使用最高温度での粘度が動粘性係数で1cS
t以上となるように調質する。ここで、使用最高温度と
は圧縮機2の内部に吐出する冷媒の吐出温度である。例
えば、室内温度40℃(湿度60%)以上、室外温度4
0℃の実験条件下では、使用最高温度が125℃とな
る。図8に、冷媒にプロパン(R290)を使用し、冷
凍機油4に鉱物油を使用し、冷房過負荷条件として室内
機周囲温度40℃(湿度60%)、室外機周囲温度(乾
球)40℃で一定時間連続運転した場合における摩耗量
と純粋な冷凍機油の粘度グレード(動粘度)の相関を示
す。図8において、1cSt以上の粘度グレードにおい
ては金属部材の接触運動面における摩耗量が、使用最高
温度下における従来の経験則における許容摩耗限界であ
る3μm以下となり、圧縮機2の信頼性が向上する。
【0035】また、冷凍機油25,36は、冷媒の蒸発
工程を担う熱交換器の使用最低蒸発温度での粘度が動粘
性係数で2200cSt以下となるように調質する。図
9に、冷媒にプロパン(R290)を使用し、冷凍機油
25,36に鉱物油を使用し、最低蒸発温度−23℃で
運転した場合におけるオイル戻り時間と最低蒸発温度相
当の動粘度の相関を示す。ここでオイル戻り時間は圧縮
機2の吐出側おいて冷凍サイクル内に冷凍機油25,3
6を注入し、この冷凍機油25,36が圧縮機2内に返
流され、その油面が一定の高さで安定する、すなわち油
全量が回収されるまでの時間を計測したものである。図
9において、2200cSt以下の粘度グレードにおい
ては、冷凍機油25,36が円滑に圧縮機2に戻ること
により、低温下においても圧縮機2における冷凍機油2
5,36の不足を防止できるとともに、熱交換器におけ
る冷媒の滞留に起因して伝熱効率が阻害されることを防
止できる。
【0036】また、冷凍機油4は、装置停止時の装置周
囲温度下で冷媒に相溶する状態における粘度が動粘性係
数で40cSt以下となるように調質する。「寝込み」
状態では、圧縮機内の温度も低温になり、冷凍機油4の
粘度が上昇する。このため、圧縮機2の寝込み始動時の
始動トルクが大きくなり、場合によっては過大なトルク
が作用して運転できなくなるが、冷凍機油4の粘度を、
装置停止時の装置周囲温度下で冷媒に相溶する状態にお
いて動粘性係数で40cSt以下に調質することによ
り、寝込み始動時においても、速やかに圧縮機の始動を
行える。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
圧型圧縮機を使用する冷凍サイクルにおいて、冷媒とし
てハイドロカーボン(HC)を主成分とする冷媒を用
い、粘度が40℃における動粘性係数で46cSt以上
となる冷凍機油を使用することによって、金属部材の接
触運動面における摩耗量を許容摩耗限界以下に抑制し、
潤滑性を維持して圧縮機の信頼性の向上を図ることがで
きる。
【0038】低圧型圧縮機においては、冷凍機油の粘度
を40℃における動粘性係数で15cSt以上とするこ
とにより、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
また、冷凍機油は、使用最高温度での粘度を動粘性係数
で1cSt以上となるように調質することにより、圧縮
機の信頼性が向上する。
【0039】また、冷凍機油は、使用最低蒸発温度での
冷凍機油の粘度が動粘性係数で2200cSt以下とな
るように調質することにより、熱交換器の伝熱面に付着
する冷凍機油の油膜厚が過剰に肥大せず、熱交換を阻害
することがなく、冷凍機油が円滑に圧縮機に戻ることに
より、低温下においても圧縮機における冷凍機油の不足
を防止できる。
【0040】また、冷凍機油は、装置停止時の装置周囲
温度下で冷媒に相溶する状態において粘度を動粘性係数
で40cSt以下に調質することにより、寝込み始動時
においても、速やかに圧縮機の始動を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における冷凍サイクルを示す
概念図である。
【図2】同実施形態における高圧型圧縮機の構成を示す
断面図である。
【図3】同実施形態における低圧型圧縮機の構成を示す
断面図である。
【図4】同実施形態における冷凍機油の溶解度と圧力の
相関図である。
【図5】同実施形態における冷凍機油の温度と粘度の相
関図である。
【図6】同実施形態における動粘度と摩耗量の相関図で
ある。
【図7】同実施形態における動粘度と摩耗量の相関図で
ある。
【図8】同実施形態における動粘度と摩耗量の相関図で
ある。
【図9】同実施形態における最低蒸発温度相当の動粘度
とオイル戻り時間動粘度との相関図である。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル装置 2 圧縮機 3 四方弁 4 室外熱交換器 5 減圧部 6 室内熱交換器 7 アキュームレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 寛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大瀧 鎮雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒の圧縮工程に高圧型圧縮機を用いて
    冷凍サイクルを構成するものであって、冷媒としてハイ
    ドロカーボン(HC)を主成分とする冷媒を用い、冷凍
    機油として、冷媒に対して相溶性を有するとともに、粘
    度が40℃における動粘性係数で46cSt以上となる
    冷凍機油を用いることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 冷媒の圧縮工程に低圧型圧縮機を用いて
    冷凍サイクルを構成するものであって、冷媒としてハイ
    ドロカーボン(HC)を主成分とする冷媒を用い、冷凍
    機油として、冷媒に対して相溶性を有するとともに、粘
    度が40℃における動粘性係数で15cSt以上となる
    冷凍機油を用いることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 冷凍機油は、冷媒の圧縮工程を担う圧縮
    機内における使用最高温度での粘度が動粘性係数で1c
    St以上となることを特徴とする請求項1又は2記載の
    冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】 冷凍サイクルの冷媒としてハイドロカー
    ボン(HC)を主成分とする冷媒を用い、冷凍機油とし
    て、冷媒の蒸発工程を担う熱交換器の使用最低蒸発温度
    での粘度が動粘性係数で2200cSt以下となる冷凍
    機油を用いることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】 冷凍サイクルの冷媒としてハイドロカー
    ボン(HC)を主成分とする冷媒を用い、冷凍機油とし
    て、装置停止時の装置周囲温度下で冷媒に相溶する状態
    における粘度が動粘性係数で40cSt以下となる冷凍
    機油を用いることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】 冷凍機油は、冷媒の蒸発工程を担う熱交
    換器の使用最低蒸発温度での粘度が動粘性係数で220
    0cSt以下となることを特徴とする請求項1又は2記
    載の冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】 冷凍機油は、装置停止時の装置周囲温度
    下で冷媒に相溶する状態における粘度が動粘性係数で4
    0cSt以下となることを特徴とする請求項1又は2記
    載の冷凍サイクル装置。
JP7548296A 1996-03-29 1996-03-29 冷凍サイクル装置 Expired - Lifetime JP3654702B2 (ja)

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