JPH07208819A - 冷媒循環システム - Google Patents

冷媒循環システム

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JPH07208819A
JPH07208819A JP6088957A JP8895794A JPH07208819A JP H07208819 A JPH07208819 A JP H07208819A JP 6088957 A JP6088957 A JP 6088957A JP 8895794 A JP8895794 A JP 8895794A JP H07208819 A JPH07208819 A JP H07208819A
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Satoru Toyama
悟 外山
Takuo Hirahara
卓穂 平原
Susumu Kawaguchi
進 川口
Tatsuaki Shimizu
辰秋 清水
Katsuyuki Kawasaki
勝行 川▲崎▼
Noboru Masuda
昇 増田
Shinobu Ogasawara
忍 小笠原
Hiroshige Konishi
広繁 小西
Hitoshi Maruyama
等 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 主としてハイドロフルオロカーボンを主成分
とする冷媒等のように極性の高い冷媒を使用し、液冷媒
に対して凝縮側で弱い相溶性を有する冷凍機油を用いる
冷媒循環システム。又、主としてハイドロフルオロカー
ボンを主成分とする冷媒等のように極性の高い冷媒を使
用し、液冷媒に対して弱い相溶性を有し、かつ比重量が
液冷媒よりも大きい冷凍機油を用いる冷媒循環サイク
ル。 【効果】 電気絶縁性及び耐湿性に優れ、圧縮機への油
もどりが良く、信頼性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】冷媒として、例えば主にハイドロ
フルオロカーボンや第三世代冷媒を主成分とするものを
使用する冷媒循環システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷媒循環システムの一例を図14
に示す。従来例えば、トライポロジスト第35巻第9号
(1990年)621〜626頁に示されるように、ハ
イドロフルオロカーボンであるHFC134a冷媒を用
いて冷凍装置を構成する場合、冷媒と冷凍機油との相互
溶解性が重要な特性の一つであり、PAG(ポリエーテ
ル)やエステル系冷凍機油が用いられていた。図11は
HFC134a冷媒を用いた冷凍装置を示し、1は冷媒
ガスを圧縮する圧縮機、2は圧縮機1から吐出された高
圧冷媒ガスを凝縮させる凝縮器、3は絞り機構、4は蒸
発器であり、5は冷媒の流れ方向を逆転させる機能を有
する四方弁であり、8は冷媒量調整機能を有するアキュ
ームレータであり、6は圧縮機1内に貯留し圧縮機1の
摺動部の潤滑及び圧縮室のシールを行う冷凍機油であ
り、PAG6aまたはエステル系冷凍機油6bである。
【0003】次に油の挙動について説明する。圧縮機1
により圧縮された冷媒は、凝縮器2に吐出される。圧縮
機の潤滑及び圧縮室のシールに用いられた潤滑油6aま
たは6bは大部分が底部に戻るが、冷媒との重量比でい
うと0.5〜3.0%程度の油6aまたは6bは冷媒と
共に圧縮機1から吐出される。吐出された油6aまたは
6bは冷媒と相互溶解性があるので、流動性が良く凝縮
器2、キャピラリーチューブ3、蒸発器4を通りアキュ
ームレータ8へ入った後、余剰液冷媒7aに溶解して、
油もどし穴82を通り圧縮機1へ戻ってくる。したがっ
て、潤滑油6が圧縮機1からなくなることはなく正常な
潤滑が可能となる。
【0004】従来の冷媒循環システムの他の例を図15
に示す。従来例えば、特開平5−17789号公報に示
されるように、可燃性冷媒であるHFC32を含む混合
冷媒を用いた冷媒循環システムにもエステル系冷凍機油
のような溶解性の高いものが用いられていた。例えば、
図15はHFC32、HFC125、HFC134aに
より構成された混合冷媒を用いた空気調和装置を示し、
1は冷媒ガスを圧縮する圧縮機、2は圧縮機1から吐出
された高圧冷媒ガスを凝縮させる凝縮器、3は絞り機
構、4は蒸発器であり、5は冷媒の流れを逆転させる機
能を有する四方弁であり、8は冷媒量調整機能を有する
アキュームレータであり、6は圧縮機1の摺動部の潤滑
及び圧縮室のシールを行う冷凍機油であり、エステル系
冷凍機油6bである。圧縮機1に吸入された冷媒は、密
閉容器11内の電動機12を冷却した後、圧縮機構13
内で圧縮され、四方弁5を通って凝縮器2に吐出され
る。この過程で、密閉容器11の底部に貯留された冷凍
機油6は構造上、圧縮機1に吸入された冷媒雰囲気にさ
らされることとなるが、冷凍機油6は溶解性が高いため
多量の冷媒が溶解することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のHFC134a
の冷媒循環システムは以上のように構成されているが、
PAG(ポリエーテル)6aは体積抵抗率が107 〜1
10Ω・cm、飽和水分量が約25000ppMであ
り、又エステル系冷凍機油の特性はそれぞれ1012〜1
14Ω・cm、約1500ppMと改善はされている
が、現行CFC12用冷凍機油の特性1015Ω・cm、
約300ppMと比べると電気絶縁性及び吸湿性とでか
なり劣る特性を示している。
【0006】またハイドロフルオロカーボン(HFC)
は、環境問題にて削減及び廃止計画の対象になっている
CFC12やHCFC22の代替冷媒として有力である
が、一般にこのハイドロフルオロカーボンはCFC12
やHCHC22に比べ極性が高く、これに相互溶解性の
高い冷凍機油は一般的に極性が高い。従ってハイドロフ
ルオロカーボンと相互溶解性のある油は、極性の強い水
分と吸着し易い。その結果、冷媒循環システム中に水分
を持ち込み、電気絶縁性の低下、さらに冷凍機油である
エステル油や圧縮機内に用いられている有機材料等の加
水分解性のある物質が劣化し易く、この劣化物の絞り機
構部へ蓄積による冷媒循環システムの性能低下の恐れが
あった。
【0007】このため冷媒循環システムの組立の際は、
システムが大気中に開放状態で放置されている時間を短
くするなど生産上取り扱いの問題が多く、また水分がシ
ステム中に多く入るとスラッジの発生を加速したり、水
分が凍結して絞り機構を閉塞して冷却不良を起こす等の
問題点があった。
【0008】また、従来のHFC134aの冷媒循環シ
ステムは、システム構成部品の修理交換等のアフターサ
ービスの場合に、冷凍機油の吸湿性が高いため空気中の
水分が冷凍機油に吸着され、絞り機構のキャピラリーチ
ューブや膨張弁が氷結して閉塞しやすく、また水分によ
るエステル油の加水分解の促進に伴うスラッジの生成、
モーターの絶縁材として用いているポリエチレンテレフ
タレートの加水分解の促進によるスラッジの生成等が発
生する。こうした製造プロセス及びアフターサービスに
おける欠陥を防止するため、CFC12冷媒を使用した
系に比べて、冷凍機油の水分除去及び冷媒サイクル内の
水分除去を念入りに行う必要があり、また冷媒サイクル
内にドライヤーを設け、水分補足機能をもたせる必要が
あるという問題点があった。
【0009】また相互溶解性の高い冷凍機油を用いた場
合、冷凍機油もしくはこの冷凍機油に接した冷媒の温度
が、冷凍機油のおかれた雰囲気圧力における冷媒の飽和
温度に近づくにつれて、急激に冷凍機油への冷媒の溶解
量が増加する。従って冷凍機油は、冷凍機油に比べて粘
度の低い冷媒に希釈されるため、摺動部に供給される液
体の粘度は極端に低下し、摺動部の潤滑特性が悪化し焼
き付き等を起こす恐れがあった。
【0010】また相互溶解性の高い冷凍機油の貯留され
る圧縮機底部を高圧側に配設した場合、圧縮機内の摺動
部面圧の高くなり潤滑特性が必要になる高圧雰囲気ほ
ど、冷媒の溶解度が高くなり、摺動部に供給される液体
の粘度は低下し、摺動部の潤滑特性が悪化し焼き付き等
を起こす恐れがあった。従って従来、相互溶解性の高い
冷凍機油の貯留される圧縮機底部を高圧側に配設した場
合、この高圧力での冷凍機油の溶け混みを考慮して粘度
の高い冷凍機油を用いてきたが、逆に低圧雰囲気では冷
媒の溶解が少ないため粘度が非常に高くなり、滑り軸受
け部等で油のせん断力により発生するメカロスの圧縮仕
事に対する比率が大きくなり、効率が低下するといった
問題があった。
【0011】また相互溶解性の高い冷凍機油を用いた場
合、オイシール部で圧縮室吸入側に洩れた油中に多量の
冷媒が含まれており、この冷媒が圧縮過程で再膨張・再
圧縮することによるロスが発生し効率が低下するといっ
た問題があった。
【0012】また、従来の冷媒循環システムは、複数の
冷媒の混合冷媒で、かつその構成冷媒の内少なくとも1
種は可燃性である冷媒、例えば単独冷媒として可燃性で
あるHFC32と単独冷媒として不燃性であるHFC1
25、HFC134aの混合冷媒を用いた場合、冷媒溶
解性が高い冷凍機油を用いているため冷凍機油中に多量
の冷媒が溶解することとなる。この際それぞれの冷媒の
極性の差により冷凍機油に溶解する冷媒の量が異なる。
図16はエステル系冷凍機油に対するHFC32、HF
C125とHFC134aの溶解性を示した図である。
極性の比較的弱いHFC125やHFC134aの方
が、極性の強いHFC32より選択的に多量に冷凍機油
に溶解することとなる。その結果として冷凍機油に溶解
していない冷媒循環サイクル中の冷媒混合比は、冷媒循
環サイクルに封入する前の不燃性である混合比に対し
て、単独では可燃性であるHFC32の比率が大きくな
り、可燃性となる混合比に推移する可能性がある。よっ
てこの状態の冷媒が何らかのトラブル等で大気中に放出
されかつ着火熱源が存在した場合、発火し火災を引き起
こす恐れがあるという課題があった。
【0013】また、従来の、構成冷媒の内少なくとも1
種は可燃性である複数の冷媒の混合冷媒を使用した冷媒
循環システムでは、使用している冷凍機油が可燃物質で
あるため、何らかのトラブル等で冷媒と冷凍機油がミス
ト状となって大気中に放出されかつ着火熱源が存在した
場合、発火し火災を引き起こす恐れがあるという課題が
あった。
【0014】なおここで可燃性冷媒とは、実用的温度範
囲において、ある空気との混合比下では着火熱源に接す
ることで発火するものを指し、例えば可燃冷媒はHFC
32(R32)、HFC143a(R143a)、HF
C152a(R152a)、プロパン(R290)、ブ
タン(R600)、ペンタン、アンモニア(R717)
があり、また、不燃性冷媒とは実用的温度範囲におい
て、あらゆる空気との混合比下で着火熱源に接しても発
火しないものを指す。ここで実用的温度範囲とは−40
℃〜+100℃とする。
【0015】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電気絶縁性及び耐湿性に優れ、
また製造プロセス及びアフターサービスの管理レベルを
従来水準に維持することによって、十分信頼性の高い冷
媒循環システムを提供することを目的とする。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、何らかのトラブル等で放出され
かつ着火熱源が存在した場合でも引火することがなく、
火災等を引き起こす恐れのない安全性の高い冷媒循環サ
イクルを提供することを目的とする。
【0017】この発明は冷媒や油が冷媒システム内の不
適切なヶ所にとどこおることがない冷媒循環システムを
提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の冷媒循環システ
ムは、冷媒として例えばHFC134a等のハイドロフ
ルオロカーボンを主成分とするものを使用するような場
合や、フルオロアミン、フルオロエーテル、フルオロプ
ロパン、フルオロエタン、フルオロシランまたはフルオ
ロサルファーを主成分とするものを使用する場合に、冷
凍機油として、凝縮圧力及び凝縮温度条件下における液
冷媒への油の重量溶解率が0.5〜7%の溶解性を有す
る油を用いる。
【0019】この発明の冷媒は、可燃性冷媒を含む複数
の冷媒の混合冷媒を使用する。この発明の冷凍機油は前
記液冷媒より比重量が小さい。
【0020】この発明の冷凍機油は、アルキルベンゼ
ン、ポリアルファオレフィン、パラフィン系油、ナフテ
ン系油、ポリフェニルエーテル、ポリフェニルチオエー
テル、または塩素化パラフィンの少なくとも一つを主成
分とする。この発明の冷媒は非共沸の冷媒を混合した複
数の冷媒である。この発明の冷凍機油は、少なくとも冷
媒循環システム使用周囲温度範囲において、同一温度と
その飽和蒸気圧下で測定された液冷媒の比重より小さな
値をとるものを用い、冷媒は、非共沸である混合冷媒を
用いる。この発明のアキュームレータ内にあって、冷媒
を外部へ導く導出管にアキュームレータ下端からの高さ
が異なる複数の穴が設けられる。この発明の蒸発器と前
記圧縮機の間もしくはシステム中の四方弁と圧縮機吸入
側接続管の間もしくは前記アキュームレータと前記圧縮
機吸入側接続管の間のいずれかに逆流防止機構を設けら
れる。
【0021】この発明の冷凍機油の比重量は液冷媒の比
重量より大きい。この発明の冷凍機油の比重量は、−2
0℃〜+60℃の温度範囲において、同一温度とその飽
和蒸気圧下で測定された液冷媒の比重量よりも大きな値
となる。この発明の冷凍機油はクロロフルオロカーボン
ポリマー(CIFC)またはパーフルオロカーボンポリ
マー(FC)またはパーフルオロアルキルポリエーテル
または変性シリコーンまたは塩素化芳香族を主成分とす
るものを用いる。この発明の冷媒は、構成冷媒の内少な
くとも1種は可燃性である複数の冷媒の混合冷媒であ
る。
【0022】この発明の冷凍機油の貯留される圧縮機底
部もしくは前記別置タンクを、前記圧縮機もしくは前記
冷媒循環システムの高圧側に、配設する。
【0023】この発明は高圧気体冷媒に混入して前記圧
縮機より吐出される冷凍機油の重量混入率が、凝縮圧縮
及び凝縮温度条件下における液冷媒中への冷凍機油の重
量溶解率以下となるように気体冷媒より比重の重い冷凍
機油を分離する分離手段を前記圧縮機に組み込まれる。
この発明は圧縮機吐出側に油分離器を接続する。この発
明は蒸発圧力及び蒸発温度条件下における液冷媒への冷
凍機油の重量溶解率が0〜2%の非溶解性もしくは微弱
な溶解性を有する。この発明の気体冷媒もしくは一部に
液冷媒を含む気体冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒として
吐出する圧縮機と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を含
む液冷媒を減圧する絞り機構と、前記圧縮機より吐出さ
れる高圧気体冷媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構か
ら出た液冷媒もしくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発器
と、を連結させて冷媒を循環させるシステムで、前記シ
ステムに設けられた前記圧縮機の内部もしくは別置タン
クに、潤滑あるいはシール機能等を果たすための冷凍機
油を貯留し、当該冷凍機油の一部もしくは全部が冷媒雰
囲気にさらされる構造のものにおいて、冷媒はHFC3
2,HFC125とHFC134aの混合冷媒を使用し
凝縮圧力及び凝縮温度条件下における液冷媒への前記冷
凍機油の重量溶解率が0.5〜7%の溶解性を有すると
ともに、前記冷凍機油は前記液冷媒より比重量が小さ
い。
【0024】この発明の冷媒は、ハイドロフルオロカー
ボンを主成分とする、または、フルオロアミン、フルオ
ロエーテル、フルオロプロパン、フルオロエタン、フル
オロシラン、もしくはフルオロサルファーのうちの少な
くとも一つを主成分とする、非共沸の混合冷媒であり、
冷凍機油は液冷媒より軽く、かつ、わずかに溶解する。
【0025】この発明の冷媒と冷凍機油の最大二層分離
温度が凝縮温度以上である。
【0026】この発明は飽和水分量が300ppM以下
の冷凍機油を用いたものである。
【0027】
【作用】この発明は極性が高い冷媒に、7%以上は溶解
しない程度に極性が低く、かつ0.5〜7%は溶解する
油を用いることで、吸湿性が低く、かつ油戻りの優れた
冷媒循環システムを得ることができる。
【0028】この発明の冷媒は、単独では可燃性の冷媒
を不燃冷媒との混合で使用し、かつ、油がわずかしか溶
解しないため組成が変化せず可燃とならない。
【0029】この発明の冷凍機油は液冷媒より軽く、小
さな原子量の物質でよいため安価にできる。
【0030】アルキルベンゼン、ポリアルファオレフィ
ン、パラフィン系油、ナフテン系油、ポリフェニルエー
テル、ポリフェニルチオエーテル、または塩素化パラフ
ィンを主成分とする冷凍機油は、高圧粘度が高く摺動部
信頼性に優れ、化学的安定性が高い。塩素などの極圧性
のある原子を持たない自己潤滑性に劣る冷媒との組合せ
では有利である。
【0031】非共沸混合冷媒を用いれば、システム長期
停止時の圧縮機内への冷媒移行が少ない。
【0032】複数油戻し穴のあるアキュムレータにより
アキュムレータ内で分離した油の回収が可能となる。
【0033】吸入管に逆止弁を設けることにより、圧縮
機内で分離した粘度の低い液冷媒が低圧側に洩れ性能が
低下するのを防ぐ。
【0034】液冷媒より比重量の大きい油を使用するの
で、アキュムレータから油が戻りやすい。
【0035】また、この冷媒循環システムは、何らかの
トラブル等で冷媒が大気中に放出されかつ着火熱源が存
在した場合でも引火することがなく、火災を引き起こす
等の危険を回避できる。
【0036】このシステムの油貯留部を高圧側に配置し
たり、また油分離手段や油分離器を圧縮機に設けたの
で、回路中への油の持ち出し量を少なく抑えられる。
【0037】冷凍機油と液冷媒の二層分離温度の最大値
が凝縮温度以上であるから、このように相互溶解性の低
い冷凍機油を用いた場合、冷凍機油もしくはこの冷凍機
油に接した冷媒の温度が、冷凍機油のおかれた雰囲気圧
力における冷媒の飽和温度に近づいた際も、冷凍機油へ
の冷媒の溶解が少ない。
【0038】
【実施例】
実施例1.以下、本発明に対応する実施例1を図1、図
2に基づいて説明する。図1は例えば小容量の空調機に
適用される冷媒循環システムの一例であり、図1におい
て、1は冷媒ガスを圧縮する圧縮機、2は圧縮機1から
吐出された高圧冷媒ガスを凝縮させる凝縮器、3は絞り
機構、4は蒸発器であり、5は冷媒の流れ方向を逆転さ
せる機能を有する四方弁であり、6は圧縮機1内に貯留
され、圧縮機1の摺動部の潤滑及び圧縮室のシールを行
う冷凍機油である。また図2は本実施例の液冷媒HFC
134aへの冷凍機油アルキルベンゼンの重量溶解率を
示したものである。凝縮器内の液冷媒に対し重量溶解率
0.5〜7%の溶解性を有すると共に、蒸発器内の液冷
媒に対しては重量溶解率0〜2%の非溶解性もしくは微
弱な溶解性を有する。
【0039】次に冷媒及び油の挙動について説明する。
圧縮機1により圧縮された冷媒には、圧縮室のシール機
能を果たした冷凍機油の一部が混入して凝縮器2に吐出
される。冷媒ガスの流れる凝縮器2の管径は、冷媒ガス
流速が冷凍機油を下流へ搬送するのに十分な流速を確保
するよう設定されている。凝縮器2の管内壁面には冷媒
が凝縮し、下流へいく程その凝縮液の厚みは増すが、そ
の分ガスの流れる管中央部の空隙径は縮まる。したがっ
て、ガス流速の低下は緩慢に進み、冷凍機油及び管壁冷
媒液を下流へ搬送し続けるのに十分な限界流速は維持さ
れる。凝縮器2の配管後端部近傍では、大部分の冷媒は
液化し管内流速は著しく低下するが、冷凍機油は凝縮液
冷媒に対し弱い相溶性を有するので、液冷媒に溶解して
下流へ搬送される。絞り機構3の入り口部では冷媒はほ
ぼ液化しており、弱相溶性を有する冷凍機油は液冷媒と
共に下流に搬送される。絞り機構3の下流域では冷媒の
温度と圧力は著しく低下し、冷凍機油は液冷媒に対し微
弱な溶解性を有するのみか、もしくは非溶解性に転じ
る。
【0040】しかし、絞り機構3の下流域で生じる液冷
媒の一部のガス化により、冷媒流速は急激に増加し冷凍
機油は下流へ搬送される。蒸発器4の配管は、絞り機構
3の圧力降下で生じた冷媒ガスが、液冷媒及び冷凍機油
を下流側へ搬送するのに十分な管径に設定されており、
冷凍機油の液冷媒に対する非溶解性もしくは微弱な溶解
性にかかわらず、冷凍機油は下流へ搬送される。蒸発器
4では下流へいく程気化冷媒が増加してくるので、冷媒
ガスは増速し冷凍機油を搬送するのに必要な限界流速を
十分越したガス流速が維持されて、圧縮機1へ冷媒は吸
入され、冷凍機油は圧縮機1内の底部に貯留された冷凍
機油6へ合流する。
【0041】したがって、冷凍機油6が圧縮機1からな
くなることはなく、正常な潤滑油及びシール機能が維持
される。
【0042】以上のように構成された冷媒循環システム
として、冷媒はハイドロフルオロカーボンを主成分とす
るものを用い、冷凍機油はアルキルベンゼンまたはポリ
アルファオレフィン等を主成分とするものを用いること
ができるので、冷凍機油の吸湿性、電気絶縁耐力は、従
来の冷媒循環システムの鉱油とほぼ同等のレベルが維持
される。また冷媒循環サイクル組立時及びアフターサー
ビス時の水分管理もCFC12冷媒用の従来並でよい。
【0043】なお、蒸発器と圧縮機の間及び圧縮機と凝
縮器の間に配設された2本の接続管を集配合した接続部
に四方弁を設け、四方弁の流路を切り換えることによ
り、冷媒の循環方向を逆転させると共に、蒸発器と凝縮
器の機能を反転させる制御手段を設けることができる。
【0044】この発明は以上のような構成を有するの
で、この冷媒循環システムは、主としてハイドロフルオ
ロカーボンを主成分とする冷媒を使用し、液冷媒に対し
て凝縮側で相溶性を有し、蒸発側で非相溶性もしくは微
弱な相溶性を有する冷凍機油を用いたので、電気絶縁性
及び耐湿性に優れ、かつ圧縮機への油もどりが良く、信
頼性が高い。
【0045】一般に冷媒循環システムに用いられる圧縮
機は、循環冷媒に対する冷凍機油の重量比率で少なくと
も0.5%の冷凍機油が冷媒回路中に持ち出される。従
って凝縮圧力及び凝縮温度条件下における液冷媒への冷
凍機油の重量溶解率が0.5%以下の冷凍機油を用いた
際は、冷媒が液化し流速が著しく低下する凝縮器の配管
後端部近傍において、液冷媒に溶解し得ない分の冷凍機
油が滞留し、圧縮機内の冷凍機油が枯渇することとな
る。またハイドロフルオロカーボン等の極性が高い冷媒
を使用した際、凝縮器の配管後端部近傍の液冷媒に冷凍
機油が滞留しないよう、液冷媒と冷凍機油の溶解性を確
保するためには、極性の高い冷凍機油を用いる必要があ
るが、7%以上溶解する極性が高い冷凍機油は吸湿性が
高く、冷媒回路中に多量の冷凍機油を持ち込みやすく、
電気絶縁性の低下、冷媒や冷凍機油さらにモーターに用
いる絶縁材の化学的安定性の低下を引き起こす恐れがあ
った。本発明は上記のような問題点を解消するためにな
されたもので、凝縮圧力及び凝縮温度条件下における液
冷媒への冷凍機油の重量溶解率が0.5〜7%の溶解性
を有する冷凍機油を用いたため、圧縮機から冷媒回路中
へ持ち出された冷凍機油を確実に圧縮機内へ戻すことが
でき、かつ吸湿性が低い冷凍機油を用いているため、信
頼性の高い冷媒循環システムを得ることができる。
【0046】なお、冷凍機油が滞留する可能性があるヶ
所は、凝縮器の途中(普通は半分よりかなり出口に近い
側であるが、冷媒が低循環量の際は凝縮器のかなり上流
から液のみの状態になることもある)から絞りまでの配
管であり、圧縮機内の油が減少し、凝縮器出口から絞り
部までの配管が長い場合などは、圧縮機内の油が枯渇す
る恐れもあった。また、凝縮圧力は凝縮温度条件と冷媒
特性により決まる。凝縮温度は、その冷媒循環システム
の凝縮器がおかれる雰囲気温度及び凝縮器の性能(熱交
換効率)と冷媒潜熱とのバランスにより決まる。例え
ば、一般に冷蔵庫の使用される雰囲気温度は0〜45℃
であり、この際の凝縮温度は(冷蔵庫の凝縮器の性能に
より異なるが)、雰囲気温度0℃で0〜15℃、雰囲気
温度45℃では45〜68℃となる。またこの際の凝縮
圧力は冷媒の特性により決まり、例えばR134aを冷
媒として用いた場合、凝縮温度0℃で1.96Kg/c
2 G、68℃で19.6Kg/cm2 Gとなる。
【0047】極性が高いか低いかは相対的な問題であ
る。本件の中では、ハイドロフルオロカーボンや第3世
代冷媒と呼ばれるフルオロアミン、フルオロエーテル、
フルオロプロパン、フルオロエタン、フルオロシラン、
フルオロサルファーといった冷媒が、CFC12もしく
はHCFC22との比較して極性が高い。また冷凍機油
に関しても、アルキルベンゼンやポリアルファオレフィ
ン等が、従来技術のエステル油、PAGと比較して極性
が低い。一般に溶解しやすさを見た場合、極性の高い物
同士、極性の低い物同士が溶解しやすい。従って比較的
極性の高いハイドロフルオロカーボンには、同じように
極性の高いエステル油やPAG等しか溶解しない。また
水は比較的極性の高い物質であり、同じように極性の高
いエステル油やPAGに溶解しやすい。つまりハイドロ
フルオロカーボン等に溶解しやすい油は吸湿性が高い。
逆に、ハイドロフルオロカーボンに溶解しにくい油は吸
湿性が低い。またハイドロフルオロカーボン等の極性が
高い冷媒を使用した際、凝縮器の配管後端部近傍の液冷
媒に冷凍機油が滞留しないよう、液冷媒と冷凍機油の溶
解性を確保するためには、極性の高い冷凍機油を用いる
必要があるが、7%以上溶解する極性が高い冷凍機油は
吸湿性が高く、冷媒回路中に多量の冷凍機油を持ち込み
やすく、電気絶縁性の低下、冷媒や冷凍機油さらにモー
ターに用いる絶縁材の化学的安定性の低下を引き起こす
恐れがあった。
【0048】なお、極性とは分子内で正負の電荷の重心
が一致しない場合、極性を持つという。また特定の化学
結合についても正負の電荷のかたよりのある場合はこの
結合は極性があるという。一般には電気的極性を意味す
る。極性をもつ場合、反対符号のイオンや極性結合の原
子と近づきやすくなり、吸着、反応速度、誘電率などに
影響があらわれる。
【0049】またハイドロフルオロカーボン(HFC)
または、フルオロアミン、フルオロエーテル、フルオロ
プロパン、フルオロエタン、フルオロシラン、フルオロ
サルファーのような冷媒は、環境問題にて削減及び廃止
計画の対象になっているCFC12やHCFC22の代
替冷媒として有力であるが、一般にこのハイドロフルオ
ロカーボンはCFC12やHCHC22に比べ極性が高
く、これに対し相互溶解性の低い冷凍機油は一般的に極
性が低い。従ってハイドロフルオロカーボン等の極性の
高い冷媒と相互溶解性の低い冷凍機油は、極性の強い水
分と吸着し難い。その結果、冷媒循環システム中に水分
を持ち込みが抑えられ、電気絶縁性の低下や、圧縮機内
に用いられている有機材料等の加水分解性のある物質が
劣化が起こり難く、劣化物の絞り機構部へ蓄積による冷
媒循環システムの性能低下を抑制できる。
【0050】また、ハイドロフルオロカーボン(HF
C)は、環境問題にて削減及び廃止計画の対象になって
いるCFC12やHCFC22の代替冷媒として有力で
あるが、このハイドロフルオロカーボンは分子中に塩素
原子を含まないため、塩素分子を持つCFC12やHC
FC22のように、圧縮機の境界潤滑条件下におかれた
摺動部が金属表面に塩化鉄のような化合物を作り耐摩耗
性をあげるといった効果が期待できない。さらに、ハイ
ドロフルオロカーボンに対し相互溶解性の高いエステル
油は、CFC12やHCFC22を冷媒とする冷媒循環
システムに用いられてきたパラフィン系油あるいはナフ
テン系油に比べ、極圧性(高圧粘度指数)が低いため圧
縮機の摺動部が境界潤滑条件になりやすい。従って、特
にハイドロフルオロカーボンを冷媒として使用する冷媒
循環システムでは、相互溶解性のあるエステル油を冷凍
機油として用いた場合、圧縮機の摺動部の耐摩耗性の点
で問題があった。
【0051】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを主
成分とする単一もしくは混合冷媒を用いた実施例につい
て述べたが、”第三世代冷媒”と呼ばれる、フルオロア
ミン、フルオロエーテル、フルオロプロパン、フルオロ
エタン、フルオロシラン、フルオロサルファーといった
冷媒についても、分子構造から推測すると極性は全て高
い冷媒である物と考えられ、ハイドロフルオロカーボン
と同等の作用、効果が期待できる。
【0052】またこの冷媒循環システムは、相互溶解性
の低い冷凍機油を用いたため、冷凍機油の極性が低く、
極性の強い水分と吸着し難いため、電気絶縁性の低下
や、劣化物の絞り機構部へ蓄積による冷媒循環システム
の性能低下を抑制する効果がある。
【0053】またこの冷媒循環システムは、相互溶解性
の低い冷凍機油を用いたため、摺動部に供給される液体
の粘度は高く維持され、摺動部の焼き付き等が起き難
く、信頼性の高い冷媒循環システムを得ることができ
る。
【0054】実施例2.以下、本発明の実施例2を図3
に基づいて説明する。図3は例えば大容量の空調機に適
用されるシステムの一例であり、1は冷媒ガスを圧縮す
る圧縮機、2は圧縮機1から吐出された高圧冷媒ガスを
凝縮させる凝縮器、3は毛細管、4は蒸発器であり、8
は冷媒量調整機能を有する冷媒液溜めアキュームレータ
であり、6は圧縮機1内に貯留し圧縮機1の摺動部の潤
滑及び圧縮室のシールを行う冷凍機油であり、5は冷媒
の流れを逆転させる四方弁である。
【0055】蒸発圧力及び蒸発温度条件下において、冷
凍機油6cは液冷媒7aへの溶解性がないかもしくは微
弱なため、冷凍機油6cは液冷媒7aの上方に分離層を
形成する。アキュームレータ8内にあって冷媒を外部へ
導く導出管81には、アキュームレータ下端8aからの
高さを異なる複数の油もどし穴82a,82b,82
c,82dが設けられており、アキュームレータ8内に
多量の油をためることなく同時に装置の負荷状況に応じ
て余剰冷媒をためることができる。冷凍機油6cは確実
に圧縮機1へ戻る。
【0056】実施例3.以下、本発明の実施例3を図4
に基づいて説明する。図4は例えば室内室外一体に部屋
の窓に取り付けるような空調機に適用されるシステムの
一例であり、圧縮機1内の圧縮機構13により高圧化さ
れた冷媒は、密閉容器11内に吐出されたのち吐出管1
4により外部へ導出される。したがって、圧縮機1の底
部に貯留された冷凍機油6は高圧側の冷媒空間におかれ
ており、吐出冷媒ガス中に含まれた冷凍機油は、密閉容
器11内空間である高圧空間から吐出管14に到達する
に至る間にその空間中で冷媒ガスより比重が重いため自
重により落下する。このため吐出管14から吐出される
冷媒ガス中の冷凍機油の混合率は極めて低くなり、すな
わち吐出される油が少なく凝縮圧力条件下の液冷媒中へ
の冷凍機油溶解率を下回るので、圧縮機から吐出された
冷凍機油は確実に圧縮機1へ戻る。
【0057】この冷媒循環システムは、圧縮機の潤滑、
シール等に使われる冷凍機油の凝縮器、絞り機構及び蒸
発器への流出を抑制すると共に、吐出油が少ないため流
出した冷凍機油を確実に圧縮機へ戻すことができ、凝縮
器及び蒸発器の熱交換効率を低下させない。
【0058】すなわち、冷凍機油の貯留される圧縮機底
部を高圧側に配設した場合でも、相互溶解性の低い冷凍
機油を用いれば、冷凍機油への冷媒の溶解性の差による
粘度の変化が少ないため、適正な粘度の冷凍機油を使用
することで、冷凍機油のおかれた雰囲気圧力が高圧であ
るときの圧縮機の摺動部の信頼性と、低圧時の効率の両
方が確保される。
【0059】実施例4.以下、本発明の実施例4を図5
に基づいて説明する。図5は例えば冷蔵庫に適用される
システムの一例であり、9は逆止弁であり、圧縮機1と
蒸発器4の間に設置されている。冷媒と冷凍機油がほぼ
完全に分離するため、冷媒と冷凍機油が溶解している粘
度よりも冷媒単独の粘度は低くなる。そのため、圧縮機
1の停止中に冷媒単独の粘度は低いため流動性が良くな
り、冷凍機油6の下層に分離した液冷媒7aは圧縮機1
内の摺動部の隙間を通って、蒸発器4へ逆流しようとす
る冷媒量が多くなり、結果として蒸発器4の温度が上昇
し、冷凍装置の消費電力量が多くなる。そこで、圧縮機
1と蒸発器4との間に逆止弁9を設けることによって冷
媒の逆流を抑制し、蒸発器4の温度上昇を抑えることが
可能となる。また、逆止弁9の代わりに同様の機能を有
する逆流防止機能を設けてもよい。
【0060】実施例5.以下、本発明の実施例5を図6
に基づいて説明する。図6は例えば冷房専用の空調機に
適用されるシステムの一例であり、圧縮機1内の圧縮機
構13により高圧化された冷媒は、密閉容器11内に吐
出されたのち吐出管14により外部へ導出される。吐出
管14の冷媒ガス入口端14aは、電動機12の回転子
12aの上端に設けられた回転ファン16の中心部に配
設されており、比重の大きい冷凍機油は遠心力により外
周部へ飛散する。このため吐出管16から吐出される油
が少なく冷媒ガス中の冷凍機油の混合率は極めて低くな
り、凝縮圧力条件下の液冷媒中への冷凍機油溶解率を大
きく下回るので、サイクルへ吐出された冷凍機油は確実
に圧縮機1へ戻る。
【0061】実施例6.以下、本発明の実施例6を図7
に基づいて説明する。図7は例えば冷蔵庫等に適用され
るシステムの一例であり、圧縮機1より吐出された冷媒
ガスは、油分離器20の途中に入れられ凝縮器2への配
管に導かれる際、油分離器内の網83にて油が分離され
て凝縮器2に至る。油分離器で分離された冷凍機油6c
は、油分離器から導出された油もどし細管21を経て、
吸入管15へ吸引された圧縮機1へ戻るので、圧縮機1
の潤滑及びシール機能は確実に維持される。また凝縮器
2に入る冷媒ガス中に含まれる冷凍機油は極めて低準の
ため、凝縮圧力条件下の液冷媒に対する冷凍機油の溶解
率以下に維持され、絞り機構の上流側に冷凍機油が蓄積
滞留してシステムに不具合の起きることはないし、流出
した冷凍機油は確実に圧縮機に戻る。なお、吐出管14
の油分離器20内の出口を囲む形で網を設けてもよい。
【0062】圧縮機1の底部に貯留された冷凍機油6は
蒸発圧力下におかれており、アキュームレータ8内に滞
留する冷凍機油6cと共に、液冷媒にほとんど溶解しな
い。しかし、液冷媒7aの比重量と冷凍機油6cの比重
量はほぼ等しいため、両者はほぼ均一の比率で混合しあ
っている。このため、多量の液冷媒7aがアキュームレ
ータ8にたまった場合でも、導出管81の油もどし穴8
2より確実に冷凍機油が圧縮機1へ戻される。また液冷
媒7aが圧縮機1内に戻っても、貯留されている冷凍機
油6との液冷媒7aはほぼ均一の混合比で混合している
ため、最下端に設けられた吸油孔17から液冷媒7aの
みが吸い上げられることはなく、確実に混合比率相当の
冷凍機油が吸い上げられて、潤滑及びシール機能が維持
される。
【0063】実施例7.以下、本発明の実施例7を図8
に基づいて説明する。図8は例えば空調機に適用される
システムの一例であり、圧縮機1に貯留された冷凍機油
6例えばクロロフルオロカーボンは蒸発圧力下におかれ
ており、アキュームレータ8内に滞留する冷凍機油6c
と共に、液冷媒例えばHFC134aにほとんど溶解し
ない。しかし、液冷媒7aの比重量に対し冷凍機油6,
6cの比重量が1.9倍と大きいため、冷凍機油6,6
cは底部に分離層を形成する。このため、多量の液冷媒
7aがアキュームレータ8にたまった場合でも、導出管
81の油もどし穴82より確実に冷凍機油が圧縮機1へ
戻される。また液冷媒7aが圧縮機1内に戻っても貯留
されている冷凍機油6の上方に分離層を形成するので、
最下端に設けられた吸油孔17からは冷凍機油のみが吸
い上げられ、圧縮機1の潤滑及びシール機能が維持され
る。
【0064】この場合冷媒は、ハイドロフルオロカーボ
ンを主成分とするものを用いるが、冷凍機油はクロロフ
ルオロカーボンポリマーまたはパーフルオロカーボンポ
リマーまたはパーフルオロアルキルポリエーテルまたは
変性シリコーンまたは塩素化芳香族を主成分とするもの
を用いる。
【0065】実施例8.以下、本発明に対応する実施例
8を図9に基づいて説明する。複数の冷媒の混合冷媒
で、かつその構成冷媒の内少なくとも1種は可燃性であ
る冷媒、例えば単独冷媒として可燃性であるHFC32
と単独冷媒として不燃性であるHFC125、HFC1
34aの混合冷媒を用いた場合、本発明では、冷媒に対
し非溶解性、もしくは微弱な溶解性である冷凍機油を用
いているため、冷凍機油中に多量の冷媒が溶解すること
はない。そのため、冷凍機油に溶解していない冷凍循環
サイクル中の冷媒混合比は、冷媒循環サイクルに封入す
る前の不燃性である混合比に対してほとんど変化せず、
可燃性となる混合比に推移する可能性はない。よってこ
の状態の冷媒が何らかのトラブル等で大気中に放出され
かつ着火熱源が存在した場合でも、発火し火災を引き起
こす恐れがない。
【0066】図9は例えば空調機に適用されるシステム
の一例であり、圧縮機1に吸入された冷媒は、密閉容器
11内の電動機12を冷却した後、圧縮機構13内で圧
縮され、四方弁5を通って凝縮器2に吐出される。この
過程で、密閉容器11の底部に貯留された冷凍機油6は
構造上、圧縮機1に吸入された冷媒雰囲気にさらされる
こととなるが、冷凍機油6は非溶解性もしくは微弱な溶
解性しか有していないため、冷凍機油6中に多量の冷媒
が溶解することがない。
【0067】実施例9.以下、本発明に対応する実施例
9を図10に基づいて説明する。複数の冷媒の混合冷媒
で、かつその構成冷媒の内少なくとも1種は可燃性であ
る冷媒、例えば単独冷媒として可燃性であるHFC32
と単独冷媒として不燃性であるHFC125、HFC1
34aの混合冷媒を用いた場合、本発明では、冷媒に対
し非溶解性、もしくは微弱な溶解性である冷凍機油を用
いているため、冷凍機油中に多量の冷媒が溶解すること
はない。そのため、冷凍機油に溶解していない冷凍循環
サイクル中の冷媒混合比は、冷媒循環サイクルに封入す
る前の不燃性である混合比に対してほとんど変化せず、
可燃性となる混合比に推移する可能性はない。さらに、
使用している冷凍機油が不燃物質であるため、何らかの
トラブル等で冷媒と冷凍機油がミスト状となって大気中
に放出されかつ着火熱源が存在した場合でも、発火し火
災を引き起こす恐れがない。
【0068】図10は例えば空調機に適用されるシステ
ムの一例であり、圧縮機1に吸入された冷媒は、密閉容
器11内の圧縮機構13内で圧縮された後、電動機12
を冷却し、四方弁5を通って凝縮器2に吐出される。こ
の過程で、密閉容器11の底部に貯留された冷凍機油6
は構造上、圧縮機構13で圧縮された冷媒雰囲気にさら
されることとなるが、冷凍機油6は非溶解性もしくは微
弱な溶解性しか有していないため、冷凍機油6中に多量
の冷媒が溶解することがない。
【0069】実施例10.以下、本発明に対応する実施
例10を図11に基づいて説明する。冷凍機油が冷媒に
対して相互溶解性が低く、冷媒循環システム使用周囲温
度範囲において、同一温度とその飽和蒸気圧下で測定さ
れた液冷媒の比重より小さな値をとるものを用いた場
合、単一冷媒もしくは複数の混合冷媒であっても共沸の
混合冷媒を用いた際には、圧縮機1停止時において、蒸
発器4や凝縮器2の温度の方が圧縮機1の温度より少し
でも高い場合は、冷媒が圧縮機1へ移行し、圧縮機底部
に液冷媒7aとして多量に滞留するが、本発明に示すよ
うに、冷媒として非共沸である混合冷媒を用いた場合、
冷媒中の沸点の低い構成冷媒が先に気化するため、圧縮
機1内にある冷凍機油がさらされている冷媒中の構成冷
媒は、蒸発器4や凝縮器2に溜まっている液冷媒より沸
点の低い冷媒となっており、蒸発器4や凝縮器2の温度
の方が圧縮機1の温度より多少高くても圧縮機1側への
冷媒の移行は起きない。従って、長期停止後の起動時に
おいても、圧縮機底部に液冷媒7aとして滞留する量が
抑制され、液冷媒7aが圧縮機1の摺動部に供給され潤
滑効果が低下する時間を抑制できる。ここにおいて共沸
冷媒とは、冷媒の蒸気組成と液組成が同一となる条件
が、使用される圧力、温度範囲内において少なくとも1
点は存在するものをいう。これに対し非共沸混合冷媒と
は、冷媒の蒸気組成と液組成が同一となる条件が、使用
される圧力、温度範囲内においてはないものをいう。
【0070】なお、冷凍機油と冷媒の相互溶解性につい
ては、一般に、JIS K2211附属書3に「冷媒と
の相溶性試験方法」において、「試料油及び冷媒を試験
管に採り、室温または湯浴中で昇温し、試料油と冷媒を
均一透明にする。次に、試験管を冷却し、溶液が二層に
分離するか、または溶液全体が乳濁するときの温度を求
め、この温度をその油分率(試料油・冷媒混合溶液中の
試料油の百分率)における二層分離温度とし、冷凍機油
の冷媒との相溶性を評価する。」と規定されている。つ
まり相互溶解性の高い油とは、前記二層分離温度の低い
油であり、従来、ハイドロフルオロカーボンが主成分で
ある冷媒を使用する冷媒循環システムで用いられてきた
冷凍機油は、エステル油に代表されるように、少なくと
も凝縮圧力及び凝縮温度条件下では、あらゆる冷媒と冷
凍機油の混合比下において相溶性があった。また相互溶
解性に低い油とは、前記二層分離温度の高い油であり、
本発明に示すように、ハイドロフルオロカーボンが主成
分である冷媒を使用する冷媒循環システムで用いられる
ハードアルキルベンゼン油に代表されるように、凝縮圧
力及び凝縮温度条件において、少なくとも冷媒と冷凍機
油のある混合比下においては、相溶性がない。すなわ
ち、冷媒と冷凍機油の最大二層分離温度(UCST)が
凝縮温度以上であるが、重量混合比で0.5〜7%(凝
縮温度により異なる)以下となる油分率においては相溶
性がある。
【0071】実施例について図12に基づいて説明す
る。図12は非共沸混合冷媒として知られているHFC
32,HFC125,HFC134aの混合冷媒と、共
沸冷媒として知られているHFC134a,HFC12
5の混合冷媒を用いた冷媒循環システムにおいて、冷媒
循環システムに封入した冷媒の圧縮機への移行率が、冷
媒循環システム停止時間経過に伴い変化する様子を示し
たものである。これは単一冷媒としてHFC32の沸点
が−54.8℃、HFC125の沸点が−48.6℃、
HFC134aの沸点が−26.2℃と、HFC32,
HFC125がHFC134aより沸点が離れて低いた
め、冷媒回路中のガス冷媒の組成は、液冷媒の組成に比
べHFC32やHFC125が多くなる。この結果、圧
縮機中の冷凍機油に接しているガス冷媒は相対的に沸点
が低く液化しにくい状態となるため移行量は抑制され
る。従って非共沸混合冷媒を用いれば、相互溶解性が低
く、液冷媒より比重の小さい冷凍機油を用いた場合で
も、圧縮機へ移行する冷媒の量が少ないため、圧縮機底
部に液冷媒として貯留される量が抑制され、冷媒循環シ
ステム長期停止後の起動時において、液冷媒が圧縮機の
摺動部へ供給され潤滑特性が低下する時間を短くするこ
とができる。
【0072】移行率とは次を示している。 移行率=(圧縮機への移動した冷媒量)/(冷媒循環シ
ステムに封入した冷媒量)×100[%] 移行を推進する力は、 Δp=(冷媒回路中の液冷媒貯留部圧力)−(圧力機内
圧力) このΔpがあることが前提である。ここで圧力は冷媒特
性と温度によって決まり、単一または共沸冷媒では、 Δt=(冷媒回路中の液冷媒貯留部温度)−(圧縮機温
度) このΔtが大きいほど移行しやすい。またΔt=0であ
っても相互溶解性の強い冷凍機油を用いると移行する。
従って、全く相互溶解性がなくΔt=0であれば移行し
ない。また単一もしくは共沸冷媒ではΔt>0であれば
移行がはじまり、最終的には全液冷媒が低温側へ移行す
る。非共沸混合冷媒では、Δt>0であってもガスと液
の組成が異なるためΔtの大きさによって最終的に移行
する冷媒の量は異なる。この量は、ガスと液の組成の差
で決まり、前述の沸点の差はこれを説明したものであ
る。またガスと液の組成の差は、混合冷媒種、混合比、
液ガス比(つまり温度と圧力)、温度分布、冷凍機油の
溶解性に影響される。
【0073】例を非共沸混合冷媒であるHFC32とH
FC134aの混合冷媒について図13で説明する。接
続された2つの容器が−2.5℃の雰囲気下にあるもの
とする。一方の容器にHFC32:HFC134a=2
5:75:wt%の液冷媒がある場合(冷媒回路中の液
冷媒貯留部を想定)、接続されたもう一方(圧縮機を想
定)のガス組成はHFC32:HFC134a=46:
54wt%となり、両者は3.7Kg/cm2 Gで均圧
しているため冷媒の移行は起こらない。この状態からガ
ス側の容器つまり圧縮機に相当する側のみ温度を−2.
5℃から−7.5℃に低下させる。もしこの冷媒が単一
もしくは共沸混合冷媒であれば低温側の圧力が常に低い
ため移行は連続的に行われ、最終的には全液冷媒が移行
することとなる。しかし非共沸であるため全液冷媒が移
行せずとも、圧縮機側のガス冷媒の一部が液化し、下図
のように液相がHFC32:HFC134a=41:5
9wt%、ガス相がHFC32:HFC134a=6
3:37wt%の状態で、高温側容器と均圧状態になり
得るため、これ以上の冷媒の移行は起こらない。気相の
拡散による移行も考えられるが、一般に気相の拡散速度
は非常に遅く、実用上問題にならない。
【0074】上記に述べたように移行は、非共沸混合冷
媒を用いる限り、冷凍機油に関わらず改善される。しか
し移行の要因に冷凍機油の溶解性も関与しており、相互
溶解性のない油を用いることで更に移行を抑制できる。
重い油と軽い油は移行に関しては優位性はないが、相互
溶解性のない油の場合、特に軽い油では信頼性確保の点
で効果が大きい。 ・相互溶解性の無い油+単一もしくは共沸冷媒:Δt>
0で全液冷媒が移行。(Δt=0では移行しない) ・相互溶解性の無い油+非共沸冷媒:Δt>0でもΔt
が小さければ全液冷媒は移行しない。また相互溶解性の
ある油より移行する冷媒の量は更に抑制される。
【0075】この場合冷凍機油は、クロロフルオロカー
ボンポリマーまたはパーフルオロカーボンポリマーまた
はパーフルオロアルキルポリエーテルを主成分とするも
のを用いる。
【0076】なお、上記の説明ではHFC32、HFC
125、HFC134aの混合冷媒を示したが、これは
環境問題にて削減及び廃止計画の対象となっている主に
空調機に用いられているHCFC22の代替冷媒とし
て、この3種混合非共沸冷媒が効率、能力、圧力、安全
性の点からもっとも有力である。この混合冷媒中にHF
C32が入ることで効率、能力が、入れない場合に比べ
向上する。また、HFC32は単独では可燃性である
が、不燃であるHFC125やHFC134aとある混
合比下では実用上不燃であることから安全性もクリアで
きる。安全性の面で余裕を見るためにはHFC32の比
率を低くすればよいがその分効率が低下する傾向があ
る。従って安全の面で同じ余裕度のもとでは、非相溶油
を用いることによって相溶油を用いた場合に比べ可燃性
のHFC32の比率を大きくでき効率のよい冷媒を用い
ることができる。このようなシステムは、空調機に用い
られているHCFC22の代替冷媒対応の技術である。
例えば冷蔵庫に使用する冷蔵・冷凍システムに用いられ
ている冷媒R502の代替冷媒にも同様に可燃性冷媒H
FC143aを含む混合冷媒(共沸)を使用してもよい
ことは同様である。なお、冷凍機油の不燃については、
例えばJIS K2265の引火点測定方法に規定され
ている引火点の有無で区別することができる。
【0077】上記説明における油の比重の比較対象は、
混合冷媒の場合、混合冷媒の冷凍回路内組成での液冷媒
比重である。また、可燃性冷媒を含む冷媒でも共沸冷媒
が存在する。例えば、可燃性冷媒HFC143aを含む
HFC143aとHFC125の2種混合冷媒は、お互
いの沸点が近く共沸冷媒とされている。(HFC143
aの沸点:−47.7℃、HFC125の沸点:−4
8.1℃)非共沸冷媒は、冷媒の蒸気組成と液組成が同
一となる条件が、使用される圧力、温度範囲にないもの
である。また、CST(Critical Solub
ility Temperature)はJIS K2
211(P106)に示されている二層分離温度そのも
ので、JIS K2211に示されている試験方法に
「油分率5〜60質量%の範囲」とうたわれているが、
これは一般的にこの範囲で最大値を持つためである。こ
の最大値をUCST(Uppermost Criti
cal Solubility Temperatur
e)としている。
【0078】またこの冷媒循環システムは、冷媒は、非
共沸である混合冷媒を用いるため、冷凍機油が、冷媒循
環システム使用周囲温度範囲において、同一温度とその
飽和蒸気圧下で測定された液冷媒の比重より小さな値を
とるものを用いた場合でも、長期停止後の起動時におい
て、液冷媒が圧縮機の摺動部に供給され潤滑効果が低下
する時間を抑制できる効果がある。
【0079】また、冷凍機油の飽和水分量を抑えたの
で、従来と同等の水分管理で、同等以上の品質確保が可
能となる。なお、飽和水分量は冷凍機油を、温度30
℃、湿度85RH%の大気中に放置し、油中水分量の時
間変化を測定し、この値が漸近する水分量を飽和水分量
とする。
【0080】前記実施例の冷凍機油は、添加剤を用いな
くても冷凍機油として要求される性能を満たすが、酸化
防止剤としてヒンダートフェノール系、アミン系、硫黄
系などのもので、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール、4,4´−メチレンビス(2,6−
ジ−t−ブチルフェノール)、2,2´−チオビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリメチルジ
ハイドロキノン、p,p´−ジオクチルジフェニルアミ
ン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、アルキルフェ
ノチアジン−1−カルボキシレート、フェニール−2−
ナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−2−ジメチ
ル−p−クレゾール、5−エチル−10,10´−ジフ
ェニールフェナザリン、アルキルジサルファイドなどを
0.2〜5重量%、極圧剤、摩耗防止剤として、リン酸
エステル、亜リン酸エステル、アルキルまたはアリール
フォスフォロチオネート、ハロゲン化炭化水素、ハロゲ
ン化カルボン酸、ジアルキルまたはジアリールジチオリ
ン酸金属塩、ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩、油
溶性硫化モリブデン含有化合物などを1〜30重量%、
熱安定性向上剤として、エポキシ化合物を0.2〜5重
量%、消泡剤として、ジメチルポリシロキサン、カルボ
ン酸金属塩を0.001〜0.1重量%等の添加剤を単
独もしくは併用添加する事により、更に耐摩耗性、耐荷
重性、熱安定性など冷凍機油の性能を向上する事ができ
る。
【0081】この発明は以上のような構成を有するの
で、この冷媒循環システムは、主としてハイドロフルオ
ロカーボンを主成分とする冷媒を使用し、液冷媒に対し
て凝縮側で弱い相溶性を有し、蒸発側で非相溶性もしく
は微弱な相溶性を有する冷凍機油を用いたので、電気絶
縁性及び耐湿性に優れ、かつ圧縮機への油もどりが良
く、信頼性が高い。
【0082】またこの冷媒循環システムは、アキューム
レータからの冷媒導出管に複数の油もどし穴を設けたの
で、アキュームレータ内に多量の油をためることなく、
確実に冷凍機油を圧縮機へ戻すことができると共に、装
置の負荷状況に応じて余剰冷媒をためることができる。
【0083】またこの冷媒循環システムは、圧縮機の冷
凍機油を高圧側冷媒空間に配置したので、吐出ガスに混
合してシステムへ流出する冷凍機油の混合率が抑制さ
れ、信頼性が高くかつ熱交換効率の良いシステムが得ら
れる。
【0084】またこの冷媒循環システムは、蒸発器と圧
縮機の間に、圧縮機から蒸発器側への逆流防止機構を設
ける構成にしたので、圧縮機停止時に、高圧側から漏れ
たガスが吸入配管を伝わって蒸発器に到達し、蒸発器等
の温度を上昇させてしまうことを防止し、装置の消費電
力を低減できる。この場合アキュームレータからの冷媒
導出管に複数の油もどし穴を設け確実に油をもどすこと
ができる。
【0085】またこの冷媒循環システムは、圧縮機から
吐出される吐出ガス中の冷凍機油混合率を抑制して、シ
ステムへ流出した冷凍機油の油もどりを確実にするの
で、信頼性の高いシステムとなる。またアキュームレー
タからの冷媒導出管に複数の油もどし穴を設ける構成等
を組み合わせると一層確実な油もどりが可能である。
【0086】またこの冷媒循環システムは、圧縮機吐出
側に油分離器を設け、吐出ガスに混合してシステムへ流
出する冷凍機油の混合率が抑制されるので、信頼性が高
くかつ熱交換効率の良いシステムが得られる。この構成
に上記他の油もどり対策を組み合わせると一層効果的で
ある。
【0087】またこの冷媒循環システムは、蒸発器と圧
縮機の間に開閉弁を設けた場合は、圧縮機停止時に前記
開閉弁を閉じる制御手段を備えた構成により、圧縮機停
止時に、蒸発器からの圧縮機への流入を開閉弁により阻
止することにより、圧縮機の潤滑油ぎれによる軸の焼付
等の不具合を防止する効果がある。
【0088】この冷媒循環システムは、主としてハイド
ロフルオロカーボンを主成分とする冷媒を使用し、液冷
媒に対して蒸発側で非相溶もしくは弱い相溶性を有する
冷凍機油を用いると共に、当該冷凍機油の比重量が液冷
媒の比重量とほぼ同等となるものを用いた場合には、電
気絶縁性及び耐湿性に優れ、かつ圧縮機への油もどりが
良く、信頼性が高い。
【0089】この冷媒循環システムは、主としてハイド
ロフルオロカーボンを主成分とする冷媒を使用し、液冷
媒に対して蒸発側で非相溶もしくは弱い相溶性を有する
冷凍機油を用いると共に、当該冷凍機油の比重量が液冷
媒の比重量よりも大きなものを用いたので、圧縮機のシ
ール機能及び潤滑機能を著しく安定化させると共に、電
気絶縁性及び耐湿性に優れ、冷凍機油のシステムへの流
出が少なく、かつ油もどり性が良好で、高い信頼性を有
する。
【0090】この発明は、ハイドロフルオロカーボンの
分子は水素(H)、炭素(C)、フッ素(F)原子から
構成されているため、これより比重の大きい冷凍機油を
製造するためには、その構成原子として、少なくともフ
ッ素以上の原子量を持った原子が必要となるが、一般に
原子量が大きなもので構成される物質ほど高価である。
本発明のように軽い冷凍機油であれば、水素、炭素、酸
素といった原子で構成された物質でよいため、安価に実
現できる。
【0091】また相互溶解性の低い冷凍機油を用いた場
合、冷凍機油もしくはこの冷凍機油に接した冷媒の温度
が、冷凍機油のおかれた雰囲気圧力における冷媒の飽和
温度に近づいた際も、冷凍機油への冷媒の溶解が少な
い。従って、摺動部に供給される液体の粘度は高く維持
され、摺動部の焼き付き等が起き難くなる。
【0092】また相互溶解性の低い冷凍機油を用いた場
合、オイシール部で圧縮室吸入側に洩れた油中に含まれ
る冷媒の量が少ないため、この冷媒が圧縮過程で再膨張
・再圧縮することによるロスが少なく、効率が低下を抑
えられる。
【0093】また、冷媒は、非共沸である混合冷媒を用
いれば、冷凍機油が、少なくとも冷媒循環システム使用
周囲温度範囲において、同一温度とその飽和蒸気圧下で
測定された液冷媒の比重より小さな値をとるものを用い
た場合でも、圧縮機停止時において、蒸発器や凝縮器か
ら冷媒が圧縮機へ移行し、圧縮機底部に液冷媒として滞
留する量が抑制され、長期停止後の起動時において、液
冷媒が圧縮機の摺動部に供給され、潤滑効果が低下する
時間を抑制できる。
【0094】この冷媒循環システムは、圧縮機の潤滑、
シール等に使われる冷凍機油の凝縮器、絞り機構及び蒸
発器への流出を抑制すると共に、吐出油が少ないため流
出した冷凍機油を確実に圧縮機へ戻すことができ、凝縮
器及び蒸発器の熱交換効率を低下させない。
【0095】この冷媒循環システムは、圧縮機の潤滑、
シール等に使われる冷凍機油の凝縮器、絞り機構及び蒸
発器への流出を抑制すると共に、流出した冷凍機油を確
実に圧縮機へ戻すことができ、凝縮器及び蒸発器の熱交
換効率を低下させない。
【0096】この発明の冷媒循環システムは、圧縮機の
潤滑、シール等に使われる冷凍機油の凝縮器、絞り機構
及び蒸発器へ流出した冷凍機油を確実に圧縮機へ戻すこ
とができ、凝縮器及び蒸発器の熱交換効率を低下させな
い。
【0097】また、この冷媒循環システムは、何らかの
トラブル等で冷媒が大気中に放出されかつ着火熱源が存
在した場合でも引火することがなく、火災を引き起こす
等の危険を回避できる。さらに、この冷媒循環システム
は、冷凍機油を不燃としており、ミスト状となって大気
中に放出されても発火しない。
【0098】またこの冷媒循環システムは、冷凍機油中
に多量の冷媒が溶解することがないため、複数の冷媒の
混合冷媒でありその構成冷媒の内少なくとも1種は可燃
性である冷媒を用いた際も、冷凍循環サイクル中の冷媒
混合比は、不燃性が確認された冷媒循環サイクルに封入
する前の混合比とほとんど変化しないため、冷媒の冷凍
機油への選択溶解により、可燃性となる混合比に推移す
ることはなく不燃性が維持でき、よってこの状態の冷媒
が何らかのトラブル等で大気中に放出されかつ着火熱源
が存在した場合でも引火することがなく、火災等を引き
起こす恐れのない安全性の高い冷媒循環サイクルを得る
ことができる。
【0099】またこの冷媒循環システムは、冷凍機油中
に多量の冷媒が溶解することがないため、複数の冷媒の
混合冷媒でありその構成冷媒の内少なくとも1種は可燃
性である冷媒を用いた際も、冷凍循環サイクル中の冷媒
混合比は、不燃性が確認された冷媒循環サイクルに封入
する前の混合比とほとんど変化しないため、冷媒の冷凍
機油への選択溶解により、可燃性となる混合比に推移す
ることはなく不燃性が維持でき、さらに使用している冷
凍機油が不燃物であるため、この状態の冷媒が何らかの
トラブル等で大気中に放出されかつ着火熱源が存在した
場合でも引火することがなく、火災等を引き起こす恐れ
のない安全性の高い冷媒循環サイクルを得ることができ
る。
【0100】またハイドロフルオロカーボン(HFC)
は、環境問題にて削減及び廃止計画の対象になっている
CFC12やHCFC22の代替冷媒として有力である
が、このハイドロフルオロカーボンは分子中に塩素原子
を含まないため、塩素分子を持つCFC12やHCFC
22のように、圧縮機の境界潤滑条件下におかれた摺動
部が金属表面に塩化鉄のような化合物を作り耐摩耗性を
あげるといった効果が期待できない。さらに、ハイドロ
フルオロカーボンに対し相互溶解性の高いエステル油
は、CFC12やHCFC22を冷媒とする冷媒循環シ
ステムに用いられてきたパラフィン系油あるいはナフテ
ン系油に比べ、極圧性(高圧粘度指数)が低いため圧縮
機の摺動部が境界潤滑条件になりやすい。従って、特に
ハイドロフルオロカーボンを冷媒として使用する冷媒循
環システムでは、相互溶解性のあるエステル油を冷凍機
油として用いた場合、圧縮機の摺動部の耐摩耗性の点で
問題があったが、弱相溶油を使うことによりこの問題が
なくなる。
【0101】
【発明の効果】この発明は上記のような構成を有するの
で電気絶縁性及び耐湿性に優れ、また信頼性の高いシス
テムが得られるという効果がある。
【0102】この発明は上記のような構成を有するの
で、冷媒循環システム内の圧縮機からの油の流出が抑え
ることができ、かつ油が戻りやすく不適切なヶ所に油が
貯まったり、とどこおることがない信頼性の高い効率の
よいシステムが得られるという効果がある。
【0103】この発明は上記のような構成を有するので
火災等を引き起こす恐れの無い安全性の高い冷媒循環サ
イクルを得られるという効果がある。
【0104】この発明は上記のような構成を有するの
で、長期停止後の起動において、圧縮機の摺動部に異常
が起こらず信頼性の高いシステムが得られるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による冷媒循環システムの構成
図である。
【図2】本発明の実施例による液冷媒への冷凍機油の重
量溶解率を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例による冷媒循環システムの
構成図である。
【図4】本発明の他の実施例による冷媒循環システムの
構成図である。
【図5】本発明の他の実施例による冷媒循環システムの
構成図である。
【図6】本発明の他の実施例による冷媒循環システムの
構成図である。
【図7】本発明の他の実施例による冷媒循環システムの
構成図である。
【図8】本発明の他の実施例による冷媒循環システムの
構成図である。
【図9】本発明の他の実施例による冷媒循環システムの
構成図である。
【図10】本発明の他の実施例による冷媒循環システム
の構成図である。
【図11】本発明の他の実施例による冷媒循環システム
の構成図である。
【図12】混合冷媒における圧縮機への移行率特性図で
ある。
【図13】混合冷媒における冷媒移行説明図である。
【図14】従来の冷媒循環システムの構成図である。
【図15】従来の他の例による冷媒循環システムの構成
図である。
【図16】従来の他の例による冷凍機油中への冷媒の重
量溶解率を示す図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 凝縮器 3 絞り機構 4 蒸発器 5 四方弁 6 冷凍機油 7 冷媒 8 アキュームレータ 9 逆止弁 10 開閉弁 11 密閉容器 12 電動機 13 圧縮機構 14 吐出管 15 吸入管 16 回転ファン 17 吸油孔 20 油分離器 21 油もどし細管 81 アキュームレータ導出管 82 アキュームレータ導出管の油もどし穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平原 卓穂 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 川口 進 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 清水 辰秋 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 川▲崎▼ 勝行 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 増田 昇 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 小笠原 忍 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 小西 広繁 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 丸山 等 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 鈴木 聡 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 赤堀 康之 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロフルオロカーボンを主成分とす
    る単一もしくは混合冷媒を用い、気体冷媒もしくは一部
    に液冷媒を含む気体冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒とし
    て吐出する圧縮機と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を
    含む液冷媒を減圧する絞り機構と、前記圧縮機より吐出
    される高圧気体冷媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構
    から出た液冷媒もしくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発
    器とを連結させて冷媒を循環させる冷媒循環システム
    で、前記システムに設けられた前記圧縮機の内部もしく
    は別置タンク等に貯留され少なくとも一部が前記冷媒に
    さらされ、潤滑あるいはシール機能等を果たす冷凍機油
    であって、凝縮圧力及び凝縮温度条件下における液冷媒
    への前記冷凍機油の重量溶解率が0.5〜7%の溶解性
    を有することを特徴とする冷媒循環システム。
  2. 【請求項2】 フルオロアミン、フルオロエーテル、フ
    ルオロプロパン、フルオロエタン、フルオロシランまた
    はフルオロサルファーを主成分とする単一もしくは混合
    冷媒を用い、気体冷媒もしくは一部に液冷媒を含む気体
    冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒として吐出する圧縮機
    と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を含む液冷媒を減圧
    する絞り機構と、前記圧縮機より吐出される高圧気体冷
    媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構から出た液冷媒も
    しくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発器とを連結させて
    冷媒を循環させるシステムで、前記システムに設けられ
    た前記圧縮機の内部もしくは別置タンク等に、貯留さ
    れ、少なくとも一部が前記冷媒にさらされ、潤滑あるい
    はシール機能等を果たす冷凍機油であって、凝縮圧力及
    び凝縮温度条件下における液冷媒への前記冷凍機油の重
    量溶解率が0.5〜7%の溶解性を有することを特徴と
    する冷媒循環システム。
  3. 【請求項3】 冷媒は、可燃性冷媒を含む複数の冷媒の
    混合冷媒を使用したことを特徴とする請求項1または2
    記載の冷媒循環システム。
  4. 【請求項4】 冷凍機油は前記液冷媒より比重量が小さ
    いことを特徴とする請求項1または2記載の冷媒循環シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 冷凍機油は、アルキルベンゼン、ポリア
    ルファオレフィン、パラフィン系油、ナフテン系油、ポ
    リフェニルエーテル、ポリフェニルチオエーテル、また
    は塩素化パラフィンの少なくとも一つを主成分とするこ
    とを特徴とする請求項4記載の冷媒循環システム。
  6. 【請求項6】 冷媒は非共沸の冷媒を混合した複数の冷
    媒であることを特徴とする請求項4記載の冷媒循環シス
    テム。
  7. 【請求項7】 冷凍機油は、少なくとも冷媒循環システ
    ム使用周囲温度範囲において、同一温度とその飽和蒸気
    圧下で測定された液冷媒の比重より小さな値をとるもの
    を用い、冷媒は、非共沸である混合冷媒を用いたことを
    特徴とする請求項4記載の冷媒循環システム。
  8. 【請求項8】 冷媒循環システムに設けられたアキュー
    ムレータと、当該アキュームレータ内にあって、冷媒を
    外部へ導く導出管にアキュームレータ下端からの高さが
    異なる複数の穴が設けられたことを特徴とする請求項4
    記載の冷媒循環システム。
  9. 【請求項9】 蒸発器と前記圧縮機の間もしくはシステ
    ム中の四方弁と圧縮機吸入側接続管の間もしくは前記ア
    キュームレータと前記圧縮機吸入側接続管の間のいずれ
    かに逆流防止機構を設けたことを特徴とする請求項4記
    載の冷媒循環システム。
  10. 【請求項10】 冷凍機油の比重量は液冷媒の比重量よ
    り大きいことを特徴とする請求項1または2記載の冷媒
    循環システム。
  11. 【請求項11】 冷凍機油の比重量は、−20℃〜+6
    0℃の温度範囲において、同一温度とその飽和蒸気圧下
    で測定された液冷媒の比重量よりも大きな値となること
    を特徴とする請求項10記載の冷媒循環システム。
  12. 【請求項12】 冷凍機油はクロロフルオロカーボンポ
    リマーまたはパーフルオロカーボンポリマーまたはパー
    フルオロアルキルポリエーテルまたは変性シリコーンま
    たは塩素化芳香族を主成分とするものを用いたことを特
    徴とする請求項10記載の冷媒循環システム。
  13. 【請求項13】 冷媒は、構成冷媒の内少なくとも1種
    は可燃性である複数の冷媒の混合冷媒であるものを用い
    たことを特徴とする請求項10記載の冷媒循環システ
    ム。
  14. 【請求項14】 冷凍機油の貯留される圧縮機底部もし
    くは前記別置タンクを、前記圧縮機もしくは前記冷媒循
    環システムの高圧側に、配設したことを特徴とする請求
    項1または2記載の冷媒循環システム。
  15. 【請求項15】 高圧気体冷媒に混入して前記圧縮機よ
    り吐出される冷凍機油の重量混入率が、凝縮圧縮及び凝
    縮温度条件下における液冷媒中への冷凍機油の重量溶解
    率以下となるように気体冷媒より比重の重い冷凍機油を
    分離する分離手段を前記圧縮機に組み込んだことを特徴
    とする請求項1または2記載の冷媒循環システム。
  16. 【請求項16】 前記圧縮機吐出側に油分離器を接続し
    たことを特徴とする請求項1または2記載の冷媒循環シ
    ステム。
  17. 【請求項17】 蒸発圧力及び蒸発温度条件下における
    液冷媒への冷凍機油の重量溶解率が0〜2%の非溶解性
    もしくは微弱な溶解性を有することを特徴とする請求項
    1または2記載の冷媒循環システム。
  18. 【請求項18】 気体冷媒もしくは一部に液冷媒を含む
    気体冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒として吐出する圧縮
    機と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を含む液冷媒を減
    圧する絞り機構と、前記圧縮機より吐出される高圧気体
    冷媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構から出た液冷媒
    もしくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発器と、を連結さ
    せて冷媒を循環させるシステムで、前記システムに設け
    られた前記圧縮機の内部もしくは別置タンクに、潤滑あ
    るいはシール機能等を果たすための冷凍機油を貯留し、
    当該冷凍機油の一部もしくは全部が冷媒雰囲気にさらさ
    れる構造のものにおいて、冷媒はHFC32,HFC1
    25とHFC134aの混合冷媒を使用し凝縮圧力及び
    凝縮温度条件下における液冷媒への前記冷凍機油の重量
    溶解率が0.5〜7%の溶解性を有するとともに、前記
    冷凍機油は前記液冷媒より比重量が小さいことを特徴と
    する冷媒循環システム。
  19. 【請求項19】 冷凍機油が不燃であることを特徴とす
    る請求項13記載の冷媒循環システム。
  20. 【請求項20】 気体冷媒もしくは一部に液冷媒を含む
    気体冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒として吐出する圧縮
    機と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を含む液冷媒を減
    圧する絞り機構と、前記圧縮機より吐出される高圧気体
    冷媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構から出た液冷媒
    もしくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発器と、を連結さ
    せて冷媒を循環させるシステムで、前記システムに設け
    られた前記圧縮機の内部もしくは別置タンクに、潤滑あ
    るいはシール機能等を果たすための冷凍機油を貯留し、
    当該冷凍機油の一部もしくは全部が冷媒雰囲気にさらさ
    れる構造のものにおいて、前記冷媒はハイドロフルオロ
    カーボンを主成分とする非共沸の冷媒を混合した冷媒で
    あり、前記冷凍機油は前記液冷媒より軽く、かつ、前記
    液冷媒へわずかに溶解することを特徴とする冷媒循環シ
    ステム。
  21. 【請求項21】 気体冷媒もしくは一部に液冷媒を含む
    気体冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒として吐出する圧縮
    機と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を含む液冷媒を減
    圧する絞り機構と、前記圧縮機より吐出される高圧気体
    冷媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構から出た液冷媒
    もしくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発器と、を連結さ
    せて冷媒を循環させるシステムで、前記システムに設け
    られた前記圧縮機の内部もしくは別置タンクに、潤滑あ
    るいはシール機能等を果たすための冷凍機油を貯留し、
    当該冷凍機油の一部もしくは全部が冷媒雰囲気にさらさ
    れる構造のものにおいて、前記冷媒はフルオロアミン、
    フルオロエーテル、フルオロプロパン、フルオロエタ
    ン、フルオロシラン、またはフルオロサルファーのうち
    の少なくとも一つを主成分とする非共沸の混合冷媒であ
    り、前記冷凍機油は前記液冷媒より軽く、かつ、前記液
    冷媒へわずかに溶解することを特徴とする冷媒循環シス
    テム。
  22. 【請求項22】 混合冷媒の内少なくとも一つは可燃性
    冷媒であることを特徴とする請求項20または21記載
    の冷媒循環システム。
  23. 【請求項23】 気体冷媒もしくは一部に液冷媒を含む
    気体冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒として吐出する圧縮
    機と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を含む液冷媒を減
    圧する絞り機構と、前記圧縮機より吐出される高圧気体
    冷媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構から出た液冷媒
    もしくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発器と、を連結さ
    せて冷媒を循環させるシステムで、前記システムに設け
    られた前記圧縮機の内部もしくは別置タンクに、潤滑あ
    るいはシール機能等を果たすための冷凍機油を貯留し、
    当該冷凍機油の一部もしくは全部が冷媒雰囲気にさらさ
    れる構造のものにおいて、前記冷媒は構成冷媒の内少な
    くとも一つは可燃性である複数の冷媒の混合冷媒を使用
    し、前記冷凍機油は前記液冷媒より重く、かつ、前記液
    冷媒にわずかに溶解することを特徴とする冷媒循環シス
    テム。
  24. 【請求項24】 冷凍機油は不燃であるものを用いたこ
    とを特徴とする請求項23記載の冷媒循環システム。
  25. 【請求項25】 冷媒と冷凍機油の二層分離温度の最大
    値が凝縮温度以上であることを特徴とする請求項20,
    21または23記載の冷媒循環システム。
  26. 【請求項26】 気体冷媒もしくは一部に液冷媒を含む
    気体冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒として吐出する圧縮
    機と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を含む液冷媒を減
    圧する絞り機構と、前記圧縮機より吐出される高圧気体
    冷媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構から出た液冷媒
    もしくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発器と、を連結さ
    せて冷媒を循環させるシステムで、前記システムに設け
    られた前記圧縮機の内部もしくは別置タンクに、潤滑あ
    るいはシール機能等を果たすための冷凍機油を貯留し、
    当該冷凍機油の一部もしくは全部が冷媒雰囲気にさらさ
    れる構造のものにおいて、前記冷媒はハイドロフルオロ
    カーボンを主成分とする冷媒であり、前記冷凍機油は前
    記液冷媒より比重量が小さく、かつ、前記冷凍機油と前
    記液冷媒の二層分離温度の最大値が凝縮温度以上である
    ことを特徴とする冷媒循環システム。
  27. 【請求項27】 気体冷媒もしくは一部に液冷媒を含む
    気体冷媒を吸引し、高圧化気体冷媒として吐出する圧縮
    機と、液冷媒もしくは一部に気体冷媒を含む液冷媒を減
    圧する絞り機構と、前記圧縮機より吐出される高圧気体
    冷媒を凝縮する凝縮器と、前記絞り機構から出た液冷媒
    もしくは気液二相冷媒を蒸発させる蒸発器と、を連結さ
    せて冷媒を循環させるシステムで、前記システムに設け
    られた前記圧縮機の内部もしくは別置タンクに、潤滑あ
    るいはシール機能等を果たすための冷凍機油を貯留し、
    当該冷凍機油の一部もしくは全部が冷媒雰囲気にさらさ
    れる構造のものにおいて、前記冷媒はフルオロアミン、
    フルオロエーテル、フルオロプロパン、フルオロエタ
    ン、フルオロシラン、またはフルオロサルファーのうち
    の少なくとも一つを主成分とする冷媒であり、前記冷凍
    機油は前記液冷媒より比重量が小さく、かつ、前記液冷
    媒との二層分離温度の最大値が凝縮温度以上であること
    を特徴とする冷媒循環システム。
  28. 【請求項28】 飽和水分量が300ppM以下の冷凍
    機油を用いたことを特徴とする請求項1,2,18,2
    0,21,23,26または27記載の冷媒循環システ
    ム。
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